JP2011138061A - 液晶表示パネル及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】輝点欠陥となったサブ画素を黒点化する際、遮光性材料の載置構成を工夫して、
シールド膜や偏光板の形成に影響を与えることなく効率よく黒点化することができるよう
にされた液晶表示パネルを提供すること。
【解決手段】液晶層LCを狭持する一対の透明基板16、28を有し、シールド層12及
び偏光板11が形成された液晶表示パネル10において、輝点欠陥となっているサブ画素
(R)を構成する透明基板28の一方に、底側が液晶層LC側に位置するように形成され
た溝37と、溝37に充填された不透明材料38と、を設ける。
【選択図】 図5

Description

本発明は、液晶表示パネル及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、輝
点欠陥となったサブ画素を黒点化する際、遮光性材料の載置構成を改良することによって
、より一層効率よく黒点化することができる液晶表示パネル及びその製造方法に関する。
液晶表示パネルとしては、縦電界方式と横電界方式のものが知られている。横電界方式
の液晶表示パネルは、液晶層を挟んで配置される一対の基板のうちの一方の内面側に一対
の電極が互いに絶縁して設けられており、概ね横方向の電界を液晶分子に対して印加する
ものである。これらの横電界方式の液晶表示パネルとしては、一対の電極が平面視で重な
らないIPS(In-Plane Switching)モードのものと、重なるFFS(Fringe Field Swi
tching)モードのものとが知られている。これらの横電界方式の液晶表示パネルは、TN
(Twisted Nematic)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード、VA(Vertical
Alignment)モード、MVA(Multi-domain Vertical Alignment)モード、ECB(Ele
ctrically Controlled Birefringence)モード等の縦電界方式のものよりも広い視野角を
得ることができるという効果があるので、近年多く用いられるようになってきている。
しかし、横電界方式の液晶表示パネルは一対の基板の内の一方にのみ液晶を駆動するた
めの一対の電極を備えており、一対の基板のそれぞれに液晶を駆動するための電極が設け
られている縦電界方式のものとは構成が相違している。そのため、横電界方式の液晶表示
パネルは、他方の基板側から静電気等に起因する電界が印加された場合、この電界は直接
液晶分子に対して作用するため、表示の異常が発生してしまうという課題がある。
そこで、横電界方式の液晶表示パネルにおけるこのような課題を解決するために、従来
からカラーフィルター基板に静電気等に対するシールド膜を設けることが行われている。
例えば、下記特許文献1には、図8に示すように、一対の基板の内の一方の基板51の
外面側にシールド膜52が設けられたFFSモードの液晶表示装置50が開示されている
。このFFSモードの液晶表示装置50においては、シールド膜52は、外付けされた接
続体53によって、所定電位に接続された一対の基板の内の他方の基板54の実装部の配
線55に対して接続端子56を介して電気的に接続されている。このFFSモードの液晶
表示装置50によれば、実装部の配線55と外付けの接続体53との利用によって、容易
に静電気対策の確実化ができるようになっている。
ところで、液晶表示パネルにおいては、例えば下記特許文献2に示されるように、縦電
界方式・横電界方式を問わず、サブ画素に点欠陥が生じることが知られている。点欠陥は
輝点欠陥と黒点欠陥とに大別される。特に輝点欠陥は、これを効率よく修正する方法がな
く、しかも黒点欠陥より目立つので、下記特許文献2に示されているように、黒点欠陥に
置換(以下、「黒点化」という。)することが行われている。この輝点欠陥の黒点化は、
輝点欠陥となっているサブ画素を覆うように、黒インク等によって透明基板の表面を黒く
塗ることで行われている。
特開2008−096475号公報 特開平7−333588号公報
近年、液晶表示パネルは、小型化、高詳細化が進んでいるため、各サブ画素の領域は狭
くなっているが、透明基板の厚みは各サブ画素の領域に比して非常に厚くなっている。そ
のため、単に輝点欠陥となっているサブ画素を覆うように透明基板の表面を黒く塗って黒
点化するだけでは、バックライトからの照射光が黒点化されたサブ画素の周辺に漏れ出し
てしまうという問題がある。なお、これを防ぐために黒点を大きくすれば、隣接する正常
な画素も黒点化されてしまうことになる。
本発明は、上述のような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、輝点か
らなる欠陥を効率的に隠すことで、輝点欠陥を目立たなくした液晶表示パネル及びその製
造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の液晶表示パネルは、液晶層を挟持して対向配置さ
れた一対の透明基板からなる液晶表示パネルであって、前記一対の透明基板のうちのいず
れか一方の透明基板の表面に形成された溝と、前記溝に充填された不透明材料と、が設け
られていることを特徴とする。
本発明の液晶表示パネルにおいては、従来のように輝点欠陥が存在している透明基板に
遮光性材料を載置してこの輝点欠陥を黒点化する際に、不透明材料を液晶層側に近接させ
ることができる。そのため、本発明の液晶表示パネルによれば、透明基板の厚みに起因し
て、バックライト等からの照射光が黒点化されたサブ画素の周辺に漏れ出すことを抑制す
ることができるようになる。
また、液晶層に残存する異物による輝点欠陥の場合には、欠陥となっている部分にのみ
溝を形成することもでき、黒点化による表示への影響を最小限に抑えることができる。こ
れは、通常、異物による輝点は、異物によって異物周辺では液晶分子の配向が所望の状態
とならないために発生しているためである。このような場合には、スイッチング素子等に
問題があるわけではないので、サブ画素のうち輝点欠陥となっていない領域は表示領域と
して利用することができる。したがって、異物による輝点欠陥の位置だけを黒点化するこ
とで、黒点化による例えば輝度低下等を最小限に抑えることができる。なお、本発明の液
晶表示パネルにおいては、溝は一対の基板の内の何れに形成することもできる。
本発明の液晶表示パネルにおいては、前記不透明材料は、黒色素材を含む樹脂材料を採
用することができる。
このようにすれば、例えばバルサム等の天然樹脂材料や光硬化型の合成樹脂材料に、カ
ーボン等の黒色色素を混入させたものを用いることにより、容易に溝内に不透明材料を充
填することができる。
また、本発明の液晶表示パネルにおいては、前記溝には、前記溝の底側に前記不透明材
料が充填され、その上側に透明材料が充填されているものとすることができる。
このような構成とすると、不透明材料が液晶層側に近い部分に充填されているので、液
晶表示パネルの正面から見ると、輝点欠陥となっている領域は不透明材料により光が遮断
されて黒点化されて視認できる。また、この輝点欠陥に隣接する正常な領域を経由した光
は透明材料を透過して視認できるため、正面からだけでなく斜め方向からも視認すること
ができる。したがって、本発明の液晶表示パネルによれば、輝点欠陥となっている領域は
不透明材料により黒点化しても、正常な領域の輝度への影響が軽減される。そして、溝を
不透明材料及び透明材料で充填することで溝内の気体を除外することもできるので、シー
ルド膜や偏光板が張り合わされた後、溝内の気体が熱拡張してシールド膜や偏光板が浮き
上がることにより、その部分が光って見える等の懸念も解消される。
次に、本発明の液晶表示パネルの製造方法は、
液晶層を挟持して対向配置された一対の透明基板からなる液晶表示パネルの製造方法で
あって、
(1)前記液晶層に残存する異物による輝点欠陥を検出する工程と、
(2)前記一対の透明基板のうちのいずれか一方の透明基板の表面であって、前記輝点欠
陥となっている部分に溝を形成する工程と、
(3)前記溝に不透明材料を充填する工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明の液晶表示パネルの製造方法を適用すれば、上記した本発明の液晶表示パネルに
適した液晶表示パネルの製造方法が提供される。
なお、「溝」は、例えばレーザーを用いて形成することができる。より好ましくは周知
のピコ秒レーザー(短パルスレーザーの一種でパルス幅がピコ秒領域にあるレーザー発振
器)等を用いて微細穴加工することでμm単位で形成することができる。
また、「溝」はドリルによって形成することもできる。ドリルによる形成であれば、透
明基板を削った際の削りカスが、溝の底部に溜まるおそれが少ないので、削りかすによる
不透明材料の充填に影響をあたるおそれが少ない。またドリルによって溝を形成すれば、
透明基板を削る際に発生する熱も比較的低温なため、例えば溝を形成する際に発生する熱
によりカラーフィルター等の液晶表示パネルを構成する他の部材の劣化や破壊を抑えるこ
とができる。
本発明にかかる第1及び第2実施形態に共通な液晶表示パネルの概要を示す平面図である。 1サブ画素分の構成を示す平面図である。 図2のIII−III線の断面図である。 図2のIV−IV線の概略断面図である。 サブ画素を黒点化するための溝の構成を概略的に示す図である。 アレイ基板に溝を設けた第1実施形態の変形例を概略的に示す図である。 第2実施形態の液晶表示パネルを示す断面図である。 シールド膜による静電気対策が施された従来の液晶表示パネルの構成を示す図である。
以下、実施形態及び図面を参照して、本発明に係る一具体例としてのFFSモードの液
晶表示パネルについて詳述する。なお、以下の記載は、本発明の技術的思想をFFSモー
ドの液晶表示パネルに限定することを意図するものではなく、本発明は特許請求の範囲に
示した技術的思想を逸脱することのない限り、種々の方式の液晶表示パネルに適用し得る
ものである。
なお、以下に述べるアレイ基板及びカラーフィルター基板の「表面」とは、アレイ基板
及びカラーフィルター基板共に液晶層に対峙する側の面を示すものとする。また、この明
細書における説明のために用いられた各図面においては、各層や各部材の存在を認識しや
すくするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせて表示しており、必ずしも実際の寸法に
比例して表示されているものではない。
[第1実施形態]
第1実施形態のFFSモードの液晶表示パネル10の構成を図1〜図4を用いて説明す
る。第1実施形態の液晶表示パネル10は、非表示領域(領域DA以外の領域)の一辺側
に、ドライバーIC33と、外部のコントローラーと接続されているフレキシブルプリン
ト基板(図示省略)が接続される複数の外部接続端子34とが形成されている。また、非
表示領域には、各種配線をドライバーIC33や外部接続端子34へと導くそれぞれの引
き回し配線35と、共通配線36とが形成されている。
液晶表示パネル10は、図3、図4に示すように、液晶層LCがアレイ基板AR及びカラ
ーフィルター基板CFとの間に挟持されている。液晶層LCはアレイ基板ARとカラーフ
ィルター基板CFの間から漏れ出さないようにシール材(図示省略)によって封入され、
液晶層LCの厚みは柱状スペーサー(図示省略)によって均一に維持されている。
また、アレイ基板ARの背面側及びカラーフィルター基板CFの表示面側にはそれぞれ
偏光板11及び26が形成されている。カラーフィルター基板CFにおいては、さらに、
偏光板11と第2透明基板28との間にシールド膜12が形成されている。そして、アレ
イ基板ARの背面側からバックライト光源(図示省略)からの光が液晶表示パネル10に
照射されている。図示省略したが、液晶表示パネル10は行方向及び列方向に整列配置さ
れた複数のサブ画素を有しており、例えばR(赤)・G(緑)・B(青)の3色のサブ画
素で1画素を構成し、これらの3色の光の混色で各画素の色が定められる。
次に、各サブ画素の概略構成について説明する。図2に示すように、アレイ基板ARの
各サブ画素13には行方向に延在する走査線14と、列方向に延在する信号線15と、走
査線14及び信号線15の交差部近傍に配設される薄膜トランジスターTFT(Thin Film
Transistor)を備えている。走査線14及び信号線15は、それぞれアルミニウムやモリ
ブデン等の金属で形成されている。
これらの走査線14及び信号線15によって区画された領域のそれぞれがサブ画素13
の表示領域となる。そして、R(赤)・G(緑)・B(青)の3色に対応する3つのサブ
画素で略正方形の1画素が構成されるので、各サブ画素13は、行方向が短辺で列方向が
長辺の長方形となっている。
アレイ基板ARは、図3及び図4に示すように、透明な絶縁性を有するガラスや石英、
プラスチック等からなる第1透明基板16を基体としている。第1透明基板16の表面に
は複数の走査線14が互いに平行に形成されている。走査線14は、図2に示すように、
一部が薄膜トランジスターTFTの形成箇所まで延在されており、この延在部分がゲート
電極Gとなる。走査線14とゲート電極Gとは、窒化ケイ素や酸化ケイ素等からなる透明
なゲート絶縁膜17で被覆されている。
そして、平面視でゲート電極Gと重なるゲート絶縁膜17上には非晶質シリコンなどか
らなる半導体層18が形成されている。また、ゲート絶縁膜17の表面上にはアルミニウ
ムやモリブデン等の金属からなる複数の信号線15が、互いに平行に列方向に形成されて
いる。
また、信号線15の一部は延在され、半導体層18の表面と部分的に接触して、ソース
電極Sとされている。さらに、信号線15及びソース電極Sと同一の材料で同時に形成さ
れたドレイン電極Dがゲート絶縁膜17の表面上に形成されており、このドレイン電極D
はソース電極Sに近接配置されて半導体層18の表面と部分的に接触している。これらド
レイン電極Dとソース電極Sとの間が薄膜トランジスターTFTのチャネル領域となる。
そして、ゲート電極G、ゲート絶縁膜17、半導体層18、ソース電極S、ドレイン電極
Dによってスイッチング素子となる薄膜トランジスターTFTが構成され、各サブ画素1
3にこの薄膜トランジスターTFTが形成されている。
さらに、信号線15、薄膜トランジスターTFT及びゲート絶縁膜17の露出部分を覆
うようにして、例えば窒化ケイ素や酸化ケイ素等からなる透明なパッシベーション膜19
が被覆されている。そして、パッシベーション膜19を覆うようにして、例えばアクリル
等の透明樹脂からなる層間絶縁膜20が被覆されている。層間絶縁膜20は、主として、
走査線14、信号線15、薄膜トランジスターTFT及びゲート絶縁膜17の存在に起因
するパッシベーション膜19の凹凸面を平坦化するために設けられているものである。
そして、層間絶縁膜20を覆うようにしてITO(Indium Tin Oxide)ないしIZO(
Indium Zinc Oxide)等の透明導電性材料からなる下電極21が形成されている。そして
、層間絶縁膜20及びパッシベーション膜19を貫通してドレイン電極Dの表面を一部露
出させるコンタクトホール22が形成されており、このコンタクトホール22を介して下
電極21とドレイン電極Dとが電気的に接続されている。すなわち、第1実施形態の液晶
表示パネル10では、下電極21は画素電極として作動する。
さらに、下電極21を覆うようにして例えば窒化ケイ素や酸化ケイ素等からなる透明な
電極間絶縁膜23が被覆されている。そして、電極間絶縁膜23を覆うようにしてITO
ないしIZO等の透明導電性材料からなる上電極24が形成されている。上電極24は表
示領域DAの全画素に跨って形成され、表示領域DAの周縁部で共通配線36(いずれも
図1参照)に電気的に接続されており、共通電極として作動する。また、上電極24には
、図2に示すように、各サブ画素13に複数のスリット状開口25が形成されている。ス
リット状開口25はフォトリソグラフィー法によって上電極24の表面に塗布されたフォ
トレジスト材料を露光及び現像した後、エッチングすることによって形成される。
そして、上電極24はさらにラビング処理された第1配向膜(図示省略)で被覆されて
いる。なお、本発明は、第1実施形態の液晶表示パネル10の場合のように、下電極21
を画素電極として作動させ、上電極24を共通電極として作動させる場合だけでなく、下
電極21を共通電極として作動させ、上電極24を画素電極として作動させる場合にも適
用可能である。
また、カラーフィルター基板CFは、透明な絶縁性を有するガラスや石英、プラスチッ
ク等からなる第2透明基板28を基体としている。第2透明基板28の表面には、外部か
ら印加される静電気等に対するシールド機能を有する導電性材料で形成されたシールド膜
12と、このシールド膜12の表面を被覆するように形成された偏光板11が形成されて
いる。
一方、第2透明基板28の裏面側には、アレイ基板ARの走査線14、信号線15及び
薄膜トランジスターTFTに対向する位置に、例えば遮光性を有する樹脂又はクロム等の
金属からなる遮光層29が形成され、また、遮光層29及び露出している第2透明基板2
8の表面には、各サブ画素13に異なる色の光(たとえば、R(赤)、G(緑)、B(青
))を透過するカラーフィルター層30が形成されている。
さらに、遮光層29及びカラーフィルター層30を被覆するようにして、例えばフォト
レジスト等の透明樹脂材料からなるオーバーコート層31が形成されている。オーバーコ
ート層31は、カラーフィルター層30による段差を平坦にし、また、遮光層29やカラ
ーフィルター層30から流出する不純物が液晶層LCに入らないように遮断するために形
成されている。そして、オーバーコート層31を覆うようにして、アレイ基板ARの第1
配向膜とは逆方向のラビング処理が施された例えばポリイミドからなる第2配向膜(図示
省略)が形成されている。
以上のように構成されたアレイ基板AR及びカラーフィルター基板CFを互いに対向さ
せ、両基板の周縁にシール材(図示省略)を設けることにより両基板を貼り合せ、両基板
間に液晶を充填することにより、第1実施形態の液晶表示パネル10が得られる。
この液晶表示パネル10の動作原理は以下のとおりである。すなわち、サブ画素13に
おいて薄膜トランジスターTFTがON状態になると、下電極21と上電極24との間に
斜め方向の電界が発生し、液晶層LCの液晶分子の配向方向が変化する。これにより、液
晶層LCの光透過率が変化してFFSモードで画像を表示することができるようになる。
また、下電極21と上電極24が電極間絶縁膜23を挟んで対向する領域は、補助容量を
形成し、薄膜トランジスターTFTがOFF状態になった後、下電極21と上電極24と
の間の電界を所定時間保持する。
以上が、第1実施形態における液晶表示パネル10の基本構成である。第1実施形態の
液晶表示パネル10では、輝点欠陥となっているサブ画素に対し、溝が第1透明基板16
または第2透明基板28に形成される。かかる溝について、以下において図5〜図6を参
照しながら詳述する。
なお輝点欠陥の原因であるが、スイッチング素子等の電気的故障によるものもあるが、そ
の大半は、製造工程内の装置からの粉塵や、ラビングの際のラビング布からの埃など種々
の原因により発生した異物が液晶層の中に残存してしまい、この異物によって液晶分子を
所望の方向に配向できなくなり、光漏れが生じてしまうことにより発生する。したがって
、第1実施形態においてはサブ画素を単位として輝点欠陥を検出し黒点化しているが、薄
膜トランジスターTFTなどの欠陥でない場合には、サブ画素そのものは正常に駆動する
。したがって、異物による輝点欠陥となっている箇所だけを見つけ出し、そこだけ黒点化
することで、サブ画素そのものは表示として利用してもよい。
図5は、カラーフィルター基板CFを構成する第2透明基板28に溝を設けた場合の液
晶表示パネル10の横断面図であり、アレイ基板AR表面の各種構造物を参照符号40で
概括的に示している。この例では、図5において、カラーフィルター層30の中央部に位
置しているサブ画素(R)が輝点欠陥となっているものとする。そのため、輝点欠陥サブ
画素(R)部分の第2透明基板28に、その底側が液晶層LC側に位置するように、溝3
7を形成する。なお、溝37は、図5では略長方形状に示されているが、これは断面図で
あって、液晶表示パネル10の正面から見ると、輝点欠陥サブ画素(R)部分の全面に亘
って、実質的に長方形状に形成されている。
この溝37は、第2透明基板28の表面をシールド膜12で被覆した後、例えば周知の
ピコ秒レーザーを輝点欠陥サブ画素(R)の位置に所定時間照射することにより、形成す
ることができる。そのため、シールド膜12には開口12aが形成されている。この溝3
7の大きさは、深さが大体0.2〜0.25mm程度としているが、カラーフィルター層
30から溝37の底部までの距離が、0.1〜0.05mm程度とするのが好ましい。こ
れはあまりカラーフィルター層30と近くなってしまうと、黒点化の効果は高くなるが、
溝37を形成する際の熱により、カラーフィルター層30が変質してしまうおそれがある
からである。
またこの溝37の幅は、0.05〜0.2mm程度が好ましい。これ以上小さい幅で黒
点化できる輝点欠陥であれば目立つものではなく、反対にこれ以上大きな幅で黒点化する
輝点欠陥であれば黒点化そのものが目立ってしまうことになる。なお、より好ましい溝3
7の幅は、0.1mm程度である。
そして、この溝37の底側には、不透明材料38が充填され、その上側に透明材料が充
填されている。すなわち、溝37内は、気体が存在しないようにするため、不透明材料3
8及び透明材料39によって満たされている。不透明材料38の上部を透明材料39によ
って満たしておけば第2透明基板28の表面を平坦にしておくことができる。そのため、
偏光板11を第2透明基板28に対して平行に貼り付けることができる。
なお、第1実施形態では、不透明材料としてカーボンを用いているが、これに限られず
、周知の黒色顔料ないし染料を適宜選択して使用できる。また、透明材料としては、第1
実施形態では、バルサムを用いているが、これについても、バルサムに限定されるもので
なく、周知の硬化性透明材料を採用することができる。
なおカーボン、黒色顔料ないし染料などの不透明材料であるが、これらの濃度はあまり
高くないほうが好ましい。これは、第1実施形態では溝37を形成し、溝37内に不透明
材料を充填することで、輝点欠陥を隠しているが、通常、輝点の大きさ(幅)に対してこ
の溝37の厚みは非常に大きくなる。そのため不透明材料の濃度が比較的低くても、正面
側においては十分に遮光することができる。反対に不透明材料の濃度が高くなると、斜め
方向においても十分に遮光してしまうため、斜め方向では厚み分だけ黒点の領域が目立っ
てしまうことになる。したがって不透明材料の濃度を低くしておけば、斜め方向において
はあまり遮光に寄与しないため、斜め方向では光が抜けてきて黒点を目立たなくすること
ができる。
このような構成の溝37を形成することにより、アレイ基板ARを透過して輝点欠陥サ
ブ画素(R)に入射された光は、輝点欠陥サブ画素(R)に近接配置された不透明材料3
8によって遮光されるので、この輝点欠陥サブ画素(R)の黒点化が達成される。また、
溝37の上側に充填されているのは透明材料39であるため、輝点欠陥サブ画素(R)に
隣接するサブ画素(B)及び(G)を透過して斜め方向から溝37内に入射された光は、
一部は不透明材料38によって遮断されるが、多くは透明材料39を透過して外部に放射
される。そのため、不透明材料38を設けても、輝点欠陥サブ画素(R)に隣接するサブ
画素(B)及びサブ画素(G)の輝度に影響を与えることはほとんどない。
なお、図5では、シールド膜12及び第2透明基板28に溝37を形成した例を示した
が、シールド膜12を形成する前に溝37を形成し、溝37を不透明材料38及び透明材
料39で埋めた後、シールド膜12及び偏光板11を形成するようにしてもよい。この場
合は、シールド膜に穴が形成されない。
また、図5に示した例では、溝37を不透明材料38と透明材料39で充填した例を示
したが、この溝37をカーボン等の黒色材料が混入された透明樹脂材料からなる不透明材
料で充填してもよい。この場合、溝37の底から第2透明基板28に垂直な方向に入射し
た光が実質的に全て吸収されるが、斜め方向から溝37に入射した光は、部分的に吸収さ
れるが、吸収されなかった光は外部に出てくるようにするとよい。
また、溝37の形成方法としては、ピコ秒レーザーによるものだけでなく、ドリルによ
り形成してもよい。ドリルによる溝の形成であれば、他の方法よりも溝の形成時に発生す
る透明基板との摩擦熱も比較的低温なため、例えば熱によるカラーフィルター層30が破
壊されるおそれも少ない。通常溝37を形成すると溝の内部に透明基板を削ったカスが残
ってしまうおそれがある。しかしながらドリルで溝を形成すれば、削ったカスもドリルに
よって基板の外部に運ばれるので、溝の内部に削りカスが残るおそれも低減される。
なお、この削りカスを取り除くため、溝37を形成した後に溝37の内部を洗浄する工
程を設けることが好ましい。そしてここで述べる「洗浄」とは液体によって洗い流す洗浄
だけでなく、例えば空気などの気体を吹きかけることによりカスを吹き飛ばすような方法
も含まれる。そして特に溝37は非常に微細なものであるため、液体による洗浄よりも、
内部に入り込みやすい気体による洗浄の方がより好ましい。
[変形例]
図5には、溝37をカラーフィルター基板CFの第2透明基板28に形成した例を示し
たが、アレイ基板ARの第1透明基板16に溝を形成してもよい。この透明基板16に溝
を形成した変形例の液晶表示パネル10Aを図6を用いて説明する。なお、図6は、アレ
イ基板ARを構成する第1透明基板16に溝41を設けた変形例の液晶表示パネル10A
の概略断面図である。なお、図6においても、カラーフィルター層30の中央部に位置し
ているサブ画素(R)が輝点欠陥となっているものとして説明する。
ここでは、輝点欠陥サブ画素(R)に対応する第1透明基板16に、その底側が液晶層
LC側に位置するように、溝41を形成している。この溝41は、カーボン等の黒色材料
が混入された透明樹脂材料からなる不透明材料42が充填されている。そして、溝41の
底から第1透明基板16に垂直な方向に入射した光は実質的に全て不透明材料42に吸収
されるが、斜め方向から溝41に入射した光は、部分的に不透明材料42に吸収されるが
、不透明材料42に吸収されなかった光は溝41を通り抜けて外部に出てくるようになさ
れている。
この不透明材料42の光吸収性ないし光透過性は、不透明材料42中の黒色材料と透明
樹脂材料との含有割合を変化させることにより、適宜調整し得る。このような構成とする
ことで、輝点欠陥サブ画素(R)の黒点化を達成すると共に、バックライト光源から隣接
するサブ画素(B)及びサブ画素(G)への入射光量の低下を抑制することができるよう
になる。
以上の説明から明らかなように、第1実施形態及び変形例の液晶表示パネルによれば、
液晶表示パネルの正面からは輝点欠陥サブ画素が黒点化されて見えるが、溝37ないし溝
41に斜めに入射される光はある程度透過するので、隣接する正常なサブ画素を経由した
光は完全に遮られることなく、一定の輝度を有して外部から視認できるようになる。
[第2実施形態]
図7には本発明における第2実施形態を示している。この第2実施形態においては、第
1実施形態で示した第2透明基板28に形成した溝の断面構造が異なっている。図8の溝
37'は、断面をお椀状に形成し、そこに不透明材料38を充填している。このような断
面形状であれば、不透明材料38を充填する量を調整することで、正面側から見た際の黒
点化領域を調整することが可能となる。したがって、比較的大きな溝37'を形成し、あ
とは輝点の大きさにあわせて不透明材料38を充填すれば、必要な領域だけを効果的に黒
点化することが可能となる。
また第1実施形態では、シールド膜12が形成されたFFSモードの液晶パネルについ
て示したが、本発明はFFSモードの液晶表示パネルに限定して適用されるものではない
。したがって、第2実施形態においては、第1実施形態のシールド膜12が形成されてお
らず、第2透明基板28の表面に偏光板11が直接貼り付けられているものを示している
10、10A…液晶表示パネル 11…偏光板 12…シールド膜 12a…開口 1
3…1サブ画素 14…走査線 15…信号線 16…第1透明基板 17…ゲート絶縁
膜 18…半導体層 19…パッシベーション膜 20…層間絶縁膜 21…下電極 2
2…コンタクトホール 23…電極間絶縁膜 24…上電極 25…スリット状開口 2
6…偏光板 28…第2透明基板 29…遮光層 30…カラーフィルター層 31…オ
ーバーコート層 33…ドライバーIC 34…外部接続端子 35…引き回し配線 3
6…共通配線 37,37'…溝 38…不透明材料 39…透明材料 40…アレイ基
板表面の構造物 41…溝 42…不透明材料 AR…アレイ基板 CF…カラーフィル
ター基板 DA…表示領域 LC…液晶層

Claims (8)

  1. 液晶層を挟持して対向配置された一対の透明基板からなる液晶表示パネルであって、
    前記一対の透明基板のうちのいずれか一方の透明基板の表面に形成された溝と、
    前記溝に充填された不透明材料と、
    が設けられていることを特徴とする液晶表示パネル。
  2. 前記溝は、前記液晶層に残存する異物による輝点欠陥の位置に形成されていることを特
    徴とする請求項1に記載の液晶表示パネル。
  3. 前記不透明材料は、黒色素材を含む樹脂材料からなることを特徴とする請求項1または
    2に記載の液晶表示パネル。
  4. 前記溝には、前記溝の底側に前記不透明材料が充填され、その上側に透明材料が充填さ
    れていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液晶表示パネル。
  5. 液晶層を挟持して対向配置された一対の透明基板からなる液晶表示パネルの製造方法で
    あって、
    (1)前記液晶層に残存する異物による輝点欠陥を検出する工程と、
    (2)前記一対の透明基板のうちのいずれか一方の透明基板の表面であって、前記輝点欠
    陥となっている部分に溝を形成する工程と、
    (3)前記溝に不透明材料を充填する工程と、
    を含むことを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
  6. 前記溝を形成する工程の後に、該溝の内部を洗浄する工程を更に含むことを特徴とする
    請求項5に記載の液晶表示パネルの製造方法。
  7. 前記溝を形成する工程は、ピコ秒レーザー光を照射することによって形成する工程であ
    ることを特徴とする請求項5または6に記載の液晶表示パネルの製造方法。
  8. 前記溝を形成する工程は、ドリルによって形成する工程であることを特徴とする請求項
    5または6に記載の液晶表示パネルの製造方法。
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