JP2011132427A - 電磁鋼板用冷間圧延油組成物及び圧延方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)基油、
(B)コハク酸の炭素数50〜90の炭化水素置換体
(C)HLB4〜13のポリエチレングリコール型ノニオン界面活性剤、
(D)NN−ジエチルアミノエチルポリメタクリレート等のカチオン系高分子界面活性剤、
(E)組成物の全量を基準として0.05〜3.0質量%のN,N’,N’−トリス(ポリオキシエチレン)−N−牛脂アルキル−1,3−ジアミノプロパン(EO:3モル付加)等のアルキレンジアミン誘導体:
(F)炭化水素系ポリマー及びエステル系ポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種類、
を含有する電磁鋼板用冷間圧延油組成物。
【選択図】なし
Description
特に、電磁鋼板の冷間圧延加工時に発生する鉄とケイ素の摩耗粉は、共存すると著しく乳化状態を不安定化するため、油剤を新しい油剤に交換する頻度がより多くなる。
また、特許文献1には、特定の水溶性陽イオン性または両性イオン高分子化合物により圧延油の乳化分散状態を特有な形態にして、圧延油エマルションを安定化し、更に、混入する摩耗粉を、圧延油エマルション粒子中に抱き込みにくくする方法が提案されている。しかし、圧延油にこのようなイオン性高分子化合物を添加することは一般に困難であり、また二液性になるため作業性に劣り、さらに、混入する摩耗粉がクーラントに蓄積し、除去しにくいため長期間使用することが困難であるともいわれている。
鉄を基材としてケイ素を含ませた電磁鋼は、製造時に用いる圧延油が鋼板上に付着しすぎると、電磁鋼板の磁気特性を低下させることもあるため、電磁鋼板への圧延油の付着量は出来るだけ少ない方が良いとされている。従って、乳化状態を安定に保ち電磁鋼板への圧延油の付着量を変動させないことが要求される。従って、低炭素鋼や極低炭素鋼、高炭素鋼、高張力鋼といった一般の鉄鋼材に用いられる圧延油では、電磁鋼板を製造する要求には応えられない。一般の鉄鋼材はケイ素を含まないため、製造時に発生する摩耗粉はケイ素を含まない。しかし、電磁鋼板を製造する際に発生する鉄とケイ素とを含む摩耗粉が存在すると、エマルションは、一般の鉄鋼材を製造する際に発生する摩耗粉が存在したときと比べてはるかに崩れやすい。
本発明の他の目的は、上記電磁鋼板用冷間圧延油組成物使用する圧延加工方法を提供することである。
1.(A)基油、
(B)コハク酸の炭素数50〜90の炭化水素置換体
(C)HLB4〜13のポリエチレングリコール型ノニオン界面活性剤、
(D)下記(d1)、(d2)及び(d3)からなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオン系高分子界面活性剤:
(d1)下記式(I)で表される化合物又はその塩と、アクリル酸、メタクリル酸、これらのアルキルエステル又はアルキルアミド及びアルケンからなる群から選ばれる少なくとも一種との共重合物であって、数平均分子量が8,000〜1,000,000である油溶性のカチオン系高分子界面活性剤;
(d2)上記式(I)で表される化合物又はその塩の単独重合体又は共重合物であって、数平均分子量が8,000〜1,000,000である油溶性のカチオン系高分子界面活性剤;
(d3)下記式(II)で表される化合物と、アクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルとの共重合物であって、数平均分子量が3,000〜1,000,000であるカチオン系高分子界面活性剤;
(E)組成物の全質量を基準として0.05〜3.0質量%の下記式1で表されるアルキレンジアミン誘導体:
式1 R1R2N−X−NR3R4
(式中、Xは、炭素数1〜5のアルキレン基を表し、
R1は、炭素数4〜25のアルキル基又はアルケニル基を表し、
R2は−(EO)aHを表し、R3は−(EO)bHを表し、R4は−(EO)cHを表し、EOはオキシエチレン基を表し、a、b及びcは0以上の整数、a+b+cは3〜5の整数を表す。)、及び
(F)炭化水素系ポリマー及びエステル系ポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種類、
を含有することを特徴とする電磁鋼板用冷間圧延油組成物。
3.(A)基油が、少なくとも低融点パーム油を含む前記1又は2のいずれか1項記載の電磁鋼板用冷間圧延油組成物。
4.さらに(G)酸化防止剤を含有する前記1〜3のいずれか1項記載の電磁鋼板用冷間圧延油組成物。
5.前記1〜4のいずれか1項記載の電磁鋼板用冷間圧延油組成物を使用することを特徴とする圧延方法。
本発明に使用する基油としては、動植物油脂、合成エステル、合成炭化水素及び鉱油からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むものが好ましい。
動植物油脂としては、牛脂、豚脂、ラノリン等の動物性油脂、なたね油、大豆油、パーム油等の植物性油脂等が挙げられる。また、ウインタリング処理を行った低融点油脂、例えば、低融点パーム油を使用できる。
合成エステルとしては、メチルオレート、2−エチルヘキシルステアレート、2−エチルヘキシルパルミテート、ブチルステアレート、等のモノエステル、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート等の二塩基酸エステル、トリメチロールプロパントリオレート、ペンタエリスリトールテトラオレート等の多価アルコールエステルのフルエステルやヒドロキシル基の残った部分エステル等が挙げられる。
合成炭化水素としては、ポリαオレフィン等が挙げられる。
鉱油は、特に限定されない。
本発明に使用される(B)コハク酸の炭素数50〜90、好ましくは50〜80の炭化水素置換体は、組成物の流動性を向上させ、鉄石鹸等の不要な重合物が生成するのを防止することができる。置換基である炭化水素基としては、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐脂肪族基があげられる。好ましい炭化水素基は、ポリオレフィン、例えばエチレン、プロピレン、ブチレンなどのポリマーから誘導することができる。炭化水素基としては、ポリブテン、特にイソプテンから誘導される基が好ましい。炭素数58の炭化水素で置換したコハク酸、炭素数72の炭化水素で置換したコハク酸が特に好ましい。
本発明の圧延油組成物(原液)に対する(B)成分の添加量は、0.5〜3質量%が好ましく、0.5〜2質量%がより好ましい。この範囲で(B)成分を添加することにより、組成物の流動性を向上させ、鉄石鹸等の不要な重合物が生成するのを防止することができると共に、乳化を安定化するので好ましい。
本発明に使用するHLB4〜13のポリエチレングリコール型ノニオン界面活性剤は、基油を水に乳化するための成分である。HLBが4より低いとW/O化しやすく、13より高いと界面活性剤が水中にかたより再乳化性が劣る。なお、本明細書において、HLBとはグリフィンの式によるHLBを指す。
ポリエチレングリコール型ノニオン系界面活性剤は、特に限定されるものではなく、例えば、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルコールエチレンオキサイド付加物があげられる。
アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物としては、例えば、アルキル基の炭素数が12〜18であるポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、具体的にはオクチルフェノール、ノニルフェノール又はドデシルフェノールのエチレンオキサイド付加物があげられる。ノニルフェノールのエチレンオキサイド付加物が好ましい。
油脂のエチレンオキサイド付加物としては、例えば、ポリオキシエチレン硬化ひまし油エーテル、ポリオキシエチレンひまし油エーテル、ポリオキシエチレンラノリンエーテル、重縮合した油脂にポリオキシエチレンを付加した高分子界面活性剤等のポリオキシエチレン付加物があげられる。ポリオキシエチレン硬化ひまし油エーテル、重縮合した油脂にポリオキシエチレンを付加した高分子界面活性剤が好ましい。
多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物としては、例えば、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンペンタエリスリトール脂肪酸エステル、具体的にはポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビトールテトラオレート、ポリオキシエチレンペンタエリスリトールジオレートがあげられる。ポリオキシエチレンソルビトールテトラオレートが好ましい。
高級アルコールエチレンオキサイド付加物としては、例えば、アルキル基の炭素数が12〜18であるポリオキシエチレンアルキルエーテルがあげられる。具体的にはポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルがあげられる。ポリオキシエチレンステアリルエーテルが好ましい。
本発明の圧延油組成物(原液)に対する(C)成分の添加量は、0.3〜3質量%が好ましく、0.5〜2質量%がより好ましい。この範囲で(C)成分を添加することにより、圧延油を使用する時のエマルションの粒径を好適な範囲である3〜10μmに調整でき、安定な乳化状態を維持できるので好ましい。
カチオン系高分子界面活性剤は、基油の油水分離性を向上させるための成分である。本発明で用いることのできる(D)成分は、下記(d1)、(d2)及び(d3)からなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオン系高分子界面活性剤である。
(d1)下記式(I)で表される化合物又はその塩と、アクリル酸、メタクリル酸、これらのアルキルエステル又はアルキルアミド及びアルケンからなる群から選ばれる少なくとも一種との共重合物であって、数平均分子量が8,000〜1,000,000、好ましくは10,000〜100,000である油溶性のカチオン系高分子界面活性剤
(d1)及び(d2)は、一般的な方法により合成できることもできるし、商業的に入手できるものを利用してもよい。
数平均分子量が1,000,000を超えると、高粘度になり、組み合わせによっては樹脂状となってしまい適切でない。分子量が3,000未満の場合、混入した水を効率良く分離できなくなることがある。
(d3)を構成するアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸メチルエステル、メタクリル酸ラウリルエステル、メタクリル酸2−エチルヘキシルエステル、メタクリル酸ステアリルエステル等があげられる。
本発明の圧延油組成物(原液)に対する(D)成分の添加量は、有効成分として、0.01〜2質量%が好ましく、0.01〜1質量%がより好ましい。この範囲で(D)成分を添加することにより、圧延油を使用する時のエマルションの粒径が好適な範囲である3〜10μmに調整でき、安定な乳化状態を維持できると共に、基油の油水分離性を向上させるため適度な付着量を確保できるので好ましい。
本発明に使用する式1で表されるアルキレンジアミン誘導体において、オキシエチレン又はオキシプロピレンの総付加モル数a+b+cは3〜5、好ましくは3である。総付加モル数が5より多くなると水溶性が高くなり、摩耗粉を水相に分散して、濾過装置等の付帯設備による摩耗粉の除去が困難になると共に、過乳化状態になり潤滑性を低下させるため好ましくない。
式1中R1は、炭素数14〜18のアルキル基又はアルケニル基であるのが好ましい。牛脂由来の基もまた好ましい。
式1中Xは、炭素数1〜3のアルキレン基が好ましく、炭素数3のアルキレン基がより好ましい。
式1のアルキレンジアミン誘導体の具体例としては、N,N',N'-トリス(2-ヒドロキシエチル)-N-牛脂アルキル-1,3-ジアミノプロパン、 N,N',N'-トリス(ポリオキシエチレン)-N-牛脂アルキル-1,3-ジアミノプロパンであって、オキシエチレン付加モル数が3〜5モルのものが挙げられる。このうち、N,N',N'-トリス(ポリオキシエチレン)-N-牛脂アルキル-1,3-ジアミノプロパンであって、オキシエチレン付加モル数が3モルのものが最も好ましい。
本発明の圧延油組成物(原液)に対する(E)成分の添加量は0.05〜3.0質量%であり、0.2〜3.0質量%が好ましい。0.05質量%以下では鉄、ケイ素の摩耗粉に対する安定性付与が充分でなく、また3.0質量%をこえると過乳化状態になり潤滑性が低下するため好ましくない。
(F)成分は、電磁鋼板に対する圧延油の適度な付着量を確保する役割を果たす。数平均分子量が1,000〜300,000であるのが好ましく、50,000〜200,000であるのがより好ましい。
炭化水素系ポリマーとしては、ポリイソブチレン、ポリブテンなどがあげられる。ポリイソブチレンが好ましい。
エステル系ポリマーとしては、メタクリレート系共重合物、アルキルメタクリレート系共重合物などが挙げられる。アルキルメタクリレート系共重合物が好ましい。
本発明の圧延油組成物(原液)に対する(F)成分の添加量は、0.5〜3質量%が好ましく、0.5〜2質量%がより好ましい。この範囲で(F)成分を添加することにより、安定な乳化状態でも電磁鋼板に対する圧延油の適度な付着量を確保できるので好ましい。
本発明の組成物は、さらに(G)酸化防止剤を含有することができる。(G)成分としは、フェノール系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種類があげられる。
フェノール系酸化防止剤としては、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)、チオジエチレンビスプロピオネート、ペンタエスリトールテトラキスプロピオネートなどが挙げられる。このうち、BHTが好ましい。
アミン系酸化防止剤としては、アルキルフェニル−αナフチルアミン、フェニル−1−ナフチルアミン、オクチルブチルジフェニルアミンなどが挙げられる。このうち、フェニル−1−ナフチルアミンが好ましい。
低温保存時の酸化防止及び高温時での酸化防止を両立させるため、フェノール系酸化防止剤とアミン系酸化防止剤とを併用するのが好ましい。特に、BHTとフェニル−1−ナフチルアミンとを併用するのが好ましい。
本発明の圧延油組成物(原液)に対する(G)成分の添加量は、0.3〜3質量%が好ましく、0.5〜2質量%がより好ましい。この範囲で(G)成分を添加することにより、圧延油の低温保存時における酸化劣化及び、高温時における酸化劣化を防止できるので好ましい。
本発明の組成物はさらに、リン酸エステル、亜リン酸エステル、ジアルキルジチオリン酸塩(例えばZnDTP)、硫化油脂、ポリスルフィド等の極圧添加剤を含有することができる。このうち、亜リン酸エステルが好ましい。
リン酸エステルは下記一般式(3)で表されるものが好ましい。
亜リン酸エステルは下記一般式(4)、(5)又は(6)で表されるものが好ましい。
本発明の圧延油組成物(原液)に対する(H)成分の添加量は、0.5〜3質量%が好ましく、0.5〜2質量%がより好ましい。この範囲で(H)成分を添加することにより、乳化状態に影響することなく耐焼付き性を向上させることができるので好ましい。
本発明の組成物はさらに、脂肪酸アミン塩や有機スルホン酸の金属塩等の防錆剤を含有することができる。有機スルホン酸の金属塩が好ましい。
脂肪酸アミン塩としては、例えば、飽和又は不飽和の炭素数6〜22、さらに好ましくは8〜18の脂肪酸(例えば、オレイン酸、ステアリン酸、カプリル酸等)と、飽和又は不飽和の炭素数4〜20のアミンとから構成される化合物があげられる。具体例としては、オレイン酸ジシクロヘキシルアミンが挙げられる。
有機スルホン酸の金属塩としては、炭素数1〜12のアルキル基で一又は二置換されていてもよいベンゼンスルホン酸又はナフタレンスルホン酸の塩、例えばカルシウム,マグネシウム,バリウム等のアルカリ土類金属塩、ナトリウム,カリウム,リチウム等のアルカリ金属塩、亜鉛塩、鉛塩、アンモニウム塩、エチレンジアミン等のアミン塩が挙げられる。より好ましくは、カルシウム塩,バリウム塩、亜鉛塩、アンモニウム塩である。
本発明の圧延油組成物(原液)に対する(I)成分の添加量は、0.2〜3質量%が好ましく、0.2〜2質量%がより好ましい。この範囲で(I)成分を添加することにより、乳化状態に影響することなく防錆性を向上させることができるので好ましい。
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
基油に、各成分(質量比)を添加し、加熱溶解し、攪拌混合して油組成物を調製した。この油組成物を水で5質量%となるように希釈し、エマルションを調製した。比較例7は市販の電磁鋼板用圧延油である。
(A)成分
低融点パーム油;ウインタリング処理を行った低融点パーム油
酸価0.20以下、水分夾雑物0.1%以下、ヨウ素価56〜72、
上昇融点 20℃以下
合成エステル1;パルミチン酸オクチル
合成エステル2;トリメチロールプロパントリオレート
合成炭化水素 ;ポリαオレフィン
(B)成分
コハク酸のC50−C90置換体1;炭素数72(C72)の炭化水素置換のコハク酸
(C)成分
界面活性剤1;ノニオン系乳化剤 POEノニルフェノールエーテル(10.5)
界面活性剤2;ノニオン系乳化剤 高分子油脂EO付加物(6.0)
界面活性剤3;ノニオン系乳化剤 POEソルビトールテトラオレート(10.5)
界面活性剤4;ノニオン系乳化剤 硬化ヒマシ油EO付加物(6.5)
なお、界面活性剤の括弧内の数値はグリフィンの式によるHLBを示す。
(D)成分
界面活性剤5;カチオン系乳化剤 N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド・オクタデシルメタクリレート共重合物(数平均分子量;約1万)
界面活性剤6;カチオン系乳化剤 NN−ジエチルアミノエチルポリメタクリレート(数平均分子量;約7万)
(E)成分
アルキレンジアミン誘導体;N,N’,N’−トリス(ポリオキシエチレン)−N−牛脂アルキル−1,3−ジアミノプロパン(EO:3モル付加)
(F)成分
ポリマー1;アルキルメタクリレート共重合物(数平均分子量;約18万)
ポリマー2;ポリイソブチレン(数平均分子量;約6万)
(G)成分
酸化防止剤1;BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)
酸化防止剤2;フェニル−1−ナフチルアミン
(H)成分
亜リン酸エステル1;亜リン酸ジラウリル
亜リン酸エステル2;ジオレイルハイドロゲンホスファイト
リン酸エステル;トリクレジルホスフェート
(I)成分
防錆剤;バリウムスルフォネート
1.油剤エマルションの性状測定方法
各油剤のエマルションを下記の試験条件・試験方法により測定した。
(1)乳化性試験1
油組成物を3質量%となる様にイオン交換水で希釈して得られる(50〜55℃、イオン交換水、400ml、プライミクス(株)製T.K.ホモミクサーMARK II 2.5にて8000rpmで3分攪拌)エマルションの粒径(μm)(コールター社製コールターマルチサイザーIIIで測定した値)と、ESI値(撹拌終了後採取して8分静置後の、下層濃度/上層濃度)で評価した。
評価は、以下の基準に従った。
○ : エマルションの粒径10μm未満、かつ、ESI値0.8以上
× : エマルションの粒径10μm以上、または、ESI値0.8未満
油組成物を3質量%となる様にイオン交換水で希釈して得られる(60〜65℃、イオン交換水、鉄超微粉1000ppm添加(200Å、真空冶金(株)製)、400ml、プライムミクス(株)製T.KホモミクサーMARK II 2.5にて8000rpmで3分攪拌)エマルションを、引き続き、T.K.ホモミクサーMARK II 2.5にて4000rpm×60分間攪拌を行い、エマルションの粒径(μm、コールター社製コールターマルチサイザー III で測定した値)と、ESI値(攪拌終了後採取して8分静置後の、下層濃度/上層濃度)で評価した。
○ : エマルションの粒径10μm未満、かつ、ESI値0.8以上
× : エマルションの粒径10μm以上、または、ESI値0.8未満
油組成物を3質量%となる様にイオン交換水で希釈して得られる(70〜75℃、イオン交換水、鉄超微粉1000ppm添加(200Å、真空冶金(株)製)、珪素粉500ppm添加(0.8μm珪素粉(株)高純度化学研究所製)400ml、プライミクス(株)製T.K.ホモミクサーMARK II 2.5にて8000rpmで3分攪拌)エマルションを、引き続き、T.K.ホモミクサーMARK II 2.5にて4000rpm×60分間攪拌を行い、エマルションの粒径(μm)(コールター社製コールターマルチサイザー III で測定した値)と、ESI値(攪拌終了後採取して8分静置後の、下層濃度/上層濃度)で評価した。
評価は、以下の基準に従った。
○ : エマルションの粒径10μm未満、かつ、ESI値0.8以上
× : エマルションの粒径10μm以上、または、ESI値0.8未満
70〜75℃、試料3%エマルション16Lに鉄超微粉2500ppm(200Å、真空冶金(株)製)と、珪素粉1250ppm(0.8μm珪素粉(株)高純度化学研究所製)を添加し、4L/分で循環し、7日間循環した後のタンク濃度とESI値(採取後に8分静置後の、下層濃度/上層濃度)で評価した
評価は、以下の基準に従った。
○ : タンク濃度2.5%以上、かつ、ESI値0.8以上
× : タンク濃度2.5%未満、または、ESI値0.8未満
(1)摩擦係数
高速通板試験機(ロール径=240mmΦ、試験片=珪素鋼板;幅20mm×厚さ0.78mm、圧延速度;1パス目450mpm、2パス目600mpm、3パス目750mpm、4パス目1000mpm、トータル圧下率 約64%)での摩擦係数で評価した。
評価は、以下の基準に従った。
○ : 4パス目の摩擦係数 0.020〜0.035
× : 4パス目の摩擦係数 0.020未満又は0.035超
0.020未満ではスリップの危険が高く、0.035を超えると圧延動力が高くなる。
Claims (5)
- (A)基油、
(B)コハク酸の炭素数50〜90の炭化水素置換体
(C)HLB4〜13のポリエチレングリコール型ノニオン界面活性剤、
(D)下記(d1)、(d2)及び(d3)からなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオン系高分子界面活性剤:
(d1)下記式(I)で表される化合物又はその塩と、アクリル酸、メタクリル酸、これらのアルキルエステル又はアルキルアミド及びアルケンからなる群から選ばれる少なくとも一種との共重合物であって、数平均分子量が8,000〜1,000,000である油溶性のカチオン系高分子界面活性剤;
(d2)上記式(I)で表される化合物又はその塩の単独重合体又は共重合物であって、数平均分子量が8,000〜1,000,000である油溶性のカチオン系高分子界面活性剤;
(d3)下記式(II)で表される化合物と、アクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルとの共重合物であって、数平均分子量が3,000〜1,000,000であるカチオン系高分子界面活性剤;
(E)組成物の全質量を基準として0.05〜3.0質量%の下記式1で表されるアルキレンジアミン誘導体:
式1 R1R2N−X−NR3R4
(式中、Xは、炭素数1〜5のアルキレン基を表し、
R1は、炭素数4〜25のアルキル基又はアルケニル基を表し、
R2は−(EO)aHを表し、R3は−(EO)bHを表し、R4は−(EO)cHを表し、EOはオキシエチレン基を表し、a、b及びcは0以上の整数、a+b+cは3〜5の整数を表す。)、及び
(F)炭化水素系ポリマー及びエステル系ポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種類、
を含有することを特徴とする電磁鋼板用冷間圧延油組成物。 - 前記アルキレンジアミン誘導体が、N,N',N'-トリス(2-ヒドロキシエチル)-N-牛脂アルキル-1,3-ジアミノプロパン又はN,N',N'-トリス(ポリオキシエチレン)-N-牛脂アルキル-1,3-ジアミノプロパンであって、オキシエチレン付加モル数が3モルのものである請求項1記載の電磁鋼板用冷間圧延油組成物。
- (A)基油が、少なくとも低融点パーム油を含む請求項1又は2記載の電磁鋼板用冷間圧延油組成物。
- さらに(G)酸化防止剤を含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の電磁鋼板用冷間圧延油組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の電磁鋼板用冷間圧延油組成物を使用することを特徴とする圧延方法。
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