JP2011131365A - 加工工具ホルダ - Google Patents

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Abstract

【課題】より実用的な加工工具ホルダを得る。
【解決手段】ホルダ本体20により回転軸30,50を互に直交する回転軸軸線まわりに回転可能に支持し、回転軸50の先端部に回転加工工具を保持させる。ホルダ本体20に3つの支持ロッド154を回転軸30の回転軸軸線と平行な方向に移動可能に設け、L字形レバー170をエアシリンダ,スプリングを含む駆動装置により回動させ、支持ロッド154を進退させる。加工工具ホルダの主軸10への取付時に支持ロッド154が前進して主軸頭12の突当ブロック230に当接し、ホルダ本体20を支持する。L字形レバー170の係合面176の回動方向と、係合面176と支持ロッド154の後端面178との接触部に対する接平面との成す角を10度以下とし、L字形レバー170と支持ロッド154とを面176,178間の摩擦力によりデッドロック状態とし、支持ロッド154がホルダ本体20を支持する状態に保つ。
【選択図】図1

Description

本発明は、加工工具を保持する加工工具ホルダに関するものである。
加工工具ホルダには、主軸と、主軸を回転可能に保持する主軸頭とを備えた工作機械に取り付けられて加工工具を保持するものがある。加工工具の種類は様々であるが、いずれの加工工具による加工時にも加工抵抗が作用するため、加工工具ホルダの剛性が不足すれば、加工工具に変位や振動が発生し、加工精度が低下する。
そのため、下記の特許文献1に記載の加工工具ホルダにおいては、加工工具ホルダを回転可能に支持する案内部材から3つの支持部材が主軸頭側へ突出させられ、主軸頭の位置決めブロックに当接して加工工具ホルダを支持するようにされている。これら支持部材は雄ねじ部を有するものとされて案内部材に螺合され、その螺合量の調節により、支持部材の案内部材からの突出長さが調節される。それにより、加工工具ホルダが主軸により保持された状態においてちょうど、3つの支持部材がそれぞれ位置決めブロックに当接し、加工工具ホルダを支持する状態が得られ、加工工具ホルダの剛性が向上し、加工精度の低下が抑制される。
特開2001−293624号公報
しかしながら、この加工工具ホルダにも未だ改善の余地がある。例えば、加工工具ホルダが取り付けられる工作機械が変わる毎に支持部材の案内部材からの突出長さを作業者が調節することが必要であり、面倒であるという不便があるのである。
本発明は、このような実情に鑑みて、より実用的な加工工具ホルダを得ることを課題として為されたものである。
上記の課題は、主軸軸線を中心に回転する主軸とその主軸を回転可能に保持する主軸頭とを備えた工作機械に取り付けられ、加工工具を保持する加工工具ホルダを、(a)前記主軸に固定されて主軸により回転させられる回転軸と、(b)その回転軸と相対回転可能に嵌合されたホルダ本体と、(c)そのホルダ本体の前記回転軸のまわりの3箇所以上に、前記主軸軸線に平行な方向の成分を含む進退方向に進退可能に保持され、前進位置において前記主軸頭に当接し、後退位置において前記主軸頭から離間する3つ以上の支持部材と、(d)それら支持部材の各々の係合面である第1係合面に係合する第2係合面をそれぞれ有して前記ホルダ本体に相対移動可能に保持され、前記第2係合面と前記第1係合面との係合により、前記支持部材の各々を進退させる3つ以上の駆動部材と、(e)その駆動部材を駆動する駆動装置とを含み、かつ、少なくとも前記支持部材が前記主軸頭に当接した状態において、前記支持部材に加えられる後退方向の力に基づいて、前記駆動部材を前記支持部材の後退を許容する向きに移動させようとする力が、前記第1係合面と前記第2係合面との間に作用する摩擦力より小さくなるように構成することにより解決される。
加工工具には、例えば、回転加工工具およびスロッティング加工工具が含まれる。また、回転加工工具には切削加工工具および研削加工工具が含まれる。
支持部材は、主軸軸線に平行な方向に進退可能とすることも、主軸軸線に対して傾斜した方向、例えば、主軸軸線を中心線とする円錐面の母線に平行な方向に進退可能とすることも可能である。
第1係合面と第2係合面とは、例えばT溝とT字形の係合凸部との係合のように、正逆両方向の力を伝達可能に係合するものの係合面としてもよいが、単純に当接する係合面とすることも可能である。後者の場合は、支持部材を後退方向に付勢する付勢装置を設けることが、取り扱いを容易にする上で望ましい。
本加工工具ホルダにおいては、3つ以上の支持部材が主軸頭に当接し、ホルダ本体を支持するのであるが、支持部材はホルダ本体に進退可能に保持されており、主軸頭に当接する前進位置は、回転軸が主軸に固定された状態におけるホルダ本体と主軸頭との距離に応じて自動的に決まり、ホルダ本体を支持することができる。支持部材が主軸頭に当接している状態において、主軸頭から支持部材にそれを後退させる方向の力が作用しても、支持部材と駆動部材とは第1係合面と第2係合面との間の摩擦力によってデッドロック状態にあるため、支持部材を後退させようとする力がいかに大きくても支持部材が後退することはなく、支持部材はホルダ本体を支持する状態に保たれる。
このように本発明に係る加工工具ホルダにおいては、支持部材の位置調節が不要であり、ホルダ本体による回転軸の支持剛性を向上させつつ、使い勝手の良い加工工具ホルダが得られる。
支持部材にホルダ本体を支持させ、剛性を高めることによる効果は、第1回転軸としての回転軸の他に、第1回転軸の軸線と交差する方向に延びる軸線のまわりに回転可能にホルダ本体に保持された第2回転軸と、第1回転軸の回転を第2回転軸に伝達する回転伝達装置とを含む加工工具ホルダ(以下、アングルヘッドと称する)において、特に有効に享受することができるが、正面フライス,サイドカッタ,エンドミル等の回転切削工具が、回転軸に同軸に取り付けられる場合であっても、重切削が行われる場合には主軸に大きな横荷重が加えられるため、有効に効果を享受することができる。本発明に係る加工工具ホルダによれば、切削抵抗を抑制するために加工工具の被加工物への切込みや送りを小さくする必要がなく、加工能率の低下を抑制することができるのであり、あるいは、これらの切削加工を精度良く行うことができるのである。
加工工具として研削工具が使用される場合には、切削工具が使用される場合に比較して加工抵抗が小さいことが多いが、相当な研削抵抗が作用する状態で研削が行われる場合もあり、その場合には、切削工具におけるのと類似の効果が得られる。また、研削加工においては、特に高精度が要求されるのが普通であるため、加工精度が向上する効果が大きい。
なお、摩擦力は振動によって低下させられる可能性があるため、駆動装置は、支持部材が主軸頭に当接している間は、駆動部材に、その駆動部材が支持部材を前進方向に駆動する向きの駆動力を加え続けるものとすることが望ましい。
また、支持部材の数が多いほど、ホルダ本体の剛性は高くなるが、支持部材の回転軸まわりの配置は等角度間隔としてもよく、不等角度間隔としてもよい。例えば、回転軸(第1回転軸)の回転軸線に対して加工工具保持部とは反対側の部分における支持部材の配置間隔を、等角度間隔より狭くする。それにより、加工抵抗に基づいて加工工具ホルダに作用するモーメントを強固に受けることができる。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施形態の記載,従来技術等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(2)項が請求項2に、(3)項が請求項3に、(6)項が請求項4に、(7)項が請求項5に、(9)項が請求項6にそれぞれ相当する。
(1)主軸軸線を中心に回転する主軸とその主軸を回転可能に保持する主軸頭とを備えた工作機械に取り付けられ、加工工具を保持する加工工具ホルダであって、
前記主軸に固定されて主軸により回転させられる回転軸と、
その回転軸と相対回転可能に嵌合されたホルダ本体と、
そのホルダ本体の前記回転軸のまわりの3箇所以上に、前記主軸軸線に平行な方向の成分を含む進退方向に進退可能に保持され、前進位置において前記主軸頭に当接し、後退位置において前記主軸頭から離間する3つ以上の支持部材と、
それら支持部材の各々の係合面である第1係合面に係合する第2係合面をそれぞれ有して前記ホルダ本体に相対移動可能に保持され、前記第2係合面と前記第1係合面との係合により、前記支持部材の各々を進退させる3つ以上の駆動部材と、
その駆動部材を駆動する駆動装置と
を含み、かつ、少なくとも前記支持部材が前記主軸頭に当接した状態において、前記支持部材に加えられる後退方向の力に基づいて、前記駆動部材を前記支持部材の後退を許容する向きに移動させようとする力が、前記第1係合面と前記第2係合面との間に作用する摩擦力より小さくなるように構成されたことを特徴とする加工工具ホルダ。
(2)前記駆動部材が回動軸線のまわりに回動可能な回動部材であり、前記駆動装置がその回動部材を回動させるものであり、前記支持部材が前記主軸頭に当接した状態において、前記回動部材の前記第2係合面の前記第1係合面と接触する部分と、前記回動軸線とを結ぶ直線に直角な平面と、前記第1係合面と前記第2係合面との互いに接触する部分に対する接平面との成す角が摩擦角以下である(1)項に記載の加工工具ホルダ。
駆動部材が回動部材とされれば、直線移動部材とされる場合に比較して支持部材を駆動するために要するスペースを小さくし、加工工具ホルダをコンパクトに構成することができる。
(3)前記回動部材が、2つのアームを備えたL字形レバーであり、一方のアームが先端部において前記支持部材の後端面に係合し、他方のアームが前記駆動装置の駆動力を受ける(2)項に記載の加工工具ホルダ。
本項に記載の特徴によれば、支持部材と駆動装置とを並列に設けることができ、加工工具ホルダをコンパクトに構成することが容易となる。
(4)前記駆動装置が駆動エネルギの供給を受けて作動するアクチュエータを含む(1)項ないし(3)項のいずれかに記載の加工工具ホルダ。
(5)さらに、前記回転軸が前記主軸に固定されるのに伴って、前記主軸頭側の接続部である第1接続部と接続状態となり、前記駆動エネルギの供給を受け得る状態となる第2接続部を含む(4)項に記載の加工工具ホルダ。
(6)さらに、
前記ホルダ本体に前記主軸軸線に平行な方向に移動可能に保持され、前記回転軸が前記主軸に固定されるのに伴って、前記主軸頭側の位置決め凹部に嵌入し、前記ホルダ本体の前記主軸頭に対する相対回転位置を決める位置決めピンと、
その位置決めピンを前記主軸頭に向かう前進方向に付勢する付勢装置と、
前記位置決めピンと共に移動し、位置決めピンが前進位置にある状態では前記回転軸の係合部である回転軸側係合部と係合して回転軸と前記ホルダ本体との相対回転を防止し、前記位置決めピンが前記位置決め凹部に嵌入した後、前記付勢装置の付勢力に抗して後退させられるのに伴って前記回転軸側係合部から離脱し、前記回転軸と前記ホルダ本体との相対回転を許容する状態となる位置決めピン側係合部と
を含み、前記位置決めピンと前記主軸頭側位置決め凹部とが前記第2接続部と前記第1接続部とをそれぞれ兼ねる(5)項に記載の加工工具ホルダ。
駆動エネルギは、電流の形態で供給されても、圧力流体の形態で供給されてもよい。前者の場合は第1,第2接続部が電気コネクタとされ、後者の場合は流体コネクタとされる。主軸および主軸頭の近傍においては、圧力流体の形態の駆動エネルギが得やすいことが多いため、一般には流体コネクタとされることが望ましい。流体は液体でも気体でもよい。
回転軸とホルダ本体との相対回転が防止されることにより、加工工具ホルダが工作機械から取り外された状態において回転軸とホルダ本体との位相が一義的に決められる。それにより、加工工具ホルダを工作機械に取り付ける際、回転軸と主軸、および、ホルダ本体と主軸頭との位相を同時に合わせることができ、取付けが容易である。
位置決めピンおよび主軸頭側位置決め凹部と第1,第2接続部とは別々に設けてもよい。前者が後者を兼ねるようにすれば、加工工具ホルダを簡易に構成することができるとともに、装置コストを低減することができる。
(7)前記駆動装置が、前記支持部材を前進方向に駆動する向きに前記駆動部材を付勢する付勢装置を含み、前記アクチュエータが、駆動エネルギの供給を受けて作動し、前記駆動部材を前記付勢装置の付勢力に抗して作動させるものである(4)ないし(6)項のいずれかに記載の加工工具ホルダ。
支持部材はアクチュエータによる駆動部材の駆動によって主軸頭に当接した状態に保たれるようにしてもよいが、加工中に駆動エネルギの供給に異常が生じ、供給が遮断されれば、支持部材が主軸頭から離れ、ホルダ本体の剛性が低下する恐れがある。それに対し、支持部材が付勢装置の付勢力に基づいて主軸頭に当接した状態に保たれれば、加工中の駆動エネルギの供給が不要であり、かつ、駆動エネルギの供給異常時におけるホルダ本体の剛性低下が回避される。
(8)前記アクチュータが、直線的に移動するピストンと、そのピストンを気密にかつ摺動可能に収容したシリンダハウジングとを含む流体圧シリンダである(4)項ないし(7)項のいずれかに記載の加工工具ホルダ。
(9)さらに、前記ホルダ本体に対して前記主軸軸線と交差する方向の加工抵抗を加える状態で前記加工工具を保持する加工工具保持部を含む(1)項ないし(8)項のいずれかに記載の加工工具ホルダ。
この加工工具保持部により保持された加工工具によって被加工物に加工が施されるとき、回転軸には、加工抵抗に基づいて曲げモーメントが作用するが、支持部材によって支持されたホルダ本体により剛性高く支持され、加工が精度良く行われる。
(10)前記加工工具保持部が前記回転軸に固定的に設けられた(9)項に記載の加工工具ホルダ。
加工工具保持部は回転軸に一体に設けられてもよく、別体の加工工具保持部が回転軸に固定されてもよい。
(11)さらに、第1回転軸としての前記回転軸の第1回転軸軸線と交差する第2回転軸軸線のまわりに回転可能に前記ホルダ本体に保持された第2回転軸と、
その第2回転軸に前記第1回転軸の回転を伝達する回転伝達装置と
を含み、前記第2回転軸に前記加工工具保持部が固定的に設けられた(9)項に記載の加工工具ホルダ。
(12)前記回転軸が、前記主軸内に設けられたドローバーと連結される連結部と、工具交換アームにより保持されるボトルネック部とを備え、自動で前記工作機械に取り付けられる(1)項ないし(11)項のいずれかに記載の加工工具ホルダ。
マシニングセンタが本項に記載の工作機械の一例である。
マシニングセンタにおいては主軸に種々の加工工具が選択的に取り付けられ、複数種類の加工が行われるが、一般的に予定されているのは、ドリル,リーマ,タップ等を用いた加工のように、切削抵抗が比較的小さく、かつ、回転軸の回転軸軸線に対して対称に作用する加工であって、重切削や、アングルヘッドによる切削加工のように、主軸に大きな横力(曲げモーメント)が加えられる加工や、スロッティング加工のように主軸に主軸軸線方向の大きい荷重が加えられる加工に耐える支持剛性は与えられていないことが多い。したがって、それらの加工を行おうとすれば、加工精度が低下し、主軸や主軸軸受を傷める恐れがあるのであるが、本発明によって加工工具ホルダの支持剛性が高められることにより、マシニングセンタにおいて重切削等を精度良く、主軸等を傷めることなく行うことが可能となり、汎用性が向上し、専用機を設ける場合に比較して設備コストを低減することができる。特に、加工工具ホルダの使い勝手が良いため、マシニングセンタによる重切削等がやり易くなる。
一実施形態である加工工具ホルダがマシニングセンタに取り付けられた状態を示す正面断面図である。 上記加工工具ホルダを示す右側面図である。 上記加工工具ホルダの支持ユニットを示す側面断面図である。 上記支持ユニットの支持ロッドとL字形レバーとの接触角度を説明する図である。 上記加工工具ホルダのマシニングセンタへの取付け開始時の状態を示す正面断面図である。 上記加工工具ホルダの位置決めピンが主軸頭の位置決め凹部に嵌合された状態を示す正面断面図である。
以下、請求可能発明の実施形態を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、請求可能発明は、下記実施形態の他、上記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
図1に一実施形態としての加工工具ホルダが図示されている。この加工工具ホルダは、マシニングセンタに取り付けられ、回転加工工具を保持する。マシニングセンタは、主軸10および主軸頭12を備えている。主軸10は主軸頭12により、その軸線が水平となる姿勢で軸受13を介して回転可能に保持されており、主軸回転駆動装置(図示省略)により、水平な主軸軸線を中心に回転させられる。主軸10内に形成された中心孔14の先端部には、主軸10の先端面16側ほど直径が直線的に増大するテーパ穴部18が設けられている。
加工工具ホルダは、図1に示すように、ホルダ本体20を備えている。ホルダ本体20は、本実施形態においては、複数の部材が組み付けられて成り、組付け後は一体のホルダ本体として機能するものとされており、第1の本体部材22および第2の本体部材24を含む。これら本体部材22,24は嵌合により互いに位置決めされ、複数のボルト(図示省略)によって固定されている。ボルトは固定手段の一種であり、ボルトによって締結される複数の部材は互いに着脱可能である。以後の説明において記載される他のボルトについても同様である。ホルダ本体は、一つの部材から成るものとされてもよい。
本体部材22には、図1に示すように、本体部材22,24の組付け方向に平行に貫通して、横断面形状が円形を成す貫通孔28が形成され、第1回転軸としての回転軸30が1対の軸受32を介して回転可能に保持されている。回転軸30は、その軸方向の一端部において本体部材22により支持され、他端部はホルダ本体20から前方側(本体部材24側とは反対側)へ突出させられるとともに、外向きフランジ部34,ボトルネック部36および連結部38が同心状に設けられている。外向きフランジ部34は、回転軸30の本体部材22により支持された部分に隣接する部分から半径方向外向きに延び出させられ、本体部材22の前端面に僅かな隙間を隔てて対向させられている。ボトルネック部36は、外向きフランジ部34の前側に設けられ、外向きフランジ部34より小径とされている。連結部38はボトルネック部36の前端面39に突設され、ボトルネック部36より小径とされるとともに、その外周面は、主軸10のテーパ穴部18に対応するテーパのテーパ外周面40とされている。
本体部材24内には、図1に示すように、貫通孔28と直交する貫通孔48が形成されるとともに、第2回転軸としての回転軸50が1対の軸受52を介して、回転軸30の軸線と直交する軸線まわりに回転可能に保持されている。回転軸30の回転は、回転伝達装置56によって回転軸50に伝達される。本回転伝達装置56は、回転軸30,50にそれぞれ、相対回転不能かつ軸方向に相対移動不能に取り付けられた回転伝達部材たるかさ歯車58,60を含む。かさ歯車58,60は互いに噛み合わされ、回転軸30の回転が90度、方向を変えられて回転軸50に伝達される。
回転軸50の一端部は、本体部材24から突出させられるとともに、図1に示すように、その突出端部に加工工具保持部70が設けられている。本加工工具保持部70は、横断面形状が円形を成し、回転軸50と一体に設けられた台座部72と、横段断面形状が円形を成し、台座部72の中央に突設された位置決め部74と、台座部72の外周部に突設された複数、例えば、2つの回転伝達部76とを含む。加工工具保持部70により回転加工工具、例えば、正面フライス78が保持される。正面フライス78は、位置決め部74および回転伝達部76に嵌合され、ボルト80が位置決め部74に螺合されることにより、加工工具保持部70に回転伝達可能に固定される。
ホルダ本体20の本体部材22には、図1に示すように、位置決めブロック90が固定され、位置決めピン92が回転軸30の回転軸軸線に平行な方向に移動可能に嵌合されている。位置決めブロック90は、複数のボルト94(図2参照)によってホルダ本体20に固定されており、ホルダ本体20に対して着脱可能であるが、固定後はホルダ本体20の一部として機能する。位置決めブロックはホルダ本体と一体に設けられてもよい。
位置決めブロック90内には、図1に示すように、その前端面(主軸頭12側の端面)に開口し、回転軸30の回転軸軸線と平行に延びる有底の嵌合穴100が形成されている。位置決めピン92は横断面形状が円形を成し、嵌合穴100に気密にかつ軸方向に移動可能に嵌合されるとともに、嵌合穴100の底面との間に配設された圧縮コイルスプリング102により、主軸頭12に向かう前進方向に付勢されている。このスプリング102の付勢による位置決めピン92の移動限度は、位置決めピン92に、その軸線と直交する状態で設けられた係合部材たる係合ピン104が位置決めブロック90と係合することにより規定される。圧縮コイルスプリング102は、付勢装置の一種である弾性部材としてのスプリングである。以後の説明において記載される圧縮コイルスプリングについても同様である。
位置決めブロック90には、図1に示すように、嵌合穴100の周壁の直径方向に隔たった2箇所にそれぞれ、嵌合穴100の中心線に平行に延びる長穴106が形成されるとともに、係合ピン104の位置決めピン92の直径方向の両側へ突出させられた突出部がそれぞれ、長穴106の長手方向に移動可能に嵌合されている。それにより、位置決めピン92の位置決めブロック90に対する相対回転が防止され、位相が決められるとともに、位置決めピン92と共に移動する係合ピン104が長穴106の前側の端面に係合することにより、スプリング102の付勢による位置決めピン92の移動限度が規定され、位置決めピン92が前進位置(図5参照)に位置させられる。係合ピン104が係合部たる係合突部を構成し、長穴106が係合部たる係合凹部を構成し、これらが相対回転防止装置を構成している。
上記2つの長穴106の一方は、図1に示すように、本体部材22と対向する部分に形成されており、係合ピン104の一端部は本体部材22側へ延び出させられ、ホルダ本体20と回転軸30とに択一的に係合させられる。本体部材22の前端部には、外周面および前端面に開口する凹部110が形成され、回転軸30の外向きフランジ部34には、少なくとも1つ、本加工工具ホルダにおいては複数、例えば、2つの係合凹部112が形成されている。これら係合凹部112は、外向きフランジ部34の直径方向に隔たった2箇所にそれぞれ、外周面および後端面に開口して形成されている。
係合ピン104は、位置決めピン92が前進位置に位置する状態では、図5に示すように、外向きフランジ部34の係合凹部112に嵌入させられ、係合ピン104,位置決めピン92および位置決めブロック90を介して回転軸30とホルダ本体20との相対回転が防止される。図1に示すように、位置決めピン92がスプリング102の付勢力に抗して位置決めブロック90に対して後退させられるのに伴って、係合ピン104は係合凹部112から離脱させられるとともに凹部110に収容され、回転軸30とホルダ本体20との相対回転可能を許容する状態となる。
位置決めピン92の前端部には、前方ほど直径が直線的に減少させられた嵌合部118が設けられている。前記主軸頭12には、図1に示すように、その先端面に開口して、嵌合部118に対応する形状の位置決め凹部120が形成されており、嵌合部118の位置決め凹部120への嵌入により、ホルダ本体20の主軸頭20に対する相対回転位置が決められる。本加工工具ホルダにおいて位置決めピン92の回転軸30のまわりにおける位置は、ホルダ本体20の主軸頭12に対する相対回転位置が決められた状態で、加工工具保持部70が主軸10に対して予め設定された方向に延び出す位置に設定されている。
また、位置決めピン92内には、図1に示すように、その前端面に開口し、軸方向に延びる通路122が形成され、主軸頭12には、位置決め凹部120の底面に開口する通路124が形成されており、嵌合部118の位置決め凹部120への嵌合により通路122,124が接続される。それにより、加圧エア源(図示省略)から供給される加圧エアが通路124を通って通路122に流入可能な状態となる。本加工工具ホルダにおいては、係合突部を構成する係合ピン104が位置決めピン側係合部を構成し、係合凹部112が回転軸側係合部を構成し、位置決めピン92と主軸頭12側の位置決め凹部120とが第2接続部と第1接続部とをそれぞれ兼ねている。位置決めピン側係合部を係合凹部とし、回転軸側係合部を係合突部としてもよい。
ホルダ本体20にはまた、図1および図2に示すように、3つ以上、本実施形態においては3つの支持ユニット140が設けられている。これら支持ユニット140は、図2に示すように、回転軸30の軸線まわりに適宜の間隔を隔てて、本実施形態においては等角度間隔に設けられている。3つの支持ユニット140の構成は同じであり、1つを代表して説明する。
支持ユニット140のユニット本体142は、本実施形態においてはホルダ本体20と別体とされ、図1および図2に示すように、本体部材22の外周面に、回転軸30の回転軸軸線と平行に形成された平面状の取付座144に複数のボルト146によって固定され、ホルダ本体20に着脱可能に取り付けられている。ユニット本体142は、固定後はホルダ本体20の一部として機能する。
ユニット本体142には、図1および図3(a)に示すように、その前端面に開口し、回転軸30の回転軸軸線に平行に延びる嵌合穴150が形成されるとともに、嵌合穴150の開口部にスリーブ152の一端部が嵌合され、ボルト(図示省略)によって固定されている。スリーブ152はユニット本体142から前方へ突出させられており、嵌合穴150と、スリーブ152内の嵌合穴150より小径の貫通孔153とによってユニット本体142内に、回転軸30の回転軸線に平行に延びる段付孔が形成されていると考えることもできる。
スリーブ152の貫通孔153には、支持部材としての支持ロッド154が回転軸30の回転軸軸線に平行な方向に移動可能であって、進退可能に嵌合されている。支持ロッド154は横断面形状が円形を成し、軸方向の一端部である後端部には、スリーブ152に嵌合された部分より大径の頭部156が設けられるとともに、嵌合穴150に軸方向に移動可能に嵌合されている。支持ロッド154は、頭部156とスリーブ152との間に配設された圧縮コイルスプリング158により、主軸頭12から離れる後退方向に付勢されている。
ユニット本体142内にはまた、図3(a)に示すように、空間160が形成されている。空間160は、嵌合穴150に続く部分と、嵌合穴150に対し、嵌合穴150の中心線と回転軸30の軸線とを含む平面に対して直角な方向へ延び出す部分とを含み、その平面に直角な方向から視た形状がL字形を成す。空間160内には、回動部材としてのL字形レバー170が収容され、ユニット本体142に固定された支持軸172により、支持ロッド154の軸線と直角に立体交差する軸線まわりに回動可能に支持されている。
支持軸172は、図3(a)に示すように、空間160の嵌合穴150に対応する部分に配設され、図1に示すように、L字形レバー170は支持軸172に、その回動軸線に平行な方向の中央位置が、支持ロッド154の軸線と一致する位置に取り付けられ、その一方のアーム174は、支持軸172から支持ロッド154側へ延び出させられている。アーム174の先端部は、図3(a)に示すように、回動軸線に平行な方向から視た形状が、支持ロッド154側ほど幅が狭くなる形状とされ、その先端面は、L字形レバー170の回動軸線と平行な直線を中心線とする円筒面の一部を成す面とされ、第2係合面たる係合面176を構成している。支持ロッド154はスプリング158により付勢されて頭部156の後端面178が係合面176に当接させられ、L字形レバー170の回動に追従して前進,後退させられる。支持ロッド154の後端面178が第1係合面を構成しており、この後端面178は、支持ロッド154の軸線に直角、すなわち支持ロッド154に加えられる後退方向の力の作用線に直角な平面とされている。
L字形レバー170の他方のアーム184は、図3に示すように、支持ロッド154の軸線に対して直角な方向へ延び出させられるとともに、ユニット本体142との間に配設された圧縮コイルスプリング186により、アーム174が支持ロッド154を前進方向に移動させる向きに付勢されている。
ユニット本体142内にはさらに、図3に示すように、アクチュエータの一種である流体圧シリンダとしてのエアシリンダ200が設けられている。ユニット本体142内には、嵌合穴150と平行に延び、空間160のアーム184が収容された部分に開口する有底穴202が形成され、シリンダボアを構成している。有底穴202には、ピストン204が気密にかつ軸方向に直線的に移動可能に嵌合されており、ピストン204の後方(有底穴202の底面側)にエア室206が形成されている。ユニット本体142の有底穴202が形成された部分がシリンダハウジングを構成している。
エア室206には、前記位置決めピン92内に形成された前記通路122を通って、主軸頭12側から加圧エアが供給される。位置決めピン92には、図1に示すように、通路122とは別の通路210が形成されるとともに、位置決めブロック90,ホルダ本体20,ユニット本体142内にそれぞれ、通路212,214,216が形成されている。通路210は通路122に対して直角に形成され、位置決めピン92の外周面に開口させられるとともに、位置決めブロック90内に形成された通路212に連通させられている。通路210の通路212に連通させられる開口部は位置決めピン92の軸方向に長くされ、位置決めピン92が位置決めブロック90に対して移動させられても、常時、通路212に連通した状態に保たれるようにされている。ホルダ本体20内に形成された通路214は、通路212およびユニット本体142内に形成された通路216に連通させられ、通路216はエア室206に連通させられている。
エアシリンダ200は、図3(a)に示すように、L字形レバー170のアーム184に対向して設けられ、ピストン204にはアーム184がスプリング186により付勢されて当接させられている。そのため、エア室206が大気に開放された状態では、L字形レバー170はスプリング186の付勢により回動させられ、支持ロッド154をスプリング158の付勢力に抗して前進させる。この際、ピストン204は後退させられてL字形レバー170の回動を許容する。L字形レバー170の回動限度は、図3(b)に示すように、ピストン204の後端面に突設されたストッパとしての突部220が有底穴202のストッパとしての底面に当接することにより規定される。
本実施形態においてL字形レバー170は、スプリング186の付勢による回動限度位置に位置する状態において、係合面176の後端面178との接触部が上死点位置を超えないように、すなわち、係合面176の後端面178との接触部と、L字形レバー170の回動軸線Aとを結ぶ直線L(図4参照)に直角な平面Pと、係合面176と後端面178との互いに接触する部分に対する接平面(本実施形態においては後端面178)との成す角θが0度となる位置を超えないように形成されている。L字形レバー170がスプリング186の付勢による回動限度位置に位置する状態において支持ロッド154は最も前進させられ、前進端位置に位置させられる。L字形レバー170は、支持ロッド154が前進端位置と、前進端位置より設定距離後方の位置との間の位置であって、主軸頭12への当接が予定される範囲内に位置する状態において、図4に示すように、角θが摩擦角以下、本実施形態では10度以下となるようにされている。
エア室206に加圧エアが供給されれば、ピストン204がスプリング186の付勢力に抗して前進させられ、L字形レバー170を係合面176が支持ロッド154から離間する向きに回動させる。この場合のL字形レバー170の回動限度は、図3(c)に示すように、アーム184の、ストッパとしての端部224がユニット本体142のストッパとしての内側面に当接することにより規定される。このL字形レバー170の回動時には、支持ロッド154はスプリング158の付勢によりアーム174に追従して後退させられ、L字形レバー170が回動限度位置まで回動させられた状態では、後退端位置に位置させられる。本実施形態においては、後退端位置が後退位置となっており、支持ロッド154が主軸頭12から離間した状態が得られる。本実施形態においては、エアシリンダ200およびスプリング186が駆動装置226を構成している。
前記主軸頭12には、図1に示すように、3つの支持ユニット140の各支持ロッド154が当てられる突当ブロック230が3箇所、設けられて当接部を構成している(図1には突当ブロック230が1箇所、図示されている)。これら突当ブロック230および前記位置決め凹部120は、前記位置決めピン92および3つの支持ロッド154の位相に対応する位相で設けられている。突当ブロック230の先端面である突当面232は、主軸10の軸線に直角な平面状を成す。
突当ブロック230内には、図1に示すように、突当面232に開口して通路234が形成され、加圧エア源から加圧エアが供給されて突当面232から噴出させられるようにされている。したがって、突当ブロック230に支持ロッド154が当接させられれば、通路234の開口が支持ロッド154により塞がれ、加圧エアの噴出が阻止されて通路234内の圧力が上昇することにより、支持ロッド154の当接が検出される。通路234内の圧力は圧力センサ236により検出され、圧力が設定圧力を超える状態と超えない状態とで異なる信号が出力される。本実施形態においては、通路234および圧力センサ236が当接検知装置を構成している。
以上のように構成された加工工具ホルダは、加工工具保持部70に正面フライス78が取り付けられた状態でマシニングセンタに取り付けられる。本加工工具ホルダがマシニングセンタから取り外された状態では、図5に示すように、位置決めピン92が前進位置に位置し、回転軸30とホルダ本体20との相対回転が防止された状態にある。また、エア室206は大気に開放され、図3(b)に示すように、支持ロッド154が前進端位置に位置させられている。
取付け時には、加工工具ホルダは、ボトルネック部36が交換アーム(図示省略)により保持され、回転軸30の軸線が主軸10の軸線と同心となり、位置決めピン92および3つの支持ロッド154と、位置決め凹部120および3つの突当ブロック230との位相が一致する状態で主軸10および主軸頭12に接近させられる。そして、まず、連結部38がテーパ穴部18に嵌入し始め、次いで位置決めピン92の嵌合部118が位置決め凹部120に嵌入し始める。回転軸30のボトルネック部36の前端面39が主軸10の先端面16に当接する前に、嵌合部118が位置決め凹部120に嵌合され、通路122が通路124に接続される。加工工具ホルダの取付け時には通路124に加圧エアが供給されており、接続と同時に通路124から通路122に加圧エアが流入し、通路210〜216を通ってエア室206に供給される。
それにより、ピストン204が前進させられ、L字形レバー170が、アーム174が支持ロッド154から離れる向きに回動させられ、支持ロッド154が後退端位置へ後退させられる。加工工具ホルダは、位置決めピン92が位置決め凹部120に嵌合された状態から更に前進させられるが、位置決めピン92は位置決め凹部120に嵌合されて移動しないため、ホルダ本体20が位置決めピン92に対して前進させられ、図6に示すように、前端面39が先端面16に当接させられるとともに、連結部38がテーパ穴部18に嵌合させられる。
この際、支持ロッド154は後退端位置へ後退させられているため、図6に示すように、突当ブロック230に当たらず、連結部38のテーパ穴部18への嵌合等を許容する。なお、図6においては、理解を容易にするために、支持ロッド154と突当ブロック230との間の隙間は誇張して図示されている。また、ホルダ本体20の位置決めピン92に対する前進により、位置決めピン92がスプリング102の付勢力に抗して後退させられ、係合ピン104が係合凹部112から離脱するとともに凹部110に嵌入し、回転軸30がホルダ本体20に対して回転可能となる。ユニット本体142により回転軸30の回転軸軸線に平行に保持された支持ロッド154は、主軸軸線に対しても平行である。
前端面39が先端面16に当接させられるまで連結部38がテーパ穴部18へ嵌合された後、主軸10内に配設されたドローバー(図示省略)が連結部38に連結され、ドローバーの移動により主軸10内に引き込まれる。それにより、連結部38がテーパ穴部18にしまり嵌合させられるとともに、ボトルネック部36が先端面16に押し付けられ、回転軸30が主軸10に同心状に強固に固定される。それにより、ホルダ本体20が回転軸30により相対回転可能に保持された状態となる。
このように前端面39が先端面16に押し付けられ、連結部38がテーパ穴部18にしまり嵌合させられた後、エア室206が大気に開放され、加圧エアの供給が遮断される。連結部38のテーパ穴部18へのしまり嵌合等は、ドローバーの動作の進行状況によりわかる。エア室206の大気への開放により、L字形レバー170がスプリング186の付勢により回動させられ、アーム174が支持ロッド154をスプリング158の付勢力に抗して前進させる。アーム174は、L字形レバー170の回動軸線に平行な方向においては、支持ロッド154の中央部分を押すようにされ、支持ロッド154に対して偏心荷重が加えられることが極力回避されている。
支持ロッド154の前進は、突当ブロック230に当接することにより止められる。前端面39が先端面16に押し付けられた状態におけるホルダ本体20と突当ブロック230との間の距離は、加工工具ホルダや主軸頭12の製造誤差等によってばらつくことがあるが、支持ロッド154は、その距離に応じた位置へ前進させられ、突当ブロック230に当接する。この状態では、アーム174の係合面176は、図3(a)に示すように、L字形レバー170の回動に伴う係合面176の移動方向と、前記接平面との成す角が0度より大きく10度以下となる状態で後端面178に係合する。そのため、アーム174と支持ロッド154とは、係合面176と後退面178との間の摩擦力によってデッドロック状態となり、主軸頭12から支持ロッド154に後退方向の力が加えられても後退することはない。アーム174はスプリング186の付勢力により支持ロッド154を突当ブロック230に押し付けた状態に保たれ、3つの支持ロッド154がホルダ本体20を支持する状態に保たれる。支持ロッド154は、前述の進退方向における予定範囲内の位置において突当ブロック230に当接する限り、アーム174との間にデッドロック状態が得られ、前記距離のばらつきに対応しつつ、ホルダ本体20を剛体的に支持することができる。圧力センサ236の出力信号に基づいて、支持ロッド154の突当ブロック230への当接が確認される。
加工時には主軸10が図1に矢印Aで示す反時計方向へ回転させられ、回転軸30,50が回転させられて正面フライス78が矢印Bで示す時計方向へ回転させられつつ、被加工物Wと相対移動させられて切削を行う。正面フライス78には、よく知られているように3方向の成分を有する切削抵抗力が作用し、かつ、主軸10の主軸軸線と直交して設けられた回転軸50の先端部に保持され、更に主軸10の先端面16からの離間距離が大きいため、ホルダ本体20に、主軸10の主軸軸線と交差する方向の大きな力が作用する。すなわち、ホルダ本体20に大きな回転モーメントが作用するのであるが、本加工工具ホルダにおいては、ホルダ本体20が3つの支持ロッド154を介して主軸頭12により強固に支持されているため、主軸10に大きな曲げモーメントが作用することはなく、主軸10の軸受13等が保護されるとともに、上記正面フライス78の刃先位置がずれることが良好に抑制され、重切削が可能である。また、重切削ではなくても、加工精度が向上する効果が得られる。
加工工具ホルダを主軸10から取り外す場合には、ドローバーの連結部38との連結が解除される。そして、ボトルネック部36が交換アームにより把持され、主軸10から離間する向きに移動させられる。それにより、まず、連結部38がテーパ穴部18から抜け出させられ、ボトルネック部36が主軸10から離間させられるとともに、ホルダ本体20が位置決めピン92に対して後退させられ、係合ピン104が本体部材22の凹部110から抜け出させられて外向きフランジ部34の係合凹部112に嵌入させられ、回転軸30のホルダ本体20に対する回転が防止された状態となる。そのため、加工終了時には、主軸10は、2つの係合凹部112のいずれか一方が、本体部材22の凹部110と位相が一致する回転位置に停止させられる。
ホルダ本体20が、長穴106の前端面が係合ピン104に係合する位置まで後退させられた後、位置決めピン92はホルダ本体20と共に後退させられ、嵌合部118が位置決め凹部120から抜け出させられる。加工工具ホルダの取外し時にはエアシリンダ200のエア室206が大気に開放され、加圧エアの供給が遮断されており、ホルダ本体20は、支持ロッド154が突当ブロック230に当接したままの状態で後退させられる。そして、ホルダ本体20の後退に伴ってL字形レバー170がスプリング186の付勢により、ピストン204の突部220が有底穴202の底面に当接するまで回動させられ、支持ロッド154が前進端位置に位置する状態になる。その後、支持ロッド154はホルダ本体20と共に後退させられて突当ブロック230から離間する。
なお、加工工具ホルダの主軸10からの取外し時にまず、加圧エア源から通路124に加圧エアを供給させ、通路122等を通ってエアシリンダ200のエア室206に供給して、図6に示すように支持ロッド154を後退端位置へ後退させて突当ブロック230から離間させておき、その状態で把持アームによりホルダ本体20を主軸10から離間する向きに移動させてもよい。この場合、位置決めピン92が後退させられれば、通路122,124の接続が断たれ、エア室206が大気に開放されて支持ロッド154が前進させられるが、このときには、ホルダ本体20の後退により、支持ロッド154は突当ブロック230から離れており、前進端位置へ移動させられても突当ブロック230に当接することはない。
なお、支持ユニットがホルダ本体とは別体に設けられれば、その加工,製造が容易であり、また、故障発生時に交換することができるが、支持ユニットはホルダ本体と一体に設けてもよい。この場合、ホルダ本体の回転軸のまわりに、支持部材,駆動部材および駆動装置を含む支持部が3つ以上、設けられると考えることができる。別体の支持ユニットも、ホルダ本体への取付け後は、支持部を構成すると考えることができる。
また、前記実施形態においては、加工工具ホルダの工作機械への取付けは、途中で停止させられることなく、連続して行われていたが、加工工具ホルダの主軸10および主軸頭12に対する接近速度が速い場合は、位置決めピン92が位置決め凹部120に嵌合され、通路122,124が接続されて加圧エアがエア室206に供給される状態となった状態で一旦停止し、エア室206に加圧エアが供給され、支持ロッド154が後退端位置へ後退したことが保証される時間の経過後、取付けが再開されるようにしてもよい。
10:主軸 12:主軸頭 20:ホルダ本体 30:回転軸 36:ボトルネック部 38:連結部 50:回転軸 56:回転伝達装置 70:加工工具保持部 78:正面フライス 92:位置決めピン 104:係合ピン 112:係合凹部 120:位置決め凹部 154:支持ロッド 158:圧縮コイルスプリング 170:L字形レバー 174:アーム 176:係合面 178:後端面 184:アーム 186:圧縮コイルスプリング 200:エアシリンダ 204:ピストン 226:駆動装置

Claims (6)

  1. 主軸軸線を中心に回転する主軸とその主軸を回転可能に保持する主軸頭とを備えた工作機械に取り付けられ、加工工具を保持する加工工具ホルダであって、
    前記主軸に固定されて主軸により回転させられる回転軸と、
    その回転軸と相対回転可能に嵌合されたホルダ本体と、
    そのホルダ本体の前記回転軸のまわりの3箇所以上に、前記主軸軸線に平行な方向の成分を含む進退方向に進退可能に保持され、前進位置において前記主軸頭に当接し、後退位置において前記主軸頭から離間する3つ以上の支持部材と、
    それら支持部材の各々の係合面である第1係合面に係合する第2係合面をそれぞれ有して前記ホルダ本体に相対移動可能に保持され、前記第2係合面と前記第1係合面との係合により、前記支持部材の各々を進退させる3つ以上の駆動部材と、
    その駆動部材を駆動する駆動装置と
    を含み、かつ、少なくとも前記支持部材が前記主軸頭に当接した状態において、前記支持部材に加えられる後退方向の力に基づいて、前記駆動部材を前記支持部材の後退を許容する向きに移動させようとする力が、前記第1係合面と前記第2係合面との間に作用する摩擦力より小さくなるように構成されたことを特徴とする加工工具ホルダ。
  2. 前記駆動部材が回動軸線のまわりに回動可能な回動部材であり、前記駆動装置がその回動部材を回動させるものであり、前記支持部材が前記主軸頭に当接した状態において、前記回動部材の前記第2係合面の前記第1係合面と接触する部分と、前記回動軸線とを結ぶ直線に直角な平面と、前記第1係合面と前記第2係合面との互いに接触する部分に対する接平面との成す角が摩擦角以下である請求項2に記載の加工工具ホルダ。
  3. 前記回動部材が、2つのアームを備えたL字形レバーであり、一方のアームが先端部において前記支持部材の後端面に係合し、他方のアームが前記駆動装置の駆動力を受ける請求項2に記載の加工工具ホルダ。
  4. 前記駆動装置が駆動エネルギの供給を受けて作動するアクチュエータを含み、
    当該加工工具ホルダがさらに、
    前記回転軸が前記主軸に固定されるのに伴って、前記主軸頭側の接続部である第1接続部と接続状態となり、前記駆動エネルギの供給を受け得る状態となる第2接続部と、
    前記ホルダ本体に前記主軸軸線に平行な方向に移動可能に保持され、前記回転軸が前記主軸に固定されるのに伴って、前記主軸頭側の位置決め凹部に嵌入し、前記ホルダ本体の前記主軸頭に対する相対回転位置を決める位置決めピンと、
    その位置決めピンを前記主軸頭に向かう前進方向に付勢する付勢装置と、
    前記位置決めピンと共に移動し、位置決めピンが前進位置にある状態では前記回転軸の係合部である回転軸側係合部と係合して回転軸と前記ホルダ本体との相対回転を防止し、前記位置決めピンが前記位置決め凹部に嵌入した後、前記付勢装置の付勢力に抗して後退させられるのに伴って前記回転軸側係合部から離脱し、前記回転軸と前記ホルダ本体との相対回転を許容する状態となる位置決めピン側係合部と
    を含み、前記位置決めピンと前記主軸頭側位置決め凹部とが前記第2接続部と前記第1接続部とをそれぞれ兼ねる請求項1ないし3のいずれかに記載の加工工具ホルダ。
  5. 前記駆動装置が、前記支持部材を前進方向に駆動する向きに前記駆動部材を付勢する付勢装置を含み、前記アクチュエータが、駆動エネルギの供給を受けて作動し、前記駆動部材を前記付勢装置の付勢力に抗して作動させるものである請求項4に記載の加工工具ホルダ。
  6. さらに、前記ホルダ本体に対して前記主軸軸線と交差する方向の切削抵抗を加える状態で前記加工工具を保持する加工工具保持部を含む請求項1項ないし5のいずれかに記載の加工工具ホルダ。
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