JP2010221622A - 繊維複合材料の製造方法 - Google Patents

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泰光 藤野
Kazuhito Ihara
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Abstract

【課題】本発明の目的は、引っ張り強度、曲げ強度に優れた繊維複合材料を得ることにある。
【解決手段】セルロース繊維がマトリックス樹脂中に分散して含有される繊維複合材料の製造方法であって、該セルロース繊維と該マトリックス樹脂を含む溶融樹脂組成物を伸長流動混合することを特徴とする繊維複合材料の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、セルロース繊維と、マトリックス樹脂からなるセルロース繊維複合材料の製造方法に関する。
樹脂に各種繊維状強化材を配合することで、その強度、剛性を大幅に向上させた繊維強化複合材料は、電気・電子、機械、自動車、建材等の産業分野で広く用いられている。この繊維強化複合材料に配合される繊維状強化材としては、優れた強度を有するガラス繊維が主に用いられている。しかし、ガラス繊維強化材料では、高剛性化は達成されるが比重が大きくなるため、軽量化に限界があった。また、このガラス繊維強化材料を廃棄する場合、ガラス繊維自体が不燃性であるために、焼却処理する際に燃焼炉を傷める、また、燃焼効率が低くなるといった問題があり、サーマルリサイクル性に適しないという欠点もあった。
これに対し、繊維状強化材としてポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維といった有機材料からなる繊維強化材が検討されてきたが、これら強化材を配合した繊維強化材料は軽量性やサーマルリサイクル性については確保できるものの、機械的補強効果が十分でないという問題があった。
一方、近年、カーボンニュートラルの観点から植物由来材料を利用した高機能材料が注目されるなか、竹、ケナフ、サトウキビ、木材等の植物繊維を添加した強化樹脂が検討されているが(特許文献1、2)、提案されている複合材料は、いずれも引っ張り弾性率、曲げ弾性率等の力学特性が不十分であるため用途が限定されていた。
これに対し、近年、この植物繊維を解繊してミクロフィブリル化したセルロース繊維を樹脂に混合した繊維複合材料が提案されている。このようなミクロフィブリル化したセルロース繊維を樹脂の強化材として用いた場合、機械的強度を向上させるほか、線膨張係数が大幅に低減できることが報告されている(例えば特許文献3、4)。
特許文献3では、繊維をミクロフィブリル化して樹脂に分散させる方法として、パルプと樹脂を混合し、二軸混練機を用いて解繊する方法が開示されているが、樹脂中に繊維を均一に分散させることは困難であり、繊維に対して混練による過度のせん断負荷がかかることでミクロフィブリルを切断したり結晶性が破壊されることで補強効果が低減し、力学的強度を十分に確保するには至っていない。また、特許文献4には、繊維複合材料の作製方法として、ミクロフィブリル状のセルロース繊維の分散液から乾燥工程を経て、シートやブロック状等に賦形した繊維集合体とした後、必要に応じて吸湿性の改善や耐熱性を確保する目的で繊維集合体表面を化学修飾してからこれに硬化性モノマーを含浸・硬化させる方法が開示されているが、一旦フィブリル化した繊維が再度凝集した状態で成形されるため、樹脂マトリックス中への分散状態に斑が生じる場合があった(凝集部位の形成)。これらの方法においては、強化材としてのセルロース繊維が樹脂マトリックス中へ均一に分散することが困難であるため、得られる繊維複合材料の力学的強度が確保できず、その適用範囲は限定されたものであった。
特開平5−92527号公報 特開2002−69208号公報 特開2005−42283号公報 特開2007−51266号公報
従って、従来の繊維複合材料では引っ張り強度、曲げ強度などの力学特性が不十分であり、その適用範囲が限定されるといった課題があった。本発明の目的は、引っ張り強度、曲げ強度に優れた繊維複合材料を得ることにある。
本発明の課題は、以下の構成により達成される。
1.セルロース繊維がマトリックス樹脂中に分散して含有される繊維複合材料の製造方法であって、該セルロース繊維と該マトリックス樹脂を含む溶融樹脂組成物を伸長流動混合することを特徴とする繊維複合材料の製造方法。
2.前記セルロース繊維が、平均繊維径が2nm以上、200nm以下であることを特徴とする前記1に記載の繊維複合材料の製造方法。
3.前記セルロース繊維が表面修飾されていることを特徴とする前記1または2に記載の繊維複合材料の製造方法。
本発明によれば、ミクロフィブリル化したセルロース繊維が、マトリックス樹脂中において分散するときに良好な分散性が確保できるため、引っ張り強度、曲げ強度などの力学特性が確保できるとともに、耐熱性、線膨張係数等の熱特性にも優れた繊維複合材料を得ることができる。
伸長流動混練室の断面図を示す。
以下、本発明を実施形態に基づいて説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明は、セルロース繊維がマトリックス樹脂中に分散して含有される繊維複合材料において、該セルロース繊維と該マトリックス樹脂を含む樹脂組成物を伸長流動混合することにより製造することを特徴としている。
本発明者らは、上記課題に対し、樹脂に配合する強化材としてのセルロース繊維に着目し、セルロース繊維の樹脂への混合方法について鋭意検討した結果、パルプ等の植物繊維から得られるセルロース繊維とマトリックス樹脂を混合する際、従来行われてきた二軸の混練押出機や、撹拌翼を有するミキサーを用いて混練する方法にかえて、前記伸長流動混合が可能な混練装置を用いてこれらを混合することで、セルロース繊維がマトリックス樹脂中で凝集することなく均一に分散した樹脂組成物が得られることを見出した。
伸長流動混合とは、マトリックス樹脂と被混合物を含む溶融組成物を、材料の流れ方向に垂直な面で切断した断面において大きな断面を有する流路からこれよりも小さな流路を有するスリット状通路へ流入させ、所定の長さを通過させることにより、前記被混合物を小さく破砕して分散させる混練方法である。具体的には、米国特許第5、451、106号公報に記載されているUtracki等が開発した伸長流動混練ダイを備えた混練装置等を用いて溶融混練する方法が挙げられ、例えば、図1に示すような大小の環状流路を有する伸長流動混練室1を備えた混練装置を用いて混練する方法が挙げられる。
図1は樹脂組成物の流路と平行の断面図を示している。樹脂組成物の混練は、先ず第1の環状流路2aから第1のスリット流路2bへと移動して第1のスリット流路2bを通過する際と、第2の環状流路2cから第2のスリット流路2dへと移動して第2のスリット流路2dを通過する際との2段階で伸長流動混合が行われることになる。前記混合の原理は、前記大小の通路2a,2b,2c,2dを樹脂組成物が通過する際の流速の変化に伴い、被混合物が引き延ばされて混合し、微分散されるという原理に基づくものである。
本発明者らは、セルロース繊維とマトリックス樹脂を混合する方法として前記伸長流動混合法を適用することで、混合過程においてセルロース繊維に対して過度のせん断をかけることなく、繊維の切断や結晶性の破壊を抑制して繊維形態を保持したままマトリックス樹脂への均一分散が可能であることを見出し、この方法で得られた繊維複合材料は、従来の混練方法にて作製された繊維複合材料と比較して、力学特性、熱特性(耐熱性、線膨張率)が大幅に改善されることが判明した。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
(セルロース繊維)
本発明に用いられる原料セルロース繊維としては、植物由来のパルプ、木材、コットン、麻、竹、綿、ケナフ、ヘンプ、ジュート、バナナ、ココナツ、海草等の植物繊維から分離した繊維、海産動物であるホヤが産生する動物繊維から分離した繊維、あるいは酢酸菌より産生させたバクテリアセルロース等が挙げられる。これらの中で、植物繊維から分離した繊維が好ましく用いることができるが、より好ましくはパルプ、コットン等の植物繊維から得られる繊維である。本発明においては、これらの繊維をホモジナイザーやグラインダー等を用いた機械的な解繊処理や、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルラジカル(TEMPO)等の酸化触媒を用いた化学的な解繊処理、更に、これらの解繊処理を促進するために酵素を利用するなどして微細化したミクロフィブリル状のセルロース繊維とするが、含有されるセルロースが繊維状態を保持している限りにおいては、その解繊維処理方法について何ら制限はない。
これらのセルロースにおいては、重合度が一般に1000〜3000(分子量で、数万〜数百万)の範囲であるといわれ、不溶性の天然繊維である。本発明では、これを解繊した結晶性フィブリルの繊維径が重要である為、重合度(分子量)がこの範囲にある不溶性の天然繊維であればよい。
具体例として、パルプ等のセルロース繊維を、水を入れた分散容器に0.1〜3質量%となるように投入し、これを高圧ホモジナイザーで解繊処理して、平均繊維径0.1〜10μm程度のミクロフィブリルに解繊されたセルロース繊維の水分散液を得る。さらにグラインダー等で繰り返し磨砕処理することで、平均繊維径2〜数百nm程度のセルロース繊維を得ることができる。上記磨砕処理に用いられるグラインダーとしては、例えば、ピュアファインミル(栗田機械製作所社製)等が挙げられる。
また、別の方法として、セルロース繊維の分散液を一対のノズルから250MPa程度の高圧でそれぞれ噴射させ、その噴射流を互いに高速で衝突させることによってセルロース繊維を粉砕する、高圧式ホモジナイザーを用いる方法が知られている。用いられる装置としては、例えば、三和機械社製の「ホモジナイザー」、スギノマシン(株)製の「アルテマイザーシステム」、等が挙げられる。更に、上記の機械的な解繊方法の他、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルラジカル(TEMPO)を触媒としてセルロース非晶領域の一級水酸基を酸化してカルボキシルを導入し、フィブリル相互の静電反発を利用して化学的に解繊する方法も知られている。本発明で用いられるセルロース繊維は、平均繊維径として、0.1〜10μm程度の繊維を用いて伸長流動混練を行うことで、更に解繊され均一分散した繊維複合材料が得られ、諸物性を向上できるが、好ましくは2nm以上、200nm以下、より好ましくは2nm以上、100nm以下、さらに好ましくは4nm以上、40nm以下の繊維径の繊維を用いることでより大きな物性の改善効果を得ることができる。
本発明で用いるセルロース繊維とは、セルロースのミクロフィブリルで、セルロース分子鎖が数十本水素結合で結合した結晶性の繊維(繊維径2〜4nmのものが最小単位)の単位がさらに束ねられた形態で繊維の階層構造を形成しており、解繊度合いによってミクロンレベルの繊維径のファイバーを形成しているものである。
ここで示される平均繊維径は、樹脂中に分散した繊維の径の平均値であり、走査電子顕微鏡等による画像観察結果より求められる。
本発明において、セルロース繊維の平均繊維径が10μmを超えると、繊維複合材料の強度が不十分となる恐れがある。また、セルロース繊維の平均繊維径が2nm未満のものは前記高圧ホモジナイザーによる解繊処理、また、グラインダー等による磨砕処理によっては得ることが困難となる。
また、本発明において、セルロース繊維の長さについては特に限定されるものではないが、平均繊維長で50nm以上が好ましく、さらに好ましくは100nm以上である。この平均繊維長が50nmより短いと、繊維複合材料の強度が不十分となるおそれがある。
本発明において、平均繊維径、平均繊維長の測定は、得られた繊維について透過型電子顕微鏡、H−1700FA型(日立製作所社製)を用いて10000倍の倍率で観察した後、得られた画像について無作為に繊維を100本選び、画像処理ソフト(WINROOF)を用いて一本毎の繊維径、及び繊維長を解析し、それらの単純な数平均値を求めた。
また、本発明におけるセルロース繊維は、表面を化学修飾してマトリックス樹脂への親和性を高めたものであってもよく、例えば、化学修飾の場合は、アセチル化、シアノエチル化、アセタール化、エーテル化、イソシアネート化等によって官能基を付加させたり、これらの官能基を介して炭化水素基を導入したり、アミノ基、置換アミノ基、エポキシ基、グリシジル基等の官能基を有するシランカップリング剤やチタン系、アルミニウム系の無機物を化学反応やゾルゲル法などによって複合化、被覆化させること等が挙げられる。
(セルロースの化学修飾方法)
次に、前記セルロース繊維の化学修飾法についてより具体的に説明する。
本発明においては、セルロース繊維の水酸基を、酸、アルコール類、ハロゲン化試薬、酸無水物、イソシアナート類、シランカップリング剤等の修飾剤を用いて化学修飾させてもよい。化学修飾する方法は公知の方法に従って行うことができ、例えば、解繊処理したセルロース繊維を水、あるいは適当な溶媒に添加して分散させた後、これに化学修飾剤を添加して適当な反応条件下で反応させれば良い。この場合、化学修飾剤のほかに、必要に応じて反応触媒を添加することができ、例えば、ピリジンやN,N−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、水酸化ナトリウム等の塩基性触媒や酢酸、硫酸、過塩素酸等の酸性触媒を用いることができるが、反応速度や重合度の低下を防止するため、ピリジン等の塩基性触媒を用いることが好ましい。反応温度としては、セルロース繊維の黄変や重合度の低下等の変質を抑制し、反応速度を確保する観点で、40〜100℃程度が好ましい。反応時間については用いる修飾剤や処理条件により適宜選定すればよい。
化学修飾によりセルロース繊維に導入する官能基としては、例えば、アセチル基、メタクリロイル基、プロパノイル基、ブタノイル基、iso−ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。
反応性基を導入する場合は、例えば反応性基を導入できるシランカップリング剤が好ましく用いられ、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のビニル基を末端に有するシランカップリング剤、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のエポキシ基を末端に有するシランカップリング剤、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプト基を末端に有するシランカップリング剤等が挙げられる。これらの中で、末端にエポキシ基、あるいはビニル基を有するものが好ましく用いられる。
これらの官能基は一種、あるいは二種以上が導入されていても良い。特に、マトリクス樹脂が有する官能基と同一、あるいは同種の官能基、またはマトリクス樹脂に対して反応性を有する官能基を導入することで、セルロース繊維とマトリックス樹脂との親和性を向上させたり、セルロース繊維とマトリックス樹脂の間で共有結合を形成させることが可能となるため、セルロース繊維のマトリックス樹脂中への均一な分散性が確保でき、良好な機械的強度や耐熱性、低線膨張係数等の物性向上効果が得られる。
(マトリックス樹脂)
次に本発明で用いられるマトリックス樹脂について具体的に例示する。
本発明で好ましく用いられるマトリックス樹脂としては、ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、アミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
前記ビニル系樹脂としては、エチレン、プロピレン、スチレン、ブタジエン、ブテン、イソプレン、クロロプレン、イソブチレン、イソプレン等の単独重合体または共重合体、あるいはノルボルネン骨格を有する環状ポリオレフィン等のポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル、塩化ビニリデン等の塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等の酢酸ビニル系樹脂が挙げられる。
前記(メタ)アクリル系樹脂としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル、メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−オクチル(メタ)アクリルアミド等のN置換(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
上記アミド系樹脂としては、6,6−ナイロン、6−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン、4,6−ナイロン、6,10−ナイロン、6,12−ナイロン等の脂肪族アミド系樹脂や、フェニレンジアミン等の芳香族ジアミンと塩化テレフタロイルや塩化イソフタロイル等の芳香族ジカルボン酸またはその誘導体からなる芳香族ポリアミド等が挙げられる。
上記ポリカーボネート系樹脂としては、ビスフェノールAやその誘導体であるビスフェノール類と、ホスゲンまたはフェニルジカーボネートとの反応物等が挙げられる。
上記ポリエステル系樹脂としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等のジオール類とテレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸との共重合体によって得られる芳香族ポリエステル、ジオール類とコハク酸、吉草酸等の脂肪族ジカルボン酸との共重合体や、グリコール酸や乳酸等のヒドロキシカルボン酸の単独重合体または共重合体、上記ジオール類、上記脂肪族ジカルボン酸及び上記ヒドロキシカルボン酸の共重合体等の脂肪族ポリエステルが挙げられる。
上記シリコーン系樹脂としては、構成単位としてアルキル基、芳香族基等の有機基を有するものが好ましく、特にメチル基、フェニル基等の有機基を有するものが好ましい。かかる有機基を有するシリコーン系樹脂の具体例としては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、これらの変性体等を挙げることができる。
上記フッ素系樹脂としては、テトラクロロエチレン、ヘキフロロプロピレン、クロロトリフロロエチレン、フッ化ビリニデン、フッ化ビニル、ペルフルオロアルキルビニルエーテル等が挙げられる。また、これらは必要に応じて一種、あるいは二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(安定剤)
本発明のセルロース繊維複合材料では、フェノール系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤、リン系安定剤、イオウ系安定剤の中から選ばれた一種以上の安定剤を追加して添加してもよい。これら安定剤を適宜選択し、複合材料に添加することで、成形加工時のマトリックス樹脂の劣化や使用環境における耐熱性、耐光性等の物性変動を高度に抑制することができる。
好ましいフェノール系安定剤としては、従来公知のものが使用でき、例えば、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレート等の特開昭63−179953号公報や特開平1−168643号公報に記載されるアクリレート系化合物;オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス(メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニルプロピオネート))メタン[即ち、ペンタエリスリメチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート))]、トリエチレングリコールビス(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート)等のアルキル置換フェノール系化合物;6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、2−オクチルチオ−4,6−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン基含有フェノール系化合物;等が挙げられる。
また、好ましいヒンダードアミン系安定剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、ビス(1−アクロイル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルデカンジオエート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート)、4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−1−[2−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド等が挙げられる。
また、好ましいリン系安定剤としては、一般の樹脂工業で通常使用されるものであれば格別な限定はなく、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド等のモノホスファイト系化合物;4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4′−イソプロピリデンビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホスファイト)等のジホスファイト系化合物等が挙げられる。これらの中でも、モノホスファイト系化合物が好ましく、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等が特に好ましい。
また、好ましいイオウ系安定剤としては、例えば、ジラウリル3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス(β−ラウリルチオ−プロピオネート)、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等が挙げられる。
これらの安定剤の配合量は本発明の目的を損なわれない範囲で適宜選択されるが、樹脂組成物100質量部に対して通常0.01〜2質量部、好ましくは0.01〜1質量部である。
(繊維複合材料の製造方法)
次に本発明のセルロース繊維複合材料の製造方法について説明する。
マトリックス樹脂として熱可塑性樹脂を用いる場合は、先ず、図1に示したような伸長流動混練室を樹脂の吐出部に装着した混練機中でマトリックス樹脂を溶融させ、これに前記セルロース繊維を添加して、溶融混練することで樹脂中に分散させた後、溶融した複合樹脂材料をストランド状に押し出してペレット化する。この複合材料におけるセルロース繊維の添加量は、繊維複合材料100質量部に対して5〜60質量部とすることが好ましく、5〜30質量部とすることがより好ましい。また、溶融混練する際、必要に応じて安定剤、界面活性剤等の添加剤を添加することができる。次に得られたペレットを用いて成形体を得る場合は、通常の熱可塑性樹脂組成物の成形方法と同様な方法を適用することができる。具体的には、射出成形、押出成形、圧縮成形、中空成形等の方法で実施すればよく、先ず、ペレットを乾燥処理後、所定の形状の金型を装着した成形機に投入して成形すればよい。
マトリックス樹脂として硬化性樹脂を用いる場合は、前記セルロース繊維、およびマトリックス樹脂を形成するモノマー、及びオリゴマーを未硬化の状態で、前記伸長流動混練機中で混練してセルロース繊維含有モノマー組成物を調製後、所定の形状の金型内に混練組成物を充填、あるいは基板上に塗布した後、硬化させればよい。マトリックス樹脂が紫外線及び電子線硬化性の場合、用いられる光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、べンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等の光ラジカル開始剤等が挙げられる。
一方、マトリックス樹脂が熱硬化性の場合は、必要に応じて熱ラジカル発生剤等の熱重合開始剤を添加したモノマー組成物を調製後、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形等により熱硬化成形することができる。ここで用いられる熱重合開始剤としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1′−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物等が挙げられる。
セルロース繊維の添加量は、繊維複合材料100質量部に対して5〜60質量部とすることが好ましく、5〜30質量部とすることがより好ましい。また、必要に応じて安定剤、界面活性剤等の添加剤を添加することができる。
(繊維複合材料の物性評価方法)
(1)曲げ弾性率および曲げ強度
板状に成形した繊維複合材料を140mm×12mm×2mmで切り出し、オートグラフ(「DSS−500」型島津製作所製)により、支点間距離80mm、曲げ速度2mm/分、20℃で曲げ弾性率及び曲げ強度の測定を行った。
(2)線膨張係数
前記成形体について、40〜80℃の範囲内で温度を変化させ、線膨張係数を測定した。測定装置としてSII(セイコーインスツルメンツ)社EXSTAR6000 TMA/SS6100を用いた。
(3)セルロース繊維の分散性
前記成形体を目視にて観察し、繊維の凝集体の有無により均一性について評価した。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(製造例1)
針葉樹から得られた亜硫酸漂白パルプを純水に0.1質量%となるように添加し、石臼式粉砕機(ピュアファインミルKMG1−10;栗田機械製作所社製)を用いて1回、磨砕処理(回転数:1500回転/分)してセルロース繊維を解繊した。この水分散液を濾過後、純水で洗浄し、70℃で乾燥させてセルロース繊維Aを得た。得られたセルロース繊維は走査型電子顕微鏡観察結果より、平均繊維径1μmに解繊されており、ミクロフィブリル化していることを確認した。
(製造例2)
無水酪酸/ピリジン(モル比1/1)溶液500質量部に、製造例1で得られたミクロフィブリル化したセルロース繊維の10質量部を添加して分散させ、室温で3時間攪拌した。次に分散した繊維を濾過し、500質量部の水で3回水洗した後、200質量部のエタノールで2回洗浄した。さらに、500質量部の水で2回水洗を行った後、70℃にて乾燥させ、表面処理したセルロース繊維Bを得た。得られたセルロース繊維は走査型電子顕微鏡観察結果より、平均繊維径は1μmに保たれていた。
(製造例3)
針葉樹から得られた亜硫酸漂白パルプを純水に0.1質量%となるように添加し、石臼式粉砕機(ピュアファインミルKMG1−10;栗田機械製作所社製)を用いて50回、磨砕処理(回転数:1500回転/分)してセルロース繊維を解繊した。この水分散液を濾過後、純水で洗浄し、70℃で乾燥させてセルロース繊維Cを得た。得られたセルロース繊維は走査型電子顕微鏡観察結果より、平均繊維径4nmに解繊されており、ミクロフィブリル化していることを確認した。
(製造例4)
無水酪酸/ピリジン(モル比1/1)溶液500質量部に、製造例3で得られたミクロフィブリル化したセルロース繊維の10質量部を添加して分散させ、室温で3時間攪拌した。次に分散した繊維を濾過し、500質量部の水で3回水洗した後、200質量部のエタノールで2回洗浄した。さらに、500質量部の水で2回水洗を行った後、70℃にて乾燥させ、表面処理したセルロース繊維Dを得た。得られたセルロース繊維は走査型電子顕微鏡観察結果より、平均繊維径は4nmに保たれていた。
(製造例5)
製造例1において、石臼式粉砕機を用いた磨砕処理を30回に変更すること以外は同様の操作にてセルロース繊維を解繊し、セルロース繊維Eを得た。得られたセルロース繊維は走査型電子顕微鏡観察結果より、平均繊維径40nmに解繊されており、ミクロフィブリル化していることを確認した。
(製造例6)
無水酪酸/ピリジン(モル比1/1)溶液500質量部に、製造例5で得られたミクロフィブリル化したセルロース繊維の10質量部を添加して分散させ、室温で3時間攪拌した。次に分散した繊維を濾過し、500質量部の水で3回水洗した後、200質量部のエタノールで2回洗浄した。さらに、500質量部の水で2回水洗を行った後、70℃にて乾燥させ、表面処理したセルロース繊維Fを得た。得られたセルロース繊維は走査型電子顕微鏡観察結果より、平均繊維径は40nmに保たれていた。
(製造例7)
製造例1において、石臼式粉砕機を用いた磨砕処理を20回に変更すること以外は同様の操作にてセルロース繊維を解繊し、セルロース繊維Gを得た。得られたセルロース繊維は走査型電子顕微鏡観察結果より、平均繊維径90nmに解繊されており、ミクロフィブリル化していることを確認した。
(製造例8)
無水酪酸/ピリジン(モル比1/1)溶液500質量部に、製造例7で得られたミクロフィブリル化したセルロース繊維の10質量部を添加して分散させ、室温で3時間攪拌した。次に分散した繊維を濾過し、500質量部の水で3回水洗した後、200質量部のエタノールで2回洗浄した。さらに、500質量部の水で2回水洗を行った後、70℃にて乾燥させ、表面処理したセルロース繊維Hを得た。得られたセルロース繊維は走査型電子顕微鏡観察結果より、平均繊維径は90nmに保たれていた。
(製造例9)
製造例1において、石臼式粉砕機を用いた磨砕処理を10回に変更すること以外は同様の操作にてセルロース繊維を解繊し、セルロース繊維Iを得た。得られたセルロース繊維は走査型電子顕微鏡観察結果より、平均繊維径200nmに解繊されており、ミクロフィブリル化していることを確認した。
(製造例10)
無水酪酸/ピリジン(モル比1/1)溶液500質量部に、製造例9で得られたミクロフィブリル化したセルロース繊維の10質量部を添加して分散させ、室温で3時間攪拌した。次に分散した繊維を濾過し、500質量部の水で3回水洗した後、200質量部のエタノールで2回洗浄した。さらに、500質量部の水で2回水洗を行った後、70℃にて乾燥させ、表面処理したセルロース繊維Jを得た。得られたセルロース繊維は走査型電子顕微鏡観察結果より、平均繊維径は200nmに保たれていた。
(製造例11)
製造例1において、石臼式粉砕機を用いた磨砕処理を5回に変更すること以外は同様の操作にてセルロース繊維を解繊し、セルロース繊維Kを得た。得られたセルロース繊維は走査型電子顕微鏡観察結果より、平均繊維径210nmに解繊されており、ミクロフィブリル化していることを確認した。
(製造例12)
無水酪酸/ピリジン(モル比1/1)溶液500質量部に、製造例9で得られたミクロフィブリル化したセルロース繊維の10質量部を添加して分散させ、室温で3時間攪拌した。次に分散した繊維を濾過し、500質量部の水で3回水洗した後、200質量部のエタノールで2回洗浄した。さらに、500質量部の水で2回水洗を行った後、70℃にて乾燥させ、表面処理したセルロース繊維Lを得た。得られたセルロース繊維は走査型電子顕微鏡観察結果より、平均繊維径は210nmに保たれていた。
〈実施例1〜11のセルロース繊維複合材料の作製〉
表1に示す配合組成(質量部)に従って各原料をドライブレンドした後、真空乾燥機を用いて60℃、12時間乾燥させた。次に、溶融樹脂の吐出部に図1に示した伸長流動混練室を備えた混練機を用い、バレル温度180℃、吐出量10kg/hの条件にて溶融混練し、押出機先端から吐出された樹脂をペレット状にカッティングして繊維複合材料のペレットを得た。また、得られたペレットについて、70℃、24時間真空乾燥したのち、射出成形機(東芝機械社製 IS−80G型)を用いて、物性測定用試験片;140mm×12mm×2mmを作製し、前記の測定に供した。評価結果を表1に示す。
〈比較例1〜4のセルロース繊維複合材料の作製〉
表1に示す配合組成に従い、二軸混練機(東芝機械社製 TEM35型)を用い、バレル温度180℃、吐出量10kg/hの条件にて溶融混練しで混練すること以外は実施例1〜11と同様の操作にて繊維複合材料を調製し、各種測定に供した。評価結果を表1に示す。
Figure 2010221622
なお、表1中、製造例に記載した成分以外の配合成分の詳細は、以下の通りである。
ポリエステル系樹脂A:ポリ乳酸(レイシアH−400、三井化学社製)
ポリエステル系樹脂B:ポリブチレンアジペート/テレフタレート(エコフレックスF、BASFジャパン社製)
ポリカーボネート樹脂:ユーピロンS1000(三菱エンジニアプラスチック社製)
安定剤A :テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート
安定剤B :2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト
表1の物性評価結果から明らかなように、本発明に係わる実施例1〜11の繊維複合材料は、機械的強度に優れ、且つ線膨張係数が大幅に低減していることがわかる。
1 伸長流動混練室
2 伸長流動混練部
2a 第1の流路
2b 第1のスリット流路
2c 第2の流路
2d 第2のスリット流路
3 樹脂組成物供給口
4 樹脂組成物排出口

Claims (3)

  1. セルロース繊維がマトリックス樹脂中に分散して含有される繊維複合材料の製造方法であって、該セルロース繊維と該マトリックス樹脂を含む溶融樹脂組成物を伸長流動混合することを特徴とする繊維複合材料の製造方法。
  2. 前記セルロース繊維が、平均繊維径が2nm以上、200nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の繊維複合材料の製造方法。
  3. 前記セルロース繊維が表面修飾されていることを特徴とする請求項1または2に記載の繊維複合材料の製造方法。
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