JP2011132427A - 電磁鋼板用冷間圧延油組成物及び圧延方法 - Google Patents

電磁鋼板用冷間圧延油組成物及び圧延方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鉄とケイ素を含有する摩耗粉が混入しても影響を受けにくく、長期間安定に使用可能な電磁鋼板用冷間圧延油組成物を提供する事。
【解決手段】(A)基油、
(B)コハク酸の炭素数50〜90の炭化水素置換体
(C)HLB4〜13のポリエチレングリコール型ノニオン界面活性剤、
(D)NN−ジエチルアミノエチルポリメタクリレート等のカチオン系高分子界面活性剤、
(E)組成物の全量を基準として0.05〜3.0質量%のN,N’,N’−トリス(ポリオキシエチレン)−N−牛脂アルキル−1,3−ジアミノプロパン(EO:3モル付加)等のアルキレンジアミン誘導体:
(F)炭化水素系ポリマー及びエステル系ポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種類、
を含有する電磁鋼板用冷間圧延油組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、鉄を基材とする特殊鋼である電磁鋼板を冷間圧延加工する際に使用する圧延油に関し、特に鉄やケイ素の摩耗粉の混入に対し優れた乳化安定性を有する圧延油組成物、及びこれを用いた圧延方法に関する。
従来、金属の水溶性圧延油は、鉱油、天然油脂、合成エステル等を基油とし、これに油性向上剤、極圧添加剤、酸化防止剤、防錆剤、界面活性剤、分散剤、防腐剤等を配合し、目的に応じた乳化状態になるように調整されたものである。この油剤は水で希釈してエマルションとして循環使用され、ロールと圧延材料の間の摩擦を緩和すると共に、圧延時に発生する膨大な熱を吸収して、ロールや圧延材料を冷却する役目をはたしている。しかし、循環による剪断や、吸収した熱、混入する摩耗粉などにより、長期間使用するとエマルションの乳化状態が不安定になることがあり、この時には油剤を新しい油剤に交換する必要があった。
特に、電磁鋼板の冷間圧延加工時に発生する鉄とケイ素の摩耗粉は、共存すると著しく乳化状態を不安定化するため、油剤を新しい油剤に交換する頻度がより多くなる。
そのため、従来の圧延油では、圧延時に発生した熱や混入する摩耗粉の影響を受けにくくするため、陰イオン系界面活性剤などを用いて、乳化状態を調整している。しかし、ロールや圧延材料への付着油分が減少して充分な潤滑性を確保する事が難しく、さらに、摩耗粉がクーラント内に蓄積して除去できなくなる場合があった。
また、特許文献1には、特定の水溶性陽イオン性または両性イオン高分子化合物により圧延油の乳化分散状態を特有な形態にして、圧延油エマルションを安定化し、更に、混入する摩耗粉を、圧延油エマルション粒子中に抱き込みにくくする方法が提案されている。しかし、圧延油にこのようなイオン性高分子化合物を添加することは一般に困難であり、また二液性になるため作業性に劣り、さらに、混入する摩耗粉がクーラントに蓄積し、除去しにくいため長期間使用することが困難であるともいわれている。
特許文献2には、アルキレンジアミン誘導体を含有する加工油剤が記載されているが、このアルキレンジアミン誘導体は本発明で使用する式1のアルキレンジアミン誘導体とは構造及び目的において相違する。
鉄を基材としてケイ素を含ませた電磁鋼は、製造時に用いる圧延油が鋼板上に付着しすぎると、電磁鋼板の磁気特性を低下させることもあるため、電磁鋼板への圧延油の付着量は出来るだけ少ない方が良いとされている。従って、乳化状態を安定に保ち電磁鋼板への圧延油の付着量を変動させないことが要求される。従って、低炭素鋼や極低炭素鋼、高炭素鋼、高張力鋼といった一般の鉄鋼材に用いられる圧延油では、電磁鋼板を製造する要求には応えられない。一般の鉄鋼材はケイ素を含まないため、製造時に発生する摩耗粉はケイ素を含まない。しかし、電磁鋼板を製造する際に発生する鉄とケイ素とを含む摩耗粉が存在すると、エマルションは、一般の鉄鋼材を製造する際に発生する摩耗粉が存在したときと比べてはるかに崩れやすい。
特公昭62−14599号公報 特開平7−316581号公報
本発明の目的は、電磁鋼板の冷間圧延加工時に発生する鉄とケイ素の摩耗粉が混入しても影響を受けにくく、長期間安定に使用可能な電磁鋼板用冷間圧延油組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、上記電磁鋼板用冷間圧延油組成物使用する圧延加工方法を提供することである。
本発明は、以下の電磁鋼板用冷間圧延油組成物及び圧延加工方法を提供する。
1.(A)基油、
(B)コハク酸の炭素数50〜90の炭化水素置換体
(C)HLB4〜13のポリエチレングリコール型ノニオン界面活性剤、
(D)下記(d1)、(d2)及び(d3)からなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオン系高分子界面活性剤:
(d1)下記式(I)で表される化合物又はその塩と、アクリル酸、メタクリル酸、これらのアルキルエステル又はアルキルアミド及びアルケンからなる群から選ばれる少なくとも一種との共重合物であって、数平均分子量が8,000〜1,000,000である油溶性のカチオン系高分子界面活性剤;
Figure 2011132427
(式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2及びR3は独立してそれぞれメチル、エチル又はプロピル基を示す。)
(d2)上記式(I)で表される化合物又はその塩の単独重合体又は共重合物であって、数平均分子量が8,000〜1,000,000である油溶性のカチオン系高分子界面活性剤;
(d3)下記式(II)で表される化合物と、アクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルとの共重合物であって、数平均分子量が3,000〜1,000,000であるカチオン系高分子界面活性剤;
Figure 2011132427
(式中、R4、R5は、独立してそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基を示し、R6は独立して水素原子またはメチル基を示し、nは3〜5の整数を示す。)
(E)組成物の全質量を基準として0.05〜3.0質量%の下記式1で表されるアルキレンジアミン誘導体:
式1 R12N−X−NR34
(式中、Xは、炭素数1〜5のアルキレン基を表し、
1は、炭素数4〜25のアルキル基又はアルケニル基を表し、
2は−(EO)aHを表し、R3は−(EO)bHを表し、R4は−(EO)cHを表し、EOはオキシエチレン基を表し、a、b及びcは0以上の整数、a+b+cは3〜5の整数を表す。)、及び
(F)炭化水素系ポリマー及びエステル系ポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種類、
を含有することを特徴とする電磁鋼板用冷間圧延油組成物。
2.前記アルキレンジアミン誘導体が、N,N',N'-トリス(2-ヒドロキシエチル)-N-牛脂アルキル-1,3-ジアミノプロパン又はN,N',N'-トリス(ポリオキシエチレン)-N-牛脂アルキル-1,3-ジアミノプロパンであって、オキシエチレン付加モル数が3モルのものである前記1項記載の電磁鋼板用冷間圧延油組成物。
3.(A)基油が、少なくとも低融点パーム油を含む前記1又は2のいずれか1項記載の電磁鋼板用冷間圧延油組成物。
4.さらに(G)酸化防止剤を含有する前記1〜3のいずれか1項記載の電磁鋼板用冷間圧延油組成物。
5.前記1〜4のいずれか1項記載の電磁鋼板用冷間圧延油組成物を使用することを特徴とする圧延方法。
本発明の電磁鋼板用冷間圧延油組成物は、電磁鋼板の冷間圧延加工時に発生する鉄とケイ素の摩耗粉が混入しても影響を受けにくく、長期間安定に使用可能である。
(A)成分
本発明に使用する基油としては、動植物油脂、合成エステル、合成炭化水素及び鉱油からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むものが好ましい。
動植物油脂としては、牛脂、豚脂、ラノリン等の動物性油脂、なたね油、大豆油、パーム油等の植物性油脂等が挙げられる。また、ウインタリング処理を行った低融点油脂、例えば、低融点パーム油を使用できる。
合成エステルとしては、メチルオレート、2−エチルヘキシルステアレート、2−エチルヘキシルパルミテート、ブチルステアレート、等のモノエステル、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート等の二塩基酸エステル、トリメチロールプロパントリオレート、ペンタエリスリトールテトラオレート等の多価アルコールエステルのフルエステルやヒドロキシル基の残った部分エステル等が挙げられる。
合成炭化水素としては、ポリαオレフィン等が挙げられる。
鉱油は、特に限定されない。
基油は、圧延機やクーラントシステム等により、最も適したものを適宜選択すれば良いが、ウインタリング処理を行った低融点油脂及び合成エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むものが好ましい。低融点パーム油は、一般的にアブラヤシの果肉(油脂含量16〜20%)から圧搾によって得られる油脂を分別し、必要な性状をもつ油脂分に分けたパーム分別油の中の一つであり、潤滑作用に有効である。パーム分別油には、高融点画分のパームステアリンとパームオレインがあり、パームオレインはさらに中融点画分と曇り点の低い低融点画分に分別することが行われている。パームオレイン油は低融点画分の油であり、JAS規格で酸価0.20以下、水分夾雑物0.1%以下、ヨウ素価56〜72、上昇融点24℃以下と規定されている。本発明に使用できるパームオレイン油としては、ヨウ素価が56〜72及び上昇融点が20℃以下のものであるのが特に好ましい。
(A)成分として、パームオレインを用いる場合、その質量比率は、組成物全体に対して、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは30〜70質量%である。この範囲より少ないと、圧延油として使用した場合には、期待する高速圧延時における最適な摩擦係数を得ることが困難になり、この範囲より多くても添加量の増加に伴う効果の向上はなく、逆に摩擦係数が低くなりすぎることによるスリップなどの悪影響を及ぼすことがある。
(B)成分
本発明に使用される(B)コハク酸の炭素数50〜90、好ましくは50〜80の炭化水素置換体は、組成物の流動性を向上させ、鉄石鹸等の不要な重合物が生成するのを防止することができる。置換基である炭化水素基としては、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐脂肪族基があげられる。好ましい炭化水素基は、ポリオレフィン、例えばエチレン、プロピレン、ブチレンなどのポリマーから誘導することができる。炭化水素基としては、ポリブテン、特にイソプテンから誘導される基が好ましい。炭素数58の炭化水素で置換したコハク酸、炭素数72の炭化水素で置換したコハク酸が特に好ましい。
本発明の圧延油組成物(原液)に対する(B)成分の添加量は、0.5〜3質量%が好ましく、0.5〜2質量%がより好ましい。この範囲で(B)成分を添加することにより、組成物の流動性を向上させ、鉄石鹸等の不要な重合物が生成するのを防止することができると共に、乳化を安定化するので好ましい。
(C)成分
本発明に使用するHLB4〜13のポリエチレングリコール型ノニオン界面活性剤は、基油を水に乳化するための成分である。HLBが4より低いとW/O化しやすく、13より高いと界面活性剤が水中にかたより再乳化性が劣る。なお、本明細書において、HLBとはグリフィンの式によるHLBを指す。
ポリエチレングリコール型ノニオン系界面活性剤は、特に限定されるものではなく、例えば、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルコールエチレンオキサイド付加物があげられる。
アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物としては、例えば、アルキル基の炭素数が12〜18であるポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、具体的にはオクチルフェノール、ノニルフェノール又はドデシルフェノールのエチレンオキサイド付加物があげられる。ノニルフェノールのエチレンオキサイド付加物が好ましい。
油脂のエチレンオキサイド付加物としては、例えば、ポリオキシエチレン硬化ひまし油エーテル、ポリオキシエチレンひまし油エーテル、ポリオキシエチレンラノリンエーテル、重縮合した油脂にポリオキシエチレンを付加した高分子界面活性剤等のポリオキシエチレン付加物があげられる。ポリオキシエチレン硬化ひまし油エーテル、重縮合した油脂にポリオキシエチレンを付加した高分子界面活性剤が好ましい。
多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物としては、例えば、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンペンタエリスリトール脂肪酸エステル、具体的にはポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビトールテトラオレート、ポリオキシエチレンペンタエリスリトールジオレートがあげられる。ポリオキシエチレンソルビトールテトラオレートが好ましい。
高級アルコールエチレンオキサイド付加物としては、例えば、アルキル基の炭素数が12〜18であるポリオキシエチレンアルキルエーテルがあげられる。具体的にはポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルがあげられる。ポリオキシエチレンステアリルエーテルが好ましい。
このうち、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物が好ましい。
本発明の圧延油組成物(原液)に対する(C)成分の添加量は、0.3〜3質量%が好ましく、0.5〜2質量%がより好ましい。この範囲で(C)成分を添加することにより、圧延油を使用する時のエマルションの粒径を好適な範囲である3〜10μmに調整でき、安定な乳化状態を維持できるので好ましい。
(D)成分
カチオン系高分子界面活性剤は、基油の油水分離性を向上させるための成分である。本発明で用いることのできる(D)成分は、下記(d1)、(d2)及び(d3)からなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオン系高分子界面活性剤である。
(d1)下記式(I)で表される化合物又はその塩と、アクリル酸、メタクリル酸、これらのアルキルエステル又はアルキルアミド及びアルケンからなる群から選ばれる少なくとも一種との共重合物であって、数平均分子量が8,000〜1,000,000、好ましくは10,000〜100,000である油溶性のカチオン系高分子界面活性剤
Figure 2011132427
式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2及びR3は独立してそれぞれメチル、エチル又はプロピル基を示す。
(d2)上記式(I)で表される化合物又はその塩の単独重合体又は共重合物であって、数平均分子量が8,000〜1,000,000、好ましくは10,000〜100,000である油溶性のカチオン系高分子界面活性剤
前記式(I)で表される化合物の具体例としては、NN−ジメチルアミノエチルアクリレート、NN−ジメチルアミノエチルメタクリレート、NN−ジエチルアミノエチルメタクリレート、およびNN−ジプロピルアミノエチルメタクリレートがあげられる。NN−ジエチルアミノエチルメタクリレートが好ましい。
前記式(I)で表される化合物と共重合する化合物としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート等があげられ、又そのアルキルアミドとしては、アクリルアミド、メタクリルアミド等があげられる。また、アルケンとしてはエチレン、プロピレン、ブチレン、アミレン、およびα−オレフィンなどを用いることができる。メチルアクリレートが好ましい。
前記式(I)の化合物の塩が用いられる場合、該化合物の対イオンとして、炭素数6以上の脂肪酸、および炭素数6以上の脂肪族アルコールと燐酸とのジエステルなどを用いることができる。
(d1)及び(d2)は、一般的な方法により合成できることもできるし、商業的に入手できるものを利用してもよい。
(d3)下記式(II)で表される化合物と、アクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルとの共重合物であって、数平均分子量が3,000〜1,000,000、好ましくは5,000〜100,000、より好ましくは7,000〜50,000であるカチオン系高分子界面活性剤
Figure 2011132427
式中、R4、R5は、独立してそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基を示し、R6は独立して水素原子またはメチル基を示し、好ましくはR4、R5及びR6がいずれもメチル基を示し、nは3〜5の整数、好ましくは3を示す。
数平均分子量が1,000,000を超えると、高粘度になり、組み合わせによっては樹脂状となってしまい適切でない。分子量が3,000未満の場合、混入した水を効率良く分離できなくなることがある。
(d3)を構成するアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸メチルエステル、メタクリル酸ラウリルエステル、メタクリル酸2−エチルヘキシルエステル、メタクリル酸ステアリルエステル等があげられる。
(d3)の製造に使用する上記式(II)で表される化合物と、アクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルとの質量比率は、1:5から5:1の範囲が好ましい。前者の比率が多いと、溶剤や基油に対する溶解性が低下し、基油の油水分離効果が低くなる。後者の比率が多いと、カチオン性が低下する。前者:後者の質量比率は、より好ましくは1:3から3:1であり、更に好ましくは1:2から2:1である。
(d3)は、一般的な方法により合成できる。例えば、トルエンなどの溶剤にA群の化合物を溶解し、これにB群の化合物を加え、重合開始剤として、アゾ系又は過酸化物系の化合物を用いて、70℃〜120℃の温度で5〜10時間程度反応させることに容易に合成できる。
本発明の圧延油組成物(原液)に対する(D)成分の添加量は、有効成分として、0.01〜2質量%が好ましく、0.01〜1質量%がより好ましい。この範囲で(D)成分を添加することにより、圧延油を使用する時のエマルションの粒径が好適な範囲である3〜10μmに調整でき、安定な乳化状態を維持できると共に、基油の油水分離性を向上させるため適度な付着量を確保できるので好ましい。
(E)成分
本発明に使用する式1で表されるアルキレンジアミン誘導体において、オキシエチレン又はオキシプロピレンの総付加モル数a+b+cは3〜5、好ましくは3である。総付加モル数が5より多くなると水溶性が高くなり、摩耗粉を水相に分散して、濾過装置等の付帯設備による摩耗粉の除去が困難になると共に、過乳化状態になり潤滑性を低下させるため好ましくない。
式1中R1は、炭素数14〜18のアルキル基又はアルケニル基であるのが好ましい。牛脂由来の基もまた好ましい。
式1中Xは、炭素数1〜3のアルキレン基が好ましく、炭素数3のアルキレン基がより好ましい。
式1のアルキレンジアミン誘導体の具体例としては、N,N',N'-トリス(2-ヒドロキシエチル)-N-牛脂アルキル-1,3-ジアミノプロパン、 N,N',N'-トリス(ポリオキシエチレン)-N-牛脂アルキル-1,3-ジアミノプロパンであって、オキシエチレン付加モル数が3〜5モルのものが挙げられる。このうち、N,N',N'-トリス(ポリオキシエチレン)-N-牛脂アルキル-1,3-ジアミノプロパンであって、オキシエチレン付加モル数が3モルのものが最も好ましい。
本発明の圧延油組成物(原液)に対する(E)成分の添加量は0.05〜3.0質量%であり、0.2〜3.0質量%が好ましい。0.05質量%以下では鉄、ケイ素の摩耗粉に対する安定性付与が充分でなく、また3.0質量%をこえると過乳化状態になり潤滑性が低下するため好ましくない。
(F)成分
(F)成分は、電磁鋼板に対する圧延油の適度な付着量を確保する役割を果たす。数平均分子量が1,000〜300,000であるのが好ましく、50,000〜200,000であるのがより好ましい。
炭化水素系ポリマーとしては、ポリイソブチレン、ポリブテンなどがあげられる。ポリイソブチレンが好ましい。
エステル系ポリマーとしては、メタクリレート系共重合物、アルキルメタクリレート系共重合物などが挙げられる。アルキルメタクリレート系共重合物が好ましい。
本発明の圧延油組成物(原液)に対する(F)成分の添加量は、0.5〜3質量%が好ましく、0.5〜2質量%がより好ましい。この範囲で(F)成分を添加することにより、安定な乳化状態でも電磁鋼板に対する圧延油の適度な付着量を確保できるので好ましい。
(G)成分
本発明の組成物は、さらに(G)酸化防止剤を含有することができる。(G)成分としは、フェノール系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種類があげられる。
フェノール系酸化防止剤としては、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)、チオジエチレンビスプロピオネート、ペンタエスリトールテトラキスプロピオネートなどが挙げられる。このうち、BHTが好ましい。
アミン系酸化防止剤としては、アルキルフェニル−αナフチルアミン、フェニル−1−ナフチルアミン、オクチルブチルジフェニルアミンなどが挙げられる。このうち、フェニル−1−ナフチルアミンが好ましい。
低温保存時の酸化防止及び高温時での酸化防止を両立させるため、フェノール系酸化防止剤とアミン系酸化防止剤とを併用するのが好ましい。特に、BHTとフェニル−1−ナフチルアミンとを併用するのが好ましい。
本発明の圧延油組成物(原液)に対する(G)成分の添加量は、0.3〜3質量%が好ましく、0.5〜2質量%がより好ましい。この範囲で(G)成分を添加することにより、圧延油の低温保存時における酸化劣化及び、高温時における酸化劣化を防止できるので好ましい。
(H)成分
本発明の組成物はさらに、リン酸エステル、亜リン酸エステル、ジアルキルジチオリン酸塩(例えばZnDTP)、硫化油脂、ポリスルフィド等の極圧添加剤を含有することができる。このうち、亜リン酸エステルが好ましい。
リン酸エステルは下記一般式(3)で表されるものが好ましい。
Figure 2011132427
〔式(3)中、R7、R8、R9は水素原子、炭素数1〜22の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、または炭素数3〜18、好ましくは5〜15の脂環式炭化水素基である。ただし、R7、R8、R9が同時に水素原子であることはない。〕
亜リン酸エステルは下記一般式(4)、(5)又は(6)で表されるものが好ましい。
Figure 2011132427
〔式(4)、(5)、(6)中、R10、R11、R12、R15、R16、R18、R19は炭素数1〜22の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、または炭素数3〜18、好ましくは5〜15の脂環式炭化水素基であり、R17は炭素数1〜24のアルキレン基、炭素数2〜24のアルケニレン基、炭素数6〜24のアリーレン基、炭素数7〜24のアリーレンアルキレン基又は炭素数7〜24のアルキルアリーレン基、炭素数2〜4アルキレンオキシド基、炭素数3〜18の2価の脂環式炭化水素基であり、R13、R14は水素原子、炭素数1〜22の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、または炭素数3〜18、好ましくは5〜15の脂環式炭化水素基である。ただし、R13とR14が共に水素原子の場合を除く。nは1〜20の数である。〕
リン酸エステルは、例えば、脂肪族リン酸エステルとして、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリイソプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリイソブチルなどのリン酸トリC1〜22アルキルエステル;リン酸ジメチル、リン酸ジエチル、リン酸ジプロピル、リン酸ジブチル、リン酸ジ(2−エチルヘキシル)などのリン酸ジC1〜22アルキルエステル;リン酸モノメチル、リン酸モノエチル、リン酸モノプロピル、リン酸モノイソプロピル、リン酸モノブチル、リン酸モノイソブチルなどのリン酸モノC1〜22アルキルエステルが挙げられ、芳香族リン酸エステルとして、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリキシリル、リン酸ジフェニルクレジル、リン酸トリ(イソプロピルフェニル)、リン酸ジフェニルエチルクレジルなどのリン酸トリC6〜22アリールエステル;脂肪族−芳香族リン酸エステルとしてリン酸メチルジフェニル、リン酸フェニルジエチルなどが挙げられる。
亜リン酸エステルは、例えば、芳香族亜リン酸エステルとして、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸トリクレジル、亜リン酸トリキシリル、亜リン酸ジフェニルクレジルなどの亜リン酸トリC6〜22アリールエステル;脂肪族亜リン酸エステルとして、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリプロピル、亜リン酸トリイソプロピル、亜リン酸トリブチル、亜リン酸トリイソブチル、亜リン酸トリオレイルなどの亜リン酸トリC1〜22アルキルエステル;亜リン酸ジメチル、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジプロピル、亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジラウリルなどの亜リン酸ジC1〜22アルキルエステル;亜リン酸モノメチル、亜リン酸モノエチル、亜リン酸モノプロピル、亜リン酸モノイソプロピル、亜リン酸モノブチル、亜リン酸モノイソブチルなどの亜リン酸モノC1〜22アルキルエステル;脂肪族−芳香族亜リン酸エステルとして、メタンホスホン酸ジフェニル、メタンホスホン酸ジエチルなどのアルキルホスホン酸アリールエステル;その他の例として、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルモノ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、テトラフェニルジエチレングリコールジホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、テトラフェニルジブチレングリコールジホスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイトが挙げられる。このうち、亜リン酸ジC1〜22アルキルエステルが好ましく、亜リン酸ジラウリルが特に好ましい。
本発明の圧延油組成物(原液)に対する(H)成分の添加量は、0.5〜3質量%が好ましく、0.5〜2質量%がより好ましい。この範囲で(H)成分を添加することにより、乳化状態に影響することなく耐焼付き性を向上させることができるので好ましい。
(I)成分
本発明の組成物はさらに、脂肪酸アミン塩や有機スルホン酸の金属塩等の防錆剤を含有することができる。有機スルホン酸の金属塩が好ましい。
脂肪酸アミン塩としては、例えば、飽和又は不飽和の炭素数6〜22、さらに好ましくは8〜18の脂肪酸(例えば、オレイン酸、ステアリン酸、カプリル酸等)と、飽和又は不飽和の炭素数4〜20のアミンとから構成される化合物があげられる。具体例としては、オレイン酸ジシクロヘキシルアミンが挙げられる。
有機スルホン酸の金属塩としては、炭素数1〜12のアルキル基で一又は二置換されていてもよいベンゼンスルホン酸又はナフタレンスルホン酸の塩、例えばカルシウム,マグネシウム,バリウム等のアルカリ土類金属塩、ナトリウム,カリウム,リチウム等のアルカリ金属塩、亜鉛塩、鉛塩、アンモニウム塩、エチレンジアミン等のアミン塩が挙げられる。より好ましくは、カルシウム塩,バリウム塩、亜鉛塩、アンモニウム塩である。
本発明の圧延油組成物(原液)に対する(I)成分の添加量は、0.2〜3質量%が好ましく、0.2〜2質量%がより好ましい。この範囲で(I)成分を添加することにより、乳化状態に影響することなく防錆性を向上させることができるので好ましい。
本発明の圧延油組成物は使用されるときのエマルションの粒径が3〜10μmに調整されることが好ましい。この調整は界面活性剤の種類と使用量を調整することにより行うことができる。なお、粒径はコールター社製コールターマルチサイザーIIIで測定することができる。
界面活性剤だけで乳化された油剤エマルションは、圧延時に発生する多量の摩耗粉、スケール等の混入物の影響を受け、使用中に不安定な状態になり、濾過装置により圧延油組成物全体が持ち去られ、圧延油使用量が多くなり問題を生じる。本発明では、ノニオン界面活性剤とカチオン性高分子界面活性剤と、式1のアルキレンジアミン誘導体を併用しているため、エマルションの乳化状態をより安定にし、混入する摩耗粉を濾過装置等で除去しやすくすることでその影響を受けにくくし、均一な乳化状態を維持することができる。
本発明の圧延油組成物は、要求性能に応じて、さらにアルコールや脂肪酸などの油性向上剤;アルカノールアミンなどのpH調整剤;防腐剤などを配合する事ができる。これらの成分の使用量は、好ましくは通常0.5〜5.0質量%程度である。
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
〔実施例及び比較例〕
基油に、各成分(質量比)を添加し、加熱溶解し、攪拌混合して油組成物を調製した。この油組成物を水で5質量%となるように希釈し、エマルションを調製した。比較例7は市販の電磁鋼板用圧延油である。
実施例及び比較例の油組成物を調製するのに用いた成分を以下に示す。
(A)成分
低融点パーム油;ウインタリング処理を行った低融点パーム油
酸価0.20以下、水分夾雑物0.1%以下、ヨウ素価56〜72、
上昇融点 20℃以下
合成エステル1;パルミチン酸オクチル
合成エステル2;トリメチロールプロパントリオレート
合成炭化水素 ;ポリαオレフィン
(B)成分
コハク酸のC50−C90置換体1;炭素数72(C72)の炭化水素置換のコハク酸
(C)成分
界面活性剤1;ノニオン系乳化剤 POEノニルフェノールエーテル(10.5)
界面活性剤2;ノニオン系乳化剤 高分子油脂EO付加物(6.0)
界面活性剤3;ノニオン系乳化剤 POEソルビトールテトラオレート(10.5)
界面活性剤4;ノニオン系乳化剤 硬化ヒマシ油EO付加物(6.5)
なお、界面活性剤の括弧内の数値はグリフィンの式によるHLBを示す。
(D)成分
界面活性剤5;カチオン系乳化剤 N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド・オクタデシルメタクリレート共重合物(数平均分子量;約1万)
界面活性剤6;カチオン系乳化剤 NN−ジエチルアミノエチルポリメタクリレート(数平均分子量;約7万)
(E)成分
アルキレンジアミン誘導体;N,N’,N’−トリス(ポリオキシエチレン)−N−牛脂アルキル−1,3−ジアミノプロパン(EO:3モル付加)
(F)成分
ポリマー1;アルキルメタクリレート共重合物(数平均分子量;約18万)
ポリマー2;ポリイソブチレン(数平均分子量;約6万)
(G)成分
酸化防止剤1;BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)
酸化防止剤2;フェニル−1−ナフチルアミン
(H)成分
亜リン酸エステル1;亜リン酸ジラウリル
亜リン酸エステル2;ジオレイルハイドロゲンホスファイト
リン酸エステル;トリクレジルホスフェート
(I)成分
防錆剤;バリウムスルフォネート
上記油組成物エマルションについて、その安定性を調べた。
1.油剤エマルションの性状測定方法
各油剤のエマルションを下記の試験条件・試験方法により測定した。
(1)乳化性試験1
油組成物を3質量%となる様にイオン交換水で希釈して得られる(50〜55℃、イオン交換水、400ml、プライミクス(株)製T.K.ホモミクサーMARK II 2.5にて8000rpmで3分攪拌)エマルションの粒径(μm)(コールター社製コールターマルチサイザーIIIで測定した値)と、ESI値(撹拌終了後採取して8分静置後の、下層濃度/上層濃度)で評価した。
評価は、以下の基準に従った。
○ : エマルションの粒径10μm未満、かつ、ESI値0.8以上
× : エマルションの粒径10μm以上、または、ESI値0.8未満
(2)乳化性試験2
油組成物を3質量%となる様にイオン交換水で希釈して得られる(60〜65℃、イオン交換水、鉄超微粉1000ppm添加(200Å、真空冶金(株)製)、400ml、プライムミクス(株)製T.KホモミクサーMARK II 2.5にて8000rpmで3分攪拌)エマルションを、引き続き、T.K.ホモミクサーMARK II 2.5にて4000rpm×60分間攪拌を行い、エマルションの粒径(μm、コールター社製コールターマルチサイザー III で測定した値)と、ESI値(攪拌終了後採取して8分静置後の、下層濃度/上層濃度)で評価した。
○ : エマルションの粒径10μm未満、かつ、ESI値0.8以上
× : エマルションの粒径10μm以上、または、ESI値0.8未満
(3)乳化性試験3
油組成物を3質量%となる様にイオン交換水で希釈して得られる(70〜75℃、イオン交換水、鉄超微粉1000ppm添加(200Å、真空冶金(株)製)、珪素粉500ppm添加(0.8μm珪素粉(株)高純度化学研究所製)400ml、プライミクス(株)製T.K.ホモミクサーMARK II 2.5にて8000rpmで3分攪拌)エマルションを、引き続き、T.K.ホモミクサーMARK II 2.5にて4000rpm×60分間攪拌を行い、エマルションの粒径(μm)(コールター社製コールターマルチサイザー III で測定した値)と、ESI値(攪拌終了後採取して8分静置後の、下層濃度/上層濃度)で評価した。
評価は、以下の基準に従った。
○ : エマルションの粒径10μm未満、かつ、ESI値0.8以上
× : エマルションの粒径10μm以上、または、ESI値0.8未満
(3)長期乳化性試験
70〜75℃、試料3%エマルション16Lに鉄超微粉2500ppm(200Å、真空冶金(株)製)と、珪素粉1250ppm(0.8μm珪素粉(株)高純度化学研究所製)を添加し、4L/分で循環し、7日間循環した後のタンク濃度とESI値(採取後に8分静置後の、下層濃度/上層濃度)で評価した
評価は、以下の基準に従った。
○ : タンク濃度2.5%以上、かつ、ESI値0.8以上
× : タンク濃度2.5%未満、または、ESI値0.8未満
2.効果の評価
(1)摩擦係数
高速通板試験機(ロール径=240mmΦ、試験片=珪素鋼板;幅20mm×厚さ0.78mm、圧延速度;1パス目450mpm、2パス目600mpm、3パス目750mpm、4パス目1000mpm、トータル圧下率 約64%)での摩擦係数で評価した。
評価は、以下の基準に従った。
○ : 4パス目の摩擦係数 0.020〜0.035
× : 4パス目の摩擦係数 0.020未満又は0.035超
0.020未満ではスリップの危険が高く、0.035を超えると圧延動力が高くなる。
Figure 2011132427
Figure 2011132427
Figure 2011132427

Claims (5)

  1. (A)基油、
    (B)コハク酸の炭素数50〜90の炭化水素置換体
    (C)HLB4〜13のポリエチレングリコール型ノニオン界面活性剤、
    (D)下記(d1)、(d2)及び(d3)からなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオン系高分子界面活性剤:
    (d1)下記式(I)で表される化合物又はその塩と、アクリル酸、メタクリル酸、これらのアルキルエステル又はアルキルアミド及びアルケンからなる群から選ばれる少なくとも一種との共重合物であって、数平均分子量が8,000〜1,000,000である油溶性のカチオン系高分子界面活性剤;
    Figure 2011132427
    (式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2及びR3は独立してそれぞれメチル、エチル又はプロピル基を示す。)
    (d2)上記式(I)で表される化合物又はその塩の単独重合体又は共重合物であって、数平均分子量が8,000〜1,000,000である油溶性のカチオン系高分子界面活性剤;
    (d3)下記式(II)で表される化合物と、アクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルとの共重合物であって、数平均分子量が3,000〜1,000,000であるカチオン系高分子界面活性剤;
    Figure 2011132427
    (式中、R4、R5は、独立してそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基を示し、R6は独立して水素原子またはメチル基を示し、nは3〜5の整数を示す。)
    (E)組成物の全質量を基準として0.05〜3.0質量%の下記式1で表されるアルキレンジアミン誘導体:
    式1 R12N−X−NR34
    (式中、Xは、炭素数1〜5のアルキレン基を表し、
    1は、炭素数4〜25のアルキル基又はアルケニル基を表し、
    2は−(EO)aHを表し、R3は−(EO)bHを表し、R4は−(EO)cHを表し、EOはオキシエチレン基を表し、a、b及びcは0以上の整数、a+b+cは3〜5の整数を表す。)、及び
    (F)炭化水素系ポリマー及びエステル系ポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種類、
    を含有することを特徴とする電磁鋼板用冷間圧延油組成物。
  2. 前記アルキレンジアミン誘導体が、N,N',N'-トリス(2-ヒドロキシエチル)-N-牛脂アルキル-1,3-ジアミノプロパン又はN,N',N'-トリス(ポリオキシエチレン)-N-牛脂アルキル-1,3-ジアミノプロパンであって、オキシエチレン付加モル数が3モルのものである請求項1記載の電磁鋼板用冷間圧延油組成物。
  3. (A)基油が、少なくとも低融点パーム油を含む請求項1又は2記載の電磁鋼板用冷間圧延油組成物。
  4. さらに(G)酸化防止剤を含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の電磁鋼板用冷間圧延油組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の電磁鋼板用冷間圧延油組成物を使用することを特徴とする圧延方法。
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