JP2011143418A - 半凝固金属の成形方法及び半凝固金属の成形装置 - Google Patents

半凝固金属の成形方法及び半凝固金属の成形装置 Download PDF

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知典 坂井
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Abstract

【課題】所望の性状からなる半凝固金属を形成し、所望の品質からなる成形品を安定して成形することができる半凝固金属の成形方法及び半凝固金属の成形装置を提供する。
【解決手段】鋳造装置10は、内部に冷却水が流通することで流動される溶湯14を冷却して固相を生じさせて半凝固金属を形成する冷却板18と、冷却板18を通過した半凝固金属が注湯されるプランジャスリーブ16と、プランジャスリーブ16に注湯された半凝固金属を射出するためのプランジャ44と、プランジャ44によって押圧された半凝固金属が充填されるキャビティ60を形成する固定金型46及び可動金型48と、少なくとも冷却板18の温度又は冷却水の温度を測定可能な温度センサ40、42a〜42eと、溶湯14が供給される前の初期温度、及び、溶湯14が供給された後のピーク温度に基づき、得られる半凝固金属の良否を判定する監視システム22とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内部に冷却媒体が流通する冷却体上に溶湯を流動させることで該溶湯に固相を生じさせて半凝固金属を形成し、該形成した半凝固金属をキャビティに充填することで成形品を得る半凝固金属の成形方法及び半凝固金属の成形装置に関する。
一般的な鋳造においては、液相である高温の溶湯が金型に形成されたキャビティに充填されるが、近時、溶湯に代替し、固相と液相が共存した半凝固金属(半凝固金属スラリー)を用いることも行われている。この場合には、冷却体に溶湯を接触させながら流動させ、この流動の間に該溶湯を冷却して固相を生じさせ、これにより半凝固金属を形成している。このようにして得られた半凝固金属は、冷却体から直接、鋳造装置のプランジャスリーブに注湯される。
例えば、特許文献1には、半凝固金属を得るために、冷却板に供給される溶湯の注湯温度を所定範囲に管理すると共に、冷却板の温度を溶湯の初期温度や流量等に応じて管理することが記載されている。
特開平10−34307号公報
特許文献1には、冷却板に溶湯を接触させ、溶湯を冷却することで半凝固金属を得る場合に、冷却板への注湯温度及び冷却体の初期温度を管理することで所望の半凝固金属が得られると記載されている。
ところが、このように注湯温度及び冷却体の初期温度を条件設定した場合であっても、例えば、冷却板上に塗布する離型材が堆積又は過剰塗布された場合や、冷却板上に凝固金属が残留している場合等、溶湯金属の冷却を阻害する何らかの問題が冷却板上で生じた場合には、溶湯と冷却体との間での熱伝達が悪化する。そうすると、溶湯から冷却媒体への熱移動が制限されるため、溶湯を適正に温度低下させることができず、結果として所望の半凝固状態を得ることが困難となる。そして、所望の半凝固状態が得られない条件で成形を行った場合には、製品内部において引け欠陥やガス欠陥が増大し、所望の製品品質が得られないという問題を惹起することになる。
本発明は上記のような従来技術の問題を考慮してなされたものであり、所望の性状からなる半凝固金属を形成し、所望の品質からなる成形品を安定して成形することができる半凝固金属の成形方法及び半凝固金属の成形装置を提供することを目的とする。
本発明に係る半凝固金属の成形方法は、内部に冷却媒体が流通する冷却体上に溶湯を流動させることで該溶湯に固相を生じさせて半凝固金属を形成し、該形成した半凝固金属をキャビティへと充填することで成形品を得る半凝固金属の成形方法であって、前記溶湯が供給される前の前記冷却体又は前記冷却媒体の温度である初期温度を測定する工程と、前記溶湯が供給された後の前記冷却体又は前記冷却媒体の温度におけるピーク温度を測定する工程と、前記測定された初期温度及びピーク温度に基づき、前記半凝固金属の良否を判定することにより、前記半凝固金属の性状を管理する工程とを有することを特徴とする。
また、本発明に係る半凝固金属の成形装置は、内部に冷却媒体が流通することで流動される溶湯を冷却して固相を生じさせて半凝固金属を形成する冷却体と、前記冷却体を通過した前記半凝固金属が注湯されるスリーブと、前記スリーブに注湯された前記半凝固金属を射出するための射出機構と、前記射出機構によって押圧された前記半凝固金属が充填されるキャビティを形成する金型と、少なくとも前記冷却体の温度又は前記冷却媒体の温度を測定可能な温度センサと、前記溶湯が供給される前の前記冷却体又は前記冷却媒体の温度である初期温度、及び、前記溶湯が供給された後の前記冷却体又は前記冷却媒体の温度におけるピーク温度に基づき、前記半凝固金属の良否を判定する判定部とを有することを特徴とする。
このように、冷却体や冷却水の初期温度とピーク温度が所定の範囲内であるか否かを監視・判定することにより、溶湯を冷却して半凝固金属を形成する際の異常を迅速に検出することができ、所望の半凝固金属が得られているか否かの管理を適正に行うことができ、その品質の保証・安定化が可能となる。従って、得られる半凝固金属の品質が安定化することにより、キャビティ内で成形される成形品の製品品質も安定化し、規格外製品の後工程への流出を防止することができる。
前記初期温度が所定温度範囲内にある場合に、前記溶湯の前記冷却体への供給を開始する工程を有すると、冷却体が所定の正常な状態にある場合にのみ注湯が行われるため、形成される半凝固金属の性状を高品質化・安定化することができる。
前記ピーク温度が所定温度範囲内にない場合に、前記半凝固金属に異常があると判定することにより、溶湯の冷却不足等の異常を検出することができる。
前記初期温度及び前記ピーク温度がそれぞれ所定温度範囲内にある場合に、前記半凝固金属は適正であると判定することにより、常に安定した品質の半凝固金属をキャビティへと供給することができる。
本発明によれば、冷却体や冷却水の初期温度とピーク温度が所定の範囲内であるか否かを監視・判定することにより、溶湯を冷却して半凝固金属を形成する際の異常を迅速に検出することができ、所望の半凝固金属が得られているか否かの管理を適正に行うことができ、その品質の保証・安定化が可能となる。従って、得られる半凝固金属の品質が安定化することにより、キャビティ内で成形される成形品の製品品質も安定化し、規格外製品の後工程への流出を防止することができる。
本発明の一実施形態に係る鋳造装置の構成を模式的に示す側面図である。 図1に示す鋳造装置の冷却板及びその周辺を拡大した斜視図である。 図3Aは、冷却板の平面図であり、図3Bは、図3Aに示す冷却板の側面断面図であり、図3Cは、図3Aに示す冷却板の底面図である。 図1に示す鋳造装置を用いた半凝固金属の成形方法の動作フローである。 図1に示す鋳造装置の連続操業中に離型材の塗布量を過剰に増加させたときの冷却水ピーク温度及び冷却体ピーク温度の測定結果を示すグラフである。
以下、本発明に係る半凝固金属の成形方法について、この方法を実行可能な成形装置との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る鋳造装置(成形装置)10の構成を模式的に示す側面図である。この鋳造装置10は、ラドル(給湯機)12から流下された溶湯(溶湯金属)14を冷却しながらプランジャスリーブ(射出スリーブ)16まで案内する冷却板(冷却体)18と、冷却板18からプランジャスリーブ16内に供給された半凝固金属(半凝固金属スラリー、半凝固スラリー)を所定の形状に成形するダイカスト装置20とを備える。さらに、鋳造装置10には、冷却板18による溶湯14の冷却状態を監視する監視システム(判定部)22と、ダイカスト装置20の駆動を制御する制御部24とが備えられている。
図1及び図2に示すように、長尺物として構成された冷却板18は、溶湯14を所定の流動速度でプランジャスリーブ16に導くべく、鉛直方向に対して所定の角度で傾斜している。勿論、冷却板18の起点である上方端部はラドル12に近接し(図1参照)、一方、終点である下方端部は、プランジャスリーブ16の天井部に形成された注湯口26に臨む(図1及び図2参照)。
冷却板18は、底部28と、該底部28の各側方端部に屈曲して連なる第1側部30、第2側部32とを有する(図2参照)。これら底部28、第1側部30及び第2側部32に囲繞された空間が、流動溝34として機能する。第1側部30及び第2側部32が存在することにより、冷却板18の側方から溶湯14(又は半凝固金属)が溢流・落下することが防止される。互いに対向する第1側部30と第2側部32の離間距離は、底部28から離間するにつれて大きくなる。換言すれば、流動溝34は、上方に向かうに従って拡開されている。
図1及び図3Aに示すように、冷却板18の底部28の内部には、例えば蛇行形状からなる冷却経路36が設けられており、該冷却経路36には、図示しない放熱器や循環ポンプ等を備えたチラー38からの冷却媒体(冷却水)が入口ポート36a及び出口ポート36bを介して循環される。出口ポート36bからチラー38への経路には、その内部を流通する冷却水の温度を検出するための温度センサ40が設けられており、該温度センサ40の検出結果は、監視システム22に送信される。温度センサ40は、出口ポート36bやチラー38内部に設けてもよい。
さらに、冷却板18の底部28には、その底面側から複数(本実施形態では5個)の温度センサ42a、42b、42c、42d、42eが設置されている。図3B及び図3Cから諒解されるように、各温度センサ42a〜42eは、底部28の長手方向(溶湯14の流動方向)に沿って底部28の幅方向中心位置に等間隔で設けられている。各温度センサ42a〜42eの検出結果は、監視システム22に送信される。
監視システム22は、入力された温度センサ40及び温度センサ42a〜42eの検出結果に基づき、データ判定等の所定の演算処理を行うと共に、その演算結果に基づき、ラドル12及び制御部24に対して所定の制御信号(指令)を送信可能である(図1参照)。
一方、図1に示すように、ダイカスト装置20は、前記プランジャスリーブ16と、プランジャスリーブ16内を往復動作するプランジャ(射出機構)44と、プランジャスリーブ16が設けられた固定金型46と、図示しない駆動機構の作用下に前記固定金型46に対して接近又は離間自在な可動金型48と、前記制御部24とを備える。
図1及び図2に示すように、プランジャスリーブ16は略円筒体であり、上記したように、その天井部に注湯口26が形成される。プランジャスリーブ16内に配設されたプランジャ44は、図示しない油圧シリンダにロッド50を介して連結されており、従って、前記油圧シリンダの作用下に往復動作することが可能である。プランジャスリーブ16と固定金型46の間には、連結盤52が介在する。
固定金型46における可動金型48に臨む側の端面には凹部56が陥没形成される一方、可動金型48における固定金型46に臨む側の端面には、前記凹部56に対応する位置に、凸部58が突出形成される。凸部58の突出高さは、凹部56の陥没深さに比して若干小さく、このため、凹部56の底面と凸部58の頂面の間にはクリアランスが形成される。このクリアランスが、キャビティ60となる。
固定金型46と可動金型48の合わせ面近傍において、ランナ54がキャビティ60に向かって略垂直に立ち上がっている。従って、半凝固金属は、ランナ54に導かれてキャビティ60に到達する。
制御部24は、監視システム22からの制御信号(指令)に基づき、ロッド50を駆動する前記油圧シリンダや可動金型48等の駆動、つまりダイカスト装置20の全体的な制御を行うものであり、さらに冷却板18への注湯機であるラドル12の駆動も制御する。
本実施形態に係る鋳造装置10は、以上のような構成により、冷却板18で形成された半凝固金属をダイカスト装置20で成形して所望の成形品(鋳造品)を得る半凝固金属の成形装置として機能する。
ところで、このような鋳造装置10で所望の性状からなる半凝固金属を得るためには、溶湯が半凝固化する際の冷却速度と冷却時間が重要であり、この冷却速度を決定する因子として冷却板18の初期温度が挙げられる。また、冷却板18の過剰な冷却や冷却不足等の異常発生の防止のためにも冷却板18の初期温度監視が必要である。
一方、溶湯14が冷却板18に流動された際、該冷却板18上で目的とする冷却が与えられたか否かの判断を行うためには冷却板18のピーク温度を監視する必要がある。すなわち、溶湯14が所望の温度まで冷却されるということは、溶湯14から相当量の熱量を抜熱しなければならない。この抜熱する熱量は、ほとんどが冷却板18に吸収され、冷却板18内部の冷却経路36を流通する冷却水に放出される。そこで、冷却板18のピーク温度、及び冷却経路36の出口側での冷却水のピーク温度の少なくも一方を監視することにより、溶湯14に対して所定の抜熱ができているか否かを判定・保証することができる。
この場合、上記のように、所望の性状からなる半凝固金属を得るためには、注湯する溶湯14から必要な抜熱量のみを奪う必要がある。ダイカスト成形では、溶湯14がキャビティ60内に充填後、凝固させることが重要であるが、半凝固金属を形成する際には、溶湯14から必要な分の熱量のみを奪って、所定の固相率範囲(温度範囲)に留める必要がある。すなわち、溶湯14を抜熱し過ぎると目的よりも高い固相率(低温)の半凝固金属が形成され、湯廻り不良や湯境欠陥の原因となる。また、溶湯14の抜熱不足により目的よりも低い固相率(高温)の半凝固金属が形成されると、液相率が高いことにより、引け巣欠陥の増加やガス巻込み性悪化によるガス欠陥の増加の原因となる。
さらに、何らかの異常により初期温度が高くなり、それに伴ってピーク温度が高くなった場合にも、例えば、初期温度とピーク温度の差での監視であればその異常を発見することができない。そして、ピーク温度が高くなり過ぎると、連続操業において冷却板18に溶湯14が焼付き易くなり、冷却板18の耐久性や、冷却板18上で凝固した金属片の除去性が悪化し、離型材の付着性も悪化する可能性がある。
そこで、本実施形態に係る半凝固金属の成形方法では、冷却板18の初期温度と共に、冷却板18や冷却水のピーク温度を監視し、その監視結果に基づき各部を駆動制御することにより、所望の性状からなる半凝固金属の形成を図る。
以下、鋳造装置10を用いた半凝固金属の成形方法について図4の動作フローに基づき説明する。
先ず、鋳造作業に先んじて、冷却板18の流動溝34をなす底部28、第1側部30及び第2側部32(図2参照)の各内側壁に離型材が塗布される。
次いで、制御部24により注湯開始信号が発せられると(ステップS1)、ラドル12による冷却板18への注湯開始前に、温度センサ40による冷却水の注湯開始前温度である冷却水初期温度T0と、温度センサ42a〜42eによる冷却板18の注湯開始前温度である冷却体初期温度T1〜T5とが測定され(ステップS2)、監視システム22に供給される。
ステップS3において、監視システム22では、冷却水初期温度T0と、冷却体初期温度T1〜T5とが、それぞれ予め設定された所定温度範囲内にあるか否かを判定する。
冷却水初期温度T0及び冷却体初期温度T1〜T5のすべての測定温度が、それぞれ予め設定された所定温度範囲内にある場合には(ステップS3の条件範囲内)、溶湯14を冷却板18上で適正に冷却可能であると判定し、次にステップS4に進む。ステップS4では、監視システム22又は該監視システム22から情報を伝達された制御部24によりラドル12に注湯許可信号が送信されて、ラドル12から冷却板18への溶湯14の供給が開始される。
これにより、ラドル12が傾斜され、図1に示すように該ラドル12に予め貯留された金属、例えば、アルミニウム合金の溶湯14が冷却板18の上方端部近傍の流動溝34に流下される。流下した溶湯14は、流動溝34に沿って、傾斜した冷却板18の下方端部に向かって流動する。この過程で、冷却板18によって熱が奪取され、その結果、一部が固相となる。すなわち、溶湯14は、冷却板18に案内される最中に、固相及び液相が共存する半凝固金属に徐々に変態し、該半凝固金属は、流動溝34に導かれてプランジャスリーブ16の注湯口26から該プランジャスリーブ16の内部に移送される。勿論、このときには、プランジャ44は最大に後退している。従って、プランジャスリーブ16の内部には、1ショット分、例えばラドル12の1回分の半凝固金属が導入される。
一方、冷却水初期温度T0及び冷却体初期温度T1〜T5のうち、1以上の測定温度が予め設定された所定温度範囲内にない場合には(ステップS3の条件範囲外)、次にステップS5に進む。ステップS5では、監視システム22又は該監視システム22から情報を伝達された制御部24によりラドル12に注湯停止信号が送信され、ラドル12から冷却板18への溶湯14の供給を行わず、ラドル12に貯留された溶湯14を所定の返却容器へと捨て湯する(ステップS6)。
この場合、冷却水初期温度T0及び冷却体初期温度T1〜T5のうちの1以上が所定温度範囲未満である場合には、例えば、冷却水が冷却経路36に過剰に流れている、又は過剰に塗布された離型材の気化熱で冷却板18が過剰に冷却されている等の問題が予想されるため、溶湯14を冷却板18に注湯する前に装置の可動を停止する。また、冷却水初期温度T0及び冷却体初期温度T1〜T5のうちの1以上が所定温度範囲より高い場合には、例えば、冷却板18上に以前の使用で固着した金属片等が残留・付着している、又は冷却経路36に冷却水が適正に流れていない等の問題が予想されるため、溶湯14を冷却板18に注湯する前に装置の可動を停止する。
ステップS7では、上記ステップS4によりラドル12から冷却板18への注湯が開始されると共に、溶湯14が冷却板18上を流動した状態において、温度センサ40による冷却水の注湯開始後温度と、温度センサ42a〜42eによる冷却板18の注湯開始後温度とが測定される。これにより、冷却水ピーク温度Tp0と、温度センサ42a〜42eにより冷却板18の注湯開始前温度である冷却体初期温度Tp1〜Tp5とが測定され、監視システム22に供給される。
ステップS8において、監視システム22では、冷却水ピーク温度Tp0と、冷却体ピーク温度Tp1〜Tp5とが、それぞれ予め設定された所定温度範囲内にあるか否かを判定する。この判定結果は、後述するステップS11の後のステップS12、S13でのOK素材とNG素材の仕分けに利用される。なお、ステップS8の後、次のステップS9の開始と略同時に又はその前後にステップS1にも戻り、次の工程における溶湯14の成形が開始される。
ステップS9では、プランジャスリーブ16内に導入された半凝固金属を素材流動させてキャビティ60内へと充填する。すなわち、制御部24の制御下に、前記油圧シリンダが駆動されることによりロッド50が前進し、プランジャ44が前進動作する。その結果、該プランジャ44により、プランジャスリーブ16内に導入されている所定量(1ショット分)の半凝固金属が押圧され、ランナ54を通過してキャビティ60に充填されることで射出成形が実行される。従って、キャビティ60にて溶湯14が冷却固化され、これにより所望の成形品(鋳造品)の成形が完了する。得られた成形品は、制御部24の制御下に所定の型開き信号が発信され、可動金型48が駆動されて型開きが行われることで、キャビティ60から取り出される(ステップS10及びステップS11)。
次に、ステップS9〜ステップS11で成形されて金型内から取り出された成形品について、ステップS8での判定結果に基づき、OK素材とNG素材との仕分けを実施する。
すなわち、冷却水ピーク温度Tp0及び冷却体ピーク温度Tp1〜Tp5のすべての測定温度が、それぞれ予め設定された所定温度範囲内にある場合には(条件範囲内)、冷却板18又は冷却水に溶湯14から所望量の入熱がなされていることが予想されるため、冷却板18上で溶湯14が所望の半凝固金属となるまで抜熱されたことが保証可能であると判定され、次にステップS12に進み、当該成形品はOK素材として取り扱われる。
一方、冷却水ピーク温度Tp0及び冷却体ピーク温度Tp1〜Tp5のすべての測定温度のうち、1以上の測定温度が予め設定された所定温度範囲内にない場合には(条件範囲外)、次にステップS13に進む。ステップS13では、金型から取り出された成形品をNG素材として仕分けし、必要に応じて廃棄する。
この場合、冷却水ピーク温度Tp0及び冷却体ピーク温度Tp1〜Tp5のうちの1以上が所定温度範囲未満である場合には、溶湯14から冷却板18や冷却水への入熱が少ないことから、溶湯14に所望の冷却が与えられていないため、所望の半凝固金属が形成されていないという異常を検出することができる。また、冷却水ピーク温度Tp0及び冷却体ピーク温度Tp1〜Tp5のうちの1以上が所定温度範囲より高い場合には、ラドル12から冷却板18への注湯温度が高くなっている、又は冷却板18に離型材が塗布されていない等の異常を検出することができる。
なお、冷却板18及び冷却水について、その初期温度及びピーク温度の異常有無判定のタイミングとしては、例えば、冷却板18に溶湯14が流れる直前から流動流量後一定時間を経たときとしてもよい。すなわち、例えば、ラドル12への注湯開始信号を開始点として、ダイカスト装置20の型開き信号までの1ショット分の温度変化を測定し、その測定結果から初期温度及びピーク温度を抽出し、異常の有無を判定してもよい。
また、上記の冷却水初期温度T0及び冷却体初期温度T1〜T5と、冷却水ピーク温度Tp0及び冷却体ピーク温度Tp1〜Tp5とについて、その目標となる温度範囲(所定温度範囲)は、溶湯14の金属量、溶湯14の注湯温度、目標とする半凝固金属の温度、冷却板18の材質・重量・形状、及び冷却板18に塗布する離型材の種類等に基づく熱量計算を行い、予め設定すればよい。勿論、半凝固金属の生成条件から所望の半凝固金属を得られるときの冷却板18や冷却水の温度範囲について、事前に実験及び検証を行い、それにより得られたデータ(冷却板又は冷却水の温度と、溶湯の温度との相関関係や、得られる半凝固金属の性状等)に基づき設定してもよい。
上記の冷却水初期温度T0及び冷却体初期温度T1〜T5と、冷却水ピーク温度Tp0及び冷却体ピーク温度Tp1〜Tp5とについては、少なくとも一方のみ、例えば、冷却体初期温度T1〜T5及び冷却体ピーク温度Tp1〜Tp5のみを測定すればよいが、勿論、冷却水及び冷却板18の両方の温度測定を行った方が得られる製品品質をより安定化することができる。
図5は、鋳造装置10の連続操業、例えば、ラドル12から冷却板18及びプランジャスリーブ16を経てキャビティ60への充填・成形を1ショットずつ連続的に行っている際に、途中で離型材の塗布量を過剰に増加させたときの冷却水ピーク温度及び冷却体ピーク温度の測定結果を示すグラフである。
この場合の実験条件として、溶湯14の冷却板18への注湯温度は610〜615℃、溶湯14の材質はアルミニウム合金(AC2B)、冷却板18の寸法は幅120mmで長さ1000mm、冷却板18の材質はSS400、冷却媒体として30℃の水(冷却水)を用いると共に、離型材(油性離型材)の塗布量を操業開始から1200秒後(7ショット目の直前)に過剰に塗布した。なお、図5に示すように、測定する冷却体ピーク温度としては、5つの温度センサ42a〜42eのうちの2つの温度センサ42b、42cによる測定結果(冷却体ピーク温度Tp2、Tp3)を用いた。また、ピーク温度の正常な範囲として、冷却体ピーク温度は200〜320℃程度に設定し、冷却水ピーク温度は55〜60℃に設定した。
その結果、図5に示すように、離型材の塗布量を正常値に設定している際には、冷却板18のピーク温度(温度センサ42b、42cによる冷却体ピーク温度Tp2、Tp3)と、冷却水のピーク温度(温度センサ40による冷却水ピーク温度Tp)とが共に正常な設定温度範囲、つまり温度センサ42b、42cによる測定結果は、230〜320℃程度の範囲に維持され、温度センサ40による測定結果は、60℃程度に維持されていた。
一方、1200秒後に離型材の塗布量を増加させた場合には、温度センサ42b、42cによる測定結果は、120〜130℃程度の範囲まで低下し、温度センサ40による測定結果は、45〜50℃程度の範囲まで低下した。すなわち、離型材の塗布量が過剰となったことにより、溶湯14から冷却板18や冷却水への入熱量が減少したため、冷却水ピーク温度Tp0及び冷却体ピーク温度Tp2、Tp3が所定温度範囲未満となるまで低下しており、このことは、溶湯14から所望の抜熱が行われていないことを示すため、形成された半凝固金属の性状はNG素材となっている。
以上のように、本実施形態によれば、溶湯14が供給される前の冷却水及び冷却板18の冷却水初期温度T0及び冷却体初期温度T1〜T5と、冷却体初期温度T1〜T5及び冷却体ピーク温度Tp1〜Tp5とを測定し、該測定された温度に基づき、形成される半凝固金属の良否を判定し、その性状を管理する。すなわち、冷却板18や冷却水の初期温度とピーク温度が所定の範囲内であるか否かを監視することにより、溶湯を冷却して半凝固金属を形成する際の異常を迅速に検出することができ、所望の半凝固金属が得られているか否かの管理を適正に行うことができ、その品質の保証・安定化が可能となる。そして、キャビティ60に供給する半凝固金属の品質が安定化することにより、成形品の製品品質が安定化すると共に、規格外製品の後工程への流出(加工により発生する圧漏れ等)を防止することができる。
この際、冷却水初期温度T0及び冷却体初期温度T1〜T5の判定結果により、冷却板18への注湯の可否判断が実行されると共に(ステップS3)、冷却体初期温度T1〜T5及び冷却体ピーク温度Tp1〜Tp5の判定結果により、得られた成形品品質の良否判断を行うことにより(ステップS8、ステップS12、ステップS13)、半凝固金属の形成及び成形までの全体の工程における各所で、半凝固金属の性状を監視・保証することができるため、成型品の仕分けを容易に且つ精度よく行うことができ、生産効率を向上させることができる。
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、監視システム22と制御部24とを別体として図示・説明したが、両者は一つの制御盤内に一体的に設けてもよい。
10…鋳造装置 12…ラドル
14…溶湯 16…プランジャスリーブ
18…冷却板 20…ダイカスト装置
22…監視システム 24…制御部
36…冷却経路 40、42a〜42e…温度センサ
60…キャビティ

Claims (5)

  1. 内部に冷却媒体が流通する冷却体上に溶湯を流動させることで該溶湯に固相を生じさせて半凝固金属を形成し、該形成した半凝固金属をキャビティへと充填することで成形品を得る半凝固金属の成形方法であって、
    前記溶湯が供給される前の前記冷却体又は前記冷却媒体の温度である初期温度を測定する工程と、
    前記溶湯が供給された後の前記冷却体又は前記冷却媒体の温度におけるピーク温度を測定する工程と、
    前記測定された初期温度及びピーク温度に基づき、前記半凝固金属の良否を判定することにより、前記半凝固金属の性状を管理する工程と、
    を有することを特徴とする半凝固金属の成形方法。
  2. 請求項1記載の半凝固金属の成形方法において、
    前記初期温度が所定温度範囲内にある場合に、前記溶湯の前記冷却体への供給を開始する工程を有することを特徴とする半凝固金属の成形方法。
  3. 請求項1又は2記載の半凝固金属の成形方法において、
    前記ピーク温度が所定温度範囲内にない場合に、前記半凝固金属に異常があると判定することを特徴とする半凝固金属の成形方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の半凝固金属の成形方法において、
    前記初期温度及び前記ピーク温度がそれぞれ所定温度範囲内にある場合に、前記半凝固金属は適正であると判定することを特徴とする半凝固金属の成形方法。
  5. 内部に冷却媒体が流通することで流動される溶湯を冷却して固相を生じさせて半凝固金属を形成する冷却体と、
    前記冷却体を通過した前記半凝固金属が注湯されるスリーブと、
    前記スリーブに注湯された前記半凝固金属を射出するための射出機構と、
    前記射出機構によって押圧された前記半凝固金属が充填されるキャビティを形成する金型と、
    少なくとも前記冷却体の温度又は前記冷却媒体の温度を測定可能な温度センサと、
    前記溶湯が供給される前の前記冷却体又は前記冷却媒体の温度である初期温度、及び、前記溶湯が供給された後の前記冷却体又は前記冷却媒体の温度におけるピーク温度に基づき、前記半凝固金属の良否を判定する判定部と、
    を有することを特徴とする半凝固金属の成形装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107186181A (zh) * 2017-05-23 2017-09-22 广东工业大学 一种制备半固态浆料的装置及方法

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