JP2011142785A - モータの冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】潤滑油による冷却を効率良く行うことができ、しかも動力損失や撹拌による発熱などを防止もしくは抑制することのできるモータの冷却装置を提供する。
【解決手段】ロータ3の外周側に僅かなギャップ5を空けてステータ6が同心円状に配置され、そのロータ3をオイルによって冷却するモータの冷却装置であって、前記ロータ3の軸線方向での少なくとも一方の端部に、前記ギャップ5に連通するとともに、前記ロータ3が回転することにより負圧が発生して前記ギャップ5から吸引を行う負圧発生手段が設けられている。
【選択図】図1

Description

この発明は、ロータが回転することによる遠心力を利用して潤滑油をロータの半径方向で外側に流動もしくは飛散させてロータやステータを冷却するように構成された冷却装置に関するものである。
モータは、コイルに通電することによる不可避的な損失で発熱し、また潤滑油を使用する場合には、潤滑油を撹拌することによる動力損失で熱が生じ、一方、温度が高くなると磁気特性が低下するなどの不都合が生じる。特にハイブリッド車や電気自動車などに使用されるモータは、大きい駆動力を得るために大電流が流され、また駆動とエネルギ回生とが繰り返されるなど使用環境が厳しいので、発熱による温度上昇を抑制することが重要になっている。また併せて、車両の駆動力源として使用されるモータおよびこれに関連する機器は、車載性を良好にするために、可及的に小型・軽量であることが望まれる。
このような事情を背景として開発された装置が特許文献1に記載されている。その特許文献1に記載された装置は、ハイブリッド車の駆動装置であって、そのモータにおけるロータの軸線方向での両端部にエンドプレートが設けられ、そのエンドプレートは環状に形成されるとともに、その内周面から外周面に到る半径方向に向けた潤滑油路が形成されている。したがって特許文献1に記載された発明では、ロータが回転すると、ロータを支持している軸受を経た潤滑油が遠心力により前記エンドプレートの内周端に到り、ここから潤滑油路を通ってロータの外周側に送られ、その過程でロータを冷却するとともに、ステータに潤滑油が吹き付けられる状態になり、その潤滑油によってステータが冷却される。
特開2003−169448号公報
上述した特許文献1に記載されている装置は、ロータの一部の形状を変更することにより冷却を行い得るようにすることを目的としたものであり、ステータに向けて潤滑油を供給する前記の潤滑油路はステータの内周面にほぼ垂直に向けて開口している。したがって、ステータの内周面に対して十分な量の潤滑油を供給することができるが、その潤滑油はロータとステータとの間の狭いギャップにも多量に流入する。そのため、ロータが回転することにより、そのギャップ内の潤滑油に剪断力や撹拌力が作用し、それに伴って動力損失が生じ、また発熱する可能性がある。さらに、発熱によってロータあるいはステータの温度が高くなった場合には、磁力(もしくは磁束)が低下する減磁などの問題も生じる可能性がある。
この発明は、上述した技術的課題に着目してなされたものであって、潤滑油による冷却を効率良く行うことができ、しかも動力損失や撹拌による発熱などを防止もしくは抑制することのできるモータの冷却装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、ロータの外周側に僅かなギャップを空けてステータが同心円状に配置され、そのロータをオイルによって冷却するモータの冷却装置において、前記ロータの軸線方向での少なくとも一方の端部に、前記ギャップに連通するとともに、前記ロータが回転することにより負圧が発生して前記ギャップから吸引を行う負圧発生手段が設けられていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記負圧発生手段は、前記ギャップを形成している前記ロータの外周面から前記ロータの側面に到る傾斜フランジ部であって、その傾斜フランジ部の外周面は、前記ロータの側面側で次第に外径が増大するテーパ状に形成されていることを特徴とするモータの冷却装置である。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記傾斜フランジ部は、前記ロータの軸線方向での両端部に形成され、かつ負圧発生手段は、前記ステータの軸線方向での両端部に前記ステータの内周面に連続して形成されるとともに前記各傾斜フランジ部の外周面に対向するように前記ステータの軸線方向での端部側で内径が次第に増大する傾斜面を含み、一方の傾斜フランジ部の最大外径は前記ステータの内周面の内径以下であり、かつ該一方の傾斜フランジ部に対向する一方の前記傾斜面の最小内径が前記一方の傾斜フランジ部の最大外径より小さくなっており、さらに前記一方の傾斜面と前記傾斜フランジ部との少なくとも一方は弾性部材によって形成されていることを特徴とするモータの冷却装置である。
請求項1および請求項2の発明によれば、潤滑油は遠心力によってロータの半径方向で外側に飛散させられるので、油路をその外周側に流れる。そして、潤滑油は、ロータとステータとの間のギャップから吸引を行う負圧発生手段により、ロータが積層鋼板によって構成されている場合であっても、潤滑油がそれらの積層鋼板の間に侵入したり、その潤滑油が前記ギャップに供給されたりすることが抑制される。その結果、ロータとステータとの間のギャップにおける潤滑油の量が相対的に少なくなるので、潤滑油の撹拌もしくは引き摺りによる動力損失や発熱を防止もしくは抑制することができる。
また、請求項3の発明によれば、前記一方の傾斜面と前記傾斜フランジ部との少なくとも一方は弾性部材によって形成されているので組み付けの際に生じるこの弾性部材の変形により容易に撓ませて組み付けを可能とすることができる。
この発明に係るモータの冷却装置の断面図である。 この発明に係るモータの冷却装置で使用されるエンドプレートの一例を示す断面図である。 この発明の他の具体例を示し、(a)は全体的な断面図、(b)はその一部の拡大断面図である。 この発明の更に他の具体例を示し、(a)はロータをステータの内周側に挿入する過程の断面図、(b)は挿入が完了した状態の断面図である。
この発明を図に示す具体例に基づいて説明する。この発明に係るモータの冷却装置は、ロータが回転することによる遠心力によって潤滑油をロータの半径方向で外側に流動させ、その結果、ロータから飛散もしくは流出した潤滑油をステータに供給することにより、ロータおよびステータから潤滑油によって熱を奪い、これらを冷却するように構成されている。そのロータおよびステータ自体は従来知られている一般的な構成のものであってよく、図1に示す例では、ロータ軸1はその両端部に配置された軸受2を介してケーシング3によって回転自在にされている。このロータ軸1は中空軸であって、その一方の端部は、ケーシング3に形成されている油路4に連通させられている。なお、一方の軸受2に対しても油路4から潤滑油を供給できるようになっている。
ロータ5の外周部に近い箇所には、永久磁石6が嵌め込まれている。このロータ5の外周側にステータ7が配置されている。ステータ7は、従来の永久磁石式同期電動機におけるステータと同様に環状をなすものであって、前記ケーシング3に固定されており、詳細は図示しないが、複数の電磁コイルを備え、その電磁コイルに流す電流を変化させて磁界を変化させることにより、ロータ5にトルクを生じさせるようになっている。したがって、ロータ5の外周面とステータ7の間に僅かな隙間であるギャップ8が形成されている。
ロータ5は、積層鋼板によって構成されているので、各鋼板が密着するように軸線方向に荷重を掛けて締め付けた状態でロータ軸1に取り付けられている。具体的に説明すると、ロータ5の軸線方向での少なくとも一方の端部側(図1に示す例では両端部側)に、ロータ軸1と一体のロック部9が設けられ、そのロック部9とロータ5との間にエンドプレート10が挟み込まれている。そのロック部9は、要は、ロータ軸1と一体でかつロータ軸1の外周側に突出した部分であり、図1に示す例では、外周側に突出したフランジ部を有するカシメ部材をロータ軸1に嵌合させることにより形成されている。なお、ロータ軸1にロックナットをねじ込んでロック部9としてもよい。
エンドプレート10は、ロータ5を構成している積層鋼板に軸線方向の締め付け力を付与するためのものであり、併せて冷却のための構成あるいは機能を備えている。すなわち、潤滑油をロータ5の軸線方向での端部においてその内周側から外周側に向けて流す油路11を備えている。具体的に説明すると、各エンドプレート10は、ロータ軸1に嵌合させられるように全体として環状に形成されており、図2に示すように、相対的に外径が大きい第1側板部12と相対的に外径が小さい第2側板部13とを、それぞれの内周縁部で連結して構成されている。なお、その内周縁部の連結部分を、以下、仮に円筒部14とする。その円筒部14には、内周面と外周面とに開口する貫通孔15が形成されている。これに対して、前記ロータ軸1にはその内周部から外周面に貫通した油孔16が形成されており、エンドプレート10をロータ軸1の所定箇所に嵌合させて取り付けた状態では、ロータ軸1の油孔16とエンドプレート10の貫通孔15とが連通するように構成されている。すなわち、各側板部12,13の間の部分は、貫通孔15および油孔16を介してロータ軸1の内周部に連通するように構成されており、したがってこれら各側板部12,13の間の部分が油路11となっている。
外径が大きい前記第1側板部12は、ロータ5の軸線方向での端面に密着させる部分であり、その外周側の部分は、油路11の外周側の開口部を覆うようにいわゆる庇(ひさし)状に延びている。すなわち、第1側板部12における外周側の部分は、ロータ5から離れるのに従って次第に内径が大きくなるテーパー状になっており、そのテーパー環状部17が油路11の開口端の外周側を覆っている。したがって、油路11における潤滑油の遠心油圧が半径方向で外向きに作用するのに対して、その遠心油圧を受けるテーパー環状部17が半径方向に対して斜めに交差する状態になっているので、テーパー環状部17に遠心油圧が作用すると、その力が軸線方向の推力に変換され、その軸方向推力が第1側板部12を介してロータ5を軸線方向に押圧する。その結果、ロータ5を構成している積層鋼板が軸線方向に締め付けられて互いに密着させられる。
さらに、各第1側板部12には、その表裏両面(ロータ5に接する面と油孔16側の面)とに開口する貫通孔18が形成されている。その貫通孔18の位置は、前述した永久磁石6に対応する位置であり、したがって油路11を流れる潤滑油の一部が、永久磁石6に対して供給されるように構成されている。
上述した各側板部12,13およびこれらを繋いでいる円筒部14は金属あるいは合成材料によって一体に形成されており、その各側板部12,13は、外力が作用してないいわゆるフリー状態では、両者の間の間隔が外周側で次第に大きくなり、軸線方向に作用する外力を受けた場合に弾性的に撓んで、両者の間隔が相対的に狭くなるように構成されている。そして、そのエンドプレート10は、それらの側板部12,13の間隔が狭くなるように撓まされて前述したロータ5とロック部10との間に挟み込まれている。したがって、そのような弾性変形に伴う反力がロータ5に対する軸方向推力となっており、エンドプレート10がロータ5の締め付け部材としても機能している。なお、そのような締め付け力をより大きくするために、各側板部12,13の間隔を広げるように弾性力を作用させる弾性部材を各側板部12,13の間に配置してもよい。
なお、ステータ7の軸線方向での少なくとも一方(図1に示す例では両方)には、前述したテーパー環状部17と協働して前記ギャップ8から潤滑油を積極的に排出する負圧発生部20が設けられている。この負圧発生部20は、ロータ5の回転数が増大するほど、ギャップ8から吸引する負圧が高くなるように構成された部分であり、具体的には、ステータ7の軸線方向での両端部には、前記ギャップ8と同程度の間隔を空けて前記テーパー環状部17の外周面とほぼ平行に対向する傾斜面21が形成されている。すなわち、その傾斜面21とテーパー環状部17の外周面との間の隙間は、前記のギャップ8に連通するとともに、テーパー環状部17の先端部側で半径が次第に増大するように構成されている。したがって、傾斜面21とテーパー環状部17の外周面との間に入った潤滑油にはロータ5が回転することによる遠心力が作用し、その潤滑油がロータ5の軸線方向での端部側に流動するので、ここに連通しているギャップ8には、その軸線方向での端部側に吸引する負圧が作用するようになっている。
ところで、上述した構造のモータを組み立てる場合、ロータ軸1に組付の完了したロータ5をステータ7の内周側に挿入するのが通常であり、これに対してこの発明に係る冷却装置は上述したテーパー環状部17を備えているので、モータの組立を容易にするために、下記の構造を備えている。先ず、ロータ5をステータ7の内周側に挿入する際にロータ5の先端側となる端部に設けられているエンドプレート10(図1での右側のエンドプレート10)の最大外径(そのテーパー環状部17の先端部の外径)は、ステータ7の内径以下に設定されている。これに対して、ステータ7の軸線方向での端部のうちロータ5の組み付け時の先端側に位置する端部(図1の右側の端部)には、前述した傾斜面21を備えたテーパー状ブロック22が取り付けられている。このテーパー状ブロック22は、内周面をテーパー状の前記傾斜面21とした環状の部材であって、その最小内径は、ロータ5の外径および前記先端側のエンドプレート10の最外周部の外径より小さくなっている。そして、このテーパー状ブロック22は、ゴムなどの弾性材料によって構成されている。したがって、ロータ5をステータ7の内周側に挿入する場合、その先端側のエンドプレート10はステータ7の内周面に接触することなく、もしくは軽く接触して進行するが、前記先端側のテーパー状ブロック22に対してはその小径側の部分に当接する。しかしながら、テーパー状ブロック22は弾性材料によって構成され、容易に撓ませることができるから、ロータ5を更に押し込むことにより、その先端側のテーパー状環状部17がテーパー状ブロック22を撓ませて更に進行し、図1に示す状態に組み付けられる。弾性的に撓んだテーパー状ブロック22は、エンドプレート10が通り過ぎることにより元の形状に復帰するから、テーパー状ブロック22の内周面とテーパー環状部17の外周面とは僅かな隙間を空けて対向し、遠心力によって外周方向に流れる潤滑油の流路が形成される。
つぎに上述した冷却装置による冷却作用について説明する。潤滑油はケーシング3に形成されている前記油路4を介して供給されており、したがってその潤滑油の一部は軸受2に供給されてその潤滑を行うとともに、他の潤滑油はロータ軸1の内部から前記油孔16を通ってエンドプレート10の油路11に流入する。そして、油路11から第1側板部12に形成されている貫通孔18を通って永久磁石6に潤滑油が供給され、その結果、永久磁石6が潤滑油によって直接冷却される。また、ロータ5を構成している積層鋼板の間に潤滑油が浸透してロータ5がその潤滑油によって冷却される。
ロータ5が回転すると、これと一体の油路11内の潤滑油に遠心力が作用するので、その潤滑油は積極的に外周側に流動させられ、また遠心油圧が発生する。エンドプレート10は前述したロック部9によってロータ軸1に固定されているから、油路11内で遠心油圧によって圧力が高くなると、第1側板部12を介してロータ5が軸線方向に押圧され、ロータ5を構成している積層鋼板が互いに強く密着させられる。また同様に、油路11からその外周側に流出する潤滑油が、油路11の外周側に開口部を覆っている前記テーパー環状部17を押すことになり、その場合、テーパー環状部17が前述したように半径方向に対して傾斜しているので、遠心油圧に応じて軸線方向の推力が発生し、その軸方向推力によってロータ5を構成している積層鋼板が互いに強く密着させられる。このようにして積層鋼板が強く密着することによりそれらの間の潤滑油の量が減じられ、ロータ5の外周面とステータ7の内周面との間のギャップ8に入り込む潤滑油の量を減じることができる。
また、潤滑油はエンドプレート10における油路11に連続的に供給されることにより油路11には常時新たな潤滑油によって満たされる。したがってその潤滑油によってロータ5から熱を奪うことができるから、ロータ5を冷却することができる。さらに、油路11から外周側に飛散した潤滑油は、ロータ5の外周側に位置するステータ7に供給されることになるので、ステータ7がその潤滑油によって熱を奪われて冷却される。
なお、この発明は上述した具体例に限定されないのであって、ロータ5は永久磁石に替えて電磁コイルを備えたものであってもよい。また、ロータ5はロータ軸1の外周面に直接嵌合させられた構成のものでなくてよく、要は、ロータ軸と一体に回転するように構成されていればよく、したがってロータ5に対する潤滑油の供給はロータの内周側から行われるようになっていればよいので、ロータ軸1に油路が形成されていなくてもよい。
次に、この発明の他の実施例について図に示す具体例に基づいて説明する。以下に説明する実施例においても、ロータが回転することによる遠心力によって潤滑油をロータの半径方向で外側に流動させ、その結果、ロータから飛散もしくは流出した潤滑油をステータに供給することにより、その潤滑油によってロータおよびステータから熱を奪い、これらを冷却するように構成されている。そのロータおよびステータ自体は従来知られている一般的な構成のものであってよく、図3に示す例では、ロータ軸23はその両端部に配置された軸受24を介してケーシング25によって回転自在にされている。このロータ軸23は中空軸であって、その一方の端部は、ケーシング25に形成されている油路26に連通させられている。なお、一方の軸受24に対しても油路26から潤滑油を供給できるようになっている。
ロータ軸23と一体のロータ27の外周側にステータ28が配置されている。ステータ28は、従来の永久磁石式同期電動機におけるステータと同様に環状をなすものであって、前記ケーシング25に固定されており、詳細は図示しないが、複数の電磁コイルを備え、その電磁コイルに流す電流を変化させて磁界を変化させることにより、ロータ27にトルクを生じさせるようになっている。したがって、ロータ27の外周面とステータ28の間に僅かな隙間であるギャップ29が形成されている。
ロータ27は、積層鋼板によって構成されているので、各鋼板が密着するように軸線方向に荷重を掛けて締め付けた状態でロータ軸23に取り付けられている。具体的に説明すると、ロータ27の軸線方向での少なくとも一方の端部側(図3に示す例では両端部側)に、ロータ軸23と一体のロック部30が設けられ、そのロック部30とロータ27との間にエンドプレート31が挟み込まれている。そのロック部30は、要は、ロータ軸23と一体でかつロータ軸23の外周側に突出した部分であり、図3に示す例では、外周側に突出したフランジ部を有するカシメ部材をロータ軸23に嵌合させることにより形成されている。なお、ロータ軸23にロックナットをねじ込んでロック部30としてもよい。
左右の各エンドプレート31は、ロータ27を構成している積層鋼板に軸線方向の締め付け力を付与するためのものであり、前述した具体例におけるエンドプレート10とは異なり、それぞれ環状の板状部材によって構成されている。そして、各エンドプレート31のロータ27に対向する面の外周側の部分には、ロータ27に接触してロータ27を軸線方向に押圧するための突出部31aが形成されている。この突出部31aは環状をなす部分であり、したがってその内周側でエンドプレート31とロータ27との間に、隙間部分が形成されている。前記ロータ軸23には、前述した図1に示す例と同様に、油孔36が形成されており、その油孔36が前記隙間部分に連通している。したがって、エンドプレート31とロータ27との間の隙間部分が油路31bとなっている。この油路31bは、前述した環状の突出部31aの内周側に形成されたものであって、ロータ27の半径方向で外側に対しては突出部31aによって閉じられている。そこで、油路31bからステータ28に対して潤滑油を供給するために、各エンドプレート31の側壁部で前記突出部31aに近い外周側の部分には、軸線方向に貫通した貫通孔31cが形成されている。
さらに、ステータ28の軸線方向での少なくとも一方(図3では両方)の端部には、ロータ27から離れるのに従って次第に内径が大きくなるテーパー面32が形成されている。そして、このテーパー面32と協働して前記ギャップ29から潤滑油を積極的に排出する負圧発生部34が設けられている。この負圧発生部34は、ロータ27の回転数が増大するほど、ギャップ29から吸引する負圧が高くなるように構成された部分であり、具体的には、図3の(b)に示すように、左側のエンドプレート31には、前記ギャップ29と同程度の間隔を空けて前記テーパー面32の外周面とほぼ平行に対向する傾斜面35が形成されている。なお、図3の(b)は図3の(a)における符号Bで示す部分の拡大図である。すなわち、その傾斜面35とテーパー面32の外周面との間の隙間は、前記のギャップ29に連通するとともに、テーパー面32の先端部側で半径が次第に増大するように構成されている。したがって、傾斜面35とテーパー面32の外周面との間に入った潤滑油にはロータ27が回転することによる遠心力が作用し、その潤滑油がロータ27の軸線方向での端部側に流動するので、ここに連通しているギャップ29には、その軸線方向での端部側に吸引する負圧が作用するようになっている。
なお、図3の(a)における右側のエンドプレート31の外周面は軸線方向に対して平行な円筒状の円周面であり、その外周面にわずかな隙間を空けて対向する円筒状の内周面がステータ28に形成されている。この隙間は、前述したギャップ29およびステータ28のテーパー面32に連通しており、したがってそのテーパー面32において遠心力によって半径方向で外側に流動する潤滑油がギャップ29の潤滑油を吸引するようになっている。
つぎに上述した冷却装置による冷却作用について説明する。潤滑油はケーシング25に形成されている前記油路26を介して供給されており、したがってその潤滑油の一部は軸受24に供給されてその潤滑を行うとともに、他の潤滑油はロータ軸23の内部から前記油路36を通って各エンドプレート31の油路31bに流入する。そして、油路31bに流入した潤滑油は貫通孔31cを介してエンドプレート31の外側に流れるが、さらに遠心力を受けているので、エンドプレート31に沿って半径方向で外側に流動し、その結果、ステータ28の内周部に供給される。ステータ28にはこうして潤滑油が連続的に供給されるので、ステータ28はその潤滑油によって熱が奪われ、冷却される。
ステータ28が停止しているのに対してロータ27が連続的に回転しているので、潤滑油は上述したように各エンドプレート31からステータ28の軸線方向での両端側の部分に連続的に供給され、その潤滑油はステータ28に形成されているテーパー面32に沿って、より大径側に向けて流動する。このようなテーパー面32を流れる潤滑油は、ギャップ29の両端部を閉じている状態になっているので、ギャップ29から離れる方向にテーパー面32に沿って流動することにより、ギャップ29には、その軸線方向での端部側に吸引する負圧が作用する。
また、潤滑油はエンドプレート31における油路31bおよび貫通孔31cに連続的に供給されることにより油路31bおよび貫通孔31cには常時新たな潤滑油によって満たされる。したがってその潤滑油によってロータ27から熱を奪うことができるから、ロータ27を冷却することができる。
上述した図3に示す例では、図3での右側のエンドプレート31の外周面を円筒状に形成し、かつその外径をステータ28の最小内径以下とした。これは、ロータ27をステータ28の内周側に挿入する場合ロータ27がステータ28に干渉しないようにするためである。その反面、ギャップ29から潤滑油を吸引するテーパー面32での潤滑油の流れは、いわゆる解放された流路を流れることになり、吸引作用が必ずしも十分に高くならない可能性がある。そこで、図での右側の部分、すなわちロータ27をステータ28の内部に挿入する際のいわゆる先端側の部分の構成を前述した図1に示す構成と同様にしてもよい。その例を図4の(a),(b)に示してある。
ここに示す例では、図での右側のエンドプレート31Rにおける外周面35Rが、ロータ27から離れるのに従って次第に大径となるテーパー状に形成され、かつその最大外径はステータ28の内径以下とされている。また、ステータ28の右側の内周部には、図1に示すテーパー状ブロック22と同様の形状のテーパー状ブロック22Rが取り付けらており、その内周面であるテーパー状の傾斜面21Rが、前記エンドプレート31Rの外周面35Rにわずかな隙間を空けて対向している。そして、この隙間が前述したギャップ29に連通している。また、テーパー状ブロック22Rの最小内径は、エンドプレート31Rの最大外径より小さくなっており、さらにそのエンドプレート31Rと干渉した場合に弾性的に撓むことができるように、テーパー状ブロック22Rはゴムなどの弾性材料によって形成されている。他の構成は、図3に示す例と同様であるから、図4の(a),(b)に図3と同様の符号を付してその説明を省略する。
したがって、図4に示す構成であっても、ロータ27をステータ28の内周側に挿入する場合、その先端側のエンドプレート31Rはステータ28の内周面に接触することなく、もしくは軽く接触して進行するが、図4の(a)に示すように、前記先端側のテーパー状ブロック22Rに対してはその小径側の部分に当接する。しかしながら、テーパー状ブロック22Rは弾性材料によって構成され、容易に撓ませることができるから、ロータ27を更に押し込むことにより、その先端側の大径の部分がテーパー状ブロック22Rを撓ませて更に進行し、図4の(b)に示す状態に組み付けられる。弾性的に撓んだテーパー状ブロック22Rは、エンドプレート31Rが通り過ぎることにより元の形状に復帰するから、テーパー状ブロック22Rの傾斜面21Rとエンドプレート31Rの外周面35Rとは僅かな隙間を空けて対向し、遠心力によって外周方向に流れる潤滑油の流路が形成される。このように図4に示す構成では、組み付け性を阻害することなく、ギャップ29からの吸引性を向上させることができる。
1…ロータ軸、 2…軸受、 3…ケーシング、 4…油路、 5…ロータ、 6…永久磁石、 7…ステータ、 8…ギャップ、 9…ロック部、 10…エンドプレート、 11…油路、 12…第1側板部、 13…第2側板部、 14…円筒部、 15…貫通孔、 16…油孔、 17…テーパー環状部、 18…貫通孔、 20…負圧発生部、 21,21R…傾斜面、 22,22R…テーパー状ブロック、 23…ロータ軸、 24…軸受、 25…ケーシング、 26…油路、 27…ロータ、 28…ステータ、 29…ギャップ、 30…ロック部、 31…エンドプレート、 31a…突出部、 31b…油路、 31c…貫通孔、 31R…エンドプレート、 32…テーパー面、 34…負圧発生部、 35…傾斜面、 35R…外周面、 36…油孔。

Claims (3)

  1. ロータの外周側に僅かなギャップを空けてステータが同心円状に配置され、そのロータをオイルによって冷却するモータの冷却装置において、
    前記ロータの軸線方向での少なくとも一方の端部に、前記ギャップに連通するとともに、前記ロータが回転することにより負圧が発生して前記ギャップから吸引を行う負圧発生手段が設けられていることを特徴とするモータの冷却装置。
  2. 前記負圧発生手段は、前記ギャップを形成している前記ロータの外周面から前記ロータの側面に到る傾斜フランジ部であって、その傾斜フランジ部の外周面は、前記ロータの側面側で次第に外径が増大するテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のモータの冷却装置。
  3. 前記傾斜フランジ部は、前記ロータの軸線方向での両端部に形成され、かつ
    負圧発生手段は、前記ステータの軸線方向での両端部に前記ステータの内周面に連続して形成されるとともに前記各傾斜フランジ部の外周面に対向するように前記ステータの軸線方向での端部側で内径が次第に増大する傾斜面を含み、
    一方の傾斜フランジ部の最大外径は前記ステータの内周面の内径以下であり、かつ該一方の傾斜フランジ部に対向する一方の前記傾斜面の最小内径が前記一方の傾斜フランジ部の最大外径より小さくなっており、さらに
    前記一方の傾斜面と前記傾斜フランジ部との少なくとも一方は弾性部材によって形成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載のモータの冷却装置。
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