JP2011137868A - 現像装置、現像剤担持体および画像形成装置 - Google Patents

現像装置、現像剤担持体および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】安定した現像剤の搬送性および保持性を実現することが可能な現像装置を提供する。
【解決手段】本発明の現像装置は、キャリアとトナーからなる現像剤を収容し、現像剤を混合攪拌して所定の搬送方向へ搬送する攪拌搬送部材を有する攪拌搬送部と、静電潜像を担持する静電潜像担持体と対向して設けられ、攪拌搬送部により攪拌搬送された現像剤を周面に担持して静電潜像担持体に供給する現像剤担持体と、を備える。現像剤担持体の外周面には、軸方向に延びる略V字形状の溝が複数形成され、当該溝の、現像剤担持体の外周面と溝を形成する内側面との交差位置に形成されるエッジが除去されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真方式または静電記録方式を利用した画像形成装置および現像装置に関し、より詳細には、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤を用いて像担持体上の静電潜像を現像する現像装置に用いられる現像ローラに関する。
従来の現像剤担持体である現像ローラにおいては、現像剤の搬送性を向上させるために、現像スリーブ表面を粗にする方法が用いられている。例えば、現像スリーブの表面に対して、ブラスト処理を行ったり、ローレット加工により網目状の溝を形成したりして、表面を粗にする方法等がある。しかし、ブラスト処理を施した現像スリーブは、使用中に摩耗し易く、耐久性が劣るという問題があった。また、ローレット加工された現像スリーブは、耐摩耗性が大きいが、加工時間および加工工数が大となり、特に薄肉のスリーブの場合には加工時に変形し易くなる恐れがあった。
このため、現像スリーブの表面に、軸方向に延びる溝を周方向に所定の間隔で複数作成する方法が一般的に採用されている。かかる現像スリーブでは、現像剤の搬送性は著しく向上するが、加工精度を出すために比較的軟らかい金属により形成される。このため、現像ユニットが寿命に近づくと、現像剤の搬送性能は低下し画質不良が発生してしまう。また、搬送性能の向上に伴い、現像スリーブに対向する層規制部材の設置ギャップも狭くなり、異物の詰まり等が問題となっていた。
このような問題に対して、例えば特許文献1には、現像剤の搬送性の安定性に着目し、現像スリーブの軸方向に延びるV字形状の溝の形状を、現像剤搬送方向上流側のV字形状の溝の傾斜角度を下流側よりも大きくすることが開示されている。また、特許文献2には、現像スリーブに形成された溝の内部に残留する現像剤の固着を防止することに着目し、現像スリーブの軸方向に延びるV字形状の溝の形状を、現像剤搬送方向上流側のV字形状の溝の傾斜角度を下流側よりも小さくすることが開示されている。
特開2000−321864号公報 特開2004−21043号公報 特開平05−025459号公報
しかし、上記特許文献1では、現像スリーブの溝の形状を左右非対称にすることで、流通時や組み立て時に現像スリーブの組み立て方向を規定する必要があり、不要な管理費の増加に伴うコストアップや誤組みによる品質トラブル等が問題となる。また、搬送方向の上流側の溝の角度を下流側よりも鋭角にするため、溝の内部にトナーが付着しやすく、その残留したトナーが固着することで結果として現像剤の搬送性の低下につながることも問題となる。さらに、かかる現像スリーブの溝の形状は、現像剤を誘い込み引っかかり易くする形状であるため、溝のエッジ部に掛る負荷が増大し、溝のエッジ部の形状変化が促進され、結果として搬送性の低下につながる。
また、上記特許文献2においても、現像スリーブの溝の形状が左右非対称であるため、特許文献1と同様に、不要な管理費の増加に伴うコストアップや誤組みによる品質トラブル等が問題となる。また、搬送方向の下流側の溝の角度を上流側よりも鋭角にすることで一時的に現像スリーブの溝の内部に現像剤が固着するのを防止することは可能であるが、V字形状の溝による現像剤の搬送性能はV字形状のエッジ部(現像スリーブ外周面とV字形状の側面との交差部分)の形状に大きく寄与するため、下流側のエッジ部は丸くなり易く、結果として現像剤の搬送性能が急激に低下する問題がある。搬送性能の低下は急激な濃度低下等の画質劣化にも大きく寄与する。
また、現像スリーブ表面に軸方向に延びる溝を複数個形成する方法では、溝と溝との間に平坦部が存在するため、現像剤との間でスリップが生じやすく、現像剤の保持性、搬送性が低下するという問題がある。このような問題に対して、特許文献3には、現像スリーブ表面に軸方向に延びるV字形状の溝を複数形成するとともに、現像スリーブの隣接する溝間の平坦部にブラスト処理を施す技術が開示されている。かかる現像スリーブは、耐摩耗性、溝加工性に優れ、溝間の平坦部での現像剤のスリップも生じ難いため、安定して現像剤を搬送することができる。しかし、かえって現像スリーブ表面での現像剤の係止力が過大となり、現像スリーブに対向する層規制部材の設置ギャップが狭くなり、結果として異物の詰まり等が起因する画質不良等の問題がある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、安定した現像剤の搬送性および保持性を実現することが可能な、新規かつ改良された現像装置、現像剤担持体および画像形成装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、キャリアとトナーからなる現像剤を収容し、現像剤を混合攪拌して所定の搬送方向へ搬送する攪拌搬送部材を有する攪拌搬送部と、静電潜像を担持する静電潜像担持体と対向して設けられ、攪拌搬送部により攪拌搬送された現像剤を周面に担持して静電潜像担持体に供給する現像剤担持体と、を備え、現像剤担持体の外周面には、軸方向に延びる略V字形状の溝が複数形成され、溝は、現像剤担持体の外周面と溝を形成する内側面との交差位置に形成されるエッジが除去されていることを特徴とする現像装置が提供される。
本発明によれば、現像剤担持体の外周面に形成された略V字形状の溝のエッジを除去し、使用により劣化したときの形状と近い形状とする。これにより、長期において安定した現像剤の搬送を実現できる。また、現像剤担持体の外周面に形成された溝の間隔も狭めることができるので、層形成の均一性および溝間の平坦部によって発生する濃度ムラを抑えることもできる。さらに、層規制部材とのギャップを大きく取ることができるので、異物等の詰まりを防止することもできる。
ここで、現像剤担持体の溝は、以下の関係を満たすように形成される。
θ1<θ2 ・・・(数式1)
d3/3<d1−d2<d3 ・・・(数式2)
d1>d3×2 ・・・(数式3)
ただし、溝の最下点をP0、点P0と現像剤担持体の回転中心とを結ぶ直線を仮想線L、溝のV字形状を形成する内側面上の任意の点をP1、現像剤担持体の外周面上の任意の点をP2、点P1から仮想線Lに対して垂直に延びる線と仮想線Lとの交点をP3、溝の深さをd1、点P3から点P0までの距離をd2、キャリアの直径をd3、点P0および点P1を結ぶ直線と仮想線Lとのなす角をθ1、点P2および点P1を結ぶ直線と仮想線Lとのなす角をθ2とする。
また、溝は、仮想線Lに対して対称に形成してもよい。これにより、組み立て時の誤組みを防止することができる。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、キャリアとトナーからなる現像剤を周面に担持して搬送する現像剤担持体が提供される。現像剤担持体の外周面には、軸方向に延びる略V字形状の溝が複数形成され、溝は、現像剤担持体の外周面と溝を形成する内側面との交差位置に形成されるエッジが除去されていることを特徴とする。
さらに、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、周面に静電潜像を担持する静電潜像担持体と、静電潜像担持体上の静電潜像を現像する現像装置と、を備え、現像装置は、キャリアとトナーからなる現像剤を収容し、現像剤を混合攪拌して所定の搬送方向へ搬送する攪拌搬送部材を有する攪拌搬送部と、静電潜像を担持する静電潜像担持体と対向して設けられ、攪拌搬送部により攪拌搬送された現像剤を周面に担持して静電潜像担持体に供給する現像剤担持体と、を備え、現像剤担持体の外周面には、軸方向に延びる略V字形状の溝が複数形成され、溝は、現像剤担持体の外周面と溝を形成する内側面との交差位置に形成されるエッジが除去されていることを特徴とする、画像形成装置が提供される。
以上説明したように本発明によれば、安定した現像剤の搬送性および保持性を実現することが可能な現像装置、現像剤担持体および画像形成装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す説明図である。 同実施形態に係る現像ユニットの構成を示す説明図である。 同実施形態に係る現像スリーブに形成される溝の形状を示す説明図である。 同実施形態に係る現像スリーブの溝による現像剤の搬送状態を示す概念図である。 使用時間による現像剤搬送性能を示すグラフである。 従来の現像スリーブと本実施形態に係る現像スリーブとについて、現像スリーブと層規制部材とのギャップと、現像スリーブ上の現像剤量との関係を示すグラフである。 同実施形態に係る現像スリーブに形成される溝の他の形状を示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
まず、図1に基づいて、本発明の実施形態にかかる現像ユニット100を備える画像形成装置1の概略構成について説明する。なお、図1は、本実施形態に係る画像形成装置1の概略構成を示す説明図である。
<1.画像形成装置の概略構成>
本実施形態にかかる現像ユニット100は、例えば、図1に示すようなタンデム方式の画像形成装置に設けることができる。画像形成装置1は、図1に示すように、記録媒体搬送ユニット10と、中間転写体として転写ベルト20を備える転写ユニットと、静電潜像を担持する感光体ドラム30と、感光体ドラム30上に形成された静電潜像を現像する現像ユニット100と、定着ユニット40とから構成される。
記録媒体搬送ユニット10は、最終的に画像が形成される記録媒体を収容するとともに、記録媒体を記録媒体搬送路上に搬送する。記録媒体は例えば用紙Pであり、カセットに積層して収容される。記録媒体搬送ユニット10は、用紙Pに転写されるトナー像が形成されて二次転写領域に到達するタイミングで、用紙Pを二次転写領域に到達させる。
転写ユニットは、後述する現像ユニット100により形成されたトナー像を記録媒体に二次転写する二次転写領域に搬送する。転写ユニットは、転写ベルト20と、転写ベルト20を懸架する懸架ローラ20a、20b、20c、20dと、感光体ドラム30とともに転写ベルト20を挟持する一次転写ローラ22と、懸架ローラ20dとともに転写ベルト20を挟持する二次転写ローラ24とからなる。
転写ベルト20は、懸架ローラ20a、20b、20c、20dにより循環移動される無端状のベルトである。一次転写ローラ22は、転写ベルト20の内周側から感光体ドラム30を押圧するように設けられる。一方、二次転写ローラ24は、転写ベルト20の外周側から懸架ローラ20dを押圧するように設けられる。また、図1には示していないが、転写ユニットは、転写ベルト20に付着したトナーを除去するベルトクリーニング装置などをさらに備えてもよい。
感光体ドラム30は、周面に画像が形成される静電潜像担持体であり、例えばOPC(Organic PhotoConductor)からなる。本実施形態にかかる画像形成装置1は、カラー画像を形成可能な装置であり、例えばマゼンタ、イエロー、シアン、ブラックの各色に対応して、4つの感光体ドラム30が転写ベルト20の回転方向に設けられている。各感光体ドラム30の周上には、図1に示すように、帯電ローラ32と、露光ユニット34と、現像ユニット100と、クリーニングユニット38とが設けられている。
帯電ローラ32は、感光体ドラム30の表面を所定の電位に均一に帯電する。露光ユニット34は、帯電ローラ32により帯電した感光体ドラム30の表面を形成する画像に応じて露光する。これにより、感光体ドラム30の表面のうち露光ユニット34により露光された部分の電位が変化し、静電潜像が形成される。現像ユニット100は、トナータンク36(36M、36Y、36C、36B)により供給されたトナーで感光体ドラム30に形成された静電潜像を現像し、トナー像を生成する。なお、現像ユニット100の詳細な構成については後述する。
クリーニングユニット38は、感光体ドラム30上に形成されたトナー像が転写ベルト20に一次転写された後に感光体ドラム30上に残存するトナーを回収する。クリーニングユニット38は、例えばクリーニングブレードを設け、感光体ドラム30の周面にクリーニングブレードを当接させることにより感光体ドラム30上の残トナーをそぎ落とすように構成することができる。なお、感光体ドラム30の周上には、感光体ドラム30の回転方向においてクリーニングユニット38と帯電ローラ32との間に、感光体ドラム30の電位をリセットする除電ランプ(図示せず。)を配置することもできる。
定着ユニット40は、転写ベルト20から記録媒体へ二次転写されたトナー像を記録媒体に付着させ、定着させる。定着ユニット40は、例えば、加熱ローラ42と、加圧ローラ44とから構成される。加熱ローラ42は、回転軸周りに回転可能な円筒状の部材であり、その内部には例えばハロゲンランプなどの熱源が設けられている。加圧ローラ44は、回転軸周りに回転可能な円筒状の部材であり、加熱ローラ42を押圧するように設けられる。加熱ローラ42および加圧ローラ44の外周面には、例えばシリコンゴム等の耐熱弾性層が設けられる。加熱ローラ42と加圧ローラ44と接触領域である定着ニップ部に記録媒体を通過させることにより、トナー像を記録媒体に溶融定着させる。
また、画像形成装置1には、定着ユニット40によりトナー像が定着された記録媒体を装置外部へ排出するための排出ローラ52、54が設けられている。
このような画像形成装置1は、まず、画像形成装置1が操作されると、被記録画像の画像信号が制御部(図示せず。)に送信される。次いで、制御部は、受信した画像信号に基づいて、帯電ローラ32により感光体ドラム30の表面を所定の電位に均一に帯電させた後、露光ユニット34により感光体ドラム30の表面にレーザ光を照射して静電潜像を形成する。
一方、現像ユニット100では、トナーとキャリアとを混合攪拌して十分に帯電させた後、現像ローラ(図1の符号110)に現像剤を担持させる。そして、現像ローラ110の回転により現像剤が感光体ドラム30と対向する領域まで搬送されると、現像ローラ110に担持された現像剤のうちトナーが感光体ドラム30の周面上に形成された静電潜像に移動し、静電潜像を現像する。こうして形成されたトナー像は、感光体ドラム30と転写ベルト20とが対向する領域において、感光体ドラム30から転写ベルト20へ一次転写される。転写ベルト20には、4つの感光体ドラム30上に形成されたトナー像が順次積層されて、1つの積層トナー像が形成される。そして、積層トナー像は、懸架ローラ20dと二次転写ローラ24とが接触する領域において、記録媒体搬送ユニット10から搬送された記録媒体に二次転写される。
積層トナー像が二次転写された記録媒体は、定着ユニット40へ搬送される。記録媒体を加熱ローラ42と加圧ローラ44との間で熱および圧力が加えながら通過させることにより、積層トナー像が記録媒体に溶融定着する。その後、記録媒体は、排出ローラ52、54により画像形成装置1の外部へ排出される。一方、転写ベルト20は、ベルトクリーニング装置を備える場合、積層トナー像が記録媒体へ二次転写された後、転写ベルト20に残存するトナーがベルトクリーニング装置により除去される。
なお、図1に示したタンデム方式の画像形成装置1は、本実施形態にかかる現像装置100を使用した画像形成装置の一例であり、本実施形態にかかる現像装置100は、種々の方式の画像形成装置に適用することができる。
以上、本実施形態に係る現像ユニット100を備える画像形成装置1の概略構成について説明した。本実施形態に係る現像ユニット100は、安定した現像剤の搬送性および保持性を有する現像ローラ110を備えることを特徴とする。以下、図2〜図6に基づいて、本実施形態に係る現像ユニット100の構成および現像スリーブ114の構成について説明する。なお、図2は、本実施形態に係る現像ユニット100の構成を示す説明図である。図3は、本実施形態に係る現像スリーブ114に形成される溝115の形状を示す説明図である。図4は、本実施形態に係る現像スリーブ114の溝115による現像剤の搬送状態を示す概念図である。図5は、使用時間による現像剤搬送性能を示すグラフである。図6は、従来の現像スリーブと本実施形態に係る現像スリーブとについて、現像スリーブと層規制部材とのギャップと、現像スリーブ上の現像剤量との関係を示すグラフである。
<2.現像ユニットの構成>
本実施形態にかかる現像ユニット100は、図2に示すように、現像ローラ110と、攪拌搬送部材120、130とを備える。
現像ローラ110は、感光体ドラム30の周面上に形成された静電潜像に対してトナーを供給する現像剤担持体である。現像ローラ110は、現像スリーブ114と、現像スリーブ114の内部に配置されたマグネット112と、からなる。現像スリーブ114は、非磁性の金属からなる筒状部材である。本実施形態に係る現像スリーブ114の表面には、軸方向に延びる略V字形状の溝(図3の符号115)が複数形成されている。この溝の形状の詳細については後述する。現像ローラ110では現像スリーブ114のみが回転し、現像スリーブ114内に配置されたマグネット112は筐体5に固定されている。また、現像ローラ110には、現像バイアスを印加する現像バイアス印加部(図示せず。)が設けられている。
マグネット112は、複数の磁極を有しており、例えば感光体ドラム30と対向する領域、すなわち感光体ドラム30に形成された静電潜像を現像する領域までおよび現像領域から攪拌搬送部材120と対向する位置までは、異なる磁極を交互に配置して設けることができる。これは、現像剤を現像スリーブ114上で磁気力により搬送するためである。また、現像領域では、現像剤の磁気ブラシの穂を起てて、当該磁気ブラシを感光体ドラム30の静電潜像に接触または近接させるため、現像領域に極位置または極間を配置することもできる。一方、現像ローラ110が攪拌搬送部材120と対応する位置には、同極性の磁極を周方向に隣接するように配置する。この同極性の磁極により極間では当該現像スリーブ114の回転方向に対する接線方向および法線方向の磁力が小さくなる。このため、現像剤は、現像スリーブ114の回転に伴って、現像ローラ110と攪拌搬送部材120とが対向する位置で現像スリーブ114から剥離される。
また、現像ローラ110の現像スリーブ114と感光体ドラム30とが対向する位置を基準として現像スリーブ114の回転方向上流側には、層規制部材150が設けられている。層規制部材150は、現像スリーブ114の周面上に付着した現像剤を均一な厚さの層に均す部材であって、例えば金属製のブレードから構成することができる。
攪拌搬送部は、現像剤を構成する磁性体のキャリアと非磁性体または弱磁性体のトナーとを攪拌して、キャリアとトナーとを帯電させる領域である。攪拌搬送部は、第1の攪拌搬送部材120と第2の攪拌搬送部材130とを備える。
第1の攪拌搬送部材120は、現像ローラ110と略垂直方向に対向して配置されており、混合攪拌された現像剤を現像ローラ110へ供給する。第1の攪拌搬送部材120は、第1の支持軸122と、第1の攪拌翼124とからなる。第1の支持軸122は、筐体5の内壁にベアリングを介して回転可能に設けられる。第1の攪拌翼124は、第1の支持軸122の外周面に設けられ、第1の支持軸122の長手方向に配置された螺旋状の傾斜面からなる。
第2の攪拌搬送部材130は、現像剤を混合攪拌して現像剤を十分に帯電させる役割を担っており、帯電した現像剤を第1の攪拌搬送部材120へ搬送する。第2の攪拌搬送部材130は、第1の攪拌搬送部材120と同様に、第2の支持軸132と、第2の攪拌翼134とからなる。第2の支持軸132は、筐体5の内壁にベアリングを介して回転可能に設けられる。第2の攪拌翼134は、第2の支持軸132の外周面に設けられ、第2の支持軸132の長手方向に配置された螺旋状の傾斜面からなる。
第1の攪拌搬送部材120と第2の攪拌搬送部材130とは、第1の支持軸122と第2の支持軸132とが略平行となるように、例えば略水平方向(現像ローラ110と第1の攪拌搬送部材120とが隣接する方向に対して略直交する方向)に並んで配置される。第1の攪拌搬送部材120と第2の攪拌搬送部材130との間には仕切り壁102が設けられている。仕切り壁102は、第1の攪拌搬送部材120と第2の攪拌搬送部材130とが各攪拌搬送部材の両端において連通するように設けられている。
第2の攪拌搬送部材130によって攪拌しながら搬送された現像剤は、第1の攪拌搬送部材120により攪拌、搬送されながら現像ローラ110の周面に移行する。第2の攪拌搬送部材130には、トナー濃度を検出するためのトナー濃度センサ(図示せず。)が設けられており、搬送路内のトナー濃度が低下するとトナータンク36から現像剤供給部140を介して搬送路内に現像剤が供給される。
<3.現像スリーブの構成>
本実施形態のように軸方向に延びる略V字形状の溝115が複数形成された現像スリーブ114では、溝115内に現像剤を保持して搬送する。使用頻度に応じてエッジは徐々に丸みを帯びるようになり、これに伴って現像剤の搬送能力が低下する。このように、現像スリーブ114の溝115のエッジは現像剤の搬送性能に大きく寄与する。そこで、本実施形態では、現像スリーブ114で現像剤を安定して搬送かつ保持するため、現像スリーブ114の表面に設けられるV字形状の溝のエッジを、以下の条件を満たすように除去している。
まず、図3に示すように、現像スリーブ114に形成された略V字形状の溝115の最下点をP0、点P0と現像スリーブ114の回転中心とを結ぶ直線を仮想線Lとする。そして、溝115のV字形状を形成する内側面115a上の任意の点をP1、現像スリーブ114の外周面114a上の任意の点をP2、点P1から仮想線Lに対して垂直に延びる線と仮想線Lとの交点をP3とする。このとき、溝115の深さ(点P0および点P1を結ぶ直線と現像スリーブ114の外周面114aとの交点から仮想線Lに対して垂直に延びる直線が仮想線Lと交わる交点から点P0までの距離)をd1、点P3から点P0までの距離をd2、キャリアの直径をd3とする。また、点P0および点P1を結ぶ直線と仮想線Lとのなす角をθ1、点P2および点P1を結ぶ直線と仮想線Lとのなす角をθ2とする。なお、溝115は、仮想線Lに対して左右対称に形成されている。
このとき、現像スリーブ114の溝115は、
θ1<θ2 ・・・(数式1)
d3/3<d1−d2<d3 ・・・(数式2)
d1>d3×2 ・・・(数式3)
を満たすように形成される。
すなわち、溝115のV字形状を形成する内側面115aが現像スリーブ114の外周面114aと交差するエッジを除去する(数式1)。これにより、初期状態から使用により劣化したときの状態に近づけて、長期間にわたる搬送性能の安定化を図る。上述したように、エッジ部115bは、現像剤の搬送性能に大きく寄与する。従来のようにV字形状の溝のエッジを除去していない現像スリーブでは、図5に示すように、使用によりエッジが丸くなり、使用開始時と所定時間経過時とのエッジの形状が大きく異なる。このため、現像剤の搬送性能が急激に低下することになり、現像剤の搬送性能が安定しない。一方、本実施形態に係る現像スリーブ114では、初めからエッジを除去しているため、使用開始時と所定時間経過時とのエッジの形状の差が小さく、長期間における現像剤の搬送性能が安定する。
なお、上記のようなエッジ部115bを形成することにより、従来よりも現像剤の搬送能力は低下する。しかし、1つの溝による現像剤の搬送能力が低下することによって、現像スリーブ114の外周面114aに形成する溝115の数を増加させることが可能となり、均一した層形成を行うことができる。また、層規制部材150と現像スリーブ114との間隔(ギャップ)を広く設定することができるので、異物の詰まり防止にも役立つ。
ここで、図6を参照して、従来の現像スリーブと本実施形態に係る現像スリーブ114とについて、現像スリーブと層規制部材150とのギャップと、現像スリーブ上の現像剤量との関係を比較する。なお、従来の現像スリーブに形成される溝は、エッジが除去されていないV字形状の溝であるとする。図6に示すように、現像スリーブの外周面に形成される溝の数が増加すると、現像剤の搬送性能は上昇する。しかし、溝の数を増加させると、現像スリーブにより搬送される現像剤量を目標値とするためには、層規制部材150とのギャップを狭くしなければならず、異物等の詰まりを誘発する。一方、溝の数を減少させると、隣接する溝の間隔が広くなり、現像剤の搬送能力にムラが発生し、結果として画像にムラが生じることになる。
このような問題に対して、本実施形態に係る現像スリーブ114のようにエッジの除去された溝を形成することにより、層規制部材150とのギャップおよび溝の数が同一の状態においては、従来の現像スリーブよりも現像剤の搬送能力は低下する。しかし、溝115の数を増加させることで現像剤の搬送能力を向上させることができ、かつ層規制部材150とのギャップも従来よりも大きく確保することができる。これにより、安定した層形成を実現することができる。
次に、エッジ部115bの高さ(d1−d2)を、キャリアを搬送可能に支持する形状とする(数式2)。トナーTは、図4に示すように、キャリアCによる磁気ブラシ状態で搬送される。このとき、接続するキャリアCがエッジ部115bによって支持し、トナーTを確実に搬送できるように、上記数式2を満たすようにエッジ部115bが形成される。
そして、溝115の深さd1を所定の深さを有するようにする(数式3)。図4に示すように、溝115のV字形状の部分に収容して、内側面115aによって現像剤を確実に保持する。これにより、現像剤を十分に保持して搬送することができる。
本実施形態に係る現像スリーブ114は、以上の3つの条件を満たすように、略V字形状の溝115が複数形成されている。なお、溝115の形状を仮想線Lに対して対称とすることで、組み立て時の誤組みを防止することもできる。
なお、図3に示す例では、溝115のエッジ部115bは平坦に形成されていたが、本発明はかかる例に限定されず、例えば、図7に示すように、点P1と点P2とを結ぶ直線から突出する曲線状にエッジ部115cを形成してもよい。また、エッジ部の形状を、点P1と点P2とを結ぶ直線から曲線状に緩やかに窪んだ形状としてもよい。このように、溝115のエッジ部は、使用により劣化したときの形状と近い形状とすることができる。
以上、本実施形態に係る現像スリーブの構成について説明した。上記のような現像スリーブを用いることにより、初期的に発生する現像剤搬送性能の低下を抑止することができ、長期において安定した現像剤の搬送を実現できる。また、現像スリーブに形成される溝の間隔も狭めることができるので、層形成の均一性および溝間の平坦部によって発生する濃度ムラを抑えることもできる。さらに、層規制部材とのギャップを大きく取ることができるので、異物等の詰まりを防止することもできる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 画像形成装置
100 現像ユニット
110 現像ローラ
112 マグネット
114 現像スリーブ
115 溝
120 第1の攪拌搬送部材
130 第2の攪拌搬送部材

Claims (5)

  1. キャリアとトナーからなる現像剤を収容し、現像剤を混合攪拌して所定の搬送方向へ搬送する攪拌搬送部材を有する攪拌搬送部と、
    静電潜像を担持する静電潜像担持体と対向して設けられ、前記攪拌搬送部により攪拌搬送された現像剤を周面に担持して前記静電潜像担持体に供給する現像剤担持体と、
    を備え、
    前記現像剤担持体の外周面には、軸方向に延びる略V字形状の溝が複数形成され、
    前記溝は、前記現像剤担持体の外周面と前記溝を形成する内側面との交差位置に形成されるエッジが除去されていることを特徴とする、現像装置。
  2. 前記溝は、以下の関係を満たすように形成されることを特徴とする、請求項1に記載の現像装置。
    θ1<θ2 ・・・(数式1)
    d3/3<d1−d2<d3 ・・・(数式2)
    d1>d3×2 ・・・(数式3)
    ただし、前記溝の最下点をP0、点P0と前記現像剤担持体の回転中心とを結ぶ直線を仮想線L、前記溝のV字形状を形成する内側面上の任意の点をP1、前記現像剤担持体の外周面上の任意の点をP2、点P1から仮想線Lに対して垂直に延びる線と仮想線Lとの交点をP3、前記溝の深さをd1、点P3から点P0までの距離をd2、前記キャリアの直径をd3、点P0および点P1を結ぶ直線と仮想線Lとのなす角をθ1、点P2および点P1を結ぶ直線と仮想線Lとのなす角をθ2とする。
  3. 前記溝は、前記仮想線Lに対して対称に形成されることを特徴とする、請求項2に記載の現像装置。
  4. キャリアとトナーからなる現像剤を周面に担持して搬送する現像剤担持体であって、
    前記現像剤担持体の外周面には、軸方向に延びる略V字形状の溝が複数形成され、
    前記溝は、前記現像剤担持体の外周面と前記溝を形成する内側面との交差位置に形成されるエッジが除去されていることを特徴とする、現像剤担持体。
  5. 周面に静電潜像を担持する静電潜像担持体と、
    前記静電潜像担持体上の前記静電潜像を現像する現像装置と、
    を備え、
    前記現像装置は、
    キャリアとトナーからなる現像剤を収容し、現像剤を混合攪拌して所定の搬送方向へ搬送する攪拌搬送部材を有する攪拌搬送部と、
    静電潜像を担持する静電潜像担持体と対向して設けられ、前記攪拌搬送部により攪拌搬送された現像剤を周面に担持して前記静電潜像担持体に供給する現像剤担持体と、
    を備え、
    前記現像剤担持体の外周面には、軸方向に延びる略V字形状の溝が複数形成され、
    前記溝は、前記現像剤担持体の外周面と前記溝を形成する内側面との交差位置に形成されるエッジが除去されていることを特徴とする、画像形成装置。
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