JP2011143467A - ダイカスト鋳造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高品質のダイカスト鋳造品のみを低コストに提供する。
【解決手段】このダイカスト鋳造方法は、射出用スリーブ8に注湯された溶融金属を、射出用スリーブ8と連続する金型4,5内のキャビティ6にプランジャー9で射出することにより鋳造品を得るものであって、射出用スリーブ8に注湯された溶融金属の温度を測定する温度測定工程P1と、温度測定工程で得た測定温度に基づき、射出用スリーブ8内における破断チル層の発生の有無を推定する推定工程P2とを備える。また、温度測定工程P1の前に、予め、射出用スリーブ8に注湯された状態の溶融金属の測定温度と、その際の破断チル層の発生の有無との関係を取得し、取得した関係から破断チル層が発生する温度のしきい値Tを設定するしきい値設定工程P0をさらに備える。
【選択図】図1
【解決手段】このダイカスト鋳造方法は、射出用スリーブ8に注湯された溶融金属を、射出用スリーブ8と連続する金型4,5内のキャビティ6にプランジャー9で射出することにより鋳造品を得るものであって、射出用スリーブ8に注湯された溶融金属の温度を測定する温度測定工程P1と、温度測定工程で得た測定温度に基づき、射出用スリーブ8内における破断チル層の発生の有無を推定する推定工程P2とを備える。また、温度測定工程P1の前に、予め、射出用スリーブ8に注湯された状態の溶融金属の測定温度と、その際の破断チル層の発生の有無との関係を取得し、取得した関係から破断チル層が発生する温度のしきい値Tを設定するしきい値設定工程P0をさらに備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、ダイカスト鋳造方法に関し、特に、ダイカスト鋳造に用いる射出用スリーブ内における破断チル層の発生の有無を推定する工程を備えたダイカスト鋳造技術に関する。
ダイカスト鋳造方法に見られる鋳造不良の1つに、破断チル層がある。この欠陥は、ダイカスト鋳造において、鋳造品の材料となる溶融金属(溶湯ともいう)を射出用スリーブに注湯した際、当該溶融金属が射出用スリーブ内で冷却されて射出用スリーブの内周面にチル化した金属凝固層が発生する場合に生じ得る。この凝固層(チル層)が、プランジャーによる射出動作により射出用スリーブの内周面から削り取られることで、いわゆる破断チル層として鋳造品の内部に混入するためである。この種の内部欠陥は、強度低下をはじめとする鋳造品の品質低下を招くことから、その発生防止を図るための対策が提案されている。
例えば、下記特許文献1には、ダイカスト鋳造用の射出用スリーブを2重構造とし、かつ、これら2重構造をなす内筒と外筒との間に熱媒体の流通路を設けて、所定の温度に加熱した熱媒体を上記流通路内に循環させることで、射出用スリーブに注湯された溶融金属の急激な温度低下を防止し、破断チル層等の異常組織のない鋳造品を生産するための方法が開示されている。
また、同特許文献には、熱伝導率の低いセラミック製の射出用スリーブを用いることで、注湯した溶融金属の温度低下を抑え、かつ射出用スリーブ内での破断チル層の発生防止を図る技術が開示されている。
しかし、上記特許文献1に記載のように、射出用スリーブを加熱する方法では、射出用スリーブに焼付きが生じやすくなる等の二次的な不具合が発生するために、たとえ破断チル層の混入を防げたとしても、高品質な鋳造品を製造することは難しい。また、加熱するための機構を射出用スリーブに設けることで、設備投資にかかる費用が増大すると共に、射出用スリーブを含めたダイカスト鋳造装置の複雑化・巨大化を招くことなり好ましくない。
また、セラミック製の射出用スリーブは高価であると共に、金属製のものに比べてどうしても脆くなる。そのため、セラミック製とすると、頻繁に射出用スリーブを交換する手間・費用が生じると共に、鋳造品質の面でも好ましくない。
このように、上記破断チル層の発生を未然に防止するための適切な対策がないのであれば、鋳造した後の製品に破断チル層が混入しているか否かを把握し、良品と不良品とを適切に選り分ける必要がある。
ところが、この種の内部欠陥は、鋳造品本体と元は同一の物質(射出用スリーブに注湯された溶融金属)であるため、CT等を用いた非破壊検査では検出するのが困難である。そのため、一旦製造されてしまうと、後は破壊検査を行うことでしか鋳造品の良否を判別することができない問題があった。
以上の事情に鑑み、高品質のダイカスト鋳造品のみを低コストに提供することを、本発明により解決すべき技術的課題とする。
前記課題の解決は、本発明に係るダイカスト鋳造方法により達成される。すなわち、この鋳造方法は、射出用スリーブに注湯された溶融金属を、プランジャーで金型内部の型締め空間に向けて射出することにより鋳造品を得るダイカスト鋳造方法において、射出用スリーブに注湯された溶融金属の温度を測定する温度測定工程と、温度測定工程で得た測定温度に基づき、射出用スリーブ内における破断チル層の発生の有無を推定する推定工程とを備える点をもって特徴付けられる。
上述のように、本発明に係る鋳造方法は、従来のように、破断チル層の発生を防止しようとするのではなく、破断チル層の発生の有無を、射出用スリーブ内に注湯された溶融金属の温度から間接的に把握し、鋳造品の良否判定を鋳造前に行い得ることを本発明者が見出したことにより、はじめて創出し得たものである。よって、射出用スリーブ内に注湯された状態の溶融金属の温度を毎回の射出動作ごとに測定することで、破断チル層が包含されるおそれのある不良品を除外して、高品質の鋳造品のみを確実に提供することが可能となる。また、射出用スリーブとプランジャーとの円滑な摺動を得る目的で例えば射出用スリーブの内周面に断熱性潤滑剤を塗布する場合、毎回の継続的な温度測定により、その適切な塗布時期(あるいは塗り直しの時期)を知ることができる。そのため、不良品の発生割合を減らして歩留まりの向上を図ることもできる。以上より、本発明によれば、破断チル層の混入していない高品質の鋳造品を安定して提供することが可能となる。また、本発明によれば、射出用スリーブ内に注湯された状態の溶融金属の温度を測定するための設備(温度測定装置)を追加するだけで足りるので、設備投資も少なくて済む。よって、高品質の鋳造品を低コストに製造することが可能となる。
この場合、具体的には、予め、射出用スリーブに注湯された状態の溶融金属の測定温度と、その際の破断チル層の発生の有無との関係を取得し、取得した関係から破断チル層が発生する温度のしきい値を設定するしきい値設定工程をさらに備え、推定工程において、破断チル層の発生の有無を、測定温度と破断チル層発生温度のしきい値とに基づき推定するようにしてもよい。
本発明者らは、射出用スリーブに注湯された状態の溶融金属の(射出前の)温度と、その際の破断チル層の発生の有無との間に、一定の関係があることを見出した。具体的には、同一の設定条件下で鋳造作業を繰り返し行い、その際の射出用スリーブに注湯された溶融金属の温度測定と、鋳造品の断面観察を行ったところ、上記溶融金属の測定温度が所定の値以下となった場合には、対応する鋳造品内に破断チル層が混入しており、上記所定の値を上回った場合には、対応する鋳造品内に破断チル層が確認されなかったことが判明した。従って、以上の実験結果を踏まえて、溶融金属の測定温度と、破断チル層の存否の確認結果とから、破断チル層が発生する温度のしきい値を求め、このしきい値と、実際のダイカスト鋳造時の射出前に測定した射出用スリーブ内の溶融金属の温度とを比較するだけで、破断チル層の発生の有無、ひいては、これから製造する鋳造品内に破断チル層が混入しているか否かを簡便に推定することが可能となる。
また、温度測定工程において、射出用スリーブの内周面を除いた位置で射出用スリーブに注湯された溶融金属の温度を測定するようにしてもよい。
これは、射出用スリーブとこれに対応するプランジャーとの円滑な摺動を目的として、射出用スリーブの内周面に潤滑剤、特に断熱性潤滑剤を塗布する場合に有効である。すなわち、このように潤滑剤を射出用スリーブを内周面に塗布する場合、当該潤滑剤を塗布した箇所では、溶融金属と射出用スリーブとの間に、潤滑剤の膜が形成されることになる。そのため、例えば熱電対等の測温部を溶融金属と接触させようとしても、上記潤滑剤の膜が測温部と溶融金属との間に存在して精度よく溶融金属の温度を測定することができない。この点、上記のように、潤滑剤を塗布しない箇所で溶融金属の温度を測定することで、潤滑剤を塗布する場合であっても、精度よく溶融金属の射出用スリーブ内における温度を測定することが可能となる。
以上のように、本発明に係るダイカスト鋳造方法によれば、高品質のダイカスト鋳造品のみを低コストに提供することができる。また、高品質の鋳造品のみを提供できるので、所要の強度が要求される部品(製品)の製造に、ダイカスト鋳造法を適用することも可能となる。
以下、本発明に係るダイカスト鋳造方法の一実施形態を図面に基づき説明する。
本実施形態に係るダイカスト鋳造方法は、射出用スリーブに注湯された溶融金属を、射出用スリーブと連続する金型内の型締め空間にプランジャーで射出することにより鋳造品を得るものであって、射出用スリーブに注湯された溶融金属の温度を測定する温度測定工程P1と、温度測定工程で得た測定温度に基づき、射出用スリーブ内における破断チル層の発生の有無を推定する推定工程P2とを備える。また、温度測定工程P1の前に、予め、射出用スリーブに注湯された状態の溶融金属の測定温度と、その際の破断チル層の発生の有無との関係を取得し、取得した関係から破断チル層が発生する温度のしきい値を設定するしきい値設定工程P0をさらに備えるものである。
また、本実施形態に係るダイカスト鋳造方法は、例えば図1に示すダイカストマシン1を用いて行われる。詳述すると、図1に示すダイカストマシン1は、固定プラテン2と、可動プラテン3と、固定プラテン2に取付けられる固定金型4と、可動プラテン3に取付けられる可動金型5と、固定金型4と可動金型5との型締めにより双方の金型4,5間に形成されるキャビティ6と、ランナ7を介してキャビティ6とその型締め方向の一端側でつながり、固定プラテン2および固定金型4を型締め方向に沿って貫通するように固定プラテン2と固定金型4に装着される射出用スリーブ8と、射出用スリーブ8と摺動可能に嵌り合うプランジャー9とを主に備える。そして、射出用スリーブ8の上方に設けた開口部10を通じて図示しない溶融金属が射出用スリーブ8に注湯され、注湯された状態の溶融金属をプランジャーの押圧動作によりランナ7を介してキャビティ6へと送り出す(射出する)ことで、キャビティ6に即した形状の鋳造品が成形されるようになっている。
また、このダイカストマシン1は、上記構成要素に加えて、さらに、射出用スリーブ8に注湯された状態の溶融金属の温度を測定する温度測定装置11を備えている。この実施形態では、温度測定装置11は熱電対12を有しており、この熱電対12の測温部13を可動金型5の表面に露出させて配設することで、射出用スリーブ8の内周面14を除いた位置で、射出用スリーブ8に注湯された状態の溶融金属の温度を測定できるようになっている。この図示例では、可動金型5の表面のうち、射出用スリーブ8の内部空間に面する領域の中央部又は下部に測温部13が露出して配設されている。また、この温度測定装置11で得られた測定温度データは、図1に示すように、温度測定装置11に接続されたコンピュータ15に送られ、後述する処理に供されるようになっている。なお、測温部13の形態としては接触型・非接触型の何れを用いてもよいが、注湯してから射出するまでの時間を考えると、短時間で正確に温度測定が可能な接触型のものを用いるのがよい。
以下、上述したダイカストマシン1を用いた場合のダイカスト鋳造方法の一例を説明する。
(P0)しきい値設定工程
まず、図1に示すダイカストマシン1を用いて試験的にダイカスト鋳造を行い、その際の射出用スリーブ8内の溶融金属の温度を測定すると共に、このダイカスト鋳造で得られた鋳造品の内部に破断チル層が混入しているか否かを確認する。具体的には、まず、注湯前に、射出用スリーブ8とプランジャー9との円滑な摺動を図る目的で、所定の潤滑剤(例えば断熱性潤滑剤)を射出用スリーブ8の内周面14に塗布しておく。そして、ラドル等の容器(図示は省略)に入れられた溶融金属(例えばアルミ溶湯)を、開口部10を通じて射出用スリーブ8の内部に注湯する。このようにして、キャビティ6の容積に対応する量の溶融金属が射出用スリーブ8に注湯され終わると、プランジャー9により当該溶融金属をキャビティ6に向けて射出するが、この射出動作の前に、射出用スリーブ8に注湯された状態の溶融金属の温度を温度測定装置11で測定する。ここでは、射出用スリーブ8の前方側(図1でいえば左側)へと流動して、可動金型5の射出用スリーブ8側の側面に露出させた測温部13に最初に接触したときの溶融金属の温度を熱電対12で測定する。もちろん、測定時期はこれに限るものではなく、溶融金属が測温部13と最初に接触してから、プランジャー9による射出動作が始まるまでの間であれば、任意のタイミングで温度測定が可能である。
まず、図1に示すダイカストマシン1を用いて試験的にダイカスト鋳造を行い、その際の射出用スリーブ8内の溶融金属の温度を測定すると共に、このダイカスト鋳造で得られた鋳造品の内部に破断チル層が混入しているか否かを確認する。具体的には、まず、注湯前に、射出用スリーブ8とプランジャー9との円滑な摺動を図る目的で、所定の潤滑剤(例えば断熱性潤滑剤)を射出用スリーブ8の内周面14に塗布しておく。そして、ラドル等の容器(図示は省略)に入れられた溶融金属(例えばアルミ溶湯)を、開口部10を通じて射出用スリーブ8の内部に注湯する。このようにして、キャビティ6の容積に対応する量の溶融金属が射出用スリーブ8に注湯され終わると、プランジャー9により当該溶融金属をキャビティ6に向けて射出するが、この射出動作の前に、射出用スリーブ8に注湯された状態の溶融金属の温度を温度測定装置11で測定する。ここでは、射出用スリーブ8の前方側(図1でいえば左側)へと流動して、可動金型5の射出用スリーブ8側の側面に露出させた測温部13に最初に接触したときの溶融金属の温度を熱電対12で測定する。もちろん、測定時期はこれに限るものではなく、溶融金属が測温部13と最初に接触してから、プランジャー9による射出動作が始まるまでの間であれば、任意のタイミングで温度測定が可能である。
そして、上述のようにプランジャー9で射出することで得られた鋳造品を、型開きによりダイカストマシン1から取り出し、その断面を顕微鏡等で拡大観察する。これにより、上記鋳造品に破断チル層が含まれているか否かを確認する。
以上のダイカスト鋳造を同一の設定条件下で複数回にわたって実施すると共に、上記温度測定および破断チル層存否確認を実施し、対応する複数個の測定温度データと破断チル層の存否確認結果を取得する。そして、破断チル層が発生したときの測定温度データ群C1と、破断チル層が発生していなかったときの測定温度データ群C2とが、所定の温度Tを境に高温域と低温域とに分かれる結果が得られた場合、上記所定の温度Tを、破断チル層が発生するときの測定温度のしきい値Tと設定する。
以上のようにして設定したしきい値Tは、ダイカスト鋳造におけるある1つの設定条件下において有効であり、設定条件(ダイカストマシン1の大きさや、1回当りの射出量、あるいは注湯時の溶融金属の温度など)が異なると基本的には変動する。ただし、射出用スリーブ8内周面の断熱性の程度のみを異ならせる目的で、潤滑剤の種類(例えば断熱性に優れた潤滑剤と、通常の油性の潤滑剤)を変更する等、その内容次第では、異なる複数の設定条件下でダイカスト鋳造を行い、1つのしきい値を設定するための測定温度データおよび破断チル層の存否確認結果を取得することも可能である。
(P1)温度測定工程
以上のようにして、データ取得のための試験的なダイカスト鋳造を行い、破断チル層発生時の測定温度のしきい値Tを設定した後、製品取得のためのダイカスト鋳造を行う。そして、上記と同様、プランジャー9による射出動作の前に、射出用スリーブ8に注湯された状態の溶融金属の温度を温度測定装置11で測定する。
以上のようにして、データ取得のための試験的なダイカスト鋳造を行い、破断チル層発生時の測定温度のしきい値Tを設定した後、製品取得のためのダイカスト鋳造を行う。そして、上記と同様、プランジャー9による射出動作の前に、射出用スリーブ8に注湯された状態の溶融金属の温度を温度測定装置11で測定する。
(P2)推定工程
上記工程P1で得られた測定温度データは、例えばしきい値Tに関する情報が入力されたコンピュータ15(図1を参照)に送られると共に、これから形作られる鋳造品の良否を推定する。具体的には、上記測定温度データとしきい値Tとを照らし合わせて、測定温度データがしきい値Tを上回っていれば、これから製造される鋳造品に破断チル層が含まれていない、と推定する。また、測定温度データがしきい値T以下であれば、これから製造される鋳造品に破断チル層が含まれている、と推定する。このようにして、製造した鋳造品の良否を製造直前の段階で知ることができるので、欠陥を含む鋳造品を除外して、高品質の鋳造品のみを選り分けることが可能となる。
上記工程P1で得られた測定温度データは、例えばしきい値Tに関する情報が入力されたコンピュータ15(図1を参照)に送られると共に、これから形作られる鋳造品の良否を推定する。具体的には、上記測定温度データとしきい値Tとを照らし合わせて、測定温度データがしきい値Tを上回っていれば、これから製造される鋳造品に破断チル層が含まれていない、と推定する。また、測定温度データがしきい値T以下であれば、これから製造される鋳造品に破断チル層が含まれている、と推定する。このようにして、製造した鋳造品の良否を製造直前の段階で知ることができるので、欠陥を含む鋳造品を除外して、高品質の鋳造品のみを選り分けることが可能となる。
以上、本発明に係るダイカスト鋳造方法の一実施形態を説明したが、この鋳造方法は、上記例示の形態に限定されることなく、本発明の範囲内において任意の形態を採り得る。もちろん、上記鋳造方法に用いるダイカストマシン(ダイカスト鋳造装置)についても、同様に、本発明の範囲内において任意の形態を採り得る。
例えば、上記実施形態では、射出用スリーブ8に注湯されてからプランジャー9による射出動作を開始するまでの間の所定のタイミングにおける溶融金属の温度を測定し、この測定温度データを、しきい値設定工程P0や推定工程P2に用いた場合を説明したが、これ以外の温度に関するデータを測定することも可能である。例えば、射出用スリーブ8に注湯された溶融金属が最初に温度測定装置11の測温部13に到達した際の温度を測定すると共に、プランジャー9による射出動作直前の温度を測定し、この間の温度の低下量をしきい値Tの設定基準に用いることも可能である。
また、上記実施形態では、温度測定装置11の測温部13を、射出用スリーブ8の内部空間に向かい合う可動金型5の表面部に設けた場合を例示したが、特にこの形態には限られない。射出用スリーブ8の内周面、正確には、射出用スリーブ8の内面のうち潤滑剤を塗布していない箇所に測温部13を設けるようにしても構わない。もちろん、潤滑剤を塗布せずともプランジャー9による射出動作が継続して円滑に実施可能であれば、射出用スリーブ8の内周面のうち任意の箇所に測温部13を設けることも可能である。
また、上記以外の事項についても、本発明の技術的意義を没却しない限りにおいて他の具体的形態を採り得ることはもちろんである。
1 ダイカストマシン
2 固定プラテン
3 可動プラテン
4 固定金型
5 可動金型
6 キャビティ
7 ランナ
8 射出用スリーブ
9 プランジャー
10 開口部
11 温度測定装置
12 熱電対
13 測温部
14 内周面
15 コンピュータ
2 固定プラテン
3 可動プラテン
4 固定金型
5 可動金型
6 キャビティ
7 ランナ
8 射出用スリーブ
9 プランジャー
10 開口部
11 温度測定装置
12 熱電対
13 測温部
14 内周面
15 コンピュータ
Claims (3)
- 射出用スリーブに注湯された溶融金属を、プランジャーで金型内部の型締め空間に向けて射出することにより鋳造品を得るダイカスト鋳造方法において、
前記射出用スリーブに注湯された前記溶融金属の温度を測定する温度測定工程と、
前記温度測定工程で得た測定温度に基づき、前記射出用スリーブ内における破断チル層の発生の有無を推定する推定工程とを備えることを特徴とするダイカスト鋳造方法。 - 予め、前記射出用スリーブに注湯された状態の前記溶融金属の測定温度と、その際の破断チル層の発生の有無との関係を取得し、該取得した関係から前記破断チル層が発生する温度のしきい値を設定するしきい値設定工程をさらに備え、
前記推定工程において、前記破断チル層の発生の有無を、前記測定温度と前記破断チル層発生温度のしきい値とに基づき推定する請求項1に記載のダイカスト鋳造方法。 - 前記温度測定工程において、前記射出用スリーブの内周面を除いた位置で前記射出用スリーブに注湯された前記溶融金属の温度を測定するようにした請求項1又は2に記載のダイカスト鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010008326A JP2011143467A (ja) | 2010-01-18 | 2010-01-18 | ダイカスト鋳造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021000648A (ja) * | 2019-06-21 | 2021-01-07 | 東洋機械金属株式会社 | 温度範囲判別手段を備えたダイカストマシン、及び、温度範囲判別手段を備えたダイカストマシンの運転方法 |
US11945029B2 (en) | 2021-11-04 | 2024-04-02 | Honda Motor Co., Ltd. | Cold flake suppression method |
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2010
- 2010-01-18 JP JP2010008326A patent/JP2011143467A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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