JP2011135688A - 電力系統安定化装置およびその制御方法 - Google Patents

電力系統安定化装置およびその制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】分離系統の周波数と電圧を共に安定化させることができる電力系統安定化装置およびその制御方法を得る。
【解決手段】制御実行部29では第1段制御と第2段制御という2段階の制御を順次実行する。第2段制御選定部24は第1段制御の実行から一定時間経過後の周波数偏差の正負と電圧偏差の正負の組合せに基づいて、発電機1a〜1cまたは負荷5a〜5cの遮断、あるいは調相設備6a〜6cの遮断または投入のいずれかを、第2段制御の制御動作として選定する。第2段制御における操作量に関しては、補正有効電力制御演算部25、補正無効電力制御演算部26、緊急有効電力制御演算部27、緊急無効電力制御演算部28が、これを演算する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力系統から切り離した分離系統を安定化対象とした電力系統安定化装置に係り、特に、第1段制御と第2段制御という段階を追った制御を実行して周波数と電圧の両方を共に安定化させる電力系統安定化装置およびその制御方法に関するものである。
電力系統ではルート断故障などの事故によって送電線が開放されると、その一部が独立状態となって分離系統が生じることになる。この分離系統内では発電電力量と消費電力量のバランスが崩れて周波数が乱れ易くなる。そこで、系統分離後の周波数変動量を許容範囲内に維持する装置として、電力系統安定化装置が広く用いられている。
電力系統安定化装置は、分離系統を安定化対象として、分離系統内の発電機や負荷などの機器を制御して需給バランスをとり、周波数の安定化を図る装置である。需給バランスを取るための各機器の制御量は、故障発生前の分離系統に流れる事前ルート潮流の方向によって決定する。
すなわち、事前ルート潮流が外部系統への送電方向であれば、分離系統に移行した後は負荷量が不足することになるので、不足した負荷量に見合うだけの発電機の遮断量が、電力系統安定化装置における制御量となる。逆に、事前ルート潮流が外部系統からの流入である受電方向であれば、分離系統に移行した後は発電量が不足することになる。そのため、不足した発電量に見合うだけの負荷の遮断量が、電力系統安定化装置における制御量となる。
以上のような電力系統安定化装置の従来例としては、具体的には特許文献1が知られている。特許文献1記載の技術では、送電線故障などにより分離系統になった場合に、第1の制御手段により系統分離点の事前有効電力潮流に基づいて遮断量を求めて発電機や負荷の遮断を実行する。そして、この第1の制御手段による制御から一定時間後に、第2の制御手段によって周波数偏差などから遮断量を求めて発電機や負荷の遮断を実行している。
ところで、単独状態となった分離系統では、有効電力がアンバランスになるだけではなく、無効電力の供給量と消費量にも不均衡が生じることがある。このため、電力系統安定化装置には、調相設備であるコンデンサの遮断や投入といった操作を行うことにより、無効電力制御を行うことも要求されている。
例えば、特許文献2の技術では、送電線故障などにより分離系統になった場合に、系統分離点の事前有効電力潮流に基づいて負荷遮断を実行すると共に、調相設備の制御を行っている。調相設備の操作量は、負荷遮断後の有効電力負荷量、無効電力負荷量、変圧器のリアクタンス値などを含む計算式によって、分離系統における電圧の目標値を計算している。
特公平7−108063号公報 特許 第2504405号公報
電力系統安定化装置によって、調相設備であるコンデンサの投入や遮断といった無効電力制御を行うと、電圧特性によって負荷の消費電力が増減するので、周波数も変動することになる。つまり、無効電力制御は分離系統の電圧に対する制御にとどまらず、周波数にも影響を与える。
特に、大容量発電機が遠隔地にあり、長距離送電線により大電力を送電している電力系統の一部が分離系統になると、分離系統はリアクタンス値の大きい長距離送電線を含むことになる。したがって、有効電力潮流の変化に伴う送電線の無効電力損失の変化が顕著となり、大きな電圧変動として表れる。
すなわち、有効電力制御は周波数だけでなく電圧とも密接な関係にあり、無効電力制御は電圧だけでなく周波数とも密接な関係にある。したがって、分離系統の周波数と電圧を共に安定化させるためには、有効電力制御と無効電力制御の両方を適切に行うことが不可欠である。
しかしながら、従来の電力系統安定化装置では、多段階に電力制御を行うことはしていても、先に実行した制御によって周波数と電圧がどのように変化するかを考慮した上で、後から実行する制御の制御量を決めるといったことはなされていなかった。例えば上記の特許文献1は、発電機や負荷の遮断といった有効電力制御により分離系統後の需給アンバランスの是正を目的とした技術なので、分離系統に生じる無効電力のアンバランスは考慮していなかった。
また、特許文献2は、対地静電容量の大きい地中ケーブルなどからなる電力系統が他の電力系統から受電していることを前提としている。この前提に立つ特許文献2では、負荷脱落量を考慮せずに求めた量の負荷遮断と、遮断後の負荷量などから求めた調相設備の投入を一度、実行するだけである。このため、負荷脱落量が多くなると、周波数偏差や電圧偏差が大きくなる場合がある。また、特許文献2は、他の電力系統から受電している電力系統を安定化対象としたものなので、他の電力系統へ送電している場合には対応できていなかった。
本発明は、このような状況を鑑みて提案されたものであり、有効電力、無効電力と周波数、電圧の関係性が密な電力系統を安定化対象とした場合に、単独系統となった分離系統内の周波数と電圧を共に安定化させることができる、安定化性能に優れた電力系統安定化装置を得ることを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、系統の分離によって発電電力量と消費電力量および無効電力の供給量と消費量に不均衡が生じた場合に、分離系統内にある発電機または負荷の遮断による有効電力制御と、分離系統内にある調相設備の遮断または投入による無効電力制御を実行することで、分離系統の周波数および電圧を共に安定化させる電力系統安定化装置において、系統分離後の一定時間は系統分離後の周波数変動が所定の範囲内に収まるようにした前記発電機または前記負荷の遮断量を求める第1段有効電力制御演算部と、系統分離後の一定時間は系統分離後の電圧変動幅が所定の範囲内に収まるようにした前記調相設備の操作量を求める第1段無効電力制御演算部と、前記第1段有効電力制御演算部の求めた遮断量に基づいた前記発電機または前記負荷の遮断による分離系統の周波数変化を受けて、変化した周波数を微調整するための前記発電機または前記負荷の補正遮断量を求める補正有効電力制御演算部と、前記第1段無効電力制御演算部の求めた操作量に基づいた前記調相設備の操作による分離系統の電圧変動を受けて、変動した電圧を微調整するための前記調相設備の補正操作量を求める補正無効電力制御演算部、を備えたことを特徴とするものである。
本発明の電力系統安定化装置によれば、発電機や負荷の遮断、調相設備の遮断または投入操作といった第1段制御を実行した後、分離系統の周波数と電圧の変化傾向を観測して、その変化を考慮に入れて第2段制御を実行するため、周波数と電圧の偏差を改善することが可能であり、分離系統の周波数と電圧を同時に安定化することができる。
本発明に係る代表的な実施形態の構成図。 負荷脱落と第1段制御後の周波数変動の関係を表した図。 発電機の質点系を表した図。 第1段無効電力制御量の演算方法を説明するための説明図。 補正制御の選定基準を示す説明図。 補正制御と緊急制御の例示図。 本実施形態の処理手順を表したフローチャート。 本実施形態の処理手順を表したフローチャート。 本実施形態の処理手順を表したフローチャート。
(1)代表的な実施形態
(構成)
以下、本発明に係る電力系統安定化装置の代表的な実施形態の一例について、図1〜図9を参照して具体的に説明する。
(電力系統)
まず図1を用いて、電力系統安定化装置30の安定化対象となる電力系統の構成について述べる。図1に示すように、電力系統は、発電機1a〜1cと、母線2a〜2dと、送電線3a〜3dと、変圧器4a〜4cと、負荷5a〜5cと、調相設備6a〜6cと、遮断器7a〜7iとから構成されている。なお、図1中では、変圧器4a〜4cや負荷5a〜5cなどをはじめとして系統の主要な構成要素は、便宜上3つ程度で表しているが、数量を限定するものではない。
このような電力系統は本系統10に接続されている。ここでは、ある送電線が開放されることによって独立状態となった安定化対象の電力系統を分離系統、他方の電力系統を本系統と呼称している。図1では、一例として送電線3aが落雷などによる送電線故障の発生で開放されて分離系統となる場合を示している。
電力系統の構成部のうち、送電線3a〜3dは、本系統10に近い順から発電機1a〜1cに向かって接続されている。そして、送電線3aと送電線3bの間に母線2aが、送電線3bと送電線3cの間に母線2bが、送電線3cと送電線3dの間に母線2cが、送電線3dと発電機1a〜1cの間に母線2dが、それぞれ配置されている。発電機1a〜1cには遮断器7a〜7cが設置されており、これら遮断器7a〜7cを介して発電機1a〜1cが母線2dに接続されている。
母線2a〜2cには変圧器4a〜4c、負荷5a〜5cおよび調相設備6a〜6cが接続されている。また、負荷5a〜5cには遮断器7d〜7fが設置され、調相設備6a〜6cには遮断器7g〜7iが設置されている。遮断器7a〜7iは、後述する制御実行部29からの制御信号を受けることにより、発電機1a〜1c、負荷5a〜5cおよび調相設備6a〜6cを解並列させるものである。
さらに、図1に示した電力系統には、発電機1a〜1cや送電線3a〜3dなどの電力や電圧、機器の状態を示す情報などを収集するために、情報端末11a〜11nが設置されている。これら情報端末のうち、11a、11b、11cは発電機1a、1b、1cに、11d、11e、11fは負荷5a、5b、5cに、11g、11h、11iは調相設備6a、6b、6cに、それぞれ取り付けられている。さらに、11jは送電線3aと母線2aの間に、11kは送電線3bと母線2bの間に、11mは送電線3cと母線2cの間に、11nは送電線3dと母線2dの間に、それぞれ取り付けられている。
(電力系統安定化装置30の概要)
続いて、電力系統安定化装置30の概要について図1を参照して説明する。電力系統安定化装置30は図1に示した電力系統を安定化対象としており、系統を安定化させるための制御動作としては、発電機1a〜1cの遮断、負荷5a〜5cの遮断、調相設備6a〜6cの入り切りであるコンデンサの遮断ならびにコンデンサ投入の4つがある。
電力系統安定化装置30の内部には、機能的なブロックとして、系統情報収集部21と、第2段制御選定部24と、制御実行部29と、さらに6つの演算部が設けられている。演算部とは、第1段有効電力制御演算部22と、第1段無効電力制御演算部23と、補正有効電力制御演算部25と、補正無効電力制御演算部26と、緊急有効電力制御演算部27と、緊急無効電力制御演算部28がある。
電力系統安定化装置30を構成する要素のうち、系統情報収集部21は電力系統に組み込んだ各情報端末11a〜11nからの情報を入力する部分である。系統情報収集部21は各情報端末11a〜11nから入力した情報を、6つの演算部22、23、25〜28および第2段制御選定部24に出力するようになっている。
演算部22、23、25〜28は、それぞれ別の制御量を求める部分として示している。これら演算部22、23、25〜28は、系統情報収集部21から得た各情報端末11a〜11nの情報に基づいて制御量を演算し、その演算結果を制御実行部29に出力する部分である。
制御実行部29は、演算部22、23、25〜28から入力した制御量を基づいて、遮断器7a〜7iに対して制御信号を出力する部分である。制御実行部29では第1段制御と第2段制御という2段階の制御を順番に実行するように構成されている。
ここで言う第1段制御とは、第1段有効電力制御演算部22および第1段無効電力制御演算部23の演算結果に基づいた制御である。一方、第2段制御とは、補正有効電力制御演算部25、補正無効電力制御演算部26、緊急有効電力制御演算部27、緊急無効電力制御演算部28の演算結果に基づいた制御である。
これらの制御において、有効電力制御演算では、「第1段」、「補正」、「緊急」を問わず、発電機1a〜1cおよび負荷5a〜5cの遮断量を求める。また、無効電力制御演算でも、「第1段」、「補正」、「緊急」を問わず、調相設備6a〜6cの制御量を求めるようになっている。
(第1段有効電力制御演算部22)
次に、演算部22、23、25〜28について具体的に説明する。まず、第1段有効電力制御演算部22は、第1段有効電力制御の制御量として、発電機1a〜1cまたは負荷5a〜5cの遮断を行う場合の遮断量を演算する部分である。
第1段有効電力制御演算部22の求める遮断量は、分離系統に負荷脱落が無いといった最も過酷な条件であっても、一定時間以内であれば、発電機1a〜1cにとって、保護などの問題とならない許容範囲内の周波数低下に収まる量に設定されている。以下、第1段有効電力制御演算部22による遮断量の求め方について説明する。
第1段有効電力制御演算部22では、分離点の事前有効電力が送電方向であれば、下記(1)式で発電機1a〜1cの遮断量を演算し、受電方向であれば、下記(2)式で負荷5a〜5cの遮断量を演算する。式中の符号Pは分離前に本系統へ流れていた有効電力、GMVAは分離系統に並列されている発電機1a〜1cの定格容量の総和、Kは係数である。
(数1)
発電機遮断量=P+K*GMVA…(1)
(数2)
負荷遮断量=−P−K*GMVA…(2)
すなわち、第1段有効電力制御演算部22では、負荷脱落量0の条件で一定時間後に指定の周波数低下となる需給アンバランス分が、K*GMVAにて計算される。
ここで、K*GMVAと周波数低下との関係について述べる。通常、分離前の電力系統では、分離系統に並列される発電機1a〜1cの有効電力の総和Pが、分離前の有効電力Pと総負荷Pとの和と等しいことで、周波数が一定に保たれている(下記の(3)式が成立している状態)。ただし、簡単化のため送電損失は除外する。
(数3)
=P+P…(3)
(3)式の成立状態から、系統分離によって、分離前の有効電力Pが0になると、P>0(送電)だった場合には、分離前の有効電力Pの分だけ、有効電力の総和P>総負荷Pとなる。つまり、電源過剰となって、分離系統後は周波数が上昇する。
また同じく、(3)式の成立状態から、系統分離によって、分離前の有効電力Pが0になる時、P<0(受電)だった場合には、分離前の有効電力Pの絶対値|P|分だけ有効電力の総和P<総負荷Pとなる。すなわち、負荷過剰となって、分離系統後は周波数が低下する。
負荷脱落量が0という条件を満たすならば、送電時は、制御後の状態をP’=P−P=Pとするように発電機1a〜1cの遮断量を求めることになる。また、受電時であれば、制御後の状態をP=P’=P−Pとするように負荷5a〜5cの遮断量を計算することになる。
上述した遮断量の制御を実行することで、分離系統の需要と供給のバランスをとることができ、周波数変動は概ね0となる。上記の(1)式と(2)式では負荷脱落量0のときは、K*GMVA分だけ負荷過剰となるため、分離系統の周波数は低下することになる。
(1)式または(2)式の演算結果に基づき、制御実行部29による制御を実行した場合、負荷脱落量の多少による周波数変動の概要は、図2のようになる。すなわち、負荷脱落量がK*GMVAより少なければ周波数は低下し、負荷脱落量がK*GMVAと等しければ周波数は一定となり、負荷脱落量がK*GMVAより多ければ周波数は上昇となる。
は、負荷脱落が無い最過酷条件下でも一定時間以内ならば、発電機1a〜1cの保護が働かないなど、問題とならない程度の周波数低下にするための係数である。このようなKは次のようにして求める。発電機1a〜1cの質点系を図3として考えたとき、周波数変動が厳しい条件としてダンピング係数Dを0とすると、発電機1a〜1cの角速度偏差Δωは(4)式で表される。
(数4)
Δω=(Tm−Te)/Ms…(4)
Mは発電機の慣性定数、Tmは機械入力トルク、Teは電気トルク、sは微分演算子である。
周波数変動が厳しい条件として調速機の効果を無視すれば、機械入力トルクTmは一定であり、おおまかには分離前の発電機有効電力PGOに等しい(Tm=PGO)。また、電気トルクTeは分離系統の総負荷Pと分離点の事前有効電力Pの合計に等しい(Te=P+P)。
さらに、電力系統の周波数偏差Δfは発電機1a〜1cの角速度偏差Δωに概ね等しい(Δω=Δf)。したがって、上記(4)式は、次の(5)式とほぼ等価である。
(数5)
Δf=(PGO−(P+P))/Ms…(5)
上記(5)式中のPGO−(P+P)、つまり、分離前の発電機有効電力PGOから、分離系統の総負荷Pおよび分離点の事前有効電力Pを差し引いた分が、需給アンバランス分を表しており、単位は発電機定格容量ベースのpu値である。
既に述べたように、Kは、第1段制御から第2段制御に至るまでの期間、所定の周波数低下となる需給アンバランス分を求めるための発電機定格容量ベースの係数である。したがって、係数KとなるPGO−(P+P)は、第1段制御の実行後から第2段制御までの所要時間と周波数低下幅に基づく周波数変化率dΔf/dtを、下記の(6)式に代入することで得られる。ここで、Δfの単位は基準周波数ベースのpu値である。
(数6)
=PGO−(P+P)=M・(dΔf/dt)…(6)
(第1段無効電力制御演算部23)
第1段無効電力制御演算部23は、調相設備6a〜6cの遮断または投入を行う場合の操作量を演算する部分である。第1段無効電力制御演算部23の求める操作量は、調相設備6a〜6cの入り切りにより電圧偏差が極端に大きくならない程度とする。
ここで、第1段無効電力制御演算部23における演算方法を図3に示す単純な例に基づいて説明する。第1段有効電力制御演算部22で求めた制御を実行した後、無効電力アンバランス分ΔQは(7)式で求めることができる。なお、(7)式は、発電機1a〜1cの遮断、負荷5a〜5cの遮断の両条件に対応できる式として両方の遮断量を含めている。
(数7)
ΔQ=ΔQLN+ΔQTR+QL2+QL3−Q−QG2…(7)
上記(7)式における送電線の無効電力損失の変化分ΔQLNは、単純化のため有効電力だけに着目し、電圧を1.0puとして(8)式で求め、同様に変圧器の無効電力損失の変化分ΔQTRは、(9)式で求める。
(数8)
ΔQLN=XLN*(PLN −(P−PL2−PL3)…(8)
(数9)
ΔQTR=XTR*(P −(P−PL2−PL3)…(9)
上記の(7)式〜(9)式における各変数は、図4に記載の変数に対応している。図4に示す変数のうち、PG2+jQG2は、発電機1a〜1c遮断の結果として失われる発電電力である。また、PL2+jQL2は、負荷5a〜5c遮断の結果として失われる消費電力である。発電機1a〜1cの遮断量および負荷5a〜5cの遮断量は第1段有効電力制御演算部22で求めた値であるが、ここでは系統情報収集部21から得た実測値を用いている。
L3+jQL3は負荷脱落量であり、事前の負荷実測値P+jQに予め設定しておいた比率を乗じて求める。PG1+QG1は残る発電機の発電電力であり、事前の発電電力PLN+jQLNからPG2+jQG2を減じたものである。PL1+jQL1は残る負荷であり、事前負荷P+jQからPL2+jQL2とPL3+jQL3を減じたものである。また、jXLNは送電線3a〜3dのリアクタンス値、jXTRは変圧器4a〜4cのリアクタンス値、P+jQは分離点の事前電力、jQは調相設備6a〜6cであるコンデンサによる供給無効電力を示している。
(第2段制御選定部24)
残りの演算部25〜28の前に、第2段制御選定部24について説明する。第2段制御選定部24は、演算部22、23の演算結果に基づいて制御実行部29が第1段制御を実行した後、第2段制御の動作を選ぶ部分である。
第2段制御選定部24では、第1段制御の実行により変化した周波数や電圧の変動を考慮に入れて第2段制御の動作を選択する。なお、第2段制御選定部24による第2段制御の選定方法に関しては、後段の(第2段制御の選定)にて詳述する。
第2段制御には補正制御と緊急制御がある。補正制御とは、制御実行部29による第1段制御の実行から一定時間経過後に実行する制御であって、次の2つの制御がある。すなわち、発電機1a〜1cまたは負荷5a〜5cを遮断する補正有効電力制御と、調相設備6a〜6cの入り切りを行う補正無効電力制御である。このうちの補正有効電力制御の制御量を演算する部分が補正有効電力制御演算部25、補正無効電力制御の制御量を演算する部分が補正無効電力制御演算部26である。
また、緊急制御とは、第1段制御の実行から一定時間の経過を待たずに、上記補正制御の内容を実行する制御であって、前記補正制御に対応して2つの制御がある。一つは、補正有効電力制御の実行前に発電機1a〜1cまたは負荷5a〜5cを遮断する緊急有効電力制御である。
もう一つは、補正無効電力制御の実行前に調相設備6a〜6cの入り切りを行う緊急無効電力制御である。このうちの緊急有効電力制御の制御量を演算する部分が緊急有効電力制御演算部27、緊急無効電力制御の制御量を演算する部分が緊急無効電力制御演算部28である。
第2段制御選定部24は、選定した第2段制御に基づいて、各演算部に起動指令を出力するようになっている。すなわち、第2段制御選定部24が、補正有効電力制御を選んだ場合には補正有効電力制御演算部25に、補正無効電力制御を選んだ場合には補正無効電力制御演算部26に、緊急有効電力制御を選んだ場合には緊急有効電力制御演算部27に、緊急無効電力制御を選んだ場合には緊急無効電力制御演算部28に、それぞれ起動指令を出力する。
(補正有効電力制御演算部25)
補正有効電力制御演算部25は、第1段有効電力制御による分離系統の周波数変化傾向を受けて、変化した周波数を微調整するための補正遮断量を演算する部分である。補正有効電力制御演算部25が発電機1a〜1cの遮断量を演算する方法の一例としては、先述の(6)式に観測した周波数の変化率を代入して求める方法がある。
(補正無効電力制御演算部26)
補正無効電力制御演算部26は、第1段無効電力制御による分離系統の電圧変動を受けて、変動した電圧を微調整するための補正操作量を演算する部分である。補正無効電力制御演算部26における補正操作量演算の一例としては、各変電所で一定の調相設備6a〜6cを入り切りしたときの電圧変動幅を計算する方法などがある。
より詳しくは、無効電力変化に対する電圧変化を表すVQ特性を予め求めておき、観測した各変電所の電圧の上昇幅または低下幅とVQ特性から求める。このとき、演算結果としては、電圧上昇時には無効電力の供給量を減らす解が得られ、電圧低下時には無効電力の供給量を増やす解が得られる。つまり、各変電所で増減させるべき無効電力量として、補正無効電力制御の制御量が得られる。
(緊急有効電力制御演算部27)
緊急有効電力制御演算部27は、周波数の上昇が顕著であるといった判断に基づいて、発電機1a〜1cの遮断量を演算する部分である。緊急有効電力制御演算部27における遮断量演算の一例としては、予め定めておいた遮断量を設定する方法がある。
(緊急無効電力制御演算部28)
緊急無効電力制御演算部28は、電圧の上昇または低下が顕著であるとの判断に基づいて、調相設備6a〜6cの制御量を演算する部分である。緊急無効電力制御演算部28の演算方法の一例としては、上記の補正無効電力制御演算部26による演算と同じく、VQ特性を用いる方法がある。
(本実施形態による制御の基本的な考え方)
続いて、本実施形態による制御の基本的な考え方について記載する。まず本実施形態は、系統分離直後に負荷脱落量を正確に把握することは困難であるということを前提としている。
そして、最初に実施する第1段制御では、負荷脱落が生じていなかった場合に、続く第2段制御を実施するまでの間、発電機1a〜1cにとって問題とならない程度の周波数低下となる発電機1a〜1cや負荷5a〜5cの遮断と、電圧偏差が極端に大きくならない程度の調相設備6a〜6cの入り切りを行うものとする。
このような第1段制御の実行後、分離系統における周波数と電圧の変遷を観測し、周波数と電圧の変遷に応じて、発電機遮断、負荷遮断、調相設備の入り切りといった第2段制御の種別を選定する。さらに、選定した第2段制御に関する制御量を演算して、第2段制御を実行する。
このとき、第1段制御の実行後、一定時間を経過した後で実行する第2段制御を補正制御とし、一定時間の経過を待つことなく即座に実行する第2段制御を緊急制御とする。このように本実施形態による多段階にわたる制御では、相互に独立しているのではなく、1つの制御により導かれる変化を観測し、その制御による変化を考慮した上で、次なる制御を実行する。以上のような観測と制御を繰り返すことにより、分離系統における周波数と電圧が共に一定範囲に収まるようにするものである。
(制御動作による周波数と電圧の変化の相関)
遠隔地に大容量発電機があり、長距離送電線で大電力を送電している電力系統の一部が分離系統となったとき、つまり分離系統がリアクタンス値の大きい送電線を有するとき、制御動作に対する周波数変化と電圧変化の相関は、次の表1のようになる。
(表1)
Figure 2011135688
すなわち、電力系統安定化装置による制御動作が、発電機1a〜1cの遮断であれば、主たる影響として、系統の周波数変化が低下方向になると共に、従属的な影響として、系統の電圧が次のように変化する。発電機1a〜1cの遮断直前に、発電機1a〜1cが分離系統に無効電力を供給していた場合は系統の電圧は低下傾向となる。また、発電機1a〜1cの遮断直前に発電機1a〜1cが分離系統から無効電力を吸収していた場合には、系統の電圧は上昇傾向となる。
電力系統安定化装置による制御動作が、負荷5a〜5cの遮断であれば、主たる影響として系統の周波数が上昇方向になると共に、従属的な影響として系統の電圧も上昇する。この時の電圧上昇の変化は、負荷5a〜5cの無効電力分の減少と送電線3a〜3dの有効電力潮流の減少に伴う無効電力損失の減少によるものである。
電力系統安定化装置による制御動作が、調相設備6a〜6cであるコンデンサ遮断では、主たる影響として、系統の電圧が低下すると共に、従属的な影響として、系統の周波数は上昇方向となる。コンデンサの遮断に伴う系統周波数の上昇は、負荷5a〜5cの電圧特性と電圧の変化により負荷5a〜5cの消費電力が減少するためである。
逆に、電力系統安定化装置による制御動作が、コンデンサ投入であれば、主たる影響として、系統の電圧が上昇すると共に、従属的な影響として、系統の周波数は低下方向となる。この系統周波数の低下は、負荷5a〜5cの電圧特性と電圧の変化により負荷5a〜5cの消費電力が増加するためである。
(第2段制御の選定)
周波数と電圧に関して上記の相関を持つ4つの制御動作(上記表1参照)は、図5に示した選定基準に基づいて選定されている。すなわち、最初の第1段制御を実行した後の周波数偏差と電圧偏差の2つの状態量をもとにして、図5の平面上のどの位置に前記状態量があるかによって、第2段制御選定部24は、第1段制御の次に実行する第2段制御を選定している。
分離系統が最も安定化している理想的な状態は、2軸の交点である周波数偏差と電圧偏差が0の状態となる場合である。分離系統がこの理想的な状態から離れるにしたがって、つまり交点から離れていく順番で、制御打ち切り範囲、補正制御範囲、緊急制御範囲が設定されている。
(制御打ち切り範囲)
第1段制御による周波数と電圧の変化を観測し、その変化が十分に小さく、制御打ち切り範囲内であれば、第1段制御だけで制御を打ち切る。図5では、周波数偏差に関してはレベルf_L2よりも大きくレベルf_H2未満、電圧偏差に関してはレベルV_L2よりも大きくレベルV_H2未満の範囲が、制御打ち切り範囲である。
(緊急制御範囲)
負荷脱落量などの不確定要因の影響が大きく、急激な周波数変動や大幅な電圧変動が生じた場合は、直ちに第2段制御を実行する緊急制御範囲となる。周波数や電圧の変化量がこの範囲に達した場合には、一定の経過時間を待つことなく、変動量が所定の大きさを超えた時点で即座に第2段制御を実行することになる。図5に示した例では、緊急制御範囲は、次のようになっている。
すなわち、周波数偏差がレベルf_H1以上であれば、発電機1a〜1cのうちの制御対象のものが緊急遮断となる。また、周波数偏差がレベルf_L1以下であれば、負荷5a〜5cのうちの制御対象のものが緊急遮断となる。また、電圧偏差に関しては、レベルV_H1以上であれば、調相設備6a〜6cのうちの制御対象のものがコンデンサの緊急遮断となり、レベルV_L1以下であれば、調相設備6a〜6cのうちの制御対象のものがコンデンサの緊急投入となる。
(補正制御範囲)
周波数と電圧の変化が、上記の制御打ち切り範囲を超え、且つ上記の緊急制御範囲に達することがないレベルであれば、第1段制御の実行後、一定時間が経過してから、補正制御を実行する。この補正制御範囲は、図5の平面図において、周波数偏差および電圧偏差が上記緊急制御範囲よりも内側(つまり小さく)で、前記制御打ち切り範囲よりも外側(つまり大きい)の範囲である。
補正制御範囲において実行される4つの制御動作の範囲は、次の通りである。すなわち、周波数偏差がレベルf_H3以上でレベルf_H1未満、電圧偏差も正でレベルV_H1未満の範囲であれば、発電機1a〜1cの遮断を行う(図5中の(a)の範囲)。また、周波数偏差が負でレベルf_L1より大きく、電圧偏差も負でレベルV_L1より大きい範囲であれば、負荷5a〜5cを遮断する(図5中の(b)の範囲)。
さらに、周波数偏差がレベルf_H3未満でレベルf_L1より大きく、電圧偏差が正でレベルV_H1未満の範囲において、調相設備6a〜6cでのコンデンサ遮断を実行する(図5中の(c)の範囲)。コンデンサの投入は、周波数偏差が正でレベルf_H1未満、電圧偏差が負でレベルV_L1よりも大きい範囲である(図5中の(d)の範囲)。
(補正制御と緊急制御の実行タイミング)
上述した周波数偏差、電圧偏差と補正制御、緊急制御の関係について図6を用いて説明する。図6では、横軸に時間をとり、縦軸に偏差をとっており、図6に示す4つのグラフ(A)〜(D)のうち、上の2つである(A)、(B)は周波数偏差の時間的な変化を示したグラフ、下の2つである(C)、(D)は電圧偏差の時間的な変化を示したグラフである。
第1段制御の実行後、周波数偏差もしくは電圧偏差がそれぞれレベルf_H1もしくはレベルV_H1を超えなければ、一定の時間を経過してから第2段制御として補正制御を行う(図6の左側のグラフである(A)、(C)参照)。これに対して、補正制御の開始時刻よりも前に、周波数偏差もしくは電圧偏差が大きくなって、それぞれレベルf_H1もしくはレベルV_H1を超えた場合には、補正制御の開始時刻を待たずに、第2段制御として緊急制御を開始する(図6の右側のグラフである(B)、(D)参照)。
(処理の流れ1・第1段制御)
次に、本実施形態の具体的な処理について、図7〜図9のフローチャートを参照しつつ、図1の各構成要素と関連づけながら動作を説明する。
まず、図7のフローチャートに示すように、分離系統になったことを検出すると、Step1として、系統情報収集部21が分離点の事前有効電力、分離直前の電圧などの情報を情報端末11a〜11c、11j、11k、11m、11nから集める。そして、第1段有効電力制御演算部22がこれらの情報を系統情報収集部21から取り込む。
第1段有効電力制御演算部22では、Step2として分離直前の電圧の大きさを、予め定められた閾値Vfaultと比較する。そして、分離直前の電圧が閾値Vfault以下ならば(Step2のYes)、Step3Aに進む。また、分離直前の電圧が閾値Vfaultを超過していれば(Step2のNo)、Step3Bに進む。
Step3Aでは、負荷脱落有りを前提として、第1段有効電力制御演算部22が制御量を演算する。このとき、分離点の事前有効電力が送電方向であれば、上記(1)式で発電機遮断量を演算し、受電方向であれば、上記(2)式で負荷遮断量を演算して、Step4Aに進む。
Step4Aでは、第1段無効電力制御演算部23が、系統分離前後の有効電力潮流の概算値から送電線3a〜3dおよび変圧器4a〜4cによる無効電力損失の変化分を演算する。さらにその結果に、系統分離の事前無効電力と遮断する発電機1a〜1cの事前無効電力を加味した無効電力アンバランスΔQ分を、調相設備6a〜6cの制御量として前記(7)式で求める。このとき、分離系統後の状態はStep3Aで求めた発電機1a〜1cの遮断または負荷5a〜5cの遮断を実行した後を想定して求める。このようにして無効電力損失の変化分を演算した後、Step5に進む。
Step3Bでは、負荷脱落が無いことを前提として、第1段有効電力制御演算部22が制御量を演算している。前述したように、係数Kは、負荷脱落が無い最過酷条件でも補正制御(第2段制御)を実行するまでに、発電機1a〜1cで問題とならない程度の周波数低下になるように設定されたものである。
したがって、分離点の事前有効電力が送電方向ならば、係数K=0とした(1)式で発電機遮断量を演算する。また、受電方向ならば、係数K=0とした(2)式で負荷5a〜5cの遮断量を演算する。このような演算を行った後、Step4Bに移行する。
Step4Bでは、負荷脱落が無いことを前提として、第1段無効電力制御演算部23が、PL3=0、QL3=0とした(7)式〜(9)式でStep4Aと同様に無効電力制御量を求め、Step5に進む。
Step5では、Step3AとStep4A、または、Step3BとStep4Bで遮断することとした発電機1a〜1cや負荷5a〜5c、遮断または投入することとした調相設備6a〜6cに対して、制御実行部29が制御信号を送ることで制御が実行され、Step6に進む(図7のAから図8のAへ)。これにより、負荷脱落のような不確定要因が想定範囲内であれば、周波数の低下幅と電圧変動幅を、誘導目標とした所望の範囲に収めることができる。
(処理の流れ2・第2段制御として緊急制御を実行する場合)
続いて、図8のフローチャートにて示すように、第2段制御選定部24では、Step6として、1つ前の制御から次の補正制御までの待ち時間を表す変数Twaitに定数Tw0を設定し、緊急制御を実行した後の待ち時間を表す変数Tskipに0を設定して、Step7に進む。
ここで設定した定数Tw0は、第1段制御から次の補正制御(第2段制御)までの待ち時間である。Step7では、系統情報収集部21を介して、周波数や電圧といった制御に必要な情報を、情報端末11a〜11c、11j、11k、11m、11nから得る。
Step8として、変数Tskipが0以下であるか判定し、判定結果が真ならば(Step8のYes)、緊急制御実行の待ち時間および緊急制御の効果が表れるまでの待ち時間が無いものとして、Step9以降の緊急制御を実行するかどうかの判定処理に進む。
また、Step8の判定結果が偽ならば(Step8のNo)、緊急制御を実行するまでの待ち時間または緊急制御の効果が表れるまでの待ち時間中であるとして、緊急制御実行の判定処理をスキップしてStep19に進む(図8のBから図9のBへ)。
Step9からStep18の処理は、緊急制御の動作を表したものである。緊急制御は周波数変動や電圧変動が顕著で補正制御までの時間的余裕が無い場合に実行する。Step9として、第2段制御選択部24では、周波数偏差Δfが周波数上昇側の緊急有効電力制御の実行レベルであるf_H1を超過しているかを判定する。
判定結果が真ならば(Step9のYes)、第2段制御選定部24は発電機1a〜1cに対する緊急有効電力制御を選んだことになり、緊急有効電力制御演算部27に対し起動指令を出力する。そして、緊急制御を実行するためにStep10に進む。一方、判定結果が偽ならば(Step9のNo)、発電機1a〜1cに対する緊急有効電力制御は不要となって、次の判定処理であるStep12に進む。
Step10では、変数Tskipに定数Ts1を設定し、変数Twaitには定数Tw1を設定して、Step11に進む。ここで設定した定数Ts1は、緊急有効電力制御により発電機1a〜1cの遮断指令が送信されて効果が表れるまでの待ち時間である。また、同じく設定した定数Tw1は、緊急有効電力制御により発電機1a〜1cの遮断を実行した後に次の補正制御を実行するまでの待ち時間である。
Step11として、第2段制御選定部24から起動指令を入力した緊急有効電力制御演算部27では、周波数上昇が顕著であるとの判断に基づいて発電機1a〜1cの遮断量を演算し、Step18に進む。前述したように、遮断量演算の一例としては予め定めておいた遮断量を設定する方法がある。
Step18に進むと、制御実行部29は緊急有効電力制御演算部27の演算結果に基づき、遮断器7a〜7cに制御信号を送信して発電機1a〜1cの遮断を実行し、Step19に進む(図8のBから図9のBへ)。これにより、電源過剰状態が解消されれば、上昇していた分離系統の周波数は低下に転じる。一方、周波数が低下しない場合には、Ts1秒経過後、すなわち、Step8の判定が真になると、Step9の判定も真となって、再度、遮断量を演算のうえ、発電機1a〜1cの遮断を実行し、いずれは周波数低下に転じる。
Step12として、第2段制御選定部24では、周波数偏差Δfが周波数低下側の緊急有効電力制御の実行レベルであるf_L1を下回るかどうかを判定する。判定結果が真ならば(Step12のYes)、第2段制御選定部24は負荷5a〜5cに対する緊急有効電力制御を選んだことになり、緊急有効電力制御演算部27に対し起動指令を出力する。そして、緊急制御を実行するためStep13に進む。一方、判定結果が偽ならば(Step9のNo)、負荷5a〜5cに対する緊急有効電力制御は不要として次の判定処理であるStep15に進む。
Step13では、変数Tskipに定数Ts2を設定すると共に、変数Twaitに定数Tw2を設定して、Step14に進む。ここで、定数Ts2は緊急有効電力制御で負荷5a〜5cの遮断指令を送信した後に効果が表れるまでの待ち時間である。また、定数Tw2は緊急有効電力制御で負荷5a〜5cの遮断した後に次の補正制御を実行するまでの待ち時間である。
Step14として、第2段制御選定部24から起動指令を入力した緊急有効電力制御演算部27では、周波数低下が顕著であるとの判断に基づき負荷5a〜5cの遮断量を演算し、Step18に進む。遮断量演算の一例としては、既に述べたように、予め定めておいた遮断量を設定する方法がある。
Step18として、制御実行部29では緊急有効電力制御演算部27の演算結果に基づき遮断器7d〜7fに制御信号を送信する。その結果、遮断器7d〜7fが負荷5a〜5cの遮断を実行し、Step19に進む(図8のBから図9のBへ)。
これにより、負荷過剰状態が解消されれば、低下していた分離系統の周波数は上昇に転じる。周波数が上昇しない場合は、Ts2秒経過後、すなわち、Step8の判定が真になると、Step12の判定も真となって再度遮断量を演算のうえ負荷5a〜5cの遮断を実行し、いずれは周波数上昇に転じる。
Step15として、第2段制御選定部24では、電圧偏差ΔVが上昇側の緊急無効電力制御の実行レベルであるV_H1を超過しているか、または、低下側の緊急無効電力制御の実行レベルであるV_L1を下回るか判定する。判定結果が真ならば(Step15のYes)、第2段制御選定部24は緊急無効電力制御を選んだことになり、緊急無効電力制御演算部28に起動指令を出力して緊急制御を実行するためのStep16に進む。一方、判定結果が偽ならば(Step15のNo)、緊急無効電力制御は不要としてStep19に進む(図8のBから図9のBへ)。
Step16では、変数Tskipに定数Ts3を、変数Twaitに定数Tw3を設定し、Step17に進む。ここで、定数Ts3は緊急無効電力制御で調相設備6a〜6cの遮断、投入指令が送信されて効果が表れるまでの待ち時間であり、定数Tw3は緊急無効電力制御で調相設備6a〜6cの遮断、投入後に、次の補正制御を実行するまでの待ち時間である。
Step17として、第2段制御選定部24から起動指令を入力した緊急無効電力制御演算部28では、電圧上昇または電圧低下が顕著であるとの判断に基づいて調相設備6a〜6cの制御量を演算し、Step18に進む。制御量演算としては、例えば、各変電所で一定の調相設備6a〜6cを入り切りしたときの電圧変動幅を計算する。
そして、無効電力変化に対する電圧変化を表すVQ特性を予め求めておき、観測した各変電所の電圧上昇幅または低下幅とVQ特性から求める方法がある。演算結果として、電圧上昇時には無効電力の供給量を減らし、低下時には増やす解が、各変電所で増減させるべき無効電力量として得られる。
Step18として、制御実行部29では緊急無効電力制御演算部28の演算結果に基づき調相設備6a〜6cの遮断または投入を実行し、Step19に進む(図8のBから図9のBへ)。これにより、無効電力が余剰で分離系統の電圧が上昇していた場合はコンデンサの遮断などで供給が減らされるので、当該電圧は低下する。
また、分離系統における電圧の低下が足りずに緊急制御レベルV_H1以下にならなければ、Ts3秒経過後、すなわち、Step8の判定が真になると、Step15の判定も真となって再度、調相制御量を演算のうえ、調相設備6a〜6cの遮断・投入を実行し、いずれは緊急制御レベルV_H1以下にまで、分離系統の電圧が低下する。
逆に、無効電力が不足して分離系統の電圧が低下していた場合は、コンデンサの投入などで供給が増やされるので電圧は上昇する。また、分離系統の電圧上昇が足りずに緊急制御レベルV_L1以上にならなければ、Ts3秒経過後、すなわち、Step8の判定が真になると、Step15の判定も真となる。
そのため、再度、調相制御量を演算のうえ調相設備6a〜6cの遮断・投入を実行して、いずれは緊急制御レベルV_L1以上にまで、分離系統の電圧は上昇する。以上の動作が、分離系統の周波数偏差や電圧偏差が想定よりも顕著となった場合の緊急制御動作である。
(処理の流れ3・第2段制御として補正制御を実行する場合)
図9に示すフローチャートにおいて、Step19からStep27の処理は、周波数変動や電圧変動が誘導目標範囲内にあるものの、制御を打ち切るほど周波数偏差と電圧偏差が小さくない場合の補正制御の動作を表したものである。Step19として、第2段制御選定部24では一つ前の制御の実行から予め定められた待ち時間が経過したかを変数Twaitが0以下であるかで判定する。
判定結果が真ならば(Step19のYes)、補正制御を実行する時刻であるとして、Step20に進む。判定結果が偽ならば(Step19のNo)、未だ補正制御を実行する時刻ではないものとしてStep28へスキップする。Step20に進むと、図5にて示した補正制御選定基準と周波数偏差、電圧偏差から実行すべき制御を第2段制御選定部24が選定し、補正制御選定部24の選定結果によって処理が分岐する。
第2段制御選定部24の選定結果が発電機1a〜1cの遮断であれば、補正有効電力制御演算部25に対し起動指令を出力してStep21に進む。Step21において、第2段制御選定部24では変数Twaitに定数Tw4を、変数Tskipに定数Ts4を設定し、Step22に進む。定数Tw4は補正制御による発電機1a〜1cの遮断を実行してから次の補正制御までの待ち時間であり、定数Ts4は補正制御で発電機1a〜1cの遮断指令となる制御信号が送信されて効果が表れるまでの待ち時間である。
Step22に進むと、第2段制御選定部24から起動指令を入力した補正有効電力制御演算部25が発電機1a〜1cの遮断量を演算してStep27に進む。補正有効電力制御演算部25の発電機1a〜1cの遮断量に関する演算方法の一例としては、先述の(6)式に観測した周波数の変化率を代入して求める方法がある。
Step27に進むと、制御実行部29では補正有効電力制御演算部25で求められた発電機1a〜1cの遮断量に基づいて遮断指令となる制御信号を遮断機7a〜7cに送信し、遮断機7a〜7cが動作して発電機1a〜1cの遮断を実行してStep28に進む。
発電機1a〜1cの遮断により電源過剰状態が緩和されて分離系統の周波数上昇は改善されると共に、遮断された発電機1a〜1cが無効電力を供給していた場合は電圧が低下する。また、遮断された発電機1a〜1cが無効電力を吸収していた場合は電圧が上昇する。
第2段制御選定部24の選定結果が負荷5a〜5cの遮断であれば、第2段制御選定部24は補正有効電力制御演算部25に起動指令を出力してStep23に進む。Step23では変数Twaitに定数Tw5を、変数Tskipに定数Ts5を設定し、Step24に進む。ここで、Tw5は補正制御による負荷5a〜5cの遮断を実行してから次の補正制御までの待ち時間であり、Ts5は補正制御で負荷5a〜5cの遮断指令が送信されて効果が表れるまでの待ち時間である。
Step24に進むと、第2段制御選定部24から起動指令を入力した補正有効電力制御演算部25が負荷5a〜5cの遮断量を演算してStep27に進む。負荷5a〜5cの遮断量を演算する方法としては、前記発電機1a〜1cの遮断量を演算する方法と同じ方法を用いることができる。
Step27に進むと、制御実行部29では補正有効電力制御演算部25で求められた負荷5a〜5cの遮断量に基づいて遮断器7d〜7fに遮断指令を送信する。これにより、遮断器7d〜7fが負荷5a〜5cの遮断を実行してStep28に進む。負荷遮断により負荷過剰状態が緩和されて周波数低下は改善されると共に、電圧は上昇傾向となる。
第2段制御選定部24の選定結果が調相設備6a〜6cの入り切り(調相制御)であれば、第2段制御選定部24は補正無効電力制御演算部26に起動指令を出力してStep25に進む。Step25において、第2段制御選定部24では変数Twaitに定数Tw6を、変数Tskipに定数Ts6を設定し、Step26に進む。ここで、Tw6は補正制御で調相設備6a〜6cの入り切りを実行してから次の補正制御までの待ち時間であり、Ts6は補正制御による調相設備6a〜6cの入り切り指令が送信されて効果が表れるまでの待ち時間である。
Step26に進むと、第2段制御選定部24からの起動指令を入力した補正無効電力制御演算部26では、調相設備6a〜6cの制御量を演算してStep27に進む。調相設備6a〜6cの制御量に関する演算方法の一例としては、緊急制御の調相制御量演算と同じVQ特性を用いる方法がある。
Step27に進むと、制御実行部29では補正無効電力制御演算部26で求められた調相制御量に基づいて遮断指令である制御信号を遮断器7d〜7fに送信する。これにより、遮断器7d〜7fが調相設備6a〜6cの入り切りを実行してStep28に進む。
以上のようにして無効電力のアンバランスが緩和されることにより、電圧上昇および電圧低下は改善される。電圧上昇が改善された場合、負荷5a〜5cの消費電力が電圧特性に従って減少するため、周波数は上昇傾向となる。また、電圧低下が改善された場合、負荷5a〜5cの消費電力が電圧特性に従って増加するため、周波数は低下傾向となる。
さらに、周波数の変化が制御打ち切り範囲にあって、第2段制御選定部24の選定結果が補正制御不要であれば、制御無しとして演算処理をスキップする。このとき、Step20からStep28に進む。
Step28に進むと、第2段制御選定部24では変数Twaitと変数Tskipのそれぞれから制御周期ΔTを減じ、Step29に進む。これは、次の補正制御までの待ち時間を表すTwaitと緊急制御を有効とするまでの待ち時間Tskipのカウントダウン処理に相当する。
Step29では制御打ち切り時間を経過したかどうかを判定し、判定結果が真ならば(Step29のYes)、制御の繰り返し処理を停止する。また、判定結果が偽ならば(Step29のNo)、Step7に戻って(図9のCから図8のCへ)、再び緊急制御または補正制御の必要性を判定し、適した制御を実行する。
(作用効果)
本実施形態によれば、発電機1a〜1cの遮断や負荷5a〜5cの遮断、調相設備6a〜6cの制御といった制御を実行した後の周波数と電圧の変化傾向を観測する。そして、観測結果と、各構成部の制御を実行した場合に周波数と電圧がそれぞれどのように変化するかを考慮し、制御選定基準に基づいて補正制御の種別を決定する。
そのうえで、周波数偏差に基づいた発電機1a〜1cの遮断量や負荷5a〜5cの遮断量、電圧偏差に基づいた調相設備6a〜6cの制御量を求めて補正制御を実行することを繰り返す。これにより、周波数と電圧の偏差を改善して、分離系統の周波数と電圧を同時に安定化することができる。
(他の実施形態)
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、調相設備の操作については、コンデンサの遮断および投入に代えて、リアクトルの投入および遮断を行うようにしてもよい。また、緊急制御の制御量に関しては、その都度、演算するのではなく、予め一定量を規定しておくことも可能である。さらに、系統分離の電圧低下幅が予め定めた値よりも小さい場合には第1段有効電力制御演算部は、分離点の事前有効電力を遮断量とすることで、演算処理の軽減化が可能である。
1a〜1c…発電機
2a〜2d…母線
3a〜3d…送電線
4a〜4c…変圧器
5a〜5c…負荷
6a〜6c…調相設備
7a〜7i…遮断器
21…系統情報収集部
22…第1段有効電力制御演算部
23…第1段無効電力制御演算部
24…第2段制御選定部
25…補正有効電力制御演算部
26…補正無効電力制御演算部
27…緊急有効電力制御演算部
28…緊急無効電力制御演算部
29…制御実行部
30…電力系統安定化装置

Claims (10)

  1. 系統の分離によって発電電力量と消費電力量および無効電力の供給量と消費量に不均衡が生じた場合に、分離系統内にある発電機または負荷の遮断による有効電力制御と、分離系統内にある調相設備の遮断または投入による無効電力制御を実行することで、分離系統の周波数および電圧を共に安定化させる電力系統安定化装置において、
    系統分離後の一定時間は系統分離後の周波数変動幅が所定の範囲内に収まるようにした前記発電機または前記負荷の遮断量を求める第1段有効電力制御演算部と、
    系統分離後の一定時間は系統分離後の電圧変動幅が所定の範囲内に収まるようにした前記調相設備の操作量を求める第1段無効電力制御演算部と、
    前記第1段有効電力制御演算部の求めた遮断量に基づいた前記発電機または前記負荷の遮断による分離系統の周波数変化を受けて、変化した周波数を微調整するための前記発電機または前記負荷の補正遮断量を求める補正有効電力制御演算部と、
    前記第1段無効電力制御演算部の求めた操作量に基づいた前記調相設備の操作による分離系統の電圧変動を受けて、変動した電圧を微調整するための前記調相設備の補正操作量を求める補正無効電力制御演算部、を備えたことを特徴とする電力系統安定化装置。
  2. 前記第1段有効電力制御演算部の求めた遮断量および前記第1段無効電力制御演算部の求めた操作量に応じて第1段制御を実行した後、一定時間経過後の周波数偏差と電圧偏差の組合せに基づいて、前記発電機または前記負荷の遮断、あるいは前記調相設備の遮断または投入のいずれかを、第2段制御の制御動作として選定する第2段制御選定部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電力系統安定化装置。
  3. 前記第1段有効電力制御演算部の求めた遮断量および前記第1段無効電力制御演算部の求めた操作量に応じて第1段制御を実行した後、一定時間が経過するよりも前に、系統分離後の周波数低下幅または電圧変動幅が所定の範囲を逸脱した場合には、前記第2段制御選定部の選定した第2段制御の制御動作を緊急制御として実行することを特徴とする請求項2に記載の電力系統安定化装置。
  4. 前記第2段制御選定部は、前記第2段制御選定部の選定した第2段制御の制御動作を実行した後、予め決められた条件に従って第2段制御を繰り返す必要があるか否かを判定し、第2段制御の実行が不要であるという判定結果が下るまで第2段制御の選定を継続することを特徴とする請求項2または3に記載の電力系統安定化装置。
  5. 前記第1段有効電力制御演算部は、分離系統内にある前記発電機の慣性定数に基づいて決定した係数と分離点の事前有効電力から前記遮断量を求めることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電力系統安定化装置。
  6. 前記第1段有効電力制御演算部は、系統分離の電圧低下幅が予め定めた値よりも小さい場合には分離点の事前有効電力を前記遮断量とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電力系統安定化装置。
  7. 前記第1段無効電力制御演算部は、前記系統分離前の電力潮流分布から計算した送電線と変圧器の無効電力損失合計と、前記第1段有効電力制御の内容を反映して概算した系統分離後の電力潮流分布から計算した送電線と変圧器の無効電力損失合計の差分、および、前記第1段有効電力制御による無効電力の変化分を合計した系統分離前後の無効電力変動分を、前記操作量とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電力系統安定化装置。
  8. 前記補正無効電力制御演算部は、予め計算しておいた電圧−無効電力特性の逆数と調整すべき電圧変化幅の乗算値を前記補正操作量とすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電力系統安定化装置。
  9. 系統の分離によって発電電力量と消費電力量および無効電力の供給量と消費量に不均衡が生じた場合に、分離系統内にある発電機または負荷の遮断による有効電力制御と、分離系統内にある調相設備の遮断または投入による無効電力制御を実行することで、分離系統の周波数および電圧を共に安定化させる電力系統安定化装置の制御方法において、
    系統分離後の一定時間は系統分離後の周波数変動幅が所定の範囲内に収まるようにした前記発電機または前記負荷の遮断量を求める第1段有効電力制御演算ステップと、
    系統分離後の一定時間は系統分離後の電圧変動幅が所定の範囲内に収まるようにした前記調相設備の操作量を求める第1段無効電力制御演算ステップと、
    前記第1段有効電力制御演算ステップにて求めた遮断量に基づいた前記発電機または前記負荷の遮断による分離系統の周波数変化を受けて、変化した周波数を微調整するための前記発電機または前記負荷の補正遮断量を求める補正有効電力制御演算ステップと、
    前記第1段無効電力制御演算ステップにて求めた操作量に基づいた前記調相設備の操作による分離系統の電圧変動を受けて、変動した電圧を微調整するための前記調相設備の補正操作量を求める補正無効電力制御演算ステップ、を含むことを特徴とする電力系統安定化装置の制御方法。
  10. 前記第1段有効電力制御演算ステップにて求めた遮断量および前記第1段無効電力制御演算ステップにて求めた操作量に応じて第1段制御を実行する第1段制御実行ステップと、
    前記第1段制御実行ステップを行ってから一定時間経過後の周波数偏差と電圧偏差の組合せに基づいて、前記発電機または前記負荷の遮断、あるいは前記調相設備の遮断または投入のいずれかを、第2段制御の制御動作として選定する第2段制御選定ステップと、
    前記第2段制御選定ステップにて選定した第2段制御を実行する第2段制御実行ステップと、
    前記第2段制御実行ステップを行った後、予め決められた条件に従って第2段制御を繰り返す必要があるか否かを判定する第2段制御継続判定ステップ、を含み、
    前記第2段制御選定ステップでは、前記第2段制御継続判定ステップにて第2段制御が不要であるという判定結果が下るまで第2段制御の選定を続けることを特徴とする請求項9に記載の電力系統安定化装置の制御方法。
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