JP5387476B2 - モータの冷却装置 - Google Patents

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Description

この発明は、ロータが回転することによる遠心力を利用して潤滑油をロータの半径方向で外側に流動もしくは飛散させてロータやステータを冷却するように構成されたモータの冷却装置に関するものである。
モータは、コイルに通電することによる不可避的な損失によって発熱し、また潤滑油を使用する場合には、その潤滑油を撹拌することによる動力損失によっても発熱する。一方、温度が高くなると磁気特性が低下するなどの不都合が生じる。特にハイブリッド車や電気自動車などに使用されるモータは、大きい駆動力を得るために大電流が通電され、また駆動とエネルギ回生とが繰り返されるなど使用環境が厳しいので、発熱による温度上昇を抑制することが重要になっている。また併せて、車両の駆動力源として使用されるモータおよびこれに関連する機器は、車両への搭載性を良好にするために、可及的に小型・軽量であることが望まれる。
このような事情を背景として開発された装置が特許文献1に記載されている。その特許文献1に記載された装置は、ハイブリッド車の駆動装置であって、そのモータにおけるロータの軸線方向での両端部にエンドプレートが設けられ、そのエンドプレートは環状に形成されるとともに、その内周面から外周面に到る半径方向に向けた潤滑油路が形成されている。そのため、特許文献1に記載された発明では、ロータが回転すると、ロータを支持している軸受を経由して流入した潤滑油が、遠心力によりエンドプレートの内周端へ到達し、ここから潤滑油路を通ってロータの外周側に送られる。したがって、その過程で潤滑油によってロータが冷却されるとともに、ステータに潤滑油が吹き付けられる状態になり、その潤滑油によってステータが冷却されるように構成されている。
特開2003−169448号公報
上述した特許文献1に記載されている装置は、ロータの一部の形状を変更することにより冷却を行い得るようにすることを目的としたものであり、ステータに向けて潤滑油を供給する前記の潤滑油路は、ステータの内周面にほぼ垂直に向けて開口している。したがって、ステータの内周面に対して十分な量の潤滑油を供給することができるが、その潤滑油はロータとステータとの間の狭いギャップにも多量に流入する。そのため、ロータが回転することにより、そのギャップ内の潤滑油に剪断力や撹拌力が作用し、それに伴って動力損失が生じ、また発熱する可能性がある。さらに、発熱によってロータあるいはステータの温度が高くなった場合には、磁力(もしくは磁束)が低下する減磁などの問題も生じる可能性がある。
これに対して、例えばロータおよびステータの両端部を、それぞれ先端に向けて次第に外径および内径が増大するように傾斜したテーパ状に形成することにより、ロータの回転に伴って遠心力が作用する潤滑油が、傾斜した部分をガイドにして両端部の先端方向へ流動するので、ロータとステータとの間のギャップへの潤滑油の流入を防止することができる。しかしながら、ロータの両端部を上記のようなテーパ状に形成すると、モータの時に、ステータの内周部分へロータを軸方向に挿入する際に、ロータの外径が増大した部分とステータの内径部分とが干渉するので、そのままではモータの組み付けが困難になる。
この発明は、上述した技術的課題に着目してなされたものであって、潤滑油の粘性抵抗に起因する動力損失や撹拌による発熱を防止して潤滑油による冷却を効率良く行うことができるとともに、組み付け性が良好なモータの冷却装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、ステータと、そのステータの内周部に径方向での所定の隙間を空けて配置されて中空のロータ軸と共に回転自在に支持されるロータと、そのロータの軸線方向での少なくとも一方の端部に形成されて前記ロータ軸の中空部分に供給される潤滑油を該ロータが回転する際の遠心力によって該ロータの内周部から外周部へ向けて流動させる油路と、前記端部に前記ロータの側端面側で外径が次第に増大するように形成されて前記ロータの外周部へ流動した前記潤滑油の前記隙間への流入を規制する傾斜外周面を有する外側フランジと、前記ステータの内周部に前記ステータの軸線方向での側端面側で内径が次第に増大するように形成されて前記傾斜外周面と対向する傾斜内周面を有する内側フランジとを備えたモータの冷却装置において、前記外側フランジは、前記ロータ端部の外周部で周方向に配列して形成されて径方向で外側に凸となる複数の突起であり、前記内側フランジは、前記ステータ端部の内周部で周方向に配列して形成されて径方向で内側に凸となる複数の突起であって、前記ロータ端部の外周部の互いに隣り合う前記外側フランジ同士の間に、前記内側フランジが挿入かつ摺動可能な外側凹部が形成され、前記ステータ端部の内周部の互いに隣り合う前記内側フランジ同士の間に、前記外側フランジが挿入かつ摺動可能な内側凹部が形成されていることを特徴とするモータの冷却装置である。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記外側フランジは、前記ロータ端部の外周部の全周にわたり等間隔に形成され、前記内側フランジは、前記ステータ端部の内周部の全周にわたり等間隔に形成されていて、それら前記外側フランジと前記内側フランジとは、前記ステータの内周部に前記ロータを挿入して組み付ける際に、前記軸線方向で互いに摺動可能にスプライン嵌合するように形成されていることを特徴とするモータの冷却装置である。
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記潤滑油が前記油路から前記ロータの外周部へ流出する流出口が、前記ロータが回転する際に該流出口から流出する前記潤滑油が前記外側フランジの中央部分に向かうように、前記ロータの側端面に形成されていることを特徴とするモータの冷却装置である。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記外側フランジおよび前記内側フランジは、それぞれ、前記軸線方向に対して斜めに捻れている構成を含むことを特徴とするモータの冷却装置である。
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記外側フランジおよび前記内側フランジは、それぞれ、前記ロータが回転する際に前記潤滑油の前記隙間への流入を抑制する方向に捻れている構成を含むことを特徴とするモータの冷却装置である。
請求項1の発明によれば、ロータ軸の中空部分に供給される潤滑油は、モータが回転する際に、遠心力によってロータの径方向で外側に飛散させられる。そして、潤滑油は、ロータの外周部からステータへと移動する。この場合、ロータおよびステータの端部に外側フランジおよび内側フランジがそれぞれ形成されていることにより、ロータとステータとの間の隙間への潤滑油の流入が抑制される。その結果、ロータとステータとの間の隙間における潤滑油の量が相対的に少なくなるので、潤滑油の撹拌もしくは引き摺りによる動力損失や発熱を防止もしくは抑制することができる。さらに、隣り合う外側フランジ同士の間および隣り合う内側フランジ同士の間が、外側凹部および内側凹部として形成されているので、モータを組み付ける際に、外側凹部に内側フランジが嵌合しかつ内側凹部に外側フランジが嵌合するようにロータとステータとの周方向における相対位置を一致させて、ステータの内周部へロータを軸線方向に容易に挿入することができる。したがって、モータを容易に組み付けることができる。
また、請求項2の発明によれば、ロータ端部の外側フランジとステータ端部の内側フランジとがスプラインとして形成される。そのため、ステータの内周部へロータを軸線方向に確実にかつ容易に挿入することができる。
また、請求項3の発明によれば、流出口から流出する潤滑油に対する遠心力の作用方向やロータの回転方向等が考慮されて、潤滑油が遠心力を受けてロータの外周部側へ移動する場合に、その潤滑油がロータの外側フランジに到達し易い位置に流出口が形成される。したがって、遠心力を受けた潤滑油は、ロータの外側フランジを経てステータ側に容易に到達する。そのため、ステータ側へ潤滑油を容易にかつ効率良く供給することができる。また、潤滑油がロータの外側フランジを経由してステータ側へ供給されることから、ロータの外側フランジが形成されていない部分からロータとステータとの間の隙間に流入してしまうことを抑制することができる。そのため、ロータとステータとの間の隙間における潤滑油の量が相対的に少なくなるので、潤滑油の撹拌もしくは引き摺りによる動力損失や発熱を防止もしくは抑制することができる。
さらに、請求項4の発明によれば、ロータ端部の外側フランジおよびステータ端部の内側フランジが、軸線方向に対して斜めに捻れた形状に形成される。すなわち、外側フランジおよび内側フランジが、それらの傾斜面の傾斜方向が軸線方向に対して捻れた角度を持つように、例えばはす歯歯車状に形成される。そのため、ロータの外側フランジが形成されていない部分に、すなわちロータの外側凹部に潤滑油が流入した場合であっても、斜めになった外側フランジの側面(外側フランジと外側凹部との境界面)が障壁となってロータとステータとの間の隙間への潤滑油の流入を抑制することができる。なお、ステータの内側フランジも、ロータの外側フランジと同じ方向の角度で軸線方向に対して捻れた形状に形成することにより、ロータを軸線方向に捻りを加えながら移動させて、ステータの内周部にロータを挿入することができる。
そして、請求項5の発明によれば、軸線方向に対して斜めに捻れて形成される外側フランジおよび内側フランジの捻れ方向が、ロータとステータとの間の隙間への潤滑油の流入を抑制する方向となるように、それら外側フランジおよび内側フランジが形成される。そのため、ロータとステータとの間の隙間への潤滑油の流入を確実に抑制することができる。
この発明に係るモータの冷却装置を示す図であって、特にステータの内周側へのロータの挿入が完了した状態を説明するための模式図である。 この発明に係るモータの冷却装置を示す図であって、特にステータの内周側へのロータの挿入過程を説明するための模式図である。 この発明に係るモータの冷却装置の他の具体例を示す図である。
この発明を図に示す具体例に基づいて説明する。この発明に係るモータの冷却装置は、ロータが回転することにより発生する遠心力によって潤滑油をロータの半径方向で外側に流動させ、その結果、ロータから飛散もしくは流出した潤滑油をステータに供給することにより、ロータおよびステータから潤滑油によって熱を奪い、これらを冷却するように構成されている。そのロータおよびステータ自体は従来知られている一般的な構成のものであってよく、図1に示すモータMの例では、ロータ軸1はその両端部に配置された軸受2を介してケーシング3によって回転自在に支持されている。このロータ軸1は中空軸であって、その一方の端部は、ケーシング3に形成されている後述の油路4に連通させられている。なお、軸受2に対しても油路4から潤滑油を供給できるようになっている。
ロータ軸1と一体のロータ5の外周側にステータ6が配置されている。ステータ6は、従来の永久磁石式同期電動機におけるステータと同様に環状をなすものであって、ケーシング3に固定されており、詳細は図示しないが、複数の電磁コイルを備え、その電磁コイルに流す電流を変化させて磁界を変化させることにより、ロータ5にトルクを生じさせるようになっている。したがって、ロータ5の外周面とステータ6の内周面との間に僅かな隙間であるギャップ7が形成されている。言い換えると、このモータMは、ステータ6の内周部に、径方向で所定の僅かな隙間(ギャップ)7を空けてロータ5がロータ軸1と共に回転自在に支持されている。
ロータ5は、積層鋼板によって構成されているので、各鋼板が密着するように軸線方向に荷重を加えて締め付けた状態でロータ軸1に取り付けられている。具体的に説明すると、ロータ5の軸線方向での少なくとも一方の端部側(図1に示す例では両端部側)に、ロータ軸1と一体のロック部8が設けられ、そのロック部8とロータ5との間にエンドプレート9が挟み込まれている。ロック部8は、要は、ロータ軸1と一体でかつロータ軸1の外周側に突出した部分であり、図1に示す例では、外周側に突出したフランジ部を有するカシメ部材をロータ軸1に嵌合させることにより形成されている。なお、ロータ軸1に、例えばロックナットをねじ込んでロック部8としてもよい。
左右の各エンドプレート9は、ロータ5を構成している積層鋼板に軸線方向の締め付け力を付与するためのものであり、それぞれ環状の板状部材によって構成されている。そして、各エンドプレート9のロータ5に対向する面の外周側の部分には、ロータ5に接触してそのロータ5を軸線方向に押圧するための突出部9aが形成されている。この突出部9aは環状をなす部分であり、したがってその内周側でエンドプレート9とロータ5との間に、隙間部分が形成されている。ロータ軸1には、油孔10が形成されており、その油孔10が前記の隙間部分に連通している。したがって、エンドプレート9とロータ5との間の隙間部分が油路9bとなっている。この油路9bは、前述した環状の突出部9aの内周側に形成されたものであって、ロータ5の半径方向で外側に対しては突出部9aによって閉じられている。そこで、油路9bからステータ6に対して潤滑油を供給するために、各エンドプレート9の側壁部で前記の突出部9aに近い外周側の部分には、軸線方向に貫通した貫通孔9cが形成されている。
さらに、ステータ6の軸線方向での少なくとも一方(図1では両方)の端部には、ロータ5から離れるのに従って次第に内径が増大する傾斜面(すなわち傾斜内周面)11が形成されている。そして、この傾斜面11と協働して前記のギャップ7から潤滑油を積極的に排出する負圧発生部12が設けられている。この負圧発生部12は、ロータ5の回転数が増大するほど、ギャップ7から吸引する負圧が高くなるように構成された部分であり、具体的には、図1での左側のエンドプレート9には、前記のギャップ7と同程度の間隔を空けて前記の2傾斜内周面11の外周面とほぼ平行に対向する傾斜面(すなわち傾斜外周面)13が形成されている。すなわち、その傾斜外周面13と傾斜内周面11との間の隙間は、前記のギャップ7に連通するとともに、傾斜内周面11の先端部側で内径が次第に増大するように構成されている。したがって、傾斜外周面13と傾斜内周面11との間に入った潤滑油にはロータ5が回転することによる遠心力が作用し、その潤滑油がロータ5の軸線方向での端部側に流動するので、ここに連通しているギャップ7には、その軸線方向での端部側に吸引する負圧が作用するようになっている。
そしてこの発明におけるモータMの冷却装置は、図1における右側のエンドプレート9の外周面に、先端部側すなわちロータ5の端部側で外径が次第に増大するように構成された傾斜面(すなわち傾斜外周面)14を有する外側フランジ15が形成されている。すなわち、この外側フランジ15は、エンドプレート9の外周部で周方向に配列して形成された外側に凸となる複数の突起であり、図1に示す例では、複数の外側フランジ15は、ロータ5の端部のエンドプレート9の外周部の全周にわたり等間隔に形成されている。
さらに、ステータ6の他方の端部には、ロータ5から離れるのに従って次第に内径が増大するように形成されて上記の傾斜外周面13と対向する傾斜面(すなわち傾斜内周面)16を有する内側フランジ17が形成されている。すなわち、この内側フランジ17は、ステータ6の端部の内周部で周方向に配列して形成された内側に凸となる複数の突起であり、図1に示す例では、複数の内側フランジ17は、ステータ6の端部の内周部の全周にわたり等間隔に形成されている。
そして、図2に示すように、上記のロータ5の端部すなわちエンドプレート9の外周部の互いに隣り合う外側フランジ15同士の間の空間には、内側フランジ17が摺動可能に嵌り込むようになっている。また、ステータ6の端部の内周部の互いに隣り合う内側フランジ17同士の間には、外側フランジ15が摺動可能に嵌り込むようになっている。すなわち、互いに隣り合う外側フランジ15同士の間が、ステータ6の内側フランジ17が挿入かつ摺動可能な外側凹部18となっていて、また、互いに隣り合う内側フランジ17同士の間が、ロータ5の外側フランジ15が挿入かつ摺動可能な内側凹部19となっている。
したがって、ロータ5側に形成された外側フランジ15および外側凹部18と、ステータ6側に形成された内側フランジ17および内側凹部19とは、図2に示すように、互いにいわゆるスプラインを構成している。すなわち、ステータ6の内周部にロータ5を軸線方向に挿入して組み付ける際に、外側フランジ15および外側凹部18によりロータ5に形成されるスプライン軸と、内側フランジ17および内側凹部19によりステータ6に形成されるスプライン穴とが、軸線方向で互いに摺動可能にスプライン嵌合するようになっている。
ステータ6の内周部へのロータ5の挿入が完了した状態では、図3に示すように、外側フランジ15および外側凹部18と、内側フランジ17および内側凹部19との間におけるスプライン嵌合が解消されて、外側フランジ15の傾斜外周面14と、内側フランジ17の傾斜内周面16とが、所定の隙間を空けて対向し、ステータ6に対してロータ5が回転自在に支持された状態になる。この状態での隙間は、前述のギャップ7およびステータ6の傾斜内周面16に連通しており、したがってその傾斜内周面16において遠心力によって半径方向で外側に流動する潤滑油がギャップ7の潤滑油を吸引するようになっている。
つぎに上述したモータMの冷却装置による冷却作用について説明する。潤滑油はケーシング3に形成されている油路4を介して供給されており、したがってその潤滑油の一部は軸受2に供給されてその潤滑を行うとともに、他の潤滑油はロータ軸1の中空部から油孔10を通って各エンドプレート9の油路9bに流入する。そして、油路9bに流入した潤滑油は貫通孔9cを介してエンドプレート9の外側に流れるが、さらに遠心力を受けているので、エンドプレート9に沿って径方向で外側に流動し、その結果、ステータ6の内周部に供給される。ステータ6にはこうして潤滑油が連続的に供給されるので、ステータ6はその潤滑油によって熱が奪われ、冷却される。
モータMの運転時には、ステータ6が停止しているのに対してロータ5が連続的に回転しているので、潤滑油は上述したように各エンドプレート9からステータ6の軸線方向での両端側の部分に連続的に供給され、その潤滑油はステータ6に形成されている各傾斜内周面11,16に沿って、より大径側に向けて流動する。このような各傾斜内周面11,16を流れる潤滑油は、ギャップ7の両端部を閉じている状態になっているので、ギャップ7から離れる方向に各傾斜内周面11,16に沿って流動することにより、ギャップ7には、その軸線方向での端部側に吸引する負圧が作用する。
また、潤滑油がエンドプレート9における油路9bおよび貫通孔9cに連続的に供給されることにより、油路31bおよび貫通孔31cは、常時新たな潤滑油によって満たされる。したがって、その潤滑油によってロータ5から熱を奪うことができるから、ロータ5を冷却することができる。
なお、図3にこの発明の他の具体例を示してある。上述の図1,図2で示す構成は、ロータ5側に形成された外側フランジ15および外側凹部18と、ステータ6側に形成された内側フランジ17および内側凹部19とが、軸線方向に摺動可能なスプライン状に形成された例を示しているが、この図3で示す構成は、外側フランジ15および外側凹部18と、内側フランジ17および内側凹部19とが、軸線方向に対して斜めに捻れた形状に構成された例である。
具体的には、図3に示すように、この具体例におけるロータ5のエンドプレート9に形成された外側フランジ15は、その傾斜外周面14の傾斜方向が、軸線方向に対して斜めに捻れた角度を持つように形成されている。その捻れの方向は、ロータ5の外側凹部18に潤滑油が流入した場合に、斜めになった外側フランジ15の側壁面(すなわち外側フランジ15と外側凹部18との境界面)15aが障壁となって、ロータ5とステータ6との間のギャップ7への潤滑油の流入が抑制される方向に設定されている。
すなわち、図3に示すように、ロータ5の外側凹部18に流入した潤滑油は、ロータ5が回転していることにより、外側フランジ15の回転方向側の側壁面15aに衝突し、その結果、その側壁面15aから反力を受けてエンドプレート9の端面方向(図3での斜め左下方向)に流動するようになっている。したがって、外側凹部18に流入した潤滑油は、ロータ5とステータ6との間のギャップ7へ向かう方向(図3での上方向)への流動が規制されることになる。そのため、ロータ5とステータ6との間のギャップ7への潤滑油の流入を確実に抑制することができる。
なお、上記のようにロータ5の外側フランジ15を軸線方向に対して斜めに捻れた形状にするのとともに、ステータ6の内側フランジ17も、同様に、ロータ5の外側フランジ15と同じ方向の角度で、軸線方向に対して捻れた形状に形成されている。そうすることにより、モータMの組み付けの際に、ロータ5を軸線方向に捻りを加えながら移動させることにより、ステータ6の内側フランジ17および内側凹部19が形成された部分にロータ5の外側フランジ15および外側凹部18が形成された部分を通過させて、ステータ6の内周部にロータ5を挿入することができる。
また、上述の図1,図2で示す構成では、エンドプレート9に形成された油孔9c、すなわち潤滑油がロータ5の内周部からロータ5の外周部へ流出口9cの位置が、外側フランジ15の周方向におけるピッチ線位置と一致している例を示しているが、この図3で示す構成は、ロータ5が回転する際にその流出口9cから流出する潤滑油が外側フランジ15の中央部分すなわちピッチ線位置に向かうように、流出口9cの位置が設定された例を示している。
すなわち、図3に示すように、この具体例における流出口9cは、エンドプレート9の側端面の周方向において、外側フランジ15のピッチ線位置よりも回転方向側にずれた位置に形成されている。流出口9cから流出した潤滑油には、ロータ5およびエンドプレート9が回転することにより遠心力が作用するが、潤滑油自体の慣性によって、潤滑油はエンドプレートの法線方向に対してその慣性の分ロータの回転方向の反対側に傾いた方向に流動する。したがって、この場合の法線方向に対する傾き分を考慮して、流出口9cの位置を外側フランジ15のピッチ線位置よりも回転方向側にずらすことにより、ロータ5の回転時に流出口9cから流出する潤滑油を、外側フランジ15の径方向での先端部かつ周方向での中心部に向けて移動させることができる。
そのため、遠心力を受けた潤滑油は、ロータ5の外側フランジ15を経てステータ6側に容易に到達ので、ステータ6側へ潤滑油を容易にかつ効率良く供給することができる。また、潤滑油がロータ5の外側フランジ15を経由してステータ6側へ供給されることから、ロータ5の外側フランジ15が形成されていない部分、すなわち外側凹部18の部分からロータ5とステータ6との間のギャップ7に流入してしまうことを抑制することができる。その結果、ロータ5とステータ6との間の隙間における潤滑油の量が相対的に少なくなるので、潤滑油の撹拌もしくは引き摺りによる動力損失や発熱を防止もしくは抑制することができる。
以上のように、この発明におけるモータMの冷却装置によれば、ロータ軸1の中空部分に供給される潤滑油は、モータMが回転する際に、遠心力によってロータ5の径方向で外側に飛散させられる。そして、潤滑油は、ロータ5の外周部からステータ6へ向けて移動する。この場合、ロータ5およびステータ6の端部に外側フランジ15および内側フランジ17がそれぞれ形成されていることにより、ロータ5とステータ6との間のギャップ7への潤滑油の流入が抑制される。その結果、ロータ5とステータ6との間のギャップ7における潤滑油の量が相対的に少なくなるので、潤滑油の撹拌もしくは引き摺りによる動力損失や発熱を防止もしくは抑制することができる。
また、隣り合う外側フランジ15同士の間および隣り合う内側フランジ17同士の間が、外側凹部18および内側凹部19として形成されているので、モータMを組み付ける際に、外側凹部18に内側フランジ17が嵌合しかつ内側凹部19に外側フランジ15が嵌合するようにロータ5とステータ6との周方向における相対位置を一致させた状態で、ステータ6の内周部へロータ6を軸線方向に容易に挿入することができる。したがって、モータMを容易に組み付けることができる。
なお、この発明は上述した具体例に限定されないのであって、ロータ5は電磁コイルに替えて永久磁石を備えたものであってもよい。また、ロータ5はロータ軸1の外周面に直接嵌合させられた構成のものでなくてよく、ロータ軸1と一体に回転するように構成されていればよい。したがって、ロータ5に対する潤滑油の供給はロータ5の内周側から行われるようになっていればよいので、ロータ軸1に油路が形成されていなくてもよい。要するに、モータMに供給された潤滑油が、ロータ5が回転する際に発生する遠心力により、ロータ5の内周側から外周側へ、さらにはステータ6側へ流動して供給される構成であればよい。
1…ロータ軸、 5…ロータ、 6…ステータ、 7…ギャップ(隙間)、 9…エンドプレート、 9b…油路、 9c…油孔(流出口)、 10…油孔、 11,16…傾斜内周面、 12…負圧発生部、 13,14…傾斜外周面、 15…外側フランジ、 17…内側フランジ、 18…外側凹部、 19…内側凹部、 M…モータ。

Claims (5)

  1. ステータと、そのステータの内周部に径方向での所定の隙間を空けて配置されて中空のロータ軸と共に回転自在に支持されるロータと、そのロータの軸線方向での少なくとも一方の端部に形成されて前記ロータ軸の中空部分に供給される潤滑油を該ロータが回転する際の遠心力によって該ロータの内周部から外周部へ向けて流動させる油路と、前記端部に前記ロータの側端面側で外径が次第に増大するように形成されて前記ロータの外周部へ流動した前記潤滑油の前記隙間への流入を規制する傾斜外周面を有する外側フランジと、前記ステータの内周部に前記ステータの軸線方向での側端面側で内径が次第に増大するように形成されて前記傾斜外周面と対向する傾斜内周面を有する内側フランジとを備えたモータの冷却装置において、
    前記外側フランジは、前記ロータ端部の外周部で周方向に配列して形成されて径方向で外側に凸となる複数の突起であり、
    前記内側フランジは、前記ステータ端部の内周部で周方向に配列して形成されて径方向で内側に凸となる複数の突起であって、
    前記ロータ端部の外周部の互いに隣り合う前記外側フランジ同士の間に、前記内側フランジが挿入かつ摺動可能な外側凹部が形成され、
    前記ステータ端部の内周部の互いに隣り合う前記内側フランジ同士の間に、前記外側フランジが挿入かつ摺動可能な内側凹部が形成されている
    ことを特徴とするモータの冷却装置。
  2. 前記外側フランジは、前記ロータ端部の外周部の全周にわたり等間隔に形成され、
    前記内側フランジは、前記ステータ端部の内周部の全周にわたり等間隔に形成されていて、
    それら前記外側フランジと前記内側フランジとは、前記ステータの内周部に前記ロータを挿入して組み付ける際に、前記軸線方向で互いに摺動可能にスプライン嵌合するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のモータの冷却装置。
  3. 前記潤滑油が前記油路から前記ロータの外周部へ流出する流出口が、前記ロータが回転する際に該流出口から流出する前記潤滑油が前記外側フランジの中央部分に向かうように、前記ロータの側端面に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のモータの冷却装置。
  4. 前記外側フランジおよび前記内側フランジは、それぞれ、前記軸線方向に対して斜めに捻れている構成を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のモータの冷却装置。
  5. 前記外側フランジおよび前記内側フランジは、それぞれ、前記ロータが回転する際に前記潤滑油の前記隙間への流入を抑制する方向に捻れている構成を含むことを特徴とする請求項4に記載のモータの冷却装置。
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