JP2011148319A - リライトプリンタ - Google Patents
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Abstract
【課題】リライト媒体に対して確実な画像消去を行なうことができるようにする。
【解決手段】用紙通路106を搬送されるリライト用紙Pに対してヒータの発熱加熱によ
る消去を行なう消去部301と印字を行なうサーマルプリンタヘッド402とを用紙通路
106の上流側と下流側とにそれぞれ配置し、使用するリライト用紙Pの消去特性を記憶
部に記憶しておき、リライト用紙Pの消去特性と消去部301による消去温度との関係定
義に従い、記憶部に記憶されているリライト用紙Pの消去特性に基づいて消去温度を求め
、消去部301の温度が求めた消去温度に維持されるようにヒータに付与する発熱エネル
ギーを制御するようにした。
【選択図】図2
【解決手段】用紙通路106を搬送されるリライト用紙Pに対してヒータの発熱加熱によ
る消去を行なう消去部301と印字を行なうサーマルプリンタヘッド402とを用紙通路
106の上流側と下流側とにそれぞれ配置し、使用するリライト用紙Pの消去特性を記憶
部に記憶しておき、リライト用紙Pの消去特性と消去部301による消去温度との関係定
義に従い、記憶部に記憶されているリライト用紙Pの消去特性に基づいて消去温度を求め
、消去部301の温度が求めた消去温度に維持されるようにヒータに付与する発熱エネル
ギーを制御するようにした。
【選択図】図2
Description
本発明は、リライト媒体に対して消去動作及び印字動作を連続して実行するようにしたリライトプリンタに関する。
従来、可逆性を有する感熱記録媒体、いわゆるリライト媒体が実用化されている。リライト媒体は、特許文献1に記載されているように、透明・白濁型(有機高分子/低分子マトリクス型)のものと、発色型(ロイコ型)のものとがある。特許文献1には、視認性に優れた発色型のリライト媒体に対して印字及び消去を行なうリライトプリンタについても言及している。
リライトプリンタは、リライト媒体の特性に応じた加熱処理をすることで、リライト媒体に対する消去動作と印字動作とを共に可能にしている。つまり、リライト媒体は、加熱後の徐冷によって画像が消去され、加熱後の急冷によって画像が印字されるという特性を有している。そこで、リライトプリンタは、このようなリライト媒体の特性を利用し、画像が形成されているリライト媒体に熱を加えて徐冷することでその画像を消去し、画像消去後のリライト媒体に対して例えばサーマルプリントヘッドによって印字データに基づく印字を行なうようにしている。この場合、サーマルプリントヘッドのヒータによるリライト媒体の加熱温度を消去のための加熱温度よりも高温に設定し、これによって加熱後の急冷を実現するようにしている。
リライト媒体での画像消去は、各種の要因、例えば、リライト媒体の消去特性(種類)、リライト媒体の搬送速度、機器内の環境温度等の影響を受ける。このため、それらの要因を考慮しなければ、確実な画像消去を行なうことができない。
本発明の目的は、リライト媒体に対して確実な画像消去を行なうことができるようにすることである。
本発明のリライトプリンタは、搬送部により搬送されて熱により印字及び消去が可能なリライト媒体を案内する媒体通路と、前記媒体通路上に配置され、当該媒体通路を搬送されるリライト媒体に対してヒータの発熱加熱による消去を行なう消去部と、前記消去部よりも下流側に位置させて前記媒体通路上に配置され、当該媒体通路を搬送されるリライト媒体に対して印字を行なうサーマル印字ヘッドと、を備え、消去部による消去温度を適正化できるようにした。
消去部による消去温度の適正化は、一例として、使用するリライト媒体の消去特性を第1の記憶部に記憶し、第2の記憶部に記憶されているリライト媒体の消去特性と前記消去部による消去温度との関係定義に従い、前記第1の記憶部に記憶されている前記リライト媒体の消去特性に基づいて前記消去温度を求め、前記消去部の温度が前記求めた消去温度に維持されるように前記ヒータに付与する発熱エネルギーを制御することにより実現される。
消去部による消去温度の適正化は、別の一例として、前記搬送部によるリライト媒体の搬送速度を第1の記憶部に記憶し、第2の記憶部に記憶されているリライト媒体の搬送速度と前記消去部による消去温度との関係定義に従い、前記第1の記憶部に記憶されている前記リライト媒体の搬送速度に基づいて前記消去温度を求め、前記消去部の温度が前記求めた消去温度に維持されるように前記ヒータに付与する発熱エネルギーを制御することにより実現される。
消去部による消去温度の適正化は、更に別の一例として、各部を収容するハウジング内の環境温度を検出する環境温度センサを設けた上で、記憶部に記憶されている前記ハウジング内の環境温度と前記消去部による消去温度との関係定義に従い、前記環境温度センサによって検出される前記環境温度に基づいて前記消去温度を求め、前記消去部の温度が前記求めた消去温度に維持されるように前記ヒータに付与する発熱エネルギーを制御することにより実現される。
消去部による消去温度の適正化は、更に別の一例として、使用するリライト媒体の消去特性及び前記搬送部によるリライト媒体の搬送速度を第1の記憶部に記憶し、第2の記憶部に記憶されているリライト媒体の消去特性及び搬送速度と前記消去部による消去温度との関係定義に従い、前記第1の記憶部に記憶されている前記リライト媒体の消去特性及び搬送速度に基づいて前記消去温度を求め、前記消去部の温度が前記求めた消去温度に維持されるように前記ヒータに付与する発熱エネルギーを制御することにより実現される。
消去部による消去温度の適正化は、更にまた別の一例として、各部を収容するハウジング内の環境温度を検出する環境温度センサを設けた上で、使用するリライト媒体の消去特性及び前記搬送部によるリライト媒体の搬送速度を第1の記憶部に記憶し、第2の記憶部に記憶されているリライト媒体の消去特性、搬送速度及び前記ハウジング内の環境温度と前記消去部による消去温度との関係定義に従い、前記第1の記憶部に記憶されている前記リライト媒体の消去特性及び搬送速度並びに前記環境温度センサによって検出される前記環境温度に基づいて前記消去温度を求め、前記消去部の温度が前記求めた消去温度に維持されるように前記ヒータに付与する発熱エネルギーを制御することにより実現される。
本発明によれば、リライト媒体の消去特性、リライト媒体の搬送速度、機器内の環境温度を考慮して消去温度を求め、消去部の温度が求めた消去温度に維持されるようにヒータに付与する発熱エネルギーを制御するようにしたので、リライト媒体に対して確実な画像消去を行なうことができる。
本発明の実施の一形態を図1ないし図6に基づいて説明する。本実施の形態は、ロイコ型のリライト媒体としてのリライト用紙Pに対して消去動作及び印字動作を行なうリライトプリンタ101への適用例である。リライト用紙Pは、加熱後の徐冷によって画像が消去され、加熱後の急冷によって画像が印字されるという特性を紙という媒体上で実現させている。
図1は、リライトプリンタ101の斜視図である。図2は、リライトプリンタ101の縦断側面図である。本実施の形態のリライトプリンタ101は、後方部分の幅が前方部分の幅よりも狭い形態のハウジング102に各部が収納されて構成されている。ハウジング102のうち、幅が狭い後方部分には用紙収納部201と消去部301とが収納されている。ハウジング102のうち、幅が広い前方部分には印字部401が収納されている。そして、ハウジング102の正面には、用紙発行口103が形成されている。また、図1中、用紙発行口103よりも右側上方部分には、表示部104と操作部105とが配置されている。表示部104は、横長に形成された液晶表示装置であり、数行程度の情報を表示することができる。
なお、用紙収納部201及び消去部301を収納するハウジング102の後方部分と印字部401を収納するハウジング102の前方部分とは、分離可能に構成されていても良い。
リライトプリンタ101の内部には、リライト媒体としてのリライト用紙Pを案内する媒体通路としての用紙通路106が形成されている。用紙通路106は、用紙収納部201と用紙発行口103とを連絡させており、その途中に、消去部301と印字部401とがそれぞれ配置されている。消去部301の配置位置は上流側、印字部401の配置位置は下流側である。
用紙収納部201には、昇降自在に設けられたリフタ202が設けられている。リフタ202は、複数枚のリライト用紙Pを積層状態で載置支持可能である。リフタ202は、アクチュエータからなるリフタ駆動部203(図4参照)に駆動されて昇降する。
用紙収納部201には、リフタ202に載置されている最上位のリライト用紙Pを用紙通路106に給送する給紙機構204が設けられている。給紙機構204は、ピックアップローラ205及びリバース方式の分離機構206からなる。ピックアップローラ205は、その回転によってリフタ202に載置されている最上位のリライト用紙Pに給送力を付与する。分離機構206は、ピックアップローラ205の回転によって重送される下位のリライト用紙Pを分離し、最上位のリライト用紙Pのみが用紙通路106に給送されるようにする。このような用紙分離は、分離機構206が有しているリバースローラ207の給送方向とは逆方向の回転によってなされる。もっとも、分離機構206としては、分離爪方式、ゲート方式等、他の方式を採用してもよい。ピックアップローラ205及びリバースローラ207は、アクチュエータからなる給搬送部208(図4参照)に駆動されて回転する。
消去部301は、用紙通路106を介して対向配置されているヒートローラ302とプレスローラ303とを主体に構成されている。ヒートローラ302は用紙通路106の上方位置に、プレスローラ303は用紙通路106の下方位置にそれぞれ配置されている。ヒートローラ302は、通電によって発熱するヒータ304(図4参照)を内蔵し、用紙通路106を搬送されるリライト用紙Pを加熱することができる。プレスローラ303は、用紙通路106を介してヒートローラ302に付勢されている。
印字部401は、用紙通路106を介して対向配置されているライン型のサーマルプリントヘッド402とプラテン403とを主体に構成されている。このような印字部401の配置位置は、用紙発行口103の近傍である。
リライトプリンタ101は、給紙機構204によって用紙通路106に給送されたリライト用紙Pを搬送するための搬送部107を備えている。搬送部107は、用紙通路106に沿って複数対設けられた一対の搬送ローラ対108を主体に構成されている。個々の搬送ローラ対108は、用紙通路106を介して対向配置され、一方のローラ部材が他方のローラ部材に付勢されて構成されている。そして、当該他方のローラ部材はアクチュエータからなる給搬送部208(図4参照)に駆動されて回転し、当該一方のローラ部材はこれに追従回転する。
用紙通路106をより詳細に説明すると、用紙通路106は、一対の構造体をなす相対向する板状部材109によって構成されている。これらの板状部材109は、共に板状の板金によって形成されており、互いに対向面に用紙通路106を形成する。もっとも、一対の板状部材109は、消去部301を構成するヒートローラ302及びプレスローラ303、並びに、搬送部107を構成する搬送ローラ対108の配置箇所においては設けられておらず、それらの各部を用紙通路106に接触させ得るようにしている。
センサ類として、図2中には、環境温度センサ151、媒体温度センサとしての用紙温度センサ152、給紙センサ153及び用紙レジストセンサ154が示されている。環境温度センサ151は、用紙収納部201の側壁に配置されている。用紙温度センサ152は、用紙通路106中、消去部301と印字部401との間に位置させて配置されている。その配置位置は、三対配列されている搬送ローラ対108のうち、用紙通路106の上流側から一つ目と二つ目の搬送ローラ対108の間の位置である。これらの環境温度センサ151及び用紙温度センサ152は、共に、温度センサである。給紙センサ153は、用紙通路106中、分離機構206の直後に位置させてその下流側に配置されている。用紙レジストセンサ154は、用紙通路106中、印字部401の直前に位置させてその上流側に配置されている。これらの給紙センサ153及び用紙レジストセンサ154は、共に、透過型の光センサである。
もっとも、それらの環境温度センサ151や用紙温度センサ152等の配置位置は、図2に例示される位置に限定されるわけではなく、適宜配置位置を変更することが可能である。例えば、用紙温度センサ152は、図2中、より上方位置に配置しても良い。
図3は、用紙温度センサ152の取り付け構造を示す縦断側面図である。用紙温度センサ152は、回路基板155にサーミスタ156が搭載されて構成されている。上側の板状部材109には、用紙温度センサ152の配置位置に位置させて、切欠部110が形成されており、その周縁近傍にはネジ孔111が切られている。切欠部110は、用紙通路106を露出させる役割を担っており、この役割を果たし得る限り、上側の板状部材109の必要強度を損なわない範囲において、如何なる形状のものであっても良い。用紙温度センサ152は、サーミスタ156が切欠部110を介して用紙通路106に対面するようにして、上側の板状部材109にネジ止めされている。ネジ止めは、回路基板155に形成された挿通孔157に挿通させたねじ112を上側の板状部材109に形成されたネジ孔111に螺合させて締め付けることによりなされている。これにより、用紙温度センサ152は、切欠部110を介して用紙通路106に対面するサーミスタ156により、用紙通路106を搬送されるリライト用紙Pの温度を検出することができる。
図4は、ハードウェア構成を示すブロック図である。リライトプリンタ101は、情報処理を実行するハードウェア資源として、情報処理部501を有している。情報処理部501は、各種演算処理を実行して各部を集中的に制御するCPU502にSRAM503とフラッシュROM504とEEPROM505とがバスライン506を介して接続されることにより構成されている。SRAM503は、一時記憶データ等の可変データを書き替え自在に記憶し、ワークエリアとして利用される。フラッシュROM504は、各種設定値や各種テーブル等を書き替え自在に記憶し、その記憶内容を給電なしに保持可能である。EEPROM505は、制御プログラム等を書き替え自在に記憶し、その記憶内容を給電なしに保持可能である。
情報処理部501によって制御され、あるいは情報処理部501による制御のために利用されるハードウェア資源として、上記消去部301、印字部401等の各部が情報処理部501に接続されている。より詳しくは、表示部104、操作部105、リフタ202の駆動源となるリフタ駆動部203、並びに、給紙機構204及び搬送部107の駆動源となる給搬送部208がバスライン506を介して情報処理部501に接続されている。また、消去部301を構成するヒータ304を制御するヒータコントローラ305が設けられ、このヒータコントローラ305がバスライン506を介して情報処理部501に接続されている。また、印字部401を構成するサーマルプリントヘッド402を制御するヘッド制御回路404が設けられ、このヘッド制御回路404がバスライン506を介して情報処理部501に接続されている。更に、上記センサ類からの信号を取り込むセンサ入力回路158が設けられ、このセンサ入力回路158もバスライン506を介して情報処理部501に接続されている。これらのセンサ類としては、前述した環境温度センサ151、用紙温度センサ152、給紙センサ153及び用紙レジストセンサ154の他に、ヒータ温度センサ159及びヘッド温度センサ160も設けられている。ヒータ温度センサ159は、消去部301を構成するヒータ304の近傍に位置させてヒートローラ302に内蔵されている。ヘッド温度センサ160は、印字部401を構成するサーマルプリントヘッド402に搭載されている。
加えて、情報処理部501には、リライトプリンタ101と外部機器との間の通信を実現させるための通信インターフェース507がバスライン506を介して接続されている。リライトプリンタ101は、通信インターフェース507を経由して、外部機器から印字データや印字指令を受信する。
図5は、消去部301が有するヒータ304の制御原理を説明するためのヒータ温度のグラフである。消去部301を構成するヒートローラ302が内蔵するヒータ304は、通電されることにより発熱する。ヒータ304に対する通電は、CPU502から制御信号が入力されて制御されるヒータコントローラ305のスイッチング動作によって、図示しない電源からヒータ304に電流が流されることによって行なわれる。ヒータ304は、通電され続けると、サチレート域に達するまで温度上昇する。そこで、図5に示すように、ヒータ304に対する通電をオン/オフ制御することで、ヒータ304の温度を制御している。
ヒータ304の温度制御は、CPU502が実行する。この際、CPU502は、ヒータ温度センサ159からの出力を参照し、ヒータ304の発熱温度を認識する。ここでは、ヒータ304の発熱温度とヒートローラ302の発熱温度とが一致しており、そのようなヒータ304の発熱温度は概念的には消去部301の温度であるとして話を進める。CPU502は、ヒータ304の温度がリライト用紙Pの画像消去に最適な消去温度(図5中に示す)まで上昇した場合、ヒータ304への通電を停止制御する。ヒータ304への通電停止は、CPU502からヒータコントローラ305に制御信号を入力することによりなされる。これにより、ヒータ304の温度は、制御追従性の遅れにより、消去温度よりも僅かに上昇した温度に至った後に低下する。CPU502は、ヒータ304の温度が規定温度幅(図5中に示す)まで低下すると、再びヒータ304を通電制御する。これにより、ヒータ304の温度は、制御追従性の遅れにより、消去温度から規定温度幅より僅かに低下した温度に至った後に上昇する。これを繰り返すことで、ヒータ304の温度は、リライト用紙Pの画像消去に最適な消去温度に略近似することになる。
図6は、消去部301が有するヒータ304を制御する処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、図5に基づいて説明したヒータ304の制御原理をCPU502の処理手順として示している。CPU502は、前述したように、ヒータコントローラ305に制御信号を入力することによってヒータ304を制御する。ヒータ304の制御は、まず、消去温度を求めてSRAM503から読み込み(ステップS101)、続いて、設定温度幅をSRAM503から読み込む処理(ステップS102)から開始される。CPU502は、消去温度と設定温度幅とを読み込んだならば、ヒータコントローラ305に制御信号を入力し、ヒータ304を発熱制御する(ステップS103)。そして、ヒータ温度センサ159からの出力を取り込み、ヒータ304の温度を認識する(ステップS104)。その結果、ヒータ304の温度がステップS101で取り込んだ消去温度を上回ったと判定した場合には(ステップS105)、ヒータコントローラ305に制御信号を入力し、ヒータ304への通電を停止する(ステップS106)。そして、再び、ヒータ温度センサ159からの出力を取り込み、ヒータ304の温度を認識する(ステップS107)。その結果、ヒータ304の温度がステップS102で取り込んだ設定温度幅を下回ったと判定した場合には(ステップS108)、再び、ヒータコントローラ305に制御信号を入力し、ヒータ304を発熱制御する(ステップS103)。こうして、図5に基づいて説明したヒータ304の制御原理が実現され、ヒータ304の温度は、リライト用紙Pの画像消去に最適な消去温度に略近似することになる。
ここで、リライト用紙Pでの画像消去は、各種の要因、例えば、リライト用紙Pの種類により定められる消去特性、リライト用紙Pの搬送速度、ハウジング102内の環境温度等の影響を受ける。このため、それらの要因を考慮しなければ、確実な画像消去を行なうことができない。そこで、本実施の形態では、図6のフローチャート中のステップS101で読み込む消去温度を、それらの要因を考慮した消去温度とし、画像消去の確実性を確保するようにしている。したがって、CPU502は、図6のフローチャート中のステップS101で、最適な消去温度の読み取り処理を実行する。この処理の詳細を次に説明する。
まず、フラッシュROM504(第2の記憶部として機能する)には、リライト用紙Pの消去特性と消去温度との関係定義、搬送部107によるリライト用紙Pの搬送速度と消去温度との関係定義、環境温度センサ151により計測可能であるハウジング102内の環境温度と消去温度との関係定義が記録されている。このような関係定義は、リライト用紙Pに対する確実な画像消去を実現させ得るように、リライト用紙Pの種類により定められる消去特性に応じた消去温度、リライト用紙Pの搬送速度に応じた消去温度、ハウジング102内の環境温度に応じた消去温度についての定義である。
そこで、CPU502は、SRAM503(第1の記憶部として機能する)に一時記憶されているリライト用紙Pの消去特性や搬送速度、環境温度センサ151によって計測されるハウジング102内の環境温度に応じて、フラッシュROM504に記録されている上記関係定義を参照して消去温度を求め、これを図6のフローチャート中のステップS101で読み込むわけである。より詳細には、リライト用紙Pの消去特性は、一例として、操作部105での操作によって設定されてSRAM503に一時記憶される。別の一例として、リライト用紙Pの消去特性は、通信インターフェース507を介して外部機器より送信された印字データに伴われていても良く、この場合には、印字データと共に受信したリライト用紙Pの消去特性がSRAM503に一時記憶される。また、リライト用紙Pの搬送速度は、一例として、操作部105での操作によって設定されてSRAM503に一時記憶される。別の一例として、リライト用紙Pの搬送速度は、通信インターフェース507を介して外部機器より送信された印字データに伴われていても良く、この場合には、印字データと共に受信した搬送速度がSRAM503に一時記憶される。
フラッシュROM504に記録されているリライト用紙Pの消去特性と消去温度との関係定義、搬送部107によるリライト用紙Pの搬送速度と消去温度との関係定義、環境温度センサ151により計測可能であるハウジング102内の環境温度と消去温度との関係定義は、個々の関係定義が単独で成り立っていてもよいが、組み合わさって成立していても良い。
例えば、リライト用紙Pの消去特性と消去温度との関係定義と、搬送部107によるリライト用紙Pの搬送速度と消去温度との関係定義とが組み合わされている場合の一例として、消去温度を算出するための次式を挙げることができる。
消去温度=
(リライト用紙Pの固有係数×リライト用紙Pの搬送速度(mm/sec))
+基礎消去温度
リライト用紙Pの固有係数は、リライト用紙の消去特性に依存する係数である。リライト用紙Pの固有係数の数値が大きければ大きいほど、画像消去に高い温度を必要とすることになる。基礎消去温度は、(リライト用紙Pの固有係数×リライト用紙Pの搬送速度)の値を加えることを前提とする基準となる設定温度である。例えば、リライト用紙Pの固有係数が0.59、リライト用紙Pの搬送速度が76.2mm/sec、基礎消去温度が145℃とした場合、消去温度は、
(0.59×76.2)+145≒190
により、190℃ということになる。また、同じ条件でリライト用紙Pの搬送速度だけが50.4mm/secになると、
(0.59×50.4)+145≒175
により、170℃ということになる。
(リライト用紙Pの固有係数×リライト用紙Pの搬送速度(mm/sec))
+基礎消去温度
リライト用紙Pの固有係数は、リライト用紙の消去特性に依存する係数である。リライト用紙Pの固有係数の数値が大きければ大きいほど、画像消去に高い温度を必要とすることになる。基礎消去温度は、(リライト用紙Pの固有係数×リライト用紙Pの搬送速度)の値を加えることを前提とする基準となる設定温度である。例えば、リライト用紙Pの固有係数が0.59、リライト用紙Pの搬送速度が76.2mm/sec、基礎消去温度が145℃とした場合、消去温度は、
(0.59×76.2)+145≒190
により、190℃ということになる。また、同じ条件でリライト用紙Pの搬送速度だけが50.4mm/secになると、
(0.59×50.4)+145≒175
により、170℃ということになる。
リライト用紙Pの消去特性と消去温度との関係定義と、搬送部107によるリライト用紙Pの搬送速度と消去温度との関係定義と、環境温度センサ151により計測可能であるハウジング102内の環境温度とが組み合わされている場合の一例として、消去温度を算出するための次式を挙げることができる。
消去温度=
(リライト用紙Pの固有係数×リライト用紙Pの搬送速度(mm/sec))
+(基礎消去温度×環境温度係数)
環境温度係数は、例えば20℃を基準値である1とした場合、20℃からずれるに従い変動する係数である。
(リライト用紙Pの固有係数×リライト用紙Pの搬送速度(mm/sec))
+(基礎消去温度×環境温度係数)
環境温度係数は、例えば20℃を基準値である1とした場合、20℃からずれるに従い変動する係数である。
以上説明したリライト用紙Pの消去特性と消去温度との関係定義、搬送部107によるリライト用紙Pの搬送速度と消去温度との関係定義、環境温度センサ151により計測可能であるハウジング102内の環境温度と消去温度との関係定義は、上記二つの数式のように数式としてフラッシュROM504に記録されていても、例えばそのような数式を使用して求めた値がテーブル化されてフラッシュROM504に記録されていても、いずれでも良い。CPU502は、関係定義が数式としてフラッシュROM504に記録されている場合には、当該数式による演算処理を実行して解を求め、関係定義がテーブル化されてフラッシュROM504に記録されている場合には、対応する数値を引き当てて解を求めることになる。
このような構成において、通信インターフェース507を経由して外部機器から印字指令を伴う印字データを受信すると、CPU502は、センサ類の出力信号を参照しながら、各部を駆動制御し、受信した印字データに基づく消去動作及び印字動作を実行する。つまり、リフタ駆動部203を制御し、最上位のリライト用紙Pがピックアップローラ205に当接するまでリフタ202を上昇させ、続いて給搬送部208を制御し、ピックアップローラ205及びリバースローラ207を回転駆動して最上位のリライト用紙Pを用紙通路106に分離給送する。用紙通路106に分離給送された最上位のリライト用紙Pは、給搬送部208の制御によって回転する搬送ローラ対108により、用紙通路106を搬送される。そして、CPU502は、適宜のタイミングでヒータコントローラ305に駆動信号を与え、ヒータコントローラ305にヒータ304を発熱駆動させる。これにより、消去部301を通過するリライト用紙Pの画像形成側の表面がヒートローラ302によって加熱され、消去部301を通過した後の徐冷によってリライト用紙Pに形成されていた画像が消去される。CPU502は、適宜のタイミングでヘッド制御回路404を制御し、形成画像が消去された後のリライト用紙Pに対して、受信した印字データに基づき、サーマルプリントヘッド402によるサーマル印字方式の印字を行なう。この際、サーマルプリントヘッド402のヒータが印字のためにリライト用紙Pに印加する熱量は、ヒートローラ302のヒータ304が消去のためにリライト用紙Pに印加する熱量よりも遙かに多い。換言すると、サーマルプリントヘッド402のヒータによるリライト用紙Pに対する加熱温度は、ヒートローラ302のヒータ304によるリライト用紙Pに対する加熱温度よりも遙かに高い。これにより、サーマルプリントヘッド402による印字後のリライト用紙Pにおいて、加熱後の急冷が実現され、リライト用紙Pには受信した印字データに基づく印字がなされる。印字後のリライト用紙Pは、用紙発行口103から発行される。
そして、消去部301での消去動作に際しては、前述したように、図6のフローチャート中のステップS101で読み込む消去温度として、リライト用紙Pの種類により定められる消去特性、リライト用紙Pの搬送速度、ハウジング102内の環境温度が考慮された消去温度が読み込まれる。これにより、確実な画像消去を行なうことができる。
本実施の形態のリライトプリンタ101では、単一のハウジング102に用紙収納部201、消去部301及び印字部401を設けた一例を示したが、それらの各部を別体構成のハウジングに収納する構成としたり、あるいは、用紙収納部201及び消去部301を同一のハウジングに収納して印字部401をそれとは別のハウジングに収納する構成としたりしても良い。そして、ハウジングを複数の別体構成とした場合、個々のハウジングを連結可能とし、連結によって用紙収納部201と消去部301と印字部401とが連結されるように構成しても良い。このような場合、個々のハウジングの単位でCPUを複数個設け、これらのCPUを通信回線で接続して制御するようにすることもできる。
また、図5に例示するような制御を実行するために、本実施の形態では、ヒータ304の温度を検出するヒータ温度センサ159を設け、ヒータ温度センサ159により検出される消去部301の検出温度が求めた消去温度(高温側温度)に達したらヒータ304に対する通電を停止し、当該検出温度が予め決められた規定温度幅分だけ下がったらヒータ304に対する通電を再開するという処理を繰り返すことで、ヒータ304に付与する発熱エネルギーを制御するようにしている。これに対して、ヒータ304に付与する発熱エネルギーの制御については、ヒータ温度センサ159により検出される消去部301の検出温度が求めた消去温度(高温側温度)に達したらヒータ304に対する通電を停止する点は同様ながら、その後、所定時間経過したらヒータ304に対する通電を再開するという処理を繰り返すことで実行するようにしても良い。
106…用紙通路(媒体通路)、107…搬送部、151…環境温度センサ、159…ヒータ温度センサ、301…消去部、304…ヒータ、402…サーマルプリントヘッド(サーマル印字ヘッド)、印字部、503…SRAM(第1の記憶部)、504…フラッシュROM(第2の記憶部)、P…リライト用紙(リライト媒体)
Claims (5)
- 搬送部により搬送されて熱により印字及び消去が可能なリライト媒体を案内する媒体通路と、
前記媒体通路上に配置され、当該媒体通路を搬送されるリライト媒体に対してヒータの発熱加熱による消去を行なう消去部と、
前記消去部よりも下流側に位置させて前記媒体通路上に配置され、当該媒体通路を搬送されるリライト媒体に対して印字を行なうサーマル印字ヘッドと、
使用するリライト媒体の消去特性を記憶する第1の記憶部と、
リライト媒体の消去特性と前記消去部による消去温度との関係定義を記憶する第2の記憶部と、
前記第2の記憶部に記憶されている前記関係定義に従い、前記第1の記憶部に記憶されている前記リライト媒体の消去特性に基づいて前記消去温度を求める手段と、
前記消去部の温度が前記求めた消去温度に維持されるように前記ヒータに付与する発熱エネルギーを制御する手段と、
を備えるリライトプリンタ。 - 搬送部により搬送されて熱により印字及び消去が可能なリライト媒体を案内する媒体通路と、
前記媒体通路上に配置され、当該媒体通路を搬送されるリライト媒体に対してヒータの発熱加熱による消去を行なう消去部と、
前記消去部よりも下流側に位置させて前記媒体通路上に配置され、当該媒体通路を搬送されるリライト媒体に対して印字を行なうサーマル印字ヘッドと、
前記搬送部によるリライト媒体の搬送速度を記憶する第1の記憶部と、
リライト媒体の搬送速度と前記消去部による消去温度との関係定義を記憶する第2の記憶部と、
前記第2の記憶部に記憶されている前記関係定義に従い、前記第1の記憶部に記憶されている前記リライト媒体の搬送速度に基づいて前記消去温度を求める手段と、
前記消去部の温度が前記求めた消去温度に維持されるように前記ヒータに付与する発熱エネルギーを制御する手段と、
を備えるリライトプリンタ。 - 搬送部により搬送されて熱により印字及び消去が可能なリライト媒体を案内する媒体通路と、
前記媒体通路上に配置され、当該媒体通路を搬送されるリライト媒体に対してヒータの発熱加熱による消去を行なう消去部と、
前記消去部よりも下流側に位置させて前記媒体通路上に配置され、当該媒体通路を搬送されるリライト媒体に対して印字を行なうサーマル印字ヘッドと、
各部を収容するハウジング内の環境温度を検出する環境温度センサと、
前記ハウジング内の環境温度と前記消去部による消去温度との関係定義を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されている前記関係定義に従い、前記環境温度センサによって検出される前記環境温度に基づいて前記消去温度を求める手段と、
前記消去部の温度が前記求めた消去温度に維持されるように前記ヒータに付与する発熱エネルギーを制御する手段と、
を備えるリライトプリンタ。 - 前記消去部の温度を検出するヒータ温度センサを備え、
前記ヒータ温度センサにより検出される前記消去部の検出温度が前記求めた消去温度に達したら前記ヒータに対する通電を停止して当該検出温度が予め決められた規定温度幅分だけ下がったら前記ヒータに対する通電を再開するという処理を繰り返すことで、前記ヒータに付与する発熱エネルギーを制御するようにした、
請求項1ないし3のいずれか一記載のリライトプリンタ。 - 前記消去部の温度を検出するヒータ温度センサを備え、
前記ヒータ温度センサにより検出される前記消去部の検出温度が前記求めた消去温度に達したら前記ヒータに対する通電を停止して所定時間経過したら前記ヒータに対する通電を再開するという処理を繰り返すことで、前記ヒータに付与する発熱エネルギーを制御するようにした、
請求項1ないし3のいずれか一記載のリライトプリンタ。
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- 2011-04-18 JP JP2011092033A patent/JP2011148319A/ja active Pending
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