JP2011137710A - 反射面形状制御ミラー装置及び反射面形状制御ミラーの製造方法 - Google Patents

反射面形状制御ミラー装置及び反射面形状制御ミラーの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
熱膨張係数の異なる材質の積層構造で、ミラー製造時の温度差に起因する歪による表面形状の加工誤差と、ナノ集光作業時の設置環境条件に起因する歪による表面形状の誤差を解消し、nmオーダーの形状精度を実現し、X線ビームを理想波面に変更し、また焦点距離可変な反射面形状制御ミラー装置を提供する。
【解決手段】
基板1の表面中央部に帯状のX線反射面2を形成し、X線反射面の両側に沿って基準平面3を形成し、基板の両側部で少なくとも表裏一面に複数の圧電素子4をX線反射面の長手方向に並べて基板に接合した反射面形状制御ミラーと、各圧電素子に電圧を印加する多チャンネルのコントロールシステムとからなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、反射面形状制御ミラー装置及び反射面形状制御ミラーの製造方法に係わり、更に詳しくは軟X線から硬X線領域のX線ビームを反射させて理想波面に変更するための反射面形状制御ミラー装置及び反射面形状制御ミラーの製造方法に関する。
SPring-8に代表される第3世代放射光施設において軟X線から硬X線までの様々な波長領域において、高輝度、低エミッタンス、高コヒーレンスという特徴を持つX線を利用することができるようになった。それにより蛍光X線分析や光電子分光、X線回折等の様々な分析の感度や空間分解能を飛躍的に向上させた。このような放射光を利用したX線解析やX線顕微法は高感度、高分解能であるだけでなく非破壊で観察が可能であるため、現在、医学、生物、材料学等の分野で利用されつつある。
第3世代放射光施設や既に多数が建設・稼動中の第3.5世代の放射光施設、また現在建設が進みつつあるX線自由電子レーザー施設において、X線を用いた様々な分析技術に高い空間分解能を付加するためには、高度に集光されたX線ナノビームが必要となる。既に、本発明者らのグループは、SPring-8の1kmビームラインにおいて、K−B(Kirkpatrick and Baez)ミラーからなる集光光学系により、波長が0.6Åの硬X線を集光径が30nm以下になるように集光することに成功している。これは、独自に開発したミラーの高精度加工技術と高精度形状測定技術によるとことが大きい。この加工技術とは、数値制御EEM(Elastic
emission machining)であり、加工面に沿って微粒子を混合した超純水の高剪断流を形成し、一種の化学反応によって微粒子が表面原子と結合し、微粒子の移動とともに表面原子が除去される加工原理である。また、形状測定技術とは、MSI(Microstitching
Interferometry)とRADSI(Relative Angle Determinable Stitching Interferometry)であり、小面積を高精度に形状測定可能な干渉計の部分形状データをつなぎ合わせて全体形状を得るという測定原理で、X線ミラーの形状を全空間波長領域でPV値:1nm以下の測定再現性をもって高精度に計測することが可能である。
今後更に集光径をより小さく、また高エネルギーにおける硬X線集光を目指すには、曲率の大きなミラーを更に高精度の形状で作製する必要があり、形状計測器の性能向上が不可欠である。しかし前述のナノ計測技術(MSI、RADSI)による形状計測を高精度に測定し、その形状データをもとにナノ加工(EEM)し、ナノオーダーのミラー反射面の形状精度を実現しても、通常集光ミラーの形状を計測するときと、実際の集光装置で使用するときとでは、測定器の参照光の波長と集光時のX線の波長が大きく異なり、また温度やその他設置環境条件により、反射面形状が微妙に歪んで集光性能に影響する。最も理想的な回折限界での集光を達成するためには、X線集光装置に組み込まれた状態で集光ミラーの反射面の形状を高精度に知る必要があり、そのため本発明者らは、集光面におけるX線強度プロファイル情報のみから位相回復計算によってミラー面位相誤差を算出するAt-wavelength形状計測法を提案し、それに基づいて集光光学系の位相誤差を補正し、焦点面での波面の乱れを修正するX線集光方法を提案している(特許文献1)。また、この位相回復法によってX線ミラーの位相誤差を精確に算出するには、精確なX線集光強度プロファイルの取得が不可欠であり、本発明者らはナイフエッジを用いた暗視野法による新しいX線ナノビーム強度分布の精密測定方法を提案している(特許文献2)。
そして、特許文献1には、X線の波面を微調節可能な波面調節能を有するものとして反射面形状制御ミラーを使用することを提案している。ここで、反射面形状制御ミラーの具体的構造として、高度な形状安定性を有する基台の上に、変形駆動層を介して反射面が形成された弾性変形可能なミラー表面層を積層し、前記変形駆動層は、圧電素子層の一方の面に共通電極層を形成するとともに、他方の面に複数に分割した駆動電極層を形成したものであり、前記共通電極層と各駆動電極層間にドライバー手段から制御された電圧を印加し、それに挟まれた圧電素子層の特定領域が変形し、その変形がミラー表面層の形状を変更するものが記載されている。
また、表面形状を変化させることが可能なミラーとして、特許文献3には、少なくとも一個の電極と共に、圧電セラミックの第一層と第二層とを有し、その圧電セラミックに印加された少なくとも一の電圧に応じてミラーの少なくとも一つの曲率を変化させるバイモルフミラーであって、前記圧電セラミックの第一層および第二層が、半剛性の梁を形成する、ガラスまたはシリカ等の材料からなる中央コアにより分離され、更に前記圧電セラミックの第一層および第二層が、ガラスまたはシリカ等からなる2枚のスキン層の間に狭持され、スキン層の少なくとも一方をミラーとしたバイモルフミラーが開示されている。
しかし、前述の特許文献1及び特許文献3に記載されたバイモルフ型の反射面形状制御ミラーは、表面形状を可変にするために圧電素子(ピエゾ素子)を用いるが、ミラー材質(石英、シリコン等)と熱膨張係数が異なるため、温度差による影響で敏感に形状が歪んでしまうのである。通常、通常KBナノ集光ミラーを製作するには、表面ナノ形状計測(MSI及びRADSI)とEEM加工を何度も繰り返して完成させる。ここで、EEM加工は液中で実施するので、計測時との温度差により歪が生じ、nmオーダーの形状精度を実現するには加工と計測間のミラーの歪が大きな問題となる。例えば、ミラー材質が石英のバイモルフ(セラミック製のピエゾ素子)ミラーの場合、熱膨張係数の異なる材質の積層構造のため、図13のようにミラーをEEM加工後、9時間後と70時間後では形状が5〜10nm程度変化してしまうのである。また、実際の集光作業時の気温とミラー加工時の気温を一致させることは不可能であり、せっかくナノ形状で製作しても集光作業時には温度差によりミラー表面形状が歪み形状誤差が大きくなるのである。
特開2008−164553号公報 特開2009−053055号公報 特表2007−527030号公報
また、Sub−10nm硬X線ナノビームを実現するために検討した結果、少なくとも表面形状精度PV:1nm以下が必要であることがわかり、これまでの超平坦化基盤技術すなわち光学干渉計により測定されたミラー表面の形状誤差分を修正加工する方法では精度的に限界を超えてしまうことが分かった。また更にSub−10nm硬X線ナノビームを実現するためには、集光ミラーの高NA化に伴いミラー入射角度が大きくなるため、多層膜コーティングが必要になるが、その厚みムラに起因する反射位相誤差も形状誤差に換算して1nmを下回る必要があり、現状のコーティング技術水準からすると無視できないレベルにあることがわかった。
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、熱膨張係数の異なる材質の積層構造の反射面形状制御ミラー装置において、ミラー製造時の温度差に起因する歪による表面形状の加工誤差を解消するとともに、ナノ集光作業時の設置環境条件に起因する歪による表面形状の誤差を解消し、nmオーダーの形状精度を実現することが可能であり、また反射面の形状を修正して反射させたX線ビームを理想波面に変更すること、あるいは焦点距離を変更することが可能である反射面形状制御ミラー装置及び反射面形状制御ミラーの製造方法を提供することにある。
本発明は、前述の課題解決のために、軟X線から硬X線領域のX線ビームを反射させて理想波面に変更するための反射面形状制御ミラー装置であって、基板の表面中央部に帯状のX線反射面を形成し、該X線反射面の両側に沿って基準平面を形成するとともに、基板の両側部で少なくとも表裏一面に複数の圧電素子を前記X線反射面の長手方向に並べて基板に接合した反射面形状制御ミラーと、前記各圧電素子に電圧を印加する多チャンネルのコントロールシステムとからなる反射面形状制御ミラー装置を提供する(請求項1)。
ここで、前記反射面形状制御ミラーが、前記基板の両側部で、前記基準平面の外側に沿って前記圧電素子を列設したものであるが好ましい(請求項2)。
また、前記反射面形状制御ミラーが、前記X線反射面を中心として左右対称に前記圧電素子を列設したものであるとより好ましい(請求項3)。
更に、前記反射面形状制御ミラーが、前記基板の表裏両面に同じ配置パターンで前記圧電素子を列設したものであることがより好ましい(請求項4)。
また、本発明は、前述の課題解決のために、前述の反射面形状制御ミラー装置を用い、予めX線反射面と基準平面の初期形状データを取得して相対形状差を算出しておいた前記反射面形状制御ミラーをX線集光光学系に組み込み、その状態のまま該反射面形状制御ミラーの基準平面の形状をモニターするとともに、X線集光エリアで計測したX線プロファイルの強度分布に基づき、位相回復法によりX線集光光学系の位相誤差を算出し、該位相誤差を打ち消すように前記反射面形状制御ミラーの各圧電素子に前記コントロールシステムから電圧を印加し、前記X線反射面の形状を変化させることを特徴とするX線集光方法を構成した(請求項5)。
そして、軟X線から硬X線領域のX線ビームを反射させて理想波面に変更するための反射面形状制御ミラーの製造方法であって、基板の表面中央部に帯状のX線反射面と、該X線反射面の両側に沿った基準平面とを所望精度で加工した後、前記基板の両側部で少なくとも表裏一面に複数の圧電素子を前記X線反射面の長手方向に並べて基板に接合したことを特徴とする反射面形状制御ミラーの製造方法を提供する(請求項6)。
この反射面形状制御ミラーの製造方法においても、前記基板の両側部で、前記基準平面の外側に沿って前記圧電素子を列設すること(請求項7)、あるいは前記X線反射面を中心として左右対称に前記圧電素子を列設すること(請求項8)、あるいは前記基板の表裏両面に同じ配置パターンで前記圧電素子を列設すること(請求項9)が好ましい。
本発明の反射面形状制御ミラー装置によれば、軟X線から硬X線領域のX線ビームを反射させて理想波面に変更するための反射面形状制御ミラー装置であって、基板の表面中央部に帯状のX線反射面を形成し、該X線反射面の両側に沿って基準平面を形成するとともに、基板の両側部で少なくとも表裏一面に複数の圧電素子を前記X線反射面の長手方向に並べて基板に接合した反射面形状制御ミラーと、前記各圧電素子に電圧を印加する多チャンネルのコントロールシステムとからなるので、以下の顕著な効果を奏するのである。
熱膨張係数の異なる材質の積層構造の反射面形状制御ミラー装置において、ミラーをPV:1nmの形状精度で製作しても実際のナノ集光作業時とでは温度や設置環境条件によるミラー全体の歪により反射面形状が変わってしまうが、本発明ではX線反射面の両側に沿って基準平面を形成しているので、予めX線反射面と基準平面の初期形状データを取得して相対形状差を算出しておけば、変形後の基準平面の形状を測定し、該基準平面が変形前の形状に復元するように各圧電素子に所定電圧を印加することにより、X線反射面の形状を初期の加工時の形状に復元することができる。また、各温度下で、各圧電素子に印加する電圧とX線反射面及び基準平面の変形量をデータベース化しておけば、圧電素子の設置間隔よって調節可能な空間波長は制限されるが、X線反射面を任意の形状に変形することができる。また、各温度下で、任意の非球面形状を整えるための圧電素子に印加する電圧のパターンをデータベース化すれば、焦点距離を任意に可変にすることが可能となる。例えば、ミラーの焦点距離の可変領域を±100%即ち、基準の焦点距離が100mmの場合50〜200mmまで可変にできる。
ここで、平面の形状測定は非球面形状の測定と比べ、広い範囲を容易に精度よく計測可能である。基準平面は変形しても平面に近い形状であるので、フィゾー型干渉計によって広い範囲の形状を簡単に高精度で測定することができ、ミラーをX線光学系に組み込んだまま形状を測定することが可能であり、形状をモニターしながらX線反射面を変形させることも可能である。
そして、本発明のX線集光方法は、予めX線反射面と基準平面の初期形状データを取得して相対形状差を算出しておいた反射面形状制御ミラーをX線集光光学系に組み込み、その状態のまま該反射面形状制御ミラーの基準平面の形状をモニターするとともに、X線集光エリアで計測したX線プロファイルの強度分布に基づき、位相回復法によりX線集光光学系の位相誤差を算出し、該位相誤差を打ち消すように前記反射面形状制御ミラーの各圧電素子に前記コントロールシステムから電圧を印加し、前記X線反射面の形状を変化させるので、反射面形状制御ミラーをX線集光光学系に組み込んだまま、ほぼリアルタイムで反射面形状を修正して集光径を最小に絞ることができるのである。
本発明の反射面形状制御ミラーの製造方法によれば、軟X線から硬X線領域のX線ビームを反射させて理想波面に変更するための反射面形状制御ミラーの製造方法であって、基板の表面中央部に帯状のX線反射面と、該X線反射面の両側に沿った基準平面とを所望精度で加工した後、前記基板の両側部で少なくとも表裏一面に複数の圧電素子を前記X線反射面の長手方向に並べて基板に接合したので、以下の顕著な効果を奏するのである。
熱膨張係数の異なる材質の積層構造の反射面形状制御ミラーにおいて、nmオーダーの形状精度を実現するには、ミラー製造中の加工と形状計測間の温度差に起因するミラー表面の歪が加工誤差に大きく影響するが、本発明では、ミラー製造中の加工と形状計測時の温度差によるミラーの歪が生じないように、圧電素子をミラー基板に取付ける前にあらかじめ単一素材の状態でX線反射面と基準平面を高精度に加工し、その圧電素子を取付けるので、ミラー製造時の温度差による歪が生じないのである。
また、圧電素子をミラー基板に取付ける時などに生じる歪によるX線反射面の形状の変化は、基準平面の形状を計測することにより予測可能となる。そこで基準平面が平面になるように各圧電素子に印加電圧をかければ、反射面の形状誤差は解消される。
現在、ナノ集光ミラーによって、より小さな試料やより高い空間分解能あるいはエネルギー分解能での分析が可能となったが、各種実験が固定された光学系に制約されていた。しかし本発明により、ナノ集光用焦点距離可変型ミラーが実用化すれば、ナノ集光性能を維持しつつ、各種実験に応じて光学系を任意に変更することが可能となり、多様な放射光利用研究のスループットを飛躍的に発展させることができる。また、スペックルレスのナノレベルの表面形状精度で表面粗さrms0.2nm以下という、世界に類を見ない超高精度のミラーでさらに表面形状精度を自在に制御できれば、この技術を応用し、半導体及び各種光学分野など放射光施設以外の産業分野にも展開すれば、既存製品の性能の向上は勿論のこと新たな技術が創出されることが期待される。
本発明に係る反射面形状制御ミラーの斜視図である。 反射面形状制御ミラーの形状が変形する原理を説明するための部分平面図である。 反射面形状制御ミラーの形状が変形する原理を説明するための部分斜視図である。 ミラー基板に対する圧電素子の配置パターンを示す側面図である。 両側部に複数の圧電素子を貼り付けた平面ミラーの反射面の形状をフィゾー型干渉計で測定した結果を示し、(a)は各圧電素子に電圧を印加する前の形状、(b)は各圧電素子に所定の電圧を印加して変形した後の形状を示している。 本発明の反射面形状制御ミラー装置と形状測定手段とを組み合わせた形状制御のためのフィードバックシステムを示す説明図である。 目標形状と、各圧電素子に制御電圧を印加して形状を再生した再生形状及びフィードバックシステムを利用して形状を再生したフィードバック形状の関係を示すグラフである。 X線集光ミラーの前段に、X線反射面を平面とした反射面形状制御ミラーを設置して波面誤差を修正する方法を示した説明図である。 焦点で測定したX線強度分布を示すグラフである。 図9のX線強度分布のみから位相回復法により算出したX線ミラーの位相回復プロファイルと、X線ミラーのスティッチング干渉計(RADSI)による測定プロファイルを示すグラフである。 高精度のX線強度分布を用いて位相回復法により算出した位相回復プロファイルと、測定プロファイルを示すグラフである。 反射面形状制御ミラーとX線集光ミラーを用いてX線を集光した場合の波面補正前後の集光プロファイルを示すグラフである。 バイモルフ型形状制御ミラーの加工後の形状変化を経時的に示したグラフである。
次に、添付図面に示した実施形態に基づいて更に本発明を詳細に説明する。図1〜図4は本発明に係る反射面形状制御ミラーAを示し、図中符号1は基板、2はX線反射面、3は基準平面、4は圧電素子をそれぞれ示している。
本発明に係る反射面形状制御ミラーAは、軟X線から硬X線領域のX線ビームを反射させて理想波面に変更するためのものであり、基板1の表面中央部に帯状のX線反射面2を形成し、該X線反射面2の両側に沿って基準平面3,3を形成するとともに、基板1の両側部で少なくとも表裏一面に複数の圧電素子4,…を前記X線反射面2の長手方向に並べて基板1に接合した構造を有している。そして、本発明の反射面形状制御ミラー装置は、前記反射面形状制御ミラーAと、前記各圧電素子4,…に電圧を印加する多チャンネルのコントロールシステムBとから構成される。そして、前記反射面形状制御ミラーAの各圧電素子4,…に前記コントロールシステムBから電圧を印加し、前記X線反射面2の形状を変化させるのである。
図2及び図3は、本発明に係る反射面形状制御ミラーAの形状が変形する原理を示したものである。図3(a),(b)は図2の一部を切り出した説明図である。先ず、前記X線反射面2の長手方向を中心として対称に各圧電素子4,…を配置し、同一面側の対称位置にある圧電素子4,4には同じ変形条件で電圧を印加し、反対面にある圧電素子4,4同士は逆の変形条件で電圧を印加する。図中の圧電素子4において、矢印の向きが外向きは凸変形あるいは伸張変形、内向きは凹変形あるいは収縮変形を示している。従って、図3(a)のように上面の圧電素子4に凸変形するように電圧を印加し、下面の圧電素子4に凹変形するように電圧を印加すると、図3(b)のようにミラー基板1は上方へ凸変形する。このように、各圧電素子4,…に印加する電圧の正負、大きさにより、ミラー基板1の表面形状、つまり前記X線反射面2と基準平面3,3の形状を変形することができる。
更に詳しくは、前記ミラー基板1は、シリコン単結晶や石英等で作製する。ミラー基板1の大きさは、X線光学系の諸特性にもよるが、X線反射面2の長さは50mm〜400mm程度が一般的であり、幅及び厚さ(断面形状)は自重による変形が許容範囲内になる程度の剛性を持つように設定する必要があるが、表面に接合した圧電素子4によって歪みを導入できる程度でなければならない。前記X線反射面2及び各基準平面3の幅は約5mm程度である。前記各圧電素子4は、互いに干渉しないように若干離して基板1の表面に接合することが望ましい。また、前記X線反射面2の長手方向に沿って列設する前記圧電素子4,…のピッチは、X線反射面2の形状を変更する空間波長で決まり、この空間波長に対する要請は、何周期分のサテライトピークを取り除くかで決まるが、X線の波長やミラー長さ等により変わる。前記圧電素子4,…のピッチのオーダーとしては10〜50mm程度である。
前記X線反射面2の形状は、反射させたX線の波面が理想波面に変更するように設定され、K−Bミラーを構成する場合には楕円面となり、一般的には非球面の凹面形状である。また、本発明の反射面形状制御ミラーAを他の集光ミラーと組み合わせて、他の集光ミラーの形状誤差を補正するために使用する場合には、前記X線反射面2の形状は平面とする。その場合には、X線反射面2と基準平面3とを区別する必要はなく、基準平面3を特に設ける必要もない。
本発明の反射面形状制御ミラーAを製造する場合、先ず基板1の表面中央部に帯状のX線反射面2と、該X線反射面2の両側に沿った基準平面3,3とを所望精度で加工した後、前記基板2の両側部で少なくとも表裏一面に複数の圧電素子4,…を前記X線反射面2の長手方向に並べて基板1に接合する方法をとる。これは、ミラー基板1と圧電素子4の熱膨張率が異なるため、予めミラー基板1に圧電素子4を接合した状態で前記X線反射面2と基準平面3,3の形状測定と加工を行うと、形状測定時と加工時の温度が異なるため基準形状が一定しないからである。つまり、超精密加工として液中で行うEEM加工を採用し、RADSIで精密測定した測定形状データに基づいて加工し、その加工面を再度形状測定し、不十分であれば再加工し、許容される形状になるまで繰り返すのであるが、加工時と形状測定時の温度の違い、あるいは時間経過による温度のドリフトにより基準形状が定まらず、X線反射面としての要求精度のPV:1nm以下を達成することは不可能である。図13にも示してあるように、バイモルフミラーでは、加工後変形が落ち着く70時間後までに10nm程度変形するので、この変形途中で形状測定をしても意味がない。本発明では、ミラー基板1に圧電素子4を接合する前に、前記X線反射面2と基準平面3,3の加工を行うので、加工精度を維持することができる。
前記ミラー基板1に圧電素子4を接合する前に、前記X線反射面2と基準平面3,3の形状を精確に測定し、それらの形状及び相対形状差を算出して初期形状データとして取得する。そして、前記ミラー基板1に圧電素子4,…を接合した後、前記X線反射面2と基準平面3,3が若干変形しても、相対形状差は殆ど変わらないので、前記基準平面3,3の形状を測定し、変形前の形状に復元するように各圧電素子4,…に電圧を印加すると、前記X線反射面2も変形前の形状に復元させることができる。尚、前記ミラー基板1に圧電素子4,…を接合した後のX線反射面2と基準平面3,3の形状及び相対形状差を初期形状データとしても良い。
更に一歩進んで、各温度下で前記X線反射面2の形状が特定の形状になるように、前記各圧電素子4,…に印加する電圧値セットをデータベース化すれば、実際の使用温度で所定の電圧値セットを各圧電素子4,…に電圧を印加するだけで、形状を測定することなく前記X線反射面2を所望形状に精確に変更することができる。この特定形状が、複数の焦点距離に対応した楕円面形状であれば焦点距離を容易に変更できるX線ミラーとなる。それにより、X線光学系に本発明の反射面形状制御ミラー装置を組み込んだまま、全体の光学系のアライメントを変更することなく、あるいは微調整するだけで、焦点距離を変更することが可能である。例えば、ミラーの焦点距離の可変領域を±100%即ち、基準の焦点距離が100mmの場合50〜200mmまで可変にできるようにすれば、多くの用途に利用することができる。
図4は、ミラー基板1に対する圧電素子4の配置パターンの例を示している。前記反射面形状制御ミラーAは、前記基板1の両側部で、前記基準平面3,3の外側に沿って前記圧電素子4,…を列設し、前記X線反射面2を中心として左右対称に前記圧電素子4,…を列設することが、前記X線反射面2を捩れなく変形させる上で重要である。図4(a)の配置パターンは、図1に示したミラーと同じであり、前記基板1の表裏両面に同じ配置パターンで前記圧電素子4,…を列設したものである。前記圧電素子4,…は基板1の片面のみに設けても該基板1を変形させることが可能である。図4(b)の配置パターンは、前記X線反射面2を有する基板1の表面側の両側部にのみ圧電素子4,…を列設したものである。図4(c)は、基板1の裏面側の両側部にのみ圧電素子4,…を列設したものである。図4(d)は、図4(c)に加えて裏面側の中央部、即ちX線反射面2に対応する裏面に圧電素子4,…を列設したものである。
図5(a)は、平面ミラーの両側部に複数の圧電素子を貼り付け、その反射面の形状をフィゾー型干渉計(Zygo社 GPI-XR HR)で測定した結果を示し、図5(b)は各圧電素子に所定の電圧を印加した後の反射面の形状を同じく測定した結果を示している。このように、圧電素子に電圧を印加すると、ミラーに局所的にモーメントを与え変形させることができる。
また、反射面形状制御ミラーAの形状を常に安定化を図るために、図6のように形状計測手段5を用いたフィードバックシステムを構築した。前記コントロールシステムBは、前記各圧電素子4,…にそれぞれ所定の電圧を印加する多チャンネルの制御ボックス6とそれを制御するコンピュータ7からなり、コンピュータ8からの測定命令に基づき前記形状計測手段5が測定した反射面形状制御ミラーAの形状測定データを該コンピュータ8が取得し、その測定データを前記コントロールシステムBのコンピュータ7に送って前記反射面形状制御ミラーAを変形させるのである。ここで、前記形状計測手段5としてフィゾー型干渉計(Zygo社 GPI-XR HR)を用いた。また、前記コントロールシステムBのコンピュータ7と形状計測手段5のコンピュータ8は、それぞれ独立した装置であるので別々に記載したが、一つのコンピュータで共用することも可能である。
図6のフィードバックシステムにより、干渉計を用いて計測したミラー形状と目標とする変形形状との誤差を求め、それに対して変形を行うのに必要となる電圧を算出し,再び圧電素子に印加する。図7に、目標形状と、予めシミュレーションによって得られた印加電圧セットを圧電素子に印加して得られた再生形状と、図6のフィードバックシステムを用いて修正電圧を圧電素子に印加して得られたフィードバック形状を併せて示してある。
フィードバックを行い任意形状の変形実験を行った結果、目標形状に対し,再生形状だけでは目標形状との誤差が大きくなっていることが分かる。しかし、フィードバックをかけることによってサブナノメートルの精度でミラー形状を制御することに成功した。このように、フィードバックシステムを用いることにより、目標形状により近づけることができるのである。
次に、前記反射面形状制御ミラー装置を用いてX線を高度に集光するX線集光方法を説明する。本発明のX線集光方法は、予めX線反射面2と基準平面3,3の初期形状データを取得して相対形状差を算出しておいた前記反射面形状制御ミラーAをX線集光光学系に組み込み、その状態のまま該反射面形状制御ミラーAの基準平面3,3の形状をモニターするとともに、X線集光エリアで計測したX線プロファイルの強度分布に基づき、位相回復法によりX線集光光学系の位相誤差を算出し、該位相誤差を打ち消すように前記反射面形状制御ミラーAの各圧電素子4,…に前記コントロールシステムBから電圧を印加し、前記X線反射面2の形状を変化させるものである。
図8に示すように、X線集光ミラー9の前段に、前記X線反射面2を平面とした反射面形状制御ミラーAを設置する。図中符号Oは光源、Fは焦点を示している。X線集光ミラー9は、多層膜ミラーである。例えば、X線の入射角を11.1mradとし、前記反射面形状制御ミラーAのX線反射面2に対する入射角を3.26mradとすると、多層膜X線集光ミラー9の表面形状誤差1nmで生じるX線の波面誤差と、反射面形状制御ミラーAのX線反射面2の表面形状誤差3.4nmで生じるX線の波面誤差が略等しくなる。つまり、反射面形状制御ミラーAのX線反射面2の形状誤差に対する許容範囲が大きいので、多少粗い形状補正でもより精密な波面修正ができる。従って、反射面形状制御ミラーAをX線集光ミラー9の前段に置くことにより、X線集光ミラー9を単独で用いるより波面誤差を小さくすることができるのである。尚、ミラー表面の形状誤差と波面誤差は同義であり、また形状誤差に位相誤差を対応させることができる。
先ず、X線の焦点近傍でX線強度分布を測定し、位相回復法によって位相誤差を算出する。位相回復法とは、単独光において、測定可能な強度分布情報から測定不可能な位相情報を求める方法である。即ち放射光のようなコヒーレントなX線であれば、前進計算(フーリエ変換など)、後進計算(逆フーリエ変換など)を繰り返す収束計算を行い、集光プロファイルの強度分布からミラー上の反射X線位相を算出することができる。図9は、X線集光プロファイルの測定例であり、集光径は約30nmである。このX線集光プロファイルを用いて位相回復法で位相誤差を算出し、それをミラー表面の形状誤差として示したのが図10のグラフである。この場合、ミラーの長さは100mmであり、図10の横軸はミラーの長手方向を示し、縦軸は理想形状からの形状誤差をnmで示している。図10には、ミラーの形状をスティッチング干渉計(RADSI)で形状をオフライン計測した結果も併せて示している。その結果、位相回復法に基づく波面形状誤差は、位相誤差換算でλ/10のレベルでスティッチング干渉計による形状データと一致していることが分かる。このように、実際に測定したミラーの形状誤差と、位相回復法で算出した形状誤差は良い一致が見られ、位相回復法はミラー形状を非常に良く再現できることが分かる。
図9のX線集光プロファイルは、ワイヤースキャン法で測定した結果を用いたものであるが、特許文献2に記載されたナイフエッジを用いた暗視野法によるX線ナノビーム強度分布の精密測定方法を用いて測定した高精度のX線集光プロファイルを用いれば、図11に示すように更に再現性が良くなる。
このようにしてX線集光光学系の計測されたX線強度分布から位相回復法により、集光ミラーに起因する波面誤差を求め、それを反射面形状制御ミラーAで補正することによって、硬X線のSub−10nm集光ビームを実現することができた。その際に計測した波面補正前後の集光プロファイルを示したものが図12である。波面補正前には15nmライン集光で二つのピークを有する歪な集光プロファイルであったのが、本発明のX線集光方法により、高い補正効果が確認され、目標に設定した10nmを超える8nmライン集光が達成され、また集光プロファイルの形状も改善された。このように、前段に設置した平面ミラーの形状を例えば0.1nmの高さ精度で変形させることによって、入射X線に人為的に位相分布をもたせAt-wavelength波面計測で求めた位相誤差をキャンセルさせ、X線集光ミラーを反射したX線を理想的な波面形状にすることができるのである。尚、K−BミラーによるX線集光をする場合には、2枚のX線集光ミラーを用いるので、それぞれのX線集光ミラーに対応して波面補正用の反射面形状制御ミラーAをそれぞれ設けることになる。また、位相回復法を用いたX線集光方法の原理は、特許文献1に具体的に記載されている。
Sub−10nm硬X線ナノビームが実用化できれば、分子サイズの分解能での物質の機能イメージングや単一分子回折による構造解析などが可能となり、さらに高輝度化、単パルス化が実現できれば、化学反応の実時間計測や生きたままの細胞の観察も可能となると期待されている。医学・創薬応用に向けた、各種細胞を用いた蛍光X線による細胞内元素イメージング、さらにコヒーレントX線回折顕微鏡の構築に利用することが可能である。
A 反射面形状制御ミラー
B コントロールシステム
1 基板
2 X線反射面
3 基準平面
4 圧電素子
5 形状計測手段
6 制御ボックス
7 コンピュータ
8 コンピュータ
9 X線集光ミラー

Claims (9)

  1. 軟X線から硬X線領域のX線ビームを反射させて理想波面に変更するための反射面形状制御ミラー装置であって、基板の表面中央部に帯状のX線反射面を形成し、該X線反射面の両側に沿って基準平面を形成するとともに、基板の両側部で少なくとも表裏一面に複数の圧電素子を前記X線反射面の長手方向に並べて基板に接合した反射面形状制御ミラーと、前記各圧電素子に電圧を印加する多チャンネルのコントロールシステムとからなる反射面形状制御ミラー装置。
  2. 前記反射面形状制御ミラーが、前記基板の両側部で、前記基準平面の外側に沿って前記圧電素子を列設したものである請求項1記載の反射面形状制御ミラー装置。
  3. 前記反射面形状制御ミラーが、前記X線反射面を中心として左右対称に前記圧電素子を列設したものである請求項1又は2記載の反射面形状制御ミラー装置。
  4. 前記反射面形状制御ミラーが、前記基板の表裏両面に同じ配置パターンで前記圧電素子を列設したものである請求項1〜3何れかに記載の反射面形状制御ミラー装置。
  5. 請求項1〜4何れかに記載の反射面形状制御ミラー装置を用い、予めX線反射面と基準平面の初期形状データを取得して相対形状差を算出しておいた前記反射面形状制御ミラーをX線集光光学系に組み込み、その状態のまま該反射面形状制御ミラーの基準平面の形状をモニターするとともに、X線集光エリアで計測したX線プロファイルの強度分布に基づき、位相回復法によりX線集光光学系の位相誤差を算出し、該位相誤差を打ち消すように前記反射面形状制御ミラーの各圧電素子に前記コントロールシステムから電圧を印加し、前記X線反射面の形状を変化させることを特徴とするX線集光方法。
  6. 軟X線から硬X線領域のX線ビームを反射させて理想波面に変更するための反射面形状制御ミラーの製造方法であって、基板の表面中央部に帯状のX線反射面と、該X線反射面の両側に沿った基準平面とを所望精度で加工した後、前記基板の両側部で少なくとも表裏一面に複数の圧電素子を前記X線反射面の長手方向に並べて基板に接合したことを特徴とする反射面形状制御ミラーの製造方法。
  7. 前記基板の両側部で、前記基準平面の外側に沿って前記圧電素子を列設した請求項6記載の反射面形状制御ミラーの製造方法。
  8. 前記X線反射面を中心として左右対称に前記圧電素子を列設した請求項6又は7記載の反射面形状制御ミラーの製造方法。
  9. 前記基板の表裏両面に同じ配置パターンで前記圧電素子を列設した請求項6〜8何れかに記載の反射面形状制御ミラーの製造方法。
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