JP2011132167A - 高純度シアン酸エステルの製造方法 - Google Patents

高純度シアン酸エステルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ジアルキルシアノアミド等の低揮発性の不純物の生成が少ない、工業的に有利なシアン酸エステルの新規な製造方法を提供する。
【解決手段】ハロゲン化シアンの水と有機溶媒の二相系溶媒の酸性溶液に、フェノール類、および該フェノール類の水酸基に対し0.1〜1.0当量の3級アミンを添加して、1分以上反応させた後、この反応系にさらに0.1〜2.0当量の3級アミンを添加して反応させることを特徴とする、シアン酸エステルの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、工業的に有利なシアン酸エステルの新規な製造方法に関する。かかる製造方法によれば、ジアルキルシアノアミドの副生を抑制して、より高純度のシアン酸エステルを高収率で得ることができる。
シアン酸エステルは、プリント基板用、電子部品の封止用、複合材料用、成形材料用及び接着材料用等として有用である。
従来、このシアン酸エステルの製造方法として、ハロゲン化シアンとフェノール類を3級アミン存在下で反応させる方法が知られているが、この方法では揮発性の低いジアルキルシアノアミドが副生し、生成物をプレポリマーの調製に使用すると、生成するプレポリマーにジアルキルシアノアミドが不純物として残存し、熱硬化時に揮発してボイドを生じさせるという欠点を有する。一方、アルコール系またはフェノール系のアルカリ金属塩とハロゲン化シアンとを反応させる方法が提案されているが、この方法では、アルコール系またはフェノール系化合物として水酸基の隣接位に嵩高い置換基を有するものを用いなければ、生成したシアン酸エステルがフェノキサイドと反応してイミドカーボネートを副生してしまうという問題があった。製品としてのシアン酸エステルの中に、ジアルキルシアノアミドやイミドカーボネート類等の副生物や未反応物等の不純物が存在すると、貯蔵安定性等が悪化し、ひいてはさらなるシアン酸エステルの制御された重合が困難となるため、好ましくない。
これらの方法の改良法として、水と有機溶媒との混合溶媒中、触媒量の3級アミンを用いて、置換基を有しないフェノール類のシアン酸エステルを製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)が、この方法でもなおイミドカーボネート類が副生してしまう。また、反応溶媒として水を用い、アルカリ金属塩の存在下、フェノラートとハロゲン化シアンとを反応させることにより、副生物の生成を抑制して、高純度のシアン酸エステルを得る方法が提案されている(例えば、特許文献2および3参照)が、目的物の収率等においてなお満足のいくものではない。
一方、ナフトール類、ハロゲン化シアン、及び3級アミンを、水と有機溶媒の二相系溶媒中、酸性条件下で反応させることを特徴とする、シアン酸エステルの製造方法(例えば、特許文献4参照)が報告されているが、さらなる高純度のシアン酸エステルを製造する方法が求められている。
特公昭56−3859号公報 特開平11−255735号公報 特開平11−263767号公報 特開2007−277102号公報
そこで、本発明の目的は、ジアルキルシアノアミド等の低揮発性の不純物の生成が少ない、工業的に有利なシアン酸エステルの新規な製造方法を提供することにある。
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、酸性条件下で、水と有機溶媒の二相系溶媒のハロゲン化シアン溶液中に、フェノール類及び少量の3級アミンの混合液を添加した後に、3級アミンを適当な有機溶媒で希釈した溶液を更に添加すると、ジアルキルシアノアミドの副生が抑制され、純度の高いシアン酸エステルを製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
1.下記一般式(1):
Figure 2011132167
(式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、Xは単結合、炭素数1から20の2価の有機基、カルボニル基、スルホニル基、あるいは2価の硫黄原子または酸素原子である)で表わされるフェノール類、ハロゲン化シアン及び3級アミンを、水と有機溶媒の二相系溶媒中、酸性条件下で反応させ、下記一般式(2):
Figure 2011132167
(式中、R1、R2、R3、R4およびXは、上記一般式(1)中のR1、R2、R3、R4およびXと同義である)で表わされるシアン酸エステルを製造する方法において、
ハロゲン化シアンの水と有機溶媒の二相系溶媒の酸性溶液に、上記一般式(1)で表されるフェノール類、および上記一般式(1)で表されるフェノール類の水酸基に対し0.1〜1.0当量の3級アミンを添加して、1分以上反応させた後、この反応系にさらに0.1〜2.0当量の3級アミンを添加して反応させることを特徴とするシアン酸エステルの製造方法。
2.上記一般式(1)中のXが
Figure 2011132167
(式中、R5とR6は、それぞれ独立に水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基を示す)
Figure 2011132167
で表わされる構造からなる群から選ばれる2価の基である、上記第1項に記載のシアン酸エステルの製造方法。
3.pH6以下の酸性条件下で反応させることを特徴とする上記第1項または第2項に記載のシアン酸エステルの製造方法。
4.pH1以下の酸性条件下で反応させることを特徴とする上記第1項または第2項に記載のシアン酸エステルの製造方法。
5.前記式(1)で表されるフェノール類の水酸基に対し、0.1〜3.0当量の酸を用いて反応系を酸性にすることを特徴とする上記第1〜第4項のいずれかに記載のシアン酸エステルの製造方法。
本発明の製造方法によれば、ジアルキルシアノアミド及びイミドカーボネート類等の副生を抑制して、簡便に高純度のシアン酸エステルを高収率で得ることができる。
本発明は、前記一般式(1)で表されるフェノール類(以下、「フェノール類(1)」という)、ハロゲン化シアン及び3級アミンを、水と有機溶媒の二相系溶媒中、酸性条件下で反応させる、前記一般式(2)で表されるシアン酸エステル(以下、「シアン酸エステル(2)」という)の製造方法である。
本発明においては、前記一般式(1)で表されるフェノール類(1)を用いる。一般式(1)中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、Xは単結合、炭素数1から20の2価の有機基、カルボニル基、スルホニル基、あるいは2価の硫黄原子または酸素原子である。なお、本発明において、アルキル基は、鎖状でも環状でもよく(即ち、シクロアルキル基でもよく)、また、アルキル基及びアリール基中の水素原子は、フッ素、塩素等のハロゲン元素、メトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシ基、シアノ基等で置換されていてもよいし、置換されていなくてもよい。ここで、炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1−エチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基等が挙げられ、炭素数6〜12のアリール基としては、フェニル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基、フェノキシフェニル基、エチルフェニル基、o−,m−またはp−フルオロフェニル基、ジクロロフェニル基、ジシアノフェニル基、トリフルオロフェニル基、メトキシフェニル基、o−,m−またはp−トリル基等が挙げられ、炭素数1から20の2価の有機基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、トリメチルシクロヘキシレン基、ビフェニルイルメチレン基、ジメチルメチレン−フェニレン−ジメチルメチレン基、フルオレンジイル基、フタリドジイル基等が挙げられる。なお、一般式(1)中のXとしては、
Figure 2011132167
Figure 2011132167
で表わされる2価の基が好ましい。ここで、R5とR6は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示し、炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基が挙げられる。
一般式(1)で表されるフェノール類(1)の例としては、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシオクタフルオロビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−ヒドロキシ−5−ビフェニルイル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−ジメチルプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルペンタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルヘキサン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−ジメチルペンタン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルヘプタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルヘプタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−ジメチルヘキサン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,4−ジメチルヘキサン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2,4−トリメチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4−[ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル]ビフェニル、4,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、フェノールフタレイン、o−クレゾールフタレイン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(2−ヒドロキシ−5−ビフェニルイル)フルオレンが挙げられる。
これらの中でも、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−ヒドロキシ−5−ビフェニルイル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4−[ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル]ビフェニル、4,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、フェノールフタレイン、o−クレゾールフタレイン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(2−ヒドロキシ−5−ビフェニルイル)フルオレンが好ましい。また、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−ヒドロキシ−5−ビフェニルイル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4−[ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル]ビフェニル、4,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、フェノールフタレイン、9,9−ビス(2−ヒドロキシ−5−ビフェニルイル)フルオレンがさらに好ましい。
本発明に用いるハロゲン化シアンとしては、塩化シアン及び臭化シアンが挙げられる。ハロゲン化シアンとしては、シアン化ナトリウム等の金属シアニドとハロゲンとを反応させる方法等の公知の製造方法により得られたハロゲン化シアンを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。また、金属シアニドとハロゲンとを反応させて得られたハロゲン化シアンを含有する反応液をそのまま用いることもできる。
ハロゲン化シアンの使用量は、フェノール類(1)の水酸基に対して、通常1.0〜3.0当量、好ましくは1.1〜2.0当量、より好ましくは1.2〜1.8当量である。ハロゲン化シアンの使用量が少なすぎると、フェノール類(1)の水酸基をすべてシアナト基に変換することができず、一方、使用量が多すぎると、ジアルキルシアノアミドがより多く副生してしまうため、好ましくない。
本発明に用いる3級アミンとしては、特に制約なく、具体的には、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリアミルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジエチル−n−ブチルアミン、メチルジ−n−ブチルアミン、メチルエチル−n−ブチルアミン、ドデシルジメチルアミン、トリベンジルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ジフェニルメチルアミン、ピリジン、ジエチルシクロヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等を用いることができる。これらの中でも、収率よく目的物が得られることなどから、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンがより好ましく、トリエチルアミンが特に好ましい。
3級アミンの使用量は、フェノール類(1)の水酸基に対して、通常1.0〜3.0当量であり、好ましくは1.5〜2.8当量、より好ましくは1.8〜2.5当量である。このような範囲で3級アミンを用いることにより、収率よく目的とするシアン酸エステルを得ることができる。
本発明においては、反応溶媒として、水と有機溶媒との二相系溶媒を用いる。二相系溶媒を用いることで、塩基として3級アミンを用いても、低揮発性で液状のジアルキルシアノアミドの副生を抑制することができる。
前記二相系溶媒に用いる水としては、特に制約されず、水道水であっても、蒸留水であっても、脱イオン水であってもよい。効率よく目的とするシアン酸エステルを得る上では、不純物の少ない蒸留水や脱イオン水の使用が好ましい。
前記二相系溶媒に用いる有機溶媒としては、水と非混和性で、反応に不活性なものであれば特に制約はない。具体的には、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、イソオクタン、シクロヘキサノン、シクロぺンタノン、2−ブタノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸エチル等が挙げられる。
前記二相系溶媒において、水と有機溶媒との使用割合は、水と有機溶媒との重量比で、通常、水:有機溶媒=1:100〜100:1、好ましくは1:10〜10:1、より好ましくは1:5〜5:1の範囲である。
また、二相系溶媒の使用量は、特に制限されないが、フェノール類(1)1重量部に対して、通常1〜100重量部、好ましくは2〜50重量部である。
本発明の製造方法においては、酸性条件下で反応を行う。酸性条件としては、水相がpH6以下であるのが好ましく、イミドカーボネート等の副生物の生成抑制のために、水相がpH1以下であるのがより好ましい。また、水相のpHは、特に限定されるものではないが、0.1以上であるのが好ましい。pH6よりも大きな条件下では、イミドカーボネート等の副生物の生成が顕著になり、一方、pH0.1よりも小さな条件で実施しても、期待される効果がさらに高まることはない。
反応系を酸性条件とするには、反応系に酸を添加すればよい。酸の添加量は、酸性条件で反応を行うことができる量であれば、特に限定されないが、収率よく目的とするシアン酸エステルを得る上では、フェノール類(1)の水酸基に対して0.1〜3.0当量添加することが好ましく、0.5〜2.0当量添加することがより好ましく、1.0〜2.0当量の酸を添加することがより一層好ましい。
用いる酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸等の無機酸や、酢酸、乳酸、プロピオン酸などの有機酸が挙げられる。中でも、無機酸の使用が好ましく、塩酸の使用がより好ましい。
フェノール類(1)とハロゲン化シアンとの反応は、ハロゲン化シアン、フェノール類(1)及び3級アミンを、前記二相系溶媒中、酸性条件下で撹拌することによって行うことができる。
具体的には、酸性条件下で、ハロゲン化シアンの二相系溶媒溶液中に、フェノール類(1)及び3級アミンを添加して、全容を撹拌する方法であるが、本方法の場合、副反応を抑制する上では、フェノール類(1)及び3級アミンを適当な有機溶媒で希釈した溶液を添加するのが好ましい。フェノール類(1)及び3級アミンを溶解させる有機溶媒としては、用いる二相系溶媒の有機溶媒と同じものであっても異なるものであっても構わない。
なお、本発明において、3級アミンは、所定量を分割して添加する。3級アミンを分割して添加する方法としては、反応系にフェノール類(1)及び3級アミンの一部(以下、3級アミンaという)を有機溶媒で溶解させたものを滴下して1分以上反応させた後、さらに、残りの3級アミン(以下、3級アミンbという)を滴下して反応を完結させる方法が挙げられる。
より具体的には、反応系に、フェノール類(1)及びフェノール類(1)の水酸基に対して0.1〜1.0当量の3級アミンaを添加し、1分以上反応させた後、さらに0.1〜2.0当量の3級アミンbを添加して反応させる。このような方法により目的物を収率よく得ることができる。この際、3級アミンaの使用量は、副生するジアルキルシアノアミドの抑制の観点から、より少ない方が好ましい。また、3級アミンbは、3級アミンaと同一であっても、異なるものであっても良く、単独で使用しても有機溶媒で希釈したものを使用しても良い。
反応温度は、ハロゲン化シアンとして塩化シアンを用いる場合は、通常−20℃〜+50℃の範囲で行うことができるが、副生するジアルキルシアノアミドおよびイミドカーボネートの抑制の観点から、−15℃〜+10℃の範囲が好ましく、−10℃〜+5℃の範囲がさらに好ましい。反応時間は反応規模にもよるが、通常、数分から数時間である。
反応終了後は、通常の後処理操作、及び所望により分離・精製操作を行うことにより、目的とするシアン酸エステル(2)を単離することができる。具体的には、反応液からシアン酸エステル(2)を含む有機溶媒層を分取し、水洗後、濃縮または溶媒置換すればよい。濃縮する場合には、減圧下80℃以下の温度に加熱して有機溶媒を留去するのが好ましい。温度を高くしすぎると重合が始まるおそれがあるため好ましくない。
得られるシアン酸エステル(2)の純度は、液体クロマトグラフィー又はIRスペクトル法等で分析することができる。
本発明によれば、副生物の生成を抑え、高純度のシアン酸エステル(2)を高収率で得ることができる。そして、得られるシアン酸エステル(2)は、プリント基板用、電子部品の封止用、複合材料用、成形材料用及び接着材料用等として有用である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により特に限定されるものではない。
(シアン酸エステルの分析)
得られたシアン酸エステル1mgを1mLのテトラヒドロフラン(溶媒)に溶解させ、調製した溶液5μLを高速液体クロマトグラフィー(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、Lachrom Elite)に注入した。使用したカラムはODS(和光純薬工業株式会社製 商標Wakopak Navi C18−5)であり、移動相はアセトニトリル/水(60/40、体積比)、流量は1mL/minであった。原料の残存は検出波長254nmにおける吸収について、面積百分率法によりもとめた。
(副生物の定量分析)
また、得られたシアン酸エステル1mgを1mLのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させた。本溶液1μLをガスクロマトグラフィー(Agilent Technologies社製、検出TCD)にて分析を実施した。副生したジエチルシアノアミドの量は、トルエンを内部標準とした内部標準法にてもとめた。
<実施例1:2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパンの合成>
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(和光純薬工業株式会社製)100mmolおよびトリエチルアミン200mmolを塩化メチレン100mLに溶解させた(溶液1)。300mmolの塩化シアンの塩化メチレン溶液110gと10%塩酸110gを混合させた液に−10℃で溶液1を1時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度にて30分撹拌した後、トリエチルアミン160mmolを塩化メチレン20gに溶解させた溶液(溶液2)を30分かけて滴下し、滴下終了後、同温度で30分撹拌した。反応液を分液し、有機相を分取した。反応後の水相のpHは1.2であった。得られた有機相を水200mLで2回洗浄した後、減圧下で濃縮し、最終的に80℃で1時間濃縮乾固させて目的とする2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパンを24.7g得た。得られたシアン酸エステルについて高速液体クロマトグラフィーによる分析を行ったところ、原料の残存は面積百分率値で0.1%未満であることが確認された。また、ガスクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、副反応により生じるジエチルシアノアミドの含有率は0.045重量%であった。
<実施例2:1,1−ビス(4−シアナトフェニル)エタンの合成>
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(和光純薬工業株式会社製)100mmolおよびトリエチルアミン180mmolを塩化メチレン100mLに溶解させた(溶液1)。300mmolの塩化シアンの塩化メチレン溶液110gと10%塩酸110gを混合させた液に−10℃で溶液1を1時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度にて30分撹拌した後、トリエチルアミン220mmolを塩化メチレン20gに溶解させた溶液(溶液2)を30分かけて滴下し、滴下終了後、同温度で30分撹拌した。反応液を分液し、有機相を分取した。反応後の水相のpHは1.1であった。得られた有機相を水200mLで2回洗浄した後、減圧下で濃縮し、最終的に80℃で1時間濃縮乾固させて目的とする1,1−ビス(4−シアナトフェニル)エタンを24.1g得た。得られたシアン酸エステルについて高速液体クロマトグラフィーによる分析を行ったところ、原料の残存は面積百分率値で0.1%未満であることが確認された。また、ガスクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、副反応により生じるジエチルシアノアミドの含有率は0.06重量%であった。
<実施例3:1,1−ビス(4−シアナトフェニル)メタンの合成>
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(和光純薬工業株式会社製)100mmolおよびトリエチルアミン200mmolを塩化メチレン100mLに溶解させた(溶液1)。300mmolの塩化シアンの塩化メチレン溶液110gと10%塩酸110gを混合させた液に−10℃で溶液1を1時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度にて30分撹拌した後、トリエチルアミン160mmolを塩化メチレン20gに溶解させた溶液(溶液2)を30分かけて滴下し、滴下終了後、同温度で30分撹拌した。反応液を分液し、有機相を分取した。反応後の水相のpHは1.2であった。得られた有機相を水200mLで2回洗浄した後、減圧下で濃縮し、最終的に80℃で1時間濃縮乾固させて目的とする1,1−ビス(4−シアナトフェニル)メタンを24.0g得た。得られたシアン酸エステルについて高速液体クロマトグラフィーによる分析を行ったところ、原料の残存は面積百分率値で0.1%未満であることが確認された。また、ガスクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、副反応により生じるジエチルシアノアミドの含有率は0.045重量%であった。
<実施例4:2,2−ビス(4−シアナトフェニル)ヘキサフルオロプロパンの合成>
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(東京化成工業株式会社製)100mmolおよびトリエチルアミン80mmolを塩化メチレン100mLに溶解させた(溶液1)。300mmolの塩化シアンの塩化メチレン溶液110gと10%塩酸110gを混合させた液に−10℃で溶液1を1時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度にて30分撹拌した後、トリエチルアミン260mmolを塩化メチレン20gに溶解させた溶液(溶液2)を30分かけて滴下し、滴下終了後、同温度で30分撹拌した。反応液を分液し、有機相を分取した。反応後の水相のpHは1.0であった。得られた有機相を水200mLで2回洗浄した後、減圧下で濃縮し、最終的に80℃で1時間濃縮乾固させて目的とする2,2−ビス(4−シアナトフェニル)ヘキサフルオロプロパンを36.7g得た。得られたシアン酸エステルについて高速液体クロマトグラフィーによる分析を行ったところ、原料の残存は面積百分率値で0.1%未満であることが確認された。また、ガスクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、副反応により生じるジエチルシアノアミドの含有率は0.03重量%であった。
<実施例5:1,3−ビス[2−(4−シアナトフェニル)−2−プロピル]ベンゼンの合成>
1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン(東京化成工業株式会社製)100mmolおよびトリエチルアミン100mmolを塩化メチレン100mLに溶解させた(溶液1)。260mmolの塩化シアンの塩化メチレン溶液110gと9%塩酸110gを混合させた液に−10℃で溶液1を1時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度にて30分撹拌した後、トリエチルアミン340mmolを塩化メチレン50gに溶解させた溶液(溶液2)を30分かけて滴下し、滴下終了後、同温度で30分撹拌した。反応液を分液し、有機相を分取した。反応後の水相のpHは1.2であった。得られた有機相を水200mLで2回洗浄した後、減圧下で濃縮し、最終的に80℃で1時間濃縮乾固させて目的とする1,3−ビス[2−(4−シアナトフェニル)−2−プロピル]ベンゼンを45.4g得た。得られたシアン酸エステルについて高速液体クロマトグラフィーによる分析を行ったところ、原料の残存は面積百分率値で0.1%未満であることが確認された。また、ガスクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、副反応により生じるジエチルシアノアミドの含有率は0.04重量%であった。
<実施例6:1,1−ビス(4−シアナトフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンの合成>
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(本州化学工業株式会社製)100mmolおよびトリエチルアミン120mmolを塩化メチレン100mLに溶解させた(溶液1)。240mmolの塩化シアンの塩化メチレン溶液110gと8%塩酸110gを混合させた液に−10℃で溶液1を1時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度にて30分撹拌した後、トリエチルアミン180mmolを塩化メチレン50gに溶解させた溶液(溶液2)を30分かけて滴下し、滴下終了後、同温度で30分撹拌した。反応液を分液し、有機相を分取した。反応後の水相のpHは1.1であった。得られた有機相を水200mLで2回洗浄した後、減圧下で濃縮し、最終的に80℃で1時間濃縮乾固させて目的とする1,1−ビス(4−シアナトフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを33.2g得た。得られたシアン酸エステルについて高速液体クロマトグラフィーによる分析を行ったところ、原料の残存は面積百分率値で0.1%未満であることが確認された。また、ガスクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、副反応により生じるジエチルシアノアミドの含有率は0.03重量%であった。
<実施例7:1,1−ビス(4−シアナトフェニル)シクロヘキサンの合成>
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(東京化成工業株式会社製)100mmolおよびトリエチルアミン180mmolを塩化メチレン100mLに溶解させた(溶液1)。300mmolの塩化シアンの塩化メチレン溶液110gと5%塩酸110gを混合させた液に−10℃で溶液1を1時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度にて30分撹拌した後、トリエチルアミン260mmolを塩化メチレン30gに溶解させた溶液(溶液2)を30分かけて滴下し、滴下終了後、同温度で30分撹拌した。反応液を分液し、有機相を分取した。反応後の水相のpHは2.1であった。得られた有機相を水200mLで2回洗浄した後、減圧下で濃縮し、最終的に80℃で1時間濃縮乾固させて目的とする1,1−ビス(4−シアナトフェニル)シクロヘキサンを27.8g得た。得られたシアン酸エステルについて高速液体クロマトグラフィーによる分析を行ったところ、原料の残存は面積百分率値で0.1%未満であることが確認された。また、ガスクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、副反応により生じるジエチルシアノアミドの含有率は0.08重量%であった。
<実施例8:1,1−ビス(4−シアナトフェニル)イソブタンの合成>
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソブタン(和光純薬工業株式会社製)100mmolおよびトリエチルアミン200mmolを塩化メチレン100mLに溶解させた(溶液1)。400mmolの塩化シアンの塩化メチレン溶液110gと15%塩酸100gを混合させた液に−10℃で溶液1を1時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度にて30分撹拌した後、トリエチルアミン240mmolを塩化メチレン50gに溶解させた溶液(溶液2)を30分かけて滴下し、滴下終了後、同温度で30分撹拌した。反応液を分液し、有機相を分取した。反応後の水相のpHは1.6であった。得られた有機相を水200mLで2回洗浄した後、減圧下で濃縮し、最終的に80℃で1時間濃縮乾固させて目的とする1,1−ビス(4−シアナトフェニル)イソブタンを28.0g得た。得られたシアン酸エステルについて高速液体クロマトグラフィーによる分析を行ったところ、原料の残存は面積百分率値で0.1%未満であることが確認された。また、ガスクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、副反応により生じるジエチルシアノアミドの含有率は0.07重量%であった。
<実施例9:フェノールフタレインのシアン酸エステルの合成>
フェノールフタレイン(東京化成工業株式会社製)100mmolおよびトリエチルアミン100mmolを塩化メチレン500mLに溶解させた(溶液1)。400mmolの塩化シアンの塩化メチレン溶液110gと2%塩酸70gを混合させた液に−10℃で溶液1を1時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度にて30分撹拌した後、トリエチルアミン240mmolを塩化メチレン50gに溶解させた溶液(溶液2)を30分かけて滴下し、滴下終了後、同温度で30分撹拌した。反応液を分液し、有機相を分取した。反応後の水相のpHは1.5であった。得られた有機相を水200mLで2回洗浄した後、減圧下で濃縮し、最終的に80℃で1時間濃縮乾固させて目的とするフェノールフタレインのシアン酸エステルを34.6g得た。得られたシアン酸エステルについて高速液体クロマトグラフィーによる分析を行ったところ、原料の残存は面積百分率値で0.1%未満であることが確認された。また、ガスクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、副反応により生じるジエチルシアノアミドの含有率は0.03重量%であった。
<実施例10:9,9−ビス(2−シアナト−5−ビフェニルイル)フルオレンの合成>
9,9−ビス(2−ヒドロキシ−5−ビフェニルイル)フルオレン(東京化成工業株式会社製)100mmolおよびトリエチルアミン160mmolを塩化メチレン300mLに溶解させた(溶液1)。400mmolの臭化シアンの塩化メチレン溶液110gと5%塩酸300gを混合させた液に−10℃で溶液1を1時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度にて30分撹拌した後、トリエチルアミン240mmolを塩化メチレン30gに溶解させた溶液(溶液2)を30分かけて滴下し、滴下終了後、同温度で30分撹拌した。反応液を分液し、有機相を分取した。反応後の水相のpHは1.8であった。得られた有機相を水200mLで2回洗浄した後、減圧下で濃縮し、最終的に80℃で1時間濃縮乾固させて目的とする9,9−ビス(2−シアナト−5−ビフェニルイル)フルオレンを53.5g得た。得られたシアン酸エステルについて高速液体クロマトグラフィーによる分析を行ったところ、原料の残存は面積百分率値で0.1%未満であることが確認された。また、ガスクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、副反応により生じるジエチルシアノアミドの含有率は0.10重量%であった。
<実施例11:4−[ビス(4−シアナトフェニル)メチル]ビフェニルの合成>
特開2003−34711号公報に記載の方法で調製した4−[ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル]ビフェニル100mmolおよびトリエチルアミン160mmolを塩化メチレン100mLに溶解させた(溶液1)。300mmolの塩化シアンの塩化メチレン溶液110gと5%塩酸200gを混合させた液に−10℃で溶液1を1時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度にて30分撹拌した後、トリエチルアミン240mmolを塩化メチレン50gに溶解させた溶液(溶液2)を30分かけて滴下し、滴下終了後、同温度で30分撹拌した。反応液を分液し、有機相を分取した。反応後の水相のpHは1.5であった。得られた有機相を水200mLで2回洗浄した後、減圧下で濃縮し、最終的に80℃で1時間濃縮乾固させて目的とする4−[ビス(4−シアナトフェニル)メチル]ビフェニルを39.4g得た。得られたシアン酸エステルについて高速液体クロマトグラフィーによる分析を行ったところ、原料の残存は面積百分率値で0.1%未満であることが確認された。また、ガスクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、副反応により生じるジエチルシアノアミドの含有率は0.06重量%であった。
<実施例12:ビス(4−シアナトフェニル)エーテルの合成>
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル100mmolおよびトリエチルアミン100mmolを塩化メチレン100mLに溶解させた(溶液1)。300mmolの塩化シアンの塩化メチレン溶液110gと5%塩酸200gを混合させた液に−10℃で溶液1を1時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度にて30分撹拌した後、トリエチルアミン260mmolを塩化メチレン50gに溶解させた溶液(溶液2)を30分かけて滴下し、滴下終了後、同温度で30分撹拌した。反応液を分液し、有機相を分取した。反応後の水相のpHは1.1であった。得られた有機相を水200mLで2回洗浄した後、減圧下で濃縮し、最終的に80℃で1時間濃縮乾固させて目的とするビス(4−シアナトフェニル)エーテルを23.7g得た。得られたシアン酸エステルについて高速液体クロマトグラフィーによる分析を行ったところ、原料の残存は面積百分率値で0.1%未満であることが確認された。また、ガスクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、副反応により生じるジエチルシアノアミドの含有率は0.05重量%であった。
<実施例13:ビス(4−シアナトフェニル)スルフィドの合成>
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド100mmolおよびトリエチルアミン60mmolを塩化メチレン200mLに溶解させた(溶液1)。300mmolの塩化シアンの塩化メチレン溶液110gと5%塩酸200gを混合させた液に−10℃で溶液1を1時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度にて30分撹拌した後、トリエチルアミン260mmolを塩化メチレン50gに溶解させた溶液(溶液2)を30分かけて滴下し、滴下終了後、同温度で30分撹拌した。反応液を分液し、有機相を分取した。反応後の水相のpHは1.0であった。得られた有機相を水200mLで2回洗浄した後、減圧下で濃縮し、最終的に80℃で1時間濃縮乾固させて目的とするビス(4−シアナトフェニル)スルフィドを24.1g得た。得られたシアン酸エステルについて高速液体クロマトグラフィーによる分析を行ったところ、原料の残存は面積百分率値で0.1%未満であることが確認された。また、ガスクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、副反応により生じるジエチルシアノアミドの含有率は0.03重量%であった。
<比較例1:2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパンの合成>
溶液1に用いるトリエチルアミン量を300mmolに、溶液2に用いるトリエチルアミン量を100mmolに変更する以外は実施例1と同様に実施したところ、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパンが25.0g得られた。反応後の水相のpHは1.2であった。得られたシアン酸エステルについて高速液体クロマトグラフィーによる分析を行ったところ、原料の残存は面積百分率値で0.1%未満であることが確認された。また、ガスクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、副反応により生じるジエチルシアノアミドの含有率は0.20重量%であった。
<比較例2:1,1−ビス(4−シアナトフェニル)エタンの合成>
溶液1に用いるトリエチルアミン量を400mmolに、溶液2に用いるトリエチルアミン量を60mmolに変更する以外は実施例2と同様に実施したところ、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)エタンが24.4g得られた。反応後の水相のpHは2.1であった。得られたシアン酸エステルについて高速液体クロマトグラフィーによる分析を行ったところ、原料の残存は面積百分率値で0.1%未満であることが確認された。また、ガスクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、副反応により生じるジエチルシアノアミドの含有率は0.40重量%であった。
<比較例3:1,1−ビス(4−シアナトフェニル)メタンの合成>
溶液1に用いるトリエチルアミン量を340mmolに、溶液2に用いるトリエチルアミン量を80mmolに変更する以外は実施例3と同様に実施したところ、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)メタンが22.5g得られた。反応後の水相のpHは1.5であった。得られたシアン酸エステルについて高速液体クロマトグラフィーによる分析を行ったところ、原料の残存は面積百分率値で0.1%未満であることが確認された。また、ガスクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、副反応により生じるジエチルシアノアミドの含有率は0.25重量%であった。
<比較例4:2,2−ビス(4−シアナトフェニル)ヘキサフルオロプロパンの合成>
溶液1に用いるトリエチルアミン量を240mmolに、溶液2に用いるトリエチルアミン量を240mmolに変更する以外は実施例4と同様に実施したところ、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)ヘキサフルオロプロパンが36.7g得られた。反応後の水相のpHは1.5であった。得られたシアン酸エステルについて高速液体クロマトグラフィーによる分析を行ったところ、原料の残存は面積百分率値で0.1%未満であることが確認された。また、ガスクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、副反応により生じるジエチルシアノアミドの含有率は0.35重量%であった。
<比較例5:1,3−ビス[2−(4−シアナトフェニル)−2−プロピル]ベンゼンの合成>
溶液1に用いるトリエチルアミン量を440mmolに、溶液2に用いるトリエチルアミン量を120mmolに変更する以外は実施例5と同様に実施したところ、1,3−ビス[2−(4−シアナトフェニル)−2−プロピル]ベンゼンが25.1g得られた。反応後の水相のpHは2.5であった。得られたシアン酸エステルについて高速液体クロマトグラフィーによる分析を行ったところ、原料の残存は面積百分率値で0.1%未満であることが確認された。また、ガスクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、副反応により生じるジエチルシアノアミドの含有率は0.88重量%であった。
<比較例6:1,1−ビス(4−シアナトフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンの合成>
溶液1に用いるトリエチルアミン量を260mmolに、溶液2に用いるトリエチルアミン量を200mmolに変更する以外は実施例6と同様に実施したところ、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが31.4g得られた。反応後の水相のpHは2.1であった。得られたシアン酸エステルについて高速液体クロマトグラフィーによる分析を行ったところ、原料の残存は面積百分率値で0.1%未満であることが確認された。また、ガスクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、副反応により生じるジエチルシアノアミドの含有率は0.23重量%であった。
<比較例7:1,1−ビス(4−シアナトフェニル)シクロヘキサンの合成>
溶液1に用いるトリエチルアミン量を400mmolに、溶液2に用いるトリエチルアミン量を120mmolに変更する以外は実施例7と同様に実施したところ、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)シクロヘキサンが26.8g得られた。反応後の水相のpHは2.2であった。得られたシアン酸エステルについて高速液体クロマトグラフィーによる分析を行ったところ、原料の残存は面積百分率値で0.1%未満であることが確認された。また、ガスクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、副反応により生じるジエチルシアノアミドの含有率は2.50重量%であった。
<比較例8:1,1−ビス(4−シアナトフェニル)イソブタンの合成>
溶液1に用いるトリエチルアミン量を360mmolに、溶液2に用いるトリエチルアミン量を120mmolに変更する以外は実施例8と同様に実施したところ、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)イソブタンが26.0g得られた。反応後の水相のpHは1.8であった。得られたシアン酸エステルについて高速液体クロマトグラフィーによる分析を行ったところ、原料の残存は面積百分率値で0.1%未満であることが確認された。また、ガスクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、副反応により生じるジエチルシアノアミドの含有率は0.37重量%であった。
<比較例9:フェノールフタレインのシアン酸エステルの合成>
溶液1に用いるトリエチルアミン量を240mmolに、溶液2に用いるトリエチルアミン量を200mmolに変更する以外は実施例9と同様に実施したところ、フェノールフタレインのシアン酸エステルが34.2g得られた。反応後の水相のpHは2.1であった。得られたシアン酸エステルについて高速液体クロマトグラフィーによる分析を行ったところ、原料の残存は面積百分率値で4.9%であることが確認された。また、ガスクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、副反応により生じるジエチルシアノアミドの含有率は0.37重量%であった。
<比較例10:9,9−ビス(2−シアナト−5−ビフェニルイル)フルオレンの合成>
溶液1に用いるトリエチルアミン量を300mmolに、溶液2に用いるトリエチルアミン量を200mmolに変更する以外は実施例10と同様に実施したところ、9,9−ビス(2−シアナト−5−ビフェニルイル)フルオレンが51.3g得られた。反応後の水相のpHは2.3であった。得られたシアン酸エステルについて高速液体クロマトグラフィーによる分析を行ったところ、原料の残存は面積百分率値で0.1%未満であることが確認された。また、ガスクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、副反応により生じるジエチルシアノアミドの含有率は1.21重量%であった。
<比較例11:4−[ビス(4−シアナトフェニル)メチル]ビフェニルの合成>
溶液1に用いるトリエチルアミン量を300mmolに、溶液2に用いるトリエチルアミン量を200mmolに変更する以外は実施例11と同様に実施したところ、4−[ビス(4−シアナトフェニル)メチル]ビフェニルが26.8g得られた。反応後の水相のpHは1.8であった。得られたシアン酸エステルについて高速液体クロマトグラフィーによる分析を行ったところ、原料の残存は面積百分率値で0.1%未満であることが確認された。また、ガスクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、副反応により生じるジエチルシアノアミドの含有率は0.44重量%であった。
<比較例12:ビス(4−シアナトフェニル)エーテルの合成>
溶液1に用いるトリエチルアミン量を260mmolに、溶液2に用いるトリエチルアミン量を160mmolに変更する以外は実施例12と同様に実施したところ、ビス(4−シアナトフェニル)エーテルが23.4g得られた。反応後の水相のpHは2.0であった。得られたシアン酸エステルについて高速液体クロマトグラフィーによる分析を行ったところ、原料の残存は面積百分率値で0.1%未満であることが確認された。また、ガスクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、副反応により生じるジエチルシアノアミドの含有率は0.18重量%であった。
<比較例13:ビス(4−シアナトフェニル)スルフィドの合成>
溶液1に用いるトリエチルアミン量を240mmolに、溶液2に用いるトリエチルアミン量を200mmolに変更する以外は実施例13と同様に実施したところ、ビス(4−シアナトフェニル)スルフィドが23.3g得られた。反応後の水相のpHは1.6であった。得られたシアン酸エステルについて高速液体クロマトグラフィーによる分析を行ったところ、原料の残存は面積百分率値で0.1%未満であることが確認された。また、ガスクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、副反応により生じるジエチルシアノアミドの含有率は0.16重量%であった。
Figure 2011132167
上記の結果から、フェノール類(1)の水酸基に対して0.1〜1.0当量の3級アミンを添加して、1分以上反応させた後、さらに0.1〜2.0当量の3級アミンを添加して反応させることで、ジアルキルシアノアミドの副生量を大幅に低減して、高純度のシアン酸エステル(2)を製造できることが分かる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1):
    Figure 2011132167
    (式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、Xは単結合、炭素数1から20の2価の有機基、カルボニル基、スルホニル基、あるいは2価の硫黄原子または酸素原子である)で表わされるフェノール類、ハロゲン化シアン及び3級アミンを、水と有機溶媒の二相系溶媒中、酸性条件下で反応させ、下記一般式(2):
    Figure 2011132167
    (式中、R1、R2、R3、R4およびXは、上記一般式(1)中のR1、R2、R3、R4およびXと同義である)で表わされるシアン酸エステルを製造する方法において、
    ハロゲン化シアンの水と有機溶媒の二相系溶媒の酸性溶液に、上記一般式(1)で表されるフェノール類、および上記一般式(1)で表されるフェノール類の水酸基に対し0.1〜1.0当量の3級アミンを添加して、1分以上反応させた後、この反応系にさらに0.1〜2.0当量の3級アミンを添加して反応させることを特徴とするシアン酸エステルの製造方法。
  2. 上記一般式(1)中のXが
    Figure 2011132167
    (式中、R5とR6は、それぞれ独立に水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基を示す)
    Figure 2011132167
    で表わされる構造からなる群から選ばれる2価の基である、請求項1に記載のシアン酸エステルの製造方法。
  3. pH6以下の酸性条件下で反応させることを特徴とする請求項1または2に記載のシアン酸エステルの製造方法。
  4. pH1以下の酸性条件下で反応させることを特徴とする請求項1または2に記載のシアン酸エステルの製造方法。
  5. 前記式(1)で表されるフェノール類の水酸基に対し、0.1〜3.0当量の酸を用いて反応系を酸性にすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシアン酸エステルの製造方法。
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