JP2011136532A - 輝度向上部材用ポリエステルフィルム - Google Patents

輝度向上部材用ポリエステルフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】 液晶を塗布した際の液晶の配向を高度に制御することができ、塗布後の液晶にムラやスジ状の欠陥が生じることがまったくなく、輝度向上部材用のフィルムとして好適に利用することのできるポリエステルフィルムを、安価にかつ歩留まり良く提供する。
【解決手段】 積層構造のポリエステルフィルムの少なくとも一方の最外層にアゾベンゼン類を0.15〜1.20重量%含有することを特徴とする輝度向上部材用ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、輝度向上部材用として好適なポリエステルフィルムに関するものである。
液晶関連部材で輝度向上の役割を果たすものには、輝度上昇フィルムとして、BEF(Brightness Enhancement Film:3M社製)や反射型偏光フィルム、DBEF(Dual BrightnessEnhancement Film:3M社製)が知られており、携帯電話から液晶TVまで幅広く使われている。これらのフィルムによると、例えば、液晶TVにおいて、バックライト光量やライトの本数、LEDの個数が減らせ、環境的なメリットがある。
しかし、これらのフィルムは、価格が高いこと、供給の安定性等の懸念点がある。これらの代替製品の検討がなされているが、輝度上昇フィルムとして満足できる特性を有するフィルムはまだ完成していない。
BEFやDBEFのように輝度向上を達成するためには、いくつか方法がある。例えば、ポリマー表面の形状を鋳型で付与することで光の反射を利用する方法(BEF)、フィルムに超積層構造を付与させる方法(DBEF)、また、入射してそのまま透過しない光のリサイクルを利用する様々なネマッチック液晶やコレステリック液晶などをポリマーに塗布、配向させる方法がある。
ポリマーに液晶を塗布する方法が価格や供給安定性の点で優位であるが、ポリマー表面とその接する液晶との配向制御が鍵となる。
通常、ネマチック液晶やコレステリック液晶などの配向性を有する液晶を塗布する部材としてはポリイミドが一般的であり、その鍵となるのは、配向制御のために行う表面処理、例えば、ラビング処理であるが、代替フィルムとしてポリエステルフィルムを用いた場合、表面処理後の、例えば、ラビング処理後の液晶塗布時に、ポリイミドとの配向性の違いから、液晶が上手く配向できないことや、ムラ状やスジ状の外観欠陥が生じることなどが問題となる。
これらの問題は基材となるポリエステルフィルムの最表面の状態が鍵となり、特別な表面状態を作り出すことで解決できる。例えば、製膜条件を工夫することで結晶化度を変更すること、また、表面の硬さを含有粒子の種類とその含有量を工夫することでフィルムの表面硬さを変更すること、でラビング処理が最大限効果的にでき、液晶が上手く配向することができる。
しかし、クリーン度の高いポリエステルフィルムの生産現場でのラビング処理は、チリ等発生の原因となる。また、工程数が増え、生産性が悪いという問題、さらに、ラビング処理は非常に緻密で微調整が難しいために歩留まりが悪いという問題が生じる。
特開2003−26831号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、液晶を塗布した際の配向を制御でき、ムラやスジ状の欠陥の生じない、かつ、従来法であるラビング処理方法などと比較して歩留まりが高い輝度向上部材用フィルムとして好適なポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者は、上記実情に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を有するポリエステルフィルムによれば上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、積層構造のポリエステルフィルムの少なくとも一方の最外層にアゾベンゼン類を0.15〜1.20重量%含有することを特徴とする輝度向上部材用ポリエステルフィルムに存する。
本発明のポリエステルフィルムによれば、液晶を塗布した際の配向を制御でき、ムラやスジ状の欠陥の生じない、輝度向上部材用フィルムとして好適に利用することのできるポリエステルフィルムを安価にかつ歩留まり良く提供することができ、その工業的価値は高い。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明におけるポリエステルフィルムを構成する、ポリエステルフィルムは単層構成であっても多層構成であってもよく、2層、3層構成以外にも本発明の要旨を越えない限り、4層またはそれ以上の多層であってもよく、特に限定されるものではない。
本発明におけるポリエステルフィルムにおいて使用するポリエステルは、生産コストの削減や工程作業容易化を追及した結果、ホモポリエステルであることが好ましい。ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート等が例示される。
本発明におけるポリエステルフィルムの中には、易滑性の付与および各工程での傷発生防止を主たる目的として、粒子を配合することが好ましい。配合する粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されているような耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
また、用いる粒子の平均粒径は、通常0.01〜3μm、好ましくは0.1〜2μmの範囲である。平均粒径が0.01μm未満の場合には、易滑性を十分に付与できない場合がある。一方、3μmを超える場合には、フィルムの製膜時に、その粒子の凝集物のために透明性が低下することがある他に、破断などを起こし易くなり、生産性の面で問題になることがある。
さらに本発明におけるポリエステルフィルム中の粒子含有量は、通常0.001〜5重量%、好ましくは0.005〜3重量%の範囲である。粒子含有量が0.001重量%未満の場合には、フィルムの易滑性が不十分な場合があり、一方、5重量%を超えて添加する場合には、フィルムの透明性が不十分な場合がある。
本発明におけるポリエステルフィルム中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、各層を構成するポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化もしくはエステル交換反応終了後、添加するのが良い。
また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
なお、本発明におけるポリエステルフィルム中には、上述の粒子以外に必要に応じて従来公知の酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料等を添加することができる。
本発明におけるポリエステルフィルムの厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではないが、通常10〜350μm、好ましくは50〜250μmの範囲である。
次に本発明におけるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。すなわち、先に述べたポリエステル原料を使用し、ダイから押し出された溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸するが、その場合、延伸温度は通常70〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして、引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
また、本発明のポリエステルフィルム製造に関しては、同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法は、前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法であり、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上述の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等、従来公知の延伸方式を採用することができる。
本発明において使用するアゾベンゼン類の例としては、アゾベンゼン、2−メトキシアゾベンゼン、2−ヒドロキシアゾベンゼン、3−メチルアゾベンゼン、3−ニトロアゾベンゼン、3−メトキシアゾベンゼン、3−ヒドロキシアゾベンゼン、4−ヨードアゾベンゼン、4−メチルアゾベンゼン、4−カルボメトキシアゾベンゼン、4−アセチルアゾベンゼン、4−カルボキシアゾベンゼン、4−シアノアゾベンゼン、4−エトキシアゾベンゼン、4−メトキシアゾベンゼン、4−ニトロアゾベンゼン、4−アセトアミドアゾベンゼン、4−ジメチルアミノアゾベンゼン、4−アミノアゾベンゼン、4−トリメチルアンモニウムアゾベンゼン、4−ジメチルアミノ−4’−フェニルアゾベンゼン、4−ジメチルアミノ−4’− ヒドロキシアゾベンゼン、4,4’−ビス−(ジメチルアミノ)アゾベンゼン、4−ジメチルアミノ−4’−p−アミノフェニルアゾベンゼン、4−ジメチルアミノ−4’−p− アセトアミドフェニルアゾベンゼン、4−ジメチルアミノ−4’−p−アミノベンジルアゾベンゼン、4−ジメチルアミノ−4’−マーキュリックアセテートアゾベンゼン、4−ヒドロキシアゾベンゼン、2−メチル−4− ヒドロキシアゾベンゼン、4− ヒドロキシ−4’−メチルアゾベンゼン、2,6−ジメチル−4− ヒドロキシアゾベンゼン、2,2’−4’,6,6’−ペンタメチル−4−ヒドロキシアゾベンゼン、2,6−ジメチル−2’,4’,6’−トリクロロ−4−ヒドロキシアゾベンゼン、4−ヒドロキシ−4’−クロロアゾベンゼン、2,2’,4’,6’−テトラクロロ−4−ヒドロキシアゾベンゼン、3−スルホネート−4−ヒドロキシアゾベンゼン、2,2’−ジメトキシアゾベンゼン、3,3’−ジニトロアゾベンゼン、3,3’−ジメチルアゾベンゼン、4,4’−ジメチルアゾベンゼン、4,4’−ジメトキシアゾベンゼンなどがある。
次に本発明におけるアゾベンゼン類のポリエステルへの練り込みについて説明する。これらの化合物はポリエステルレジンに練り込んだマスターバッチとして用いる方が好ましいが、ポリエステルレジンへ直接添加してもよい。上記列挙化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物のフィルム中の含有量は、積層構造のポリエステルフィルムの少なくとも一方の最外層に0.15〜1.20重量%の範囲である。含有量が0.15重量%未満では、配向性液晶を塗布したときにその塗布が上手くできずに、ムラやスジ等を生じ、外観不良になる。一方、1.50重量%を超えて含有する場合、フィルムがかなり黄色味を帯びる、また、フィルム中に劣化物、凝集物が生じる、等の不具合が生じる。また、290℃以上の高温で押し出した場合、アゾベンゼンの沸点に達してしまい、分解もしくは練り込み量に不具合を生じる。
さらに本発明のポリエステルフィルムについて、アゾベンゼン類の練り込みの層構成について説明する。配向性液晶をポリエステルフィルム上へ配向させるためには、最表層の表面状態の設計が鍵を握るため、アゾベンゼン類はポリエステルフィルムの最表層へ練り込まなければならない。
本発明のポリエステルフィルムは、後工程で配向液晶塗布が必要であるために、配向を制御するための表面条件が重要な要点となる。本発明の必要な表面条件は、配列を制御するような分子、この場合、アゾベンゼン類、の含有が必須である。その含有方法としては、練り込みとコーティングが考えられる。しかし、本発明におけるポリエステルフィルムにおいて、コーティングは好ましくない。この輝度向上部材用途ポリエステルフィルムでは、後工程において、液晶を塗布する工程があり、当該工程では、リオトロピックとサーモトロピックによる方法を用いることが一般的であり、リオトロピック方法では、溶剤を用いるために、コーティング層の成分が溶解された後、成分凝集などを引き起こし、フィルム面状にムラなどの表面不具合を生じてしまう可能性が高い。本発明では、アゾベンゼン類のポリエステルへの含有方法は練り込み法を用いる。
本発明のポリエステルフィルムについて、輝度向上用途フィルムとして従来法であるラビング処理方法の後、配向性液晶を塗布するという方法では、歩留まりが50%程度で良くても、80%がせいぜいである。そこで、生産性を考えた時に歩留まりの概念は重要で、本発明の配向制御できるアゾベンゼン類を練り込む方法では、80%以上の歩留まりを達成する事を目指す。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた測定法および評価方法は次のとおりである。
(1)ポリエステルの固有粘度の測定
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)ポリエステルフィルムの透過率測定
透明性の基準として、目視による透明性の評価と透過率測定が挙げられる。次のような基準で判断する。
・目視に関して
○:ほぼ透明である
△:透明であるが、少し黄色に着色している
×:黄色が強く、曇っている
・透過率測定に関して
JIS − K7105に準じ、日本電色工業社製積分球式濁度計NDH−300Aによりポリエステルフィルムの全光線透過率を測定した。次のような基準で判断する。
○:88.7%以上の透過率
△:88.0〜88.6%の範囲内の透過率
×:88.0%より低い透過率
(3)ポリエステルフィルムのヘーズ(濁度)測定
JIS − K7105に準じ、日本電色工業社製積分球式濁度計NDH−300Aによりポリエステルフィルムの全光線透過率を測定した。次のような基準で判断する。
○:1.8%より値が低い
△:1.8〜2.0%
×:2.0%より値が高い
(4)ポリエステルフィルムへの液晶塗布後の外観評価
ポリエステルフィルムについて、配向性液晶が配向可能かどうか、一般的な液晶を用いることで検査した。以下基準に従って評価を行った。
○:ムラやスジがなく表面形状も綺麗なもの
△:ムラやスジが見えるもの
×:液晶配向膜が配向できていないもの、もしくは、表面形状がひどいもの
(5)液晶塗布後の歩留り
○:歩留まり80%高い
×:歩留まり80%よりも低い
実施例および比較例において使用したポリエステルは、以下のようにして準備したものである。
<ポリエステル(A)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04重量部を添加した後、三酸化アンチモン0.04重量部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(A)の極限粘度は0.63であった。
<ポリエステル(B)の製造方法>
ポリエステル(A)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04重量部を添加後、平均粒子径2.0μmのエチレングリコールに分散させたモース硬度5のシリカ粒子を0.2重量部、三酸化アンチモン0.04重量部を加えて、極限粘度0.65に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(B)を得た。得られたポリエステル(B)は、極限粘度0.65であった。
<ポリエステル(C):1.5wt%アゾベンゼン含有マスターバッチ(MB)の製造方法>
ポリエステル(A)を作製する際、ポリエステル98.5重量部に対して、275℃で押出時にアゾベンゼン化合物を1.5重量部練り込んだ。得られた1.5重量%MBは、極限粘度0.63であった。
実施例1:
ポリエステル(A)、(B)、(C)をそれぞれ52%、8%、40%の割合で混合した混合原料を最外層(表層)の原料とし、ポリエステル(A)を中間層の原料として、2台の押出機に各々を供給し、各々275℃で溶融した後、口金から押出し静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上に、2種3層(表層/中間層/表層)の層構成で共押出し冷却固化させて未延伸シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.7倍延伸した後、テンターに導き、横方向に120℃で4.3倍延伸し、熱固定温度235℃で熱処理を行った後、横方向に2%弛緩し、塗布層を有する厚さ250μm(表層12.5μm、中間層225μm)、固有粘度0.61のポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムについて、見た目では傷や曇りが処理前と変化なく綺麗なものであった。さらに、このポリエステルフィルムについて、クロロホルムに溶かした配向性液晶を塗布し、乾燥後に液晶層が0.03g/mとなるように調整した。得られた液晶層塗布後のポリエステルフィルムを目視で評価したところ、スジやムラは認められずに綺麗なものとなっていた。なお、上記液晶層を構成する化合物例は以下のとおりである。
(化合物例)
・ネマチック液晶(ZLI−2293:Merk)
・キラルドーパント(MLC−6248:Merk)
光重合性液晶(RM257:Merk)
QtT(Quarter Thiophene:クォーターチオフェン)
cf.K.AMEMIYA et.al.,Applied Physics,Vol.44,No.6A,2005,pp.3748−3750
実施例2〜4:
実施例1において、表層のアゾベンゼン化合物の配合量を変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。作製したポリエステルフィルムは下記表1に示すとおりであった。
Figure 2011136532
比較例1〜4:
実施例1において、表層のアゾベンゼン化合物の配合量を変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。作製したポリエステルフィルムは表2に示すとおりであるが、得られた液晶層塗布後のポリエステルフィルムを目視で評価したところ、配向できていなく、面状が良くなかった。比較例4では、液晶塗布前のフィルムの色目が黄色味がかっていて濁度も高く良くなかったが、配向性液晶塗布後の見た目は、スジやムラがなく綺麗なものであった。
Figure 2011136532
本発明のポリエステルフィルムは輝度向上部材用として好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. 積層構造のポリエステルフィルムの少なくとも一方の最外層にアゾベンゼン類を0.15〜1.20重量%含有することを特徴とする輝度向上部材用ポリエステルフィルム。
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