JP2011131365A - 加工工具ホルダ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ホルダ本体20により回転軸30,50を互に直交する回転軸軸線まわりに回転可能に支持し、回転軸50の先端部に回転加工工具を保持させる。ホルダ本体20に3つの支持ロッド154を回転軸30の回転軸軸線と平行な方向に移動可能に設け、L字形レバー170をエアシリンダ,スプリングを含む駆動装置により回動させ、支持ロッド154を進退させる。加工工具ホルダの主軸10への取付時に支持ロッド154が前進して主軸頭12の突当ブロック230に当接し、ホルダ本体20を支持する。L字形レバー170の係合面176の回動方向と、係合面176と支持ロッド154の後端面178との接触部に対する接平面との成す角を10度以下とし、L字形レバー170と支持ロッド154とを面176,178間の摩擦力によりデッドロック状態とし、支持ロッド154がホルダ本体20を支持する状態に保つ。
【選択図】図1
Description
本発明は、このような実情に鑑みて、より実用的な加工工具ホルダを得ることを課題として為されたものである。
支持部材は、主軸軸線に平行な方向に進退可能とすることも、主軸軸線に対して傾斜した方向、例えば、主軸軸線を中心線とする円錐面の母線に平行な方向に進退可能とすることも可能である。
第1係合面と第2係合面とは、例えばT溝とT字形の係合凸部との係合のように、正逆両方向の力を伝達可能に係合するものの係合面としてもよいが、単純に当接する係合面とすることも可能である。後者の場合は、支持部材を後退方向に付勢する付勢装置を設けることが、取り扱いを容易にする上で望ましい。
このように本発明に係る加工工具ホルダにおいては、支持部材の位置調節が不要であり、ホルダ本体による回転軸の支持剛性を向上させつつ、使い勝手の良い加工工具ホルダが得られる。
支持部材にホルダ本体を支持させ、剛性を高めることによる効果は、第1回転軸としての回転軸の他に、第1回転軸の軸線と交差する方向に延びる軸線のまわりに回転可能にホルダ本体に保持された第2回転軸と、第1回転軸の回転を第2回転軸に伝達する回転伝達装置とを含む加工工具ホルダ(以下、アングルヘッドと称する)において、特に有効に享受することができるが、正面フライス,サイドカッタ,エンドミル等の回転切削工具が、回転軸に同軸に取り付けられる場合であっても、重切削が行われる場合には主軸に大きな横荷重が加えられるため、有効に効果を享受することができる。本発明に係る加工工具ホルダによれば、切削抵抗を抑制するために加工工具の被加工物への切込みや送りを小さくする必要がなく、加工能率の低下を抑制することができるのであり、あるいは、これらの切削加工を精度良く行うことができるのである。
加工工具として研削工具が使用される場合には、切削工具が使用される場合に比較して加工抵抗が小さいことが多いが、相当な研削抵抗が作用する状態で研削が行われる場合もあり、その場合には、切削工具におけるのと類似の効果が得られる。また、研削加工においては、特に高精度が要求されるのが普通であるため、加工精度が向上する効果が大きい。
なお、摩擦力は振動によって低下させられる可能性があるため、駆動装置は、支持部材が主軸頭に当接している間は、駆動部材に、その駆動部材が支持部材を前進方向に駆動する向きの駆動力を加え続けるものとすることが望ましい。
また、支持部材の数が多いほど、ホルダ本体の剛性は高くなるが、支持部材の回転軸まわりの配置は等角度間隔としてもよく、不等角度間隔としてもよい。例えば、回転軸(第1回転軸)の回転軸線に対して加工工具保持部とは反対側の部分における支持部材の配置間隔を、等角度間隔より狭くする。それにより、加工抵抗に基づいて加工工具ホルダに作用するモーメントを強固に受けることができる。
前記主軸に固定されて主軸により回転させられる回転軸と、
その回転軸と相対回転可能に嵌合されたホルダ本体と、
そのホルダ本体の前記回転軸のまわりの3箇所以上に、前記主軸軸線に平行な方向の成分を含む進退方向に進退可能に保持され、前進位置において前記主軸頭に当接し、後退位置において前記主軸頭から離間する3つ以上の支持部材と、
それら支持部材の各々の係合面である第1係合面に係合する第2係合面をそれぞれ有して前記ホルダ本体に相対移動可能に保持され、前記第2係合面と前記第1係合面との係合により、前記支持部材の各々を進退させる3つ以上の駆動部材と、
その駆動部材を駆動する駆動装置と
を含み、かつ、少なくとも前記支持部材が前記主軸頭に当接した状態において、前記支持部材に加えられる後退方向の力に基づいて、前記駆動部材を前記支持部材の後退を許容する向きに移動させようとする力が、前記第1係合面と前記第2係合面との間に作用する摩擦力より小さくなるように構成されたことを特徴とする加工工具ホルダ。
(2)前記駆動部材が回動軸線のまわりに回動可能な回動部材であり、前記駆動装置がその回動部材を回動させるものであり、前記支持部材が前記主軸頭に当接した状態において、前記回動部材の前記第2係合面の前記第1係合面と接触する部分と、前記回動軸線とを結ぶ直線に直角な平面と、前記第1係合面と前記第2係合面との互いに接触する部分に対する接平面との成す角が摩擦角以下である(1)項に記載の加工工具ホルダ。
駆動部材が回動部材とされれば、直線移動部材とされる場合に比較して支持部材を駆動するために要するスペースを小さくし、加工工具ホルダをコンパクトに構成することができる。
(3)前記回動部材が、2つのアームを備えたL字形レバーであり、一方のアームが先端部において前記支持部材の後端面に係合し、他方のアームが前記駆動装置の駆動力を受ける(2)項に記載の加工工具ホルダ。
本項に記載の特徴によれば、支持部材と駆動装置とを並列に設けることができ、加工工具ホルダをコンパクトに構成することが容易となる。
(4)前記駆動装置が駆動エネルギの供給を受けて作動するアクチュエータを含む(1)項ないし(3)項のいずれかに記載の加工工具ホルダ。
(5)さらに、前記回転軸が前記主軸に固定されるのに伴って、前記主軸頭側の接続部である第1接続部と接続状態となり、前記駆動エネルギの供給を受け得る状態となる第2接続部を含む(4)項に記載の加工工具ホルダ。
(6)さらに、
前記ホルダ本体に前記主軸軸線に平行な方向に移動可能に保持され、前記回転軸が前記主軸に固定されるのに伴って、前記主軸頭側の位置決め凹部に嵌入し、前記ホルダ本体の前記主軸頭に対する相対回転位置を決める位置決めピンと、
その位置決めピンを前記主軸頭に向かう前進方向に付勢する付勢装置と、
前記位置決めピンと共に移動し、位置決めピンが前進位置にある状態では前記回転軸の係合部である回転軸側係合部と係合して回転軸と前記ホルダ本体との相対回転を防止し、前記位置決めピンが前記位置決め凹部に嵌入した後、前記付勢装置の付勢力に抗して後退させられるのに伴って前記回転軸側係合部から離脱し、前記回転軸と前記ホルダ本体との相対回転を許容する状態となる位置決めピン側係合部と
を含み、前記位置決めピンと前記主軸頭側位置決め凹部とが前記第2接続部と前記第1接続部とをそれぞれ兼ねる(5)項に記載の加工工具ホルダ。
駆動エネルギは、電流の形態で供給されても、圧力流体の形態で供給されてもよい。前者の場合は第1,第2接続部が電気コネクタとされ、後者の場合は流体コネクタとされる。主軸および主軸頭の近傍においては、圧力流体の形態の駆動エネルギが得やすいことが多いため、一般には流体コネクタとされることが望ましい。流体は液体でも気体でもよい。
回転軸とホルダ本体との相対回転が防止されることにより、加工工具ホルダが工作機械から取り外された状態において回転軸とホルダ本体との位相が一義的に決められる。それにより、加工工具ホルダを工作機械に取り付ける際、回転軸と主軸、および、ホルダ本体と主軸頭との位相を同時に合わせることができ、取付けが容易である。
位置決めピンおよび主軸頭側位置決め凹部と第1,第2接続部とは別々に設けてもよい。前者が後者を兼ねるようにすれば、加工工具ホルダを簡易に構成することができるとともに、装置コストを低減することができる。
(7)前記駆動装置が、前記支持部材を前進方向に駆動する向きに前記駆動部材を付勢する付勢装置を含み、前記アクチュエータが、駆動エネルギの供給を受けて作動し、前記駆動部材を前記付勢装置の付勢力に抗して作動させるものである(4)ないし(6)項のいずれかに記載の加工工具ホルダ。
支持部材はアクチュエータによる駆動部材の駆動によって主軸頭に当接した状態に保たれるようにしてもよいが、加工中に駆動エネルギの供給に異常が生じ、供給が遮断されれば、支持部材が主軸頭から離れ、ホルダ本体の剛性が低下する恐れがある。それに対し、支持部材が付勢装置の付勢力に基づいて主軸頭に当接した状態に保たれれば、加工中の駆動エネルギの供給が不要であり、かつ、駆動エネルギの供給異常時におけるホルダ本体の剛性低下が回避される。
(8)前記アクチュータが、直線的に移動するピストンと、そのピストンを気密にかつ摺動可能に収容したシリンダハウジングとを含む流体圧シリンダである(4)項ないし(7)項のいずれかに記載の加工工具ホルダ。
(9)さらに、前記ホルダ本体に対して前記主軸軸線と交差する方向の加工抵抗を加える状態で前記加工工具を保持する加工工具保持部を含む(1)項ないし(8)項のいずれかに記載の加工工具ホルダ。
この加工工具保持部により保持された加工工具によって被加工物に加工が施されるとき、回転軸には、加工抵抗に基づいて曲げモーメントが作用するが、支持部材によって支持されたホルダ本体により剛性高く支持され、加工が精度良く行われる。
(10)前記加工工具保持部が前記回転軸に固定的に設けられた(9)項に記載の加工工具ホルダ。
加工工具保持部は回転軸に一体に設けられてもよく、別体の加工工具保持部が回転軸に固定されてもよい。
(11)さらに、第1回転軸としての前記回転軸の第1回転軸軸線と交差する第2回転軸軸線のまわりに回転可能に前記ホルダ本体に保持された第2回転軸と、
その第2回転軸に前記第1回転軸の回転を伝達する回転伝達装置と
を含み、前記第2回転軸に前記加工工具保持部が固定的に設けられた(9)項に記載の加工工具ホルダ。
(12)前記回転軸が、前記主軸内に設けられたドローバーと連結される連結部と、工具交換アームにより保持されるボトルネック部とを備え、自動で前記工作機械に取り付けられる(1)項ないし(11)項のいずれかに記載の加工工具ホルダ。
マシニングセンタが本項に記載の工作機械の一例である。
マシニングセンタにおいては主軸に種々の加工工具が選択的に取り付けられ、複数種類の加工が行われるが、一般的に予定されているのは、ドリル,リーマ,タップ等を用いた加工のように、切削抵抗が比較的小さく、かつ、回転軸の回転軸軸線に対して対称に作用する加工であって、重切削や、アングルヘッドによる切削加工のように、主軸に大きな横力(曲げモーメント)が加えられる加工や、スロッティング加工のように主軸に主軸軸線方向の大きい荷重が加えられる加工に耐える支持剛性は与えられていないことが多い。したがって、それらの加工を行おうとすれば、加工精度が低下し、主軸や主軸軸受を傷める恐れがあるのであるが、本発明によって加工工具ホルダの支持剛性が高められることにより、マシニングセンタにおいて重切削等を精度良く、主軸等を傷めることなく行うことが可能となり、汎用性が向上し、専用機を設ける場合に比較して設備コストを低減することができる。特に、加工工具ホルダの使い勝手が良いため、マシニングセンタによる重切削等がやり易くなる。
Claims (6)
- 主軸軸線を中心に回転する主軸とその主軸を回転可能に保持する主軸頭とを備えた工作機械に取り付けられ、加工工具を保持する加工工具ホルダであって、
前記主軸に固定されて主軸により回転させられる回転軸と、
その回転軸と相対回転可能に嵌合されたホルダ本体と、
そのホルダ本体の前記回転軸のまわりの3箇所以上に、前記主軸軸線に平行な方向の成分を含む進退方向に進退可能に保持され、前進位置において前記主軸頭に当接し、後退位置において前記主軸頭から離間する3つ以上の支持部材と、
それら支持部材の各々の係合面である第1係合面に係合する第2係合面をそれぞれ有して前記ホルダ本体に相対移動可能に保持され、前記第2係合面と前記第1係合面との係合により、前記支持部材の各々を進退させる3つ以上の駆動部材と、
その駆動部材を駆動する駆動装置と
を含み、かつ、少なくとも前記支持部材が前記主軸頭に当接した状態において、前記支持部材に加えられる後退方向の力に基づいて、前記駆動部材を前記支持部材の後退を許容する向きに移動させようとする力が、前記第1係合面と前記第2係合面との間に作用する摩擦力より小さくなるように構成されたことを特徴とする加工工具ホルダ。 - 前記駆動部材が回動軸線のまわりに回動可能な回動部材であり、前記駆動装置がその回動部材を回動させるものであり、前記支持部材が前記主軸頭に当接した状態において、前記回動部材の前記第2係合面の前記第1係合面と接触する部分と、前記回動軸線とを結ぶ直線に直角な平面と、前記第1係合面と前記第2係合面との互いに接触する部分に対する接平面との成す角が摩擦角以下である請求項2に記載の加工工具ホルダ。
- 前記回動部材が、2つのアームを備えたL字形レバーであり、一方のアームが先端部において前記支持部材の後端面に係合し、他方のアームが前記駆動装置の駆動力を受ける請求項2に記載の加工工具ホルダ。
- 前記駆動装置が駆動エネルギの供給を受けて作動するアクチュエータを含み、
当該加工工具ホルダがさらに、
前記回転軸が前記主軸に固定されるのに伴って、前記主軸頭側の接続部である第1接続部と接続状態となり、前記駆動エネルギの供給を受け得る状態となる第2接続部と、
前記ホルダ本体に前記主軸軸線に平行な方向に移動可能に保持され、前記回転軸が前記主軸に固定されるのに伴って、前記主軸頭側の位置決め凹部に嵌入し、前記ホルダ本体の前記主軸頭に対する相対回転位置を決める位置決めピンと、
その位置決めピンを前記主軸頭に向かう前進方向に付勢する付勢装置と、
前記位置決めピンと共に移動し、位置決めピンが前進位置にある状態では前記回転軸の係合部である回転軸側係合部と係合して回転軸と前記ホルダ本体との相対回転を防止し、前記位置決めピンが前記位置決め凹部に嵌入した後、前記付勢装置の付勢力に抗して後退させられるのに伴って前記回転軸側係合部から離脱し、前記回転軸と前記ホルダ本体との相対回転を許容する状態となる位置決めピン側係合部と
を含み、前記位置決めピンと前記主軸頭側位置決め凹部とが前記第2接続部と前記第1接続部とをそれぞれ兼ねる請求項1ないし3のいずれかに記載の加工工具ホルダ。 - 前記駆動装置が、前記支持部材を前進方向に駆動する向きに前記駆動部材を付勢する付勢装置を含み、前記アクチュエータが、駆動エネルギの供給を受けて作動し、前記駆動部材を前記付勢装置の付勢力に抗して作動させるものである請求項4に記載の加工工具ホルダ。
- さらに、前記ホルダ本体に対して前記主軸軸線と交差する方向の切削抵抗を加える状態で前記加工工具を保持する加工工具保持部を含む請求項1項ないし5のいずれかに記載の加工工具ホルダ。
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