JP2011143646A - インクジェット画像形成方法およびインクジェット記録媒体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像の耐湿性に優れるインクジェット画像形成方法を提供する。
【解決手段】支持体、ならびに、前記支持体上に設けられ、無機微粒子、カチオンポリマー、および、オキシエチレン基と炭素数3以上のオキシアルキレン基とを含むブロック共重合体を含有するインク受容層を備えたインクジェット記録媒体上にインクを付与するインク付与工程と、前記インクが付与されたインクジェット記録媒体を加熱処理する加熱工程と、を有するインクジェット画像形成方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット画像形成方法およびインクジェット記録媒体の製造方法に関する。
カラー画像を記録する画像記録方法としては、近年、様々な方法が提案されているが、いずれにおいても画像の品質、風合い、記録後のカールなど、記録物の品位に対する要求は高い。
例えば、インクジェット記録方法は、インクを受容する記録層が多孔質構造に構成されたインクジェット記録媒体を用いた方法が実用化されている。その一例として、無機顔料粒子及び水溶性バインダーを含み、高い空隙率を有する記録層が支持体上に設けられたインクジェット記録媒体があり、多孔質構造を有するためにインクの速乾性に優れ、高い光沢を有する等、写真ライクな画像の記録が可能になってきている。
インクジェット技術は、オフィスプリンタ、ホームプリンタ等の分野に適用されてきたが、近年では、商業印刷分野での応用がなされつつある。例えば、画像を高速に又は一度に多数枚を印画したり、あるいはフォトブックなどの商業用のプリント等として両面に画像を記録したりする等の用途に対する要求がある。このような用途では、インクを打滴して画像記録するにあたり、高画質で高光沢な画像をより高速で記録できるだけでなく、記録材料としての品質上、記録画像の濃度や色味が安定していることが求められる。
上記に関連する技術として、支持体上に、オキシエチレン/オキシプロピレンブロック共重合体とカチオン界面活性剤とを含むインク受容層を設けたインクジェット記録用紙が知られており、高い光沢性と高い画像濃度が得られるとされている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−218719号公報
しかしながら、特許文献1に記載のインクジェット記録用紙では、高湿環境下において画像の滲みが発生する場合があった。
本発明は、画像の耐湿性に優れるインクジェット画像形成方法、およびインク吸収性と画像の耐湿性に優れるインクジェット記録媒体の製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 支持体、ならびに、前記支持体上に設けられ、無機微粒子、カチオンポリマー、および、オキシエチレン基と炭素数3以上のオキシアルキレン基とを含むブロック共重合体を含有するインク受容層を備えたインクジェット記録媒体上にインクを付与するインク付与工程と、前記インクが付与されたインクジェット記録媒体を加熱処理する加熱工程と、を有するインクジェット画像形成方法である。
<2> 前記インク受容層における前記ブロック共重合体の含有率が、前記無機微粒子に対して1質量%以上である前記<1>に記載のインクジェット画像形成方法である。
<3> 前記ブロック共重合体は、オキシエチレン基およびオキシプロピレン基からなる前記<1>または<2>に記載のインクジェット画像形成方法である。
<4> 前記ブロック共重合体は、曇点が110℃以下である前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のインクジェット画像形成方法である。
<5> 前記インク受容層は、カチオンポリマーを少なくとも2種含む前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のインクジェット画像形成方法である。
<6> 前記カチオンポリマーの少なくとも1種は、カチオン変性ポリウレタンである前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載のインクジェット画像形成方法である。
<7> 前記加熱処理は、前記インクジェット記録媒体の膜面温度が42℃以上になるように加熱する前記<1>〜<6>のいずれか1項に記載のインクジェッ画像形成方法である。
<8> 支持体上に、無機微粒子、カチオンポリマー、およびオキシエチレン基と炭素数3以上のオキシアルキレン基とを含むブロック共重合体を含有するインク受容層形成用塗布液を塗布して、塗布層を形成する工程と、前記塗布層を、恒率乾燥時の膜面温度が42℃未満となるように乾燥してインク受容層を形成する工程と、を有するインクジェット記録媒体の製造方法である。
<9> 前記インク受容層における前記ブロック共重合体の含有率が、前記無機微粒子に対して1質量%以上である前記<8>に記載のインクジェット記録媒体の製造方法である。
<10> 前記ブロック共重合体は、オキシエチレン基およびオキシプロピレン基からなる前記<8>または<9>に記載のインクジェット記録媒体の製造方法である。
<11> 前記ブロック共重合体は、曇点が110℃以下である前記<8>〜<10>のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体の製造方法である。
本発明は、画像の耐湿性に優れるインクジェット画像形成方法、およびインク吸収性と画像の耐湿性に優れるインクジェット記録媒体の製造方法を提供することを課題とする。
<インクジェット画像形成方法>
本発明のインクジェット画像形成方法は、支持体、ならびに、前記支持体上に設けられ、無機微粒子、カチオンポリマー、および、オキシエチレン基と炭素数3以上のオキシアルキレン基とを含むブロック共重合体(以下、「特定ブロック共重合体」ということがある)を含有するインク受容層を備えたインクジェット記録媒体上にインクを付与するインク付与工程と、前記インクが付与されたインクジェット記録媒体を加熱処理する加熱工程と、を有する。
特定ブロック共重合体を含むインクジェット記録媒体上にインクを付与し、加熱処理することで、耐湿性に優れる画像を形成することができる。
[インク付与工程]
インク付与工程においては、上記特定の構成を有するインクジェット記録媒体上に、インクジェット法でインクを付与して画像を形成する。本発明に好適に用いられるインクジェット記録媒体の詳細については後述する。
本発明に用いられるインクとしては、インクジェット記録に通常用いられるインクを特に制限なく用いることができる。例えば、染料等の色材と、水と、水溶性有機溶剤とを含み、必要に応じて界面活性剤などのその他の成分を含む水系インクを用いることができる。
具体的には例えば、特開2007−138124号公報等に記載のインクを挙げることができ、本発明においてもこれらを好ましく用いることができる。
前記インクジェット法には、特に制限はなく、公知の方式、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式等のいずれであってもよい。
尚、前記インクジェット法には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
インクジェット法で用いるインクジェットヘッドは、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また前記インクジェット法により記録を行う際に使用するインクノズル等については特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択することができる。
また、インクジェット法としては、短尺のシリアルヘッドを用い、ヘッドを記録媒体の幅方向に走査させながら記録を行うシャトル方式のほか、記録媒体の1辺の全域に対応して記録素子が配列されているラインヘッドを用いたライン方式を適用することができる。ライン方式では、記録素子の配列方向と直交する方向に記録媒体を走査させることで記録媒体の全面に画像記録を行うことができる。また、記録媒体だけが移動するので、シャトル方式に比べて記録速度の高速化が実現できる。
インクジェットヘッドから吐出されるインクの液滴量としては、0.2〜10pl(ピコリットル)が好ましく、0.4〜5plがより好ましい。
また、画像記録時におけるインクの最大総吐出量としては、10〜36ml/mの範囲が好ましく、15〜30ml/mの範囲が好ましい。
[加熱工程]
本発明の画像記録方法においては、前記インク付与工程でインクが付与されたインクジェット記録媒体を加熱して、インク溶媒の少なくとも一部を除去、乾燥する加熱工程を備える。
加熱工程は、インクジェット記録媒体上に付与されたインク中の水溶性有機溶剤および水の少なくとも一部を除去することができれば特に制限なく、通常用いられる加熱方法を用いることができる。具体的には、ニクロム線ヒーター等の発熱体で加熱する方法、温風又は熱風を供給する方法、ハロゲンランプ、赤外線ランプなどで加熱する方法など、非接触で加熱する方法を好適に挙げることができる。
加熱工程における加熱温度は適宜選択することができ、例えば、25〜70℃とすることができる。中でも形成される画像の耐湿性の観点から、インクジェット記録媒体の膜面温度が42℃以上になるように加熱することが好ましく、インクジェット記録媒体に含まれる特定ブロック共重合体が、その実質的な曇点以上に加熱されるように加熱することがより好ましい。
特定ブロック共重合体が曇点以上に加熱されることで、特定ブロック共重合体が疎水化する。これにより例えば、付与されたインクに含まれる色材の媒染環境が疎水的になり、その結果画像の耐湿性が向上すると考えることができる。
このような色材の媒染環境の変化は、例えば、加熱工程後のインク受容層における水の接触角が、加熱工程前に比べて大きくなることと対応すると考えることができる。
ここで実質的な曇点とは、インクが付与された状態における特定ブロック共重合体の曇点を意味する。一般に曇点は、例えば、1%水溶液における曇点として測定されるが、本発明における実質的な曇点は、特定ブロック共重合体の濃度やインクに含まれる液媒体に応じて、一般的な曇点よりも低い値となると考えることができる。
本発明においては、例えば、1%水溶液における曇点が110℃以下である特定ブロック共重合体を用いることで、上記加熱条件において、特定ブロック共重合体をその実質的な曇点以上に加熱することができる。
(インクジェット記録媒体)
本発明におけるインクジェット記録媒体は、支持体と、前記支持体上に形成された少なくとも1層のインク受容層とを有し、前記インク受容層が無機微粒子と、カチオンポリマーと、オキシエチレン基と炭素数3以上のオキシアルキレン基とを含むブロック共重合体(特定ブロック共重合体)とを含んで構成される。
−特定ブロック共重合体−
本発明におけるインク受容層は特定ブロック共重合体の少なくとも1種を含有する。前記特定ブロック共重合体は、オキシエチレン基と、炭素数3以上のオキシエチレン基とを含むブロック共重合体であり、下記一般式(1)または一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
HO−(EO)−(AO)−(EO)−H ・・・ 一般式(1)
HO−(AO)−(EO)−(AO)−H ・・・ 一般式(2)
上記一般式(1)、(2)において、EOはオキシエチレン基を表し、AOは炭素数3以上のオキシアルキレン基を表す。オキシアルキレン基の炭素数は3以上であるが、炭素数が3〜8であることが好ましく、炭素数が3〜4であることがより好ましい。
前記炭素数3以上のオキシアルキレン基として具体的には、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシ長鎖アルキレン基等が挙げられるが、インク吸収性と耐湿性の観点から、オキシプロピレン基、オキシブチレン基であることが好ましく、オキシプロピレン基であることがより好ましい。
a、b、c、d、e及びfはそれぞれ1以上の数を表す。本発明においては、インク吸収性と耐湿性の観点から、(a+c)/(a+b+c)が0.5以下であることが好ましく、0.3以下であることがより好ましい。更に(e)/(d+e+f)が0.5以下であることが好ましく、0.3以下であることがより好ましい。
また、一般式(1)または一般式(2)で表される特定ブロック共重合体の重量平均分子量としては、500〜10000であることが好ましく、より好ましくは1000〜5000である。
前記特定ブロック共重合体において、共重合体中のオキシエチレン基の含有比率は、インク吸収性と耐湿性の観点から、共重合体全質量の40質量%以下であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましい。
また前記特定ブロック共重合体は、インク吸収性と耐湿性の観点から、曇点が110℃以下であることが好ましく、80℃以下であることがより好ましい。
ここで、本発明における特定ブロック共重合体の曇点は、1質量%水溶液における曇点として、通常用いられる方法により測定されるものである。
前記特定ブロック共重合体は、当業界公知の合成方法に従って得ることができるが、例えば、前記一般式(1)で表される特定ブロック共重合体は、ポリプロピレングリコールにエチレンオキサイドをアルカリ条件下で付加重合して合成することができる。また、前記一般式(2)で表される特定ブロック共重合体は、ポリエチレングリコールにプロピレングリコールをアルカリ条件下で付加重合して合成することができる。ポリプロピレングリコールやポリエチレングリコールの分子量、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドの付加質量により、平均分子量や分子中のエチレンオキサイドの比率を所望の条件に調整することができる。
また特定ブロック共重合体は、例えば、BASF社製のノニオン性界面活性剤プルロニックシリーズ、竹本油脂(株)製のノニオン性界面活性剤パイオニンシリーズ、旭電化(株)製のノニオン性界面活性剤アデカプルロニックシリーズ、三洋化成工業(株)製のニューポールPEシリーズ等の市販品から適宜選択して用いてもよい。
本発明においてインク受容層における特定ブロック共重合体の含有率としては特に制限はないが、インク吸収性と耐湿性の観点から、無機微粒子の全質量に対して0.5質量%以上であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましく、1〜2質量%であることがより好ましい。特定ブロック共重合体の含有率が無機微粒子に対して1質量%以上であることで、より効果的に耐湿性が向上する。
本発明におけるインク受容層は、インク吸収性と耐湿性の観点から、前記特定ブロック共重合体が、AOがオキシプロピレン基である一般式(1)または一般式(2)で表され、曇点が110℃以下である化合物であって、無機微粒子に対する含有量が0.5〜5質量%であることが好ましく、AOがオキシプロピレン基である一般式(1)または一般式(2)で表され、曇点が110℃以下である化合物であって、無機微粒子に対する含有量が1〜2質量%であることがより好ましく、AOがオキシプロピレン基である一般式(1)で表され、曇点が80℃以下である化合物であって、無機微粒子に対する含有量が1〜2質量%であることがさらに好ましい。
−無機微粒子−
本発明におけるインク受容層は、無機微粒子の少なくとも1種を含む。
無機微粒子としては、例えば、シリカ微粒子、コロイダルシリカ、二酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、ゼオライト、カオリナイト、ハロイサイト、雲母、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、アルミナ微粒子、ベーマイト、擬ベーマイト等を挙げることができる。中でも、滲み抑制と臭気抑制の観点から、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、擬ベーマイトが好ましく、特に気相法シリカ微粒子が好ましい。
シリカ微粒子は、比表面積が特に大きいので、インクの吸収性及び保持の効率が高く、また屈折率が低いので、適切な微小粒子径まで分散を行なえばインク受容層に透明性を付与でき、高い色濃度と良好な発色性が得られるという利点がある。この様にインク受容層が透明であるということは、OHP等透明性が必要とされる用途のみならず、フォト光沢紙等の記録用媒体に適用する場合でも、高い色濃度と良好な発色性及び光沢度を得る観点より重要である。
インク受容層を電子顕微鏡により観察して測定される無機微粒子の粒子径としては、5nm以上45nm以下が好ましく、5nm以上35nm以下がより好ましく、特に10nm以上30nm以下が好ましい。該粒子径が5nm以上45nm以下であると、ブロンジングや光沢といった性能を悪化させることなく、高濃度な記録画像を得ることができ、さらに印画直後からの色相変化を高度に抑制することができる。
また無機微粒子の平均一次粒子径としては、20nm以下が好ましく、15nm以下がより好ましく、特に10nm以下が好ましい。該平均一次粒子径が20nm以下であると、インク吸収特性を効果的に向上させることができ、また同時にインク受容層表面の光沢性をも高めることができる。
特にシリカ微粒子は、その表面にシラノール基を有し、該シラノール基の水素結合により粒子同士が付着し易いため、また該シラノール基と水溶性樹脂を介した粒子同士の付着効果のため、上記の様に平均一次粒子径が20nm以下の場合にはインク受容層の空隙率が大きく、透明性の高い構造を形成することができ、インク吸収特性を効果的に向上させることができる。
一般にシリカ微粒子は、通常その製造法により湿式法粒子と乾式法(気相法)粒子とに大別される。上記湿式法では、ケイ酸塩の酸分解により活性シリカを生成し、これを適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを得る方法が主流である。一方、気相法は、ハロゲン化珪素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)、ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)によって無水シリカを得る方法が主流である。
気相法シリカ(気相法によって得られた無水シリカ微粒子)は、上記含水シリカと表面のシラノール基の密度、空孔の有無等に相違があり、異なった性質を示すが、空隙率が高い三次元構造を形成するのに適している。この理由は明らかではないが、含水シリカの場合には、微粒子表面におけるシラノール基の密度が5〜8個/nmと多く、シリカ微粒子が密に凝集(アグリゲート)し易く、一方、気相法シリカの場合には、微粒子表面におけるシラノール基の密度が2〜3個/nmと少ないことから疎な軟凝集(フロキュレート)となり、その結果、空隙率が高い構造になるものと推定される。
本発明においては、上記乾式法で得られる気相法シリカ微粒子(無水シリカ)が好ましく、更に微粒子表面におけるシラノール基の密度が2〜3個/nmであるシリカ微粒子が好ましい。
−カチオンポリマー−
本発明におけるインク受容層は、記録された画像の滲みを抑制する観点、シリカを分散する観点より、必須成分としてカチオンポリマーの少なくとも1種を含む。前記カチオンポリマーは含窒素有機カチオンポリマーであることが好ましい。
またカチオンポリマーは1種単独でも、2種以上を併用してもよい。本発明においては少なくとも2種のカチオンポリマーを用いることが好ましく、水不溶性カチオンポリマーの少なくとも1種と水溶性カチオンポリマーの少なくとも1種を併用することがより好ましい。
水不溶性カチオンポリマーを含むことで画像滲みの発生をより効果的に抑制できる。また水溶性カチオンポリマーを含むことで無機微粒子(好ましくは、気相法シリカ)の分散性がより効果的に向上する。尚、水不溶性カチオンポリマーはラテックスとして用いることができる。
本発明における含窒素有機カチオンポリマーとしては、特に限定はないが、第1級〜第3級アミノ基、又は第4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好適である。
前記含窒素有機カチオンポリマーとしては、第1級〜第3級アミノ基およびその塩、又は第4級アンモニウム塩基を有する単量体(含窒素有機カチオンモノマー)の単独重合体である含窒素有機カチオンポリマー、前記含窒素有機カチオンモノマーと他の単量体との共重合体又は縮重合体として得られる含窒素有機カチオンポリマー、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体;アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体、アクリル酸およびメタクリル酸の重合体または共重合体等のアクリル系重合体;スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体等のスチレン−アクリル系重合体;エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体;ウレタン結合を有するウレタン系ポリマー等に、カチオン基を含む化合物を用いてカチオン化修飾して得られる含窒素有機カチオンポリマー等を挙げることができる。
本発明におけるカチオンポリマーの具体例としては、例えば特開2008−246988号公報の段落番号[0024]〜[0031]に記載のものを挙げることができる。
前記カチオンポリマーの中でも、滲み抑制の観点から、カチオン変性ポリウレタン、および特開2004−167784号公報等に記載のカチオン変性ポリアクリレート等のカチオン変性された自己乳化性高分子が好ましく、カチオン変性ポリウレタンがより好ましい。
前記カチオン変性された自己乳化性高分子としては、例えば、特開2007−223119号公報の段落番号[0018]〜[0046]に記載されているカチオン変性された自己乳化性高分子から適宜選択して用いることができる。
前記カチオン変性ポリウレタンを構成するポリウレタンとしては、通常用いられるジオール化合物とジイソシアネート化合物とを適宜選択して、重付加反応によって合成されるポリウレタンを特に制限なく用いることができる。
また前記カチオン変性ポリウレタンが有するカチオン性基としては、1級〜3級アミノ基、4級アンモニウム基等を挙げることができ、なかでも3級アミノ基、4級アンモニウム基が好ましい。
前記カチオン変性ポリウレタンは、例えば、ポリウレタン合成の際、ジオール化合物としてカチオン性基を有するジオール化合物を用いることで製造することができる。また、4級アンモニウム基の場合は、3級アミノ基を有するポリウレタンを適当な4級化剤で処理して4級化してもよい。
ポリウレタンの合成に使用可能なジオール化合物、ジイソシアネート化合物は、各々1種を単独で使用してもよいし、種々の目的(例えば、ポリマーのガラス転移温度(Tg)の調整や溶解性の向上、バインダーとの相溶性付与、分散物の安定性改善等)に応じて、各々2種以上を任意の割合で使用することもできる。
本発明における前記カチオン変性ポリウレタンとしては、カチオン変性ポリウレタン微粒子が好ましい。特に、カチオン変性ポリウレタン微粒子の中でも、自己乳化性高分子であるカチオン変性ポリウレタン微粒子がより好ましい。このようなカチオン変性ポリウレタンは、上記のようにして合成したものを用いても、市販のものを用いてもよい。
カチオン変性ポリウレタンの市販品としては、例えば、第一工業製薬(株)製の「スーパーフレックス650」「F−8564D」「F−8570D」、日華化学(株)製、「ネオフィックスIJ−150」などを挙げることができる。
本発明においてインク受容層に含まれるカチオンポリマーの含有量としては、特に制限はないが、インク受容層の全固形分質量に対して1〜30質量%であることが好ましく、2〜15質量%であることがより好ましく、3〜10質量%であることがさらに好ましい。
さらに、水溶性カチオンポリマーを無機微粒子に対して1〜15質量%と、水不溶性カチオンポリマー(好ましくは、カチオン性ポリウレタン)をインク受容層の全固形分質量に対して1〜10質量%含むことが好ましく、水溶性カチオンポリマーを無機微粒子に対して1〜5質量%と、水不溶性カチオンポリマー(好ましくは、カチオン性ポリウレタン)をインク受容層の全固形分質量に対して1〜5質量%含むことがより好ましい。
−水溶性樹脂−
本発明におけるインク受容層は、水溶性樹脂の少なくとも1種を含むことが好ましい。これにより顔料をより好適に分散させ、塗膜強度をより向上させることができる。また、インク受容層が2以上の層からなる場合は、それぞれの層に含有される水溶性樹脂は同一種であっても異なる種であってもよい。
なお、水溶性樹脂とは、常温(25℃)下で水100gに対する溶解度が5g以上である樹脂をいう。
前記水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール(アセトアセチル変性、カルボキシ変性、イタコン酸変性、マレイン酸変性、シリカ変性及びアミノ基変性等の変性ポリビニルアルコールを含む)、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン類(変性デンプンを含む)、ゼラチン、アラビヤゴム、カゼイン、スチレン−無水マレイン酸共重合体加水分解物、ポリアクリルアミド、酢酸ビニル−ポリアクリル酸共重合体の鹸化物等が挙げられる。また、スチレン・ブタジエン共重合物、酢酸ビニル共重合物、アクリロニトリル・ブタジエン共重合物、アクリル酸メチル・ブタジエン共重合物、ポリ塩化ビニリデン等の合成高分子のラテックス系のバインダーが挙げられる。
−ポリビニルアルコール−
前記ポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルの低級アルコール溶液を鹸化して得られるポリビニルアルコール及びその誘導体が、さらに酢酸ビニルと共重合しうる単量体と酢酸ビニルとの共重合体の鹸化物が含まれる。ここで、酢酸ビニルと共重合しうる単量体としては、(無水)マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸及びそのエステル、エチレン、プロピレン等のα−オレフィン、(メタ)アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、スルホン酸マレート等のオレフィンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸ソーダ、エチレンスルホン酸ソーダ、スルホン酸ソーダ(メタ)アクリレート、スルホン酸ソーダ(モノアルキルマレート)、ジスルホン酸ソーダアルキルマレート等のオレフィンスルホン酸アルカリ塩、N−メチロールアクリルアミド、アクリルアミドアルキルスルホン酸アルカリ塩等のアミド基含有単量体、さらには、N−ビニルピロリドン誘導体等が挙げられる。
前記ポリビニルアルコールの中でも、鹸化度が92〜98mol%のポリビニルアルコール(以下「高鹸化度ポリビニルアルコール」と称することがある。)が特に好ましい。
ポリビニルアルコールの鹸化度が92mol%以上であれば、より良好な中間調の色相を得ることができ、また、塗布液の粘度上昇を効果的に抑制でき、より良好な塗布安定性を得ることができる。一方、ポリビニルアルコールの鹸化度が98mol%以下であれば、インク吸収性をより向上させることができる。
ポリビニルアルコールの鹸化度として、より好ましくは、93〜97mol%である。
前記高鹸化度ポリビニルアルコールの重合度は、1500〜3600が好ましく、より好ましくは、2000〜3500である。重合度が1500以上であれば、インク受容層のひび割れをより効果的に抑制できる。3600以下であれば、塗布液の粘度上昇をより効果的に抑制できる。
本発明においては、水溶性樹脂として、前記高鹸化度ポリビニルアルコール以外の水溶性樹脂を該ポリビニルアルコールと併用することもできる。併用可能な水溶性樹脂としては、例えば、親水性構造単位としてヒドロキシル基を有する樹脂である、鹸化度が上記範囲以外のポリビニルアルコール(PVA)、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、セルロース系樹脂〔メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)等〕、キチン類、キトサン類、デンプン;親水性のエーテル結合を有する樹脂である、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリビニルエーテル(PVE);親水性のアミド基又はアミド結合を有する樹脂である、ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリビニルピロリドン(PVP)等が挙げられる。また、解離性基としてカルボキシル基を有する、ポリアクリル酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩、ゼラチン類等を挙げることもできる。
前記高鹸化度ポリビニルアルコールと上述した水溶性樹脂とを併用する場合の前記高鹸化度ポリビニルアルコールと上記水溶性樹脂との合計量に対する前記高鹸化度ポリビニルアルコールの割合は1〜30質量%が好ましく、3〜20質量%がさらに好ましく、6〜12質量%が特に好ましい。
前記高鹸化度ポリビニルアルコールの含有量としては、該含有量の過少による、膜強度の低下や乾燥時のひび割れを防止し、且つ、該含有量の過多によって、該空隙が樹脂によって塞がれ易くなり、空隙率が減少することでインク吸収性が低下するのを防止する観点から、インク受容層の全固形分質量に対して、9〜40質量%が好ましく、12〜33質量%がより好ましい。
ポリビニルアルコールは、その構造単位に水酸基を有するが、この水酸基とシリカ微粒子表面のシラノール基とが水素結合を形成して、シリカ微粒子の二次粒子を鎖単位とする三次元網目構造を形成し易くする。この様な三次元網目構造の形成によって、空隙率の高い多孔質構造のインク受容層を形成し得ると考えられる。
インクジェット記録媒体において、上述のようにして得られた多孔質のインク受容層は、毛細管現象によって急速にインクを吸収し、インク滲みのない真円性の良好なドットを形成することができる。
≪無機微粒子と水溶性樹脂との含有比(PB比)≫
無機微粒子(好ましくはシリカ微粒子;x)と水溶性樹脂(y)との含有比〔PB比(x/y)=水溶性樹脂1質量部に対する無機微粒子の質量〕は、インク受容層の膜構造にも大きな影響を与える。すなわち、PB比が大きくなると、空隙率や細孔容積、表面積(単位質量当り)が大きくなる。
具体的には、インクジェット記録媒体は、インクジェットプリンタの搬送系を通過する際応力が加わることがあり、インク受容層は充分な膜強度を有していることが必要である。さらに、シート状に裁断加工する場合、インク受容層の割れ及び剥がれ等を防止する上でも、インク受容層には充分な膜強度が必要である。そのため、PB比(x/y)としては、インク受容層の硬度を高くする観点から5.5以下であることが好ましい。また更には、5.3以下であることがより好ましく、5.15以下であることが特に好ましい。
また、特に限定されるものではないが、空隙が樹脂によって塞がれ易くなり、空隙率が減少することでインク吸収性が低下するのを防止する観点から、PB比は1.5以上であることが好ましく、更に、インクジェットプリンタで高速インク吸収性をも確保する観点からは2以上であることが好ましい。
例えば、平均一次粒子径が20nm以下の無水シリカ微粒子と水溶性樹脂とをPB比(x/y)が2〜5.5で水溶液中に完全に分散した塗布液を支持体上に塗布し、該塗布層を乾燥した場合、シリカ微粒子の二次粒子を鎖単位とする三次元網目構造が形成され、平均細孔径が30nm以下、空隙率が50%〜80%、細孔比容積0.5ml/g以上、比表面積が100m/g以上の、透光性の多孔質膜を容易に形成することができる。
−架橋剤−
インク受容層は、前記水溶性樹脂を架橋し得る架橋剤の少なくとも1種を含有することが好ましい。この架橋剤を含むことにより、前記水溶性樹脂が架橋され、硬化された多孔質層が得られる。
架橋剤は、1種単独でも2種以上を組合せて用いてもよい
架橋剤としては、インク受容層に含まれる水溶性樹脂との関係で好適なものを適宜選択すればよい。中でも、架橋反応が迅速である点でホウ素化合物が好ましく、例えば、ホウ砂、ホウ酸、ホウ酸塩(例えば、オルトホウ酸塩、InBO、ScBO、YBO、LaBO、Mg(BO、Co(BO、二ホウ酸塩(例えば、Mg、Co)、メタホウ酸塩(例えば、LiBO、Ca(BO、NaBO、KBO)、四ホウ酸塩(例えば、Na・10HO)、五ホウ酸塩(例えば、KB・4HO、Ca11・7HO、CsB)等を挙げることができる。中でも、速やかに架橋反応を起こすことができる点で、ホウ砂、ホウ酸、ホウ酸塩が好ましく、特にホウ酸が好ましい。また、これを水溶性樹脂であるポリビニルアルコールと組み合わせて使用することが最も好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂の架橋剤としては、前記ホウ素化合物のほか、下記化合物も好適なものとして挙げることができる。
例えば、ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルタールアルデヒド等のアルデヒド系化合物;ジアセチル、シクロペンタンジオン等のケトン系化合物;ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−s−トリアジン・ナトリウム塩等の活性ハロゲン化合物;ジビニルスルホン酸、1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノール、N,N’−エチレンビス(ビニルスルホニルアセタミド)、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン等の活性ビニル化合物;ジメチロ−ル尿素、メチロールジメチルヒダントイン等のN−メチロール化合物;メラミン樹脂(例えば、メチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン);エポキシ樹脂;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート系化合物;米国特許明細書第3017280号、同第2983611号に記載のアジリジン系化合物;米国特許明細書第3100704号に記載のカルボキシイミド系化合物;グリセロールトリグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物;1,6−ヘキサメチレン−N,N’−ビスエチレン尿素等のエチレンイミノ系化合物;ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸等のハロゲン化カルボキシアルデヒド系化合物;2,3−ジヒドロキシジオキサン等のジオキサン系化合物;乳酸チタン、硫酸アルミ、クロム明ばん、カリ明ばん、酢酸ジルコニル、酢酸クロム等の金属含有化合物、テトラエチレンペンタミン等のポリアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジド化合物、オキサゾリン基を2個以上含有する低分子又はポリマー等である。
更に、水溶性樹脂の架橋剤としては、下記に列挙する多価金属化合物も好ましい。多価金属化合物を用いることにより、架橋剤として働くだけでなく、耐オゾン、画像滲み、及び光沢性を一層向上させることができる。
多価金属化合物としては、水溶性のものが好ましく、例えば、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガン二水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)二水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸アルミニウム、アルミニウムミョウバン、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、フェノールスルホン酸亜鉛、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、四塩化チタン、テトライソプロピルチタネート、チタンアセチルアセトネート、乳酸チタン、ジルコニルアセチルアセトネート、硫酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、ステアリン酸ジルコニル、オクチル酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニル、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストリん酸n水和物、12タングストケイ酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドリン酸n水和物、硝酸ガリウム、硝酸ゲルマニウム、硝酸ストロンチウム、酢酸イットリウム、塩化イットリウム、硝酸イットリウム、硝酸インジウム、硝酸ランタン、塩化ランタン、酢酸ランタン、安息香酸ランタン、塩化セリウム、硫酸セリウム、オクチル酸セリウム、硝酸プラセオジミウム、硝酸ネオジミウム、硝酸サマリウム、硝酸ユーロピウム、硝酸ガドリニウム、硝酸ジスプロシウム、硝酸エルビウム、硝酸イッテルビウム、塩化ハフニウム、硝酸ビスマス等が挙げられる。
上記の中でも、硫酸アルミニウム、アルミニウムミョウバン、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物等のアルミニウム含有化合物(水溶性アルミニウム化合物);ジルコニルアセチルアセトネート、硫酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、ステアリン酸ジルコニル、オクチル酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニル等のジルコニル含有化合物(水溶性ジルコニル化合物);及び四塩化チタン、テトライソプロピルチタネート、チタンアセチルアセトネート、乳酸チタン等のチタン含有化合物;が好ましく、特にポリ塩化アルミニウム、炭酸ジルコニルアンモニウム、オキシ塩化ジルコニウムが好ましい。
架橋剤としては、上記に列挙したものの中でも、ホウ素化合物及びジルコニル化合物が特に好ましい。
好適な架橋剤として働くと共に、耐オゾン、耐画像滲み、及び光沢性をより一層向上させる観点から、前記多価金属化合物(特に好ましくはジルコニル化合物)を少なくとも、前記水溶性樹脂に対し、0.1質量%以上含有することが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましく、1.0質量%以上であることが特に好ましい。また、特に限定されるものではないが、多価金属化合物の含有量の上限は、画像濃度、インク吸収性、記録媒体のカールの抑制などの観点から、50質量%以下であることが好ましい。
架橋剤は、インク受容層を形成する際に、インク受容層用塗布液中及び/又はインク受容層の隣接層を形成するための塗布液中に添加してもよく、あるいは予め架橋剤を含む塗布液を塗布した支持体上に、上記インク受容層用塗布液を塗布する、又は架橋剤非含有のインク受容層用塗布液を塗布し乾燥後に架橋剤溶液をオーバーコートする等してインク受容層に架橋剤を供給することができる。好ましくは、製造効率の観点から、インク受容層用塗布液又はこの隣接層形成用の塗布液中に架橋剤を添加し、インク受容層の形成と同時に架橋剤を供給するのが好ましい。特に、画像の印画濃度及び光沢感の向上の観点より、インク受容層用塗布液に含有するのが好ましい。また、インク受容層用塗布液中の架橋剤の濃度としては、0.05〜10質量%が好ましく、0.1〜7質量%がより好ましい。
例えば、以下のようにして好適に架橋剤を付与することができる。ここでは、ホウ素化合物を例に説明する。すなわち、
インク受容層がインク受容層用塗布液を塗布した塗布層を架橋硬化させた層である場合、該架橋硬化は、(1)塗布液を塗布して塗布層を形成すると同時、(2)塗布液を塗布して形成される塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥を示す前、のいずれかの時に、pHが7.1以上の塩基性溶液を前記塗布層に付与することにより行なわれる。架橋剤であるホウ素化合物は、上記の塗布液及び塩基性溶液の少なくとも一方に含有させればよい。
−媒染剤−
インク受容層は、媒染剤の少なくとも1種を含有することが好ましく、画像の経時滲み及び耐水性をより向上させることができる。
媒染剤としては、カチオン性ポリマー(カチオン性媒染剤)等の有機媒染剤、及び水溶性金属化合物等の無機媒染剤が好ましい。カチオン性媒染剤は、既述のカチオンポリマーと同様である。
また無機媒染剤の具体例としては、例えば特開2008−246988号公報の段落番号[0130]〜[0137]に記載のものを挙げることができる。
上記の媒染剤をインク受容層に添加する場合の添加量としては、0.01〜5g/mが好ましい。
−その他の成分−
インク受容層は、必要に応じて、各種の紫外線吸収剤、酸化防止剤、一重項酸素クエンチャー等の褪色性防止剤等のその他の成分を含んでいてもよい。これらを含有することにより、インクの劣化を抑制することができる。
その他の成分としては、特開2005−14593号公報中の段落番号[0088]〜[0117]に記載されている成分や、特開2006−321176号公報中の段落番号[0138]〜[0155]に記載されている成分等を、適宜選択して用いることができる。
インク受容層の層厚としては、インクジェット記録する場合の液滴を全て吸収するだけの吸収容量を持つ必要があるため、層中の空隙率との関連で決定する必要がある。例えば、インク量8nL/mmとして空隙率が60%である場合は、層厚は約15μm以上であることが好ましい。この点を考慮すると、インクジェット記録の場合には、インク受容層の層厚としては、10〜50μmが好ましい。
なお、インク受容層の空隙率は、(株)島津製作所製の水銀ポロシメーター「ポアサイザー9320−PC2」を用いて測定することができる。
インク受容層は、透明性が高いことが好ましく、その目安としてはインク受容層を透明フィルム支持体上に形成したときのヘイズ値が、30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましい。なお、ヘイズ値は、スガ試験機(株)製のヘイズメーター「HGM−2DP」を用いて測定することができる。
本発明におけるインク受容層は、1層からなるものであっても、2層以上からなるものであってもよい。インク受容層が2層以上からなる場合、インク受容層を構成するそれぞれの層は、隣り合う層と互いに異なる構成であればよい。例えば、構成成分の種類および含有量の少なくとも一方が互いに異なっていることが挙げられる。
−支持体−
本発明のインクジェット記録媒体における支持体は、限定されるものではないが、画像記録に伴うカール等の変形が抑制される点で水非浸透性支持体が好ましい。ここで、「水非浸透性」とは、水を吸収しないか、又は水の吸収量が0.3g/m以下である性質をいう。
〜水非浸透性支持体〜
本発明において、水非浸透性支持体表面の光沢度は特に限定はないが、高光沢支持体、低光沢支持体どちらを用いても、半光沢品の作製が可能になり、支持体の選択の幅を広げる観点からは、40%以上であることが好ましく、45%以上95%以下であることがより好ましく、50%以上85%以下であることがより好ましい。更に、水非浸透性支持体両面の光沢度とも前記範囲であることが特に好ましい。
本発明に用いることができる支持体としては、例えば、特開2008−246988号公報の段落番号[0139]〜[0155]に記載の支持体を挙げることができ、中でも、ポリオレフィン被覆紙を好ましく用いることができる。
本発明におけるインクジェット記録媒体の製造方法については、後述する。
<インクジェット記録媒体の製造方法>
本発明のインクジェット記録媒体の製造方法は、支持体上に、無機微粒子、カチオンポリマー、およびオキシエチレン基と炭素数3以上のオキシアルキレン基とを含むブロック共重合体を含有するインク受容層形成用塗布液を塗布して、塗布層を形成する塗布工程と、前記塗布層を、恒率乾燥時の膜面温度が42℃未満となるように乾燥してインク受容層を形成する乾燥工程と、を含み、必要に応じてその他の工程を含んで構成される。
上記インクジェット記録媒体の製造方法において、インク受容層および支持体については、前述のインクジェット記録媒体の説明で述べたとおりであり、好ましい範囲も同様である。
[塗布工程]
塗布工程においては、支持体上に、無機微粒子、カチオンポリマー、およびオキシエチレン基と炭素数3以上のオキシアルキレン基とを含むブロック共重合体を含有するインク受容層形成用塗布液を塗布して、塗布層が形成される。
インク受容層形成用塗布液の塗布方法としては、特に制限はない。例えば、エクストルージョンダイコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、ロッドコーター、バーコーター、グラビアコーター、リバースコーター等の公知の塗布方法により行うことができる。
インク受容層形成用塗布液の固形分塗布量は、目的に応じて適宜選択できるが、2〜30g/mが好ましく、5〜25g/mがより好ましい。
以下、インク受容層形成用塗布液および必要に応じて用いられるその他の塗布液について説明する。
(インク受容層形成用塗布液)
インク受容層形成用塗布液は、無機微粒子、カチオンポリマー、およびオキシエチレン基と炭素数3以上のオキシアルキレン基とを含むブロック共重合体とを含有し、水溶性樹脂、必要に応じてその他の成分を含有して構成される。
本発明においては、インク吸収性と耐湿性の観点から、前記ブロック共重合体の含有率が、前記無機微粒子に対して1質量%以上であることが好ましく、1〜2質量%であることがより好ましい。
前記無機微粒子、カチオンポリマー、オキシエチレン基と炭素数3以上のオキシアルキレン基とを含むブロック共重合体、水溶性樹脂、必要に応じて含有されるその他の成分については、記述のインク受容層におけるものとそれぞれ同様であり、好ましい態様も同様である。
前記インク受容層形成用塗布液は、酸性であることが好ましく、pHとしては5.0以下であることが好ましく、4.5以下であることがより好ましく、4.0以下であることが更に好ましい。インク受容層形成用塗布液のpHは、有機又は無機の酸を添加して調整することができる。また、前記カチオンポリマーの種類や添加量を適宜選定することで調整してもよい。第1の塗布液のpHが5.0以下であると、例えば、インク受容層形成用塗布液中における架橋剤(特にホウ素化合物)による水溶性樹脂の架橋反応をより充分に抑制することができる。
〜インク受容層形成用塗布液の調製例〜
本発明において、インク受容層形成用塗布液は、例えば、以下のようにして調製できる。
即ち、無機微粒子(好ましくは、気相法シリカ)と分散剤とを水中に添加して、高速回転湿式コロイドミル(例えば、エム・テクニック(株)製の「クレアミックス」)又は液液衝突型分散機(アルティマイザー、スギノマシン社製)を用いて分散させた後、特定ブロック共重合体、及び水溶性樹脂(好ましくは、ポリビニルアルコール(PVA))水溶液を加え、更に、前記水溶性アルミニウム化合物を加えて分散を行うことにより調製することができる。
なお、水溶性アルミニウム化合物は、塗布直前にインライン混合により加えてもよい。
得られた塗布液は均一なゾル状態であり、これを下記塗布方法で支持体上に塗布し乾燥させることにより、三次元網目構造を有する多孔質性のインク受容層を形成することができる。
また、上記無機微粒子と分散剤とからなる水分散物の調製は、無機微粒子水分散液をあらかじめ調製し、該水分散液を分散剤水溶液に添加してもよいし、分散剤水溶液を無機微粒子水分散液に添加してよいし、同時に混合してもよい。また、無機微粒子水分散液ではなく、粉体の無機微粒子を用いて上記のように分散剤水溶液に添加してもよい。
また、各工程における溶媒として水、有機溶媒、又はこれらの混合溶媒を用いることができる。この塗布に用いることができる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、メトキシプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン等が挙げられる。
また、上記分散剤としてはカオチンポリマーを用いることができる。カオチンポリマーとしては、特開2006−321176号公報の段落[0138]〜[0148]に記載されている媒染剤の例などが挙げられる。また、分散剤としてシランカップリング剤を用いることも好ましい。
上記分散剤の無機微粒子に対する添加量は、0.1質量%〜30質量%が好ましく、1質量%〜10質量%が更に好ましい。
−冷却工程−
本発明のインクジェット記録媒体の製造方法は、前記塗布工程で形成された塗布層を、前記塗布時のインク受容層形成用塗布液の温度に対し5℃以上低下するように冷却する工程(以下、「冷却工程」ともいう)と、冷却された塗布層を乾燥してインク受容層を形成する工程と、を有していることが好ましい。
冷却工程において塗布層を冷却する方法としては、塗布層が形成された支持体を、0〜10℃(より好ましくは0〜5℃)に保たれた冷却ゾーンで、5〜30秒冷却させる方法が好適である。
ここで、塗布層の温度は、膜面の温度を測定することにより測定される。
前記冷却された塗布層を乾燥する条件としては特に制限はない。例えば、露点5〜20℃の空気を用い、70℃以下の乾燥温度で行なうことが好ましい。
−硬化工程−
本発明のインクジェット記録媒体の製造方法においては、前記インク受容層形成用塗布液を塗布して形成された塗布層に、
(1)少なくとも前記インク受容層形成用塗布液を塗布すると同時、
(2)少なくとも前記インク受容層形成用塗布液を塗布して形成された塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥を示す前、
のいずれかのときに、塩基性化合物を含む液を付与し、前記塗布層の架橋硬化を行う硬化工程を有していてもよい。
前記「(1)少なくとも前記インク受容層形成用塗布液を塗布すると同時」に「塩基性化合物を含む液」を付与する方法としては、前記インク受容層形成用塗布液、及び「塩基性化合物を含む液」を、支持体側からこの順となるように、同時塗布(重層塗布)する形態が好適である。
前記同時塗布(同時重層塗布)は、例えば、エクストルージョンダイコーター、カーテンフローコーター等の公知の塗布装置を用いて行うことができる。
前記「(2)少なくとも前インク受容層形成用塗布液を塗布して形成された塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥を示す前」に「塩基性化合物を含む液」を付与する方法は、「Wet−On−Wet法」や「WOW法」とよばれている方法である。「Wet−On−Wet法」の詳細については、例えば、特開2005−14593号公報段落番号[0016]〜[0037]に記載されている。
本発明においては、前記インク受容層形成用塗布液を、支持体上に塗布して塗布層を形成した後、形成された塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥を示す前に、(i)該塗布層上に更に「塩基性化合物を含む液」を塗布する方法、(ii)スプレー等により「塩基性化合物を含む液」を噴霧する方法、(iii)前記塗布層が形成された支持体を「塩基性化合物を含む液」中に浸漬する方法、が挙げられる。
前記(i)において、「塩基性化合物を含む液」を塗布する塗布方法としては、例えば、カーテンフローコーター、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等の公知の塗布方法を利用することができる。中でも、エクストルージョンダイコーター、カーテンフローコーター等のように、既に形成されている塗布層にコーターが直接接触しない方法を利用することが好ましい。
硬化工程における「塗布層が減率乾燥を示すようになる前」とは、通常、インク受容層用塗布液の塗布直後から数分間の過程を指し、この間においては、塗布された塗布層中の溶剤(分散媒体)の含有量が時間に比例して減少する「恒率乾燥」の現象を示す。この「恒率乾燥」を示す時間については、例えば、化学工学便覧(頁707〜712、丸善(株)発行、昭和55年10月25日)に記載されている。
上記「塗布層が減率乾燥を示すようになるまで乾燥」されるための条件としては、塗布層の膜面温度が42℃未満となるようにする。これは、例えば、露点5〜20℃の空気を用い、乾燥風温度を90℃から段階的に低下させることで行うことができる。このとき測定される膜面温度に応じて乾燥風温度や乾燥風速度を制御してもよい。さらに乾燥風の速度としては10m/s以下であることが好ましい。これによりひび割れ故障等の発生を効果的に抑制することができる。
(塩基性化合物を含む液)
ここで、硬化工程における前記「塩基性化合物を含む液」について説明する。
〜塩基性化合物〜
本発明における「塩基性化合物を含む液」は、塩基性化合物を少なくとも1種含有する。
塩基性化合物としては、弱酸のアンモニウム塩、弱酸のアルカリ金属塩(例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなど)、弱酸のアルカリ土類金属塩(例えば、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸バリウムなど)、ヒドロキシアンモニウム、1〜3級アミン(例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリへキシルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミンなど)、1〜3級アニリン(例えば、ジエチルアニリン、ジブチルアニリン、エチルアニリン、アニリンなど)、置換基を有してもよいピリジン(例えば、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、4−(2−ヒドロキシエチル)−アミノピリジンなど)、等が挙げられる。
また、上記の塩基性化合物以外に、該塩基性化合物と共に他の塩基性物質及び/又はその塩を併用することもできる。他の塩基性物質としては、例えば、アンモニアや、エチルアミン、ポリアリルアミン等の第一アミン類、ジメチルアミン等の第二アミン類、N−エチル−N−メチルブチルアミン等の第三アミン類、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、等が挙げられる。
上記のうち特に、弱酸のアンモニウム塩が好ましい。弱酸とは、化学便覧基礎編II(丸善株式会社)等に記載の無機酸および有機酸でpKaが2以上の酸である。前記弱酸のアンモニウム塩としては、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、硼酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム等が挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。中でも、好ましくは炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、カルバミン酸アンモニウムであり、乾燥後において層中に残存せずインク滲みを低減できる点で効果的である。
なお、塩基性化合物は、2種以上を併用することができる。
前記塩基性化合物(特に弱酸のアンモニウム塩)の「塩基性化合物を含む液」中の含有量としては、「塩基性化合物を含む液」の全質量(溶媒を含む)に対し、0.5〜10質量%が好ましく、より好ましくは1〜5質量%である。塩基性化合物(特に弱酸のアンモニウム塩)の含有量を特に上記範囲とすると、充分な硬化度が得られ、またアンモニア濃度が高くなりすぎて作業環境を損なうこともない。
前記「塩基性化合物を含む液」は、必要に応じて、金属化合物、架橋剤、他の媒染剤成分、界面活性剤等をさらに含有することができる。
「塩基性化合物を含む液」は、アルカリ溶液として用いることで硬膜を促進でき、pH7.1以上に調製されるのが好ましく、より好ましくはpH8.0以上であり、特に好ましくはpH9.0以上である。前記pHが7.1以上であると、第1の塗布液及び/又は第2の塗布液に含まれることがある水溶性樹脂(バインダー)の架橋反応をより進めることができ、ブロンジングやインク受容層のひび割れをより効果的に抑制できる。
前記「塩基性化合物を含む液」は、例えば、イオン交換水に、架橋剤(例えば、ホウ素化合物;例えば0.1〜1%)および 塩基性化合物(例:炭酸アンモニウム;例えば1〜10%)と、必要に応じて界面活性剤等の添加剤(例えば、0.1〜1%)とを添加し、十分に攪拌することで調製することができる。なお、各組成物の「%」はいずれも固形分質量%を意味する。
また、「塩基性化合物を含む液」の調製に用いる溶媒には、水、有機溶媒、またはこれらの混合溶媒を用いることができる。塗布に用いることができる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、メトキシプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン等が挙げられる。
さらに、塩基性化合物を含む液が付与された塗布層は、膜面温度が42℃未満となるようにして乾燥されて、インク受容層が形成されることが好ましい。ここで塗布層の膜面温度は上記「塗布層が減率乾燥を示すようになるまで乾燥」する方法と同様にして制御することができ、好ましい態様も同様である。
本発明においては、恒率乾燥時における塗布層の膜面温度を42℃未満とすることで、例えば、インク受容層形成用塗布液に含まれる特定ブロック共重合体がその曇点以上に加熱されることを抑制することができると考えられる。特定ブロック共重合体がその曇点以上に加熱されることが抑制されることで、例えば、特定ブロック共重合体を親水的な状態に維持することができ、水系インクのインク吸収性がより向上すると考えることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
(実施例1)
≪インクジェット記録媒体の作製≫
<支持体の作製>
LBKP100部からなる木材パルプをダブルディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300mlまで叩解し、エポキシ化ベヘン酸アミド0.5部、アニオンポリアクリルアミド1.0部、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン0.1部、カチオンポリアクリルアミド0.5部を、いずれもパルプに対する絶乾質量比で添加し、長網抄紙機により秤量し170g/mの原紙を抄造した。
上記原紙の表面サイズを調整するため、ポリビニルアルコール4%水溶液に蛍光増白剤(住友化学工業(株)製の「Whitex BB」)を0.04%添加し、これを絶乾重量換算で0.5g/mとなる様に上記原紙に含浸させ、乾燥した後、更にキャレンダー処理を施して密度1.05に調整した基紙を得た。
得られた基紙のワイヤー面(裏面)側にコロナ放電処理を行った後、溶融押出機を用いて高密度ポリエチレンを厚さ19μmとなる様にコーティングし、マット面からなる樹脂層を形成した(以下、この樹脂層面を「ウラ面」と称する)。このウラ側の樹脂層に更にコロナ放電処理を施した後、帯電防止剤として酸化アルミニウム(日産化学工業(株)製の「アルミナゾル100」)と二酸化ケイ素(日産化学工業(株)製の「スノーテックスO」)を質量比1:2で水に分散した分散液を、乾燥重量が0.2g/mとなる様に塗布した。
更に、樹脂層の設けられていない側のフェルト面(表面)側にコロナ放電処理を施した後、アナターゼ型二酸化チタン10%、微量の群青、及び蛍光増白剤0.01%(対ポリエチレン)を含有する、MFR(メルトフローレート)3.8の低密度ポリエチレンを、溶融押出機を用いて、厚み29μmとなる様に溶融押し出しし、高光沢の熱可塑性樹脂層を基紙の表面側に形成し(以下、この高光沢面を「オモテ面」と称する)、本実施例に用いる支持体とした。
<インク受容層形成用塗布液の調製>
下記組成に示した、(1)気相法シリカ微粒子と、(2)イオン交換水と、(3)「シャロールDC−902P」とを混合し、液液衝突型分散機(アルティマイザー、スギノマシン社製)を用いて分散させた後、得られた分散液を45℃に加熱し20時間保持した。その後、分散液に(4)ホウ酸と、(5)ポリビニルアルコール溶解液と、(6)カチオン変性ポリウレタンと、を30℃で加え、インク受容層形成用塗布液を調製した。
シリカ微粒子と水溶性樹脂との質量比(PB比=(1):(5))は、4.9:1であり、塗布液のpHは、3.4で酸性を示した。
〜インク受容層形成用塗布液の組成〜
(1)気相法シリカ微粒子(無機微粒子) … 8.9部
(AEROSIL300SF75、日本アエロジル(株)製)
(2)イオン交換水 … 47.3部
(3)シャロールDC−902P(51.5%水溶液) … 0.78部
(分散剤、含窒素有機カチオンポリマー、第一工業製薬(株)製)
(4)ホウ酸(5%水溶液) … 6.57部
(5)ポリビニルアルコール(水溶性樹脂)溶解液 … 26.0部
(6)スーパーフレックス650−5(25%水溶液) … 1.8部
(カチオン変性ポリウレタン、25%、第一工業製薬(株)製)
〜ポリビニルアルコール溶解液の組成〜
・JM33 … 1.81部
(ポリビニルアルコール(PVA);鹸化度95.5%、重合度3300、日本酢ビ・ポバール(株)製)
・HPC−SSL … 0.08部
(水溶性セルロース、日本曹達(株)製)
・イオン交換水 … 23.45部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル … 0.55部
(ブチセノール20P、協和発酵ケミカル(株)製)
・ニューポールPE−61 … 0.11部
(特定ブロック共重合体、三洋化成工業(株)製)
<インク受容層の形成>
上記で得られた支持体のオモテ面にコロナ放電処理を行った後、このコロナ放電処理面に、上記で得られたインク受容層形成用塗布液を、以下のようにしてエクストルージョンダイコーターにて塗布して塗布層を形成した。
具体的には、インク受容層形成用塗布液を175.0g/mで、下記インライン液を11.4g/mの速度(塗布量)でインライン混合した後、支持体に塗布した。
〜インライン液の組成〜
(1)アルファイン83(大明化学工業株式会社製) … 2.0部
(2)イオン交換水 … 7.8部
(3)ハイマックスSC−507 … 0.2部
(ジメチルアミン・エピクロロヒドリン重縮合物、ハイモ(株)製、 70%溶液)
上記塗布により形成された塗布層を、露点15℃の空気を用いた熱風乾燥機にて、該塗布層の膜面温度が39±1℃となるように、乾燥風温度を90℃から段階的に低下させて、塗布層の固形分濃度が36%になるまで乾燥させた(風速3〜8m/秒)。この塗布層はこの間は恒率乾燥速度を示した。その直後、下記組成の塩基性化合物を含む液に3秒間浸漬して上記塗布層上にその13g/mを付着させ、72℃下で1分間乾燥させ、支持体のオモテ面にインク受容層を形成した。以上により、支持体上にインク受容層を有するインクジェット記録媒体1を得た。
〜塩基性化合物を含む液の組成〜
(1)ホウ酸 … 0.65部
(2)炭酸アンモニウム(1級:関東化学(株)製) … 5.0部
(3)イオン交換水 … 88.35部
(4)ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) … 6.0部
(花王(株)製「エマルゲン109P」(10%水溶液))
≪インクジェット画像形成および評価≫
上記で得られたインクジェット記録媒体1を127mm×100m巻にスリット加工して評価用ロールサンプルをそれぞれ作製し、以下のようにしてインクジェット画像形成を行い、さらに以下の評価を行った。評価結果を表2に示す。
<インク吸収性>
純正インクセットを装填したミニラボ用高速インクジェットプリンタ装置(富士フイルム(株)製「DL410」)に、上記で得られた評価用ロールサンプルを装填した。L版サイズのインクジェット記録媒体上に、以下に示す色再現域測定用画像を印画して、評価用サンプルを得た。得られた評価用サンプルを目視で観察し、隣接画像へのインクの拡散をインクの溢れとして、下記評価基準に従って評価した。
尚、加熱処理を行わない画像形成については、前記DL410の乾燥部のヒーターを取り除いた改造機を用いて実施した。
〜色再現域測定用画像〜
RGBの3色を各8階調(濃度レベル:255、218、182、145、109、72、36、0)で10mm角の略正方形に印画したパッチについて、色調または階調が異なるパッチが、互いに隣接するように組み合わせた512パッチからなる画像を色再現域測定用画像とした。
このような色再現域測定用画像においては、例えば、(R,G,B)=(72,0,36)で表される濃い赤紫色等のインク打滴量の多いパッチでインク溢れが観察されやすい。
〜評価基準〜
A:インクの溢れは観察されなかった。
B:インクの溢れがわずかに認められた。
C:インクの溢れが認められたが、実用上許容できるレベルであった。
D:インクの溢れが顕著に認められた。
<印画濃度>
上記で得られた評価用サンプルを、23℃、50%RHの環境下で24時間放置した後、黒のベタ画像部分の印画濃度を、反射濃度計(X−rite社製、Xrite310TR)を用いて測定し、下記評価基準に従って評価した。尚、評価CおよびDが実用上問題のあるレベルである。
〜評価基準〜
A:2.5以上
B:2.2以上2.5未満
C:2.0以上2.2未満
D:2.0未満
<耐湿性>
純正インクセットを装填したミニラボ用高速インクジェットプリンタ(富士フイルム(株)製「DL410」)を用いて、以下に説明する84個の滲み評価用パッチからなる画像をそれぞれ印画して、耐湿性評価用サンプルを作製した。得られた耐湿性評価用サンプルを25℃、相対湿度85%の恒温恒湿槽に4週間保管した後、84個の滲み評価用パッチそれぞれについて、保管前と保管後の色差ΔEを、分光光度計(スペクトロリノ、グレタグマクベス社製)を用いて、光源F8、視野角2度の条件でLを測定することにより求めた。測定した84個の滲み評価用パッチに対応する色差ΔEの平均値ΔEavを算出し、下記評価基準に従って耐湿性を評価した。尚、評価Dが実用上問題のあるレベルである。
〜評価基準〜
A:ΔEavが1.0未満であった。
B:ΔEavが1.0以上1.5未満であった。
C:ΔEavが1.5以上2.0未満であった。
D:ΔEavが2.0以上であった。
−滲み評価用パッチ−
下記表1のA1〜A14、B1〜B14、C1〜C14、D1〜D14、E1〜E14、F1〜F14のいずれかで指定される2色(内の色と外の色)を用いて、内の色からなる略正方形の画素と外の色からなる略正方形の画素によって、市松模様が構成されるように内の色からなる画素と外の色からなる画素をそれぞれ交互に印画して、1辺が21個の画素からなる略正方形の滲み評価用パッチの1個を印画した。このような滲み評価用パッチをA1〜A14、B1〜B14、C1〜C14、D1〜D14、E1〜E14、F1〜F14のそれぞれについて印画して84個の滲み評価用パッチからなる画像を構成した。
具体的には例えば、B4で指定される2色(内の色がマゼンタ、外の色がイエロー)について、市松模様の一方の色の部分に外の色(イエロー)からなる画素を、市松模様の他方の色の部分に内の色(マゼンタ)からなる画素をそれぞれ印画して、B4で指定される滲み評価用パッチを印画した。
尚、市松模様を構成する個々の画素は1辺が420μmの略正方形であり、21×21の441画素からなる滲み評価用パッチは1辺が8.8mmの略正方形である。
Figure 2011143646
表1中、Yeはイエロー、Maはマゼンタ、Cyはシアン、Reはレッド、Grはグリーン、Blはブルー、Whはホワイト(すなわち未印画)、Bkはブラックをそれぞれ意味する。また「5」の添え字がある色は、前記各色の50%濃度であることを意味する。
A13〜F13はそれぞれブラックのグラデーションであり、例えば、A13は256階調のうち、濃度階調256の無色レベルから濃度階調179までの連続階調である。またA14〜F14は肌色についての同様のグラデーションである。
(実施例2〜8)
実施例1のインクジェット記録媒体の製造方法において、特定ブロック共重合体の種類と含有率を下記表2に示したように変更したこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体2〜8をそれぞれ作製した。得られたインクジェット記録媒体を用いて、実施例1と同様にしてそれぞれ画像形成および評価を行った。
(実施例9)
実施例1のインクジェット記録媒体の製造方法において、カチオン変性ポリウレタンを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体9を作製した。得られたインクジェット記録媒体を用いて、実施例1と同様にして画像形成および評価を行った。
(比較例1)
実施例5と同様にして得られたインクジェット記録媒体を用い、画像形成時にインク付与後の加熱処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして画像形成および評価を行った。
(比較例2)
実施例1のインクジェット記録媒体の製造方法において、特定ブロック共重合体を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体C1を作製した。得られたインクジェット記録媒体を用いて、実施例1と同様にして画像形成および評価を行った。
(比較例3)
実施例1のインクジェット記録媒体の製造方法において、特定ブロック共重合体の代わりにPEG2000(ポリエチレングリコール、重量平均分子量2000)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体C2を作製した。得られたインクジェット記録媒体を用いて、実施例1と同様にして画像形成および評価を行った。
Figure 2011143646
表2中、DC−902Pは第一工業製薬(株)製の含窒素有機カチオンポリマーであるシャロールDC−902Pを意味し、SF605−5は第一工業製薬(株)製のカチオン変性ポリウレタンであるスーパーフレックス650−5を意味する。
また、PE−61はニューポールPE−61(三洋化成工業(株)製)、PE−64はニューポールPE−64(三洋化成工業(株)製)、PE−71はニューポールPE−71(三洋化成工業(株)製)、PE−74はニューポールPE−74(三洋化成工業(株)製)、PE−78はニューポールPE−78(三洋化成工業(株)製)、PE−108はニューポールPE−108(三洋化成工業(株)製)をそれぞれ意味する。
表2から、本発明のインクジェット画像形成方法によれば、インク吸収性に優れ、耐湿性に優れる画像を形成できることがわかる。
(実施例10)
実施例1のインクジェット記録媒体の製造において、露点5℃の空気を用い、膜面温度が29±1℃となるように、乾燥風温度を42℃としたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体10を得た。
(実施例11)
<インク受容層形成用塗布液Bの調製>
下記組成に示した、(1)気相法シリカ微粒子と、(2)イオン交換水と、(3)「シャロールDC−902P」と、を混合し、液液衝突型分散機(アルティマイザー、スギノマシン社製)を用いて分散させた後、得られた分散液を45℃に加熱し20時間保持した。その後、分散液に(4)ホウ酸と、(5)ポリビニルアルコール溶解液と、(6)カチオン変性ポリウレタンと、を30℃で加え、インク受容層形成用塗布液を調製した。
シリカ微粒子と水溶性樹脂との質量比(PB比=(1):(5))は、4.0:1であり、塗布液のpHは、3.4で酸性を示した。
〜インク受容層形成用塗布液の組成〜
(1)気相法シリカ微粒子(無機微粒子) … 8.9部
(AEROSIL300SF75、日本アエロジル(株)製)
(2)イオン交換水 … 47.3部
(3)「シャロールDC−902P」(51.5%水溶液) … 0.78部
(分散剤、含窒素有機カチオンポリマー、第一工業製薬(株)製)
(4)ホウ酸(5%水溶液) … 6.57部
(5)ポリビニルアルコール(水溶性樹脂)溶解液 … 31.5部
〜ポリビニルアルコール溶解液の組成〜
・JM33 … 2.2部
(ポリビニルアルコール(PVA);鹸化度95.5%、重合度3300、日本酢ビ・ポバール(株)製)
・HPC−SSL … 0.08部
(水溶性セルロース、日本曹達(株)製)
・イオン交換水 … 28.56部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル … 0.55部
(ブチセノール20P、協和発酵ケミカル(株))
・ニューポールPE−61 … 0.11部
(PEO/PPO/PEO共重合体、第一工業製薬(株)製)
(6)カチオン変性ポリウレタン … 0.9部
(スーパーフレックス650−5(25%液)、第一工業製薬(株)製)
<インク受容層の形成>
上記で得られた水非浸透性支持体の一方の面にコロナ放電処理を行った後、このコロナ放電処理面に、上記で得られたインク受容層形成用塗布液を、以下のようにしてエクストルージョンダイコーターにて塗布して塗布層を形成した。
具体的には、インク受容層形成用塗布液を155.0g/mで、下記インライン液を11.4g/mの速度(塗布量)でインライン混合した後、支持体に塗布した。
〜インライン液の組成〜
(1)アルファイン83(大明化学工業株式会社製) … 2.0部
(2)イオン交換水 … 7.8部
(3)ハイマックスSC−507 … 0.2部
(ジメチルアミン・エピクロロヒドリン重縮合物、ハイモ(株)製、 70%溶液)
上記塗布により形成された塗布層を、塗布層を5℃で20秒間、冷却した後、40℃・10%RHの条件で乾燥させた。このようなセット乾燥法により、インクジェット記録媒体11を作製した。
(比較例4)
実施例1のインクジェット記録媒体の製造方法において、乾燥風温度を115℃とし、膜面温度が44±1℃となるようにしたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体C3を得た。
<評価>
上記で得られたインクジェット記録媒体10、インクジェット記録媒体11およびインクジェット記録媒体C3について、上記と同様にしてインク吸収性、印画濃度および耐湿性を評価した。インクジェット記録媒体1の評価結果とともに評価結果を表3に示す。
Figure 2011143646
表3から、本発明のインクジェット記録媒体の製造方法で製造されたインクジェット記録媒体は、インク吸収性に優れ、さらに形成された画像の耐湿性に優れることが分かる。

Claims (11)

  1. 支持体、ならびに、前記支持体上に設けられ、無機微粒子、カチオンポリマー、および、オキシエチレン基と炭素数3以上のオキシアルキレン基とを含むブロック共重合体を含有するインク受容層を備えたインクジェット記録媒体上に、インクを付与するインク付与工程と、
    前記インクが付与されたインクジェット記録媒体を加熱処理する加熱工程と、
    を有するインクジェット画像形成方法。
  2. 前記インク受容層における前記ブロック共重合体の含有率が、前記無機微粒子に対して1質量%以上である請求項1に記載のインクジェット画像形成方法。
  3. 前記ブロック共重合体は、オキシエチレン基およびオキシプロピレン基からなる請求項1または請求項2に記載のインクジェット画像形成方法。
  4. 前記ブロック共重合体は、曇点が110℃以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット画像形成方法。
  5. 前記インク受容層は、カチオンポリマーを少なくとも2種含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインクジェット画像形成方法。
  6. 前記カチオンポリマーの少なくとも1種は、カチオン変性ポリウレタンである請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のインクジェット画像形成方法。
  7. 前記加熱処理は、前記インクジェット記録媒体の膜面温度が42℃以上になるように加熱する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のインクジェット画像形成方法。
  8. 支持体上に、無機微粒子、カチオンポリマー、およびオキシエチレン基と炭素数3以上のオキシアルキレン基とを含むブロック共重合体を含有するインク受容層形成用塗布液を塗布して、塗布層を形成する工程と、
    前記塗布層を、恒率乾燥時の膜面温度が42℃未満となるように乾燥してインク受容層を形成する工程と、
    を有するインクジェット記録媒体の製造方法。
  9. 前記インク受容層における前記ブロック共重合体の含有率が、前記無機微粒子に対して1質量%以上である請求項8に記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
  10. 前記ブロック共重合体は、オキシエチレン基およびオキシプロピレン基からなる請求項8または請求項9に記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
  11. 前記ブロック共重合体は、曇点が110℃以下である請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
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