JP2011132406A - タイヤ用品質改良剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】非石油系原料から得られる酸化防止剤を配合するようにしながら、従来の石油系原料からの酸化防止剤と同等レベル以上の老化防止性能を達成可能にするようにしたタイヤ用品質改良剤を提供する。
【解決手段】カテキン類及びポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有する油溶性カテキン製剤からなることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用品質改良剤に関し、さらに詳しくは、非石油系原料から得られる酸化防止剤を配合しながら、従来の石油系原料からの酸化防止剤と同等レベル以上の老化防止性能を達成可能にするようにしたタイヤ用品質改良剤に関する。
従来、空気入りタイヤの高性能化・高機能化は、主として石油資源から得られた原材料を使用することにより、開発が進められてきた。しかし、近年、石油資源の枯渇問題や二酸化炭素の排出規制などの課題を解決するため、石油資源以外の原材料の比率を高くするようにした空気入りタイヤの開発が求められている。
しかし、単に非石油系の原材料を使用するだけでは、石油系の原材料を使用した従来のタイヤ性能を確保することが難しいという問題がある。例えば酸化防止剤の場合、非石油系原料から得られる酸化防止剤はゴム成分との親和性が不足するため、従来の石油系原料からの酸化防止剤を使用した場合に比べて、同等レベル以上の老化防止性能を得ることができなかった。
例えば特許文献1は、タイヤ用ゴム組成物に非石油系原料から得られる酸化防止剤としてアスコルビン酸(ビタミンC)やトコフェロール(ビタミンE)を使用することを提案している。しかし、これらの化合物は、従来の石油系原料から得られた酸化防止剤を使用した場合と同等レベル以上の老化防止性能を得ることができなかった。
また、特許文献2は、ゴム成分100重量部に対し、カテキン類を0.1〜10重量部配合することを提案している。しかし、このゴム組成物の場合も同様にゴム成分に対するカテキン類の分散性が悪いため、必ずしも従来レベル以上の性能を得ることができなかった。
特開平9−296078号公報 特開2009−138018号公報
本発明の目的は、非石油系原料から得られる酸化防止剤を配合するようにしながら、従来の石油系原料からの酸化防止剤と同等レベル以上の老化防止性能を達成可能にするようにしたタイヤ用品質改良剤を提供することにある。
本発明の他の目的は、無機充填剤として、低発熱性のためにシリカを配合した場合において、非石油系原料からの酸化防止剤により老化防止性能の向上のみならず、低発熱性のレベル向上を可能にしたタイヤ用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のタイヤ用品質改良剤は、カテキン類及びポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有する油溶性カテキン製剤を含むことを特徴とする。
前記ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルは、グリセリンの重合度が2〜10、縮合リシノレイン酸の重合度が2〜6であるとよい。また前記カテキン類は、エピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキン、ガロカテキンから選ばれる少なくとも1種のカテキンを40重量%以上含有するとよい。
前記油溶性カテキン製剤は、前記カテキン類100重量部に対して、前記ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを150〜1200重量部、アルコールを25〜300重量部配合することが好ましい。
前記タイヤ用品質改良剤は、前記油溶性カテキン製剤とトコフェロールを含有するとよい。
上述したタイヤ用品質改良剤は、タイヤ用ゴム組成物に配合するときジエン系ゴム100重量部に対し0.5〜6重量部配合するとよい。また、このタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴム100重量部に対し、シリカを20重量部以上含む無機充填剤を20〜130重量部配合するとよい。
このタイヤ用ゴム組成物は、空気入りタイヤの構成材料として好適に使用可能である。またタイヤ用品質改良剤を、タイヤ構成部材に添加することにより空気入りタイヤを改良することができる。
本発明のタイヤ用品質改良剤によれば、カテキン類及びポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有する油溶性カテキン製剤を含むようにしたので、タイヤ用ゴム組成物に配合するときにカテキン類が酸化防止剤として機能するため、その老化防止性能を、従来の石油系原料からの酸化防止剤を配合した場合と同等レベル以上にすることができる。
また、ジエン系ゴム100重量部に対し、上記タイヤ用品質改良剤を0.5〜6重量部、シリカを20重量部以上含む無機充填剤を20〜130重量部配合したゴム組成物は、カテキン類を油溶性カテキン製剤として配合することにより、ゴム組成物中にカテキン類を良好に分散させるようにしたことにより、意外にもシリカの分散性を向上する作用が得られるため、ゴム組成物の発熱性を一層小さくすることができる。
本発明のタイヤ用品質改良剤は、油溶性カテキン製剤を含む。油溶性カテキン製剤は、カテキン類及びポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有する。また任意成分としてアルコールを含有することができる。油溶性カテキン製剤の形態は、粉状、粒状、液状等どのような形態でもよいが、好ましくは液状であるとよく、カテキン類の分散性を一層向上することができる。
カテキン類としては、例えばエピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキン、ガロカテキン、エピカテキン、エピカテキンガレート、遊離型テアフラビン、テアフラビンモノガレートA、テアフラビンジガレートなどが例示される。なかでもエピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキン、ガロカテキンが好ましく、これらはヒドロキシル基の数が多く、ラジカルを捕捉する性能が高い。また後述するように、ゴム組成物にシリカと共に配合したときにシリカとの親和性が高く、シリカの分散性を良好にすることができる。これらのカテキン類は、単独種でもよいし、或いは複数種を含有するものでもよい。
本発明において、カテキン類は、エピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキン、ガロカテキンから選ばれる少なくとも1種のカテキンを好ましくは40重量%以上、より好ましくは60〜100重量%含有する。カテキン類中のエピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキン、ガロカテキンから選ばれる少なくとも1種のカテキンの含有量(以下、「EGCG等の含有量」という。)を40重量%以上にすることにより、ラジカル捕捉性能を高くして老化防止性能を向上することができる。
油溶性カテキン製剤中のカテキン類の含有量は、好ましくは5〜20重量%、より好ましくは8〜17重量%にするとよい。カテキン類の含有量が5重量%未満であると、老化防止性能を向上する効果が十分に得られない。またカテキン類の含有量が20重量%を超えると、生産コストが増大する。
ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルは、界面活性剤として機能する。これらの界面活性剤を使用することにより、ジエン系ゴムに対するカテキン類の分散性を向上する。ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルは、グリセリン重合度が好ましくは2〜10、より好ましくは3〜8、また縮合リシノレイン酸の重合度が好ましくは2〜6、より好ましくは4〜6であるとよい。このようなポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルは、カテキン類の分散性を良好にする効果が高い。
油溶性カテキン製剤中のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの含有量は、好ましくは30〜60重量%、より好ましくは35〜50重量%にするとよい。ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの配合量が30重量%未満であると、カテキン類の分散性を良好にすることができない。またポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの配合量が60重量%を超えると、生産コストが増大する。
油溶性カテキン製剤は、アルコールを配合することにより、カテキン類をポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルで効率的に処理することができる。アルコールとしては好ましくは炭素数が1〜6、より好ましくは1〜3のアルコールがよい。なかでもエタノールが好ましい。これらのアルコールは、単独種を配合してもよい。また複数種を混合して配合してもよい。
油溶性カテキン製剤中のアルコールの含有量は、好ましくは5〜15重量%、より好ましくは8〜13重量%にするとよい。アルコールの配合量が5重量%未満であると、カテキン類を界面活性剤で効率的に処理することができない。またアルコールの配合量が15重量%を超えると、油への分散性が悪くなる。
本発明において、油溶性カテキン製剤としては、カテキン類100重量部に対して、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを150〜1200重量部、アルコールを25〜300重量部配合することが好ましい。
本発明で使用するタイヤ用品質改良剤は、上述した油溶性カテキン製剤以外に、他の天然化合物を配合することができる。他の天然化合物としては、例えばトコフェロール、アスコルビン酸、カテキン類を除いた植物由来のポリフェノール、植物油、動物油等を例示することができる。これらの天然化合物は、単独で配合してもよい。また、複数種をブレンドして配合してもよい。
天然化合物としては、特にトコフェロールが好ましく、ゴム組成物の老化防止性能を一層高くすることができる。トコフェロールの配合量は、油溶性カテキン製剤100重量部に対し、好ましくは5〜30重量部、より好ましくは10〜25重量部にするとよい。トコフェロールの配合量が5重量部未満であると、ゴム組成物の老化防止性能を向上する効果が十分に得られない。またトコフェロールの配合量が30重量部を超えると、生産コストが増大する。
また、植物油としては、米白絞油などの分散剤として通常使用される植物油を使用することができる。米白絞油の配合量は、カテキン類100重量部に対し、好ましくは0〜300重量部、より好ましくは0〜200重量部にするとよい。
油溶性カテキン製剤の製造方法は、特に制限されるものではなく、通常用いられる方法を用いることができる。例えばカテキン類をアルコールに分散させた後、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルで処理する方法を例示することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、カテキン類を含む油溶性カテキン製剤を配合することにより、ゴム組成物中にカテキン類を良好に分散させることができる。カテキン類が良好に分散することにより、ゴム組成物の老化防止性能を石油系原料から得られた酸化防止剤を使用した場合と同等レベル以上に向上することができる。このタイヤ用品質改良剤の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し、0.5〜6重量部、好ましくは0.5〜4重量部である。タイヤ用品質改良剤の配合量が0.5重量部未満であると、ゴム組成物の老化防止性能を向上する効果が得られない。また、タイヤ用品質改良剤の配合量が6重量部を超えると、耐老化性の性能向上幅とコストの観点から工業生産性に欠けることになる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物において、ゴム成分にはジエン系ゴムが使用される。ジエン系ゴムとしては、タイヤ用ゴム組成物に通常用いられる天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブチルゴム等が挙げられる。また、これらのジエン系ゴムは末端変性されたゴムであってもよい。末端変性基としては、例えばカルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、アルコキシル基、シラノール(SiOH)基などが例示される。またゴム鎖中に変性基を有するゴムであってもよく、このような変性基としては、例えばエポキシ基、ケトン基などが挙げられる。ジエン系ゴムとしては好ましくは天然ゴム、エポキシ化天然ゴムを使用するとよい。これらジエン系ゴムは、単独又は任意のブレンドとして使用することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、シリカを含む無機充填剤を配合することができる。特にシリカを配合することにより、ゴム組成物の発熱性を低減する作用が得られ好ましい。シリカは粒子表面に存在するシラノール基の水素結合により粒子同士が凝集しやすいためジエン系ゴムに対する分散性が悪いので、後述するようにシランカップリング剤を共に配合するようにしている。しかしシランカップリング剤を配合するだけでは、シリカの分散性を改良することができずゴム組成物の発熱性を小さくするという作用効果が十分に得られないことがある。これに対し、本発明では、油溶性カテキン製剤を配合してカテキン類をゴム組成物中に良好に分散させるようにしたことにより、意外にもシリカの分散性を向上する作用が得られる。これによりゴム組成物の発熱性を一層小さくすることができる。このようにシリカの分散性を改良する作用は、石油系原料から得られた酸化防止剤を使用した場合には得られるものではない。
本発明において好適に配合するシリカは、CTAB吸着比表面積が好ましくは60〜250m2/g、より好ましくは80〜200m2/g、さらに好ましくは100〜190m2/gであるとよい。シリカのCTAB吸着比表面積が60m2/g未満の場合には、ゴム強度を十分に高くすることができない。シリカのCTAB吸着比表面積が250m2/gを超えるとゴム粘度が高くなり加工性が悪化する。シリカのCTAB吸着比表面積は、ASTM−D3765−80の規格に準拠して求めるものとする。
シリカの配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し好ましくは20重量部以上、より好ましくは30〜100重量部にする。シリカの配合量が20重量部未満では、ゴム組成物の発熱性を十分に低減することができない。またシリカの凝集塊が形成し難いため分散性を改良する効果が顕在化されないことがある。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、シリカを含む無機充填剤を配合することによりゴム組成物の強度を高くする。無機充填剤としては、シリカだけでもよいが、シリカ以外の他の無機充填剤を含むこともできる。他の無機充填剤としては、例えばカーボンブラック、クレー、酸化チタン、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、マイカ等が例示される。無機充填剤の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し好ましくは20〜130重量部、より好ましくは30〜100重量部である。無機充填剤の配合量が20重量部未満の場合には、ゴム強度を十分に高くすることができない。また、無機充填剤の配合量が130重量部を超えるとタイヤ用ゴム組成物の粘度が増大し成形加工性が悪化する。
本発明では、シリカと共にシランカップリング剤を配合することが好ましく、ジエン系ゴムに対するシリカの分散性を改良することができる。シランカップリング剤の配合量は、シリカの配合量に対し、好ましくは3〜15重量%、より好ましくは5〜10重量%にするとよい。シランカップリング剤の配合量が3重量%未満であると、シリカの分散性を十分に改良することができない。また、シランカップリング剤の配合量が15重量%を超えると、シランカップリング剤同士が凝集・縮合してしまい、所望の効果を得ることができなくなる。
シランカップリング剤の種類としては、特に制限されるものではないが、硫黄含有シランカップリング剤が好ましい。硫黄含有シランカップリング剤としては、例えばビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジサルファイド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラサルファイド、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン等を例示することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、可塑剤、カップリング剤などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練してタイヤ用ゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
本発明のゴム組成物の製造方法は、特に制限されるものではなく、通常用いられる方法で行なうことができる。例えば予め油溶性カテキン製剤の1部又は全部でシリカを処理し、そのシリカをジエン系ゴムに混合することが好ましく、これによりシリカのジエン系ゴムに対する分散性を一層良好にすることができる。また、タイヤ用ゴム組成物は、通常のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
本発明のタイヤ用品質改良剤は、タイヤ用ゴム組成物に配合することにより、カテキン類が酸化防止剤として機能するため、その老化防止性能を、従来の石油系原料からの酸化防止剤を配合した場合と同等レベル以上にすることができる。タイヤ用品質改良剤を、タイヤ構成部材に添加することにより空気入りタイヤを改良することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、非石油系原料から得られる酸化防止剤を配合するようにしながら、従来の石油系原料から得られた酸化防止剤を使用した場合と同等レベル以上の老化防止性能を有する。また、シリカを配合したゴム組成物は、その発熱性(tanδ)を小さくする特性が得られるため、空気入りタイヤの転がり抵抗を低減し燃費性能を向上することができる。このようなタイヤ用ゴム組成物を使用した空気入りタイヤは、老化防止性能が高く耐久性に優れ、かつ燃費性能を向上することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
油溶性カテキン製剤及びタイヤ用品質改良剤の調製
表1に示す配合からなるタイヤ用品質改良剤1〜3及び比較調整物を以下の方法で調製した。表1に記載の配合割合で、カテキン類a,bをエタノールに分散させた後、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルで処理することにより、油溶性カテキン製剤をそれぞれ調製した。得られた油溶性カテキン製剤に米白絞油及び/又はトコフェノールを配合し混合することにより、タイヤ用品質改良剤1〜3を調製した。また、比較調整物として、表1に記載の配合物を秤量・混合して調製した。
Figure 2011132406
なお、表1において使用した原材料の種類を下記に示す。
・カテキン類a:太陽化学社製試作品、EGCG等の含有量が70重量%のもの
・カテキン類b:太陽化学社製試作品、EGCG等の含有量が20重量%のもの
・ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル:太陽化学社製、グリセリン重合度が2〜10、縮合リシノレイン酸の重合度が2〜6のもの
・エタノール:和光純薬社製1級
タイヤ用ゴム組成物の調製及び評価
表2に示す配合からなる8種類のタイヤ用ゴム組成物(実施例1〜5、比較例1〜3)を、それぞれ硫黄及び加硫促進剤を除く配合成分を秤量し、1.8Lのバンバリーミキサーで5分間混練し、温度160℃でマスターバッチを放出し室温冷却した。このマスターバッチを1.8Lのバンバリーミキサーに供し、硫黄及び加硫促進剤を加え混合し、タイヤ用ゴム組成物を調製した。
得られた8種類のタイヤ用ゴム組成物(実施例1〜5、比較例1〜3)をそれぞれ所定形状の金型中で、160℃、20分間加硫して試験片を作製し、下記に示す方法により、発熱性(tanδ)及び引張試験による老化防止性能を評価した。
発熱性(tanδ)
東洋精機製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、温度60℃におけるtanδを、静的歪み10%、動的歪み±2%、周波数20Hzの条件で測定した。得られた結果は、比較例1の値の逆数を100とする指数として表2の「発熱性」の欄に示した。この発熱性の指数が大きいほどtanδが小さく、タイヤにしたときの燃費性能が優れることを意味する。
老化防止性能
得られた試験片からJIS K6251に準拠した3号ダンベル型試験片を成形した。各ダンベル型試験片を2群に分けその一方を70℃で96時間加熱(老化処理)を行なった。老化処理前後のダンベル型試験片を用いて、温度20℃、引張り速度500mm/分の条件で引張試験を行ない応力−歪み曲線(S−Sカーブ)を測定した。それぞれについて歪み10%毎の応力を記録し、S−Sカーブの面積を求めた。次に(老化処理後の面積/老化処理前の面積×100)により面積の変化率(%)を計算し、引張試験の老化防止性能とした。得られた結果は、比較例1を100とする指数として表2の「老化防止性能」の欄に示した。この耐老化性能の指数が大きいほど引張試験における老化防止性能が高いことを意味する。
Figure 2011132406
なお、表2において使用した原材料の種類を下記に示す。
・NR:天然ゴム、RSS#1
・カーボンブラック:新日化カーボン社製ニテロン#200IN
・シリカ:東ソーシリカ社製Nipsil AQ−N(CTAB吸着比表面積157m2/g)
・シランカップリング剤:信越化学社製KBE845
・エピカテキン:ナカライデスク 社製(−)-エピカテキン、カテキン99重量%
・タイヤ用品質改良剤1〜3及び比較調整物:上述した通り調製したもの
・酸化防止剤1:フレキシス社製SANTOFLEX 6PPD
・酸化防止剤2:フレキシス社製FLECTOL TMQ
・亜鉛華:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
・ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸
・ワックス:大内新興化学工業社製サンノック
・アロマオイル:昭和シェル石油アロマ4号
・加硫促進剤:大内新興化学工業社製ノクセラーNS−P
・硫黄:細井化学社製油処理硫黄
表2から明らかなように本発明のタイヤ用ゴム組成物(実施例1〜5)は、老化防止性能を従来レベル以上に向上すると共に、発熱性を一層小さくしている。これに対し、比較例1〜3のゴム組成物は、本願発明のタイヤ用品質改良剤1〜3を配合していないので、老化防止性能を従来レベル以上に向上し、かつ発熱性を一層小さくすることができない。

Claims (9)

  1. カテキン類及びポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有する油溶性カテキン製剤を含むタイヤ用品質改良剤。
  2. 前記ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルが、グリセリンの重合度が2〜10、縮合リシノレイン酸の重合度が2〜6である請求項1に記載のタイヤ用品質改良剤。
  3. 前記カテキン類が、エピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキン、ガロカテキンから選ばれる少なくとも1種のカテキンを40重量%以上含有する請求項1又は2に記載のタイヤ用品質改良剤。
  4. 前記油溶性カテキン製剤が、前記カテキン類100重量部に対して、前記ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを150〜1200重量部、アルコールを25〜300重量部配合する請求項1、2又は3に記載のタイヤ用品質改良剤。
  5. 前記油溶性カテキン製剤とトコフェロールを含有する請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用品質改良剤。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用品質改良剤を、ジエン系ゴム100重量部に対し0.5〜6重量部配合したタイヤ用ゴム組成物。
  7. 前記ジエン系ゴム100重量部に対し、シリカを20重量部以上含む無機充填剤を20〜130重量部配合した請求項6に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  8. 請求項6又は7に記載のタイヤ用ゴム組成物を使用した空気入りタイヤ。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用品質改良剤を、タイヤ構成部材に添加する空気入りタイヤの改良方法。
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