JP2011138681A - Ledランプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】LEDランプ1は、長尺状のガラス管3と、素子実装基板上に実装されたLED素子を封止体で封止してなるSMD型のLED7を表面に備え且つガラス管3の内面の離間した2箇所を架橋する状態でガラス管3内に配された実装基板5と、実装基板5とガラス管3とを接合する接着材9とを備え、実装基板5の長手方向に延伸する端縁がガラス管3の内面に接触し、実装基板5の裏面とガラス管3の内面との間に接着材9が充填されている。
【選択図】図3
Description
このようなLEDランプとして、直管状の蛍光灯器具に装着できるLEDランプがある(特許文献4参照)。この特許文献4に記載のLEDランプは、複数のLED素子(4)を実装する実装基板(5)と、実装基板(5)を装着すると共に高い放熱特性を有するヒートシンク(3)と、LED素子(4)と実装基板(5)とを被覆し前記ヒートシンク(3)に取着された樹脂チューブ(2)とを備え、ヒートシンク(3)の一部が、樹脂チューブ(2)の溝(20)から外部へと張り出している。
本発明は、放熱特性を悪化させることなく、軽量化を図ることができるLEDランプを提供することを目的とする。
このため、点灯時にLED素子に発生した熱が基板からガラス管に直接或いは接着材を介してガラス管に伝わり、伝わった熱がガラス管から放出される。これにより、ヒートシンクをなくすることができ、結果的に、放熱特性を悪化させることなく、軽量化を図ることができる。
一方、前記基板は1個又は複数個の貫通孔を有し、当該貫通孔に接着材が充填されていると共に当該貫通孔から接着材が表面へと張り出していることを特徴とし、或いは、前記基板は、裏面側から表面側に移るに従って孔径が大きくなる貫通孔を1個又は複数個有し、当該貫通孔内に接着材が充填されていることを特徴とし、さらには、前記接着材はセメントであることを特徴としている。
1.構成
図1は、第1の実施の形態に係るLEDランプの斜視図であり、内部の様子が分かるように一部を切り欠いている。図2は、図1の矢印A方向からLEDランプを見た図であり、内部の様子が分かるように一部を切り欠いている。図3は、図2のB−B線断面を矢印方向から見た図であり、図4は、LEDランプの一端部の拡大断面図である。
LEDランプ1は、長尺状のガラス管3と、前記ガラス管3内に配される実装基板(本発明の「基板」に相当する。)5と、前記実装基板5の主面に実装された複数のLED7と、前記実装基板5を前記ガラス管3に接触状態で接合(固着)する接着材9(図3参照)と、前記ガラス管3の両端に装着された口金11と、前記口金11を介して給電を受けて前記LED7を発光させる点灯回路13(図4参照)とを備える。
実装基板5は、長尺状のガラス管3に対応して長尺の平板形状をしている。実装基板5は、図1に示すように、絶縁性の基板本体15と、基板本体15の主面(表面)に形成された配線パターン17とを含む。配線パターン17は、複数のLED7を電気的に接続するLED接続部と、点灯回路13と電気的に接続する端子部とを有する。
LED7は、ここでは、表面実装(SMD)型であり、対象とする蛍光灯の輝度に対応して定められた個数が、実装基板5の長手方向に等間隔をおいて実装基板5に実装されている。
封止体は、例えば、透光性樹脂等により構成され、LED素子から発せられた光の波長を変換する必要がある場合は、蛍光体粉末等の波長変換機能を有する材料が透光性樹脂に混入される。なお、LED素子から発せられた光の波長を変換する必要がある場合、例えば、ガラス管の内面に蛍光体粉末を含む蛍光膜を形成することでも実施できる。
伝熱機能は、実装基板5がガラス管3の内面に接触した状態で接着材9を介してガラス管3の内面に接合されることで実現される。特に、実装基板5における長手方向に延伸する端縁がガラス管3の内面に接触し、実装基板5の裏面(LED7を実装していない主面である。)とガラス管3の内面との間に接着材9が存している。
口金11は、有底筒状の口金本体19と、口金本体19の底部19aの外面から外方へと延出する一対の口金ピン21とを備える。
点灯回路13は、同図に示すように、整流回路部23を備える。ここでは、整流回路部23として、4個のツェナダイオード25を用いたダイオードブリッジが用いられている。
整流回路部23は、その入力端が口金11の一対の口金ピン21を短絡状態にして当該口金ピン21に配線27,29により、出力端が実装基板5の端子部に配線31,33によりそれぞれ接続されている。なお、配線29,33は、図3及び図4に示すように実装基板5の裏面に配されている。
2.実施例
LEDランプ1の実施例について具体的に説明する。
ガラス管3は、直径が28[mm]、全長が565[mm]で、その肉厚が0.8[mm]である。材料は、ソーダガラスであり、その熱伝導率が0.75[W/m・K]である。
配線パターン17は、銅箔が利用され、その厚みは35[μm]で、熱伝導率が390[W/m・K]である。
封止体は、厚み(高さ)が1[mm]で、直径1.5[mm]の円柱状をし、透光性樹脂としてシリコーン樹脂が用いられている。蛍光体粉末として、(Ba,Sr)2SiO4:Eu2+の黄緑色蛍光体粉末とSr2Si5N8:Eu2+赤色蛍光体粉末が用いられている。
3.放熱特性
実施の形態に係るLEDランプ1の放熱性の効果についてシミュレーションを行った。
シミュレーションしたモデルは、実施の形態に係るLEDランプ(以下、発明品とする。)、背景技術で説明したLEDランプ(以下、従来品とする。)、従来品を改良した2種類のLEDランプ(以下、改良品1及び改良品2とする。)の4種類である。
従来品であるLEDランプ900は、樹脂チューブ(発明品の「ガラス管」に相当する。)903と、発明品と同じ仕様のLED7と、発明品と同じ仕様(サイズ・材料等)の実装基板5と、表面に実装基板5を装着し且つ放熱機能を有するヒートシンク905とを備える。
樹脂チューブ903の材料は、ポリカーボネートであり、その熱伝導率が0.19[W・m/K]であり、外径、肉厚は発明品のガラス管3と同じである。ヒートシンク905の材料は、アルミニウムであり、厚みが2[mm]で、その熱伝導率が200[W・m/K]である。
図7は、シミュレーション結果を示す図である。
放熱特性は、ヒートシンクをなくした改良品1では、従来品に対して、LED温度が29[℃]上昇しているが、樹脂チューブをガラス管に置き換えた改良品2では、従来品に対してLED温度が23[℃]上昇している。しかしながら、改良品2は、改良品1に対してLED温度が6[℃]下がっている。このことから、樹脂チューブをガラス管に変更することで、放熱特性が改善することが分かる。
4.実装基板位置
(1)放熱特性
図8は、実装基板の幅と放熱効果を示す図である。
同図に示すように、LED温度が基準温度よりも低くなる(つまり、温度差がマイナスになる。)のは、基板幅がガラス管の内径に対して0.44のときである。つまり、基板幅がガラス管の内径に対して0.44以上になると、従来品よりも放熱特性が向上することになる。
(2)配光特性
図9は基板幅と配光特性を示す図であり、図10は配光角の説明図である。
まず、図9の縦軸の配光角について図10を用いて説明する。
配光角[°]は、ガラス管の断面において実装基板の表裏で2つの領域に分けたとき、実装基板におけるLEDが配置された側の端縁(図10では表面側の左右両端縁である。)とガラス管の中心とを結んでできる角度であってLEDが存しない側の角度θ[°]である(所謂、実装基板のLEDが配置された側の、ガラス管の中心からの見込み角である。)。
従って、LEDランプを蛍光灯代替用として用いる場合には、例えば、実装基板がガラス管の中心を通る位置(ガラス管の内径に対する実装基板の幅の比が1である。)に配されると、実装基板の裏側には光が出射されず、ガラス管の後半分(実装基板の裏側の領域である。)が暗くなる。
その結果、LEDランプにおいて、図10における角度θ、つまり図9における配光角が220[°]以上あれば、側方の明るさは蛍光灯には劣るものの、蛍光灯の代替として十分使用できる明るさを有することが分かった。そして、配光角が220[°]以上となる、ガラス管の内径に対する実装基板の幅の比は、図9から0.94以下であることが分かる。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明の内容が、上記の実施の形態に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を実施することができる。
1.ガラス管
実施の形態では、ガラス管3は、その横断面形状が円環状であったが、他の横断面形状であっても良い。他の形状としては、三角形等の多角形をした環状であっても良いし、楕円形の環状であっても良い。
2.実装基板
(1)材質
実施の形態では、ガラスエポキシを利用したが、他の材料も利用することができるが、LEDで発生した熱を効率良く、ガラス管や接着材に伝えるためには、伝熱性の高い材料を用いるのが好ましく、例えば、紙フェノールであっても良い。また、アルミ基板や銅基板等の伝熱性の高い金属製基板を用いることで、LED7への熱負荷をさらに低減できる。
(2)個数
実施の形態では、1個の実装基板5に複数のLED7が実装されていたが、実装基板は複数あっても良い。この場合、実装基板ごとにガラス管の内面に接触する状態で接着材により接合することで実施できる。なお、複数個の実装基板を用いる場合、その個数によっては、実装基板の形状が平面視において正方形状となる。
(3)端面の形状
実施の形態では、実装基板の長手方向に延伸する側面が、当該実装基板の横断面において、主面と直交し且つ直線状をしていたが、他の構成(形状)であっても良い。他の構成としては、ガラス管の内面に面接触するように実装基板の側面を円弧状(ガラス管の内径と一致)にしたり、1つの側面においてガラス管の内面に2点で接触するように実装基板の側面を傾斜状にしたりすることができる。
(4)構造
実施の形態では、実装基板は横断面形状及び縦断面形状が矩形状をしていたが、例えば、横断面形状が円弧状でも良い。
図11は、変形例1に係るLEDランプの横断面図である。
変形例1に係るLEDランプ101は、実施の形態に係るLEDランプ1と、実装基板の構造が異なる(正確には、接着材107の形状も異なる。)。
変形例1においても、実装基板103のリブ部105の底面105aがガラス管3の内面に接触し、さらに接触面積を大きくするために、底面105aの形状がガラス管3の内面に対応した円弧状をしている。
3.接着材
実施の形態では、接着材9としてセメントを利用したが、他の接着材を利用しても良く、例えばシリコーン樹脂を用いても良い。しかしながら、接着材の機能としての伝熱性を考慮すると、伝熱率の高い材料を用いるのが好ましく、具体的には、熱伝導率が1[W/m・K]以上が好ましい。
また、軽量化を考慮すると、比重の低い材料を用いるのが好ましく、具体的には、比重が2[Kg/m3]以下が好ましく、このような材料にシリコーン樹脂等がある。
4.接合構造
実施の形態では、実装基板5の裏面とガラス管3の内面とを接着材9で接合していたが、他の構造で接合しても良い。 接合構造としての変形例について説明する。
(1)貫通孔
図12は変形例2に係るLEDランプの横断面図である。
LEDランプ111の実装基板113は、図12に示すように、横断面形状において基板本体115を貫通する貫通孔117を複数有する。ここでの貫通孔117は、実装基板113の長手方向に沿って複数列(ここでは2列である。)に形成されている。各列の貫通孔117は、長手方向に一定の間隔をおいて、且つ長手方向に略同じ位置に形成されている。なお、ここでの2列は基板本体115の短手方向の両端部に形成されている。
基板接合部121は実装基板113とガラス管3との間の隙間及び貫通孔117に充填されている。外れ防止部123は、実装基板113の貫通孔117から実装基板113の表面へと張り出した部分である。つまり、外れ防止部123の大きさが貫通孔117よりも大きくなっており、外れ防止部123が実装基板113の表面を係止する構造となっている。
変形例3係るLEDランプ131は、変形例2に係るLEDランプ111と、実装基板の貫通孔の形状が異なる(正確には、接着材139の形状も異なる。)。
LEDランプ131の実装基板133は、変形例2に係る実装基板113と同様に、図13に示すように基板本体135に貫通孔137を有する。
接着材139は基板接合部141と外れ防止部143とを有し、外れ防止部143は、実装基板133の貫通孔137内に充填された部分である。これにより、外れ防止部143の大きさが貫通孔137の裏面側の開口径よりも大きくなり、外れ防止部143が実装基板133の貫通孔137の周面を係止する構造となっている。
さらに、複数列状に形成されている貫通孔は、図12や図13に示すように、実装基板の長手方向と直交する方向に複数(2個)形成されていたが、例えば、千鳥状(互い違い)に形成されていても良い。また、実装基板の短手方向の略中央を、実装基板の長手方向に所定の間隔をおいて設けても良いし、仮想線の近くに設けても良い。
(2)接合箇所
実施の形態や変形例等では、実装基板の裏面全体が接着材によりガラス管の内面に接合されていたが、実装基板の裏面全体が接合されていなくても良い。
変形例4に係るLEDランプ151は、実施の形態に係るLEDランプ1と、実装基板をガラスに接合する接合範囲・接合数が異なる。
LEDランプ151の実装基板153は、図14に示すように、横断面形状において、ガラス管3の内径に略等しい幅を有し、この実装基板153の長手方向と平行な端部が接着材155によりガラス管3に接合されている。
また、変形例4に係るLEDランプ151は、実装基板153の裏面だけが接合されていたが、変形例5に係るLEDランプ161では、図15に示すように、実装基板163の裏面及び表面の両面の端部で接着材165によりガラス管3に接合されている。このように実装基板163の表面も接合することで、実装基板163の外れ防止となる他、伝熱機能も向上させることができる。
変形例6に係るLEDランプ171は、実施の形態に係るLEDランプ1と、実装基板をガラスに接合する接合範囲・接合数が異なる。
LEDランプ171の実装基板173は、図16に示すように、この実装基板173の長手方向に所定の間隔をおいた複数箇所に配された接着材175により接合されている。各接着材175は、実装基板173におけるLED7の実装領域の裏側に相当する位置に設けられている。
これにより、実装基板173をガラス管3に接合するための接着材の使用量を少なくでき、LED7の熱の伝導特性をさほど低下させることなく、軽量化を図ることができる。
5.LED素子の実装
実施の形態では表面実装(SMD)型LEDを実装基板に実装する形態について説明したが、LED素子を実施の形態における実装基板に直接実装するようにしても良い。なお、LEDやLED素子やこれらの実装について詳細に説明していないが、これらLED等の実装基板への実装方法(電気的接続を含む)としては従来の公知の技術を利用することができ、バンプ、ダイボンド、半田、ワイヤ等を利用することができる。
6.透光性樹脂
実施の形態では、透光性樹脂はシリコーン樹脂により構成されていたが、別の材料を利用しても良い。別の材料としては、ガラス等がある。
なお、例えば、青色発光のLED素子を利用する場合、黄色蛍光体粉末と緑色蛍光体粉末との混合、赤色蛍光体粉末と緑色蛍光体粉末との混合の透光性樹脂であっても良い。
7.ランプ
実施の形態や変形例等では、直管状の蛍光灯をモデルにしたLEDランプであったが、例えば、円環状の蛍光灯をモデルにしても良い。この場合、例えば、LEDランプの横断面における構造が図3となるような構造をし、実装基板は環状のガラス管内への挿入を可能にするために円環状をしていれば実施できる。さらに、円環状の蛍光灯をモデルにする場合、実装基板の表面がガラス管の形状である環状の径方向と直交或いは所定の角度で傾斜するようにして外方に向くようにしても良い。
3 ガラス管
5 実装基板
7 LED
9 接着材
11 口金
13 点灯回路
Claims (8)
- 複数のLED素子を表面に備える基板と、
筒状をし且つその内面の離間した2箇所を架橋する前記基板を内部に格納するガラス管と、
前記基板と前記ガラス管とを接合する接着材と
を備えることを特徴とするLEDランプ。 - 前記基板の裏面と前記ガラス管の内面との間に前記接着材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のLEDランプ。
- 前記ガラス管は円筒であり、
前記ガラス管の内径をAとし、前記基板の横断面における幅をBとすると、
0.44 ≦ B/A ≦ 0.94
を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載のLEDランプ。 - 前記基板は1個又は複数個の貫通孔を有し、当該貫通孔に接着材が充填されていると共に当該貫通孔から接着材が表面へと張り出していることを特徴とする請求項2又は3に記載のLEDランプ。
- 前記基板は、裏面側から表面側に移るに従って孔径が大きくなる貫通孔を1個又は複数個有し、当該貫通孔内に接着材が充填されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のLEDランプ。
- 前記接着材はセメントであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のLEDランプ。
- 前記接着材は無機粒子を含むことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のLEDランプ。
- 前記ガラス管は一般蛍光灯用のガラス管と同じ寸法であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のLEDランプ。
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