JP2004070344A - 光学フィルムおよびそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

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河原 聡
Naoki Takahashi
高橋 直樹
Hironori Motomura
本村 弘則
Ikuro Kawamoto
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Abstract

 【課題】 輝度向上フィルムの機能を維持し、フィルム面内における輝度・色度バラツキが抑制された光学フィルムを提供する。
 【解決手段】 吸収二色性偏光板と輝度向上フィルムとを積層した光学フィルムであって、これをガラス板に貼付して70℃で120時間処理した後における、面内透過光の最大色差Δxy(max)を0.008以下とする。前記輝度向上フィルムは、円偏光分離機能を有する層と1/4波長板とを含み、前記1/4波長板が、下記式(I)を満たす面内位相差(Δnd)を示すフィルム、もしくは、光弾性係数40×10-122/N以下のポリマーを含むフィルムである。
 Δnd(450nm)/Δnd(550nm)≦1.02  ・・・(I)
【選択図】 図1

Description

 本発明は、液晶表示装置(LCD)等の各種画像表示装置に使用する光学フィルムに関し、さらに詳しくは輝度向上フィルム付き積層偏光板、およびそれを用いた各種画像表示装置に関する。
 従来から、偏光板は液晶表示装置に多く使用されており、その需要は急激に増加している。さらに、近年では、光学補償機能を付加した偏光板のように、付加価値の高いものが使用されてきており、例えば、色相、輝度、コントラスト、広視野角等の点で表示品位に対する要求がより一層強く要求される傾向にある。
 表示品位の中でも特に輝度向上を目的として、輝度向上フィルムが前記偏光板と共に使用されている。前記輝度向上フィルムは、通常、液晶表示装置におけるバックライトユニットと偏光フィルムとの間に配置され、本来なら前記偏光フィルムに吸収されてしまう光を反射して再利用することによって、表示画面の輝度を向上させるものである。このような輝度向上フィルムとしては、例えば、複屈折を有するポリマーフィルムの積層体、コレステリック液晶フィルム等が知られており、一般に、前記ポリマーフィルムの積層体は直線偏光を反射し、前記コレステリック液晶フィルムは円偏光を反射する。
 前記コレステリック液晶フィルムは、例えば、位相差板である1/4波長板との積層体として使用されている。前記積層体によれば、例えば、バックライトからの光を、まず、前記コレステリック液晶フィルムにおいて、右回り偏光と左回り偏光とを分離して、いずれか一方の円偏光を透過させ、透過した円偏光を、積層した前記1/4波長板において直線偏光化し、偏光板に供給することが出来る。一方、前記コレステリック液晶フィルムにおいて反射された光は、例えば、前記バックライトの裏側に配置された反射板によって偏光状態が変化され、再度、前記コレステリック液晶フィルムに戻り、ここでさらに分離されるのである(例えば、特許文献1参照)。
 このように輝度向上フィルムを偏光板と組み合わせることによって、液晶表示装置の輝度特性を向上できるが、例えば、以下のような問題がある。
 一般に、吸収二色性偏光板と呼ばれる前記偏光板は、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」という)フィルムにヨウ素または二色性染料を吸着させた後、これを延伸することによって偏光フィルムを調製し、前記偏光フィルムの両面にトリアセチルセルロース(TAC)等の保護フィルムを積層することによって製造される。そして、このように延伸工程を含むため、その引っ張り応力が前記偏光フィルム内部に残り、前記応力が原因となって、加熱または高温加湿条件下においては、前記フィルムに収縮が生じることが知られている。前記輝度向上フィルムは、バックライト側の偏光板に積層するため、例えば、液晶パネル内の温度が上昇した場合、加熱によって前記偏光板が収縮し、この収縮力が前記輝度向上フィルムにかかることによって、前記輝度向上フィルムの構成部材である位相差板(例えば、1/4波長板)に、位相差変化等の光学特性変化が生じる。この位相差板の光学特性変化によって、輝度向上フィルムの特性が変化し、結果として液晶表示装置の表示画面内での輝度や色相、色度にバラツキが生じることが問題となっているのである。
 このような問題を解決する方法として、例えば、(1)偏光板の寸法変化を低減する方法、(2)偏光板と輝度向上フィルムとの間に、輝度向上フィルムにかかる収縮力を緩和する層を介させる方法が考えられる。しかしがら、偏光板の寸法変化が低減されても、前記位相差板の寸法変化が大きければ、位相差変化の問題は解決し難く、また、他の層を介在させる場合、近年の軽量化、薄型化の要求にも合致しないこととなる。一方、偏光板の寸法変化が原因となるだけでなく、輝度向上フィルム自体が、加熱や高温加湿の影響を受けるおそれもある。
特開平11−248941号公報
 そこで、本発明の目的は、1/4波長板を含む輝度向上フィルム付き偏光板において、前記輝度向上フィルムの機能変化が抑制され、それに伴い、液晶表示装置等に使用した際の表示画面における色度のばらつきを抑制できる光学フィルムの提供である。
 前記目的を達成するため、本発明の光学フィルムは、偏光板と輝度向上フィルムとを含む光学フィルムであって、以下の条件を満たすことを特徴とする。
条件:前記光学フィルムをガラス板に貼付して70℃で120時間処理した後における、前記光学フィルムの面内透過光の最大色差Δxy(max)が0.008以下である。
 なお、本発明において、「色差」とは、前記光学フィルムの色度「xおよびy」の差(Δxy)であって、「最大色差」とは、前記光学フィルムにおける最大の色差(Δxy(max))を示す。また、前記「面内透過光」の「面内」とは、光学フィルムの任意の一点ではなく、光学フィルムのあらゆる点を意味し、あらゆる点における色差のうち最も大きな色差がする「最大色差」であり、その値が0.008以下であればよい。例えば、面内9点の色度測定を行った場合、9点の測定値のうち最大値と最小値との差が、Δxy(max)に相当する。
 本発明者らは、偏光板と併用する輝度向上フィルム、特に円偏光分離(反射)機能を有する層と1/4波長板(以下、「λ/4板」という)とを含む輝度向上フィルムについて、鋭意研究を行った。その結果、前記λ/4板として、後述するように、(1)所定の波長分散特性のフィルムを使用すること、もしくは(2)所定の光弾性係数のフィルムを使用することによって、輝度向上フィルムと偏光板とを含む光学フィルムについて、前記条件で処理した後の最大色差(Δxy(max))を0.008以下に抑制できることを見出したのである。このような性質の光学フィルムであれば、例えば、液晶表示装置等の各種画像表示装置に配置した場合に、加熱または加湿条件下におかれても、色度・輝度のばらつきが非常に小さい、優れた輝度向上フィルム付き偏光板として使用することができる。
 前述のように本発明の光学フィルムは、偏光板と輝度向上フィルムとを含む光学フィルムであって、前記光学フィルムをガラス板に貼付し、70℃で120時間処理した後における前記光学フィルムの面内透過光の最大色差Δxy(max)が0.008以下であることを特徴とする。Δxy(max)は、好ましくは0.005以下であり、より好ましくは0.003以下であり、特に好ましくは0〜0.003である。
 前記光学フィルムの最大色差Δxy(max)は、例えば、以下のようにして測定できる。なお、この測定方法は、前記光学フィルムの最大色差Δxy(max)を特定するためのみに用いられるものであって、本発明の光学フィルムの製造方法、前記光学フィルムの使用、用途等を何ら制限するものではない。
 まず、本発明の光学フィルム(横307mm×縦230mm)を、アクリル系粘着剤によって、ガラス板(横310mm×縦260mm×厚み1.1mm)に貼り合せる。この際、前記光学フィルムは、例えば、偏光板と輝度向上フィルムのいずれが前記ガラス板と対向してもよいが、前記二色性偏光板が前記ガラス板と対向することが好ましい。つぎに、この積層体を70℃の加熱条件下で120時間放置する(湿度10%以下)。そして、処理後の積層体について、面内における透過光の色度(xおよびy)を測定し、得られた測定値(色度x、y)を下記式に代入することによって、面内最大色差(Δxy(max))を算出する。前記色度は、例えば、前記ガラス板側において、商品名BM−5A(トプコン社製)等の輝度測定装置により測定できる。また、色度の測定は、前記大きさの光学フィルムにおいて、合計9〜25点で行い、その測定箇所は面積8000mm2当たり1〜8点、好ましくは2〜8点とする。
 前記輝度向上フィルムとしては、前述のように、円偏光分離(反射)機能を有する層(以下、「円偏光分離層」という)とλ/4板とを含むことが好ましい。
 本発明において前記円偏光分離(反射)機能とは、右回り円偏光および左回り円偏光のうち、いずれか一方の光を選択的に透過させ、他方を選択的に反射する機能をいう。また、「λ/4板」とは、前述のとおり位相差板の一種であって、円偏光または楕円偏光を直線偏光に変換し、もしくは直線偏光を円偏光または楕円偏光に変換する機能を有する位相差板である。なお、これらを含む前記輝度向上フィルムは、その機能から「反射型偏光子」とも呼ばれる。
 本発明の光学フィルムを、「最大色差Δxy(max)≦0.008」に設定するには、前記輝度向上フィルムの構成部材として、以下に示す本発明におけるλ/4板、すなわち、第1のλ/4板および第2のλ/4板のいずれかを使用すればよい。
 まず、本発明における第1のλ/4板の一例について説明する。第1のλ/4板としては、その法線方向からの入射光に対する面内位相差(Δnd)が、下記式(I)を満たすフィルムがあげられる。
Δnd(450nm)/Δnd(550nm)≦1.02  ・・・(I)
 前記式(I)において、Δndは(nx-ny)・dで表され、nxおよびnyは、それぞれ前記λ/4板におけるX軸方向およびY軸方向の屈折率を示し、前記X軸方向とは、前記λ/4板の面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸方向は、前記面内において前記X軸に対して垂直な軸方向であり、dはλ/4板の厚みを示し、Δnd(450nm)は波長450nmの面内位相差、Δnd(550nm)は波長550nmの面内位相差を示す。
 前記λ/4板として、「Δnd(450nm)/Δnd(550nm)>1.02」という波長分散特性を有する従来のポリマーフィルムを使用した場合、その位相差が変動することによって、広帯域における直線偏光化を行うことができず、その結果、前記λ/4板を含む輝度向上フィルムの特性への影響が大きいと言う問題があった。特に、このようなポリマーフィルムの場合、位相差が大きいものになるに従って、例えば、波長400〜500nm(青色)の光が透過しなくなり、または、波長600nm以上の光が透過するようになる。このため、位相差の変動に伴う透過光の変化が大きくなるのである。しかし、本発明のように、前記式(I)に示す「Δnd(450nm)/Δnd(550nm)≦1.02」であるフィルムをλ/4板として使用すれば、位相差は変化しても、広帯域において直線偏光化機能を維持することができる。つまり、位相差が変化しても、例えば、全波長域における透過率が変化しないため、透過光の変化(色変化)を抑制できるのである。その結果、例えば、偏光板に寸法変化が生じても、前記λ/4板を含む輝度向上フィルムの特性に対する影響は低減されるため、例えば、前述のような加熱時の問題(例えば、色度のバラツキ)が抑制されるのである。
 前記λ/4板は、その波長分散特性が、逆分散性であることが好ましい。前記波長分散特性とは、波長と位相差との関係を示す特性であり、通常の波長分散特性とは、波長が大きくなるにしたがって、位相差が減少する傾向を示す特性をいい、逆波長分散特性とは、波長が大きくなるにしたがって、位相差が増加する傾向を示す特性をいう。
 前記Δnd(450nm)/Δnd(550nm)の範囲は、1.02以下であれば特に制限されないが、例えば、1.01以下であり、好ましくは1.01〜0.80の範囲、より好ましくは1.00〜0.80の範囲である。なお、Δnd(450nm)/Δnd(550nm)が1.02を超えると、例えば、広帯域における直線偏光化を行うことができず、すなわちλ/4板の機能が維持できないという問題がある。
 また、斜め方向視認時では、λ/4板の位相差の発現が大きくなり、その波長分散特性の影響も大きくなるため、以下に示す範囲であることが好ましい。すなわち、前記式(I)を満たすλ/4板は、その法線から45°傾斜した方向からの入射光に対する面内位相差(Δnd')が、下記式(II)を満たすことがより好ましく、さらに好ましくは、1.02以下であり、特に好ましくは1.02〜0.80の範囲である。
Δnd'(450nm)/Δnd'(550nm)≦1.04  ・・・(II)
 前記式(II)において、Δnd'は(nx'−ny')・dで表され、nx'およびny'は、それぞれ前記1/4波長板における法線方向(Z'軸方向)から45°傾斜した方向からの入射光に対するX'軸方向およびY'軸方向の屈折率を示し、前記X’軸方向とは、前記Z'軸方向から45°傾斜した入射光の入射方向に垂直な前記1/4波長板面内の軸方向であり、前記Y’軸方向とは、前記入射方向および前記X'軸方向に垂直な方向であり、dは1/4波長板の厚みを示し、Δnd'(450nm)は波長450nmの面内位相差、Δnd'(550nm)は波長550nmの面内位相差を示す。
 前記第1のλ/4板としては、前記式(I)を満たすもの、前記式(II)を満たすもの、または前記式(I)および式(II)を満たすものを使用すること自体が特徴であって、前記各式を満たすλ/4板は、当業者であれば、出願時における技術常識に基づけば、過度の実験を行うことなく調製することができる。また、前述のような条件を満たす限り、その構造は、単層体であってもよいし、二層以上の積層体であってもよい。
 前記第1のλ/4板としては、例えば、前記式(I)を満たすものであれば、その形成材料は特に制限されないが、具体例としては、ノルボルネン系、シクロオレフィン系、セルロース系、ポリカーボネート系等をはじめとする、位相差フィルムに使用できる全てのポリマーや、これらの変性ポリマー等が使用できる。中でも、変性ポリカーボネート系、ノルボルネン系、シクロオレフィン系、セルロース系ポリマーが好ましく、より好ましくは変性ポリカーボネート系ポリマーである。また、後述する第2のλ/4板で記載する、光弾性係数が40×10-122/N以下の透明ポリマーも使用できる。これらのポリマーは一種類でもよいし、二種類以上を混合して使用してもよい。
 前記式(I)を満たすポリマーは、従来公知の方法によって製造してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、商品名Arton(JSR社製)、商品名WRF(帝人社製;WO 00/26705参照)、商品名セ゛オノア(日本セ゛オン社製)等があげられる。
 前記第1のλ/4板は、例えば、前記各種ポリマーを従来公知の方法でフィルム成形することによって得られ、前記式(I)に示す特性は、例えば、使用する樹脂によって設定できる。具体的には、前述のようなポリマーによってフィルムを形成し、前記フィルムに、一軸延伸や二軸延伸等の延伸処理等を施すことによってλ/4板を製造できる。なお、得られた延伸フィルム(λ/4板)の位相差(面内位相差、厚み方向位相差)は、例えば、フィルムの材質や、延伸前のフィルムの厚み、延伸倍率や延伸温度等の延伸条件を適宜設定することによって制御できる。なお、この位相差の制御は、従来公知の方法で行うことができる。前記λ/4板の光学特性としては、面内位相差が発生すれば、特に制限されないが、例えば、「nx>ny=nz」を示すものが好ましく、下記式で表される面内位相差(Δnd)は90〜170nmであることが好ましく、より好ましくは100〜150nmである。また、下記式で表される厚み方向位相差(Rth)は、90〜170nmであることが好ましく、より好ましくは100〜150nmである。なお、下記式において、nx、ny、nzは、λ/4板におけるX軸、Y軸およびZ軸方向の屈折率を示し、前記X軸方向とは、前記λ/4板の面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸方向は、前記面内において前記X軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸方向は、前記X軸およびY軸に垂直な厚み方向を示し、dは、前記λ/4板の厚みを示す。この場合の屈折率は、通常、波長590nmにおける値を示す。
Δnd=(nx-ny)・d
Rth=[{(nx-ny)/2}−nz]・d
 前記第1のλ/4板は、前述のように積層体でもよく、例えば、2層以上のポリマーフィルムを積層することによっても製造できる。積層によって、前記第1のλ/4板を逆波長分散特性とし、かつ、前記式(I)を満たすように設定することは、従来公知の方法によって行うことができる。この際、例えば、位相差が異なる位相差フィルムを2層以上積層させてもよい。具体例としては、以下のようなポリマーフィルムの組み合わせがあげられる。
 また、積層体である前記第1のλ/4板としては、例えば、下記式(III)を満たす位相差フィルムと、下記式(IV)を満たす液晶層との組み合わせがあげられる。これらを組み合わせることによっても、前記式(I)、さらには式(II)に示す逆波長分散特性を有するλ/4板を調製できる。
nxr>nyr=nzr     ・・・(III)
nzc>nxc≧nyc     ・・・(IV)
 前記式(III)および(IV)において、「nxr、nyr、nzr」および「nxc、nyc、nzc」は、それぞれ前記位相差フィルムまたは前記液晶層におけるX軸、Y軸およびZ軸方向の屈折率を示し、前記X軸方向とは、前記位相差フィルムまたは前記液晶層の面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸方向は、前記面内において前記X軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸方向は、前記X軸およびY軸に垂直な厚み方向を示す。
 前記式(III)を満たす位相差フィルムは、例えば、主として円偏光を直線偏光に変換するフィルムとして、前記式(IV)を満たす液晶層は、例えば、斜め方向視認時における前記円偏光分離層の色付きを補償するための液晶層として使用できる。なお、前記式(IV)を満たす液晶層に代えて、前記式(IV)を満たすものであれば、ポリマー製フィルムを使用することもできるが、厚みが薄いことから前記液晶層が好ましい。
 前記式(III)を満たす位相差フィルムは、前述と同様にポリマーフィルムに延伸処理等を施すことによって製造でき、その光学特性も、従来公知の方法によって同様に制御できる。前記ポリマーフィルムの材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、PVA、TAC等の酢酸セルロース系ポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、液晶ポリマー等が使用できる。また、この他にも、前述のような光弾性係数を示すポリマーも使用できる。これらのポリマーは、一種類でもよいし、二種類以上を併用してもよい。
 一方、前記式(IV)を満たす液晶層も、従来公知の方法によって調製できる。また、その形成材料も、特に制限されず、公知の液晶材料が使用できるが、例えばネマチック液晶、特にネマチック液晶性ポリマー等が使用できる。前記ネマチック液晶性ポリマーとしては、特に制限されず、従来公知のポリマーが使用できるが、例えば、特開2002−174724号公報に記載されたもの等が使用できる。
 前記式(IV)に示す前記液晶層の光学特性は、従来公知の方法、例えば、配向の形式等によって制御できる。具体例としては、前記式(IV)において、特に「nzc>nxc≒nyc」示す液晶層としては、例えば、液晶を垂直配向させた膜等があげられ、一方、「nzc>nxc>nyc」を示す液晶層としては、例えば、傾斜配向させた膜等があげられ、例えば、商品名NHフィルム(新日本石油社製)等の市販品も使用できる。
 このように前記位相差フィルムと液晶層とから形成される第1のλ/4板は、例えば、両者を張り合わせる等、従来公知の方法によって製造できる。前記液晶層は、例えば、配向基材に前記ネマチック性液晶ポリマーを塗工して、形成した塗工膜を固化することによって製造できる。
 このように第1のλ/4板が位相差フィルムと液晶層とから構成される場合、前記位相差フィルムの厚みは、例えば、10〜200μmの範囲であり、好ましくは10〜120μm、より好ましくは10〜100μmである。一方、前記液晶層の厚みは、例えば、0.1〜20μmの範囲であり、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは1〜5μmである。
 つぎに、本発明の第2のλ/4板について説明する。前記第2のλ/4板としては、光弾性係数40×10-122/N以下のポリマーを含むフィルムがあげられる。前記光弾性係数は、前述と同様に、好ましくは20×10-122/N以下、より好ましくは2×10-12〜15×10-122/N以下である。このような光弾性係数を示すポリマー製のλ/4板を使用した輝度向上フィルムであれば、例えば、加熱によって偏光板に寸法変化が生じても、位相差が変動し難く、λ/4板の機能が維持できるため、前述のような問題(例えば、色度のバラツキ)が抑制されるのである。
 前記光弾性係数は、下記式で表され、下記式においてCは光弾性係数、Δnは複屈折率、σは応力を示す。なお、複屈折率Δnは、「nx−ny」で表され、nxおよびnyは、ポリマーフィルムにおけるX軸方向およびY軸方向の屈折率をそれぞれ示し、前記X軸方向とは、前記フィルムの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸方向は、前記面内において前記X軸に対して垂直な軸方軸方向である。なお、光弾性係数は、それぞれの樹脂に固有の係数である。
C=Δn/σ
 前記ポリマーとしては、前記光弾性係数が40×10-122/N以下であればその種類は制限されないが、例えば、透明性に優れ、80%以上の光透過率を示し、さらに均一な位相差が得られるものが好ましい。このようなポリマーとしては、例えば、ポリカーボネート系、ポリスルホン系、ポリアリレート系、ポリエーテルスルホン系、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリメチルメタクリレート系、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリスチレン系、PVA、TAC等の酢酸セルロース系ポリマー、ポリエチレンテレフタレート系、ポリアミド系、ノルボルネン系、シクロオレフィン系、さらにこれらの変性ポリマー等があげられる。具体的には、前述と同様に、商品名Arton(JSR社製)、商品名WRF(帝人社製;WO 00/26705参照)、商品名セ゛オノア(日本セ゛オン社製)等の市販品を使用することもできる。また、これら以外にも液晶ポリマーが使用でき、例えば、前述のようなネマチック液晶ポリマー、コレステリック液晶ポリマーがあげられる。これらのポリマーは、一種でもよいし、二種類以上を併用してもよい。
 この第2のλ/4板は、前記光弾性係数を示すポリマーを使用する以外、その製造方法は制限されず、前記第1のλ/4板と同様に、前記ポリマーを従来公知の方法によってフィルム化し、例えば、延伸処理を施すことによって製造できる。また、前記液晶ポリマーを使用する場合も、従来公知の製造方法が採用でき、例えば、配向膜上に液晶ポリマーを塗工することによって、延伸処理を行うことなくλ/4板を製造できる。
 その光学特性は、λ/4板として使用できれば特に制限されないが、例えば、「nx>nz≧ny」を満たすことが好ましい。なお、λ/4板の光学特性は、従来公知の方法、すなわち、前述と同様にフィルムの厚み、延伸処理、延伸条件等を適宜設定することによって調整でき、その面内位相差(Δnd)は、例えば、前記第1のλ/4板と同様であることが好ましい。前記式において、「nx、ny、nz」は、前記第2のλ/4板(位相差フィルム)におけるX軸、Y軸およびZ軸方向の屈折率を示し、前記X軸方向とは、前記位相差フィルムの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸方向は、前記面内において前記X軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸方向は、前記X軸およびY軸に垂直な厚み方向を示す。
 以上に例示したような各種λ/4板の厚みは、特に制限されないが、例えば、前記λ/4板が単層の場合、例えば、10〜500μmの範囲であり、好ましくは20〜200μm、より好ましくは20〜100μmである。また、前記λ/4板が積層体の場合は、その全体厚みが、例えば、10〜500μmの範囲であり、好ましくは20〜250μm、より好ましくは20〜120μmである。
 また、前記ネマチック液晶ポリマー等の液晶ポリマーを使用したλ/4板の場合、その厚みは、例えば、0.1〜20μmであり、好ましくは1〜10μmであり、より好ましくは1〜5μmである。
 つぎに、以上のようなλ/4板と組み合わせて輝度向上フィルムを形成するための前記円偏光分離層の一例について説明する。
 前記円偏光分離層としては、円偏光二色性を示すものであれば特に制限されないが、例えば、その構成分子がコレステリック構造をとるコレステリック層であることが好ましい。本発明において、前記コレステリック層とは、構成分子の配列がらせん構造をとり、前記構成分子のらせん軸が面方向にほぼ垂直に配向している、いわゆるプレーナ分子配列またはグランジャン配列と呼ばれる擬似層構造を有する層ということもできる。また、「構成分子がコレステリック構造をとっている」とは、例えば、液晶性材料が、コレステリック液晶相の状態で固定されている場合には限定されず、液晶相では無いが、非液晶化合物が、前記コレステリック液晶相のようにねじれた状態で配向したものも含む。例えば、重合性を付与した液晶性モノマーをコレステリック配向させた後、配向状態を維持したまま高分子化することによって、非液晶性であるが、コレステリック配向が固定化されたもの等である。したがって、前記構成分子がコレステリック配向をとっていれば、前記コレステリック層は、液晶層であっても非液晶層であってもよい。
 前記円偏光分離層の形成材料としては、特に制限されず、従来公知の材料が使用できるが、中でも、層を形成する際に、重畳効率に優れ、薄膜化も容易であることから液晶性材料が好ましく、特に、視角変化に対する光学特性の変化が小さいという、広視野角化に優れる層を形成できること等から、コレステリック液晶が好ましい。
 前記液晶性材料の液晶性は、リオトロピック性、サーモトロピック性のいずれでもよいが、例えば、制御の簡便性や、モノドメインの形成し易さの点から、サーモトロピック性が好ましい。また、以下に示す各種液晶性材料の製造法も特に限定されず、従来公知の方法が適用できる。
 前記液晶性材料としては、例えば、選択反射の波長域を広くできることから、複屈折の大きいものが好ましい。また、前記円偏光分離層を形成するには、後述するように、前記液晶性材料を、液晶相を示す温度で配向させ、さらに、ガラス状態となる温度条件下で前記配向を固定させるため、前記材料のガラス転移温度は、30〜150℃の材料であることが好ましく、より好ましくは50〜130℃、特に好ましくは70〜120℃である。
 前記液晶性材料としては、例えば、液晶ポリマーがあげられ、中でもコレステリック液晶ポリマー、ネマチック液晶ポリマーとカイラル剤との混合物が好ましい。このような液晶ポリマーとしては、特に限定されず適宜選択できるが、例えば、ポリエステル等を主鎖とする液晶ポリマー;アクリル主鎖、メタクリル主鎖、シロキサン主鎖等からなる側鎖型液晶ポリマー;低分子カイラル剤を含有するネマチック系液晶ポリマー、カイラル成分を含む液晶ポリマー;ネマチック系液晶ポリマーとコレステリック系液晶ポリマーの混合液晶ポリマー;これらの混合物等があげられ、具体例としては、例えば、特開平08−239496号公報等に開示されているものが使用できる。また、ネマチック液晶ポリマーとしては、例えば、前述のようなものが使用できる。
 また、前記液晶性材料としては、前記液晶ポリマーの他に、コレステリック性の低分子液晶(液晶モノマー)も使用できる。また、ネマチック液晶モノマーまたは重合性メソゲン化合物等を、カイラル剤と共に使用することもできる。前記ネマチック液晶モノマーとしては、例えば、特開平08−239496号公報等に開示されているモノマーが使用できる。前記重合性メソゲン化合物としては、特に制限されないが、例えば、WO93/22397、EP0261712、DE19504224、DE4408171、GB2280445等があげられ、具体例としては、例えば、商品名LC242(BASF社製)、商品名E7(Merck社製)、およびLC−Silicone−CC3767(Wacker−Chem社製)等がある。前記カイラル剤も特に限定されないが、例えばWO98/00428に記載の方法で合成でき、具体例としては、例えば、商品名S101、商品名R811、商品名CB15(Merck社製)等の非重合性カイラル化合物や、商品名LC756(BASF社)等のカイラル剤がある。
 前記円偏光分離層の製造方法は特に制限されず、従来公知の方法に従って製造できるが、具体例としては以下のような方法があげられる。
 形成材料として前記コレステリック液晶ポリマーを使用する場合には、例えば、配向基板上に前記液晶ポリマーを展開することによって液晶層を形成し、前記液晶層の液晶ポリマーを配向させ、さらにその配向状態を固定させればよい。
 前記配向基板としては、例えば、TACやアモルファスポリオレフィン等の複屈折位相差がなるべく小さな基材上に、ポリイミド、PVA、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、エポキシ樹脂等の膜を形成し、前記膜の表面をレーヨン布等でラビング処理して配向膜としたものや、同様の基材上にSiO2の斜方蒸着層等を形成して配向膜としたものがあげられる。この他にも、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のフィルムを延伸して液晶配向能を付与した基材、その延伸基材表面をさらにベンガラ等の微細な研磨剤やラビング布で処理して微細な配向規制力を有する微細な凹凸を形成した基材、前記延伸基材上にアゾベンゼン化合物のように光照射によって液晶規制力を発生する配向膜を形成した基材等も挙げられる。
 前記ポリマーは、例えば、加熱溶融した状態で前記配向基板に展開してもよいし、溶剤に溶解または分散させたポリマー液として展開してもよい。前記溶剤は特に限定されないが、例えば、塩化メチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン等の塩素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、トルエン等の芳香族溶媒、シクロヘプタン等の環状アルカン、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒、およびテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒等が挙げられ、これらは単独で用いても二種類以上併用しても良い。また、その展開方法も制限されず、例えば、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等、従来公知の方法が採用できる。なお、展開に際しては、必要に応じ配向膜を介したコレステリック液晶層を貼り付ける重畳方式等も採ることができる。
 前記液晶ポリマーの配向を固定する方法は、特に制限されず、例えば、液晶ポリマーの種類等に応じて適宜選択できる。前記液晶ポリマーがガラス性の液晶である場合は、例えば、まず、形成した液晶層(layer)を、ガラス転移温度以上、等方相転移温度未満に加熱することによって、コレステリック配向(プレーナ(planar)配向)させ、さらにガラス転移温度未満に冷却してガラス状態とし、前記配向状態を固定化すればよい。また、液晶ポリマーの種類によっては、配向させた後、紫外線やイオンビーム等のエネルギー照射により、前記配向状態を固定しても良い。
 一方、形成材料として前記液晶モノマーを使用する場合には、前記液晶ポリマーと同様にして液晶層をコレステリック配向させた後、紫外線照射や加熱により前記モノマーを重合させ、前記配向状態を固定化させてもよい。具体的に、前述のような液晶モノマー(または重合性メソゲン化合物)とカイラル剤とを使用する場合には、これらを反応させることによってコレステリック配向させ、その後、前記液晶モノマー(または重合性メソゲン化合物)と前記カイラル剤とを重合させることによって、前記配向を固定できる。このように液晶モノマーを使用する場合、これらが重合したポリマーは非液晶性となるが、その構成分子が、前述のようにコレステリック構造をとるため、円偏光分離機能を示す。
 なお、前記配向基板上に形成した円偏光分離層は、例えば、前記基板から剥離して使用することができる。また、前記円偏光分離層と前記基材との積層体を、別の基材上に粘着剤等を介して接着し、前記積層体の基材を剥離することによって、前記別の基材に前記円偏光分離層を転写させてもよい。また、例えば、基材が透明基材であって、その複屈折が小さい場合には、前記円偏光分離層と前記配向基板とを積層した状態で、そのまま使用してもよい。この場合、前記基材は表面保護フィルムを兼ねることもできる。また、前記円偏光分離層と基材とを含む積層体として使用する場合には、例えば、円偏光分離層の強度に応じて、1層または2層以上の支持体で保持してもよい。2層以上の支持体を用いる場合には、例えば、偏光状態の変化を防止する点等から、無配向フィルムが使用でき、また、配向フィルムの場合は、複屈折率の小さいTACフィルムのように、位相差が出来るだけ小さいものが好ましい。
 前記円偏光分離層を形成する際には、前記液晶材料等の形成材料に、例えば、安定剤、可塑剤、金属類等の種々の添加剤を適宜配合してもよい。
 前記円偏光分離層の厚みは、例えば、液晶性材料の配向の乱れや透過率低下の防止、選択反射性(円偏光二色性を示す波長範囲)等の点から、例えば、0.5〜100μmであり、好ましくは1〜70μm、特に好ましくは1〜50μmである。また、この円偏光分離層は、単層でもよいし、例えば、二層以上の積層体であってもよい。
 本発明における輝度向上フィルムは、例えば、前述のような第1および第2のλ/4板のいずれかと、前記円偏光分離層とを積層することによって製造できる。これらの積層方法は、特に制限されず、例えば、粘着剤や接着剤等の接着層によって一体化できる。なお、粘着剤や接着剤は特に制限されず、後述するもの等が使用できる。
 このようにして製造された本発明における輝度向上フィルムは、前記円偏光分離層によって所定の円偏光を垂直透過させ、透過した円偏光を前記λ/4板によって直線偏光に変化させる。このため、後述する偏光板と組み合わせて使用する際に、前記輝度向上フィルムを透過した偏光が、前記偏光板において吸収されることが抑制できる。さらに、所定の光を、前記円偏光分離層を斜めに透過させて、楕円偏光化し、これによって色変化を生じた光の位相を補償して色変化を低減し、偏光板を介した視認を色付きの少ない中間色とすることができる。
 つぎに、本発明の光学フィルムにおける偏光板について説明する。前記偏光板としては、吸収偏光板、特に吸収二色性を示す偏光フィルム(吸収二色性偏光フィルム)が好ましい。さらに前記フィルムの少なくとも一方の面に透明保護層が配置された積層体も使用できる。この吸収二色性偏光板の全体厚みは、通常、90〜200μmである。
 前記吸収二色性偏光フィルムは、特に制限されず、従来公知のものが使用でき、例えば、ポリマーフィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて、さらに架橋、延伸、乾燥することによって調製できる。この中でも、光透過率や偏光度に優れるものが好ましい。前記二色性物質を吸着させるポリマーフィルムとしては、例えば、PVA系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム、セルロース系フィルム等の親水性高分子フィルム等があげられ、これらの他にも、例えば、PVAの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン配向フィルム等も使用できる。これらの中でも、好ましくはPVA系フィルムである。また、前記偏光フィルムの厚みは、通常、1〜80μmの範囲であるが、これには限定されない。
 前記透明保護層としては、特に制限されず、従来公知の透明保護フィルムを使用できるが、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れるものが好ましい。このような透明保護層の材質の具体例としては、トリアセチルセルロール等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリノルボルネン系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等があげられる。また、前記アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等もあげられる。これらは一種類でもよいし、二種類以上を組み合わせて使用することもできる。この中でも、偏光特性や耐久性の点から、表面をアルカリ等でケン化処理したTACフィルムが好ましい。
また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このポリマー材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有す熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物があげられる。なお、前記ポリマーフィルムは、例えば、前記樹脂組成物の押出成形物であってもよい。
 また、前記透明保護層は、例えば、色付きが無いことが好ましい。具体的には、下記式で表される厚み方向の位相差(Rth)が、−90nm〜+75nmの範囲であることが好ましく、より好ましくは−80nm〜+60nmであり、特に好ましくは−70nm〜+45nmの範囲である。前記位相差値(Rth)が−90nm〜+75nmの範囲であれば、十分に保護フィルムに起因する偏光板の着色(光学的な着色)を解消できる。なお、下記式において、nx,ny,nzは、前述と同様にX軸、Y軸、Z軸における屈折率であり、dはその膜厚を示す。
Rth=[[(nx+ny)/2]-nz]・d
前記透明保護層に、さらに透明微粒子を含有させて微細凹凸構造を付与したもの等も使用できる。前記透明微粒子としては、例えば平均粒径が0.5〜5μmのシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等の無機系微粒子があげられ、これらは導電性であっても良く、さらに、架橋または未架橋ポリマー等の有機系微粒子等も使用できる。また、前記透明保護層は、例えば、ハードコート処理、反射防止処理、アンチグレア処理等が施されてもよい。なお、前記透明保護層は、吸収二色性偏光フィルムの両面に配置する場合、それぞれ同じフィルムでもよいし、異なるフィルムであってもよい。
 前記透明保護層の厚みは、特に制限されないが、通常、500μm以下であり、好ましくは5〜300μm、より好ましくは5〜150μmの範囲である
 そして、本発明の光学フィルムは、前記偏光板と、前記輝度向上フィルムとを積層することによって製造できる。前記両者の積層方法は、特に制限されず、例えば、前述のような粘着剤や接着剤等の接着層を介して接着すればよい。本発明の光学フィルムは、前述のλ/4板を使用することにより、例えば、構成材料である偏光板が加熱により収縮しても、λ/4板の機能を維持し、ひいては輝度向上フィルムの機能を維持できるため、色度や輝度のバラツキ等を防止できる。すなわち、前記輝度向上フィルムのλ/4板において円偏光を直線偏光化し、偏光状態を全波長でそろえることによって、色変化の少ない状態で、前記偏光板に光を供給できるのである。
 前記偏光板と前記輝度向上フィルムとを積層する際、前記偏光板の偏光軸と、λ/4板の面内遅相軸(X軸)または面内進相軸(Y軸)との角度は、例えば、前記λ/4板の位相差特性や、前記λ/4板に入射する円偏光の特性等に応じて適宜決定できる。具体例としては、光の利用効率を向上する点から、前記λ/4板によって直線偏光化された光の偏光方向と、前記偏光板の透過軸とが、出来るだけ平行になるように配置することが好ましい。
 本発明の光学フィルムは、実用に際して、さらに他の光学層が積層されてもよい。前記他の光学層としては、特に制限されないが、例えば反射板、半透過反射板、位相差板、視角補償フィルム等、液晶表示装置等の形成に使用される従来公知のものがあげられる。これらの光学層は、単層でもよいし、2層以上を積層してもよい。
 本発明において、各構成物の積層方法は特に制限されないが、従来公知の接着剤や粘着剤等が使用でき、その種類は、例えば、前記各構成物の材質等によって適宜決定できる。前記粘着剤としては、例えば、アクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、合成ゴム等のポリマー製材料等のように、応力緩和性に優れる透明な粘着剤があげられ、中でも、光学的透明性、粘着特性、耐候性等の点からアクリル系粘着剤が好ましい。前記接着剤や粘着剤は、例えば、構成部材の表面に塗布して層を形成することによって、前記層を介して、構成部材同士を接着できる。前記層の厚みは、特に制限されず適宜決定できるが、例えば、一般的に、接着力や薄型化等の点より、例えば、1〜500μm、好ましくは2〜200μm、特に好ましくは5〜100μmである。なお、前記接着層には、必要に応じて、石油系樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、クマロンインデン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、アルキド系樹脂等の粘着付与剤、フタル酸エステル、リン酸エステル、塩化パラフィン、ポリブテン、ポリイソブチレン等の軟化剤、またはその他の各種充填剤や老化防止剤等、従来公知の添加剤を適宜配合してもよい。
 また、本発明の光学フィルムは、例えば、液晶セル等の他の部材への積層が容易になることから、さらに粘着剤層を有していることが好ましい。前記粘着剤層は、前記光学フィルムの片面または両面に配置できる。前記粘着剤層の材料としては、特に制限されず、アクリル系ポリマー等の従来公知の材料が使用できる。また、吸湿による発泡や剥離の防止、熱膨張差等による光学特性の低下や液晶セルの反り防止、さらに高品質で耐久性に優れる画像表示装置を形成する点等から、吸湿率が低く、耐熱性に優れる粘着剤層であることが好ましい。また、粘着剤に微粒子を含有させて、光拡散性を示す粘着剤層としてもよい。
 前記粘着剤層の表面が露出する場合には、前記粘着剤層の表面をライナーによってカバーすることが好ましい。このようにカバーすることによって、液晶セル等に実装するまでの間、前記粘着剤層の汚染を防止できるからである。前記ライナーは、前記透明保護フィルム等のような適当なフィルムに、必要に応じて、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離剤による剥離コートを設ける方法等によって形成できる。
 次に、本発明の光学フィルムの構成を例示するが、本発明はこれらには制限されない。図1〜図5は、本発明の光学フィルムの例を示す断面図であり、各図において同一箇所には同一符号を付している。
 図1に示す第1の光学フィルムは、偏光板1および輝度向上フィルム2を有し、輝度向上フィルム2はλ/4板20と円偏光分離層30とが接着層4を介して積層された積層体である。そして、偏光板1と輝度向上フィルム2とが、λ/4板20が偏光板1と対向するように、接着層4を介して積層されている。
 図2に示す第2の光学フィルムは、円偏光分離層30の外側に、さらに保護フィルム5が配置されている以外は、前記第1の光学フィルムと同じ構成である。この保護フィルム5は、例えば、円偏光分離層30(例えば、コレステリック液晶層)を形成する際の透明配向基板をそのまま使用し、表面保護の役割を兼ねてもよいし、新たに接着剤層を介して保護フィルムを配置してもよい。
 図3に示す第3の光学フィルムは、以下の点を除く他、前記第2の光学フィルムと同様の構成である。すなわち、λ/4板20は、式(III)を満たす位相差フィルム(λ/4フィルム)21と式(IV)を満たす液晶層22との積層体であり、λ/4板20の液晶層22が円偏光分離層30と対向するように接着層4を介して積層され、輝度向上フィルム2を構成している。そして、輝度向上フィルム2が、接着層4を介して偏光板1に積層されている。この際、輝度向上フィルムは、その位相差フィルム21が対向するように偏光板1に積層される。また、円偏光分離層30の他方の面には、表面保護フィルム5が積層されている。
 また、図4に示すように、第4の光学フィルムは、前記第3の光学フィルムにおけるλ/4板20の配置を逆にした構成である。すなわち、λ/4板20の位相差フィルム21が、偏光板1ではなく、円偏光分離層30と対向するように接着層4を介して積層され、λ/4板20の液晶層22が偏光板1と対向するよう接着層4を介して積層されている。
 なお、図示していないが、これらの光学フィルムは、例えば、偏光板1の一方の露出した表面に、他の光学部材と積層するための粘着剤層が形成されていることが好ましい。
 本発明の光学フィルムは、液晶表示装置やELディスプレイ等の各種画像表示装置に使用することができ、本発明の光学フィルムを使用する以外は、その使用方法や配置は、従来の画像表示装置と同様である。
 本発明の光学フィルムを液晶表示装置に配置する一例を示す。図5は、液晶表示装置における、バックライトユニットと、液晶ユニットのバックライト側偏光板との配置を示す断面図であり、光学フィルムとして図1に示す第1の光学フィルムを使用している。図示のように、導光板6は、側面に光源7が配置され、一方の表面には反射板8が配置されている。そして、導光板6の他方の面(視認側)に、輝度向上フィルム2の円偏光分離層30が対向するように、第1の光学フィルムが配置されている。なお、前記第1の光学フィルムの他方の面、すなわち偏光板1側は、液晶セルの視認側とは反対の面に配置される。
 このように本発明の光学フィルムを配置した液晶表示装置によれば、まず、光源7で発生させ、導光板6の表面から出射した光は、導光板6の表面側に配置した円偏光分離層30において、垂直偏光成分と水平偏光成分とに分離される。具体的には、この分離機能によって、円偏光分離層30は、所定の円偏光を透過し、その他の円偏光を反射するのである。円偏光分離層30を透過した光は、円偏光分離層30に積層されたλ/4板20を介して直線偏光に変換され、さらに積層された偏光板1に入射する。この変換光は、直線偏光方向が、偏光板1の透過軸と合致すれば、ほとんど吸収されることなく偏光板1を透過する。一方、円偏光分離層30において反射された光は、導光板6に再入射し、さらに導光板6の裏面に配置された反射板8によって反射され、戻り光となって、再度円偏光分離層30に入射する。この反射板8における反射の際、光の偏光状態が変化するため、前記戻り光は、偏光が解消され自然光となり、円偏光分離層30においてさらに分離されるのである。このように円偏光分離層、導光板、反射板などにおいて、分離、反射、偏光を繰り返すため、本来なら、偏光板において吸収されることにより損失する光が再利用される。このため、光の利用効率が向上し、輝度も向上するのである。
 なお、この例において、前記導光板としては、前述のように裏に反射板が配置され、導光板内を伝送する光を、拡散、反射、回折、干渉等によって、前記導光板の表面側から出射し、かつ、光を吸収せずに効率的に出射するものが好ましい。また、前記光源としては、特に制限されず、例えば、冷陰極線管、熱陰極線管などの線状光源や、発光ダイオード等があげられる。なお、バックライトとしては、前記サイドライト型導光板には限定されず、適宜選択できる。
 一方の面から光を出射する導光板としては、特に制限されず、従来公知のものが使用できるが、例えば、透明または半透明の樹脂プレートの光出射面または裏面に、ドット状、ストライプ状に拡散体を配置したものや、前記裏面に凹凸構造を設けたものが使用できる。
 前記導光板は、それ自体で、円偏光分離層に反射された光の偏光状態を変換する機能を有するが、優れた効率で反射ロスを防止できることから、前述のようにその裏面に反射板を配置することが好ましい。前記反射板としては、前記反射光の変換機能に優れることから、例えば、拡散反射板や鏡面反射板等が好ましい。前記拡散反射板は、一般に、凹凸面を有しており、その拡散特性に基づいて、混在する偏光の偏光状態を解消することができる。また、前記鏡面反射板は、例えば、その表面に、アルミニウムや銀等の蒸着膜、金属箔等の金属面を有しており、円偏光を反射してその偏光状態を反転させることができる。
 λ/4板と円偏光分離層との積層体である輝度向上フィルムと反射板との間、具体的には、輝度向上フィルムと導光板との間には、さらに拡散板を配置してもよい。輝度向上フィルムによって反射した偏光は、前述のように導光板裏側の反射板に向かうが、輝度向上フィルムと反射板との間に配置された拡散板によって、前記偏光は均一に拡散すると共に、偏光状態が解消され、非偏光状態の光となる。すなわち、元の自然光状態に戻るのである。そして、この非偏光状態(自然光状態)の光が反射板で反射され、戻り光が前記拡散板を再び通過して輝度向上フィルムに再入射することが繰り返される。このように、偏光を自然光状態に戻す拡散板の配置によって、表示画面の明るさを維持しつつ、同時に明るさのむらを軽減できるため、さらに明るさが均一の表示画面を提供できる。これは、拡散板の配置によって、初回の入射光について、反射の繰り返し回数が適度に増加し、前記拡散板の拡散機能と相俟って、明るさが均一な表示になるからであると考えられる。
 また、円偏光分離層を反射した反射光は、前記円偏光分離層と前記反射板との間に閉じ込められ、前記両者の間で反射を繰り返す内に、その偏光状態が変換され、円偏光分離層を透過しうる状態となる。そして、入射光の初期透過光と共に偏光板に出射されるため、反射ロスによる光の未利用が低減できる。
 前記導光板は、前述のような拡散板の他に、例えば、光の出射方向を制御するプリズムシート、プリズムアレイシート、レンズアレイシート、漏れ光を戻すための反射手段、光源からの出射光を導光板側面に導くための光源ホルダ等の補助手段を、必要に応じて適宜組み合わせて配置することができる。なお、前記導光板の表面側(光出射側)に配置した拡散板やプリズムシート、導光板に形成したドット等は、拡散効果等で反射光の位相を変化させる偏光変換手段として機能しうる。
 本発明の光学フィルムの大きさは、特に制限されず、表示画面の大きさに応じて適宜決定できる。しかし、本発明の光学フィルムは、前述のように輝度や色度のバラツキ等を抑制できるため、例えば、大画面の画像表示装置に装着した際に、その効果が特に顕著に現れる。このため、光学フィルムの大きさは特に制限されず、例えば、対角の長さが250mm以上であることが好ましく、より好ましくは350mm以上の範囲である。なお、上限は特に制限されない。
 つぎに、本発明の液晶表示装置は、前記本発明の光学フィルムを、液晶セルの少なくとも一方の面に配置したことを特徴とする。なお、本発明の液晶表示装置は、前記本発明の光学フィルムを使用する以外は、例えば、従来公知の液晶表示装置と同様の構成、配置が適用でき、特に制限されない。
 前記液晶表示装置における本発明の光学フィルムの配置箇所は、前述のような効果を奏することから、液晶セルの背面側(バックライト側)に配置することが好ましい。また、前記光学フィルムの向きも、例えば、従来公知の装置と同様に設定することができるが、例えば、図5に示すように、導光板側から、輝度向上フィルム、偏光板、液晶セルの順序で配置されることが好ましく、前記輝度向上フィルムは、円偏光分離層側が導光板に対向していることが好ましい。
 本発明において、各種光学部材(光学フィルム、導光板、反射板等)は、例えば、必要に応じて、接着剤または粘着剤を介して積層一体化できる。これらを積層一体化することは、それぞれの界面における反射ロスや各界面への異物等の侵入を抑制して、表示品位の低下を防止することや、光学部材がずれることによる補償効率や偏光変換効率の低下を防止すること等に有効である。前記接着剤や粘着剤としては、従来公知のものが使用できるが、中でも、例えば、応力緩和性に優れる感圧性粘着剤が好ましい。これは、例えば、光源等の熱によって光学フィルムに生じる応力を抑制して、光弾性変形により発生する屈折率変化を防止でき、このため、明るくて視認性や表示品位の信頼性に優れる液晶表示装置の形成に寄与するからである。なお、前記接着剤や粘着剤、またこれらの厚みは、特に制限されず、例えば、前述と同様である。
 本発明においては、前記本発明の光学フィルムやこれを構成する各種部材(偏光板、円偏光分離層、λ/4層等)、導光板、接着層、その他の部材を、例えば、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理し、紫外線吸収能を付与してもよい。
本発明の光学フィルムは、前述のように、液晶セルの片面に配置して、例えば、反射型や半透過型、あるいは透過・反射両用型等の液晶表示装置に適用することができる。
 液晶表示装置を形成する前記液晶セルの種類は、特に制限されず、例えば、薄膜トランジスタ(TFT)型に代表されるアクティブマトリクス駆動型のもの、TN(ツイストネマチック)型やSTN(スーパーツイストネマチック)型に代表される単純マトリクス駆動型のもの等、種々のタイプの液晶セルが使用できる。また、非ツイスト系の液晶や二色性物質を液晶中に分散させたゲストホスト系の液晶、あるいは強誘電性液晶を用いたセルも使用できる。本発明の光学フィルムは、これらの中でも、表示方式が、TN型、STN型、OCB(Optically Aligned Birefringence)型である液晶セルへの使用が好ましい。また、VA(垂直配向;Vertical Aligned)型等であっても、液晶の配向がモノドメイン配向である場合には、本発明の光学フィルムを、このような液晶セルにも適用することもできる。
本発明の液晶表示装置においては、視認側の偏光板の上に、例えば、さらに光拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護層や保護板等を、一層以上配置してもよい。
 なお、本発明の光学フィルムは、前述のような液晶表示装置には限定されず、例えば、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ、PDP、プラズマディスプレイ(PD)およびFED(電界放出ディスプレイ:Field Emission Display)等の自発光型表示装置にも使用できる。これらの各種画像表示装置に本発明の光学フィルムを使用する際には、従来の偏光板と輝度向上フィルムとの積層体に代えて、本発明の光学フィルムを使用する以外は特に制限されず、従来公知の構成、配置が適用できる。
 以下、実施例および比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
 実施例1および比較例1
 (実施例1-1)
 まず、吸収二色性偏光フィルムとしてヨウ素を含有させたPVAフィルム(厚み30μm)を準備し、PVA系接着剤により、前記偏光フィルムの両面に透明保護フィルムとしてTACフィルム(厚み40μm)を貼り合わせることによって、全体厚み110μmの偏光板を作製した。
 つぎに、以下に示すようにして円偏光分離層とλ/4板を備える輝度向上フィルムを作製した。まず、下記式(1)に示すコレステリック液晶ポリマー(特開平08−239496号公報に基づいて製造)を30重量%となるようにシクロヘキサノンに混合して液晶ポリマー液を調製した。なお、式(1)においてnとmの比は、n:m=80:20であり、その分子量は約10,000である。そして、このポリマー液を厚み40μmの配向基材(TACフィルム)上に塗工し、その塗工膜を160℃で2分間乾燥することによって、前記基材上に厚み6μmのコレステリック液晶ポリマー層が積層された円偏光分離層(厚み50μm)を形成した。
Figure 2004070344
 一方、Δnd(450nm)/Δnd(550nm)=0.86を示す厚み90μmの変性ポリカーボネート透明フィルム(商品名WRF;帝人社製)をλ/4フィルムとした。なお、λ/4フィルムの屈折率は「nx>ny=nz」を示し、光弾性係数は、15.1×10-12(m2/N)であった。
 このλ/4フィルムに、さらに、下記式(2)に示すネマチック液晶ポリマー(特開平2002−174724号公報に基づいて製造)をシクロペンタノンに混合したネマチック液晶ポリマー液(30重量%)を塗工した。なお、式(2)においてnとmの比は、n:m=65:35であり、その分子量は約6,500である。この塗工膜を80℃で2分間乾燥し、さらにUV照射によって架橋し固化した。これによって、前記λ/4フィルムにネマチック液晶層が積層されたλ/4板を作製した。なお、前記ネマチック液晶層の屈折率は、「nz>nx≧ny」を示した。前記λ/4板のΔnd(450nm)/Δnd(550nm)は、0.86であった。
Figure 2004070344
 このλ/4板と、前記円偏光分離層とを、アクリル系粘着剤(日東電工社製)により積層して、厚み160μmの輝度向上フィルムを製造した。なお、前記両者の積層は、λ/4板のネマチック液晶層と、前記円偏光分離層のコレステリック液晶ポリマー層とが向き合うように行った。
 そして、前述の偏光板と前記輝度向上フィルムとを、厚み25μmのアクリル系粘着層を介して積層することによって、一体化された光学フィルム(厚み310μm)を製造した。なお、前記両者は、前記輝度向上フィルムのλ/4板が前記偏光板と接するように、かつ、前記偏光板の吸収軸と前記λ/4板の延伸軸とが45°で交わるように配置した。
 (実施例1−2)
 Δnd(450nm)/Δnd(550nm)=0.96を示す厚み100μmのジアセチルセルロースフィルム(日東電工社製)を一方向に1.4倍延伸し、これをλ/4フィルム(厚み80μm)とした。このλ/4フィルムを使用した以外は、前記実施例1−1と同様にして厚み300μmの光学フィルムを作製した。なお、作製したλ/4フィルムおよびλ/4板のΔnd(450nm)/Δnd(550nm)はそれぞれ0.96であり、λ/4フィルムの光弾性係数は、18.4×10-12(m2/N)であった。
 (実施例1−3)
 λ/4フィルムを調製するために、透明フィルムとして、Δnd(450nm)/Δnd(550nm)=1.01を示す厚み100μmのノルボルネン系ポリマーフィルム(商品名Arton;JSR社製)を使用し、これを一方向に1.4倍延伸したλ/4フィルム(厚み85μm)を調製した。そして、このλ/4フィルムにネマチック液晶層を積層せずにλ/4板として使用した以外は、前記実施例1−1と同様にして厚み305μmの光学フィルムを作製した。なお、λ/4板のΔnd(450nm)/Δnd(550nm)は1.01であり、その光弾性係数は、4.1×10-12(m2/N)であった。
 (比較例1−1)
 λ/4フィルムを調製するために、透明フィルムとして、Δnd(450nm)/Δnd(550nm)=1.08を示す厚み70μmのポリカーボネート製フィルム(商品名パンライト:帝人化成社製)を使用し、これを一方向に1.2倍延伸した厚み60μmのλ/4フィルムを調製した。そして、前記λ/4フィルムにネマチック液晶層を積層せずにλ/4板として使用した以外は、前記実施例1−1と同様にして厚み290μmの光学フィルムを作製した。なお、λ/4板のΔnd(450nm)/Δnd(550nm)は1.08でり、その光弾性係数は、90.0×10-12(m2/N)であった。
 以上のようにして作製した実施例1-1〜実施例1-3および比較例1-1の光学フィルムについて、以下に示す特性を評価した。これらの結果を下記表1および2に示す。
 (面内最大色度差:Δxy(max))
 各光学フィルムを15インチサイズ(幅307.1mm×長さ230.6mm、対角の長さ384mm)に調製し、アクリル系粘着剤によって、ガラス板(幅310mm×長さ260mm)の片面に張り合わせた。この積層体をオートクレーブで加熱処理(50℃、5.05×105Pa、15分)することによって前記両者を密着させ、この積層体を、70℃の加熱条件で120時間処理した。処理後の前記積層体のガラス板側表面にバックライトを配置し、色彩輝度計(商品名BM-5A:トプコン社製)を用いて光学フィルム面内の色度(x、y)を測定した。この測定値を下記式に代入することによって、面内最大色度差Δxy(max)を求めた。
Figure 2004070344
 なお、色度の測定は、15インチサイズの光学フィルムにおいて、面積8000mm2あたり1点、合計9点の測定を行った。
 (色度のバラツキ)
 前述の面内最大色度差(Δxy(max))の結果から、下記基準に基づいて色度バラツキを評価した。
◎:面内の色度のバラツキが極めて小さい Δxy(max)0〜0.003以下
○:面内の色度のバラツキが小さい    Δxy(max)0.003を超え0.008以下
△:面内の色度バラツキが大きい     Δxy(max)0.008を超え0.01以下
×:面内の色度バラツキが極めて大きい  Δxy(max)0.01を超える。
 (正面分散特性および傾斜分散特性)
 各光学フィルムに使用したλ/4板について、波長450nmおよび550nmにおける位相差を自動複屈折計(王子計測機器製:商品名KOBRA21ADH)により測定した。前記位相差としては、光学フィルムの法線方向からの入射光に対する面内位相差(Δnd)および前記法線から45°傾斜した方向からの入射光に対する面内位相差(Δnd')を測定した。そして、測定結果から、Δnd(450nm)/Δnd(550nm)およびΔnd'(450nm)/Δnd'(550nm)を求めた。
 (面内位相差のバラツキ)
 面内最大色度差の試験を行った後の光学フィルムから、λ/4板のみを取り出し、自動複屈折計(商品名KOBRA−21ADH;王子計測機器社製)を用いて位相差測定を行い、従来公知の方法によりバラツキを測定した。
 (表1)
         分散特性         光弾性係数
      正面※     斜め45°※※   ×10 -12 (m 2 /N)
実施例1-1 0.86 0.94 15.1
実施例1-2 0.96 1.01 18.4
実施例1-3 1.01 1.03 4.1
比較例1-1 1.08 1.10 90.0
  ※  : Δnd(450nm)/Δnd(550nm)
  ※※ : Δnd'(450nm)/Δnd'(550nm)

 (表2)
      Δxy(max) 色度ハ゛ラツキ   面内Δndバラツキ
実施例1-1 0.002    ◎        7
実施例1-2 0.004    ○        9
実施例1-3 0.002    ◎        3
比較例1-1 0.018    ×        23

 表1及び表2から明らかなように、比較例によると輝度向上フィルムにおけるλ/4板の光学特性が、Δnd(450nm)/Δnd(550nm)≦1.02を満たさないため、Δxy(max)が非常に大きな値となった。これに対して、λ/4板の光学特性を、Δnd(450nm)/Δnd(550nm)≦1.02とした実施例によれば、面内の位相差変動が大きくても、Δxy(max)を0.008以下に設定でき、その結果、面内の色度バラツキ、面内Δndバラツキを小さくすることができた。また、本発明の光学フィルムによれば、使用時の経時の面内色変化が小さく、高耐久な液晶表示装置を得ることができた。
 実施例2および比較例2
 (実施例2-1)
 まず、前記式(1)に示すコレステリック液晶ポリマーを30重量%となるようにシクロヘキサノンに混合して液晶ポリマー液を調製したそして、このポリマー液を厚み40μmの基材(TACフィルム)上に塗工し、その塗工膜を160℃で2分間乾燥することによって、前記基材上に厚み6μmのコレステリック液晶ポリマー層が積層された円偏光分離層(厚み50μm)を形成した。
 一方、光弾性係数4.1×10-122/Nを示す厚み100μmのノルボルネン系ポリマー製の透明フィルム(商品名Arton;JSR社製)を準備し、これを一方向に1.4倍延伸して、厚み85μmのλ/4フィルムを作製し、λ/4板とした。
 そして、前記実施例1−1と同様にして作製した吸収二色性偏光板、前記λ/4板、前記円偏光分離層の順に、厚み25μmの粘着剤層を介して積層し、一体化された光学フィルムを得た。なお、前記λ/4板と前記円偏光分離層とから輝度向上フィルムが構成され、前記両者は、前記λ/4板と前記円偏光分離層におけるコレステリック液晶ポリマー層とが向き合うように積層した。また、前記吸収二色性偏光板とλ/4板は、前記偏光板の吸収軸と、λ/4板(ノルボルネン系ポリマーフィルム)の延伸軸とが45°となるように配置した。
 (実施例2−2)
 光弾性係数27.8×10-122/Nを示す厚み60μmの変性ポリカーボネートフィルム(特開2001−55455号公報に従って作製)を準備し、これを一方向に1.2倍延伸して、厚み50μmのλ/4フィルムを作製した。このλ/4フィルムをλ/4板として使用する以外は、前記実施例2−1と同様にして光学フィルムを作製した。
 (実施例2−3)
 光弾性係数6.0×10-122/Nを示すシクロオレフィンポリマーからなる透明フィルム(商品名ZEONOR ZF14タイプ;日本ゼオン社製)を一方向に延伸して、厚み30μmのλ/4フィルムを作製した。このλ/4フィルムをλ/4板として使用する以外は、前記実施例2−1と同様にして光学フィルムを作製した。
 (比較例2−1)
 光弾性係数90.0×10-122/Nを示す厚み70μmのポリカーボネート系ポリマーフィルム(商品名パンライト;帝人社製)を準備し、これを一方向に1.2倍延伸して、厚み75μmのλ/4フィルムを作製した。このλ/4フィルムをλ/4板として使用する以外は、前記実施例2−1と同様にして光学フィルムを作製した。
 (比較例2−2)
 前記実施例1−1と同様の吸収二色性偏光フィルムを準備し、一方の面にTACフィルム(厚み40μm)を積層し、他方の面には、アンチグレア層が形成されたTACフィルムを積層して、全体厚み115μmの吸収二色性偏光板を作製した。なお、前記アンチグレア層は、シリカ系フィラーとUV硬化樹脂とを含み、前記アンチグレア層が表面に配置されるように前記TACフィルムを配置した。一方、光弾性係数90.0×10-122/Nを示す厚み70μmのポリカーボネート系フィルム(商品名パンライト;帝人社製)を準備し、これを一方向に1.2倍延伸して、厚み75μmのλ/4フィルムを作製した。このλ/4フィルムをλ/4板として使用し、また前記吸収二色性偏光板を使用する以外は、前記実施例2−1と同様にして光学フィルムを作製した。
 前記実施例2-1、2-2、2-3および比較例2-1、2-2における光学フィルムについて、前記実施例1と同様の特性評価および下記評価を行った。これらの結果を下記表3に示す。
 (フィルム透過率)
 前記各光学フィルムについて、高速分光光度計(商品名DOT−3;村上色彩社製)を用いて透過率を測定し、JIS Z 8701に従って、2度視野XYZ系により視感度補正することによって、透過率(Y値)を求めた。
 (輝度向上率)
 得られた光学フィルムにおける偏光板および輝度向上フィルムについて、それぞれの輝度を測定した。具体的には、前記偏光板または輝度向上フィルムを、Light Table(ハクバ社製)に配置し、それぞれの輝度を輝度計(商品名BM−7;トプコン社製)を用いて測定した。そして、偏光板での輝度(A)と輝度向上フィルムでの輝度(B)を、下記式に代入して輝度向上率(%)を算出した。
輝度向上率=(B/A)×100

 (表3)
      Δxy(max) 色度バラツキ フィルム透過率  輝度向上率
                     (%)    (%)  
実施例2-1 0.002     ◎      46.3      146
実施例2-2 0.006     ○      45.8      145
実施例2-3 0.002     ◎      46.1      146
比較例2-1 0.018     ×      46.0      145
比較例2-2 0.016     ×      45.3      142

 表3に示すように、λ/4板の光弾性係数が90.0×10-122/Nである比較例の光学フィルムは、Δxy(max)が非常に大きく、色度バラツキも大きかった。これに対して、λ/4板の光弾性係数が40.0×10-122/N以下である実施例の光学フィルムは、Δxy(max)が0.008以下を満たすため、色度バラツキが抑制できた。また、フィルム透過率および輝度向上率にも優れていた。このため、例えば、液晶表示装置等の各種画像表示装置において、耐久性に優れ、輝度向上に極めて適した光学フィルムであることが確認できた。
 以上のように、本発明の光学フィルムは、ガラス板に貼付して70℃で120時間処理した後における、面内透過光の最大色差Δxy(max)が0.008以下であるため、例えば、液晶表示装置等の各種画像表示装置に使用した際に、構成部材である輝度向上フィルムの機能を維持でき、この結果、表示画面における輝度・色度バラツキを抑制できる。このため、耐久性に優れ、かつ表示品質に優れた各種画像表示装置を得ることができる。
本発明の光学フィルムにおける一実施形態を示す断面図である。 本発明の光学フィルムにおけるその他の実施形態を示す断面図である。 本発明の光学フィルムにおけるさらにその他の実施形態を示す断面図である。 本発明の光学フィルムにおけるさらにその他の実施形態を示す断面図である。 本発明の光学フィルムにおけるさらにその他の実施形態を示す断面図である。
符号の説明
 1 偏光板
 2 輝度向上フィルム
 4 接着層
 5 保護フィルム
 6 導光板
 7 光源
 8 反射板
20 λ/4層
30 円偏光分離層

Claims (15)

  1. 偏光板と輝度向上フィルムとを含む光学フィルムであって、以下の条件を満たすことを特徴とする光学フィルム。
    条件:前記光学フィルムをガラス板に貼付して70℃で120時間処理した後における、前記光学フィルムの面内透過光の最大色差Δxy(max)が0.008以下である。
  2. 前記輝度向上フィルムが、円偏光分離機能を有する層と1/4波長板とを含む請求項1記載の光学フィルム。
  3. 前記1/4波長板の法線方向からの入射光に対する面内位相差(Δnd)が、下記式(I)を満たす請求項2記載の光学フィルム。
     Δnd(450nm)/Δnd(550nm)≦1.02  ・・・(I)
     前記式(I)において、Δndは(nx-ny)・dで表され、nxおよびnyは、それぞれ前記1/4波長板におけるX軸方向およびY軸方向の屈折率を示し、前記X軸方向とは、前記1/4波長板の面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸方向は、前記面内において前記X軸に対して垂直な軸方向であり、dは1/4波長板の厚みを示し、Δnd(450nm)は波長450nmの面内位相差、Δnd(550nm)は波長550nmの面内位相差を示す。
  4. 前記1/4波長板の法線から45°傾斜した方向からの入射光に対する面内位相差(Δnd')が、下記式(II)を満たす請求項2記載の光学フィルム。
     Δnd'(450nm)/Δnd'(550nm)≦1.04  ・・・(II)
     前記式(II)において、Δnd'は(nx'−ny')・dで表され、nx'およびny'は、それぞれ前記1/4波長板における法線方向(Z'軸方向)から45°傾斜した方向からの入射光に対するX'軸方向およびY'軸方向の屈折率を示し、前記X’軸方向とは、前記Z'軸方向から45°傾斜した入射光の入射方向に垂直な前記1/4波長板面内の軸方向であり、前記Y’軸方向とは、前記入射方向および前記X'軸方向に垂直な方向であり、dは1/4波長板の厚みを示し、Δnd'(450nm)は波長450nmの面内位相差、Δnd'(550nm)は波長550nmの面内位相差を示す。
  5. 前記1/4波長板が、下記式(III)を満たす位相差フィルムと、下記式(IV)を満たす液晶層とを含む請求項2記載の光学フィルム。
     nxr>nyr=nzr     ・・・(III)
     nzc>nxc≧nyc     ・・・(IV)
     前記式(III)および(IV)において、「nxr、nyr、nzr」および「nxc、nyc、nzc」は、それぞれ前記位相差フィルムおよび前記液晶層におけるX軸、Y軸およびZ軸方向の屈折率を示し、前記X軸方向とは、前記位相差フィルムまたは前記液晶層の面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸方向は、前記面内において前記X軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸方向は、前記X軸およびY軸に垂直な厚み方向を示す。
  6. 前記1/4波長板が、光弾性係数40×10-122/N以下のポリマーを含むフィルムである請求項2記載の光学フィルム。
  7. 前記1/4波長板が、ネマチック液晶を含む液晶層である請求項6記載の光学フィルム。
  8. 前記円偏光分離機能を有する層において、その構成分子がコレステリック構造をとって配向している請求項2記載の光学フィルム。
  9. 前記円偏光分離機能を有する層が、コレステリック液晶層である請求項8記載の光学フィルム。
  10. 前記偏光板と前記輝度向上フィルムとが、粘着剤または接着剤を介して積層されている請求項1記載の光学フィルム。
  11. 光学フィルムの対角の長さが250mm以上である請求項1記載の光学フィルム。
  12. 請求項1記載の光学フィルムと液晶セルとを含み、前記光学フィルムが前記液晶セルの少なくとも一方の面に配置されている液晶表示装置。
  13. 請求項1記載の光学フィルムを含む画像表示装置。
  14. 輝度向上フィルムに使用するλ/4板であって、法線方向からの入射光に対する面内位相差(Δnd)が、下記式(I)を満たすλ/4板。
     Δnd(450nm)/Δnd(550nm)≦1.02  ・・・(I)
     前記式(I)において、Δndは(nx-ny)・dで表され、nxおよびnyは、それぞれ前記1/4波長板におけるX軸方向およびY軸方向の屈折率を示し、前記X軸方向とは、前記1/4波長板の面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸方向は、前記面内において前記X軸に対して垂直な軸方向であり、dは1/4波長板の厚みを示し、Δnd(450nm)は波長450nmの面内位相差、Δnd(550nm)は波長550nmの面内位相差を示す。
  15. 輝度向上フィルムに使用するλ/4板であって、光弾性係数40×10-122/N以下のポリマーを含むフィルムであるλ/4板。
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