JP2016157534A - Ledランプ及びledランプの放熱方法 - Google Patents

Ledランプ及びledランプの放熱方法 Download PDF

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Abstract

【課題】変形を防止できるとともに、発光効率を高めることができるLEDランプを提供する。
【解決手段】筒状に一体形成された透光管2と、この透光管内に収容されるとともにLED発光素子11を設けた長尺状のLED基板10とを備えるLEDランプ1であって、上記LED基板又は上記LED基板を保持する保持部材の背面が、上記透光管の内面に熱伝導性接着剤13を介して接合される一方、上記透光管の上記LED基板又は保持部材を接合した部分の背面側の外面に、放熱部材7を設けて構成される。
【選択図】 図5

Description

本願発明は、LED発光素子(発光ダイオード)を用いて形成されるLEDランプ及びLEDランプの放熱方法に関するものである。詳しくは、筒状の透光管を備えるLEDランプの放熱性を高めて、発光効率を高めることができるLEDランプ及びLEDランプの放熱方法に関するものである。
LEDランプは、LED発光素子を搭載したLED基板を、透光性のあるケース内に収容して構成される。たとえば、従来の直管形のLEDランプは、樹脂材料等の透光性のある材料から形成された直管形ケース内に、LED発光素子を所定間隔で搭載した長尺状のLED基板を収容して構成される。
上記LEDランプは、LED基板の背面側に透光性のない材料から形成された断面円弧状の部材を設ける一方、LED基板の表面側に透光性のある材料から形成された断面円弧状の透光部材を設け、これら部材を母線に沿って接合することにより、円筒状のLEDランプが構成されることが多い。
特開2014−235854 特開2013−161564
特許文献1に記載されているLEDランプでは、表面側にLED発光素子を設けるとともに、背面側に給電回路及び制御回路を設けたLED基板を採用している。上記LED基板は、円筒形カバーの直径に沿って、すなわち、円筒断面の中心を通るように配置されている。また、上記カバーは、LED発光素子を設けた側に半割り円筒状の透光性カバーを設ける一方、背面側に透光性のない材料から形成された半割り円筒状のカバーを設けて構成されており、上記一対のカバーを上記LED基板の側部に沿って接合して、全体が円筒形になるように構成されている。
特許文献1に記載されているLEDランプは、従来の直管形蛍光灯装置に装着することを前提として構成されたものであり、両端に設けた一対の電極端子から上記給電回路及び制御回路へ給電するように構成されている。
上記構成のLEDランプは、上記電極端子を介して両端部において照明器具に保持される。一方、上記カバー内には、全長にわたってLED基板が設けられており、従来の直管形蛍光灯に比べて重量が大きくなる。しかも、上記カバーは、樹脂から形成され、しかも、円筒を半割り状にした部材を接合して構成されているため、従来のガラス管に比べて剛性が低い。このため、長期間使用しているうちに、重量やLED発光素子から発生する熱によって、上記カバーが撓み、LEDランプの全体が変形するという問題があった。
上記不都合を回避するため、特許文献2に記載されたLEDランプのように、従来の蛍光灯と同様に、カバーとして円筒状のガラス管を採用し、ガラス管内にLED基板を設けたものが提案されている。
通常、LED発光素子は、低温になるほど発光効率が高くなる。一方、発光素子を流れる電流が大きくなるほど発光量も大きくなるが、発熱量も大きくなる。LED発光素子の温度が上昇すると、発光効率が低下し、放射される光量も低下する。また、LED発光素子の温度が80℃を越えると、劣化が促進されて寿命が低下するという問題を生じる。このため、従来のLEDランプでは、LEDランプの背面側に通気孔やヒートシンクを設けることが多かった。
カバーとしてガラス管を採用した場合、ガラスの剛性が高いため、変形の問題はなくなる。しかしながら、LED基板の背面側に通気孔等を設けることは不可能であり、密閉性が高くなるため、放熱性が低下してLED発光素子の温度も高くなる。
特許文献2に記載されているLEDランプでは、上記不都合を回避するため、LED基板とガラス管との間に中空円弧状のヒートシンクを設け、LED基板からガラス管への放熱を促進するように構成している。
ところが、ガラス管の外周面は、従来の蛍光灯と同様に滑らかに加工されているため対流熱伝達による放熱効率が低い。このため、LED発光素子からの発熱に対して、充分な放熱性を確保するのは困難である。また、放熱量を確保するため、LED基板の背面側に大きな放熱面を確保する必要があり、その分ガラス管の投光面も減少してしまう。上記特許文献2に記載されているLEDランプにおいては、ガラス管の外面の半分が放熱面となっている。
しかも、特許文献1及び特許文献2においては、LED発光素子を設けた回路基板の背面側に、上記制御回路が設けられている。上記制御回路はLED発光素子に給電を行う回路であり、LED発光素子より大きな発熱性を有する。このため、上記LED基板の温度がより上昇して、発光効率が低下するのみならず、LED発光素子の寿命に悪影響を与える恐れがある。
本願発明は、上記課題を解決するために案出されたものであり、変形を防止できるとともに、発光効率を高めることができるLEDランプを提供することを課題としている。
本願発明は、筒状に一体形成された透光管と、この透光管内に収容されるとともにLED発光素子を設けた長尺状のLED基板とを備えるLEDランプであって、上記LED基板又は上記LED基板を保持する保持部材の背面が、上記透光管の内面に熱伝導性接着剤を介して接合される一方、上記透光管の上記LED基板又は保持部材を接合した部分の背面側の外面に、放熱部材を設けて構成される。
上記透光管は、筒状に一体形成することができれば、種々の材料から形成することができる。たとえば、ポリカーボネ−ト等の耐熱性の高い樹脂材料から形成することができる。さらに、高い耐熱性及び剛性を確保するには、ガラス材料から形成するのが望ましい。
上記LED基板も、従来と同様に種々の材料から形成することができる。LED発光素子の配列形態も特に限定されることはない。また、各LED発光素子に給電する給電回路(配線)は上記LED基板の表面側あるいは背面側に設けることができるが、供給する電力を生成して制御する制御回路は、発熱量が大きいため上記LED基板と別個に設けるのが好ましい。
上記LED基板の背面を、上記透光管の内面に、熱伝導性接着剤を用いて直接接合することができる。また、上記LED基板の背面に放熱シンク等の保持部材を設け、この保持部材の背面を、熱伝導性接着剤を用いて上記透光管の内面に接合することができる。
上記LED発光素子から発生した熱は、上記LED基板及び熱伝導性接着剤を介して、あるいは、上記LED基板、上記保持部材及び上記熱伝導性接着剤を介して上記透光管に伝導される。
上記熱伝導性接着剤は、種々の接着剤成分に熱伝導性の高い金属粉やセラミック粉等を配合して構成されたものを採用できる。上記熱伝導性接着剤として市販されている種々の熱伝導性接着剤を採用することができる。
上記透光管は一体筒状に形成されるとともに、光の透過性を高めるために表面が滑らかに形成される。一方、表面が滑らかであると、対流による放熱量が小さくなり、透光管を介して充分な放熱性を確保するのは困難である。特に、ガラス製の透光管では、表面がきわめて滑らかであり、また、放熱穴や凹凸を設けることも不可能である。
本願発明では、上記不都合を回避するため、上記透光管の上記LED基板又は保持部材を接合した部分の背面側の外面に放熱部材が設けられる。
少なくとも上記透光管の表面より放熱量が大きければ、上記放熱部材の材料及び形態は特に限定されることはない。たとえば、アルミ材料等の金属材料や、熱伝導性の高いセラミック材料から形成された長尺板状材料を採用し、熱伝導性接着剤を介して上記透光管の外面に接合することができる。また、上記放熱材料としてテープ状あるいはシート状の材料を採用することもできる。さらに、放熱性の高い塗料を上記透光管の外面に直接塗着し、あるいは放熱性の高い金属等を蒸着等により付着させて、上記放熱部材を設けることもできる。
空気の対流による放熱性を高めるため、上記放熱部材の外側表面積を大きく設定するのが好ましい。たとえば、表面に凹凸を設けたり、フィン状の突起を設けるのが望ましい。また、放射による放熱を促進するため、表面に輻射率の高い材料を採用することもできる。たとえば、輻射放熱量の大きな放熱塗料を、上記透光管に直接塗着して放熱部材を構成したり、上記金属製の放熱部材の表面に上記放熱塗料を塗着することもできる。
上記LEDランプにおいては、上記LED基板の背面側から光が投光されることはない。また、上記放熱部材を設けた部分から光が投光されることはない。このため、透光管から投光される光の範囲を最大とするには、上記放熱部材を、上記透光管の上記LED基板又は保持部材を接合した部分の外面の範囲に設けるのが好ましい。これにより、放熱部材を設けた場合であっても、上記LED発光素子から発せられる光の投光範囲が狭められることはない。
さらに、本願発明では、放熱量を高めることができるため、必要な放熱量に対して、透光管における放熱面積を、従来のLEDランプより低減させることが可能となる。このため、透光管における投光面積を拡大して、LEDランプの発光効率をより高めることができる。
なお、必要に応じて、上記放熱部材を、上記LED基板又は保持部材を接合した部分の外面より大きな範囲に設けることもできる。
上記放熱部材は、上記LED基板の表面温度を、80℃以下に保持するように設定するのが好ましい。これにより、発光効率を高めることができるとともに、LED発光素子の劣化を防止することができる。
また、上記放熱部材を上記LED基板又は保持部材を接合した部分の外面より大きな範囲に設けて放熱性を高めるとともに、上記LED基板又は保持部材を設けた領域からはみ出した部分の内面側を光反射面として利用し、上記領域から投光される光成分を反射させて、透光管の他の部位から投光させるように構成することもできる。
上記LED発光素子に供給する電力は基本的には直流であり、通常、商業用交流電源から供給される電力を所定電圧の直流に変換する制御回路が設けられる。上記制御回路は、全てのLED発光素子に流れる電流を生成するものであるため、LED発光素子より発熱量が大きい。したがって、LED発光素子を設けたLED基板に上記制御回路を設けると、LED発光素子の温度が自己の発熱温度以上に上昇し、発光効率が低下したり、LED発光素子の寿命に悪影響を与える恐れがある。
上記不都合を回避するため、上記透光管の両端部に接続部材を着脱可能に設け、この接続部材内に上記制御回路基板を収容することができる。上記接続部材として、有底筒状の部材を採用できる。上記接続部材には、底部から突出するとともに上記制御回路に接続された接続端子が設けられており、上記接続端子が照明器具の接続穴に挿入されることによりLEDランプが保持されるとともに、上記接続端子を介して電力が供給される。上記制御回路は、上記LED基板にコネクタ等を介して接続されており、上記コネクタを取り外すことにより、上記LED基板を、透光管とともに上記接続部材から取り外すことができるように構成するのが好ましい。
上記接続部材を構成する材料は特に限定されることはなく、樹脂材料、金属材料、セラミック材料等の種々の材料を用いて形成することができる。上記制御回路基板からの放熱性を高めるため、放熱性が高く、熱による劣化の少ない材料から形成するのが好ましい。
上記LED基板と上記制御回路基板とを別個に設け、発熱量の大きな上記制御回路基板を、上記接続部材内に配置することにより、上記制御回路基板から発生する熱が、LED発光素子に及ぶことがなくなる。このため、LED発光素子の温度を低下させて、発光効率を高めることができる。また、上記制御回路基板からの放熱性を高めることができるため、制御回路に用いられるコンデンサ等の寿命を延ばす効果も期待できる。
長尺直管状のLEDランプを構成する場合、一つのLED基板上に、多数のLED発光素子が設けられる。このため、上記LED基板の不良率も大きくなる。上記LED基板と上記制御回路基板とを別個に形成し、上記LED基板と上記制御回路基板とを、コネクタ等を介して着脱可能に接続することにより、上記LED発光素子の一部に不良があった場合にも、LED基板ごと交換することが可能になる。このため、製造段階において不良率を低減させることができるばかりでなく、使用開始後の修理も容易になる。
上記制御回路基板からの放熱を促進するため、上記接続部材に、放熱穴を設けるのが好ましい。上記放熱穴を設ける部位、形状、大きさは特に限定されることはない。
さらに、上記接続部材を、上記ガラス管の端部に接合される第1の部材と、上記接続端子が設けられる第2の部材とを備えて構成し、上記第1の部材と上記第2の部材とを、着脱可能に、かつ上記透光管の軸周りの接続角度を変更できるように構成するのが好ましい。
上記接続部材を上記第1の部材と上記第2の部材とから構成することにより、これら部材を離間させることにより、上記LED基板を設けた透光管を容易に交換することが可能となる。特に、上記透光管にガラス管を採用した場合、第1の部材によってガラス管端部を補強できるため、組み立て工程や修理を行う際に、ガラス管を破損する恐れも小さくなる。
LEDランプは、上記LED基板の背面側に光を照射することができない。このため、従来の蛍光灯に比べて光の照射方向が限定される。したがって、照明装置によっては、所要の範囲に光を照射できない場合があった。上記接続部材を第1の部材と第2の部材とから構成し、これら部材の上記透光管の軸周りの接続角度を変更できるように構成することにより、光の照射方向を調節することが可能となる。このため、種々の場面で使用できるLEDランプを提供することが可能となる。
上記接続する角度を変更する構造は特に限定されることはないが、少なくとも90°以下の角度間隔で位置決めできるように構成するのが好ましい。
本願発明では、放熱効率を高めることができるため、透光管の外面に確保しなければならない放熱面積を低減させることが可能となる。このため、上記LED基板における上記透光管の軸に直交する方向の幅を、上記ガラス管の内径の3分の1以下に設定することが可能となった。この結果、透光管からの投光面積を大幅に拡大することが可能となった。
また、LED基板の裏面が透光管の内周面から離れるほど熱の移動距離が大きくなり、放熱効率が低下する。上記LED基板における上記透光管の軸に直交する方向の幅を、上記ガラス管の内径の3分の1以下に設定することにより、透光範囲を大きく設定できるばかりでなく、LED基板の背面と透光管内面との距離が小さくなって放熱効率をさらに促進することができる。
上記LED基板上に設けられるLED発光素子は、連続的に設けられるのではなく、所定の間隔を開けて設けられる。このため、透光管を完全な透明体とすると、透光管の外面から均一に光を照射することができない。
上記不都合を回避するため、上記透光管の内面に光拡散部材を設けることができる。上記光拡散部材は、従来の蛍光灯と同様の蛍光塗料や光拡散塗料を透光管の内面に塗着することにより設けることができる。
また、本願発明に係るLEDライトは、両端部が開口できるように構成されるため、上記透光管の内面に、光拡散シートを着脱可能に設けることができる。上記光拡散シートとして半透明状の種々のシートを採用できる。また、上記光拡散シートを、着脱可能に設けることができるため、着色したものや、模様を付したものを採用することも可能となり、従来にない利用方法を提供することも可能となる。
上記接続部材に、仕切壁を設け、上記制御回路基板を設ける空間を透光管の内部空間から隔離できるように構成するのが好ましい。上記仕切壁を設けることにより、制御回路基板から発生する熱がLED基板に伝わることがなくなり、LED発光素子に悪影響を与えることがなくなる。また、LED発光素子から放射される光が、上記制御回路基板に照射されるのを防止することができる。このため、制御回路基板上の電子部品や回路の封止樹脂が傷むのを防止できる。上記仕切壁の構成は特に限定されることはない。上記接続部材と一体的に設けたり着脱可能に設けることができる。
本願発明に係る放熱方法では、上記LED基板又は上記LED基板を保持する保持部材の背面を上記透光管の内周面に、熱伝導性接着剤を用いて接合する一方、上記透光管の少なくとも上記LED基板を接合した部分の背面側の外面に放熱部材を接合し、上記LED基板から発生する熱を上記放熱部材から放熱させるものである。
本願発明に係る放熱方法は、従来のLEDランプに比べて放熱効率が高く、LED発光素子温度を低下させて発光効率を高めるとともに、LED発光素子の劣化を防止することも可能となる。
本願発明によって、変形を防止できるとともに、発光効率を高めることができるLEDランプを提供することができる。
本願発明に係るLEDランプの正面図である。 本願発明に係るLEDランプの平面図である。 図2におけるIII-III線に沿う要部の拡大断面図である。 図2におけるIV-IV線に沿う拡大断面図である。 本願発明に係るLEDランプの断面及び外観斜視図である。 接続部材を離間させた状態を示す拡大斜視図である。 接続部材を離間させた状態を示す軸方向断面図である。 本願発明に係るLEDランプの右側面図である。 本願発明に係るLEDランプの性能を示す図表である。 本願発明に係るLEDランプの性能を示す図表である。 本願発明に係るLEDランプの他の実施形態を示す断面図である。
以下、本願発明の実施形態を図に基づいて具体的に説明する。
図1、図2に示すように、本実施形態に係るLEDランプ1は、従来の蛍光灯ランプと同様に、長尺円筒状に形成されている。上記LEDランプ1は、投光面を備える円筒状の透光管2と、上記透光管2の両端部に設けられた一対の接続部材3,4とを備えて構成される。本実施形態に係る上記透光管2は、従来の蛍光灯と同様に円筒形のガラス管から形成されている。
上記透光管2には、一の母線に沿う外面に、放熱部材として長尺板状の放熱板7が接合されている。本実施形態に係る上記放熱板7は、アルミ合金から形成されており、熱伝導性接着剤12を介して上記透光管2の外面に接合されている。上記放熱板7は、透光管に接合される接合面と外面の双方に、長手方向に延びる凹凸7a,7bが形成されている。上記接合面に凹凸7a,7bを設けることにより、透光管2の表面に対する接着力を高めることができる。一方、上記外面に凹凸を設けることにより、対流熱伝達を促進して放熱性を高めることができる。
図3に示すように、上記透光管2の内部には、LED発光素子11を搭載したLED基板10が設けられる。上記LED基板10は、従来の種々の手法によって形成することができる。なお、図示はしないが、上記LED基板10の表面あるいは裏面には、上記LED発光素子11に給電する給電回路(回路パターン)が従来の手法で形成されている。
上記LED基板10は、熱伝導性接着剤12を介して、上記透光管2の内面に接合されている。そして、図4に示すように、上記透光管2の上記LED基板10を接合した部分の背面側の外面に、上記放熱部材7が設けられている。
上記構成によって、上記LED発光素子11から発生する熱が、上記LED基板10、上記熱伝導性接着剤12、上記透光管2、熱伝導性接着剤13及び上記放熱板7を介して放熱される。
上記放熱板7は、アルミ合金から形成されているため熱伝導性が高く、また表面積が大きいため、同じ面積の透光管外面より放熱性が格段に高い。このため、LED発光素子から生じた熱を効率よく放熱することが可能となる。この結果、LED発光素子11の温度上昇を抑え、発光効率を高めることができる。また、LED発光素子に高温が作用することもなくなり、LED発光素子の寿命が低下することもない。寿命に悪影響がでないようにするには、上記放熱板7等を、上記LED発光素子の温度が少なくとも80℃以下になるように設定するのが好ましい。
上記接続部材4は、上記透光管2の端部に接合される第1の部材4aと、この第1の部材に着脱可能に連結される第2の部材4bとを備えて構成されている。これら部材を構成する材料は特に限定されることはない。たとえば、種々の樹脂材料で形成することができる。また、放熱性を高めるため、アルミやスチール等の金属性材料で形成することができる。さらに、耐食性を高めるため、セラミック材料で形成することもできる。
図6及び図7に示すように、上記第1の部材4aと上記第2の部材4bは、着脱可能に、かつ上記透光管2の軸周りの接続角度を変更できるように構成されている。本実施形態では、第1の部材4aの外周面に90°の角度間隔で係合丘部4dを設ける一方、第2の部材4bの先端側に、上記係合丘部4dの間の谷部に係合して位置決めできる係合突起4cを設けて構成している。上記構成によって、上記第1の部材4aと上記第2の部材4bとを、90°の角度間隔で位置決めして連結することが可能となる。これにより、上記放熱板7を設けた部位の照明装置における角度位置を調節して取り付けることが可能となる。
図3に示すように、本実施形態では、上記LED発光素子11に給電する電力を生成する制御回路基板16を、上記LED基板10と別個に設け、上記接続部材4の内部に収容している。
図3及び図7に示すように、上記LED基板10と上記制御回路基板16とは、ケーブル18及びコネクタ17を介して着脱可能に接続されている。一方、上記第2の部材4bには、底部から外方に延出するピン状の接続端子6が設けられており、上記制御回路基板16と上記接続端子6とがケーブル19を介して接続されている。
上記制御回路基板16を上記LED基板10と別個に設け、これを接続部材4内に収容することにより、上記制御回路基板16から生じる熱が上記LED発光素子11に伝わるのを防止できる。このため、LED発光素子11の温度上昇を低減させて発光効率を高めることができるとともに、LED発光素子が高温に晒されることを防止して寿命が低下するのを防止できる。
また、上記LED基板10と上記制御回路基板16とを、コネクタ17を介して着脱可能に設けることにより、上記LED発光素子11に不良がある場合や、故障が生じた場合に、上記LED基板10を、上記透光管2とともに容易に交換することが可能になる。このため、組み立て工程における対応が容易になるばかりでなく、使用後の故障にも容易に対応できる。
また、図8に示すように、上記第2の部材4bの底面には、通気孔21が設けられている。これにより、上記制御回路基板で生じた熱を効率よく放熱することが可能となる。
本実施形態では、上記LED基板10から生じる熱を効率よく放熱することができるため、透光管2の外面における放熱面の面積を低減させることができる。このため、図4に示すように、本実施形態では、上記LED発光素子11を搭載するLED基板10の透光管2の軸に直交する方向の幅D2を、上記透光管2の内径D1の3分の1以下に設定することが可能となった。この結果、上記透光管2の周囲の透光角度範囲を320°以上に設定することが可能となり、従来のLEDランプに比べて広い角度範囲に光を照射することができる。
図11に示すように、上記接続部材4に、上記透光管2の内部空間と、接続部材内の空間とを仕切る仕切壁20を設けることができる。上記仕切壁20を設けることにより、制御回路基板16から生じる熱が上記LED基板10に伝わるのを防止できる。また、LED発光素子11から生じる光が、上記制御回路基板16に照射されることがなくなり、制御回路基板上に搭載された電子部品や封止樹脂を劣化させる等の悪影響が出るのを防止できる。
〔実施例〕
図1から図10に記載された構成のLEDランプ1について、発光量及び発光効率を計測した。比較例として、放熱板の有無以外の構成が同一のLEDランプを採用した。
LEDランプは、外径32mmのガラス製透光管の両端部に接続部材を設け、全長1198mmに形成されたものを採用した。上記透光管2の内面には、幅約10mmの長尺状基板上に、LED発光素子を一定間隔で配列したものが、熱伝導性接着剤を介して一の母線方向に接着されている。上記LED基板に、約200Vの電圧を印加して発光量を全光束測定装置を用いて計測した。
図9は、放熱板のあるLEDランプと放熱板のないLEDランプの発光量及び発光効率を比較したものである。なお、図9に示す実施例では、放熱板のないLEDランプの発光量等を測定した後に、同一のランプに放熱板を取り付けたものについて測定を行った。
図9に示すように、放熱板を設けることにより、全光束(lm)及び発光効率(lm/W)が増加することが判る。
図10は、放熱板を設けた一のランプについて、発熱の影響が少ない点灯初期と、熱的に定常状態に達すると考えられる30分経過後の発光量等を比較したものである。図10から明らかなように、放熱板を設けた場合であっても、30分経過後の発光量は初期の発光量に比べて若干低下するが、図9に示す放熱板のないものよりも、発光量が大きくなることが判る。
上記試験結果から、放熱板を設けることにより発光効率が明らかに増加することが判明した。
本願発明は、上述の実施形態に限定されることはない。今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本願発明の範囲は、上記説明した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
発光効率を高めることができるとともに、LED発光素子の寿命の低下を防止、さらに、容易に修理等を行うことができるLEDランプを提供することができる。
1 LEDランプ
2 透光管
10 LED基板
11 LED発光素子
13 熱伝導性接着剤

Claims (10)

  1. 筒状に一体形成された透光管と、この透光管内に収容されるとともにLED発光素子を表面に設けた長尺状のLED基板とを備えるLEDランプであって、
    上記LED基板又は上記LED基板を保持する保持部材の背面が、上記透光管の内面に熱伝導性接着剤を介して接合される一方、
    上記透光管の上記LED基板又は保持部材を接合した部分の背面側の外面に、放熱部材を設けた、LEDランプ。
  2. 上記透光管はガラス材料から形成された円筒直管状に形成されており、
    上記放熱部材は、金属製の板状部材から形成されるとともに、熱伝導性接着剤を介して、上記透光管の母線方向に接合されている、請求項1に記載のLEDランプ。
  3. 上記透光管の両端部に着脱可能に設けられた有底筒状の接続部材と、
    上記接続部材の底部から突出する接続端子と、
    上記接続部材内に収容されるとともに、上記LED基板に接続される制御回路基板とを備え、
    上記制御回路基板は、上記LED基板に対して着脱可能に設けられている、請求項1又は請求項2に記載のLEDランプ。
  4. 上記接続部材は、上記透光管の端部に接合される第1の部材と、上記接続端子が設けられる第2の部材とを備えて構成されており、
    上記第1の部材と上記第2の部材とが、着脱可能に、かつ上記透光管の軸周りの接続角度を変更できるように構成されている、請求項3に記載のLEDランプ。
  5. 上記放熱部材は、上記LED基板の表面温度を、80℃以下に保持するように設定されている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のLEDランプ。
  6. 上記LED基板における上記透光管の軸に直交する方向の幅が、上記ガラス管の内径の3分の1以下に設定されている、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のLEDランプ。
  7. 上記ガラス管の内面に、光拡散シートを着脱可能に設けた、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のLEDランプ。
  8. 上記接続部材は、放熱穴を備える、請求項3から請求項7のいずれか1項に記載のLEDランプ。
  9. 上記接続部材は、上記ガラス管の内部空間との間に設けられた仕切壁を備える、請求項3から請求項8のいずれか1項に記載のLEDランプ。
  10. LED発光素子を表面に設けたLED基板と、筒状に形成されるとともに上記LED基板が収容されるガラス製透光管とを備えるLEDランプの放熱方法であって、
    上記LED基板又は上記LED基板を保持する保持部材の背面を、上記透光管の内周面に熱伝導性接着剤を用いて接合する一方、
    上記透光管の少なくとも上記LED基板を接合した部分の背面側の外面に放熱部材を接合し、
    上記LED基板から発生する熱を上記放熱部材から放熱させる、LEDランプの放熱方法。
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