以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明における弾球遊技機の一例としてのパチンコ機PMについて説明する。図1は、パチンコ機PMの正面図である。
このパチンコ機PMには遊技機の外郭保持枠をなす外枠1と、この外枠1と開閉自在に軸支された前枠2(図示略)が設けられている。そして、前枠2は、ガラス扉3(図示略)、球受け皿4と、打球ハンドル5と、操作スイッチ6と、レール7で区画された遊技領域10を備える遊技盤8等から構成されている。
押圧操作が可能である操作スイッチ6には、LED等から構成される操作有効ランプ6a(図1でハッチングで示す部分)が設けられている。操作有効ランプ6aは、操作スイッチ6の入力(押圧)操作が有効であることを点灯や点滅により遊技者に報知する。なお、本実施例では、操作有効ランプ6aの点灯により操作スイッチ6の入力(押圧)操作が有効であることを遊技者に報知している。
なお、操作有効ランプ6aは、本実施例のように操作スイッチ6に設けるのではなく、遊技者が可視可能な別位置に設置してもよい。また、操作スイッチ6の操作が有効になった旨が分かるように、(図柄表示装置等において)図柄や画像の表示、又は(スピーカ等を用いて)音声等により報知してもよい。
遊技領域10には、賞球の払出条件となる複数の一般入賞口11と、賞球の払出条件となるとともに後述する図柄表示装置20の図柄の変動開始条件となる始動入賞口12と、大入賞口13と、遊技球を回収するアウト口14と、図示しない打球の落下に影響を与える風車や多数の遊技釘等が設けられている。そして、遊技領域10の略中央には、後述する演出パターン等の画像及び変動図柄や停止図柄等の図柄を表示する図柄表示装置20が設けられている。
図柄表示装置20の上部には、図柄表示装置20による図柄の変動中に始動入賞口12に入った入賞球数を表示する4個のLED等から構成される保留球ランプ30が設けられている。本実施例では、4個を上限として、(図柄変動中に)始動入賞口12に入賞がある毎に、保留球ランプ30を1個ずつ点灯させる。そして、図柄表示装置20において変動図柄の変動表示が開始される毎に、点灯している保留球ランプ30を1個ずつ消灯させる。
このような構成のパチンコ機PMにおいて、遊技者が打球ハンドル5を操作すると、球受け皿4から遊技球が1個ずつ打球発射部(不図示)に送られ、操作量に応じた強度で遊技領域10に打球が発射される。発射された打球は上述した入賞口11,12或いはアウト口14に流下し、上述した入賞口11,12に入賞した場合には所定の賞球が球受け皿4に払い出される。また、上述した入賞口11,12のうち始動入賞口12に打球が入賞すると、所定の賞球が球受け皿4に払い出され、図柄表示装置20に表示された(変動)図柄が変動を開始する。ここで、詳細は後述するが、本発明においては、図柄表示装置20において所定時間,所定の動画像及び図柄の変動態様を表示が行われた後に、図柄の変動を停止する。このとき、この図柄表示装置20に表示された図柄の停止態様(すなわち停止図柄)が予め定められた当たり図柄(例えば、1〜9のぞろ目)の場合には大当たりとなり、開放されて入賞が容易となった大入賞口13に打球が入賞すると、遊技者には大量の賞球が払い出される。
以上のように構成されたパチンコ機PMに設けられている制御装置について図を用いて説明する。図2は、この制御装置による制御の概略を示すブロック図である。この制御装置は、CPU,ROM,RAM等の種々の電子部品より構成されている遊技制御手段50によりゲームの制御を行う。
遊技制御手段50には、操作スイッチ6に内蔵されて操作スイッチ6の(押圧)操作を検出するための操作検出装置6bと、始動入賞口12に内蔵された始動口入賞検出装置12aと、大入賞口13に内蔵された大入賞口入賞検出装置13aと、大入賞口13内の特定領域(図示せず)に内蔵された特定領域通過検出装置13b等が電気的に接続しており、これらから検出信号が遊技制御手段50に入力される。
遊技制御手段50は、これらの入力された信号に応じて各種作動制御を行うものであり、この制御対象として、操作スイッチ6の操作が有効であることを示す操作有効ランプ6aと、大入賞口13を開放作動させる大入賞口駆動装置13mと、画像及び図柄を表示する図柄表示装置20と、保留球ランプ30と、賞球の払い出しを行う賞球払出装置45等が電気的に接続している。これらは全て遊技制御手段50からの制御信号に基づいて作動制御される。
続いて、この遊技制御手段50の制御内容について説明する。遊技制御手段50は、このゲームの制御のために、通常遊技実行手段60と、特別遊技実行手段70と、高確率遊技設定手段80と、払出制御手段90とを備えている。
通常遊技実行手段60は、パチンコ機PMの通常遊技を実行・制御するためのものであり、遊技領域10に設けられた各入賞口への入賞口への入賞に関する処理を行う入賞口入賞処理手段61と、通常遊技から特別遊技へ移行するか否かを決定する特別遊技移行判定手段62とを備えて構成されている。なお、入賞口入賞処理手段61については、従来と変わらないのでここでの詳細な説明は省略する。
特別遊技移行判定手段62は、図柄変動要素取得手段621と、保留球情報記憶手段622と、当たり乱数判定手段623と、演出決定手段624と、操作有効判定手段625と、図柄制御手段626とを備えている。
図柄変動要素取得手段621は、図柄表示装置20に表示する図柄又は画像を決定するための要素(例えば、当たり乱数、停止図柄乱数、演出乱数)を取得するためのもので、当たり乱数取得手段621aと、停止図柄乱数取得手段621bと、演出乱数取得手段621cとを備えている。
当たり乱数取得手段621aは、大当たりを発生させるか否かを決定するための乱数(以下、「当たり乱数」と称する)を取得するためのものである。例えば、ハードウエアのインクリメントカウンタによって生成された0〜65535(65536通り)の乱数を上述した始動口入賞検出装置12aからの入賞信号に基づいて、取得している。なお、明細書中の乱数とは、インクリメントカウンタのように規則性のあるものであっても、その取得タイミングに規則性がないために実際に乱数として機能するものを含む概念である。
停止図柄乱数取得手段621bは、図柄表示装置20に表示させる停止図柄を決定するための乱数(以下、「停止図柄乱数」と称する)を取得するためのものである。例えば、左図柄用として0〜9(10通り)の乱数を取得する左図柄決定乱数と、中図柄用として0〜9(10通り)の乱数を取得する中図柄決定乱数と、右図柄用として0〜9(10通り)の乱数を取得する右図柄決定乱数等からなる。
演出乱数取得手段621cは、(演出パターン群メモリ624bからいずれかの)演出パターンを取得するための乱数(以下、「演出乱数」)を取得するためのものである。例えば、ソフトウエアのインクリメントカウンタによって生成された0〜255(256通り)の乱数を当たり乱数判定手段623により当たりを判定する前に取得している。
保留球情報記憶手段622は、図柄制御手段626による(変動)図柄の変動表示中に始動入賞口12へ入賞した(すなわち、始動口入賞検出装置12aにより検出された)遊技球の入賞情報を、入賞した遊技球に対応させて、所定上限個分(本実施例では4個分)記憶するためのものである。入賞情報として、本実施例では、当たり乱数、停止図柄乱数、演出乱数、保留球数等が記憶されている。また、本実施例においては記憶可能な保留球数の上限値を4個としたが、これに限定されるものではなく適宜変更可能である。なお、このような保留球情報記憶手段622に、保留球の入賞情報が所定上限個分記憶されている場合は、それ以上の遊技球が始動入賞口12に入賞しても、その遊技球に対する入賞情報は記憶されず無効となる。すなわち、(変動)図柄の変動中において、始動入賞口12を通過する4個の遊技球に対して取得された情報は記憶することができるが、5個目以降の遊技球は始動入賞口12を通過しても無視され、賞球のみ払い出しが行われるようになっている。
当たり乱数判定手段623は、当たり乱数に応じて特別遊技を行うか否か、すなわち大当たりか否かを判定するためのものである。例えば、ROMに記憶された当たり値「0〜200」と先の当たり乱数として取得された乱数値(0〜65535のうちの1つ)とを比較し、この乱数値が当たり値「0〜200」である場合に「当たり」と判定する。なお、後述する確率変動中には、高確率遊技設定手段80により、例えば、当たり値が上記「0〜200」のうち奇数の乱数値に対して、大当たり確率を高確率(すなわち当たり値を「0〜1280」)に変動している。
演出決定手段624は、図柄表示装置20にて、(変動)図柄の変動を開始させてから停止表示させる際に、図柄表示装置20における様々な演出を決定するためのものであり、停止図柄決定手段624aと、演出パターン群メモリ624bと、演出パターン選択手段624cとを備えている。
停止図柄決定手段624aは、停止図柄乱数に応じて停止図柄を決定するためのものである。なお、本実施例において停止図柄は、左図柄、右図柄、中図柄から構成されて、各図柄毎に0〜9までの数字を表示できるようになっている。また、当たり図柄は、当たり乱数判定手段623により当たりと判定された場合、図4(a)に示すように、左図柄、右図柄、中図柄に表示された3つの数字が同一となる図柄である。当たり図柄以外の図柄として、例えば、当たり乱数判定手段624により当たりと判定されなかった場合、すな
わち外れの場合、図4(b)に示すように、3つの数字が同一とはならない外れ図柄となる。但し、この外れ図柄のうち、図4(c)に示すように左右の図柄の数字は一致しているがこの数字と中央の図柄の数字は異なっている図柄をリーチ図柄と称している。
演出パターン群メモリ624bは、図柄表示装置20に(変動)図柄の変動表示をさせた後に停止図柄の停止表示させる図柄変動過程が定められている演出パターンを複数記憶しているメモリであり、図3に示すように、特別当たり演出パターン群メモリP1と、通常当たり演出パターン群メモリP2と、リーチ演出パターン群メモリP3と、外れ演出パターン群メモリP4とを備えている。
なお、演出パターンは、操作スイッチ6の入力操作に応じて所定部分の表示内容を変化させることができるもの(請求項中の第1演出パターン)と、操作スイッチ6の入力操作の有無に係らず表示内容を変化させることができないもの(第2演出パターン)とから構成されている。例えば、前者の第1演出パターンが選択された場合は、(操作有効ランプ6aが点灯して)操作スイッチ6が入力操作に応じて、図17(b),(c)に示すように中図柄の数字B,Cが拡大表示されるようになっている。一方、後者の第2演出パターンが選択された場合は、(操作有効ランプ6aは点灯せず)操作スイッチ6が入力操作の有無に係らず、表示されている画像及び図柄は何ら変化しない。
また、演出パターンは、当該図柄の変動表示の終了後に特別遊技が実行される確率(すなわち、大当たり確率)に応じて、所定部分の表示内容が変化する割合を予め設定し、遊技者はその変化の割合を見て、大当たり確率を把握できるようにしてもよい。本実施例では、大当たり確率が高いほど図17(b)に示すように中図柄Bが拡大する割合が大きく、大当たり確率が低いほど図17(c)に示すように中図柄Cが拡大する割合が小さくなるように設定されている。
このように、本発明は、操作スイッチ6の入力操作が可能である演出パターンが選択された場合は、遊技者は入力操作によって表示内容を変化させ、さらに該表示内容の変化を通して大当たり確率の期待度を把握することができる。その結果、遊技に遊技者の意志を反映させることができる、興趣あふれる遊技を提供することができる。
なお、演出パターンにおける所定部分の表示内容の変化については、本実施例のように図柄の大きさを変化させるだけではなく、例えば(演出パターンに登場する)所定のキャラクタの動きやポーズを変化させる等、適宜変更可能である。
特別当たり演出パターン群メモリP1は、当たり乱数判定手段623に当たりと判定され且つ停止図柄が当たり図柄のうち確変図柄に決定されたとき、選択される図柄の変動開始から図柄の停止までの一連の図柄演出パターン(特別当たり演出パターン)を複数種類記憶するためのメモリである。
なお、この特別当たり演出パターン群メモリP1には、当たり図柄が発生する確率が変動する際に行われる特定の演出が設定されており、リーチ変動とプレミアム予告が設定されている。このプレミアム予告とは、極めて出現頻度が低い予告演出であり、この演出がなされたときは当該変動における抽選結果が当たりとなる確率が極めて高いものである。このような特定の演出を用いることにより、遊技者は図柄変動中から当たり図柄が発生する確率(すなわち大当たり確率)が通常の低確率から高確率に変動するという認識を高め、当該変動における遊技者の集中度を増すことができるようになっている。
通常当たり演出パターン群メモリP2は、当たり乱数判定手段623に当たりと判定され、停止図柄が当たり図柄のうち確変図柄以外の図柄に決定されたときに選択される、図
柄表示装置20に表示される図柄の変動開始から図柄の停止まで一連の図柄演出パターン(当たり演出パターン)を複数種類記憶するためのメモリである。
リーチ演出パターン群メモリP3は、当たり乱数判定手段623に外れと判定され且つ停止図柄がリーチ図柄(左右の図柄が同一で中図柄のみが異なる図柄)に決定されたときに選択される、図柄の変動開始から図柄の停止までの一連の図柄演出パターン(リーチ演出パターン)を複数種類記憶するためのメモリである。
外れ演出パターン群メモリP4は、当たり乱数判定手段623に外れと判定され、停止図柄が外れ図柄(左右の図柄が異なる、非リーチ図柄)に決定されたときに選択される、図柄の変動開始から図柄の停止までの一連の図柄演出パターン(外れ演出パターン)を複数種類記憶するためのメモリである。
なお、演出パターンには、上記した(変動)図柄の変動開始から図柄の停止までの一連の図柄演出パターンの他に、操作スイッチ6の操作を有効とするか否か、操作スイッチ6の操作を有効とする場合は操作の有効時間(以下、制限時間と称する)、操作有効ランプ6aを演出パターン表示中にて点灯させるタイミング、図柄変動過程に対応して大当たり確率を示唆するための図柄や画像等、様々な情報が予め設定されている。
演出パターン選択手段624cは、まず、停止図柄決定手段624aにより決定された停止図柄に基づいて演出パターン群メモリ624bからいずれかの演出パターン群メモリP1〜P4を選択する。次に、この選択された演出パターン群メモリから、演出乱数取得手段621cにより取得された演出乱数に基づいて1つの演出パターンを選択する。
操作有効判定手段625は、演出パターン選択手段624cにより選択された演出パターンにおいて、操作スイッチ6の入力操作を有効にするか否かの判定をするためのものである。
すなわち、演出パターン選択手段624cにより請求項中の第1演出パターンが選択された場合は、操作有効判定手段625は操作スイッチ6の入力操作を有効にすると判定する。なお、この場合は、操作有効ランプ6aを点灯させ、その旨を遊技者に報知する。一方、演出パターン選択手段624cにより請求項中の第2演出パターンが選択された場合は、操作有効判定手段625は操作スイッチ6の入力操作を有効にしないと判定する。なお、この場合は、操作有効ランプ6aは点灯させない。
図柄制御手段626は、当たり乱数判定手段623による判定結果に基づいて図柄表示装置20に図柄を変動表示させた後に停止表示させる図柄変動過程を制御するためのものである。例えば、本発明においては、始動入賞口12に遊技球が入賞すると(すなわち始動口入賞検出装置12aにより検出されると)、図柄表示装置20において演出パターン選択手段624cによって決定された演出パターンに基づいた図柄変動態様を所定時間表示させた後、停止図柄決定手段624aにより決定された停止図柄を表示させるようになっている。
また、図柄制御手段626は、操作有効判定手段625により操作スイッチ6の入力操作を有効とすると判定された場合は、操作スイッチ6の入力操作に応じて、演出パターンを表示する際に、例えば図17(b),(c)に示す中図柄B,Cのように図柄を拡大表示させる等、所定部分の表示内容を変化させるようになっている。
特別遊技実行手段70は、当たり乱数判定手段623により当たりと判定された場合(すなわち、停止図柄が当たり図柄)に特別遊技を実行するためのものであり、単位遊技実
行手段71と、継続判定手段72と、確率変動移行判定手段73とを備えている。
単位遊技実行手段71は、特別遊技中における単位遊技を行うためのものであり、大入賞口駆動手段711と、単位遊技終了判定手段712とを備えている。
大入賞口駆動手段711は、大入賞口13を開放して遊技球の入賞を容易にするように大入賞口駆動装置13mを作動させるためのものである。
単位遊技終了判定手段712は、予め設定された単位遊技終了条件に基づいて、単位遊技を終了させるか否かを判定するためのものである。
継続判定手段72は、予め設定された継続条件に基づいて、特別遊技を終了させるか否かを判定するためのものである。
確率変動移行判定手段73は、特別遊技終了後に確率変動を実行するか否かを判定するためのものである。本実施例では、図柄表示装置20に表示された当たり図柄が予め定められた確変図柄(すなわち、当たり図柄のうち一部の図柄)であるか否かを判定している。
高確率遊技設定手段80は、確率変動移行判定手段73によりその判定結果が肯定的、すなわち確率図柄であると判定された場合に、当該特別遊技終了後の当たり図柄発生確率(大当たり確率)を低確率から高確率に変動させるように、確率抽選テーブルをセットするためのものである。例えば、当たり乱数判定手段624によって参照する当たり値を「0〜200」の他に「201〜1280」に増やして、大当たり確率が通常よりも高確率になるようにしている。
払出制御手段90は、賞球払出装置45から賞球を払い出させる制御を行うためのものである。
次に、本実施例における制御概要を図5〜図15に示すフローチャートを参照しながら説明する。
図5は、このパチンコ機PMのメインフローチャートである。遊技制御手段50は、まずステップS1で遊技機全体の初期設定を行った後、ステップS2の通常遊技処理、ステップS3の特別遊技処理を行った後、再びステップS2の通常遊技処理に戻る。この動作は電源が遮断されるまで繰り返し実行される。ステップS2の通常遊技処理とステップS3の特別遊技処理については後述する。
図6は、ステップS2の通常遊技処理のフローチャートである。通常遊技処理S2は、一般入賞口11及び始動入賞口12への入賞をチェックする入賞口入賞チェック処理(ステップS20)と、特別遊技を移行するか否かを判定する特別遊技移行判定処理(ステップS21)とを実行した後、本処理を終了する。
図7は、ステップS20の入賞口入賞チェック処理のフローチャートである。入賞口入賞チェック処理S20は、まず遊技球がいずれかの一般入賞口11への入賞が一般入賞口入賞検出装置11aにより検出されると(ステップS201)、その検出信号は遊技制御手段50に送られて、一般入賞フラグがセットされる(ステップS202)。そして、このフラグに基づいて払出制御手段90により賞球払出装置45に作動信号が出力され、この信号を受けて賞球払出装置45が作動して、各入賞球に対して所定数(例えば、10球)の賞球を賞球払出装置45から球受け皿4に払い出す。なお、ここでセットされたフラ
グは、賞球動作に基づいて適宜リセットされる。また、始動入賞口12への遊技球の入賞が始動口入賞検出装置12aにより検出されると(ステップS203)、その検出信号は遊技制御手段50に送られ、始動入賞フラグがセットされる(ステップS204)。そして、このフラグに基づいて払出制御手段90により賞球払出装置45に作動信号が出力され、この信号を受けて、賞球払出装置45が作動して始動入賞口12への入賞球に対して所定数(例えば、5球)の賞球を賞球払出装置45から球受け皿4に払い出す。
次に、ステップS21の特別遊技移行判定処理を実行する。図8はステップS21の特別遊技移行判定処理の前段フローチャート、図9はステップS210の図柄変動要素取得処理のフローチャート、図10は(図8から続く)ステップS21の特別遊技移行判定処理の中段フローチャート、図11はステップS260の入力操作対応処理S260のフローチャート、図12は(図10から続く)ステップS21の特別遊技移行判定処理の後段フローチャートである。
まず、特別遊技移行判定処理S21は、図8に示すように、図柄変動要素取得処理S210を行う。
図柄要素取得処理S210は、図9に示すように、始動入賞口12に入賞したか否かを確認するために始動入賞フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS211)。オンでない場合はこの処理を終了し、オンである場合は始動入賞フラグをオフする(ステップS212)。次に、記憶されている始動入賞口12へ入賞した保留球の数が記憶上限個(例えば、4個)に達しているかどうか、すなわち保留球数記憶手段622に入賞情報を記憶することができるか否かを確認する(ステップS213)。ここで、保留数の数が記憶上限個に達しておらず記憶が可能である場合は、保留球ランプ30を1つ点灯させ(ステップS214)、当たり乱数取得手段621aにより当たり乱数を取得し(ステップS215)、停止図柄乱数取得手段621bにより停止図柄乱数を取得し(ステップS216)、演出乱数取得手段621cにより演出乱数を取得し(ステップS217)、これら入賞情報を各保留球の数n(n=1,2,3,4)に対応して保留球情報記憶手段622に設けられている所定のエリアへ格納し(ステップS218)、この処理を終了する。なお、ステップS213において、保留球の数が上限個に達している場合は、この図柄変動要素取得処理S210を終了する。
そして、特別遊技移行判定処理S21は、図8に示すように、保留球の記憶があるか否かの確認を行う(ステップS230)。ここで、保留球の記憶がない場合には本処理を終了し、保留球の記憶がある場合には保留球の数n=1に対応して保留球情報記憶手段622に格納されている情報を読み出し(ステップS231)、保留球情報記憶手段622に格納されている情報をシフトする(ステップS232)。
ここで、ステップS231及びステップS232について、具体的に図を用いて説明する。例えば、図16(a)で示すようにステップS231では保留球情報記憶手段622において保留球の数n=1に対応する当たり乱数の値Aを読み出し、図16(b)に示すようにステップS232では保留球の数n=2,3,4に対応するエリアに格納されている値B,C,Dを保留球の数n−1に対応するエリアにシフトして格納している。
続いて、特別遊技移行判定処理S21は、図10に示すステップS233に進み、当たり乱数判定手段623によりステップS231で読み出した当たり乱数に応じて特別遊技を行うか否か、すなわち大当たりか否かを判定する。判定結果が当たりであるときは、ステップS231で読み出された停止図柄乱数に基づいて停止図柄決定手段624aにより所定の停止図柄(すなわち当たり図柄)が決定される(ステップS234)。そして、この当たり図柄が確変図柄であるか否かを判定する(ステップS235)。ここで、当たり
図柄が確変図柄であれば、この停止図柄とS231で読み出された演出乱数に基づいて、演出パターン選択手段624cにより特別当たり演出パターン群メモリP1から特別当たり演出パターンが決定され(ステップS236)、ステップS242へ進む。また、ステップS235において、当たり図柄が確変図柄ではなかったとき、この停止図柄とS231で読み出された演出乱数に基づいて、演出パターン選択手段624cにより通常当たり演出パターン群メモリP2から通常当たり演出パターンが決定され(ステップS237)、ステップS242へ進む。
一方、ステップS233において、判定結果が当たりでない、すなわち外れであるときは、ステップS231で読み出された停止図柄乱数に基づいて停止図柄決定手段624aにより所定の停止図柄、すなわち外れ図柄が決定される(ステップS238)。そして、この外れ図柄がリーチ図柄であるか否かを判定する(ステップS239)。ここで、外れ図柄がリーチ図柄であれば、この停止図柄とステップS231で読み出された演出乱数に基づいて、演出パターン選択手段624cによりリーチ演出パターン群メモリP3からリーチ演出パターンが決定され(ステップS240)、ステップS242へ進む。また、ステップS239において、外れ図柄がリーチ図柄ではなかったとき、この停止図柄とステップS231で読み出された演出乱数に基づいて、演出パターン選択手段624cにより外れ演出パターン群メモリP4から外れ演出パターンが決定され(ステップS241)、ステップS242へ進む。
ステップS242では保留球ランプ30を1個消灯する。続いて、図柄変動処理S250及び入力操作対応処理S260を行う。なお、これら図柄変動処理S250及び入力操作対応処理S260は並列に行われている。
図柄変動処理S250では、上記で取得した演出パターン及び停止図柄を、図柄制御手段626により図柄表示装置20において表示する。すなわち、ステップS233における抽選結果が当たりで且つ停止図柄が確変図柄である場合には、図柄表示装置20において特別当たり演出パターンが行われた後に確変図柄(当たり図柄)が表示される。また、ステップS233における抽選結果が当たりで且つ停止図柄が確変図柄ではない場合には、図柄表示装置20において通常当たり演出パターンが行われた後に当たり図柄が停止表示される。一方、ステップS233における抽選結果が外れで且つ停止図柄がリーチ図柄である場合には、図柄表示装置20においてリーチ演出パターンが行われた後にリーチ図柄(外れ図柄)が停止表示される。また、ステップS233における抽選結果が外れで且つ停止図柄がリーチ図柄ではない場合には、図柄表示装置20において外れ演出パターンが行われた後に外れ図柄が停止表示される。
入力操作対応処理S260は、上記のように図柄変動処理S250と並列して行われる処理であり、演出パターンの変動表示の開始後からこの演出パターンの変動表示の終了後(すなわち、停止図柄が表示される)までの間に実施される。
まず、入力操作対応処理S260は、図11に示すように、演出パターンの変動表示の開始後に、操作有効判定手段625により演出パターン選択手段624cにより選択された演出パターンに基づいて操作スイッチ6の入力操作を有効にするか否かの判定をする(ステップS261)。ここで、選択された演出パターンに基づいて操作スイッチ6の操作を有効にすると判定された(すなわち、請求項中の第1演出パターンが選択された)ときは、操作有効ランプ6aを点灯させてその旨を遊技者に報知し(ステップS262)、ステップS263に進む。一方、選択された演出パターンにおいて操作スイッチ6の操作を有効にすると判定されなかった(すなわち、請求項中の第2演出パターンが選択された)ときは、本処理を終了する。
続いて、ステップS263では、操作検出装置6bにより操作スイッチ6の入力(押圧)操作が検出されたか否かを確認する。ここで、操作スイッチ6の押圧操作が検出されなかった場合は、当該演出パターンに予め設定されている制限時間が経過したか否かを判定する(ステップS264)。ここで、制限時間が経過したと判定された場合は、操作有効ランプ6aを消灯し(ステップS265)、本処理を終了する。また、ステップS264において制限時間が経過していないと判定された場合は、ステップS263に戻る。
一方、ステップS263において、(制限時間内に)操作スイッチ6の入力(押圧)操作が検出されたと判定された場合は、図柄表示装置20に表示されている演出パターンの所定部分の表示内容を変化させる(ステップS266)。
具体的には、例えば、操作有効ランプ6aの点灯中に操作スイッチ6が入力操作されると、図柄表示装置20では、図17(a)に示す通常時の中図柄Aの大きさと比べ、図17(b),(c)に示す中図柄B,Cのように拡大表示されるようになっている。また、本実施例では、図柄の拡大表示される割合が大当たり確率の期待度を表している。すなわち、図17(b)に示す中図柄Bのように、通常時の中図柄Aと比べて図柄の拡大する割合が大きいほど、大当たり確率が高いことを示している。また、図17(c)に示す中図柄Cのように、通常時の中図柄Aと比べて図柄の拡大する割合が小さいほど、大当たり確率は高くないことを示している。なお、操作有効ランプ6aが点灯中であっても操作スイッチ6の入力操作が行われない場合は、図17(a)に示すように演出パターンの表示内容は変化しない。
上記のように、本実施例では、演出パターンの所定部分における表示内容の変化として中図柄を拡大表示するように構成されているが、これに限定されるものではない。例えば、表示内容としては全ての図柄を対象としたり、変化としては(入力操作に応じて)図柄の拡大及び縮小を繰り返したり、適宜変更することができる。
このように、遊技者の入力操作によって演出パターンの表示内容を変化させることができるため、遊技者は積極的に遊技に参加できる。また、大当たり確率に応じて演出パターンの表示内容の変化する割合が設定されているため、遊技者はその変化を通して大当たり確率の期待度を把握することができる。
以上のようなステップS266に続き、操作スイッチ6の入力操作が予め設定されている所定回数に達したか否かを判定する(ステップS267)。ここで、所定回数に達したと判定されなかった場合は、ステップS263に戻る。また、所定回数に達したと判定された場合は、操作有効ランプ6aを消灯し(ステップS268)、本処理を終了する。
図柄変動処理S250及び入力操作対応処理S260の終了後、図12に示すステップS270に進む。このステップでは、当たり乱数判定手段624によりステップS231で読み出した当たり乱数に応じて特別遊技を行うか否か、すなわち大当たりか否かを判定する。ここで、判定結果が当たりであるときは特別遊技フラグをオンし(ステップS271)、ステップS272に進む。また、判定結果が外れであるときは、そのままステップS272に進む。ステップS272では、ステップS231で読み出した情報を消去して、この特別遊技移行判定処理S21を終了する。
次に、ステップS3の特別遊技処理を行う。この特別遊技処理S3は、取得した当たり乱数の抽選結果が当たりのとき、単位遊技を所定回数(例えば15回)だけ実行可能な特別遊技を成立させる処理である。図13は特別遊技処理S3の前段フローチャート、図14は特別遊技処理S3の後段フローチャート、図15は特別遊技終了処理S320のフローチャートである。
図13に示すように、まず、特別遊技フラグがオンであるか否かを確認する、すなわち取得した当たり乱数が当たりであったか否かを確認し(ステップS301)、外れであればこの処理を終了する。当たりの場合は、例えば特別遊技フラグをオフしたり、大当たり確率が高確率の場合は通常の低確率に変動させる等の特別遊技初期設定を行う(ステップS302)。次に、単位遊技を行うための各種の初期設定を行い(ステップS303)、単位遊技を開始する。
単位遊技は、大入賞口駆動手段711により大入賞口駆動装置13mを作動させて大入賞口13を開放して、第1回目の単位遊技を開始する。大入賞口13が開放されると、遊技領域空間を落下移動する遊技球は大入賞口13に非常に入賞し易い状態となる。このような状態で大入賞口13に遊技球が入賞すると、払出制御手段90によりこの入賞球に対して所定の数(例えば、13個)の賞球が球受け皿4に払い出される。
このようにして第1回目の単位遊技が開始されると、単位遊技終了判定手段712により、以下に述べるような単位遊技終了条件の達成の有無が判断され、この単位遊技終了条件が達成されるまでは大入賞口13の開放作動が継続される。
単位遊技終了条件は、「入賞球数」及び「制限時間」を用件として設定されている。まず、「入賞球数」の用件は、大入賞口13に入賞したトータルの遊技球の数が所定数(例えば、10球)に達した時点で単位遊技終了条件が達成されたと判断するというものであり、図14に示すように、大入賞口入賞検出装置13aにより大入賞口13に入賞したかを判断する(ステップS304)。入賞した場合は、大入賞口13に取り付けられている入賞球のカウンタ(不図示)から予め設定されている単位遊技条件終了のために必要な入賞球数(例えば、10球)から1を減らす(ステップS305)。また、特定領域通過検出装置13bにより特定領域(図示せず)に遊技球が入賞したか否かを判断し(ステップS306)、入賞した場合は特定領域フラグをセットする(ステップS307)。そして、大入賞口13の入賞球数が所定の数(例えば、10球)に達したか否かを判定し(ステップS308)、入賞球数が所定の数を満たしていた場合は単位遊技終了条件が達成されたためステップS310に進み、入賞球数が所定の数を満たしていない場合は次の単位遊技終了条件であるステップS309に進む。
次に、「開放時間」の要件は、単位遊技開始後における大入賞口13の開放時間が予め定められた時間(例えば、30秒)経過したときにこの単位遊技終了条件が達成したと判断されるというものであり、ステップS309では、この終了条件が達成したか否かを判断する。そして、制限時間が終了していない(すなわち、単位遊技終了条件が満たされていない)場合はステップS304へ戻り次の単位遊技を行う。一方、制限時間が終了(すなわち、単位遊技終了条件を満たされた)場合は、ステップS310へ進む。
以上のように単位遊技終了判定手段712は、「入賞球数」もしくは「制限時間」の条件のいずれか一方が満たされた時点で、単位遊技終了条件が達成されたと判断し、単位遊技を終了する。
上記のような単位遊技終了条件を達成したときは大入賞口13の開放を止め、継続判定手段72により継続判定条件が達成されているかを判断する(ステップS310)。この継続条件とは、単位遊技中に特定領域に遊技球が入賞して特定領域フラグがセットされたか否かという条件であり、単位遊技中に特定領域への入賞があった場合にのみ継続条件が達成されたと判断される。このため、特定領域への入賞がないまま単位遊技が終了した場合には、ステップS310から特別遊技終了処理S320を行う。
一方、ステップS310において継続条件が成立したと判断された(すなわち、今回の単位遊技中に特定領域へ少なくとも1つの入賞球があった)場合には、特定領域フラグをクリアする(ステップS311)。今回の特別遊技を開始した後における単位遊技のラウンド数を数えるためにカウンタがあり、このカウンタには予め所定回数(例えば、15回)がセットされている。このカウンタから1を減らす(ステップS312)。続いて、このラウンド数のカウンタが0未満になったか否か、つまり単位遊技の繰り返し回数が所定回数行われたか否かを判断する(ステップS313)。ここで、ラウンド数のカウンタが0未満ではない、すなわち所定回数繰り返されていない場合は、ステップS303に戻り、次の単位遊技を行う。また、ラウンド数のカウンタが0未満である、すなわち単位遊技が所定回数繰り返された場合は、ステップS313から特別遊技終了処理S320へ進む。
特別遊技終了処理S320は、図15に示すように、まず、確率変動移行判定手段73により、当選時における停止図柄が確変図柄であるか否かを判定する(ステップS321)。確変図柄であると判断されたときは、高確率遊技設定手段80により、大当たり確率を通常よりも高確率になるように当たり値が設定されている確変抽選テーブルをセットする(ステップS322)。なお、この確率抽選テーブルは、ステップS302において適宜リセットされる。続いて、確率変動当選画面を図柄表示装置20に表示する(ステップS323)。この確率変動当選画面とは、遊技者の注目を引いて大当たり確率が高確率に変動したこと容易に把握することできるように、例えば、「確変」の文字が大きく表示される画面表示態様である。一方、ステップS321において、停止図柄が確変図柄ではないと判定されたときは、確率変動非当選画面にて報知する(ステップS324)。なお、確率変動非当選画面とは、大当たり確率が通常のままで高確率にはならなかったことを報知するために、例えば、「ざんねん」といった文字が大きく表示される画面表示態様である。
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。