JP2011144305A - クリアインク、インクジェット記録方法、インクセット、及びインクカートリッジ - Google Patents

クリアインク、インクジェット記録方法、インクセット、及びインクカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】インクジェット用のクリアインクとして、吐出安定性、写像性、耐擦過性に優れる画像を記録することができるクリアインクを提供すること。
【解決手段】少なくともポリマー微粒子、及びグラフトポリマーを含有するインクジェット用のクリアインクであって、前記ポリマー微粒子が、α,β−エチレン性不飽和疎水性モノマー(a)に由来するユニットと、α,β−エチレン性不飽和酸モノマー及びその塩から選ばれるモノマーに由来するユニットとを、少なくとも有する共重合体であるシェルポリマーの存在下で、さらにα,β−エチレン性不飽和疎水性モノマー(b)をコアポリマーとして重合することにより得られるコアシェル構造を有し、前記グラフトポリマーを構成するユニットが、少なくとも、一般式(I)で表されるノニオン性ユニット、及び、ポリシロキサン構造を有するユニットを含むことを特徴とするクリアインク。
【選択図】なし

Description

本発明は、クリアインク、インクジェット記録方法、インクセット、及びインクカートリッジに関する。
近年、インクジェット記録に用いられるインクとして、画像の耐擦過性などの堅牢性をより向上させるために、水溶性のポリマーなどにより分散される顔料を色材として含有する顔料インクが広く使用されるようになっている。しかし、顔料インクにより記録された画像は、顔料が粒子であることに起因して、その画像の写像性や耐擦過性が不十分であるという課題がある。なお、上記の写像性とは、画像の表面に像を写したときの像の鮮鋭度を示すものであり、写像性が低い場合は像がぼやけて見え、写像性が高い場合は像がくっきり見える。写像性の評価はヘイズ値により行うことができ、ヘイズ値が高いことは写像性が低いことを、また、ヘイズ値が低いことは写像性が高いことを意味する。
上記の各課題に対して、これまでに様々な試みがなされてきた。例えば、顔料インクとポリマー粒子を含有するクリアインクとを記録媒体に付与して、記録媒体の全面の写像性が実質的に均一となるように、顔料インクやクリアインクの吐出量を調整することに関する提案がある(特許文献1参照)。また、着色剤(色材)を含有するインクにコアシェル構造のポリマー粒子を含有させることで、スミア耐性を向上させることに関する提案がある(特許文献2参照)。また、耐擦過性に有効なポリウレタン樹脂を含有するクリアインクを用いることで画像の耐擦過性を向上させ、カラーインクとクリアインクの吐出量を調整することで画像の写像性も均一になるように記録する提案がある(特許文献3参照)。
特開2003−335058号公報 特開2004−211089号公報 特開2006−272934号公報
しかしながら、本発明者らの検討の結果、上記で挙げたような従来の技術では、画像の写像性と耐擦過性を高いレベルで両立できていないことがわかった。すなわち、先ず、特許文献1に記載されたポリマー微粒子は、コアシェル構造を有さないため、分散安定性が不十分となりやすく、十分な吐出安定性が得られない。また、前記ポリマー微粒子はその粒子径を十分に大きくするのが難しいため、記録媒体の表面上に残りにくい。したがって、当該ポリマーを使用する効果がほとんど発揮されず、写像性が得られず、また、耐擦過性に対しても殆ど効果がない。また、特許文献2に記載されたコアシェル構造を有するポリマー粒子は、コアシェル構造を有しているものの、コアが不揃いである場合や不定形な凝集体を形成する場合があるため、やはり分散安定性が不十分である。このようなポリマー粒子は、クリアインクに使用しても、インクジェット用のクリアインクとして必要となる吐出安定性が得られない。さらに、特許文献3に記載の発明のように、ウレタン樹脂を含む液体を画像に重ねて付与すると、画像上に多くのウレタン樹脂が残ることとなる。その結果、ある程度、画像の耐擦過性を向上することはできるが、画像上に残ったウレタン樹脂が画像の表面に凹凸を形成するため、好ましい写像性が得られないという問題がある。さらに、画像の耐擦過性を向上することができるウレタン樹脂は疎水性が高いものであることが多いが、このようなウレタン樹脂は、特にインクジェット用のクリアインクとして必要となる吐出安定性が得られない。
したがって、本発明の目的は、インクジェット用のクリアインクとしての、吐出安定性に優れ、さらに、写像性、耐擦過性に優れる画像を記録することができるクリアインクを提供することにある。また、本発明の別の目的は、上記のクリアインクを用いることで、上記の優れた画像を安定して得られるインクジェット記録方法、インクセット、及びインクカートリッジを提供することにある。
上記の目的は、下記の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、少なくともポリマー微粒子、及びグラフトポリマーを含有するインクジェット用のクリアインクであって、前記ポリマー微粒子が、α,β−エチレン性不飽和疎水性モノマー(a)に由来するユニットと、α,β−エチレン性不飽和酸モノマー及びその塩から選ばれるモノマーに由来するユニットとを、少なくとも有する共重合体であるシェルポリマーの存在下で、さらにα,β−エチレン性不飽和疎水性モノマー(b)をコアポリマーとして重合することにより得られるコアシェル構造を有し、前記グラフトポリマーを構成するユニットが、少なくとも、下記一般式(I)で表されるノニオン性ユニット、及び、ポリシロキサン構造を有するユニットを含むことを特徴とするクリアインクである。
Figure 2011144305
(一般式(I)中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、xは1又は2の整数である。)
本発明によれば、インクジェット用のクリアインクとしての、吐出安定性に優れ、これを用いて形成した画像が高い写像性を有し、耐擦過性に優れる画像を記録することができるクリアインクを提供することができる。より具体的には、顔料インクの種類や画像濃度に関わらずに写像性に優れ、高い耐擦過性の画像が得られるクリアインクを提供することができる。また、本発明の別の目的は、上記のクリアインクを用いることで、優れた画像を安定して得られるインクジェット記録方法、インクセット、及びインクカートリッジを提供することができる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。なお、以下の記載においては、本発明のクリアインクに使用する、コアシェル構造を有するポリマー微粒子のことを単に「ポリマー微粒子」と省略して呼ぶことがある。
また、本発明における「記録デューティ」とは、記録媒体へのインクの付与量が15.64g/m2である場合の記録デューティを100%と定義する。例えば、単位面積(縦解像度600dpi×横解像度600dpi)に、1滴の質量が3.5ng(ナノグラム)であるインク滴を8ドット付与する場合を、記録デューティが100%であるとするものである。
本発明者らは、画像の耐擦過性と写像性とを共に向上させることができるクリアインクの構成について種々の検討を行った。その結果、例えば、上記特許文献1や特許文献3に記載されているクリアインクに用いられているポリマー微粒子やウレタンポリマーなどを含有するクリアインクにおいては、画像の耐擦過性と写像性はトレードオフの関係にあることを見出した。つまり、画像の耐擦過性を向上させるためには、ある程度のポリマーを画像の表面に残す必要がある。しかし、顔料インクで形成される画像の表面にはそもそも凹凸があるため、該画像の表面に単純にポリマーを存在させると、凸凹がある画像の表面にさらにポリマー層が形成されることとなり、凹凸の程度がさらに大きくなるため、写像性が得られない結果となった。
そこで本発明者らは、この問題を解決し、画像の耐擦過性と写像性とを共に向上させることができるクリアインクの構成について、鋭意検討を行った。その結果、画像の表面の凸凹を平滑にする機能を有するポリマー微粒子と、画像の表面の平滑性に影響を及ぼさずに耐擦過性を向上させる機能を有するグラフトポリマーの両方をクリアインクに含有させることが、上記問題の解決に有効であることを見出した。
このような特徴を有するポリマー微粒子を見出した経緯について説明する。まず、本発明者らはクリアインクを用いることで、画像の写像性を向上させる思想として、クリアインク中のポリマーが画像の表面を覆い、これによって画像の表面を平滑化することで写像性の向上を達成することを考えた。この考えに基づき検討した結果、画像の表面に効果的にポリマーを残すには、鎖状構造のポリマーよりも、粒子のようなある程度のかさ高さを有するポリマー微粒子の方が記録媒体中への浸透がより起きにくく、画像の表面に残りやすい傾向があることを見出した。
一方、インクジェット用のクリアインクとして必要となる吐出安定性を得るためには、クリアインクに入れるポリマーにある程度の水溶性を持たせる必要がある。このため、本発明者らは前記ポリマー微粒子を構成するモノマー成分として疎水性モノマーに加え、酸モノマーも使用した。しかし、このような構造のポリマー微粒子は微粒子全体が水溶化し、粒子構造を有していても記録媒体へ浸透しやすくなり、画像の表面に残りにくくなり、その結果、所望しているレベルの写像性の向上効果を得ることができなくなった。そこで、クリアインク中のポリマーに水溶性を持たせ、かつ、記録媒体上に残存しやすいような構造となるように、コアシェル構造を有するポリマー微粒子とすることを試みた結果、本発明に至った。詳しくは、コア部分を疎水性モノマーの重合体で構成し、コア部分の周りを吐出安定性を付与するために疎水性モノマーと酸モノマーとで構成される、親水性を有する共重合体で覆ったコアシェル構造を有するポリマー微粒子を合成した。この際に、シェル部分及びコア部分がそれぞれ機能分離されたコアシェル構造を有するポリマー微粒子は、後述する特定の合成方法により得られたものである必要があることがわかった。このように構成されたコアシェル構造を有するポリマー微粒子を用いることで、画像の表面にポリマー微粒子が残りやすく、かつ、クリアインクとしての吐出安定性を確保することができた。
上記したような特定の合成方法により得られたポリマー微粒子を用いることで、画像の表面の平滑性が得られ、写像性を向上できる理由を、本発明者らは以下のように考えている。クリアインクが記録媒体に付与されると、クリアインク中の水性媒体が記録媒体に浸透することにより浸透流が発生するが、その際、クリアインク中のポリマー微粒子はエネルギー的に安定な、画像の表面の凹部分に入り込むように存在する。また、粒径を有しているポリマー微粒子は、顔料層中の空隙部又は記録媒体に浸透せずに安定に画像の表面に残存することができる。このため、ポリマー微粒子は記録媒体の表面上において画像の表面の凹部分を埋めるように存在し、かつ、顔料の存在状態に関わらずにクリアインクが付与された領域の表面を均すように積層することになると推測される。その結果、画像の表面の平滑化が図れ、写像性に優れた画像が得られたものと考えられる。
次に、本発明のもう一つの特徴は、クリアインク中に、下記の画像の表面の平滑性を低下させずに耐擦過性を向上させる機能を有する、特定のグラフトポリマーを含有させたことにある。すなわち、本発明のクリアインクは、下記一般式(I)で表されるノニオン性ユニット及びポリシロキサン構造を有するユニットを含むグラフトポリマーを必須の成分とする。なお、本発明において、以下、下記一般式(I)で表されるノニオン性ユニットを単に、ノニオン性ユニット、ポリシロキサン構造を有するユニットを単に、ポリシロキサンユニットともいう。また、ノニオン性ユニット及びポリシロキサンユニットを含むグラフトポリマーを単に、グラフトポリマーともいう。また、「ユニット」と記載した場合には、ユニットを構成する繰り返し単位が1つ又は複数の場合のどちらも含むものとする。
Figure 2011144305
(一般式(I)中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、xは1又は2の整数である。)
上記のような構成のグラフトポリマーを含有するクリアインクを用いて記録した場合、画像の表面の平滑性に影響を与えずに耐擦過性を向上させることができる。これは、グラフトポリマー中のポリシロキサンユニットにより画像の表面が滑りやすくなり、かつ、ノニオン性ユニットにより、ある程度のレベリング性が発揮されることにより可能となる。
このような特徴を有するグラフトポリマーを見出した経緯について説明する。本発明者らは、画像の平滑性に影響を与えずに、耐擦過性を向上させることができるポリマーについて種々の検討を行った。その結果、まず塗膜表面のスリップ性を向上させるポリシロキサン構造を有するユニットと、親水性を有する構造のノニオン性ユニットとが組み込まれてなるグラフトポリマーをインク中に含有させることが有効であることを見出した。
そして、本発明者らのさらなる検討の結果、グラフトポリマーとしては、先述した一般式(I)で表されるノニオン性ユニット及びポリシロキサン構造を有するユニットを含む構造のグラフトポリマーが好適であることを見出した。本発明に至った理由を、本発明者らは以下のように考えている。つまり、かかる構造のグラフトポリマーを含有するクリアインクを、顔料インクで記録された画像(顔料層)上に付与した際に、疎水性であるポリシロキサン構造を有するユニットと、親水性である上記ノニオン性ユニットとが分子構造内で相分離を起こす。この場合における相分離は、ポリマーの分子構造内で起こるミクロ的なものであり、画像上においても、上記グラフトポリマーの分子構造は維持される。その際、疎水性であるポリシロキサンユニットは選択的に気液界面の方向に配向し、ノニオン性ユニットが顔料層の方向に配向するように定着する。この際、ノニオン性ユニットにはインク中の水溶性有機溶剤及び水で構成される水性媒体と水素結合を介して相互作用が働く。そのため、画像の表面に配向した直後のノニオン性ユニットにはある程度の柔軟性を有している。この記録媒体へクリアインク中の水性媒体が濡れ広がると同時に、グラフトポリマーも画像の表面を覆うように広がって定着し、それにより、ある程度のレベリング性が発揮できたと考えられる。結果として、画像の表面に沿ってノニオンユニットが配向し、画像の最表面にはポリシロキサンユニットが配向するため、画像の表面の平滑性を低下させずに耐擦過性を向上させることができると考えられる。
本発明者らは、クリアインクに上記のコアシェル構造を有するポリマー微粒子と上記ノニオン性ユニット及びポリシロキサンユニットを含むグラフトポリマーとを共に含有させることで、画像の写像性と耐擦過性とを共に向上できる理由を以下のように考えている。つまり、ポリマー微粒子とグラフトポリマーの2つの材料を混ぜたクリアインクを画像上に付与した際、ポリマー微粒子は画像の表面の凹部に選択的に入り込み平滑な面を形成する。一方、グラフトポリマー中の疎水性が高いポリシロキサンユニットの効果により、グラフトポリマーはクリアインクの付与直後に選択的に気液界面、つまり画像の最表面に集まりやすくなる。結果として、ポリマー微粒子により形成される層とグラフトポリマーにより形成される層が互いに分離した状態となる。つまり、画像の表面の凹部にポリマー微粒子が入り込み表面を平滑にし、グラフトポリマーはその平滑面に沿って最表面に存在する形となるため、画像の写像性と耐擦過性を共に向上させることができると考えられる。
<クリアインク>
以下、本発明のクリアインクを構成する各成分について説明する。まず、本発明のクリアインクは、無色、乳白色、ないしは白色であることが好ましい。特には、純水で50倍(質量倍)に希釈したクリアインクの吸光スペクトルが、400nm乃至800nmの範囲においてピークを有さず、かつ400nm乃至800nmの範囲におけるabs値が1.0以下であることが好ましい。
(コアシェル構造を有するポリマー微粒子)
〔α,β−エチレン性不飽和モノマー〕
本発明のクリアインクに使用するポリマー微粒子は、α,β−エチレン性不飽和モノマーを共重合して得られるポリマー微粒子である。なお、α,β−エチレン性不飽和モノマーとして、オリゴマーやマクロモノマーなども用いることができる。以下、本発明においては、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルのことを示す。
α,β−エチレン性不飽和モノマーとしては、疎水性モノマー及び親水性モノマーを使用することができる。α,β−エチレン性不飽和疎水性モノマーとしては、具体的には、以下のものが挙げられる。(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの直鎖状構造の飽和アルキル基含有モノマー。(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシルなどの分岐鎖状構造の飽和アルキル基含有モノマー。マレイン酸ジメチル、フマール酸ジメチルなどの2価カルボン酸エステル類。N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート類、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類。N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミドなどのビニル化合物。スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、イタコン酸ベンジルなどの芳香族含有モノマー。アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど。なお、本発明において、α,β−エチレン性不飽和モノマーが疎水性であることとは、該モノマーが、塩生成基(酸性基や塩基性基)やヒドロキシル基などの親水性基を有さないことを指すものとする。これらの疎水性モノマーを使用する場合、ポリマー微粒子の全質量を基準としたときに、疎水性モノマーに由来するユニットが占める割合が、0.0質量%を超えて10.0質量%未満であることが好ましい。前記割合が10.0質量%以上であると、写像性が十分に得られない場合がある。
これらの疎水性モノマーの中でも、α,β−エチレン性不飽和疎水性モノマー(a)及び/又は(b)として、鎖状構造の飽和脂肪族第一級アルコールの(メタ)アクリル酸エステルを用いることがより好ましい。これは、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステルはその種類が豊富であり、また、反応性がより高いため、ポリマー微粒子の合成に特に好適なモノマーであるためである。また、上記の(メタ)アクリル酸エステルは、写像性の効果としても特に好適なモノマーである。この理由は、以下のように考えられる。まず、鎖状構造の飽和脂肪族炭化水素は極性がないため、ポリマー微粒子を構成しているポリマー分子間には、ファンデルワールス力が相互作用として働く。ここで、ファンデルワールス力は非常に弱い力であるため、クリアインクが記録媒体に付与された際に、ポリマー微粒子は柔軟性を保ったままの状態となる。その後、クリアインク中の水性媒体が記録媒体に浸透することにより浸透流が発生するが、画像の表面の凹部にポリマー微粒子が入り込んだ後、ポリマー微粒子が柔軟性を保持するため、ポリマー微粒子の存在状態は浸透流によりある程度変化することができる。その結果、画像の凹凸の形に応じてポリマー微粒子の形がある程度変化できるため、より密にパッキングできるようになり、画像の表面の平滑性が得られ、結果として高い写像性が得られたと考えられる。
鎖状構造の飽和脂肪族第一級アルコールの(メタ)アクリル酸エステルが、アクリル酸エステルである場合には、炭素数4以上12以下の鎖状構造の飽和脂肪族第一級アルコールのアクリル酸エステルを用いることが特に好ましい。また、鎖状構造の飽和脂肪族第一級アルコールの(メタ)アクリル酸エステルが、メタクリル酸エステルである場合には、炭素数1以上4以下の鎖状構造の飽和脂肪族第一級アルコールのメタクリル酸エステルを用いることが特に好ましい。炭素数が上記範囲よりも少ないと、ポリマー微粒子間に十分なファンデルワールス力が働かないため、ポリマー微粒子が剛直になり、画像の写像性が十分に得られない場合がある。また、炭素数が上記範囲よりも多いと、ポリマー微粒子の疎水性が高くなりすぎるため、クリアインク中におけるポリマー微粒子の分散安定性が低下し、インクジェット用のクリアインクとして必要となる吐出安定性が十分に得られない場合がある。
さらに、ポリマー微粒子を構成するユニットとして、メタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルを併用する場合は、メタクリル酸エステルに由来するユニットとアクリル酸エステルに由来するユニットの質量比率を、以下のようにすることが好ましい。すなわち、これらの質量比率を、同等ないしはメタクリル酸エステルが多くなるようにすることが好ましい。さらには、皮膜の状態の観点から、[アクリル酸エステルに由来するユニットの組成(質量)比]/[メタクリル酸エステルに由来するユニットの組成(質量)比]の値を、0.5以上1.0以下とすることが特に好ましい。なお、前記の組成(質量)比とは、ポリマー微粒子を構成する各ユニットが占める割合を、合計が1となるようにした組成(質量)比のことである。
また、α,β−エチレン性不飽和親水性モノマーとしては、α,β−エチレン性不飽和酸モノマー又はその塩が挙げられ、具体的には、アニオン性基を有するモノマーやその塩などの親水性モノマーを用いることが好ましい。アニオン性基を有するモノマーとしては、具体的には、以下のものが挙げられる。(メタ)アクリル酸、クロトン酸、エタアクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸などのカルボキシル基を有するモノマー及びその誘導体。スチレンスルホン酸、スルホン酸−2−プロピルアクリルアミド、(メタ)アクリル酸−2−スルホン酸エチル、アクリルアミド−t−ブチルスルホン、ビニルスルホン酸などのスルホン酸基を有するモノマー及びその誘導体。2−ホスホン酸エチル(メタ)アクリル酸エステル、ビニルホスホン酸などのリン酸基を有するモノマー及びその誘導体、これらのアニオン性基を有するモノマーの塩も同様に使用することができる。
塩としては、上記のモノマーのリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩などが挙げられる。これらのアニオン性基を有するモノマー及びその塩の中でも、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基を有するモノマーやその塩を用いることが好ましい。さらには、記録物の耐水性を高めることができるため、α,β−エチレン性不飽和酸モノマー及びその塩から選ばれるモノマーとして、カルボン酸基含有不飽和モノマー又はその塩を用いることが好ましい。さらには、(メタ)アクリル酸又はその塩を用いることが特に好ましい。なお、ポリマー微粒子における親水性モノマーに由来するユニットが占める割合はポリマー微粒子の酸価として表すことができるが、酸価の好適な範囲については後述する。
〔その他のモノマー〕
本発明のクリアインクに使用するポリマー微粒子は、本発明の効果を損なわない限り、上記で挙げたようなα,β−エチレン性不飽和モノマー以外にも、一般的なモノマーを使用することができる。その他に使用可能なモノマーとしては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類。(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類。N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾールなどのビニル化合物などが挙げられる。勿論、本発明はこれらに限られるものではない。
〔ポリマー微粒子の酸価〕
本発明のクリアインクに使用するポリマー微粒子は、酸価が40mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であることが好ましく、さらには60mgKOH/g以上150mgKOH/g以下であることが好ましい。ポリマー微粒子の酸価が40mgKOH/g未満であると、ポリマー微粒子の疎水性が高くなるため分散安定性が十分に得られず、インクジェット用のクリアインクとして必要となる吐出安定性が十分に得られない場合がある。一方、ポリマー微粒子の酸価が200mgKOH/gを超えると、写像性を十分に向上させることができない場合がある。これは、ポリマー微粒子の酸価が高いと、水性媒体中のポリマー微粒子の分散状態が安定化されるため、該ポリマー微粒子を含有するクリアインクを記録媒体に付与すると、ポリマー微粒子が記録媒体の内部に浸透する割合が増えることとなる。そのため、逆に、記録媒体の表面上に残存するポリマー微粒子の割合が減ってしまい、結果、写像性を十分に向上させることができない場合がある。
〔コアシェル構造を有するポリマー微粒子の合成方法〕
本発明のクリアインクに含有させるコアシェル構造を有するポリマー微粒子は、シェルポリマーの存在下でコアポリマーを重合することにより得られたものである。本発明において、このような合成方法により得られたコアシェル構造を有するポリマー微粒子を使用するのは、以下のような理由による。
上記の合成方法においては、水溶性が相対的に高いシェルポリマーの内部に、水溶性が相対的に低いコアポリマーが選択的に取り込まれながら重合が進む。このため、コアポリマー成分の仕込みモノマーに由来するユニットが内側に、シェルポリマー成分の仕込みモノマーに由来するユニットが外側に配置され、コアポリマーがシェルポリマーに被覆された、コアシェル構造を有するポリマーを合成することができる。さらに、このような方法を用いることで、所望のコア/シェルの比率を有するポリマー微粒子を容易に合成することもできる。この場合、シェルポリマーとコアポリマーとの水溶性の差が大きいと、より的確にコントロールされたコアシェル比を有するポリマー微粒子を合成することができるため、特に好適である。
具体的には、本発明のクリアインクに含有させるコアシェル構造を有するポリマー微粒子は、以下のように合成することが好ましい。先ず、有機溶剤中でシェル成分のモノマーの溶液重合を行い、生成物を減圧下で乾燥させて脱溶剤した後、アルカリ剤で生成物を中和することで、シェルポリマーの水溶液ないしは水分散液を得る。次に、上記シェルポリマーの存在下で、コアポリマーとなるモノマーを乳化重合などにより重合させることで、コアシェル構造を有するポリマー微粒子を得る。なお、シェルポリマーの合成方法は上記の方法に限られず、得られるポリマー微粒子が本発明の規定を満足するものであればどのような方法により合成されたものであってもよい。
一般に、コアシェル構造を有するポリマー微粒子の合成方法としては、上記で説明した方法の他に、以下のような方法もある。例えば、先ず、乳化剤の存在下でコア成分のモノマーを共重合することで、核となるコア粒子を合成した後、さらにシェル成分のモノマーを共重合することでコアシェル構造を有するポリマー微粒子を合成する方法が挙げられる。しかし、この合成方法では、コア部分とシェル部分との境界においてポリマーが相互作用を起こしやすい。このため、例えば、コアポリマーを意図的に架橋させる、ないしはシェルポリマーを意図的に架橋させるなどの工夫を行わない限り、結果的に意図したコアシェル構造を有するポリマー微粒子とはならない場合が多く、本発明で所望するものが容易に得られない。
(ノニオン性ユニット及びポリシロキサン構造を有するユニットを含むグラフトポリマー)
本発明のクリアインクに使用するグラフトポリマーは、下記一般式(I)で表されるノニオン性ユニット及びポリシロキサン構造を有するユニットを含むグラフトポリマーである。なお、本発明において、以下、「ユニット」と記載した場合には、ユニットを構成する繰り返し単位が1つ又は複数の場合のどちらも含むものとする。
Figure 2011144305
(一般式(I)中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、xは1又は2の整数である。)
上記のような構成のグラフトポリマーを含有するクリアインクを用いて記録した場合、ポリシロキサンユニットにより画像の表面が滑りやすくなり、かつ、ノニオン性ユニットにより、ある程度のレベリング性が発揮される。これにより、画像の表面の平滑性に影響を与えずに耐擦過性を向上させることができる。また、記録媒体の表面に存在するカチオン性化合物とインク成分との凝集反応を抑制することも可能となる。その結果、画像の写像性に影響を及ぼさずに、耐擦過性を向上させることができる。
本発明におけるグラフトポリマーとは、「一本の幹ポリマー(主鎖)に枝ポリマー(側鎖)が結合した構造を有するポリマー」のことである。そして、あるポリマーの構造がグラフトポリマーとなっているか否かを判別する方法としては、例えば、以下のような方法が挙げられる。すなわち、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーと多角度光散乱検出器とを組み合わせて、絶対分子量と分子サイズを測定することにより、あるポリマーの構造がグラフトポリマーとなっていることを判別することができる。具体的には、これらの方法により測定されるポリマーの絶対分子量と分子サイズの測定値が乖離すればするほど、そのポリマーは、分岐度が高いことを示しており、グラフトポリマーの形態をとっていると判断することができる。
本発明で用いるグラフトポリマーは、ポリシロキサン構造を有するユニットと上記ノニオン性ユニットにおける各機能が効率よく発揮されるようにするため、その分子中において、明確に機能分離した構造のものであることが好ましい。具体的には、これらのユニットの機能分離をより明確にするために、上記グラフトポリマーは、側鎖に上記ノニオン性ユニットとポリシロキサン構造を有するユニットが含まれた構造であることが好ましい。すなわち、上記ノニオン性ユニットやポリシロキサン構造を有するユニットの片方の末端が、グラフトポリマーの主鎖の一部を構成していることが好ましい。さらには、側鎖が上記ノニオン性ユニットとポリシロキサン構造を有するユニットのみで構成されているグラフトポリマーであることがより好ましい。また、上記ノニオン性ユニットとして、高分子量のユニットではなく低分子量のユニットを用いることが好ましい。具体的には、上記ノニオン性ユニットの分子量が、重量平均分子量で、70以上190以下、さらには110以上190以下の範囲であることが好ましい。この場合、上記グラフトポリマーの主鎖から上記ノニオン性ユニットをまんべんなく分岐させること、つまりは、該主鎖から分岐する上記ノニオン性ユニットを非局在化させることが可能となり、画像の写像性を維持しつつ、耐擦過性を向上させるのに有効である。
以下、本発明に用いる上記グラフトポリマーを構成する各ユニットについてより詳細に説明する。
〔ノニオン性ユニット〕
本発明のインクに使用する上記グラフトポリマーを構成するノニオン性ユニットは、下記一般式(I)で表される構造を有するものである。この構造のノニオン性ユニットは、エチレンオキサイド基の繰り返し単位の数が1又は2であり、片方の末端に重合性を持つ官能基を有する、下記一般式(I’)のモノマーが共重合されたものである。さらには、本発明に用いるグラフトポリマーは、下記一般式(I’)で表されるモノマーのビニル基又はビニリデン基がグラフトポリマーの主鎖の一部となり、エステル結合からR1までの部分が分岐してグラフトポリマーの側鎖となる構造であることが好ましい。
Figure 2011144305
(一般式(I)中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、xは1又は2の整数である。)
Figure 2011144305
(一般式(I’)中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、xは1又は2の整数である。)
本発明においては、上記一般式(I)で表されるノニオン性ユニットにおける、エチレンオキサイド基の繰り返し単位の数は1又は2である、すなわち、上記一般式(I)におけるxが1又は2であるものを用いることが必要である。上記一般式(I)におけるxが3以上であると、ノニオン性ユニットがグラフトポリマーの主鎖から分岐する場合において、ノニオン性を有する部位が局在化して存在する傾向が大きくなり、グラフトポリマーの全体としての親水性が高くなる。このため、画像の耐擦過性が十分に得られず、耐水性も不十分となる。また、上記のように、グラフトポリマーの全体としての親水性が高くなると、インク中でグラフトポリマーが界面活性剤のような作用を有するようになる。この場合、グラフトポリマーの記録媒体へのインクの浸透性が高くなって、画像の最表面に配向するグラフトポリマーの量が減少することとなり、十分な画像の耐擦過性を得ることはできない。
なお、グラフトポリマーに、一般式(I)で表されるノニオン性ユニットとは異なる構造の、エチレンオキサイド基を有するユニットをさらに含ませる場合には、該ユニットにおけるエチレンオキサイド基の繰り返し単位の数を1又は2とすることが好ましい。この理由は、上記で説明した一般式(I)で表されるノニオン性ユニットの場合と同様である。すなわち、繰り返し単位の数が3以上であると、グラフトポリマーの親水性が高くなり、その結果、十分な量のグラフトポリマーが画像面に残ることができず、十分な耐擦過性が得られない場合があるからである。
また、本発明者らの検討の結果、上記ノニオン性ユニットの代わりに、イオン性ユニットと、ポリシロキサン構造を有するユニットを有するグラフトポリマーをインク中に含有させても画像の写像性が向上する効果が得られないことがわかった。本発明者らは、この理由を以下のように推測している。例えば、上記ノニオン性ユニットを有さず、代わりに、アニオン性ユニットを有するグラフトポリマーを含有するインクを記録媒体に付与すると、以下のような現象が起こる。すなわち、記録媒体に含まれるアルミナ、シリカ、炭酸カルシウムなどのカチオン性の化合物と、上記ポリマーの構成の一部であるアニオン性ユニットとが反応して、インクを構成する成分の凝集が促進されるようになる。これにより、顔料やポリマーなどの凝集が不均一に起こるようになり、その結果、画像の表面においてレベリング性が発揮されず、画像の写像性を低下させると考えられる。
上記一般式(I)で表されるノニオン性ユニットとしては、具体的には、(メタ)アクリレート系モノマーが共重合されたものが挙げられる。また、本発明に用いる上記グラフトポリマーにおいて、上記ノニオン性ユニットは、1種又は2種以上を組み合わせて構成させてもよい。
上記(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール−モノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。本発明においては、これらのモノマーの中でも特に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール−モノ(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。このような(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、ブレンマー:PE−90、AE−90、PME−100(以上、日油製)、BHEA、HEMA(以上、日本触媒製)などの市販品を用いることができる。
本発明においては、上記グラフトポリマーの全質量を基準としたときに、上記一般式(I)で表されるノニオン性ユニットの占める割合が、5.0質量%以上45.0質量%以下であることが好ましい。
〔ポリシロキサン構造を有するユニット〕
本発明のインクに使用する上記グラフトポリマーを構成するポリシロキサンユニットとしては、ポリシロキサン構造を有するユニットであればいずれのものであってもよい。本発明においては、ポリシロキサン構造を有するユニットの中でも、下記一般式(II)で表されるユニットを用いることが特に好ましい。この一般式(II)で表されるユニットは、片方の末端に重合性を持つ官能基を有する、下記一般式(II')で表されるモノマーが共重合されたものである。さらに、本発明に用いるグラフトポリマーは、下記一般式(II')で表されるモノマーのビニル基又はビニリデン基がグラフトポリマーの主鎖の一部となり、エステル結合からR6までの部分が分岐してグラフトポリマーの側鎖となる構造であることが好ましい。また、本発明に用いる上記グラフトポリマーにおいて、ポリシロキサン構造を有するユニットは、1種又は2種以上を組み合わせて構成させてもよい。
Figure 2011144305
(一般式(II)中、R3は水素原子又はメチル基であり、R4は炭素数1乃至6のアルキレン基であり、R5はそれぞれ独立にメチル基又はフェニル基であり、R6は炭素数1乃至6のアルキル基又はフェニル基であり、mは1乃至150の整数である。)
Figure 2011144305
(一般式(II')中、R3は水素原子又はメチル基であり、R4は炭素数1乃至6のアルキレン基であり、R5はそれぞれ独立にメチル基又はフェニル基であり、R6は炭素数1乃至6のアルキル基又はフェニル基であり、mは1乃至150の整数である。)
また、本発明において、上記一般式(II')で表されるモノマーとしては、例えば、サイラプレーンFM−0711、FM−0721、FM−0725(以上、チッソ製)などの市販品を用いることができる。
本発明においては、上記グラフトポリマーの全質量を基準としたときに、上記ポリシロキサン構造を有するユニットが占める割合が、10.0質量%以上40.0質量%以下であることが好ましい。この割合が10.0質量%未満であると、インク中の上記グラフトポリマーの含有量に関わらず、画像の表面に配向する上記グラフトポリマーの量が減少してしまい、画像の耐擦過性が十分に得られない場合がある。一方、上記の割合が40.0質量%より大きいと、画像の耐擦過性が十分に得られない場合がある。これは、上記とは逆に、画像の表面に配向する上記グラフトポリマーの量が多くなるため、画像の表面だけでなく、画像を構成する顔料層の内部にまで上記グラフトポリマーが存在するようになる場合があるためである。すなわち、顔料の粒子間にも上記グラフトポリマーが存在するようになり、顔料の凝集物同士が滑りやすくなる場合があるためである。
〔その他のユニット〕
本発明のインクに用いる上記グラフトポリマーは、上述した、上記一般式(I)で表されるノニオン性ユニット及びポリシロキサン構造を有するユニットを少なくとも有することが必要であり、さらに酸性基を有するユニットを有することが好ましい。また、本発明のインクに用いる上記グラフトポリマーは、これらのユニットの他に、さらに、その他のユニットをさらに有してもよい。本発明において、これらの酸性基を有するユニット及びその他のユニットは、後述する理由により上記グラフトポリマーの主鎖に該ユニットが含まれる構造、すなわち、その他のユニットが側鎖に含まれないようにすることが特に好ましい。
その他のユニットとしては、エステル化合物などのノニオン性のモノマーが共重合されたものが挙げられる。また、本発明に用いる上記グラフトポリマーにおいて、上記のその他のユニットは、1種又は2種以上を組み合わせて構成させてもよい。
その他のユニットとしては、具体的には、例えば、以下のモノマーが共重合したユニットが挙げられる。例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステル。メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどのメタクリル酸エステル。3−スルホプロピル(メタ)アクリル酸エステル、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン酸エステルなど。ビニルホスフェート、ビス(メタアクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェートなど。ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジオクチル−2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェートなど。これらの中でも、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチルが好ましい。なお、インクジェット用のインクの色材として多用される顔料はアニオン性のポリマー分散剤で分散されたものであることが多い。このような顔料を含有するインクの安定性を考慮すると、グラフトポリマーを構成するユニットとしては、前記ポリマーと反応を生じ得るカチオン性モノマーに由来するユニットが含まれないことが好ましい。
〔グラフトポリマーの重量平均分子量〕
さらに、本発明者らの検討によると、適切な量のインクが記録媒体に付与され、上記グラフトポリマーが画像の表面に多く配向することが、画像の耐擦過性を向上させるうえで好適であることがわかった。そして、適切な量のインクが記録媒体に付与されるようにするために、本発明においては、上記グラフトポリマーの重量平均分子量を5,000以上50,000以下の範囲とすることが好ましい。
〔グラフトポリマーの酸価〕
また、本発明においては、上記グラフトポリマーを構成するユニットが、さらに酸性基を有するユニットを含み、かつ、該グラフトポリマーの酸価が、80mgKOH/g以上150mgKOH/g以下であることが好ましい。酸性基を有するユニットとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸などのカルボキシル基を有するモノマー。スチレンスルホン酸などのスルホン酸基を有するモノマー、ビニルホスホ酸などのリン酸基を有するモノマーなどの酸性基を有するモノマー及びこれらのモノマーの無水物や塩に由来するユニットが挙げられる。そして、上記グラフトポリマーの酸価は、該グラフトポリマーが、上述したような酸性基を有するユニットを含むように構成し、さらに、該酸性基を有するユニットの構造や質量比率を適宜に設定することにより調節することができる。
なお、上記グラフトポリマーに、上記の酸性基を有するユニットを含ませる場合には、該ユニットは上記グラフトポリマーの主鎖に含まれるようにする、すなわち、酸性基を有するユニットが側鎖に含まれないようにすることが好ましい。これは、酸性基を有するユニットが側鎖に含まれると、上記ノニオン性ユニットやポリシロキサン構造を有するユニットの作用が抑制され、画像の耐擦過性と写像性が十分に得られない場合があるためである。一方、酸性基を有するユニットが主鎖に含まれると、上記ノニオン性ユニットやポリシロキサン構造を有するユニットの作用が十分に発揮され、画像の写像性を維持しつつ、耐擦過性を向上させることができる。
〔クリアインク中のポリマー微粒子とグラフトポリマーの含有量〕
クリアインク中の上記ポリマー微粒子と上記グラフトポリマーを合わせた含有量(質量%)は、クリアインク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。含有量が0.1質量%未満であると、十分な量のポリマーが記録媒体の表面上に残存することができず、写像性と耐擦過性を十分に向上させることができない場合がある。一方、含有量が10.0質量%を超えると、固形分の含有量が高くなりすぎ、吐出性などの信頼性が得られない場合がある。
クリアインク中の上記グラフトポリマーの含有量(質量%)は、上記ポリマー微粒子の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.10倍以上1.0倍以下であることが好ましい。上記質量比率が、0.10倍未満であると、クリアインクにより画像を形成した後の画像の表面を被覆するポリマーの比率が、ポリマー微粒子の方が高くなり、十分な耐擦過性を得ることができない。また、上記質量比率が、1.0倍より大きいと画像の凹部を埋めるポリマー微粒子の割合が減り、画像の凹凸を十分に平滑にすることができず、画像の写像性の向上が得られない。
(その他のポリマー)
本発明のクリアインクには、上記で説明したコアシェル構造を有するポリマー微粒子及びグラフトポリマーの他にも、さらにポリマーを添加することができる。このようなポリマーは、水性媒体中にポリマー微粒子をさらに安定して分散させるための分散剤として用いても、又は他の目的でクリアインクに添加してもよい。
(水性媒体)
クリアインクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。クリアインク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、クリアインク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に制限はなく、当該技術分野でインクジェット用インク用として知られている水溶性有機溶剤がいずれも使用できる。また、水は脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。クリアインク中の水の含有量(質量%)は、クリアインク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。
(その他の成分)
クリアインクには、上記成分の他に、尿素、尿素誘導体、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。クリアインク中のこれらのような水溶性有機化合物の含有量(質量%)は、クリアインク全質量を基準として、0.1質量%以上20.0質量%以下、さらには1.0質量%以上15.0質量%以下であることが好ましい。また、必要に応じて所望の物性値を有するクリアインクとするために、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤などの種々の添加剤を含有してもよい。
<顔料インク>
本発明のクリアインクは、顔料インクと組み合わせてクリアインクとのインクセットとしても用いることができる。以下、本発明のクリアインクと共に使用可能な顔料インクを構成する各成分について説明する。
(顔料)
顔料インクに用いる色材は、当該技術分野で公知のカーボンブラックなどの無機顔料や有機顔料が挙げられる。顔料の分散方式としては、顔料粒子の表面に親水性基やポリマーを結合させた自己分散型顔料、樹脂分散型顔料、マイクロカプセル型顔料などの公知の分散方式を使用することができる。顔料インク中の顔料の含有量(質量%)は、顔料インク全質量を基準として、0.1質量%以上15.0質量%以下であることが好ましい。
(ポリマー成分)
顔料インクには、上記で説明した樹脂分散型顔料とする場合に分散剤として使用するポリマーの他に、さらに別のポリマーを添加することができ、また、自己分散型顔料やマイクロカプセル型顔料とする場合にもさらにポリマーを添加することができる。このようなポリマーは、水性媒体中に顔料をさらに安定して分散させるためとして用いても、又は他の目的でインクに添加してもよい。
顔料インクに添加することができるポリマーは、どのようなポリマーであってもよい。例えば、上記で説明したような、本発明のクリアインクに使用するポリマー微粒子や、該ポリマー微粒子に使用されるモノマーユニットを含んで構成されるアクリル系ポリマーなどが挙げられる。顔料インクに添加することができるポリマーの形態としては、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、又はこれらの塩などが挙げられる。これらのポリマーは、塩基を溶解した水溶液に可溶なアルカリ可溶型ポリマーであることが好ましい。
顔料インク中のポリマーの含有量(質量%)は、顔料インク全質量を基準として、0.5質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。また、ポリマーの重量平均分子量は、1,000以上15,000以下であることが好ましい。さらに、ポリマーの酸価は、90mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であることが好ましい。
(水性媒体及びその他の成分)
顔料インクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。顔料インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、顔料インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、クリアインクに使用可能なものとして挙げた水溶性有機溶剤と同様のものを使用することができる。水は脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。顔料インク中の水の含有量(質量%)は、顔料インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。また、顔料インクには、上記のクリアインクに使用可能なものとして挙げたその他の成分と同様のものを使用することができる。
<インクジェット記録方法>
本発明のクリアインクは、クリアインクをインクジェット方式で吐出して記録媒体に付与する本発明のインクジェット記録方法に用いる。特に、本発明においては、熱エネルギーを利用するインクジェット記録方法を好ましく用いることができる。本発明のインクジェット記録方法は、本発明のクリアインクを収容する収容部と、クリアインクを吐出するための記録ヘッドとを備えてなるインクジェット記録装置を用いて行うことが好ましい。しかしながら、装置の構成は特に制限はなく、公知のインクジェット記録装置をいずれも使用できる。
また、本発明の別のインクジェット記録方法は、クリアインクと顔料インクとを用いるインクジェット記録方法であって、以下の工程を有することを特徴とする。すなわち、顔料インクを用いて記録媒体に記録を行う工程(I)、及び、クリアインクをインクジェット方式で吐出して記録媒体に付与する工程(II)、を有する。そして、クリアインクとして上記で説明した本発明のクリアインクを用いる。これらの工程(I)及び工程(II)は、例えば、工程(I)の後に工程(II)を行う場合、工程(II)の後に工程(I)を行う場合、さらにはこれらを組み合わせる場合などが考えられ、どのような順序で行ってもよい。しかし、本発明においては、顔料インクで記録した画像の上にクリアインクを付与することで、画像をポリマー層で保護することができるため、記録媒体の少なくとも一部の領域において、工程(I)を行った後に工程(II)を行うことが特に好ましい。さらに、上記工程(I)によりクリアインクが記録媒体に付与される領域と、上記工程(II)により顔料インクが記録媒体に付与される領域とが、少なくとも一部で重なるようにすることが特に好ましい。
なお、少なくとも本発明のクリアインクはインクジェット方式で記録媒体に付与することが必要であるが、顔料インクを記録媒体に付与する方法は特に限定されるものではない。しかし、本発明のインクジェット記録方法においては、クリアインクだけでなく、顔料インクもインクジェット方式により吐出して記録媒体に記録を行うことが特に好ましい。このようなインクジェット記録方法は、顔料インクで記録した画像を少なくとも含む領域など、意図した領域にクリアインクを的確に付与することができ、また、クリアインクの付与量も適切に調整することができるためである。なお、インクジェット方式による顔料インク及びクリアインクの付与量は、記録デューティなどを適切に決定することで調節できる。
<インクセット>
本発明のクリアインクは、少なくとも1種の顔料インクと組み合わせたインクジェット用のインクセットとして用いることができる。顔料インクの色相は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、レッド、グリーン、及びブルーなどのインクから1種又は2種以上を選択することができる。また、インクセットを構成する顔料インクとして、上記のインクと互いに同じ色相を有し、顔料の含有量がそれぞれ異なる複数のインクを用いてもよい。このような複数のインクの組み合わせとしては、ブラック、淡ブラック、グレー、及び淡グレーなどのブラックの色相を有するインクが挙げられる。また、濃シアン、中シアン、及び淡シアンなどのシアンの色相を有するインク、さらには、濃マゼンタ、中マゼンタ、及び淡マゼンタなどのマゼンタの色相を有するインクが挙げられる。勿論、本発明はこれらの色相のインクに限られるものではなく、また、濃、中、淡などのインクの名称もこれらに限られるものではない。
<インクカートリッジ>
本発明のクリアインクを用いて記録を行うのに好適なインクカートリッジとしては、かかるクリアインクを収容する収容部を備えた本発明のインクカートリッジが挙げられる。本発明のインクカートリッジは、上記収容部に本発明のクリアインクを収容させること以外は、その構成は特に制限はなく、公知のインクカートリッジをいずれも使用できる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、下記実施例によって限定されるものではない。なお、文中「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。また、以下の記載においては、芳香族含有不飽和モノマーに由来するユニットが占める割合のことを、芳香族モノマーの割合と記載することがある。
<ポリマー微粒子の合成>
(シェルポリマーの合成)
以下の手順にしたがって、S1〜S3の各シェルポリマーを合成した。撹拌機、還流冷却装置、及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、100.0部のエチレングリコールモノブチルエーテルを添加した後、反応系に窒素ガスを導入し、撹拌下で表1に示す反応温度に昇温させた。このフラスコに、下記表1に示す種類及び質量部の各モノマーの混合物と、下記表1に示す質量部のt−ブチルパーオキサイド(重合開始剤)のエチレングリコールモノブチルエーテル溶液を3時間かけて滴下した。その後、エージングを2時間行い、さらにエチレングリコールモノブチルエーテルを減圧下で除去して、固形のポリマーを得た。このようにして得られたポリマーを、その酸価と当量の水酸化カリウム及び適量のイオン交換水を加えて80℃で中和溶解して、固形分(シェルポリマー)の含有量が30%であるシェルポリマーの水溶液を得た。このようにして得られたシェルポリマーS1〜S3の酸価及び重量平均分子量の値を表1に示した。
Figure 2011144305
St:スチレン
2EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル
MMA:メタクリル酸メチル
AA:アクリル酸
(コアシェル構造を有するポリマー微粒子の合成)
以下の手順にしたがって、P1〜P3の各コアシェル構造を有するポリマー微粒子を合成した。撹拌機、還流冷却装置、及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、上記で得られた各シェルポリマーの水溶液を、ポリマーの固形分が表2に示す質量部となるように添加した後、反応系に窒素ガスを導入し、撹拌下で表2に示す反応温度に昇温させた。このフラスコに、下記表2に示す種類及び質量部の各モノマーの混合物と、下記表2に示す質量部の過硫酸カリウム(重合開始剤)を水16.7部に溶解した液体を3時間かけて滴下した。そして、エージングを2時間行った後、適量のイオン交換水で固形分を調整し、固形分(コアシェル構造を有するポリマー微粒子)の含有量が25%であるコアシェル構造を有するポリマー微粒子の水分散液を得た。このようにして得られた各コアシェル構造を有するポリマー微粒子は、コアポリマーがシェルポリマーに被覆された構造であった。
Figure 2011144305
(コアシェル構造を有するポリマー微粒子の主特性)
上記で得られたP1〜P3の各コアシェル構造を有するポリマー微粒子の主特性を下記表3に示した。なお、表3中のモノマーの略記号は表1及び表2と同様である。
Figure 2011144305
(単層のポリマー微粒子P4の合成)
以下の手順にしたがって、ポリマー微粒子P4を合成した。このポリマー微粒子P4は単層のポリマー微粒子であり、比較例のクリアインクに使用したものである。撹拌機、還流冷却装置、及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、100.0部の水を添加した後、反応系に窒素ガスを導入し、撹拌下で80℃に昇温させた。水100.0部、ラウリル硫酸ナトリウム(乳化剤)1.0部、アクリル酸−2−エチルヘキシル30.8部、メタクリル酸メチル52.4部、アクリル酸16.8部を混合し、モノマーの乳化物を調製した。上記のフラスコに、モノマーの乳化物と5%の過硫酸カリウム水溶液10.0部を3時間かけて滴下した。
そして、エージングを2時間行った後、適量のイオン交換水で固形分を調整し、固形分(単層のポリマー微粒子)の含有量が25%である単層のポリマー微粒子の水分散液を得た。このようにして得られた単層のポリマー微粒子P4の主特性は、酸価が128mgKOH/g、最低造膜温度が12℃、体積平均粒子径が101nmであった。
(合成方法が異なる、コアシェル構造を有するポリマー微粒子P5の合成)
以下の手順にしたがって、コアシェル構造を有するポリマー微粒子P5を合成した。このポリマー微粒子P5は、本発明で規定するポリマー微粒子の合成方法とは異なる方法で合成したものであり、比較例のクリアインクに使用したものである。撹拌機、還流冷却装置、及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに100.0部の水を添加した後、反応系に窒素ガスを導入し、撹拌下で反応温度80℃に昇温させた。水40.0部、ラウリル硫酸ナトリウム0.4部、アクリル酸−2−エチルヘキシル20.0部、メタクリル酸メチル80.0部を混合し、モノマーの乳化物Aを調製した。
また、水60.0部、ラウリル硫酸ナトリウム0.6部、アクリル酸−2−エチルヘキシル38.0部、メタクリル酸メチル34.0部、アクリル酸28.0部を混合し、モノマーの乳化物Bを調製した。そして、上記のフラスコに、モノマーの乳化物Aと5%の過硫酸カリウム水溶液4.0部を1時間かけて滴下した。そして、エージングを2時間行い、コアポリマーとなるポリマー微粒子を合成した。その後、同じフラスコに、モノマーの乳化物Bと5%の過硫酸カリウム水溶液15.0部を1時間かけて滴下した。そして、エージングを2時間行った後、適量のイオン交換水で固形分を調整し、固形分(コアシェル構造を有するポリマー微粒子)の含有量が25%であるコアシェル構造を有するポリマー微粒子P48の水分散液を得た。このようにして得られたコアシェル構造を有するポリマー微粒子P5の主特性は、酸価が127mgKOH/g、最低造膜温度が8℃、体積平均粒子径が110nmであった。
(合成方法が異なる、コアシェル構造を有するポリマー微粒子P6の合成)
以下の手順にしたがって、コアシェル構造を有するポリマー微粒子P6を合成した。このポリマー微粒子P6は、本発明で規定する2種のモノマーに加えて、それ以外のモノマーも使用し、本発明で規定するポリマー微粒子の合成方法とは異なる方法で合成したものであり、比較例のクリアインクに使用したものである。具体的には、上記特許文献1のエマルションDの合成方法にしたがって行い、適量のイオン交換水で固形分を調整し、固形分(コアシェル構造を有するポリマー微粒子)の含有量が25%であるコアシェル構造を有するポリマー微粒子P6の水分散液を得た。このようにして得られたコアシェル構造を有するポリマー微粒子P6の主特性は、酸価が40mgKOH/g、最低造膜温度が5℃未満、体積平均粒子径が98nmであった。
(単層のポリマー微粒子P7の合成)
以下の手順にしたがって、単層のポリマー微粒子P7を合成した。このポリマー微粒子P7は、本発明で規定する2種のモノマーに加えて、それ以外のモノマーも使用して合成した単層のポリマー微粒子であり、比較例のクリアインクに使用したものである。具体的な合成方法は、上記特許文献1のエマルションAの合成方法にしたがって行い、適量のイオン交換水で固形分を調整し、固形分(単層のポリマー微粒子)の含有量が25%である単層のポリマー微粒子P50の水分散液を得た。このようにして得られた単層のポリマー微粒子P7の主特性は、酸価が36mgKOH/g、最低造膜温度が5℃未満、体積平均粒子径が92nmであった。
(単層のポリマー微粒子P8の合成)
以下の手順にしたがって、単層のポリマー微粒子P8を合成した。このポリマー微粒子P8は、ポリウレタン樹脂とスチレン−メチルスチレン−アクリル酸共重合体を架橋して合成した単層のポリマー微粒子であり、比較例のクリアインクに使用したものである。具体的な合成方法は、上記特許文献3の樹脂分散液Aの合成方法にしたがって行い、適量のイオン交換水で固形分を調整し、固形分(単層のポリマー微粒子)の含有量が25%である単層のポリマー微粒子P8の水分散液を得た。
(合成方法が異なる、コアシェル構造を有するポリマー微粒子P9の合成)
以下の手順にしたがって、コアシェル構造を有するポリマー微粒子P9を合成した。このポリマー微粒子P9は、本発明で規定するポリマー微粒子の合成方法とは異なる方法で合成したものであり、比較例のクリアインクに使用したものである。具体的には、α,β−エチレン性不飽和酸モノマー及びその塩から選ばれるモノマーを使用せず、乳化剤の存在下でコアポリマーを重合した後にシェルポリマーを重合し、さらにシェルポリマーに二官能モノマーに由来するユニットを使用し、熱で架橋させた。具体的な合成方法は、上記特許文献2の実施例2の合成方法にしたがって行い、ポリマー微粒子P9の水分散液を得た。コアポリマーの組成は、メタクリル酸メチル17.5部、アクリル酸ヘキシル17.5部である。
また、シェルポリマーの組成は、メタクリル酸メチル29.2部、アクリル酸ヘキシル29.2部、ジメタクリル酸エチレングリコール0.6部、メタクリロイルオキシエチルサクシネート6.0部である。乳化剤としては、Rhodafac RS 710(Rhodia Novecare製)の30%水溶液を用いた。その後、適量のイオン交換水で固形分を調整し、固形分(コアシェル構造を有するポリマー微粒子)の含有量が25%であるコアシェル構造を有するポリマー微粒子P9の水分散液を得た。このようにして得られたコアシェル構造を有するポリマー微粒子P9の主特性は、コア/シェルの比率が0.54、最低造膜温度が5℃未満、体積平均粒子径が210nmであった。
<グラフトポリマーの合成>
以下の手順にしたがって、シリコーングラフトポリマーであるグラフトポリマーG1〜8をそれぞれ合成した。なお、合成方法としては公知の重合方法を用いることができる。グラフトポリマーG1〜8は、以下の重合方法を用いてそれぞれ合成した。先ず、撹拌機、温度計、窒素導入管を備えたフラスコに、下記表1に示す組成で、各モノマーとアゾビスイソブチロニトリルを仕込み、溶媒として1−メトキシ−2−プロパノール500部を用いて、窒素ガス還流下、温度110℃で4時間重合反応を行った。このようにして得られた共重合体を含む溶液を減圧乾燥させて、共重合体を得た。得られた共重合体に、溶媒としてメチルエチルケトン25部を加えて溶解させた後、30%の水酸化カリウム水溶液2部を加えて共重合体の塩生成基の一部を中和し、さらにイオン交換水300部を加えて撹拌した。その後、減圧下、温度60℃で溶媒を除去し、さらに水の一部を除去することにより濃縮して、固形分濃度が20.0%の、グラフトポリマーの水溶液を得た。このようにしてそれぞれ得られたグラフトポリマーG1〜8について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(島津製作所製)と多角度光散乱検出器(昭光通商製)とを組み合わせて絶対分子量と分子サイズを測定した。その結果、絶対分子量と分子サイズの測定値は大きく乖離しており、また、使用したモノマーの構造から、主鎖からポリシロキサン構造を有するユニットとノニオン性ユニットが分岐して側鎖となっている構造のグラフトポリマーであることが確認できた。
なお、下記表4中、(*1)〜(*6)はそれぞれ以下のモノマーを示す。
(*1):サイラプレーンFM−0711(チッソ製;前記一般式(V’)に示されるポリシロキサン構造を有するモノマー、数平均分子量約1,000)
(*2):BHEA(製品名:日本触媒製;前記一般式(I’)におけるR1及びR2が水素原子、xが1であるノニオン性モノマー)
(*3):HEMA(製品名:日本触媒製;前記一般式(I’)におけるR1が水素原子、R2がメチル基、xが1であるノニオン性モノマー)
(*4):ブレンマーPME−100(製品名:日油製;前記一般式(I’)におけるR1及びR2がメチル基、xが2であるノニオン性モノマー)
(*5):ブレンマーPME−200(製品名:日油製;前記一般式(I’)におけるR1及びR2がメチル基、xが約4であるノニオン性モノマー)
Figure 2011144305
<クリアインクの調製>
下記表5に示す各成分を混合した後、ポアサイズが1.2μmであるメンブレンフィルター(HDCIIフィルター;ポール製)にて加圧ろ過することで、実施例及び比較例の各クリアインクを調製した。このようにして得られた実施例の各クリアインクは無色、乳白色、ないしは白色であり、色材を含有しないものである。また、実施例の各クリアインクは、純水で50倍(質量倍)に希釈したクリアインクの吸光度を測定した際に、400nm乃至800nmの範囲においてピークを有さず、かつ400nm乃至800nmの範囲におけるabs値が1.0以下であった。
Figure 2011144305
Figure 2011144305
<顔料分散液の調製>
(マゼンタ顔料分散液の調製)
先ず、顔料20部、ポリマー水溶液(固形分の含有量:20.0%)60部、及び水20部を、0.3mm径のジルコニアビーズの充填率を80%としたビーズミル(LMZ2;アシザワファインテック製)に入れ、回転数1,800rpmで5時間分散した。なお、顔料としては、C.I.ピグメントレッド122(商品名:トナーマゼンタE02;クラリアント製)を、また、ポリマー水溶液としては、ジョンクリル678(ジョンソンポリマー製)を、酸価と当量の水酸化カリウムで中和したものを用いた。その後、回転数5,000rpmで30分間遠心分離を行うことにより凝集成分を除去し、さらにイオン交換水で希釈することで、顔料の含有量が15.0%であるマゼンタ顔料分散液を得た。
<顔料インクの調製>
次に、上記で得られた顔料分散液と、下記に示す各成分を混合した後、ポアサイズが1.2μmであるメンブレンフィルター(HDCIIフィルター;ポール製)にて加圧ろ過することで、顔料インク1を調製した。顔料インク中の顔料の含有量は2.0%、ポリマー成分の含有量は1.2%であった。このようにして得られた顔料インクをインクカートリッジに充填した。
・顔料分散液 13.3%
・グリセリン 7.0%
・ポリエチレングリコール(平均分子量:1,000) 5.0%
・トリメチロールプロパン 5.0%
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル 3.0%
・アセチレノールE100(界面活性剤:川研ファインケミカル製) 0.5%
・イオン交換水 66.2%
<評価>
上記で得られた各クリアインク及び各顔料インクをそれぞれ充填したインクカートリッジを、熱エネルギーの作用により吐出を行うインクジェット記録装置(商品名:PIXUS Pro9500;キヤノン製)に搭載した。このインクジェット記録装置は、縦解像度600dpi×横解像度600dpiの領域に、1滴当たりの質量が3.5ng(ナノグラム)であるインク滴を8ドット付与する場合を、記録デューティ100%とするものである。なお、実施例の各クリアインクを記録媒体に付与した結果、これらのクリアインクはいずれも無色透明の皮膜を形成できるものであった。また、以下の評価においては、クリアインクにより形成された無色透明の皮膜を観察しやすくするため、記録媒体としてOHPフィルムを用いたが、本発明のクリアインクを適用可能な記録媒体はこれに限られるものではない。
(吐出安定性の評価)
各クリアインクを用いて、上記のインクジェット記録装置により、記録媒体(OHPフィルム CG3410;住友スリーエム製)に、記録デューティが50%であるA4サイズのベタ画像を連続して20枚分記録した。そして、目視で確認した1枚目と20枚目の画像における記録ヨレの状態から、吐出安定性の評価を行った。吐出安定性の評価基準は以下の通りである。評価結果を表6に示す。本発明においては下記の評価基準でB以上が許容できる吐出安定性のレベルとした。
A:20枚分の記録が可能であり、20枚目の画像に記録ヨレがない、又はわずかな記録ヨレがあった。
B:20枚分の記録が可能であったが、1枚目の画像と比べて20枚目の画像に記録ヨレが目立った。
C:20枚分の記録ができなかった。
(写像性の評価)
顔料インクと各クリアインクとをインクセットとし、上記のインクジェット記録装置により、記録媒体(キヤノン写真用紙・光沢ゴールド GL−101;キヤノン製)に、2cm×2cmのベタ画像を含むパターンを記録した。この際、顔料インク及びクリアインクは、カートリッジホルダーのマゼンタインク及びグリーンインクのポジションにそれぞれセットした。そして、画像は顔料インクを付与した後にクリアインクを重なるように付与するようにして、顔料インクの記録デューティ:50%+クリアインクの記録デューティ:20%を8パス片方向で記録を行った。また参考例として、顔料インクの記録デューティ:50%を8パス片方向で記録した顔料インクのみの画像を得た。
上記で得られた画像を常温で24時間保存した後、画像におけるヘイズの値を、マイクロヘイズメーター(BYKガートナー製)を用いて測定し、得られたヘイズ値から、写像性の評価を行った。ヘイズ値が高いことは写像性が低いことを、また、ヘイズ値が低いことは写像性が高いことを意味する。この写像性の評価基準は以下の通りである。評価結果を表6に示す。本発明においては下記の評価基準でB以上が許容できる光沢均一性のレベルとした。
AA:ヘイズ値が10未満であった。
A:ヘイズ値が10以上15未満であった。
B:ヘイズ値が15以上20未満であった。
C:ヘイズ値が20以上であった。
(耐擦過性の評価)
上記、光沢均一性の評価と同じ方法により得られた各画像を、記録媒体の非記録部に傷が付く程の強い圧力を加えて爪で引っ掻いた。その後、各画像を目視で確認して、耐擦過性の評価を行った。この耐擦過性の評価基準は以下の通りである。評価結果を表6に示す。本発明においては下記の評価基準でB以上が許容できる耐擦過性のレベルとした。
AA:画像の表面に爪跡が残らなかった。
A:画像の表面に若干爪跡が残ったものの、記録媒体から色材が削れ落ちることはなかった。
B:画像の表面に爪跡は残ったものの、記録媒体から色材が削れ落ちることはなかった。
C:画像の表面に爪跡が残り、かつ、記録媒体から色材がわずかに削れ落ちた。
D:記録媒体の表面は露出しなかったが、色材が明らかに削れ落ちた。
Figure 2011144305

Claims (9)

  1. 少なくともポリマー微粒子、及びグラフトポリマーを含有するインクジェット用のクリアインクであって、
    前記ポリマー微粒子が、α,β−エチレン性不飽和疎水性モノマー(a)に由来するユニットと、α,β−エチレン性不飽和酸モノマー及びその塩から選ばれるモノマーに由来するユニットとを、少なくとも有する共重合体であるシェルポリマーの存在下で、さらにα,β−エチレン性不飽和疎水性モノマー(b)をコアポリマーとして重合することにより得られるコアシェル構造を有し、
    前記グラフトポリマーを構成するユニットが、少なくとも、下記一般式(I)で表されるノニオン性ユニット、及び、ポリシロキサン構造を有するユニットを含むことを特徴とするクリアインク。
    Figure 2011144305
    (一般式(I)中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、xは1又は2の整数である。)
  2. 前記ポリマー微粒子を構成するα,β−エチレン性不飽和疎水性モノマー(a)及び/又は(b)が、鎖状構造の飽和脂肪族第一級アルコールの(メタ)アクリル酸エステルである請求項1に記載のクリアインク。
  3. 前記グラフトポリマーの全質量を基準とした、前記ポリシロキサン構造を有するユニットの占める割合が、10.0質量%以上40.0質量%以下である請求項1又は2に記載のクリアインク。
  4. 前記グラフトポリマーの含有量(質量%)が、前記ポリマー微粒子の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.10倍以上1.0倍以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のクリアインク。
  5. クリアインクをインクジェット方式で吐出して記録媒体に付与するインクジェット記録方法であって、
    前記クリアインクが、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のクリアインクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
  6. クリアインクと少なくとも1種の顔料インクとを用いるインクジェット記録方法であって、
    顔料インクを用いて記録媒体に記録を行う工程(I)、及びクリアインクをインクジェット方式で吐出して記録媒体に付与する工程(II)、を有し、
    前記クリアインクが、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のクリアインクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
  7. 記録媒体の少なくとも一部の領域において、前記工程(I)を行った後に、前記工程(II)を行う請求項6に記載のインクジェット記録方法。
  8. クリアインクと顔料インクとを組み合わせてなるインクジェット用のインクセットであって、
    前記クリアインクが、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のクリアインクであることを特徴とするインクセット。
  9. クリアインクを収容するための収容部を備えたインクカートリッジであって、
    前記クリアインクが、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のクリアインクであることを特徴とするインクカートリッジ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016027167A (ja) * 2015-09-15 2016-02-18 セイコーエプソン株式会社 インクジェット記録用インクセット、及びこれを用いた記録方法
JP2018193449A (ja) * 2017-05-16 2018-12-06 株式会社リコー 処理液組成物、及び記録方法

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