JP2011143816A - 車両用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】シートベルト内蔵型シート構造において、軽量化のためにアルミニウム合金押出形材をバックサイドフレームに用いたとしても、車両衝突時にシートベルトを介して加わる変形荷重に対して、高い変形強度が得られる車両用シートを提供することを目的とする。
【解決手段】3点式シートベルト16内蔵型の車両用シートであって、主側バックサイドフレーム1を、閉断面構造8とするとともに、この閉断面構造8の全長に亙って車両後方側に突出した突出フランジ6を予め一体に設けたアルミニウム合金押出形材とし、突出フランジ6を車両外側寄りの位置から突出させるとともに、この突出フランジの幅が前記バックサイドフレーム上端側1aよりも下端側1bの方が広くなるように変化する形状とする。
【選択図】図1

Description

本発明は3点式シートベルト内蔵型の車両用シートに関するものである。
自動車などの、リクライニング装置を備えた車両(車体)用シートは、周知の通り、乗員が座るシートクッション(フレーム)に対して、乗員の背もたれとなるシートバック(フレーム)が、リクライニング装置を介して、起伏可能に連結される基本構造を有している。そして、更に、3点式シートベルトを内蔵した型の車両用シートでは、前記基本構造に加えて、乗員のシートベルトのショルダベルト部が、前記シートバックフレームの一側(いずれか一方の側)に備えられた主側(メイン側)バックサイドフレームの上部を介して、シートバック(フレーム)に取り付けられている。
このタイプのシートは、車両衝突時に、シートベルトを介して、このシートベルトのショルダー側支持部に強い衝撃荷重が加わる。このため、シートバックフレーム、特に、前記ショルダベルト部の支持部を設けた、前記主側のバックサイドフレームは、これらの衝撃荷重に対して、破断や座屈変形しないように、高い変形強度が求められる。
このような衝撃荷重は、シートベルトに沿って、シート前方方向(車両前方側)だけでなく、シート内側方向(車両幅方向の車両内部側)にも若干加わる。このため、前記バックサイドフレームには、後述する通り、曲げモーメントだけでなく、ねじりモーメントも加わる。このねじりモーメントは、斜めにかけ回されたシートベルト方向に沿って、バックサイドフレーム上端をシート内側方向に回転させるようなモーメントである。また、曲げモーメントは、バックサイドフレームの上端を前およびシート内側方向に曲げるように加わるモーメントである。
車両衝突時にバックサイドフレームに加わる前記曲げモーメントは、バックサイドフレームの下端(リクライナとの接合部)で最大値を示し、車両前方側およびシート内側部に圧縮、シート後方および幅方向外側に引張応力が生じる。変形強度を高くするためには、座屈変形を防止することが重要であり、車両前方および内側の耐座屈荷重を大きくすることが重要となる。
また、ねじりモーメントに対する変形強度も上げることが重要である。このねじり強度は、閉断面構造を採用することで、顕著に向上することが知られているため、シートベルト支持部を設けた、主側(メイン側)のバックサイドフレームのみ閉断面構造にすることが提案されている(特許文献1参照)。
従来から、このような閉断面構造のバックサイドフレームには、鋼管と鋼板のプレス成形品を組み合わせた構造が主に用いられてきた(特許文献2参照)。
一方、近年では、自動車車両の軽量化の観点から、シート自体を軽量化することも望まれているため、前記シートバックフレーム構造に用いる素材も、従来の軟鋼板から高張力鋼板、さらにはアルミニウム合金材やマグネシウム合金材などの軽量素材の適用が検討あるいは実用化されてきている。
特にアルミニウム合金材は、従来から使われている鋼板や鋼材に比べて軽量であることから、前記シートバックフレーム構造への適用が期待されている。これまでに、プレス成形あるいはロール成形で形成したアルミニウム合金板材の接合構造(特許文献3参照)、アルミニウム合金鋳造品(特許文献4参照)、あるいはアルミニウム合金押出形材からなるシートバックフレームが検討あるいは実用化されている。
しかし、アルミニウム合金材料は、鋼板に比べて素材コストが高いことから、加工あるいは接合コストを出来るだけ抑えることが課題となる。
前記した通り、曲げおよびねじりモーメントを受ける部品において、剛性、強度要件を満足した上でより軽量化するためには、前記したように閉断面構造を採用することが望ましい。但し、アルミニウム合金板材から閉断面フレーム部品を製造する場合、鋼板と同様にプレスあるいはロール加工後に接合することになるが、アルミニウム合金材料は、接合コスト自体も、鋼板に比べて高価であり、素材費に加えて接合コストも高くなることが問題になる。
一方、鋳造構造は、他部品との取り付け部などを一体的に形成可能という利点はあるものの、閉断面中空部を形成することが難しいという問題がある。このため、鋳造バックサイドフレームは、コの字型断面形状を基本とし、強度や剛性の確保のために、補強リブを設けることが一般的であるが、前記中空閉断面構造に比べて重量が重くなるという問題がある。
これに対して、アルミニウム合金押出形材は、溶接を伴わず、予め閉断面構造をその長手方向(長尺方向)に亘って均一に有する直線部品を、簡便に形成(製造)可能という大きな利点がある.また、前記アルミニウム合金板材や鋳造品に比べて、比較的強度の高い素材が適用できることも魅力である。ただ、アルミニウム合金押出形材の問題点は、1.形材長手方向に断面を可変させることが難しい点と、2.高強度材になるほど、素材伸びが低いため、押出後の素材を後加工する場合には破断が生じやすいことである。
前記主側バックサイドフレームに加わる前記曲げモーメントは、前述したようにフレーム下端で最大になる。つまり、効率的にフレームを軽量化するためには、フレーム下端ほど曲げ強度が高くなるように断面を大きく設計することが必要となる。しかし、アルミニウム合金押出形材は、その長手方向(押出方向)に断面を可変させることが難しいため、そのような設計が難しい。
一旦製造した、アルミニウム合金押出形材の長手方向に均一な断面を、長手方向で可変させるための手段には、プレス加工やハイドロフォームなどの後加工があるが、加工コストが高くなるとともに、前述したように素材伸びが低いために破断が生じやすく、製品形状が制限される。特に高強度の7000系合金を用いる場合には、加工後の高残留応力に起因する応力腐食割れも問題となる懸念がある。
このようなアルミニウム合金押出形材を用いた可変断面フレーム構造として、アッパーバックフレームとバックサイドフレームとを曲げ加工することで一体的に形成し、一部を切除(切断)することで、シートバックフレームを構成することが提案されている(特許文献5、6参照)。ただ、これらは、前記切断加工により、突出フランジを形成して、バックサイドフレームの上側と下側の断面を変化させているが、切断により廃棄される部分が多く、材料歩留まりが非常に悪い。また、本構造を、前記シートベルト内蔵型シートの主側バックサイドフレームに適用した場合、突出フランジが圧縮応力の加わるシート(車両)前方に位置することで、座屈変形が容易に生じ、所定の変形強度が得られない。
また、前記曲げ加工を行わず、アルミニウム合金押出形材同士を嵌合して継ぎ手構造とすることも提案されている(特許文献7、8参照)。しかし、嵌合用のリブが、長手方向全面に渡って不必要な部位まで設けられることで、重量が増加するという問題がある。
更に、バックサイドフレームや、これらをつなぐアッパメンバ(アッパーバックフレーム)、ロアメンバ(ロアバックフレーム)を各々アルミニウム合金押出形材から構成して、これらを一体化させたシートバックフレーム構造も検討あるいは実用化されている(特許文献9参照)。
特開2002−59770号公報 特許第4006806号公報 特開平11−244088号公報 特開2004−229688号公報 特許第2647979号公報 特許第2694031号公報 特開2001−17263号公報 特開平09−136612号公報 特開2000−262349号公報
前記した通り、アルミニウム合金押出形材を用いたシートバックフレームは種々提案されている。しかし、リクライニング装置を備えた3点式シートベルト内蔵型の車両用シートにおいて、前記ショルダベルト部の支持部を設けた前記主側バックサイドフレームとして、アルミニウム合金押出形材が実用化された例はこれまで非常に少ない。
これは、前記したように長手方向に均一断面形状のフレームとしたことにより、過剰設計になったことで重量増加および、素材費用向上によるコストアップによる問題が主原因である。
つまり、前記提案されているシートバックフレームあるいはバックサイドフレームのような長手方向に一様断面の形状や構造では、所定の変形強度が得るためには、過剰設計にならざるを得ないため、重量増加およびコストアップが最大の問題になっていた。
また、前記従来の閉断面構造の主側バックサイドフレームだけではなく、前記した特許文献5、6のように、更に、車両前方側に向けた前記フランジ部をバックサイドフレーム下端に設けた構造の場合、曲げ剛性は高くなるものの、突出フランジ部で弾性座屈が生じるため、所定の曲げ強度が得られないという問題がある。
したがって、本発明の目的は、シートベルト内蔵型シートにおいて、車両衝突時にシートベルトを介して加わる変形荷重に対して、高い変形強度が得られるとともに、軽量、かつ、加工コストも低減可能な、アルミニウム押出形材製の主側バックサイドフレームを有する車両用シートを提供することである。
上記目的を達成するための本発明の車両用シートの要旨は、シートバックフレームがシートクッションフレームに対してリクライニング装置を介して起伏可能に連結されるとともに、シートベルトのショルダベルト部を前記シートバックフレームの一側に備えられた主側バックサイドフレームの上部を介してシートバックフレームに取り付けた、シートベルト内蔵型の車両用シートであって、前記バックサイドフレームを、閉断面構造とするとともに、この閉断面構造の全長に亙って車両後方側に突出した突出フランジを予め一体に設けたアルミニウム合金押出形材とし、更に、前記突出フランジを前記閉断面構造を構成する車両後方側後面壁の車両幅方向の中央位置よりも前記車両用シート幅方向外側寄りの位置から突出させるとともに、この突出フランジの幅が前記バックサイドフレーム上端側よりも下端側の方が広くなっていることである。
ここで、前記突出フランジの突出位置を表した「車両用シート幅方向」とは、車両幅方向」と同じ意味で、前記「車両用シート幅方向外側寄りの位置」とは、「車両の幅方向の外側寄りの位置」の意味である。ただ、この突出フランジの突出位置を車両用シートとの関係、すなわち、このシートの幅方向の位置関係で、具体的に表現するために、この箇所だけは「車両用シートの幅方向」にて規定した。
前記した通り、車両衝突時の衝撃荷重によって、前記シートバックフレームあるいは前記主側バックサイドフレームに加わる曲げモーメントは、前記した通り、フレーム下端で最大になる。このため、効率的に、これらフレームの変形強度を高めるためには、フレーム下端ほど曲げ強度が高くなるように断面を大きく設計する必要がある。
但し、このフレーム下端ほど断面を大きくするに際しては、どの方向に断面を大きくするかが重要となる。この点は、前記シートベルト内蔵型シートのシートバックフレームにおいて、特に、前記主側バックサイドフレームにおいて顕著となる。つまり、主荷重方向である車両前後方向に対して断面を大きくし、断面の曲げ強度を大きくすることが望まれる。
これに対して、本発明者らは、前記シートベルト内蔵型シートの前記主側バックサイドフレームにおいては、車両衝突時の衝撃荷重によって、シートベルト(ショルダベルト部)を介して加わる、ねじりモーメントも含めた曲げモーメントによって、バックサイドフレームの車両後方側には引張荷重のみが加わり、バックサイドフレームの車両前方側には圧縮応力のみが加わることを知見した。
この事実は、前記シートベルト内蔵型シートのシートバックフレームにおいて、前記主側バックサイドフレームにおいては、このような応力のかかり方に応じて、主側バックサイドフレームの車両後方側と車両前方側とで、所定の変形強度を得るための最適な断面形状が各々異なることを意味している。
このため、本発明では、特に前記主側バックサイドフレームにおいて、引張荷重のみが加わる同フレームの車両後方側には、軽量化のためにも前記閉断面構造をあえて構成(配置)せずに、車両後方側に向かって上下方向に延在する突出フランジ部のみを配置している。
ただ、前記主側バックサイドフレームの長手方向(上下方向)で、この突出フランジ部の幅が同じで、この突出フランジ部の断面形状が長手方向に一様であれば、この突出フランジ部のフレーム下端側での変形強度が不足しすい。即ち、突出フランジ部の上下両端を支持あるいは接合された場合を想定すると、車両衝突時には、シートベルト(ショルダベルト部)を介して、フレーム下端側を支点とし、フレーム上端側を作用点としたような、ねじりと曲げとのモーメントが負荷される、大きな衝撃荷重が加わる。このため、特に前記支点となる突出フランジ部のフレーム下端側で、破断や座屈変形しやすくなり、変形強度が不足しやすい。
このため、本発明では、前記主側バックサイドフレームにおいて、前記閉断面構造から車両後方側に向かって延在する突出フランジ部のフレーム下端側の幅を、フレーム上端側に比べて大きくして、突出フランジ部のフレーム下側ほど、断面幅が増大するようにして、曲げ変形強度を高くする。
この一方で、本発明では、前記主側バックサイドフレームにおいては、前記曲げモーメントに起因する圧縮応力が加わる車両前方側に、従前からの手段である中空構造である閉断面構造分を構成(配置)する。この閉断面構造は、同フレームの長手方向に亙って(長手方向の全面に亙って)設けられていることで、特にねじり変形(モーメント)に対する強度を顕著に向上できるという効果がある。また、圧縮応力の加わる車両前方側に、この閉断面構造を配置することで、同時に座屈強度も向上できるという効果がある。
これによって、本発明では、前記主側バックサイドフレームにおいて、シートベルトを介して、シートベルトのショルダー側支持部に強い衝撃荷重が加わっても、破断や座屈変形しない高い変形強度を得ることができる。しかも、この効果をアルミニウム合金押出形材による軽量化効果を阻害しない範囲で達成できる。
これに対して、前記特許文献7、8の前記主側バックサイドフレームでは、閉断面構造に加えて、更に、車両前方側に向けたフランジ部をフレーム下端に設けている。一見同様に曲げ強度は上がるように見えるが、現実的には弾性座屈が生じて所定の変形強度が得られないことになる。
ただ、アルミニウム合金押出形材は、押出材である必然性から、断面形状が長手方向に(押出方向に)一様となり、その長手方向に(押出方向に)断面を可変させることが難しい。このため、本発明の前記閉断面構造は、断面形状が長手方向に(押出方向に)一様で良いものの、この閉断面構造に予め一体に設けられるように、熱間押出工程で一体に押し出されることを想定している前記突出フランジ部を、前記した通り、その長手方向に亙って断面幅が変化するように押出することは技術的にできない。
このような押出による可変断面幅製造の困難性が、前記特許文献7、8のように、敢えて材料歩留まりが非常に悪くても、車両前方側に向けたフランジ部を、アルミニウム合金押出形材の両サイド側からの折り曲げ部を切断加工によって、可変断面幅としている理由である。
アルミニウム合金押出形材の長手方向に断面を可変させるための手段には、プレス加工やハイドロフォームなどの後加工があるが、加工コストが高くなるとともに、アルミニウム合金素材の伸びが低いために破断が生じやすく、製品形状が制限されるという大きな問題がある。特に高強度の7000系合金を用いる場合には、加工後の高残留応力に起因する応力腐食割れも問題になる懸念がある。そして、このような押出による可変断面幅製造の難しさが、アルミニウム合金押出形材を用いた場合に、本発明のような可変断面幅の部材を想定しにくい所以(阻害要因)でもある。
これに対して、本発明では、前記アルミニウム合金押出形材からなるバックサイドフレームを、図2で後述する通り、素材アルミニウム合金押出形材を二分して簡便に得ることができる。したがって、前記特許文献7、8のような材料歩留まりが非常に悪い切断加工によらずとも、可変断面幅としたアルミニウム合金押出形材を簡便に得ることができる。
本発明車両用シートを示す斜視図である。 図1のバックサイドフレームに使用するアルミニウム合金押出形材の一態様を示す斜視図である。 図2のアルミニウム合金押出形材のバックサイドフレームとしての取り付け方を示す斜視図である。 図3のa−a断面図である。 図1のバックサイドフレームに使用するアルミニウム合金押出形材の別の態様を示す斜視図である。 図1のバックサイドフレームに使用するアルミニウム合金押出形材の別の態様を示す断面図である。 図1のバックサイドフレームに使用するアルミニウム合金押出形材の別の態様を示す断面図である。 図1のバックサイドフレームに使用するアルミニウム合金押出形材の別の態様を示す断面図である。
以下に、本発明車両用シートの実施の形態につき、図面を用いて説明する。
(車両用シートの基本構成)
図1の車両(車体)用シートは、自動車などのリクライニング装置を備えた3点式シートベルト内蔵型の車両用シートを示している。図1の車両用シートは、自動車の前方(図1の左側方向)に向かって、車両の右側の運転者席(運転者席側のシートベルト)を示しており、図示はしないが、図1の車両用シートの左側に、車両前方に向かって右側のサイドドアがある。したがって、図1において、車両幅方向(前記車両用シート幅方向)とは左肩上がりの斜め左右方向であり、車両前後方向とは右肩上がりの斜め左右方向である。なお、以下、車両の前後方向や幅方向を指す場合には、車両の前後方向や幅方向とも言う。
以下の説明では、前記運転者席を中心に行うが、他の、車両の左側の助手席(助手席側のシートベルト)や後部座席側でも、3点式シートベルト内蔵型の車両用シートとする場合の構成は、この運転者席と基本的には同じである。
図1に示す車両用シートの態様は、クッション材やカバー材などは省いた骨組みのみを示している。図1において、車両用シートは、大別すると、横方向に延在して乗員が座るシートクッションあるいはシートクッションフレームAと、上下方向に延在して座った乗員が背をもたれるシートバックあるいはシートバックフレームBとから構成される。即ち、シートクッションフレームAの後部に、リクライニング装置(リクライナ)Cを介して、シートバックフレームBを起伏の可動が可能(起伏可能)に連結し、更に3点式のシートベルト16を設けたものである。ここで、これら三者は、図示する通り、リクライナCに設けたボルトなどを用いて結合されているが、このような結合手段は、前記起伏の可動部以外は、ボルト以外でも、他に溶接などの公知の締結手段を用いるか併用されて良い。
シートクッションフレームAの構成:
このうち、先ず、前記シートクッションフレームAは、互いに平行に間隔を開けて車両前後方向に延在する2本のシートクッションサイドフレーム10、10を、例えば、その長手方向(車両前後方向)の両端部同士を、車両幅方向に延在する2本の平行なフレーム12、13(12が車両前側、13が車両後ろ側)により互いに連結した構成からなる。
この他、図示はしないが、シートクッションフレームAとしては、公知のより詳細な構造をしている。即ち、各シートクッションサイドフレーム10、10の間には、車両幅方向に延びる複数のクッションパッド受けワイヤなどの弾性支持部材が溶接されている。また、これら各シートクッションサイドフレーム10、10は、それぞれの下部に取り付けたアッパレールなどを介して、車両のフロアに取り付けたロアレールとの係合により、車両の前後方向に、車両用シートの位置調節が可能に支持されている。
シートバックフレームBの構成:
また、前記シートバックフレームBは、互いに平行に間隔を開けて車両上下方向に立設、延在する、主側と副側の2本のバックサイドフレーム(支柱)1、11同士を、その両端部で、車両幅方向に延在する2本の平行なフレーム14、15(14が車両上側、15が車両下側)により互いに連結した構成からなる。これら主側バックサイドフレーム1、福側バックサイドフレーム11は、車両の上下方向で、やや車両の後方側に傾いて延在し、各々前記シートクッションフレーム10、10の後端側に設けられたリクライナ23、23に、その下端1bおよび11bがボルトを介して支持されている。これによって、シートバックフレームB(バックサイドフレーム1、11)の車両上下方向の傾斜角度が調節可能(起伏可能)に、リクライナ23、23を介して各々立設されている。
ここにおいて、シートベルト16が設けられる(装着される)、この図の態様では車両幅方向外側(図1の左側)の、主側バックサイドフレーム1が、開断面構造とフランジとを有する本発明のアルミニウム合金押出形材からなるフレームである。
3点式シートベルト:
前記バックサイドフレーム1に設けられる(車両用シート内蔵型の)シートベルト16が所謂3点式シートベルトである。シートベルト16は、図1に示すように、シートベルトの中間部であるショルダベルト部18を、シートバックフレームBの一側(一方側)に備えられた、主側バックサイドフレーム1の上部(上端)1aを介して、シートバックフレームBに取り付けられる。より具体的に、シートベルト16の一端は、前記シートクッションAの主側(車両幅方向外側、図1の右側)のシートクッションサイドフレーム10に設けたバックル21にセットされる。また、シートベルト16の他端は、乗員の身体にかけ回されるシートベルトのショルダベルト部18が、一旦、主側バックサイドフレーム1の上端1a側に設けたブラケット24のゲート型保持部(ショルダアンカー部)25の空間を介して、バックサイドフレーム1の上端1a側にかけ回される。その上で、その後端部17が端部17aで、フレーム15に設けられた巻き取り用リトラクタ22によって、巻き取り可能に支持されている。
乗員の身体にかけ回したショルダベルト部18は、その先端部18aに設けたタング20を介して、前記シートクッションAの車両幅方向内側(図1の右側)のシートサイドフレーム10に設けたバックル21にセットされる。と同時に、乗員の膝部にかけ回したシートベルトの前端部19も、その先端部19aが、前記シートベルトの中央部18の先端部18aとともに、前記タング20に固定されており、シートフレーム10に設けたバックル21にセットされる。
反対側のバックサイドフレーム:
ここで、前記主側バックサイドフレーム1の反対側(車両幅方向内側)の、副側バックサイドフレーム11は、前記バックサイドフレーム1ほど強度を必要としない。このため、図1はコの字状の開断面構造のアルミニウム合金製あるいは鋼製のフレームとしている。この副側バックサイドフレーム11は、主側バックサイドフレーム1と同じ本発明のアルミニウム合金押出形材からなるフレームとしても勿論良い。ただ、必要な強度や軽量化要求を満たせれば、従来のバックサイドフレーム構造でも良く、主側バックサイドフレーム1の閉断面構造とは断面形状が異なる閉断面構造や開断面構造でも良く、材質もアルミニウム合金材や鋼材などが適宜選択される。但し、車両用シートの軽量化の点では、この副側バックサイドフレーム11もアルミニウム合金押出形材やアルミニウム合金板の成形材(板材)とすることが好ましい。
他の車両用シート部分の構成:
以上のフレームの骨組みに対して、最終的なシートクッションAやシートバックBとしては、これらの表面(外周)に、公知の、適度の弾性や柔軟性を有する、ウレタン発泡体などよりなるメインパッド(座席クッション)や、表皮(座席シート)が被覆されて、最終的な車両用シートとされる。
なお、前記バックサイドフレーム1以外の他の車両用シート部分の構成は、シートクッションAや、シートバックBのフレーム(骨組み)構造など、図1の実施態様以外にも、車両用シートの設計や要求特性に応じて、適宜あるいは種々の構造や材質が選択可能である。このように、本発明の車両用シートは、前記バックサイドフレーム1などの部分的な変更だけで前記本発明の目的が達成できる。したがって、前記本発明の目的達成のために、他の車両用シート部分全てを変更せずとも、後の車両用シートの構造は、例えば、これまで使用していた構造や材質がそのまま使用できる利点もある。
(バックサイドフレーム1)
以下に、シートベルト16がかけ回される側の本発明に係る主側バックサイドフレーム1につき、図2以下なども用いて、より詳細に説明する。
図1に示す通り、アルミニウム合金押出形材製の主側バックサイドフレーム1は、シートバックフレームBのうち、車両左側(図1の左側)に立設する長尺の閉断面構造8を有する。この閉断面構造8は、その全長に亙って、押出によって、予め一体に設けた、車両後方側(図1の右側)に突出して延在、立設する平坦な突出フランジ部6を有する。したがって、この閉断面構造8は突出フランジ6の車両前方側に位置する。この突出フランジ部6は、前記閉断面構造8を構成する車両後方側(図1の右側)の後面壁5の車両幅方向(図1の左右方向)の中央位置(後面壁5の車両幅方向の幅の中心部、図1のd/2部)よりも、前記車両用シート幅方向外側寄りの(図1の左側寄りの)位置から車両後方側(図1の右側)に突出している。更に、この突出フランジ部6の幅は、主側バックサイドフレーム上端1a側よりも、下端側1bの方が広くなっている。すなわち、図1の態様では、閉断面構造8の上端部側(バックサイドフレームの上端部側1a)から下端部側(バックサイドフレームの下端部側1b)に向かって、狭幅から広幅になるように連続的に変化する形状を有している。
この主側バックサイドフレーム1を構成するアルミニウム合金押出形材1を、図2に示す。なお、この図2では、一つの素材アルミニウム合金押出形材9から、突出フランジ6の部分で斜めに切断して二分し、2個のアルミニウム合金押出形材1、1を各々得る態様を示している。すなわち、素材アルミニウム合金押出形材を、全長に亙って断面形状が同じである2本の平行な長尺の閉断面構造8、8と、これら閉断面構造8、8間に介在して、これら閉断面構造8、8同士を互いにつなぐ平坦な突出フランジ部6とからなる、長手方向に(押出方向に)一様な断面形状として押し出す。そして、この素材アルミニウム合金押出形材において、前記突出フランジ部の部分を長手方向に亙って斜めに切断することによって、この素材アルミニウム合金押出形材を平面視した場合に互いの形状が点対称になるように二分し、得ることができる。
各々のアルミニウム合金押出形材1は、前記した主側バックサイドフレーム1に各々対応した断面形状や全体構造(形状)を有する。即ち、先ず、長尺の閉断面構造8と、この閉断面構造8の全長に亙って延在する平坦な突出フランジ部6とからなっている。この図1の態様では、閉断面構造8は、その壁面が車両幅方向に互いに平行に延在する2枚のフランジ壁4、5と、これらフランジ壁4、5同士を互いに連結するとともに、その壁面が車両長手方向に互いに平行に延在する2枚のウェブ壁2、3とで形成される矩形断面を有する。
前記フランジ壁5は、前記図1での後面壁5となる車両幅方向に延在するフランジ壁5であって、平坦な板状の突出フランジ部6を、閉断面構造8の全長に亙って、かつ側方に向かって、即ち、前記図1での車両後方側に向かって、突出させている。したがって、反対側のフランジ壁4は前記図1での前面壁4であり、前記ウェブ壁2、3は前記図1での車両前後方向に延在するウェブ壁2、3である。
この突出フランジ部6は、そのフランジ幅が、一端6a側から他端6b側に向かって、狭幅から広幅になるように連続的に変化する形状を有している。これを前記図1と対応させると、この突出フランジ部6のフランジ幅は、突出フランジ部6の端部6aである、前記閉断面構造8の上端部側あるいは主側バックサイドフレームの上端部側1aから、端部6bである、前記閉断面構造8の下端部側あるいは主側バックサイドフレームの下端部側1bに向かって、狭幅から広幅になるように連続的に変化する形状を有している。ここで、この突出フランジ部6のフランジ幅の変化は、図2に示すように直線状に連続的に変化しなくても、前記切断によって形成できるものであれば、図5に示すような折れ線状あるいは階段状、更には段階的などに変化しても良い。
主側バックサイドフレーム1の作用効果:
このような主側バックサイドフレーム1の構造は、車両衝突時に、シートベルト内蔵型車両シート(主側バックサイドフレーム1)に、シートベルトを介して、車両前方および前記車両用シート幅方向内側方向に加わる衝撃荷重に対して、比較的軽量で、高い変形強度を得ることができる。
車両の衝突時などには、図1の車両用シートの着座者は、シートベルト16により拘束されて保護されているが、この状態で、シートバックB(主側バックサイドフレーム1)には、前記車両衝突荷重に起因する大きな複合モーメントが負荷される。この複合モーメントは、図1に矢印で示す通り、車両前方側に向く曲げモーメントM1に加えて、車両シート内側にも向いたねじりモーメントM2からなる。
このねじりモーメントM2は、前記した通り、斜めにかけ回されたシートベルト18方向に沿って、主側バックサイドフレーム1の上端をシート内側方向に回転させるようなモーメントである。また、曲げモーメントM1は、主側バックサイドフレーム1の上端を前およびシート内側方向に曲げるように加わるモーメントである。
これを考慮した、主側バックサイドフレーム1の軽量化と変形強度向上を両立するためのポイントは、ねじり強度の向上、曲げモーメントに起因する車両前方側部の座屈防止、主側バックサイドフレーム1の上端側に対して下端側の変形強度をより高くすることの3点になる。
閉断面構造の機能:
本発明に係る主側バックサイドフレーム1は、図1から分かる通り、曲げモーメントに起因する圧縮応力が加わる車両前方側に、閉断面構造8を有する。このような閉断面構造は、押出材の特徴でもある、主側バックサイドフレーム1の長手方向全面に亙って、一様な断面形状で設けられていることで、前記した通り、前記ねじりモーメントによるねじり変形に対する、主側バックサイドフレーム1の前記ねじり強度を顕著に向上できるという効果がある。また、前記曲げモーメントに起因する圧縮応力の加わる車両前方側に閉断面構造8を配置することで、前記車両前方側部の座屈防止のための、座屈強度も向上できるという効果がある。
なお、前記した曲げモーメント負荷による曲げ変形において、より高い曲げ強度を得て、より軽量化を図るためには、主側バックサイドフレーム1あるいは閉断面構造8の中立軸から遠い位置の断面積を大きくすることが有効である。この点で、車両前方側には、前記フランジ5と同じく、車両幅方向(前記車両用シート幅方向)に平行な壁面を有するフランジ4を設けることが望ましい。
そして、リクライナ23との接合性を考慮すれば、平板状のリクライナ23の車両前後方向に延在する接合面との接合のために、このフランジに直交し、車両前後方向に延在する接合面(壁面)を有するウェブ2、3を設けることが望ましい。このようにウェブ2、3を設ければ、別途、座面などを設けなくても、接合面が形成できるために好ましい。そして、これらの条件全てを満足するためには、閉断面構造8の中空断面形状は図1のような矩形であることが好ましい。
突出フランジ部の機能:
ここで、主側バックサイドフレーム1は、閉断面構造8を構成するフランジ壁5(前記図1での後面壁5)から、平坦な板状の突出フランジ部6を車両後方側に突出、延在させている。
前記図1の態様では、主側バックサイドフレーム1は、閉断面構造8を構成するフランジ壁5(前記図1での後面壁5)の、車両幅方向の中央位置(中心部)d/2よりも前記車両用シート幅方向に外側寄り(図1の左側寄り)の部分から、平坦な板状の突出フランジ部6を車両後方側に突出させている。このように、前記突出フランジ部6を、前記閉断面構造8の後面壁5の車両幅方向の中央位置d/2からか、または、この中央位置d/2よりも前記車両用シート幅方向に外側寄り(図1の左側寄り)の部分から、車両後方側に突出、延在させることが好ましい。後面壁5のいずれの部分(位置)から突出フランジ部6を車両後方側に突出させるかは、後述する曲げ変形強度向上効果の発揮を前提として、この後面壁5への、車両幅方向に延在する2本の平行なフレーム14、15の端部との接合の仕方(接合位置や余地)などの他の部材との接合関係によっても設計される。
ここで、フランジ壁5の前記車両用シート幅方向に外側寄りの部分とは、立設されているフランジ壁5の車両幅方向(横方向)の幅dの中央部分(d/2部分)から、前記車両用シート幅方向の外側寄り(前記図1の左側寄り)のフランジ壁5部分の意味である。そして、この突出フランジ部6は、前記閉断面構造8の全長に亙って、かつ側方に向かって、即ち、前記図1での車両後方側(前記図1の右側方向)に向かって突出、延在している。
前記車両衝突荷重に起因する曲げモーメントM1に加えたねじりモーメントM2が加わっても、主側バックサイドフレーム1の車両後方側(前記図1の右側方向)には、引張荷重のみが加わる。したがって、主側バックサイドフレーム1のこの車両後方側に、閉断面構造8をあえて構成する必要はなく、本発明では、軽量化および主側バックサイドフレーム1への加工性を考慮して、平坦な板状の突出フランジ部6で構成している。そして、この突出フランジ部6の幅を、前記した通り、主側バックサイドフレーム1の上端側1aに比べて下端側1bを広幅にしていることで、主側バックサイドフレーム1の下方ほど断面幅が増大するようにし、重量増加を最小限に抑制して、曲げ変形強度を高くすることができる。
このような突出フランジ部6は、圧縮応力に対しては座屈変形しやすいという問題があるため、前記した通り、衝突時に引張荷重のみが加わる車両後方側に配置する必要がある。また、前記したシート内側方向へのねじり荷重もシートベルト16を介して負荷されることを考慮する必要がある。これに対しては、フランジ壁5に突出フランジ部6を設ける(突出させる)、フランジ壁5の幅方向の位置を、前記した通り、フランジ壁5の車両幅方向に外側寄りの部分、即ち、閉断面構造8の断面中央(フランジ壁4、5の幅方向中央部)よりも車両幅方向(前記車両用シート幅方向)のより外側に位置(配置)させることが必要である。
また、同じ主側バックサイドフレーム1の構成であっても、より高い曲げ強度を得て、より軽量化を図るためには、主側バックサイドフレーム1の中立軸から遠い位置の断面積を大きくすることが有効である。この効果を高めるために、前記突出フランジ部6は、前記閉断面構造8の後面壁5の車両幅方向の中央位置d/2からか、または、この中央位置d/2よりも前記車両用シート幅方向に外側寄り(図1の左側寄り)の部分から、車両後方側に突出、延在していることが好ましい。そして、フランジ壁5の車両幅方向(シート幅方向)の最外側、つまり、前記閉断面構造8の後面壁5の車両幅方向の中央位置よりも最も前記車両用シート幅方向外側寄りの位置から突出する(最も車両外側寄りの位置に配置されている)ことが好ましい。
図1で一点鎖線で示す線が主側バックサイドフレーム1の中立軸である。図1の態様は、この一点鎖線で示す中立軸から遠い位置の断面積を大きくするための具体的な態様を示しており、主側バックサイドフレーム1の前記突出フランジ部6が、前記閉断面構造8の後面壁5の前記車両用シート幅方向に最も外側寄りの部分から、車両後方側に突出している。このため、この図1の態様では、主側バックサイドフレーム1の前記突出フランジ部6の車両幅方向の外側の面が、前記閉断面構造8を構成する前記車両用シート幅方向の外側の外壁面であるウエブ壁3の外壁面と面一である。
図6は、比較のために、図1の突出フランジ部6よりも、閉断面構造8を構成するフランジ壁5の前記車両用シート幅方向により内側から突出させている突出フランジ部6を示している。ここで、図6も、閉断面構造8を構成するフランジ壁5(前記図1での後面壁5)の前記車両用シート幅方向に外側寄りの部分から、突出フランジ部6を車両後方側に突出させている点は同じである。なお、図6でも一点鎖線で示す線が主側バックサイドフレーム1の中立軸である。
閉断面構造の中空断面形状:
主側バックサイドフレーム1の閉断面構造8の中空断面形状自体は、押出によって安価に製造可能で、本発明効果が発揮できる形状であれば、車両用シートや他の部材の設計範囲内で、自由に設計できる。
図7、8は、図1の矩形中空断面形状以外の、三角形の中空断面形状を示している。図8は、主側バックサイドフレーム1の前記突出フランジ部6が、前記閉断面構造8の後面壁5の前記車両用シート幅方向に最も外側寄りの部分から車両後方側に突出し、突出フランジ部6の前記車両用シート幅方向の外側の面が、前記閉断面構造8を構成する前記車両用シート幅方向の外側の外壁面であるウエブ壁3の外壁面と面一である。図7は、前記図6と同様に、図8の突出フランジ部6よりも、閉断面構造8を構成するフランジ壁5の前記車両用シート幅方向により内側から突出させている突出フランジ部6を示している。なお、図7、8でも一点鎖線で示す線が主側バックサイドフレーム1の中立軸である。
アルミニウム合金押出形材:
このような主側バックサイドフレーム1は、前記図2の通り、一つの素材アルミニウム合金押出形材から、突出フランジ6の部分で斜めに切断加工して二分し、2個のアルミニウム合金押出形材1、1として、各々得ることができる。図2の素材アルミニウム合金押出形材は、主側バックサイドフレーム1用の(主側バックサイドフレーム1と同じ)閉断面構造8を両端部に平行に2個配置し、その間をつなぐ、主側バックサイドフレーム1用の(主側バックサイドフレーム1と同じ)平坦な板状フランジ6からなる。
この図2に示す、アルミニウム合金押出形材1を、主側バックサイドフレーム1として、前記シートバックBへ取り付ける一態様を、図3に斜視図で、図4に図3のa−a断面図で、各々示す。なお、この図2で示す、アルミニウム合金押出形材1の各所に設けた7は、各々アルミニウム合金押出形材1の閉断面構造8や突出フランジ部6に設けたボルト締結用の貫通穴である。
図3、4に示すように、アルミニウム合金押出形材1の主側バックサイドフレーム1としての下端側1bは、公知のリクライナ23と結合される。図4により詳細に示すように、この主側バックサイドフレーム1の下端側1bでは、閉断面構造8がウェブ2、3に各々設けた貫通穴7にボルト30を挿入し、ナット31でボルト30の軸部を固定することで、介装されるカラー26を介して、リクライナ23と結合される。また、突出フランジ部6が、設けた貫通穴7にボルト30を挿入し、ナット31でボルト30の軸部を固定することで、リクライナ23と結合される。また、アルミニウム合金押出形材1の主側バックサイドフレーム1としての上端側1aは、前記図1に示したように、公知のゲート型保持部25を有するブラケット24と、図示はしないが前記リクライナ23と同様にボルト結合される。
本発明におけるアルミニウム合金押出形材の、最も薄い壁の厚みは、軽量化を阻害せずに、前記必要な強度を満たすことを考慮すると、1.8mm〜3mmの範囲であることが好ましい。また、押出形材に適用するアルミニウム合金は、軽量化を阻害せずに、前記必要な強度を満たすためには、高強度なA6000系かA7000系のアルミニウム合金が好ましい。
本発明によれば、シートベルト内蔵型シート構造において、軽量化のためにアルミニウム合金押出形材をバックサイドフレームに用いたとしても、車両衝突時にシートベルトを介して加わる、前記複合モーメントからなる変形荷重に対して、高い変形強度が得られる車両用シートを提供できる。このため、軽量化と変形強度とがともに要求される、自動車などのリクライニング装置を備えた3点式シートベルト内蔵型の車両用シートに好適である。
1:アルミニウム合金押出形材(主側バックサイドフレーム)、2、3:ウエブ壁、4、5:フランジ壁、6:突出フランジ部、7:貫通穴、8:閉断面構造、9:素材アルミニウム合金押出形材、10:クッションサイドフレーム、11:副側バックサイドフレーム、12、13:フレーム、14、15:フレーム、16、17、18、19:シートベルト

Claims (5)

  1. シートバックフレームがシートクッションフレームに対してリクライニング装置を介して起伏可能に連結されるとともに、シートベルトのショルダベルト部を前記シートバックフレームの一側に備えられた主側バックサイドフレームの上部を介して前記シートバックフレームに取り付けた、シートベルト内蔵型の車両用シートであって、前記バックサイドフレームを、閉断面構造とするとともに、この閉断面構造の全長に亙って車両後方側に突出した突出フランジを予め一体に設けたアルミニウム合金押出形材とし、更に、前記突出フランジを前記閉断面構造を構成する車両後方側後面壁の車両幅方向の中央位置よりも前記車両用シート幅方向外側寄りの位置から突出させるとともに、この突出フランジの幅が前記バックサイドフレーム上端側よりも下端側の方が広くなっていることを特徴とする車両用シート。
  2. 前記突出フランジが前記閉断面構造を構成する車両後方側後面壁の車両幅方向の中央位置よりも最も前記車両用シート幅方向外側寄りの位置から突出する請求項1に記載の車両用シート。
  3. 前記閉断面構造が、車両前方側および後方側に設けられた車両幅方向に延在するフランジと、これらのフランジ同士を連結するとともに、互いに平行に車両前後方向に延在する2枚以上のウェブで形成される矩形断面形状を有する請求項1または2に記載の車両用シート。
  4. 前記バックサイドフレームが、2本の閉断面構造を互いに平行に配置するとともに、これら閉断面構造の間をつなぐ板状フランジからなるアルミニウム合金押出形材を、前記板状フランジの部分で切断加工することで、形成されるものである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用シート。
  5. 前記バックサイドフレーム以外のシートバックフレームを構成するフレームも、アルミニウム合金押出形材またはアルミニウム合金板材から構成されたものである請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両用シート。
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