JP2008080356A - 金型設計方法及び金型鋳造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、カルシウムを含有した耐熱マグネシウム合金の金型鋳造において、耐焼付き性の良好な金型を簡便に設計する金型設計方法と焼付きを効果的に防止できる金型鋳造方法とを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の金型設計方法は、所望の製品形状のキャビティのみを有する金型をモデル化する金型モデル設定工程と、前記キャビティ内における金属溶湯の冷却凝固過程を解析し、金型の温度分布データを求める金型温度解析工程と、該解析結果に基づいて焼付き予測部位を特定し、該焼付き予測部位のみを冷却する局所冷却手段を設定する局部冷却設定工程と、流動解析によりゲート部における前記溶湯の流速が所定値となるようにゲート形状を設定するゲート設定工程とを備えることを特徴とする。また、本発明の金型鋳造方法は、上記のようにして設計された金型を用いて焼付き予測部位にコーティング離型剤を塗布することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の金型設計方法は、所望の製品形状のキャビティのみを有する金型をモデル化する金型モデル設定工程と、前記キャビティ内における金属溶湯の冷却凝固過程を解析し、金型の温度分布データを求める金型温度解析工程と、該解析結果に基づいて焼付き予測部位を特定し、該焼付き予測部位のみを冷却する局所冷却手段を設定する局部冷却設定工程と、流動解析によりゲート部における前記溶湯の流速が所定値となるようにゲート形状を設定するゲート設定工程とを備えることを特徴とする。また、本発明の金型鋳造方法は、上記のようにして設計された金型を用いて焼付き予測部位にコーティング離型剤を塗布することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明はダイカスト鋳造などの金属射出成形に用いるのに適した金型の設計方法とその金型を用いる金型鋳造方法とに関し、より詳しくは、金型鋳造時に焼き付きを生じやすい耐熱マグネシウム合金用の金型設計方法とその金型鋳造方法に関する。
近年、自動車の燃費向上や家電製品の軽量化を目的としてマグネシウム合金が使用されるようになってきている。マグネシウム合金の加工法としてはダイカスト鋳造法やチクソモールディング法などの金型を用いる鋳造法が一般的であるが、マグネシウム合金の金型鋳造においては固有的に金型への焼付きが生じやすく、金型鋳造法の生産性や鋳造品の品質を大きく下げているのが現状である。特に、鉄との反応性の高いカルシウムや希土類元素を含む耐熱マグネシウム合金を金型鋳造する場合にこの焼付きが顕著であり、このような不具合を解消するための金型方案やダイカスト鋳造方法などが提案されている(特許文献1、2参照)。
特許文献1は、隣接するゲート間の非ゲート部の距離を10mm以下とし、且つ、ゲート部からキャビティへの溶湯速度が、ゲート幅方向での速度分布において速度差が1m/sec以下となるように設定する金型方案を提案している。また、マグネシウム合金の溶湯温度を580〜750℃、キャビティへの充填速度を1/100〜10/100秒、鋳造充填後の増圧を200kgf/cm2以上、金型温度を150〜350℃に保持する鋳造方法を開示しており、このような条件範囲で鋳造することで、湯ジワ、表面割れ、非充填、金型焼付きのない鋳造製品を得ることができるとしている。
しかし、特許文献1に開示されている諸要件は、最大公約数的に好適な範囲であり、実際の鋳造においては異なった製品形状あるいは重量毎に、これら好適な条件範囲内でさらに最適な値を探索して、製品毎の個別の条件範囲を設定しなければならない。例えば、金型製作直後に各種好適範囲で数水準の条件を設定して複数回の初期試験鋳造を実施し、この初期試験鋳造条件と試作品品質との相関関係を調査して最適な鋳造条件を選定するという実鋳造試験が必須である。従って、この実鋳造試験に多大な時間と労力とを要するといった課題を残している。また、実鋳造試験の結果によっては、ゲート方案や冷却方法等の金型修正が必要となったり、あるいは金型修正に伴う再度の実鋳造試験を要するといった場合も生じ、安定した連続鋳造を開始するまでに多大な時間と労力とを要し、結果的に鋳造品のコスト上昇を招くという問題がある。
また、特許文献1は、溶湯のキャビティへの充填速度は1/100〜10/100秒の範囲が好適であるとしている。しかし、この充填速度範囲では、製品の大きさによっては湯ジワなどが発生する可能性が高いと予想されるとともに、製品体積が大きな場合にはゲート部における溶湯速度が速くなってしまい、このようなゲート部近傍には焼付きが発生しやすいといった問題がある。
上記の如き特許文献1に開示された条件範囲は、いずれもこれまでの鋳造経験より得られた結果としての平均的な数値であり、形状、重量の異なった製品においては、開示された好適と思われる各種鋳造条件の範囲から、さらに個別の製品形状や機能に最適な値を選択する作業が必要となる。
また、特許文献2は、マグネシウム合金の金型鋳造方法を開示しており、カルシウムを含むマグネシウム合金鋳造において、耐焼付け性を良くするために、界面活性剤水溶液又は低沸点液状油脂肪と高融点金属及びセラミックスからなる群より選ばれる少なくとも1種の混合物を、金型に焼付きが起こる前に焼付く箇所に塗布してコーティング層を作り、焼付きを防止しつつ連続鋳造を行うことを特徴としている。
しかし、これらの界面活性剤水溶液や低沸点液状油脂肪などの溶媒は高価であり、また、界面活性剤を使用することで金型が錆びやすくなり、メンテナンス費用が増加して製造コストの増大要因となることも予想される。さらに、特許文献2では、このような離型剤を塗布する金型部位をどのように決定するかは開示されておらず、このため事前に焼付き部位を実際の鋳造で確認して選定するという作業が必要となる。
以上のように、従来技術による焼付き防止対策は必ずしも満足できるものではなく、マグネシウム合金の金型鋳造において簡便で且つ効果的な焼付き防止方法の開発が望まれている。
特許第3534650号公報
特許第3537131号公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、カルシウムを含有した耐熱マグネシウム合金の金型鋳造において、耐焼付き性の良好な金型を簡便に設計する金型設計方法と焼付きを効果的に防止できる金型鋳造方法とを提供することである。
本発明の金型設計方法は、所望の製品形状のキャビティのみを有する金型をモデル化する金型モデル設定工程と、前記キャビティ内における金属溶湯の冷却凝固過程を解析し、金型の温度分布データを求める金型温度解析工程と、該解析結果に基づいて焼付き予測部位を特定し、該焼付き予測部位のみを冷却する局所冷却手段を設定する局部冷却設定工程と、流動解析によりゲート部における前記溶湯の流速が所定値となるようにゲート形状を設定するゲート設定工程とを備えることを特徴とする。
ここで、焼付き予測部位は、当該部位の金型温度が型開き時に該金属の固相線温度以上であることができる。
また、本発明の金型設計方法においては、ゲート部における溶湯流速は60m/sec以下であることが望ましい。
本発明の金型鋳造方法は、上記の金型設計方法で設計製作された金型を用い、前記金型の焼付き予測部位にコーティング離型剤を塗布して鋳造を繰り返すことを特徴とする。
なお、コーティング離型剤は、セラミックスと水との混合物であることが望ましく、セラミックスは、BN、Al2O3、MgO、TiN,TiO2、SiN、SiC、SiO2、TiC、WC、MoO2、MoS2及びZrO2からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
なお、コーティング離型剤は、セラミックスと水との混合物であることが望ましく、セラミックスは、BN、Al2O3、MgO、TiN,TiO2、SiN、SiC、SiO2、TiC、WC、MoO2、MoS2及びZrO2からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の金型設計方法によれば、金型温度解析により事前に金型の焼付き予測部位を予測することができるので、金型設計段階で所望の製品毎に適切な局部冷却手段を設定することができる。従って、初期試作鋳造のやり直しや金型改造といった作業を大幅に減少することができ、設計効率を向上させるとともに、安定した連続鋳造を開始するまでの試行時間を大幅に短縮することができる。また、焼付きの発生を効果的に防止することができるので、製品品質が安定し、歩留まりを向上することができる。
また、実際の金型鋳造においては、製作された金型の事前に予測されている焼付き予測部位に、コーティング離型剤を塗布することで、一層効果的に焼付きの発生を抑制することができる。また、コーティング離型剤はセラミックスなどを水で溶かした混合液であるので金型に錆が発生し難く、混合液に界面活性剤溶液などを用いる場合に比べて、金型のメンテナンス費用を抑制することができる。
焼付き、割れ、湯ジワあるいは不廻りなどといった鋳造欠陥のない良好なダイカスト製品を、新規形状の製品毎に短期間で効率よく完成させるには、鋳造用金型を設計製作する前段階において、これら鋳造欠陥の発生可能性を製品毎の材質や形状に応じて解析予測した上で、これを低減すように金型を設計すればよい。例えば、局部冷却手段の配置や加熱位置、あるいはゲート位置とその断面形状などを解析ソフトで検討して製品内にこれらの欠陥が生じないように設定するわけである。
しかしながら、上記のような解析を行うに当たって、マグネシウム合金材料では、AZ91D、AM60、AM50などのように規格化され一般に市販されている合金材料に対応する解析ソフトは一部販売されているものの、これらの市販ソフトでは焼付きや割れといった特殊な鋳造欠陥を予測する機能が十分とは言い難い。また、現在規格化されていない耐熱マグネシウム合金、とりわけカルシウムを含有するマグネシウム合金に関しては、これに対応した解析ソフトは市販されていない。従って、従来は上記のような効率的な鋳造欠陥予測と対策が行えなかった。
本発明者らは、カルシウムを含有するマグネシウム合金に対応する解析方法を見出して本発明を完成させた。
図1に本発明の金型設計方法と金型鋳造方法とを説明するフローチャートを示す。本発明は、所定の製品モデルから金型を設計する金型設計方法と、金型を作製して連続鋳造を実施する金型鋳造方法とからなる。
(金型設計方法)
本発明の金型設計方法は、所望の製品形状のキャビティを有する金型をモデル化する金型モデル設定工程と、前記キャビティ内における金属溶湯の冷却凝固過程を解析し、金型の温度分布データを求める金型温度解析工程と、該解析結果に基づいて焼付き予測部位を特定し、該焼付き予測部位のみを冷却する局所冷却手段を設定する局部冷却設定工程と、流動解析によりゲート部における前記溶湯の流速が所定値となるようにゲート形状を設定するゲート設定工程とを備えることを特徴とする。
本発明の金型設計方法は、所望の製品形状のキャビティを有する金型をモデル化する金型モデル設定工程と、前記キャビティ内における金属溶湯の冷却凝固過程を解析し、金型の温度分布データを求める金型温度解析工程と、該解析結果に基づいて焼付き予測部位を特定し、該焼付き予測部位のみを冷却する局所冷却手段を設定する局部冷却設定工程と、流動解析によりゲート部における前記溶湯の流速が所定値となるようにゲート形状を設定するゲート設定工程とを備えることを特徴とする。
まず、ステップS1(以後、ステップは省略する)では、製品のCADデータから金型モデルを設定する。図2に金型モデルを概念的に斜視図で示す。金型1は、単純な立方体又は直方体ブロック2の内部に製品と同一形状のキャビティ3のみを内包する形状でモデル化する(モデル設定工程)。金型をこのようにモデル化することで金型温度解析の時間が従来と比較して大幅に短縮されるので、型設計のリードタイムを短縮することができる。
次に、S2では上記金型モデルを用いて金型温度解析を実施して金型の温度分布の変化を求める。金型温度解析には、一般的な解析ソフトを用いればよい。すなわち、キャビティ3内に所定温度(例えば、注湯温度)の溶湯を充満してその冷却凝固過程を解析し、この冷却過程における金型の経過時間毎の温度分布を求める(金型温度解析工程)。
そして、S3では得られた解析結果から、局所過熱部の有無を確認し、焼付きが発生する予測部位を予測する。焼付き不良とは、金型鋳造における製品の離型性不具合のことであり、型開き時に製品の一部が金型に固着して脱型できない、あるいは、脱型はできるが製品の表面層金型に付着して荒れている状態(むしれ状態)を指す。一般に、型開き時における金型温度がその金属の固相線温度以上である部位については実際の製品でも焼付きが発生し易いことが分かっている。従って、解析によって得られた所定時間経過後(注湯から型開き開始までの時間)の金型の温度分布から、当該マグネシウム合金の固相線温度以上の温度である部位が焼き付きの生じやすい焼付き予測部位である。
その一例を図3に示す。図3は、カルシウムを含有する耐熱マグネシウム合金について、そのキャビティ内溶湯のある特定部位における冷却曲線(■)とその特定部位に隣接する金型部位の昇温曲線(○)とを示す。縦軸は温度(℃)、横軸は溶湯射出終了後の経過時間(秒)である。この鋳造製品は溶湯射出終了後5秒(図中破線で示す。)経過してから型開きすることになっている。この特定部位に隣接する金型の型開き時の温度は527℃であり、この合金の固相線温度:514℃よりも高い。従って、金型の当該部位は焼付き予測部位であることが分かる。このようにして金型温度解析結果から金型の局所過熱部を見出すことで、焼付き予測部位を容易に予測することができる。
続いて、S4では焼付き予測部位を局所冷却する内部冷却手段を設定する。すなわち、予測された焼付き予測部位を型開き時に固相線温度以下になるように冷却することで焼付きの発生を抑制しようとするものである。ただし、ある範囲で金型温度が低下しすぎると温度低下部分で鋳造品が熱間割れを起こしやすくなるため、内部冷却は解析によって予測された焼付き予測部位に局所的に施すように設定する。
図4は図1のX−X断面であり、焼付き予測部位4に局所冷却手段5を配置した模式図であり、局部冷却手段5の概要を図5に断面概要図で示す。冷却手段5は、金型2に穿設した冷却穴52と冷却水を焼付き予測部位4の極近傍に噴射する銅管54と、銅管54を保持して金型2に螺着する栓体56とからなる。栓体56には銅管54から噴射され冷却穴52に充満した冷却水を排出する排水路58が設けられている。冷却穴52はその先端52aが焼付き予測部位4(点線で示す)の極近傍(概ね直径5mm程度の範囲)に到達するように穿設されており、先端側52bは基端側52cに比べて細径に形成されている。例えば、基端側52bの内径を6mmとした場合には、先端側の内径を3〜6mmとし、外径1.8mmの銅管54が挿入される。そして、銅管54に例えば、8〜10kgf/cm2程度の高圧冷却水Wを注入して金型2の焼付き予測部位4の極近傍に噴射することで焼付きの発生を効果的に抑制することができる。以上のS3、S4が局所冷却設定工程である。
上記S2の金型温度解析では、金型内に形成された所定形状のキャビティに溶湯を充満して冷却凝固する、静的状態での金型の温度分布を求めて焼付き予測部位を予測するようにしている。従って、溶湯射出時の溶湯と金型との摩擦によって生じる動的状態での金型の過熱部位を予測することはできない。ゲート設定工程(S5〜S7)ではこの金型の過熱部位を予測して過熱防止対策を施す。
一般に、製品のゲート前が薄肉の場合には溶湯が高速で長時間通過するために摩擦によって金型温度が上昇して、ゲート前近傍に焼付きが生じる危険性が高い。そこで、まず、通常の金型設計方法で実施される解析方法で湯流れ解析を実施し(S5)、ゲート方案を検討する(S6)。そして、設定されたゲート方案から製品のゲート前3mmであるゲート部の溶湯流速を算出する。このようなゲート部における流速が速い場合には、当該ゲート部の幅や厚さを変更してゲート断面積を増大し、流速が60m/sec以下となるようにゲート部断面積の最適化を図る(S7)。
以上の局所冷却方案と最適化したゲート方案とを考慮して、金型設計を完了する(S8)。
(金型鋳造方法)
本発明の金型鋳造方法は、上記の金型設計方法で設計製作された金型を用い、前記金型の焼付き予測部位にコーティング離型剤を塗布するとともに、これらの焼付き予測部位を除く一般部位には通常離型剤を塗布して連続鋳造することを特徴とする。
本発明の金型鋳造方法は、上記の金型設計方法で設計製作された金型を用い、前記金型の焼付き予測部位にコーティング離型剤を塗布するとともに、これらの焼付き予測部位を除く一般部位には通常離型剤を塗布して連続鋳造することを特徴とする。
本発明では、上述のように金型設計時に焼付き予測部位を事前に予測することができるので、焼付きの発生が予測される金型部位に鋳造初期から効果的・効率的に後述するコーティング離型剤を塗布することも可能である。しかし、特に、カルシウムを含有する耐熱マグネシウム合金では、金型を設計通りに作製しても完全に焼付きの発生を防止できない場合がある。例えば、鋳造品の形状によっては焼付き予測部位の局所冷却手段を最適の位置に最適の方案で設置できなかったり、溶湯の流速が所定値以下になるような断面積を有する最適形状のゲート方案を採用することができない場合などである。
このため、S8で完成した設計図に基づいて対象鋳造品の金型を作製し(S9)、S10では連続鋳造開始前に試験鋳造を実施して焼付き発生の有無を確認する。金型設計が適切で焼付きの発生が認められない場合には、ショット毎にキャビティ面に通常の離型剤(例えば、エマルジョン系離型剤など)を塗布して鋳造すればよい(S12、S14)。
しかし、焼付きが発生した場合には、その発生部位に離型剤として水を主体とする溶媒にセラミックスを混合した混合液をコーティング離型剤として塗布し、また、それ以外のキャビティ面には上記と同様に通常の離型剤を塗布する(S13)。
ここで、コーティング離型剤に用いるセラミックスは、BN、Al2O3、MgO、TiN、TiO2、SiN、SiC、SiO2、TiC、WC、MoO2、MoS2及びZrO2からなる群より選ばれる少なくとも1種である。また、焼付き部位に用いるコーティング離型剤を水を主体とする溶媒にセラミックスを混合した混合液としたのは、セラミックスとの混合に界面活性剤水溶液を用いると、長期間使用するうちに界面活性剤水溶液が原因で金型に錆を発生し易いという問題があるからである。本発明では混合液として水を用いているので、金型がさびにくくメンテナンスなどの保全費用を大幅に低減することができる。また、焼付きの起こる金型キャビティ面のみに特殊離型剤を塗布し、その他のキャビティ面には通常用いている廉価な離型剤を用いることで、高価なセラミック粒子の使用を低減し、ランニングコストの削減を図ることができる。なお、コーティング離型剤の塗布にはロボットなどを使用してショット毎に塗布するようにしてもよい。
本発明の金型鋳造法によれば、焼付き欠陥のない良好な金型鋳造製品を、新規形状の製品毎に短期間で効率よく完成させることができる。
本発明の金型設計方法とダイカスト鋳造方法とは、カルシウムを含有する耐熱マグネシウム合金用の金型設計とダイカスト鋳造に好適に用いることができる。
1:金型モデル
2:金型ブロック
3:キャビティ
4:焼付き予測部位
5:局所冷却手段
2:金型ブロック
3:キャビティ
4:焼付き予測部位
5:局所冷却手段
Claims (5)
- 所望の製品形状のキャビティのみを有する金型をモデル化する金型モデル設定工程と、前記キャビティ内における金属溶湯の冷却凝固過程を解析し、金型の温度分布データを求める金型温度解析工程と、該解析結果に基づき焼付き予測部位を特定し、該焼付き予測部位のみを冷却する局所冷却を設定する局部冷却設定工程と、流動解析によりゲート部における前記溶湯の流速が所定値となるようにゲート形状を設定するゲート設定工程とを備えることを特徴とする金型設計方法。
- 前記焼付き予測部位は、該部位の金型温度が型開き時に前記金属の固相線温度以上である請求項1に記載の金型設計方法。
- 請求項1に記載の金型設計方法で設計製作された金型を用い、前記金型の焼付き予測部位にコーティング離型剤を塗布して鋳造を繰り返すことを特徴とする金型鋳造方法。
- 前記コーティング離型剤は、セラミックスと水との混合物である請求項3に記載の金型鋳造方法。
- 前記セラミックスは、BN、Al2O3、MgO、TiN,TiO2,SiN,SiC,SiO2,TiC,WC,MoO2,MoS2及びZrO2からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項3に記載の金型鋳造方法。
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