JP2011145269A - ガスセンサ - Google Patents

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Kunihiko Yonezu
邦彦 米津
Masao Tsuzuki
正雄 都築
Tomohiro Tajima
朋裕 田島
Tomoki Fujii
智樹 藤井
Hisaharu Nishio
久治 西尾
Takaya Yoshikawa
孝哉 吉川
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Abstract

【課題】ハウジングとその後端側の放熱部材とをコンパクトに接合すると共に、ハウジングの放熱性を低くしてガスセンサ素子の冷えを防止し、かつ放熱部材によりガスセンサ素子の後端部に配置される電極パッド等へ熱が伝わることを抑制したガスセンサを提供する。
【解決手段】軸線方向Oに延び、自身の先端側に被測定ガス中の特定ガス成分を検出するための検出部11を有するガスセンサ素子10と、ガスセンサ素子の径方向周囲を取り囲むハウジング500と、ハウジングの後端側に接合され、少なくとも先端部はアルミニウム系金属又は銅系金属からなる放熱部材400と、を備えたガスセンサ10であって、放熱部材がハウジングを径方向から包囲するよう配置され、放熱部材とハウジングとが加締め、圧入、摩擦、圧接、溶接、又は隙間嵌めの少なくともいずれかによって接合されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、被検出ガスの濃度を検出するガスセンサ素子を備えたガスセンサに関する。
ディーゼルエンジンやガソリンエンジン等の内燃機関の吸気系統(例えば、吸気管や吸気マニホールド等)や排気系統にガスセンサを取り付け、特定ガスの濃度をモニタして燃焼状態等を制御することが行われている。このようなガスセンサの構造として、固体電解質体及び一対の電極を有し、軸線方向に延びて先端に検出部を有するガスセンサ素子と、ガスセンサ素子の周囲を保持するハウジングとを備えたものが知られている。ここで、通常、ガスセンサ素子の後端側は金属製の外筒で覆われているが、この外筒(ケース)を大型化して内部に回路基板を収納し、ノイズを遮蔽する技術が開示されている(特許文献1)。この技術においては、ハウジングの後端にフランジを設け、ケースにハウジングを挿通した際、このフランジをケースの座面で受けつつ両者をネジ止めして固定している。
特開2009-186424号公報(図1)
しかしながら、フランジを受ける座面をケースに設けると、座面にネジ止め部を形成する必要があるため、その分ケースが大きくなり、ガスセンサの小型化が困難になるという問題がある。又、特許文献1記載のガスセンサの場合、ハウジング、プロテクタ及びケースとの金属の種類について検討していないため、ガスセンサ素子を覆うハウジングやプロテクタに熱伝導性が良過ぎる(アルミニウム系又は銅系)金属を用いると、被測定ガスの流れによってハウジングやプロテクタから熱が奪われ、内部のガスセンサ素子が冷却されるという問題がある。その結果、ガスセンサ素子の測定精度が低下したり、これを活性化温度に保つためのヒータ電力が大きくなる。一方、ケースの金属として熱伝導性が低い金属(例えば、ステンレス鋼)を用いるとケース内に熱がこもり、ガスセンサ素子に熱が伝わる可能性がある。その結果、ガスセンサ素子の後端部に配置された電極パッド等において、電気的接続の信頼性が低下する可能性がある。
そこで、本発明は、ハウジングとその後端側に配置されるケースとをコンパクトに接合すると共に、ハウジングの放熱性を低くしてガスセンサ素子の冷えを防止し、かつケースによってガスセンサ素子の後端部に熱が伝わることを抑制することができるガスセンサを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のガスセンサは、軸線方向に延び、自身の先端側に被測定ガス中の特定ガス成分を検出するための検出部を有するガスセンサ素子と、前記ガスセンサ素子の径方向周囲を取り囲む金属からなるハウジングと、前記ハウジングの後端側に接合され、少なくとも先端部は金属からなる放熱部材とを備えたガスセンサであって、前記放熱部材が前記ハウジングを径方向から包囲するよう配置され、前記放熱部材と前記ハウジングとが加締め、圧入、摩擦圧接、溶接、又は隙間嵌めの少なくともいずれかによって接合されており、前記ハウジングは、前記放熱部材の先端部を構成するアルミニウム系金属又は銅系金属より、熱伝導率が低い材料から構成されている。
このようなガスセンサによれば、放熱部材がハウジングを径方向から包囲するよう配置しつつ、この両者を加締め、圧入、摩擦、圧接、溶接、又は隙間嵌めの少なくともいずれかによって接合しているので、ハウジングと放熱部材とをフランジとネジ等で接合する場合に比べ、ネジ止め部を設ける必要がなくなるため、接合部がコンパクトとなり、ガスセンサの小型化を実現することができる。
又、ハウジングの後端側に、先端部がハウジングを形成する金属よりも放熱性の高い金属でにより形成された放熱部材が位置しているため、ハウジング側からの熱が放熱部材内にこもり、ガスセンサ素子の後端部に熱が伝わることを抑制することが出来る。その結果、ガスセンサ素子の後端部に配置された電極パッド等において、電気的接続の信頼性が低下することを抑制できる。なお、放熱性の高い金属としては、アルミニウム系金属又は銅系金属が挙げられる。
また、ハウジングは、前記放熱部材の先端部を構成するアルミニウム系金属又は銅系金属よりも熱伝導率が低い金属から構成されているので、被測定ガスの流れによってハウジングやプロテクタから熱が奪われ、内部のガスセンサ素子が冷却されることを抑制できる。その結果、ガスセンサ素子の測定精度が低下したり、これを活性化温度に保つためのヒータ電力が大きくなることが抑制できる。
なお、放熱部材は、先端部のみが放熱性の高いアルミニウム系金属又は銅系金属によって形成されていても良いが、より好ましくは、全体がアルミニウム系金属又は銅系金属により一体形成されていると良い。このようなガスセンサによれば、放熱部材の成形を容易に行うことが出来ると共に、ハウジング側からの熱がより外部に放熱できる。
さらに、放熱部材の先端側をガスセンサの取り付け対象に設けたセンサ取り付け孔に挿入することで、吸気管外側へのガスセンサの突き出し長さを短くすることが出来ると共に、放熱部材とガスセンサ取り付け孔壁面との間で熱伝導することにより、ガスセンサ素子の後端部に熱が伝わることを抑制することが出来る。
又、放熱部材の後端側に高分子からなる樹脂部材を形成することで、ガスセンサ素子と外部回路とを電気的に接続する導電部材をこの樹脂部材で保持(及び絶縁)することが容易となる。なぜなら、ハウジングと放熱部材後端側に配置された樹脂部材との間に放熱性の高いアルミニウム系金属又は銅系金属により形成された放熱部材先端部介在しているため、ハウジング側からの熱は直接樹脂部材に伝わらず、ハウジングより熱伝導率が高い放熱部材先端部で放熱され、樹脂部材の劣化や変形を抑制することができる。
前記放熱部材と前記ハウジングとの接合を加締め又は圧入により接合する際は、接合面の少なくとも一方に凹凸部を持つことが好ましい。
このようなガスセンサによれば、放熱部材とハウジングとの気密性が向上する。さらに、加締めにより接合する際には、接触面積が増大し、接合強度が向上する。
前記ハウジングの外面に先端向き面が形成され、前記放熱部材の内面に後端向き面が形成され、前記先端向き面が前記後端向き面に係止しつつ、前記放熱部材が前記ハウジングを包囲していてもよい。
このようなガスセンサによれば、放熱部材へのハウジングの挿入深さを規制(位置決め)できると共に、放熱部材からハウジングが脱落して取付け対象の内部に混入することを防止できる。
この発明によれば、ハウジングとその後端側の放熱部材とをコンパクトに接合すると共に、ハウジングの放熱性を低くしてガスセンサ素子の冷えを防止し、かつ放熱部材によってガスセンサ素子の後端部へ熱が伝わることを抑制することができる。
第1の実施形態に係るガスセンサの構成を示す斜視図である。 図1のIII−III線に沿う断面図である。 ガスセンサ内部に保持される素子アセンブリの斜視図である。 第1の実施形態に係るガスセンサの製造方法の一例を示す工程図である。 第2の実施形態に係るガスセンサ内部に保持されるガスセンサ素子の斜視図である。 第2の実施形態に係るガスセンサの構成を示す斜視図である。 図6のVII−VII線に沿う断面図である。 接続端子の構成を示す斜視図である。 第2の実施形態に係るガスセンサの製造方法の一例を示す工程図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
第1図は、本発明の第1図の実施形態に係るガスセンサの200の斜視図、図2は図1のIII−III線に沿う断面図である。
ガスセンサ200は、ガスセンサ素子10を含む素子アセンブリ152と、素子アセンブリ152のハウジング500の後端側に接合される放熱部材400と、放熱部材400の後端側に接続される樹脂部材60とを備えている。
樹脂部材60(正確には後述する樹脂部本体61)は、ガスセンサ素子10と外部回路(図示せず)とを電気的に接続する導電部材(コネクタ端子)70を保持して絶縁している。又、セラミック製のセパレータ40には接続端子31、32が装着され、接続端子31、32は電極パッド12aと導電部材70とを接続している。さらに、詳しくは後述するが、放熱部材400の先端側から素子アセンブリ152(ハウジングを含む)が挿入され、両者が加締め接合されている。
なお、この実施形態では、樹脂部材60は、成形性の良い樹脂であるナイロン(登録商標)樹脂からなり、放熱部材400の後端側(外部)にインサート成型されている樹脂部本体61と、樹脂部本体61に後から被せられて樹脂部本体61の内部空間を閉塞する樹脂製の蓋部62とからなっている。
このうち、素子アセンブリ152について、図2、図3を用いて説明する。図3は、本発明の第1の実施形態に係るガスセンサの内部に保持される素子アセンブリ152の斜視図である。なお、図3において、ガスセンサ素子10の軸線方向O(1点鎖線で示す。)を上下方向として図示し、後端部12側をガスセンサ素子10(及びガスセンサ)の後端側、その反対側にあるガスセンサ素子10の検出部側をガスセンサ素子10(及びガスセンサ)の先端側、として説明する。又、軸線方向Oに垂直な方向を適宜「径方向」と称する。
ガスセンサ素子10は公知であるような軸線O方向に延びる略角柱状をなし、酸素濃度の検出を行う検出素子と、その検出素子を早期活性化させるために加熱を行うヒータとが互いに貼り合わされた積層体である。検出素子はジルコニアを主体とする固体電解質体と白金を主体とする一対の電極とを中空の測定室が一部に形成された絶縁層を介して積層した構成をなしている。この検出素子は、より具体的には、固体電解質体の両面に形成された一対の電極の一方を外部に晒すと共に、他方の電極を測定室に配置した酸素ポンプセルと、固体電解質体の両面に形成された一対の電極の一方を測定室に配置すると共に、他方の電極を基準ガス室に配置した酸素濃度測定セルとを有してなり、酸素濃度測定セルの出力電圧が所定の値になるように、酸素ポンプセルの一対の電極間に流す電流を制御することで、測定室内の酸素を汲み出したり、測定室内に外部から酸素を汲み入れたりする構成をなしている。
なお、酸素ポンプセルのうち、一対の電極、及び、固体電解質体のうちでこれら電極に挟まれる部位は、酸素濃度に応じた電流が流れる検出部11をなす。又、ガスセンサ素子10の後端部12には、検出素子やヒータから電極を取り出すための5つの電極パッド12a(図3ではそのうちの2つをガスセンサ素子10の第2面10b側に図示し、第1面10aに残りの3つを有する。)が形成されている。
次に、ガスセンサ素子10(及びそれを含む素子アセンブリ)の断面構造について説明する。
図2に示すように、ガスセンサ素子10の軸方向中央よりやや先端側には、有底筒状をなす金属製の金属カップ20が、自身の内部にガスセンサ素子10を挿通させ、その検出部11を筒底の開口25から突出させた状態で配置されている。金属カップ20はハウジング500内にガスセンサ素子10を保持するための部材であり、筒底の縁部分の先端周縁部23は外周面にかけてテーパ状に形成されている。金属カップ20内には、アルミナ製のセラミックリング21と滑石粉末を圧縮して固めた滑石リング22とが、自身にガスセンサ素子10を挿通させた状態で収容されている。滑石リング22は金属カップ20内で押し潰されて細部に充填されており、これにより、ガスセンサ素子10が金属カップ20内で位置決めされて保持されている。
金属カップ20と一体となったガスセンサ素子10は、その周囲を筒状のハウジング500に取り囲まれて保持されている。このハウジング500はSUS430等のステンレス鋼からなる。具体的には、ハウジング500の軸方向の先端寄りに径大部520が形成され、径大部520より先端の先端係合部56にプロテクタ100が固定されている。径大部520の後端は段状の後端向き面520sを形成している。又、ハウジング500の径大部520より後端寄りの外周には、放熱部材400との密着性を高めて接合を確実に行うため、軸線方向Oに沿って突没する凹凸部500aが形成されている。さらに、ハウジング500の後端縁にはハウジング500内にガスセンサ素子10を加締め保持するための加締め部53が形成されている。
また、ハウジング500の内周で先端係合部56付近には段部54が形成されている。この段部54には、ガスセンサ素子10を保持する金属カップ20の先端周縁部23が係止されている。更に、ハウジング500の内周には滑石リング26が、自身にガスセンサ素子10を挿通させた状態で、金属カップ20の後端側から装填されている。そして、滑石リング26を後端側から押さえるように、筒状のスリーブ27がハウジング500内に嵌め込まれている。スリーブ27の後端側外周には段状をなす肩部28が形成されており、その肩部28には、円環状の加締めパッキン29が配置されている。この状態でハウジング500の加締め部53が、加締めパッキン29を介してスリーブ27の肩部28を先端側に向けて押圧するように加締められている。加締め部53の形成によって、スリーブ27を介して押圧された滑石リング26は、ハウジング500内で押し潰されて細部にわたって充填され、この滑石リング26と、金属カップ20内にあらかじめ装填された滑石リング22とによって、金属カップ20およびガスセンサ素子10がハウジング500内で位置決めされ、気密に保持される。
ガスセンサ素子10は、その後端部12がハウジング500の後端(加締め部53)よりも後方に突出されており、その後端部12には、絶縁性セラミックスからなる筒状のセパレータ40が被せられている。セパレータ40は、ガスセンサ素子10の後端部12に形成された5つの電極パッド12aとそれぞれ電気的に接続される5つの接続端子31、32を内部の挿通孔41(図1参照)に保持している。詳しくは後述するが、ガスセンサ素子10の後端部12をセパレータ40の挿通孔41に挿通した際、接続端子31、32の素子側接続端子部31a、32aが電極パッド12aと電気的に接続する。
一方、ガスセンサ素子10の検出部11の外周面は、多孔質状の保護層15により被覆され、検出部11のうち外部に晒される電極を吸気等による被毒や被水から保護している。そして、ハウジングの先端係合部56に外側プロテクタ110が嵌められ、レーザ溶接によって固定され、外側プロテクタ110内部に収容された検出部11を保護している。外側プロテクタ110の内側のうち、検出部11とガス導入孔115との間には内側プロテクタ112が配置され、ガス導入孔115から外側プロテクタ110内部に導入されたガスが検出部11に直接晒されることを抑制している。よって、ガス中に含まれる水分や油分がガスセンサ素子10に付着することを抑制でき、ガスセンサ素子10にクラックや割れが生じることを抑制できる。また、ガス中に含まれる煤においてもガスセンサ素子10に付着することを抑制でき、ガスセンサ200の検出精度が低下する事を抑制できる。
なお、内燃機関の吸気系統にガスセンサ200を取り付ける場合、ガス導入孔115の向きを吸気系統の下流側に合わせると、ガスセンサ素子10にクラックや割れが生じることを抑制でき、さらに、ガスセンサ200の検出精度が低下する事を抑制できる。
そして、図1に示すように、樹脂部本体61は放熱部材400の後端側の円筒部に樹脂によりインサート成型され、放熱部材400の筒面と面一の半円筒部61aを有すると共に、半円筒部61aの端からガス導入孔115の反対側に向かって平行に2つの壁部61bが延びている。そして、両壁部61bの端が壁部61bの面に垂直な仕切り壁61cで閉じられている。このようにして、半円筒部61a、2つの壁部61b、及び仕切り壁61cにより、後端部12の周囲を囲んでいる。又、半円筒部61a、2つの壁部61b、及び仕切り壁61cの後端側の高さはガスセンサ素子10の後端部12よりやや高く、後端部12(及び後述するセパレータ40、コネクタ端子70)が樹脂部本体61の内部空間に収容されるようになっている。
さらに樹脂部本体61は、ガス導入孔115の反対側に開口63bを有しつつ、ガスセンサ200の径方向(軸線方向Oに垂直な方向)に延びる略矩形で雄型のコネクタ部63を一体に有している。コネクタ部63は、開口63bを形成するコネクタ壁63aがコネクタ部63を挿通するコネクタ端子70の周囲に設けられており、更に仕切り壁61cに一体に接続している。そのため、相手コネクタ(この例では、雌コネクタ)を径方向に挿抜可能である。コネクタ端子70は、コネクタ部63の軸線方向Oの中心付近で仕切り壁61cに埋設され、コネクタ端子70の一端は仕切り壁61cよりコネクタ部63側でコネクタ部63内に突出して雄ピンを構成し、コネクタ端子70の他端が、仕切り壁61cから樹脂部材61の内部空間内に露出している。
なお、仕切り壁61cが、5本のコネクタ端子70の間を絶縁している。
このようにして、ガスセンサ素子10の後端部12を内部に収容した樹脂部本体61が構成され、この後端部12にセパレータ40が嵌められている。セパレータ40の挿通孔41に後端部12の電極パッドが収容され、挿通孔41に配置された接続端子31、32が電極パッドに電気的に接続される。又、セパレータ40外に表出する接続端子31、32の一端(後述する外部回路側接続端子部)は径方向に延び、後端部12にセパレータ40を嵌めた際に該外部回路側接続端子部がコネクタ端子70に電気的に接続されるようになっている。
以上のようにして、ガスセンサ素子10の電極パッドとコネクタ端子70とが接続端子31、32を介して電気的に接続され、この状態で蓋部62を樹脂部本体61に被せて両者を接合(例えば溶着)することで、セパレータ40が樹脂部材60で覆われてガスセンサ200が構成される。
次に、図8を参照し、接続端子31、32の詳細な構成について説明する。この図8は、セパレータ40及び接続端子31、32について説明した斜視図である。
接続端子31、32は、長片状の導電部材(金属片等)をプレス等で打ち抜き、所定形状に折り曲げて形成されている。この接続端子31、32は、セパレータ40の挿通孔41内に配置され、電極パッド12aにそれぞれ接続される素子側接続端子部31a、32aと、それぞれ素子側接続端子部31a、32aとコネクタ端子70とを接続する外部回路側接続端子部31b、32bとを一体に有している。
このうち、素子側接続端子部31a、32aは、挿通孔41の壁面に沿う引き出し部31t、32tと、引き出し部31t、32tの先端側とで屈曲し、弾性力によってセパレータ40の軸方向中心に向かって膨らんでいる接触部31r、32rを備えている。そして、ガスセンサ素子10の後端部12をセパレータ40の挿通孔41に挿通した際、素子側接続端子部31a、32a(接触部31r、32r)が電極パッド12aと摺動し、素子側接続端子部31a、32aの弾性力によって電極パッド12aとの接圧を増すことで、確実な電気的接続が図られる。
他方、外部回路側接続端子31b、32bについて詳細に説明する。
外部回路側接続端子31bは、引き出し部31tから第1屈曲部31eを介してセパレータ40の上面40aに沿って径方向に延びる水平部31sと、水平部31sから第2屈曲部31fを介してセパレータ40の上面40aから軸方向中央に向かって径方向外側に拡がりつつ斜めに延びる第1端子部31b1と、第1端子部31b1から第3屈曲部31gを介して径方向外側に水平に延びる第2端子部31b2とを一体に形成してなる。
又、外部回路接続端子32bは、引き出し部32tから第1屈曲部32eを介してセパレータ40の上面40aに沿って径方向に延びる水平部32sと
水平部32sから第2屈曲部32fを介してセパレータ40の上面40aから軸方向中央に向かって径方向外側に拡がりつつ斜めに延びる第1端子部32b1と、第1端子部32b1から第3屈曲部32gを介して径方向外側に水平に延びる第2端子部32b2とを一体に形成してなる。
なお、第1端子部32b1の角度は第1端子部31b1の角度と同一であり、第2端子部32b2は第2端子部31b2と一列に並んでいる。
また、接続端子31の水平部31sは、セパレータ40の挿通孔41から図4の奥側に向かってまっすぐに延びている。これに対し、接続端子32の水平部32sは、これら水平部31sに接触しないよう、挿通孔41の外周を通って3つの水平部31sの両外側から同様に図4の奥側に向かってまっすぐに延びている。
このように、接続端子31、32がセパレータ40の後端向き面40aから径方向に延びているため、接続端子31、32やそれに接続されるリード線等がセパレータ40の後端向き面40aより後端側に突出することが無く、その分だけガスセンサ200の軸線方向Oの高さが低くなり、ガスセンサ210を対象物に取り付けた際の突き出し長さを短くすることができる。
又、外部回路側接続端子部31b、32bは、セパレータ40の軸方向中央に向かって屈曲するので、この屈曲部で接続されるコネクタ端子70の軸線方向の高さを先端側へ向かって低くすることができる。コネクタ部63は、相手コネクタを径方向に挿抜させるためにコネクタ端子70より後端側及び先端側へ突出するが、コネクタ端子70の高さを低くすることでコネクタ部63の高さも低くなり、その分だけガスセンサ210の軸線方向Oの高さが低くなり、ガスセンサ210を対象物に取り付けた際の突き出し長さを短くすることができる。
次に、図1、図2に戻り、放熱部材400について説明する。放熱部材400はアルミニウム系金属又は銅系金属(この例ではアルミニウム)から構成されており、ハウジング500より熱伝導率が高い。放熱部材400は、軸線方向Oを軸とする円筒部403と、円筒部403の後端寄りから径方向(図3の左右方向)の反対向きにそれぞれ延びるフランジ部402とを備え、フランジ部402の後端側に円筒部403の後端部401が突出している。又、くさび効果を利用して放熱部材と樹脂部材との密着性を高める為に、放熱部材の後端部401の外周面は軸線方向Oに沿って突没する凹凸状に形成されている。そして、後端部401を囲むように樹脂部本体61がインサート成型されることで、くさび効果により樹脂部本体61と放熱部材400との密着性及び密閉性が向上する。
放熱部材400(円筒部403)の内径は、ハウジング500の外径(径大部520より後端側)よりやや大きく、ハウジング500を円筒部403の先端側から筒孔400aに挿入可能になっている。そして、ハウジング500を円筒部403に挿入し、凹凸部500aの外側から円筒部403を加締めることで、両者が接合される。このとき、円筒部403の外面と径大部520の外面とは面一になっている。
但し、円筒部403の先端と径大部520との間に、軸線方向Oに段状の隙間(凹溝)D1を有している。この凹溝D1は、径大部520の後端面520sと、円筒部403の先端面403sとの間に形成され、凹溝D1にシール部材(Oリング)90が外嵌されている。
又、シール部材90の外径は径大部520より大きく、ガスセンサの取付け対象である取り付け対象体300には径大部520よりわずかに径大のセンサ取り付け孔350が設けられている。従って、このセンサ取り付け孔350にガスセンサ200を先端側から挿入して取り付けた際、シール部材90がセンサ取り付け孔350の内壁で潰され、取り付け対象体300とハウジング500との間をシールするようになっている。
なお、筒孔400aの所定位置に先端向き面を有するストッパを突設し、円筒部403へのハウジング500の挿入位置を規制してもよい。
又、放熱部材400は略円筒状をなし、その後端側から軸方向に垂直な径方向に2個の半円状のフランジ部402が対向して延びている。各フランジ部402の中央にはそれぞれ取付孔402aが貫通している。そして、取付孔402aにネジやボルトを挿通し、この取付ネジ(ボルト)をガスセンサ200の取付け対象体300(例えば、内燃機関の吸気系統)に設けたネジ孔にネジ止めすることで、ガスセンサ200を取付け対象に取り付けることができる。
このように、各フランジ部402を用いてガスセンサ200を取付け対象に取り付けるようにすると、対象物の取付け開口を比較的小径とすることができ、主体金具500を直接対象物にネジ止めする場合に比べ、対象物の材質等に関わらず取付けが容易で確実となる。
なお、ガスセンサ200の取付け対象としては、種々の内燃機関が挙げられ、特に自動車等の車両の内燃機関の吸気系統が挙げられる。車両の内燃機関の吸気系統に取り付けられる場合、低温の吸気でハウジング500内部のガスセンサ素子10が冷やされ易いので、本発明が有効となる。又、接続端子31、32を用いてガスセンサ200の突き出し長さを短くすれば、車両前方のボンネット等の高さを低くして被衝突体への衝撃を和らげることができるので好ましい。ここで、吸気系統とは、吸気取り入れ口から内燃機関の吸気ポートまでの間の吸気通路であり、例えば、吸気管、及び吸気管から分岐して内燃機関の吸気ポートに接続される吸気マニホールドが挙げられる。又、吸気は、新気(排気を含まない新鮮な空気)の他、排気の一部が吸気系統へ還流(再循環)されて新気と混合された混合ガスを含む。
又、上記実施形態のガスセンサ素子10は、いわゆる全領域空燃比センサであるが、空燃比センサの他、酸素センサ(λセンサ)、NOxセンサを用いることができる。
なお、吸気側の特定ガス濃度を検出して内燃機関を制御した場合、排気側にガスセンサを設けて排気中の特定ガス濃度を検出する場合に比べ、内燃機関を精度よく制御できる。これは、排気中の特定ガス濃度に応じた制御がフィードバック制御であるのに対し、吸気側の特定ガス濃度に応じた制御は、燃焼前に対応ができるからである。
又、被測定ガス中の特定ガス成分の濃度に応じたガスセンサ素子10からの出力は、電極パッド12aから上記接続端子31、32、及び導電部材70を経て外部回路に電気的に取り出される。ここで、「外部回路」とは、コネクタ部63に雌コネクタを介して接続されるガスセンサのコントローラ(マイクロコンピュータ)や、車両側のECU(エンジンコントロールユニット)が例示される。
次に、図4を参照し、本発明の第1の実施形態に係るガスセンサ200の製造方法の一例について説明する。
まず、インサート成型される放熱部材400及びコネクタ端子70を適宜金型の内部に設置する(図4(a))。次に、金型内に樹脂を射出成形し、樹脂部本体61をインサート成型する(図4(b))。そして、放熱部材400の筒孔400aの先端側から公知の手法により作成された素子アセンブリ152を挿入し(図4(c))、放熱部材400(の円筒部)とハウジングの径大部(図示せず)との間に軸線方向Oに隙間(凹溝)D1を設けた状態で、放熱部材400の外側から位置SWで加締め、ハウジング(素子アセンブリ152)と放熱部材400とを接合する(図4(d))。
次に予め接続端子31、32を装着したセパレータ40を、樹脂部本体61内部に配置されたガスセンサ素子10の後端部12に嵌め込み(図4(e))、接続端子31、32を電極パッド12a(図示せず)及びコネクタ端子70に接続する(図4(f))。又、接続端子31、32とコネクタ端子70とを適宜、スポット溶接等で電気的に接続する。
そして、樹脂部本体61の開口に蓋部62を被せ(図4(g))、樹脂部本体61と蓋部62との合わせ目J1を一体化(例えば、溶着)して封止し、樹脂部材60を形成させると共に、凹溝D1にOリング90を嵌めてガスセンサ200を得る(図4(h))。
第1の実施形態に係るガスセンサ200においては、放熱部材400(の円筒部403)がハウジング500を径方向から包囲するよう配置され、放熱部材400とハウジング500とが加締め接合されている。そのため、両者をフランジとネジ等で接合する場合に比べ、ネジ止め部を設ける必要がなくなるため、接合部がコンパクトとなり、ガスセンサの小型化を実現することができる。又、放熱部材400とハウジング500はそれぞれ異種金属から構成されているが、加締め接合の場合、異種金属であっても容易に接合することができる。
又、ハウジング500の後端側に、ハウジング500を形成する金属よりも放熱性の高い金属である、アルミニウム系金属又は銅系金属により形成された放熱部材400が位置しているため、ハウジング500側からの熱が放熱部材400内にこもり、ガスセンサ素子10の後端部12に熱が伝わることを抑制することが出来る。その結果、ガスセンサ素子10の後端部12に配置された電極パッド12aにおいて、電気的接続の信頼性が低下することを抑制できる。
又、ハウジング500は、放熱部材400を構成するアルミニウム系金属又は銅系金属よりも熱伝導率が低い金属から構成されているので、被測定ガスの流れによってハウジング500やプロテクタ100から熱が奪われ、内部のガスセンサ素子10が冷却されることを抑制できる。その結果、ガスセンサ素子10の測定精度が低下したり、これを活性化温度に保つためのヒータ電力が大きくなることが抑制できる。
また、放熱部材400とハウジング500との接合を加締めにより接合する際は、接合面が凹凸部を持つことが好ましい。このようなガスセンサによれば、放熱部材400とハウジング500との接触面積が増大し、接合強度が向上する。
なお、ハウジング500と放熱部材400との接合面の後端Aは、放熱部材400と樹脂部材60との接続面の先端Bより先端側に位置している。つまり、軸線方向Oに沿い、ハウジング500と樹脂部材60との間に放熱部材400が介在している。そのため、ハウジング500側からの熱は直接樹脂部材60に伝わらず、ハウジング50より熱伝導率が高い放熱部材400で放熱されるので、樹脂部材60の劣化や変形を抑制することができる。
次に、図5〜図7を参照して、本発明の第2の実施形態に係るガスセンサ210の構成について説明する。ガスセンサ210は、放熱部材600、コネクタ樹脂部材65、及び及びハウジング50の構成が第1の実施形態と異なること以外は、第1の実施形態と同一であるので、第1の実施形態と同一の構成部分については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図5は、ガスセンサ210の内部に保持されるガスセンサ素子10の一例の概略構成を示す斜視図である。第1の実施形態と同様、ガスセンサ素子10はハウジング50及びプロテクタ100に保持及び収容され、素子アセンブリ150を構成している。なお、ハウジング50の外周後端側にはOリング95が外嵌され、放熱部材600(後述)との接合部の隙間をシールするようになっている。又、ハウジング50の外周先端側には先端向き面51sが形成され、放熱部材600(後述)に係止可能になっている。
図6は、ガスセンサ210の構成を示す斜視図である。第2の実施形態においては、第1の実施形態の樹脂部材60と放熱部材400に相当する構成が、アルミニウム製の放熱部材600に置き換わっている。又、放熱部材600は、放熱部本体610と蓋部620からなり、放熱部本体610はアルミニウムダイキャストにより一体成形されている。さらに、第2の実施形態においては、コネクタ樹脂部材65は、コネクタ端子70の長手方向中央付近を囲んでおり、5本のコネクタ端子70を保持しつつ絶縁している。なお、コネクタ樹脂部材65は成形性のよいナイロン(登録商標)樹脂により成型される。
放熱部本体610は、略円筒状をなし、ハウジング50に取り付けられる円筒部610dと、半円筒部610aと、2つの壁部610bと、壁部610bに接続する雄型のコネクタ部630と、仕切り片610cと、2個の半円状のフランジ部640と、を一体に備えている。各フランジ部640は壁部610bの先端側から径方向の反対側にそれぞれ延び、各フランジ部640の中央には、取付け対象に取り付けるための取付孔640aがそれぞれ貫通している。
半円筒部610aは円筒部610dの筒面と面一に形成され、半円筒部610aの端からガス導入孔115の反対側に向かって平行に2つの壁部610bが延びている。コネクタ部630は断面が長円で、ガス導入孔115の反対側に開口しつつガスセンサ200の径方向(軸線方向Oに垂直な方向)に延びる筒状をなし、相手コネクタ(この例では、雌コネクタ)を径方向に挿抜可能である。コネクタ部630は2つの壁部610bに一体に接続しており、両壁部610bとコネクタ部630の接続部分のうち、コネクタ部630の後端側の内面に、壁部610bの面に垂直に延びる畝状の仕切り片610cが突設されている。
一方、コネクタ樹脂部材65はコネクタ端子70を埋設し、コネクタ部630に挿入可能な矩形断面を有する箱形をなしている。又、コネクタ樹脂部材65は、コネクタ部630側に向かって段状の縮径部65sを備えている。そして、コネクタ樹脂部材65がコネクタ部630に挿入され、縮径部65sが仕切り片610cに係止する位置で固定されるようになっている。従って、コネクタ端子70の一端は仕切り片610cよりコネクタ部630側でコネクタ部630内に突出して雄ピンを構成し、コネクタ端子70の他端が、仕切り片610cから半円筒部610a、2つの壁部610b、及び仕切り片610cにより囲まれた内部空間内に露出している。
又、半円筒部610a、2つの壁部610b、及び仕切り片610cの後端側の高さはガスセンサ素子10の後端部12よりやや高く、後端部12(及び後述するセパレータ40、コネクタ端子70)が上記した半円筒部610a、2つの壁部610b、及び仕切り片610cにより囲まれた内部空間に収容されるようになっている。
このような放熱部本体610の円筒部610dの後端側から、素子アセンブリ150(ハウジングを含む)が圧入され、両者が接合されている。そして、円筒部610dの後端側から覗くガスセンサ素子10の後端部12に、セパレータ40が嵌められている。セパレータ40の挿通孔41に後端部12の電極パッド12aが収容され、挿通孔41に配置された接続端子31、32が電極パッド12aに電気的に接続される。又、セパレータ40外に表出する接続端子31、32の一端(後述する外部回路側接続端子部)は径方向に延び、後端部12にセパレータ40を嵌めた際に該外部回路側接続端子部がコネクタ端子70に電気的に接続されるようになっている。
以上のようにして、ガスセンサ素子10の電極パッド12aとコネクタ端子70とが接続端子31、32を介して電気的に接続され、この状態で蓋部620を放熱部本体610に被せて両者を接合(例えば溶接)することで、ガスセンサ210が構成される。
図7は、図6のVII−VII線に沿う断面図であり、第1の実施形態の図3に直交する方向の断面図である。この図において、ハウジング50の先端には段状に縮径する縮径部52が形成され、この段部が先端向き面51sを形成している。さらに、ハウジング50の後端側の外周には周方向に繋がる溝部50eが形成され、溝部50eにはOリング95が外嵌されている。溝部50eより後端側にはハウジング50内にガスセンサ素子10を加締め保持するための加締め部53が形成されている。一方、ハウジング50の縮径部52よりも先端側には、プロテクタ100が係合される先端係合部56が形成されている。なお、ハウジング50のその他の構成は、第1の実施形態と同様である。
一方、放熱部本体610の円筒部610dの内径は、ハウジング50の最大外径よりやや小さく、ハウジング50を円筒部610dの後端側から筒孔610hに圧入可能になっている。そして、ハウジング50を円筒部610dに圧入すると両者が接合される。なお、ハウジング50を円筒部610dに圧入する際、Oリング95が筒孔610hの壁面で潰され、放熱部本体610とハウジング50との間をシールするようになっている。
又、第2の実施形態において、円筒部610dの先端縁の内径は、筒孔610hの内径より小さく、プロテクタ100及び縮径部52の外径よりわずかに大きい。従って、ハウジング50を円筒部610dの後端側から筒孔610hに圧入すると、円筒部610dの先端縁の後端向き面610sにハウジング50の先端向き面51sが係止されるので、圧入深さを規制(位置決め)できると共に、放熱部本体610(円筒部610d)からハウジング50(及び素子アセンブリ150)が脱落して取付け対象の内部に混入することを防止できる。特に、ハウジング50が放熱部本体610より熱伝導率が低いためガスセンサ210が加熱されると、ハウジング50を囲む放熱部本体610の方がより一層膨張し、両者の密着や接合が弱くなる場合がある。従って、先端向き面51s及び後端向き面610sを設けることが有効となる。
なお、この実施形態では、先端向き面51s及び後端向き面610sは、いずれも径方向に平行な段部をなしているが、先端向き面51s及び後端向き面610sを、先端に向かって狭まるテーパーとしてもよい。
第2の実施形態においても、放熱部材600(の円筒部610d)がハウジング50を径方向から包囲するよう配置され、放熱部材600とハウジング50とが圧入により接合されている。そのため、両者をフランジとネジ等で接合する場合に比べ、ネジ止め部を設ける必要が無い為、接合部がコンパクトとなり、ガスセンサの小型化を実現することができる。又、放熱部材600とハウジング50はそれぞれ異種金属から構成されているが、圧入の場合、異種金属であっても容易に接合することができる。
また、ハウジング50の後端側に、ハウジング500を形成する金属よりも放熱性の高い金属である、アルミニウム系金属又は銅系金属により形成された放熱部材400が位置し、さらにコネクタ樹脂部材65は放熱部材600(コネクタ部630)の内部に接続している。そのため、ハウジング50側からの熱はコネクタ樹脂部材65に直接伝わらず、ハウジング50より熱伝導率が高い放熱部材600で放熱されるので、コネクタ樹脂部材65の劣化や変形を抑制することができる。
又、ガスセンサ素子10を囲むハウジング50は、放熱部材600を構成するアルミニウム系金属又は銅系金属より熱伝導率が低い材料から構成されているため、ガスセンサ素子10の冷えを防止することができる。その結果、ガスセンサ素子10の測定精度が低下したり、これを活性化温度に保つためのヒータ電力が大きくなることが抑制できる。
なお、円筒部610dの外面には、周方向に連続する凹溝D2が形成され、凹溝D2にシール部材(Oリング)90が外嵌されている。シール部材90の外径は円筒部610dの外径より大きく、ガスセンサの取付け対象である取り付け対象体300には円筒部610dの外径よりわずかに径大のセンサ取り付け孔350が設けられている。従って、このセンサ取り付け孔350にガスセンサ210を先端側から挿入して取り付けた際、シール部材90がセンサ取り付け孔内壁で潰され、取り付け対象体300と円筒部610との間をシールするようになっている。
次に、図9を参照し、本発明の第2の実施形態に係るガスセンサ210の製造方法の一例について説明する。
まず、素子アセンブリ150を公知の手法により作成する。
その後、インサート成型される放熱部本体610の筒孔610hの後端側から素子アセンブリ150を圧入し、後端向き面610s(図示せず)に先端向き面51sを係止させて素子アセンブリ150を放熱部本体610に接合する(図6(a))。次に、コネクタ部630の開口からコネクタ樹脂部材65を圧入し(図6(b))、上記した仕切り片610cに縮径部65sを係止させる(図6(c))。
次に予め接続端子31、32を装着したセパレータ40を、放熱部本体610内部に配置されたガスセンサ素子10の後端部12に嵌め込み(図6(d))、接続端子31、32を電極パッド12a(図示せず)及びコネクタ端子70に接続する(図6(e))。又、接続端子31、32とコネクタ端子70とを適宜、スポット溶接等で電気的に接続する。
そして、放熱部本体610の開口に蓋部620を被せ(図6(f))、放熱部本体610と蓋部620との合わせ目J2を一体化(例えば、溶接)して封止し、放熱部材600を形成させてガスセンサ210を得る(図6(g))。
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。例えば、内燃機関の吸気系統に限らず、排気系統にガスセンサを取り付けてもよい。例えば、ライトオフが増えれば排気系統においても排気が冷気となってガスセンサを冷やす場合がある。
又、放熱部材とハウジングとは、上記した加締め又は圧入の他、摩擦溶接、溶接、又は隙間嵌めの少なくともいずれかによって接合されていてもよい。ここで、圧入とは、放熱部材の内径がハウジングの外径より小さく、両者の間に隙間が生じずに密着していることをいう。一方、隙間嵌めは、放熱部材の内径がハウジングの外径より大きく、両者の間に隙間が生じていることをいい、この隙間に充填剤を充填したり、Oリングを介装させて放熱部材とハウジングとを接合させる。又、溶接としては、超音波溶接、レーザ溶接、抵抗溶接が挙げられる。
又、放熱部材を構成するアルミニウム系金属又は銅系金属としては、純アルミニウムや純銅の他、各種アルミニウム合金や銅合金を用いることができる。具体的には、ジュラルミン、アルミニウムダイカスト、黄銅、青銅等を用いることが好ましい。一方、ハウジングとしては、ステンレス鋼、鉄材(炭素鋼、鋳物)等を用いることができる。
さらに、例えば、ガスセンサにコネクタ部を一体で設けず、外部コネクタをリード線や端子等の導電部材でガスセンサに接続してもよい。又、この導電部材の一部を樹脂部材内に収容するように構成してもよい。
なお、第1実施例では放熱部材の先端側から素子アセンブリを挿入し、第2実施例では放熱部材の後端側から素子アセンブリを挿入しているが、この挿入方向はそれぞれの実施例に限定されるものではない。つまり、第1実施例のように樹脂部材と放熱部材の両者が形成されている時に、放熱部材の後端側から素子アセンブリを挿入しても良いし、その逆に、第2実施例のように樹脂部材が存在しない時に、放熱部材の先端側から素子アセンブリを挿入しても良い。
上記実施例の樹脂部材60及び上記第2実施例のコネクタ樹脂部材65は、ナイロン(登録商標)樹脂により成型されていたが、樹脂部材60は他の公知である高分子材料によって成型されても何ら問題は無く、コネクタ樹脂部材65も、他の公知である高分子材料又はセラミックによって成型されても何ら問題は無い。
10 ガスセンサ素子
11 検出部
12 ガスセンサ素子の後端部
12a 電極パッド
70 導電部材
50、500 ハウジング
51s ハウジングの先端向き面
60、61、62、65 樹脂部材
100 プロテクタ
200、210 ガスセンサ
300 取り付け対象体
400、600 放熱部材
500a 接合面の凹凸
610s 放熱部材の後端向き面
O 軸線方向

Claims (3)

  1. 軸線方向に延び、自身の先端側に被測定ガス中の特定ガス成分を検出するための検出部を有するガスセンサ素子と、
    前記ガスセンサ素子の径方向周囲を取り囲む金属からなるハウジングと、
    前記ハウジングの後端側に接合され、少なくとも先端部は金属からなる放熱部材と、
    を備えたガスセンサであって、
    前記放熱部材が前記ハウジングを径方向から包囲するよう配置され、前記放熱部材と前記ハウジングとが加締め、圧入、摩擦圧接、溶接、又は隙間嵌めの少なくともいずれかによって接合されており、
    前記ハウジングは、前記放熱部材の先端部を構成する金属より、熱伝導率が低い材料から構成されているガスセンサ。
  2. 前記放熱部材と前記ハウジングとが加締め又は圧入によって接合されており、
    前記放熱部材と前記主体金具との接合面のうち少なくとも一方が凹凸になっている請求項1記載のガスセンサ。
  3. 前記ハウジングの外面に先端向き面が形成され、前記放熱部材の内面に後端向き面が形成され、
    前記先端向き面が前記後端向き面に係止しつつ、前記放熱部材が前記ハウジングを包囲している請求項1又は2に記載のガスセンサ。
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