JP2011144859A - 動力伝達機構 - Google Patents

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武志 長谷川
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Abstract

【課題】複数のプーリとこれらプーリ間に掛け渡される伝動ベルトとを備えた動力伝達機構において、伝動ベルトの組付作業を、専用治具を用いることなく、一般工具のみで行えるようにする。
【解決手段】動力伝達機構を構成する複数のプーリのうち、少なくとも1つのプーリ、例えば補機プーリ2に、プーリシート3(補機回転軸301)に対し偏心した基準点を中心とする円周上に沿って延びるボルト貫通用の円弧状長穴22,23,24を設けて、補機プーリ2を前記基準点を中心として揺動可能とし、伝動ベルト4を巻き掛ける際に、クランクプーリ1と補機プーリ2との軸間距離を短くできるように構成することで、伝動ベルト4の組付作業を、専用治具を用いることなく、一般工具のみで行えるようにする。
【選択図】図6

Description

本発明は、複数のプーリとこれらプーリ間に掛け渡される伝動ベルトとを備えた動力伝達機構に関し、さらに詳しくは、例えば車両に搭載されるエンジンの補機類への動力伝達などに適用される動力伝達機構に関する。
車両に搭載されるエンジンには、一般に、ウォータポンプ、オルターネータ、パワーステアリングポンプ、エアコンディショナのコンプレッサなどの種々の補機が装備されている。これらの補機は、エンジンのクランクシャフトに取り付けられたクランクプーリと各補機に取り付けられた補機プーリとの間に伝動ベルトが掛け渡されてなる動力伝達機構が備えられており、この動力伝達機構によりエンジン出力が伝達されて補機が駆動するようになっている。
このような動力伝達機構に採用されるプーリ及び伝動ベルトとしては各種のものがあるが、伝動ベルトがプーリから滑落してしまうことを防止するために、VプーリとVリブドベルトとを組み合わせたものがある。
また、補機類に動力を伝達する動力伝達機構においては、伝動ベルトの張力を一定に維持するためのオートテンショナを備えているものがある。オートテンショナを備えた動力伝達機構において伝動ベルトを組み付ける場合、例えば、一般工具にてオートテンショナをフリーにした状態で、クランクプーリ、補機プーリ、及び、オートテンショナを構成するテンショナプーリ(アイドラプーリ)などに伝動ベルトを巻き掛け、その後に、オートテンショナを調節して伝動ベルトに一定の張力を付与している。
一方、伝動ベルトとして低弾性ベルト(いわゆる、ストレッチベルト)を用いた動力伝達機構もある。この場合、伝動ベルト自体の弾性力(伸縮力)によって張力を維持するようになっているため、オートテンショナが不要である。しかしながら、伝動ベルトが低弾性ベルトである場合、伝動ベルトを組み付ける際に、伝動ベルトを伸ばしながらプーリに巻き掛ける必要があり、従来技術では、例えば、クランクプーリにベルト取付用の専用治具を配置し、その専用治具にて伝動ベルトを伸ばしながらプーリに取り付けている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開2006−300172号公報 特許第3665886号明細書 特開2009−197864号公報
上記したように、伝動ベルトとして低弾性ベルトを用いた動力伝達機構では、伝動ベルトを組み付ける際に専用治具が必要であり、一般工具(例えば、めがねレンチ、ラチェットハンドルなど)のみで伝動ベルトの組み付けを行うことができない。
本発明はそのような実情を考慮してなされたもので、複数のプーリとこれらプーリ間に掛け渡される伝動ベルトとを備えた動力伝達機構において、伝動ベルトの組付作業を、専用治具を用いることなく、一般工具のみで行うことが可能な構造を提供することを目的とする。
本発明は、複数のプーリとこれらプーリ間に掛け渡される伝動ベルトとを備えた動力伝達機構において、前記複数のプーリのうち、少なくとも1つのプーリは、このプーリが取り付けられる回転軸に対し偏心した基準点を中心として揺動可能であって、前記回転軸から取り外すことなく、当該プーリの中心と前記回転軸の中心とが一致する位置と、前記伝動ベルトが巻き掛けられる相手プーリとの軸間距離が短くなる位置とに揺動可能であることを技術的特徴としている。
本発明によれば、動力伝達機構を構成する複数のプーリのうち、少なくとも1つのプーリ(例えば補機プーリ)を、このプーリが取り付けられる回転軸に対し偏心した基準点を中心として揺動可能としているので、伝動ベルトを組み付ける際には、上記基準点を中心として揺動可能なプーリを相手プーリ(例えばクランクプーリ)との軸間距離が短くなる側に揺動させた状態でプーリ間に伝動ベルトを巻き掛け、その後に上記揺動可能なプーリを当該プーリの中心が上記回転軸の中心に一致する位置まで揺動させて、締結ボルト等によってプーリを回転軸に締結するという組付作業により、ベルト取付用の専用治具を用いることなく、一般工具のみで簡単に伝動ベルトを組み付けることができる。
本発明の具体的な構成として、前記基準点を中心として揺動可能なプーリは、前記回転軸に回転一体に設けたプーリシートに、締結ボルトによって締結されるように構成されているとともに、当該揺動可能なプーリには、前記基準点を中心とする円周上に沿って延びる1つまたは複数の締結ボルト貫通用の円弧状長穴が設けられており、前記円弧状長穴の長さの範囲内でプーリシートに対して当該プーリが揺動可能であって、前記締結ボルトが前記円弧状長穴の一端側にある場合に当該プーリの中心が回転軸の中心に一致し、前記締結ボルトが前記円弧状長穴の他端側にある場合に当該プーリと相手プーリとの軸間距離が短くなるという構成を挙げることができる。
この構成において、締結ボルトが円弧状長穴の他端側にある状態、つまり、揺動可能なプーリ(以下、従動プーリともいう)と相手プーリ(以下、駆動プーリともいう)との軸間距離を短くした状態で、プーリ間に伝動ベルトを巻き掛け、その後に、ラチェットハンドル等の一般工具を用いて駆動プーリを回す。この駆動プーリの回転に伴って従動プーリ及びプーリシートが回転し、その回転過程において締結ボルトが円弧状長穴に沿って当該長穴の一端側に相対的に移動することにより、従動プーリの中心がプーリシートの中心に一致するとともに、伝動ベルトに一定の張力が付与される。このように、この構成によれば、ラチェットハンドル等の一般工具を用いて駆動プーリを回すことにより、ベルト取付用の専用治具を用いることなく、伝動ベルトを組み付けることができる。
本発明によれば、複数のプーリとこれらプーリ間に掛け渡される伝動ベルトとを備えた動力伝達機構において、伝動ベルトの組付作業を、専用治具を用いることなく、一般工具のみで行うことができる。
本発明の動力伝達機構の一例の概略構成を示す正面図である。 図1のX−X断面図である。 補機プーリの正面図である。 補機回転軸に設けたプーリシートの正面図である。 補機プーリの揺動状態を示す正面図である。 伝動ベルトを組み付ける際の作業説明図である。 伝動ベルト組付時の補機プーリの揺動状態を示す正面図である。 補機プーリの他の例を示す正面図である。 補機プーリに直線状の長穴を設けて補機プーリをスライド可能とした構造の例を示す正面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
この例では、エンジン(内燃機関)の出力軸であるクランクシャフトの回転駆動力を、補機(例えば、ウォータポンプ、オルターネータ、パワーステアリングポンプ、エアコンディショナのコンプレッサなど)の回転軸に伝達する動力伝達機構に本発明を適用した例を示す。
この例の動力伝達機構10は、図1及び図2に示すように、エンジンのクランクシャフト101の一端部に回転一体に取り付けられるクランクプーリ1、補機回転軸301に設けられる補機プーリ2(プーリシート3も含む)、及び、これらクランクプーリ1との間に掛け渡された伝動ベルト4などを備えており、エンジンの駆動に伴うクランクシャフト101の回転駆動力が、クランクプーリ1から伝動ベルト4を介して、補機プーリ2に伝達されて補機を駆動する構成となっている。
この例において、伝動ベルト4は、複数のリブを有するVリブドベルトであって、低弾性ベルト(ストレッチベルト)が用いられている。上述したように、低弾性の伝動ベルト4を用いた場合、そのベルト自体の弾性力(伸縮力)によって張力を維持するようになっているので、オートテンショナが不要である。
次に、動力伝達機構10の各部について説明する。
まず、クランクプーリ1はVプーリであって、外周面にV型溝部と山部とが回転軸心に沿う方向に交互に形成されている。クランクプーリ1はエンジンのクランクシャフト101の一端部にセットボルト102を用いて締結されている。
また、補機プーリ2はVプーリであって、外周面にV型溝部と山部とが回転軸心に沿う方向に交互に形成されている。補機プーリ2は、補機回転軸301に回転一体に取り付けられたプーリシート3に締結ボルト(六角穴付きボルト)20・・20を用いて締結される。これら補機プーリ2及びプーリシートの具体的な構造について、図1〜図5を参照して説明する。
補機プーリ2には、基準となる1つの円形穴21と、3つの円弧状長穴22,23,24とが設けられている。これら円形穴21及び円弧状長穴22,23,24は締結ボルト20の貫通用の穴である。
図3に示すように、円形穴21は、補機プーリ2の中心つまりプーリシート3の中心(補機回転軸301の中心)に対し偏心した位置に設けられている。3つの円弧状長穴22,23,24のうち、2つの円弧状長穴22,23は、円形穴21の中心点(基準点)を中心とする円周C1上に沿って延びており、他の1つの円弧状長穴24は、円形穴21の中心点を中心とする円周C2上(C2の直径>C1の直径)に沿って延びている。なお、2つの円弧状長穴22,23の長さ(円弧上の長さ)は同じであり、他の1つの円弧状長穴24の長さは、2つの円弧状長穴22,23の長さに対し、円周C1の直径と円周C2の直径との比に対応する分だけ長くなるように設定されている。
補機プーリ2に設けた1つの円形穴21及び3つの円弧状長穴22,23,24の各穴は、図4に示すプーリシート3に回転対称に配置された4つの雌ねじ穴31,32,33,34に対応して配置されており、円形穴21を通じて締結ボルト20をプーリシート3の雌ねじ穴31にねじ込むことができる。また、締結ボルト20を補機プーリ2の各円弧状長穴22,23,24を通じて、それぞれ、プーリシート3の雌ねじ穴32,33,34にねじ込むことができ、これら締結ボルト20・・20によって補機プーリ2をプーリシート3に締結することができる。
そして、この例では、各締結ボルト20・・20を緩めた状態で、補機プーリ2をプーリシート3(補機回転軸301)から取り外すことなく、上記した基準点(円形穴21の中心点(締結ボルト20の軸心))を中心として、補機プーリ2が、プーリシート3(補機回転軸301)に対して揺動することが可能な構造となっている。このような補機プーリ2の揺動により、図5(b)に示す状態、すなわち、各円弧状長穴22,23,24を貫通している締結ボルト20・・20の位置が、各円弧状長穴22,23,24の他端22b,23b,24b側にある状態で、補機プーリ2の中心がプーリシート3の中心に対してクランクプーリ1側に偏心し、クランクプーリ1の中心と補機プーリの中心との間の距離(軸間距離Lb)が最も短くなる(図6参照)。
一方、図5(b)の状態から、補機プーリ2が、上記した基準点(円形穴21の中心点)を中心として、プーリシート3に対して相対的に揺動すると、各円弧状長穴22,23,24を貫通している各締結ボルト20・・20がそれぞれ円弧状長穴22,23,24に沿って相対的に移動する。そして、図5(a)に示すように、各締結ボルト20・・20の位置が、各円弧状長穴22,23,24の一端22a,23a,24a側にある状態で、補機プーリ2の中心がプーリシート3の中心に一致する。この状態で、締結ボルト20・・20によって補機プーリ2をプーリシート3に締め付けることによって、補機プーリ2を補機回転軸301に対して正規の位置(補機プーリ2の中心と補機回転軸301の中心が一致する位置)に締結することができる。
−伝動ベルト組付作業−
次に、伝動ベルト4の組付作業について、上記した図1〜図5及び図6〜図7を参照して説明する。
(1)六角棒スパナ(図示せず)を用いて、締結ボルト20を、補機プーリ2の1つの円形穴21及び3つの円弧状長穴22,23,24の各穴を通じてプーリシート3の各雌ねじ穴32,33,34にねじ込む。このとき、各締結ボルト20・・20を、補機プーリ2を締結できる位置まで完全にねじ込むのではなく、各締結ボルト20のねじ込み量を加減して、補機プーリ2がプーリシート3に対して揺動可能な状態にしておく。
なお、締結ボルト20・・20によって補機プーリ2がプーリシート3に既に締結さている場合は、各締結ボルト20・・20を緩めて補機プーリ2がプーリシート3に対して揺動可能な状態にしておく。
(2)上記した基準点(円形穴21の中心点)を図6(b)に示す位置にセットする。さらに、補機プーリ2をクランクプーリ1側に寄せて(揺動して)、各円弧状長穴22,23,24を貫通している締結ボルト20・・20の位置が、各円弧状長穴22,23,24の他端22b,23b,23b側の位置(図5(b)参照)となるようにする。このようなセッティングによって、クランクプーリ1と補機プーリ2との軸間距離Lbが正規の位置(軸間距離=La)に対して短くなる(Lb<La)。
(3)クランクプーリ1と補機プーリ2とに伝動ベルト4を巻き掛ける。このとき、クランクプーリ1と補機プーリ2との軸間距離Lbが短くなっているので、伝動ベルト(低弾性ベルト)4を、さほど伸ばすことなく2つのプーリ1,2に巻き掛けることが可能であり、その伝動ベルト4の巻き掛けに専用治具を用いる必要はない。なお、図6(b)の状態では伝動ベルト4は緩んだ状態となっている。
(4)図6(b)に示すように、ラチェットハンドル400によって、クランクプーリ1のセットボルト102をクラッチし、クランクプーリ1を時計周り(正面側から見て)に回す。
このようにしてクランクプーリ1を回転すると、伝動ベルト4が緩んだ状態ではあるものの、クランププーリ1の回転に伴って補機プーリ2及びプーリシート3が時計回りに回転するとともに、その回転過程において、補機プーリ2とクランクプーリ1との軸間距離が長くなって伝動ベルト4が張られていく。この伝動ベルト4の張り(ベルト張力)によって補機プーリ2が押され、補機プーリ2が、上記した基準点(円形穴21の中心点(締結ボルト20の軸心))を中心として、プーリシート3に対して相対的に揺動する。
すなわち、各締結ボルト20・・20を緩めた状態で、補機プーリ2は、プーリシート3に対して各円弧状長穴22,23,24の長さ(円弧長さ)の範囲内において移動が可能であるので、補機プーリ2及びプーリシート3の回転過程において、伝動ベルト4の張力によって補機プーリ2が押されて、当該補機プーリ2に対して、上記基準点(円形穴21の中心点)回りに、図7の破線で示す向きのモーメントが作用すると、各締結ボルト20・・20が各円弧状長穴22,23,24に沿って相対的に移動(各円弧状長穴22,23,24の他端22b,23b,24b側から一端22a,23a,24a側に移動)するようになる(図7参照)。これによって、補機プーリ2がプーリシート3に対して相対的に揺動し、この補機プーリ2の揺動時における、各締結ボルト20・・20及び各円弧状長穴22,23,24のガイド作用によって、当該補機プーリ2の中心がプーリシート3の中心(補機回転軸301の中心)に近づいていく。
そして、補機プーリ2が、図6(a)の状態(各締結ボルト20が各円弧状長穴22,23,24の一端22a,23a,24a側にある状態)になると、補機プーリ2の中心がプーリシート3の中心(補機回転軸301の中心)に一致するとともに、伝動ベルト4に一定の張力が付与される。この図6(a)の状態で、六角棒スパナ(図示せず)を用いて、各締結ボルト20・・20を締め込むことにより補機プーリ2をプーリシート3(補機回転軸301)に締結することによって、伝動ベルト4の組付作業を完了する。
なお、伝動ベルト4の交換時等において、伝動ベルト4を取り外す際には、各締結ボルト20・・20を緩めた状態で、ラチェットハンドル400を用いてクランクシャフト101を、図6(a)の状態から反時計周り(正面側から見て)に回して、補機プーリ2を図6(b)に示す位置まで揺動させることにより、専用治具を用いることなく伝動ベルト4を簡単に取り外すことができる。
以上のように、この例の動力伝達機構10によれば、補機プーリ2をプーリシート3(補機回転軸301)に対し偏心した基準点を中心として揺動可能とし、伝動ベルト4を巻き掛ける際に、クランクプーリ1と補機プーリ2との軸間距離を短くできるように構成しているので、低弾性の伝動ベルト4を、ベルト取付用の専用治具を用いることなく、一般工具のみで簡単に組み付けることができる。
しかも、補機プーリ2をプーリシート3に対して揺動可能とするための長穴を円弧状長穴22,23,24としているので、伝動ベルト4の緩みが発生する可能性がない。この点について説明する。
まず、図9に示すように、補機プーリ502に設けるボルト貫通用穴(締結ボルト520の貫通用の穴)を直線状長穴521,522,523,524とすると、プーリシート503に対して補機プーリ502がスライド(平行移動)可能になるので、その補機プーリ502のスライドによりプーリシート503に対して偏心させた状態(補機プーリ502をクランクプーリ501側に寄せた状態)で、伝動ベルト504を、専用治具を用いることなく組み付けることができる。しかしながら、このような構造では、エンジン運転中に、補機プーリ502の位相が図9に示す位置になったときに、伝動ベルト504の張力によって補機プーリ502がクランクプーリ501側に引っ張られて、補機プーリ502のプーリシート503に対する位置がずれる場合がある。そして、そのような引っ張り力が補機プーリ502の回転ごとに繰り返して作用していくうちに、締結ボルト520が緩んでしまい、最悪の場合、補機プーリ502が外れる可能性がある。
これに対し、図1〜図6に示す例では、補機プーリ2に設けるボルト貫通用の長穴を円弧状長穴22,23,24としているので、伝動ベルト4による引っ張り力(ベルト張力)が補機プーリ2に作用しても、補機プーリ2のクランクプーリ1側への移動が円弧状長穴22,23,24によって規制されるので、プーリシート3に対する補機プーリ2の位置ずれが生じることがなく、締結ボルト20の緩みが発生するおそれはない。
−他の実施形態−
以上の例では、4本の締結ボルト20を使用して補機プーリ2をプーリシート3に締結する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、3本の締結ボルトを使用して補機プーリをプーリシートに締結する構造の動力伝達機構にも本発明は適用可能である。この場合、例えば図8に示すように、補機プーリ202に、当該補機プーリ202の中心(プーリシートの中心)に対し偏心した位置に、基準となる円形穴(ボルト貫通穴)221を設け、その円形穴221の中心点(基準点)を中心とする円周C3上に沿って延びる2つ円弧状長穴(締結ボルト貫通穴)222,223を設けることによって、補機プーリ202を取り外すことなく揺動できるようにする。さらに、本発明は、2本の締結ボルトあるいは5本以上の締結ボルトを使用して補機プーリをプーリシートに締結する構造の動力伝達機構にも適用可能である。
以上の例では、1つのクランクプーリの回転力を1つの補機プーリに伝達する動力伝達機構に本発明を適用した例について説明したが、本発明はこれに限られることなく、1つのクランクプーリの回転力を複数の補機プーリに伝達する動力伝達機構にも適用可能である。この場合、複数の補機プーリのうち、1つの補機プーリについて、図1〜図6に示した構造(揺動機構)を採用してもよいし、2つ以上の補機プーリについて図1〜図6に示した構造(揺動機構)を採用してもよい。
以上の例では、伝動ベルトとして、複数のリブを有するVリブドベルトを用いた動力伝達機構に本発明を適用した例について説明したが、本発明はこれに限られることなく、Vベルト(断面形状が台形のベルト)を用いた動力伝達機構にも適用可能である。
以上の例では、プーリシートに設けた雌ねじ穴に締結ボルトをねじ込むことによって、補機プーリをプーリシートに締結しているが、本発明はこれに限られることなく、プーリシートにボルト貫通穴を設け、締結ボルト及びナットを用いて補機プーリをプーリシートに締結する構造のものにも適用可能である。
以上の例では、車両に搭載されるエンジンの補機類を駆動するための動力伝達機構に本発明を適用した例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば駆動源を電動モータとする動力伝達機構にも本発明を適用することが可能であり、さらに、駆動プーリと従動プーリとの間に低弾性の伝動ベルトが掛け渡される構造のものであれば、他の種々の動力伝達機構にも本発明を適用することができる。
本発明は、複数のプーリとこれらプーリ間に掛け渡される伝動ベルトとを備えた動力伝達機構に利用可能であり、さらに詳しくは、例えば車両に搭載されるエンジンの補機類への動力伝達などに適用される動力伝達機構に利用することができる。
10 動力伝達機構
1 クランクプーリ
2 補機プーリ
20 締結ボルト
21 円形穴
22〜24 円弧状長穴
22a〜24a 円弧状長穴の一端
22b〜24b 円弧状長穴の他端
3 プーリシート
31〜34 雌ねじ穴
4 伝動ベルト(低弾性ベルト)
101 クランクシャフト
102 セットボルト
301 補機回転軸

Claims (2)

  1. 複数のプーリとこれらプーリ間に掛け渡される伝動ベルトとを備えた動力伝達機構において、
    前記複数のプーリのうち、少なくとも1つのプーリは、このプーリが取り付けられる回転軸に対し偏心した基準点を中心として揺動可能であって、前記回転軸から取り外すことなく、当該プーリの中心と前記回転軸の中心とが一致する位置と、前記伝動ベルトが巻き掛けられる相手プーリとの軸間距離が短くなる位置とに揺動可能であることを特徴とする動力伝達機構。
  2. 請求項1記載の動力伝達機構において、
    前記基準点を中心として揺動可能なプーリは、前記回転軸に設けたプーリシートに締結ボルトによって締結されるように構成されているとともに、当該揺動可能なプーリには、前記基準点を中心とする円周上に沿って延びる1つまたは複数の締結ボルト貫通用の円弧状長穴が設けられており、前記円弧状長穴の長さの範囲内で前記プーリシートに対して当該プーリが相対的に揺動可能であって、締結ボルトが前記円弧状長穴の一端側にある場合に当該プーリの中心が前記回転軸の中心に一致し、前記締結ボルトが前記円弧状長穴の他端側にある場合に当該プーリと相手プーリとの軸間距離が短くなるように構成されていることを特徴とする動力伝達機構。
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