JP4905093B2 - 工作機械の主軸装置 - Google Patents

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Description

本発明は、工作機械の主軸装置に関し、特に主軸のバランスを自動的に調整する調心機構を設けたものに関する。
工作機械の主軸装置は、主軸本体と、主軸本体の前端部に工具をクランプする為に主軸本体の内部に組み込まれたドローバーと、主軸本体の内部の中空孔においてドローバーに外嵌されてドローバーをクランプ方向へ弾性付勢するバネ部材などを備えている。
主軸装置においては、ドローバーが主軸本体内で軸心方向へ摺動移動する構造であるため、ドローバーは主軸本体に対して径方向へ数10〜150μm程度可動に組み込まれている。そのため、主軸本体の軸心に対して、ドローバーとバネ部材などの軸心が一致しておらず、微小量ズレているのが一般的である。主軸本体が15000 〜40000 rpmもの高速で回転する際に、遠心力のバランスが崩れ、アンバランス状態となり、振動、騒音、切削精度の低下の原因となる。
そこで、工作機械のメーカーは、工作機械の出荷前に主軸装置のバランス調整を行う。このバランス調整は、工具を装着した状態で行う場合もあり、工具を装着しない状態で行う場合もある。特許文献1の工作機械の主軸の回転バランス調整技術では、主軸本体の前端部と後端部に径方向の複数の穴を形成して、これらの穴に錘を装着することで、バランス調整を行い、さらに、主軸本体の長さ方向途中部において前部皿バネ部材と後部皿バネ部材との間においてドローバーにリングを装着し、主軸本体の長さ方向途中部にアンバランスがある場合には、リングを適量切削することでバランス調整を行う。
特許文献2の主軸装置においては、ドローバーの前部と後部の一方に、右巻き螺旋皿バネを外装し、前部と後部の他方に左巻き螺旋皿バネを外装し、両皿バネの間でドローバーに中間間座を外嵌し、この中間間座をドローバーにラジアル軸受けにより回転自在に支持している。
特許文献3の主軸装置においては、ドローバーを付勢する皿バネと主軸本体の軸心とを一致させる為に、バネ収容孔(軸孔)の内面を研磨加工し、皿バネの外周面をバネ収容孔(軸孔)の内面に当接させる構成を採用している。
特開平6−126589号公報 特開2003−334705号公報 特開2005−279874号公報
特許文献1の回転バランス調整技術では、個々の主軸装置毎に、アンバランスを測定して主軸本体の前端部や後端部の穴に調整用の錘を固定するためバランス調整に多くの労力と時間がかかる。しかも、バネ部材として前後に分割された前部皿バネと後部皿バネとを採用する必要があるため、1本の螺旋状バネ部材を採用することができない。
特許文献2の主軸装置も、右巻き螺旋皿バネと、左巻き螺旋皿バネを採用するため、1本の螺旋状バネ部材を採用することができないうえ、中間間座の構造が複雑化する。
特許文献3の主軸装置では、皿バネの外周面をバネ収容孔(軸孔)の内面に当接させる構成であるため、皿バネが軸心に方向に圧縮される際に、皿バネの外径が拡大できないため、皿バネが円滑に伸縮しにくくなり、工具をアンクランプする際のアンクランプ力が大きくなる虞がある。しかも、バネ収容孔の内面を研磨加工するコストも高価になる。
本発明の目的は、主軸のバランスを自動的に調整可能な主軸装置を提供すること、バネ部材の構造の制約を受けない汎用性に優れる主軸装置を提供すること、簡単な構成の主軸装置を提供すること、等である。
請求項1の工作機械の主軸装置は、前端部に工具ホルダ装着用テーパ穴を形成した主軸本体と、この主軸本体の内部に組み込まれたドローバーと、このドローバーを後方へ弾性付勢するバネ部材とを備えた工作機械の主軸装置において、主軸本体の内部に形成されバネ部材を収容するバネ部材収容孔を含む円筒孔と、この円筒孔の前端部分と後部の少なくとも一方において、主軸本体に設けられた主軸本体側テーパ面とこの主軸本体側テーパ面に係合するドローバーに設けられたドローバー側テーパ面を介して、主軸本体の軸心とドローバーの軸心とを一致させる調心機構とを備え、前記調心機構は、前記円筒孔の前端部分において主軸本体の軸心とドローバーの軸心とを一致させる第1調心機構と、前記円筒孔の後部において主軸本体の軸心とドローバーの軸心とを一致させる第2調心機構とを有し、前記第2調心機構は、前記円筒孔の内周部に固定され且つ前端部分に後方程小径化する第3テーパ面を有する環状部材と、前記円筒孔に径方向へ可動に内嵌され且つドローバーに固定されてバネ部材の後端部を受け止める第2バネ受け部材と、前記第2バネ受け部材に形成され且つ第3テーパ面に係合する第4テーパ面とを備えたことを特徴としている。
この主軸装置においては、主軸本体の内部にバネ部材収容孔を含む円筒孔が形成され、前記調心機構により、円筒孔の前端部分と後部の少なくとも一方において、主軸本体側テーパ面とこの主軸本体側テーパ面に係合するドローバー側テーパ面を介して、主軸本体の軸心とドローバーの軸心とが一致するように自動的に調心される。
ドローバーに固定された第2バネ受け部材が、バネ部材の弾性付勢力で後方へ付勢されると、第2バネ受け部材の第4テーパ面が、主軸本体に固定された環状部材の第3テーパ面に係合し、第2バネ受け部材とドローバーの軸心が、主軸本体の軸心と一致するように自動的に調心がなされる。工具ホルダを装着してない状態において調心作用が得られる。
請求項の工作機械の主軸装置は、請求項2の発明において、前記第1調心機構は、前記ドローバーに形成された鍔状大径部と、前記円筒孔に径方向へ可動に内嵌され且つ前記鍔状大径部に径方向へ移動不能に外嵌され且つ前記バネ部材の前端部を受け止める第1バネ受け部材と、前記円筒孔の前端部分の外周側部分に形成された前方程小径化する第1テーパ面と、前記バネ受け部材の前端部分の外周側部分に形成されて前記第1テーパ面に係合する第2テーパ面とを備えたことを特徴としている。
この主軸装置では、バネ部材の前端部を受け止める第1バネ受け部材が、円筒孔に径方向へ可動に内嵌され且つドローバーに形成された鍔状大径部に径方向へ移動不能に外嵌されているため、第1バネ受け部材がバネ部材の弾性付勢力で前方へ付勢されると、この第1バネ受け部材に形成された第2テーパ面が主軸本体側の第1テーパ面に係合すると、第1バネ受け部材と鍔状大径部とドローバーの軸心が主軸本体の軸心に一致するように、調心を行う。工具ホルダを装着した状態でも工具ホルダを装着してない状態でも調心作用が得られる。
請求項の工作機械の主軸装置は、請求項3の発明において、前記第1バネ受け部材はその後端部分に形成されたフランジ部を有し、このフランジ部の前端面と前記鍔状大径部の後端面との間には、工具ホルダを工具ホルダ装着用テーパ穴に装着していない状態においても隙間が形成されていることを特徴としている。
請求項の工作機械の主軸装置は、請求項4の発明において、前記環状部材は、前記主軸本体に内嵌状に螺合して固定されたことを特徴としている。
請求項1の発明によれば、主軸本体の内部にバネ部材収容孔を含む円筒孔が形成され、前記調心機構により、円筒孔の前端部分と後部の少なくとも一方において、主軸本体側テーパ面とこの主軸本体側テーパ面に係合するドローバー側テーパ面を介して、主軸本体の軸心とドローバーの軸心とが一致するように自動的に調心されるので、主軸本体のアンバランスを大幅に軽減することができ、振動と騒音を低減させ、加工精度を向上させることができる。
しかも、前記調心機構は主軸本体側テーパ面とドローバー側テーパ面を介して調心する構成であるため、調心機構の構成が簡単になる。バネ部材は、軸心方向に連続する1本の螺旋バネでもよく、皿バネでもよく、前部バネと後部バネとに分割したバネでもよいので、バネ部材の制約を受けないから、汎用性に優れる。
また、調心機構は、少なくとも、主軸本体に工具ホルダを装着してない状態において調心可能な構造になるが、円筒孔の前端部分において調心する調心機構は、主軸本体への工具ホルダの装着の有無によらず調心可能なものに構成可能である。
調心機構が、前記円筒孔の前端部分で調心する第1調心機構と、前記円筒孔の後部で調心する第2調心機構を有するため、主軸本体のアンバランスを一層効果的に軽減することができる。第2調心機構は、簡単な構造の環状部材と、第3,第4テーパ面を設け、バネ部材の後端部を受け止める第2バネ受け部材を有効活用して、第2バネ受け部材とドローバーの軸心が主軸本体の軸心に一致するように、自動的に調心を行うことができる。工具ホルダを装着してない状態では、第2バネ受け部材が最大限後退するため、第4テーパ面が第3テーパ面に接触するため、調心作動が得られる。
請求項の発明によれば、第1調心機構は、簡単な構造の鍔状大径部と第1,第2テーパ面を設け、バネ部材の前端部を受け止める第1バネ受け部材に第2テーパ面を形成するため、第1バネ受け部材を有効活用して、第1バネ受け部材と鍔状大径部とドローバーの軸心が主軸本体の軸心に一致するように、自動的に調心を行うことができ、第1バネ受け部材は常時バネ部材で付勢され、第2テーパ面が第1テーパ面に常時接触するため、工具ホルダを装着した状態でも装着しない状態でも調心がなされる。
請求項の発明によれば、前記第1バネ受け部材はその後端部分に形成されたフランジ部を有し、このフランジ部の前端面と前記鍔状大径部の後端面との間には、工具ホルダを工具ホルダ装着用テーパ穴に装着していない状態においても隙間が形成されているため、工具ホルダを装着せずにドローバーが最大限後退した位置になっても、鍔状大径部がフランジ部に当接せず、第1,第2テーパ面が係合状態を維持するため、工具ホルダを装着しない状態でも確実に調心がなされる。
請求項の発明によれば、前記環状部材は前記主軸本体に内嵌状に螺合して固定されているため、主軸装置の組み立ての際に、円筒孔にドローバーや第1,第2バネ受け部材を挿入後に、環状部材を主軸本体に螺合して固定することができる。
本発明の工作機械の主軸装置は、主軸本体の内部に形成されバネ部材を収容するバネ部材収容孔を含む円筒孔と、この円筒孔の前端部分と後部の少なくとも一方において、主軸本体側テーパ面とこの主軸本体側テーパ面に係合するドローバー側テーパ面を介して、主軸本体の軸心とドローバーの軸心とを一致させる調心機構とを備えたものである。
次に、本発明の実施例について、図1〜図5に基づいて説明する。
図1〜図3に示すように、工作機械の主軸装置1は、主軸ヘッドの主軸台(図示略)に 4組のラジアル軸受2を介して回転自在に支持された主軸本体3と、スペーサ4と、この主軸本体3の内部に形成された円筒孔5と、ドローバー6と、ドローバー6の後端部に固定されたドローバー延長部材7と、工具付きの工具ホルダ(図示略)をクランプする弾性力を発生させるバネ部材8と、工具ホルダをチャックするチャック機構9と、調心機構10(第1,第2調心機構10A,10B)と、アンクランプ用アクチュエータにより操作されるアンクランプリング11などを備えている。
なお、図1〜図3には主軸装置1を水平姿勢に図示した関係上、図1〜図3上の上下左右を上下左右として説明し、図4には主軸装置1を立型工作機械の主軸ヘッドに立向き姿勢に装備した例を図示してある。
前記主軸本体3の前端部には、工具ホルダ装着用テーパ穴12が形成されている。主軸本体3の後端部には、主軸駆動モータ(図示略)の出力軸にカップリングを介して連結される連結軸部3aが形成されている。工具ホルダに取り付けられた工具でワークを切削加工する際には、主軸本体3とその内部の諸部材は主軸駆動モータにより約16000 〜20000 rpmの速度にて回転駆動される。
前記主軸本体3の前端側部分の内部には、ドローバー6の前端部に連結されたチャック機構9が設けられている。前記円筒孔5は、バネ部材8を収容するバネ部材収容孔5aと、このバネ部材収容孔5aの前側に連通状に形成されバネ受け部材13を収容するバネ受け部材収容孔5bと、バネ部材収容孔5aより後方において主軸本体3の後部内に形成され且つドローバー延長部材7を収容するドローバー延長部材収容孔5cとを有する。
前記ドローバー6は主軸本体3の内部にほぼ同心状に配設されている。このドローバー6は、バネ部材収容孔5a内に配置されたドローバー本体6aと、このドローバー本体6aから前方へ延びてチャック機構9に連結された連結軸部6bと、ドローバー本体6aの後端部分に螺合にて固定されたドローバー延長部材7と、ドローバー本体6aの前端部に形成された鍔状大径部6cとを有する。前記連結軸部6bとチャック機構9は、主軸本体3に対して径方向へ数100μm程度可動に装着されている。前記ドローバー延長部材7も円筒孔5の内周面に対して径方向へ数10μm程度可動に装着されている。
前記バネ部材8は、偏平な矩形断面のバネ鋼製の螺旋バネ(螺旋皿バネ)であり、バネ部材収容孔5a内においてドローバー本体6aに外装され、バネ部材8の内周面とドローバー本体6aの外周面との間には小さな隙間が形成されている。また、バネ部材8の外周面と円筒孔5の内周面との間には僅かな隙間が形成されている。
前記バネ部材8は、バネ部材収容孔5a内に圧縮状に配設され、バネ部材8の前端(図示の左端)がバネ受け部材13のフランジ部13fの後端面で受け止められ、バネ部材8の後端がドローバー延長部材7の前端面で受け止められている。この結果、ドローバー6は、バネ部材8によって後方(図示の右方)へ強力に弾性付勢されている。
工具付きの工具ホルダ(図示略)を装着した状態では、工具ホルダのシャンク部が前記テーパ穴12に係合し、チャック機構9の複数のチャック爪9aがシャンク部に設けられたチャック爪係合穴に係合する。この結果、工具ホルダはドローバー6により後方へ強力に弾性付勢されてクランプ状態になる。
工具交換の為に工具付きの工具ホルダをアンクランプする場合には、アンクランプリング11を介してドローバー延長部材7をバネ部材8の付勢力に抗して前方へ押動可能に構成されている。そこで、アンクランプリング11の後端付近部において、主軸本体3に1対の長円孔14が前後方向に細長く形成され、ドローバー延長部材7に1つのピン孔15が形成されている。ピン部材16がピン孔15と長円孔14に挿通され、ピン部材16の両端部がアンクランプリング11に連結されている。
図4、図5に示すように、主軸装置1は図示外の主軸ヘッド昇降機構により昇降駆動される主軸ヘッド30に立向き姿勢に装備されている。主軸本体3の連結軸部3aはカップリング38を介して主軸駆動モータ39の出力軸39aに連結されている。
主軸ヘッド30にほぼ「へ」字形のアンクランプレバー31が立向きに配設され、アンクランプレバー31の下端部が主軸ヘッド30に固定された1対のブラケット32にピン部材33を介して回動可能に連結されている。アンクランプレバー31の下端部から主軸装置1側へ延びる二股の押圧アーム34が設けられ、この二股の押圧アーム34の先端部はアンクランプリング11の両側に位置している。
前記1対の押圧アーム34の先端部に夫々ローラ35(図5参照)が回転可能に設けられ、これら1対のローラ35が、アンクランプリング11のフランジ部材11aに常時非接触で接近している。アンクランプレバー31の上端部にはローラ36が回転可能に設けられている。アンクランプレバー31は図示外の板バネにより図4において反時計方向へ付勢されている。主軸ヘッド30の上方には、工作機械の静止側の機枠に固定されたカム部材37が設けられ、カム部材37の下端部にはローラ36が乗り上げる傾斜面37a が形成されている。
工具ホルダTを交換するとき、主軸ヘッド30が所定の上限位置へ上昇駆動され、その上昇の途中で、アンクランプレバー31の上端のローラ36が傾斜面37aを経てカム部材37へ乗り上げると、アンクランプレバー31が時計方向へ回動し、押圧アーム34 の1対のローラ35によってフランジ部11aを押し、アンクランプリング11を下方(前方)へ所定ストローク移動させる。
すると、ドローバー延長部材7を含むドローバー6の全体が下方(前方)へ所定ストローク移動して、工具ホルダTがクランプ解除される。工具ホルダTを取り外した状態において、主軸ヘッド30を下降させて、ローラ36をカム部材37から離隔させ、アンクランプリング11を原位置に復帰させると、ドローバー延長部材7は、ピン部材16を介してアンクランプリング11により最大後退位置に保持される。
図1〜図3に示すように、この主軸装置1には、この円筒孔5の前端部分と後部において、主軸本体側テーパ面とこの主軸本体側テーパ面に係合するドローバー側テーパ面を介して、主軸本体3の軸心とドローバー6の軸心とを一致させる調心機構10が設けられている。この調心機構10は、円筒孔5の前端部分において主軸本体3の軸心とドローバー6の軸心とを一致させる第1調心機構10Aと、円筒孔5の後部において主軸本体3の軸心とドローバー6の軸心とを一致させる第2調心機構10Bとを有する。
前記第1調心機構10Aは、ドローバー6に形成された前記鍔状大径部6cと、バネ受け部材13(第1バネ受け部材)と、環状の第1テーパ面17(主軸本体側テーパ面)と、環状の第2テーパ面18(ドローバー側テーパ面)等で構成されている。前記バネ受け部材13は、円筒孔5に径方向へ数10μm程度可動に内嵌され且つ前記鍔状大径部6cに径方向へ移動不能に外嵌されている。このバネ受け部材13の後端部分にバネ部材8の前端部を受け止めるフランジ部13fが形成されている。
図示のように、工具(工具ホルダ)を装着していない状態においては、ドローバー6が主軸本体3に対して最大限後退した前記最大後退位置になるが、ドローバー6がこの最大後退位置にあるときにも、鍔状大径部6cの後端面とフランジ部13fの前端面との間に所定の隙間が形成されている。
前記第1テーパ面17は、円筒孔5の前端部分の外周側部分に前方程小径化するテーパ面に形成されている。前記第2テーパ面18は、バネ受け部材13の前端部分の外周側部分に形成されて第1テーパ面17に面接触にて係合している。第1,第2テーパ面17,18を研磨加工するのが望ましく、第1,第2テーパ面17,18が主軸本体3の軸心となす角度は約30〜45度とするのが望ましい。
工具クランプ状態でもアンクランプ状態でも常時、バネ受け部材13がバネ部材8の付勢力で前方へ付勢されるため、第1,第2テーパ面17,18が面接触状態を維持する。その結果、主軸本体3の軸心と、バネ受け部材13の軸心と、ドローバー6の鍔状大径部6cの軸心とが一致するように自動的に調心される。この第1調心機構10Aによってドローバー本体6aの前端部が、常に主軸本体3に対して自動的に調心される。
尚、主軸本体3の前端部には、工作機械の出荷前に主軸装置1のバランスを調整するためのネジ部材(錘)を取り付け可能な複数のネジ穴19が形成されている。
前記第2調心機構10Bは、主軸本体3の後部に固定された環状部材20と、環状の第3テーパ面21(主軸本体側テーパ面)と、ドローバー延長部材7(第2バネ受け部材)と、環状の第4テーパ面22(ドローバー側テーパ面)等で構成されている。前記環状部材20は、外周面に雄ネジ部が形成された筒状部材である。この環状部材20は円筒孔5の後部に形成された雌ネジ孔23に螺合固定されている。
この環状部材20の前端部分には、後方程小径化する第3テーパ面21が形成されている。前記ドローバー延長部材7は円筒孔5の後部のドローバー延長部材収容孔5cに径方向へ可動に内嵌され、ドローバー本体6aの後端部のネジ軸部6dがドローバー延長部材7のネジ孔に螺合にて固定されている。ドローバー延長部材7の途中部には、第3テーパ面21に面接触にて係合する第4テーパ面22が形成されている。第3,第4テーパ面21,22は研磨加工するのが望ましく、第3,第4テーパ面21,22が主軸本体3の軸心となす角度は約30〜45度とするのが望ましい。
工具ホルダを工具ホルダ装着用テーパ孔2に装着してない場合バネ部材8がドローバー延長部材7を後方へ付勢するため、ドローバー6は最大後退位置となる。その結果、第3,第4テーパ面21,22が面接触状態を維持するため、主軸本体3の軸心と、ドローバー延長部材7の軸心とが一致するように自動的に調心される。従って、第2調心機構10Bによってドローバー6の後端側部分が主軸本体3に対して自動的に調心される。
尚、工具ホルダを工具ホルダ装着用テーパ穴12に装着した場合、ドローバー6が最大後退位置よりも僅かに前方の位置になるため、第3,第4テーパ面21,22が面接触状態を維持しない。
次に、切削加工の際、工具ホルダから切削個所へ向けて吐出するクーラント(冷却用液体)を供給するクーラント供給系について説明する。
前記ドローバー延長部材7の後端部に軸状部材24が固定されて後方へ延びており、この軸状部材24内に液通路25が形成されている。ドローバー延長部材7にも液通路26が形成され、ドローバー本体6aと連結軸部6bの内部にも液通路27,28が形成されている。チャック機構9の中心部にも液通路29が形成されている。クーラントは、外部のクーラント供給源からロータリ継手を介して液通路25に圧送され、その液通路25から液通路26,27,28を経て液通路29に供給される。
以上説明した主軸装置1の作用、効果について説明する。
工具ホルダを工具ホルダ装着用テーパ穴12に装着してない場合、ドローバー6は最大後退位置にあり、バネ受け部材13のフランジ部13fの前端面とドローバー6の鍔状大径部6cの後端面との間には隙間が発生する。バネ受け部材13はバネ部材8で前方へ付勢されて第1テーパ面17で受け止められるため、第1調心機構10Aの第1,第2テーパ面17,18が面接触にて係合する。そのため、この第1調心機構10Aにより、主軸本体3の軸心とドローバー6の鍔状大径部6cの軸心(つまり、ドローバー6の軸心)とが一致するように自動的に調心される。
しかも、第2調心機構10Bの第3,第4テーパ面21,22が面接触にて係合するため、この第2調心機構10Bにより、主軸本体3の軸心とドローバー延長部材7の軸心(つまり、ドローバー6の軸心)とが一致するように自動的に調心される。
この結果、工具ホルダを工具ホルダ装着用テーパ穴12に装着してない場合、ドローバー6の前部と後部において、主軸本体3の軸心とドローバー6の軸心とが一致するように自動的に調心されるため、工作機械の出荷前における主軸装置1のバランス調整の作業を省略することが可能となる。また、省略できないとしてもバランス調整の作業が著しく簡単になる。
工具ホルダを工具ホルダ装着用テーパ穴12に装着した場合、ドローバー6が最大後退位置によりも僅かに前方移動するだけであるから、バネ受け部材13の位置は前記の位置と同じ位置になるので、第1調心機構10Aによる前記同様の調心作用が得られる。
そのため、工作機械の稼働中における主軸装置1のバランスが良好に維持され、振動や騒音が軽減され、加工精度も向上する。
第1調心機構10Aは、主軸本体3に形成した第1テーパ面17とバネ受け部材13に形成した第2テーパ面18とで調心する構成であるから、バネ受け部材13を有効活用し部材数を増すことなく、簡単な構成のものにするから、安価に実施可能である。
第2調心機構10Bは、環状部材20に形成した第3テーパ面21と、ドローバー延長部材7に形成した第4テーパ面22とで調心する構成であるから、環状部材20を追加するものの、ドローバー延長部材7を有効活用して、簡単な構成のものにすることができるから、安価に実施可能である。
前記バネ部材8は、バネ受け部材13とドローバー延長部材7間において、ドローバー6に外装できる構成であればよいから、バネ部材8として、皿バネ、前部バネと後部バネとに分割した螺旋バネ叉は皿バネなど種々のバネ部材を採用可能である。
ここで、前記実施例を部分的に変更する例について説明する。
1)主軸本体3をその外周側に組み込んだ主軸モータで駆動する形式の主軸装置にも、本発明を同様に適用することができる。
2)前記チャック機構9は一例を示すものに過ぎず、種々のチャック機構を組み込んだ主軸装置1にも、本発明を同様に適用することができる。
3)アンクランプリング11が省略され、主軸本体3の後部または後方にクランプ解除用アクチュエータを装備した主軸装置1にも本発明を同様に適用することができる。
4)前記バネ部材8の代わりに、皿バネ積層体、または中間間座を挟んで前後に2分割した螺旋バネ叉は皿バネなどを採用することができる。
本発明の実施例に係る主軸装置の断面図である。 前記主軸装置の前半部分の拡大断面図である。 前記主軸装置の後半部分の拡大断面図である。 主軸装置を装備した主軸ヘッドの要部断面図である。 図4のA矢視図である。
1 主軸装置
3 主軸本体
5 円筒孔
5a バネ部材収容孔
6 ドローバー
6c 鍔状大径部
7 ドローバー延長部材
8 バネ部材
10 調心機構
10A 第1調心機構
10B 第2調心機構
13 バネ受け部材
17,18 第1,第2テーパ面
20 環状部材
21,22 第3,第4テーパ面

Claims (4)

  1. 前端部に工具ホルダ装着用テーパ穴を形成した主軸本体と、この主軸本体の内部に組み込まれたドローバーと、このドローバーを後方へ弾性付勢するバネ部材とを備えた工作機械の主軸装置において、
    主軸本体の内部に形成されバネ部材を収容するバネ部材収容孔を含む円筒孔と、
    この円筒孔の前端部分と後部の少なくとも一方において、主軸本体に設けられた主軸本体側テーパ面とこの主軸本体側テーパ面に係合するドローバーに設けられたドローバー側テーパ面を介して、主軸本体の軸心とドローバーの軸心とを一致させる調心機構とを備え
    前記調心機構は、前記円筒孔の前端部分において主軸本体の軸心とドローバーの軸心とを一致させる第1調心機構と、前記円筒孔の後部において主軸本体の軸心とドローバーの軸心とを一致させる第2調心機構とを有し、
    前記第2調心機構は、前記円筒孔の内周部に固定され且つ前端部分に後方程小径化する第3テーパ面を有する環状部材と、前記円筒孔に径方向へ可動に内嵌され且つドローバーに固定されてバネ部材の後端部を受け止める第2バネ受け部材と、前記第2バネ受け部材に形成され且つ第3テーパ面に係合する第4テーパ面とを備えたことを特徴とする工作機械の主軸装置。
  2. 前記第1調心機構は、
    前記ドローバーに形成された鍔状大径部と、
    前記円筒孔に径方向へ可動に内嵌され且つ前記鍔状大径部に径方向へ移動不能に外嵌され且つ前記バネ部材の前端部を受け止める第1バネ受け部材と、
    前記円筒孔の前端部分の外周側部分に形成された前方程小径化する第1テーパ面と、 前記第1バネ受け部材の前端部分の外周側部分に形成されて前記第1テーパ面に係合する第2テーパ面とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の工作機械の主軸装置。
  3. 前記第1バネ受け部材はその後端部分に形成されたフランジ部を有し、このフランジ部の前端面と前記鍔状大径部の後端面との間には、工具ホルダを工具ホルダ装着用テーパ穴に装着していない状態においても隙間が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の工作機械の主軸装置。
  4. 前記環状部材は、前記主軸本体に内嵌状に螺合して固定されたことを特徴とする請求項に記載の工作機械の主軸装置。
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