JP2011131290A - 搬送経路設定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワークを搬送する搬送経路を金型の形状に応じて設定する搬送経路設定方法を提供すること。
【解決手段】搬送経路設定方法は、搬送装置の搬送経路を規定する制御点PCの位置を仮設定する仮設定工程(ステップS41)と、仮設定された制御点PCの座標(YPC,ZPC)に基づいて、搬送装置がこの制御点PCを通過する搬送経路を算出し、さらにこの搬送経路に沿って搬送装置を移動させた場合におけるバキュームカップの代表点の軌跡を算出する軌跡算出工程(ステップS42〜S44)と、算出されたバキュームカップの代表点の軌跡と下型の形状とを比較するとともに、軌跡を複数の区間1、区間2、区間3に分割し、さらに軌跡と下型との間隔が区間ごとに設定された目標値に近づくように、制御点PCの位置を調整する搬送経路決定工程(ステップS45〜S49)と、を含む。
【選択図】図10

Description

本発明は、搬送経路設定方法に関する。詳しくは、複数のプレス機および複数の搬送装置を備えたプレスラインの搬送経路設定方法に関する。
従来、プレス機が複数並んだプレスラインでは、プレス機同士の間でワークを搬送する搬送装置が設けられる。プレスラインは、各プレス機による複数のプレス工程を経て、平板状のワークから所定の形状の製品を製造する。各プレス機には、それぞれ異なるプレス工程が割り当てられる。
一方、各プレス機の間に設けられた搬送装置は、所定の周期で昇降動作する各プレス機に対し、前プレス工程を実行するプレス機から、次プレス工程を実行するプレス機へ、ワークを搬送する。そこで、搬送装置の搬送動作は、このような昇降動作する各プレス機の上型や下型に干渉しないように設定する必要がある。
例えば、特許文献1には、このような搬送装置の搬送動作を設定する方法が示されている。この搬送動作の設定方法では、搬送動作の基準形を予め複数準備しておく。実際に搬送動作を設定する際には、準備した複数の基準形から1つを選択し、さらに搬送装置の開始位置と終了位置とを指定する。この設定方法によれば、基準形を選択し、搬送装置の開始位置および終了位置を指定するだけでよいので、搬送装置の搬送動作の設定にかかる時間を短縮することができる。
特開2004−255419号公報
ところで、プレスライン全体の生産サイクルを向上する場合、金型やプレス機の昇降動作の周期に合わせて、できるだけ速やかにワークを搬送できるように、搬送装置の搬送動作を設定する必要がある。しかしながら、特許文献1に示された設定方法では、搬送装置の搬送動作は、予め準備された基準形に基づいて設定されるため、金型やプレス機の昇降動作に合わせて最適な設定を行うことが困難である。したがって、最終的には、実際にプレスラインを稼動した上で、作業者の判断に基づいて設定を最適化する必要がある。
本発明は、金型の形状に適した搬送装置の搬送経路を設定できる搬送経路設定方法を提供することを目的とする。
本発明は、下型(例えば、後述の下型21)に対し上型(例えば、後述の上型22)を昇降することでワークをプレス加工する複数のプレス機(例えば、後述のプレス機2)と、これらプレス機の間において、保持部(例えば、後述のバキュームカップ31)により保持したワークを所定の搬送経路(例えば、後述の搬送経路C)に沿って搬送する複数の搬送装置(例えば、後述の搬送装置3)と、各プレス機の周期的な昇降動作、並びに、各搬送装置の搬送経路に沿った周期的な搬送動作を制御する制御装置(例えば、後述の制御装置4)と、を備えたプレスラインの搬送経路設定方法を提供する。前記搬送経路設定方法は、前記搬送装置の搬送経路を規定する制御点(例えば、後述の制御点PC)について、この制御点の位置を仮設定する仮設定工程(例えば、後述の図10のステップS41)と、前記仮設定された制御点の位置情報(例えば、後述の座標(YPC,ZPC))に基づいて前記搬送装置が当該制御点を通過する搬送経路を算出し、さらに当該搬送経路に沿って搬送装置を移動させた場合における前記保持部の軌跡(例えば、後述のバキュームカップの代表点の軌跡)を算出する軌跡算出工程(例えば、後述の図10のステップS42,S43)と、前記算出された保持部の軌跡と前記下型の形状とを比較するとともに、前記軌跡を複数の区間(例えば、後述の区間1、区間2、区間3)に分割し、さらに当該軌跡と前記下型との間隔が区間ごとに設定された目標値に近づくように、前記制御点の位置を調整する搬送経路決定工程(例えば、後述の図7のステップS44〜S49)と、を含む。
この発明によれば、先ず、搬送経路を規定する制御点の位置を仮設定し、この制御点の位置情報に基づいて、搬送装置が制御点を通過する搬送経路を算出し、さらにこの搬送経路に沿って搬送装置を移動させた場合における保持部の軌跡を算出する。次に、この保持部の軌跡と下型の形状とを比較し、さらにこの軌跡と下型との間隔が区間ごとに設定された目標値に近づくように、上記仮設定した制御点の位置を調整する。これにより、搬送装置の保持部と下型とが干渉しない最適な搬送経路を、制御点の位置を調整するだけで設定することができる。また、これにより、搬送装置が下型と干渉せずかつ最も低くなるような搬送経路を設定することができるので、結果として、プレスライン全体の生産サイクルを向上することができる。
この場合、前記搬送経路決定工程では、1つの保持部に対し少なくとも4つの代表点を設定し、当該4つの代表点の軌跡を含む各平面に沿った前記下型の断面形状と、前記軌跡とを比較することが好ましい。
この発明によれば、搬送装置の1つの保持部に対し少なくとも4つの代表点を設定する。そして、搬送経路決定工程では、保持部の上記代表点の軌跡と、これら代表点の軌跡を含む各平面に沿った下型の断面形状とを比較する。すなわち、3次元データを扱わずに、2次元のデータを扱うことで、保持部の軌跡と下型との形状とを比較し、搬送経路の制御点を調整する。これにより、搬送経路を設定するために必要な下型と保持部との間隔の算出などの計算時間を大幅に短縮することができる。
本発明の一実施形態に係る運転条件設定方法が適用されたプレスラインの概略構成を示す図である。 前記実施形態に係る搬送装置を鉛直方向上方から視た図である。 前記実施形態に係る搬送モーション演算装置の構成を示すブロック図である。 前記実施形態に係る搬送モーション演算装置により搬送モーションデータおよびプレスモーションデータを生成する手順を示すフローチャートである。 前記実施形態に係る計算用データ処理の手順を示すフローチャートである。 前記実施形態に係る上型の輪郭線に設定された複数の干渉候補点の構成を示す図である。 前記実施形態に係る干渉候補点を抽出する手順を示す図である。 前記実施形態に係るバキュームカップに設定した代表点と、その軌跡を模式的に示す図である。 前記実施形態に係る搬送経路とこの搬送経路に沿って移動する搬送装置のクロスバーの構成を示す模式図である。 前記実施形態に係る搬送経路の復路を設定する手順を示すフローチャートである。 前記実施形態に係る搬送装置の制御点の構成を示す図である。 前記実施形態に係る3つの区間に分割された搬送経路の構成を示す図である。 前記実施形態に係る搬送装置間位相差とラインSPMとを設定する詳細な手順を示すフローチャートである。 前記実施形態に係るプレス機の型内に2つの搬送装置が同時に存在した状態を示す図である。 前記実施形態に係る上型干渉曲線の特性を模式的に示す図である。 前記実施形態に係る複数の干渉候補点を通過する上型干渉曲線の構成を示す図である。 前記実施形態に係るプレス−搬送位相差の作業可能範囲を示す図である。 前記実施形態に係るプレスSPMを低減した場合における作業可能範囲の変化を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る運転条件設定方法が適用されたプレスライン1の概略構成を示す図である。
プレスライン1は、ワークWを加工する複数台のプレス機2と、各プレス機2に付随して設けられ、これらプレス機2の間でワークWを搬送する複数台の搬送装置3と、各プレス機2の動作と各搬送装置3の動作とを制御する制御装置4とを備える。
プレスライン1は、各プレス機2による複数のプレス工程を経て、平板状のワークから所定の形状の製品を製造する。複数のプレス機2は、プレス工程の進行と同じ順序で配置されるとともに、各プレス機2には、各プレス工程が割り当てられる。本実施形態では、図1中、左側から右側へ向かって順にプレス工程が進行するものとする。また、このプレス工程が進行する方向と、各搬送装置がワークを搬送する搬送方向Yとは同じであるとする。
各プレス機2は、ワークWの下側に配置された下型21と、この下型21に対向して配置された上型22と、下型21に対して上型22を接近、離隔させる昇降機構23と、この昇降機構23を制御する図示しないコントローラと、を有する。以上のプレス機2は、下型21に対し上型22を鉛直方向Zに沿って昇降することで、ワークWをプレス加工する。
搬送装置3は、柱状のクロスバー32と、隣接するプレス機の間に設定された搬送経路Cに沿ってクロスバー32を移動する図示しない移動装置と、この移動装置を制御する図示しないコントローラと、を有する。また、クロスバー32には、ワークWに吸着しこれを所定の姿勢で保持する複数の保持部が設けられている。本実施形態では、この保持部として図1に示すような皿状のバキュームカップ31を用いた場合について説明するが、保持部の形状、位置、および数などは、以下のものに限らない。
図2は、搬送装置3を鉛直方向上方から視た図である。
図2に示すように、クロスバー32は、搬送方向Yに対して垂直な方向Xに延びる。また、このクロスバー32には、合計4つのバキュームカップ31が搬送方向Y前後に設けられている。また、これらバキュームカップ31は、鉛直方向Zに沿って視て真円状となっている。
図1に戻って、各搬送装置3の搬送経路Cは、前プレス工程を実行するプレス機2から次プレス工程を実行するプレス機2へ延びる往路COと、次プレス工程を実行するプレス機2から前プレス工程を実行するプレス機2へ延びる復路CBと、を含んで構成される。各搬送装置3は、隣接するプレス機2の間で、このような搬送経路Cに沿ってクロスバー32を移動し、前プレス工程に対応するプレス機2で加工されたワークWを、次プレス工程に対応するプレス機2へ搬送する。すなわち、搬送装置3は、ワークWをバキュームカップ31で保持しながら往路COを移動し、復路CBではワークWを保持せず空走する。
各搬送装置3は、以下のように動作し、ワークWを搬送する。
先ず、前プレス工程に対応するプレス機2の上型22と下型21との間へ、クロスバー32を復路CBに沿って移動する。
次に、バキュームカップ31で加工後のワークWを吸引し、このワークWを保持する。
次に、次プレス工程に対応するプレス機2の上型22と下型21との間へ、ワークWを保持したまま、クロスバー32を往路COに沿って移動する。
次に、保持したワークWをプレス機2の下型21に設置する。
制御装置4は、所定のプレスモーションデータおよび搬送モーションデータに基づいて、各プレス機2および各搬送装置3のコントローラに制御信号を送信し、各プレス機2の周期的な昇降動作(以下、「プレスモーション」という)、並びに、各搬送装置3の周期的な搬送動作(以下、「搬送モーション」という)を制御する。
搬送モーション演算装置5は、各プレス機2のプレスモーションを規定したプレスモーションデータを読み込み、各搬送装置3の搬送モーションを規定した搬送モーションデータを生成し、さらにこれらプレスモーションデータおよび搬送モーションデータを、制御装置4に送信する。
ここで、プレスモーションデータおよび搬送モーションデータの内容について説明する。
プレスモーションを規定するプレスモーションデータには、各プレス機2の上型22を駆動する速度、位置、および時刻等のプレスモーションに関する情報が含まれる。この上型22を駆動する速度は、プレス機2のワークの加工能力を示す加工速度、すなわち、プレスSPMとして特徴付けられる。したがって、このプレスSPMが大きいほど、上型22を昇降する周期が短くなる。
搬送モーションを規定する搬送モーションデータには、各搬送装置3の搬送経路Cと、この搬送経路Cに沿って搬送装置3を駆動する速度に関する情報が含まれる。本実施形態では、搬送装置3の搬送経路Cを、3次元空間内におけるクロスバー32の中心位置の軌跡として定義する。
この他、搬送モーションデータには、ワークの生産能力、すなわちプレスライン1において1分間でワークを加工できる数量を示すライン速度としてのラインSPMに関する情報が含まれる。すなわち、このラインSPMを大きな値に設定することにより、プレスライン1における生産サイクルを向上することができる。また、各搬送装置3を駆動する速度や時刻は、このラインSPMに合わせて決定される。
また、周期的な搬送モーションを繰り返す搬送装置3を複数制御するため、搬送モーションデータには、各搬送装置3間の搬送モーションの位相差(以下、「搬送装置間位相差」という)に関する情報が含まれる。
またさらに、周期的なプレスモーションを繰り返す各プレス機2と、周期的な搬送モーションを繰り返す各搬送装置3とを制御するため、搬送モーションデータには、各プレス機2の搬送モーションと各搬送装置3の搬送モーションとの間の位相差(以下、「プレス−搬送間位相差」という)に関する情報が含まれる。
搬送モーション演算装置5は、以上のような情報を含むプレスモーションデータおよび搬送モーションデータを、制御装置4に送信する。
図3は、搬送モーション演算装置5の構成を示すブロック図である。
搬送モーション演算装置5は、入力装置51と、記憶装置52と、演算装置53と、を含んで構成される。
入力装置51は、作業者が操作可能なキーボードやマウスなどのハードウェアで構成される。この入力装置51を操作することにより入力されたデータや指令は、演算装置53に入力される。
記憶装置52は、ハードディスクやCDROMなどのハードウェアで構成される。この記憶装置52には、各種データが記憶されており、記憶されたデータは、演算装置53に適宜入力される。
演算装置53は、CPU、ROM、RAMなどのハードウェアにより構成される。この演算装置53は、これらハードウェアにより実現される複数の機能ブロックを備える。より具体的には、演算装置53は、計算用データ読込部531と、計算用データ処理部532と、搬送経路算出部533と、搬送経路評価部534と、搬送装置間位相差算出部535と、作業可能範囲算出部536と、作業可能範囲評価部537と、モーションデータ出力部538と、を含んで構成される。
記憶装置52には、各プレス機の上型および下型の形状、各工程におけるワークの形状、並びに各搬送装置のクロスバーおよびバキュームカップの形状や位置を規定したCADデータが記憶される。記憶装置52には、このようなCADデータの他、予め設定されたプレスモーションデータが記憶されている。
計算用データ読込部531は、記憶装置52に記憶された各種CADデータを読み込む(後述の図4のステップS1を参照)。
計算用データ処理部532は、計算用データ読込部531により読み込まれたCADデータに前処理を施し計算にかかる負荷を軽減する(後述の図4のステップS3を参照)。
搬送経路算出部533は、前処理が施されたCADデータ、並びに、ラインSPMを含む各種搬送条件に基づいて、各搬送装置の搬送経路Cを算出する(後述の図4のステップS4を参照)。
搬送経路評価部534は、搬送経路算出部533により算出された搬送経路Cを評価し、実際に搬送装置Cに沿ったワークの搬送が可能であるか否かを判別する(後述の図4のステップS5参照)。
搬送装置間位相差算出部535は、搬送経路算出部533により算出された搬送経路C、および入力装置51から入力されたラインSPMに基づいて、搬送装置間位相差を計算する(後述の図13のステップS61を参照)。
作業可能範囲算出部536は、記憶装置52に記憶されたプレスモーションデータを読み込む。さらに、この読み込んだプレスモーションデータ、並びに、設定された搬送経路Cおよび搬送装置間位相差でプレスラインを稼動した場合に、上型と搬送装置およびこの搬送装置により搬送されたワークとが干渉せずにプレス−搬送間位相差を設定可能な作業可能範囲を算出する(後述の図13のステップS65を参照)。
作業可能範囲評価部537は、算出された作業可能範囲を評価し、全プレス機に対して作業可能範囲を確保できたか否かを判別する。作業可能範囲を確保できた場合には、この範囲内にプレス−搬送間位相差を設定する(後述の図4のステップS11を参照)。
モーションデータ出力部538は、以上のようにして算出されたプレスモーションデータおよび搬送モーションデータを、制御装置4に送信する(後述の図4のステップS16を参照)。
次に、図4に示すメインフローチャートを参照して、搬送モーション演算装置5により、プレスモーションデータおよび搬送モーションデータを生成し、制御装置に送信する手順について説明する。
ステップS1では、各種CADデータを読み込む。このステップでは、各プレス機の上型の形状、各プレス機の下型およびワークが載置された下型の形状、各プレス工程におけるワークの形状、および各搬送装置のクロスバーやバキュームカップの形状や位置を規定したCADデータを記憶装置から読み込む。
ステップS2では、搬送条件を入力する。ここで搬送条件とは、搬送装置によりワークを搬送する際に必要となる、種々の設定値を示す。具体的にはこの搬送条件には、上述のラインSPMの他、ワークを吸引する際におけるクロスバーの高さ、ワークの下型に対するリフト量および送り量、並びに、ワークを搬送する際においてワークを保持する姿勢に関する量などの設定値が含まれる。
また、このステップにおいて、ラインSPMは暫定的に最大値に設定される。ここで最大値に設定されたラインSPMは、後に詳述する図13のステップS61〜S67の工程において、適切な値に再設定される。
ステップS3では、計算用データ処理を行う。上記ステップS1で読み込んだ上型や下型などの形状を規定したCADデータは、一般的には3次元データである。このような3次元データに基づいて、以下に示す各種計算を行うことも原理的には可能であるが、計算に膨大な時間がかかるおそれがある。そこで、このステップでは、搬送経路Cや、後述の作業可能範囲の計算にかかる負荷を軽減するため、ステップS1において読み込んだ3次元のCADデータに前処理を施し、計算に用いるための各種データを生成する。
後に詳述するように、上型や下型の形状データは、搬送経路Cに沿って移動する搬送装置との干渉を検査する際に用いる。しかしながら実際は、上型や下型に干渉するおそれのある部位は搬送装置の形状に応じて限定される。そこでこの計算用データ処理では、上型および下型のうち干渉する可能性の高い箇所を、搬送装置の形状に基づいて特定しておき、そしてその箇所に特化した計算を行うべく、3次元データから2次元データや点群データなどの各種データを生成する。
図5は、計算用データ処理の詳細な手順を示すフローチャートである。なお、ステップS31,32で生成されるデータは、主に後述の図13のステップS62,S63で用いられるものであり、ステップS33,S35で生成されるデータは、主に後述の図10のステップS45で用いられるものである。
ステップS31では、上型の2次元のシルエットデータを生成する。
搬送装置は、上述のように搬送方向に対し垂直に延びるクロスバーからバキュームカップを略鉛直方向の下方に向けて設けられているため、上型に対してはクロスバーが干渉する可能性が高く、下型に対してはバキュームカップが干渉する可能性が高くなっている。
上述のように、クロスバーは柱状であり、搬送方向に対して垂直な方向に延びている。このような形状のクロスバーを移動させたときにおける上型との干渉を考慮する場合、上型の形状としては、クロスバーの延在方向Xに沿って視たときにおける上型の輪郭の形状、すなわち、上型を搬送経路と平行な平面に投影したときにおける上型の形状が主に重要になると考えられる。そこで、このステップS31では、上型を搬送装置の搬送経路と平行な平面に投影して得られる図6に示すような2次元のシルエットデータを、上型の3次元データから生成する。
ステップS32では、上記ステップS31で生成した上型の2次元のシルエットデータに基づいて、上型の表面のうち搬送装置のクロスバーと干渉する可能性がある複数の干渉候補点を抽出する。
先ず、図6に示すように、任意の方位間隔ごとに複数の方位D1〜DLを設定する。
次に、各方位D1〜DLに沿って延びる方向線に対する垂線と、上型外部とが1点のみで接する点を複数の干渉候補点A1〜AN,B1〜BNとして抽出する。このとき、上型の中心に対し右側、すなわちワークの搬出時にクロスバーが通過する側にある干渉候補点を、搬出時の複数の干渉候補点A1〜ANとする。また、上型の中心に対し左側、すなわちワークの搬入時にクロスバーが通過する側にある干渉候補点を、搬入時の複数の干渉候補点B1〜BNとする。
図7に示すように、複数の方位D1〜DLのうちの1つDMに基づいて、上述のような干渉候補点AMを抽出する具体的な手順を説明する。
先ず、方位DMに沿って延びる方向線に対する垂線LMを引く。
次に、この垂線LMを、上型外部側から上型内部側へ方位DMに沿って平行移動させたときに、この垂線LMが上型の輪郭線と初めて接する点を干渉候補点AMとして抽出する。これに限らず、垂線LMを上型内部側から上型外部側へ方位DMに沿って平行移動させたときに、この垂線LMが上型の輪郭線と最後に接する点を干渉候補点AMとして抽出してもよい。
図5に戻って、ステップS33では、全バキュームカップに対し、1つ当り少なくとも4つの特徴点を抽出する。バキュームカップは、上述のように皿状でありその吸着部は下方に向けられている。そこで、以下のバキュームカップと下型との干渉にかかる計算では、計算の有効性を維持しながら高速の演算が可能となるように、このステップS33では、環状の吸着部の外周に少なくとも4つの特徴点P1,P2,P3,P4を仮想的に設定する(図8参照)。そして以下では、クロスバーを搬送経路に沿って移動させた場合におけるバキュームカップの軌跡を、特徴点P1〜P4の軌跡として捉える。ステップS33では、このような複数の特徴点を、全バキュームカップに対して抽出する。
ステップS34では、抽出した全バキュームカップのそれぞれに対する複数の特徴点P1〜P4を下型に載置されたワークに投影する。
ステップS35では、ワークが載置された下型の、各特徴点P1〜P4の軌跡を含む断面の2次元データを生成する。
上述のようにバキュームカップの形状を2次元平面内の4つの特徴点P1〜P4として単純化することに伴い、下型の形状も単純化して捉えることができる。つまり図8に示すように、バキュームカップの軌跡を特徴点P1〜P4の軌跡として捉えたとき、バキュームカップと下型との干渉を考慮する場合、下型の形状としては、これら特徴点P1〜P4の軌跡TR1,TR2,TR3,TR4を含む各平面に沿った断面形状のみが主に重要になると考えられる。そこで、このステップS35では、4つのバキュームカップの代表点P1〜P4を下型に搬送方向Yに沿って、下型に載置されたワークに投影することにより、代表点P1〜P4の各軌跡TR1〜TR4を含む各平面に沿ったワークおよび下型の断面の2次元データを、下型の3次元データから生成する。
また、複数の下型のうちの1つと、この下型に載置されたワークに注目すると、ワークの形状は、プレス加工前とプレス加工後とでは異なったものとなる。したがって、上記ワークおよび下型の断面の2次元データの生成では、プレス加工前のワークが載置された下型と、プレス加工後のワークが載置された下型との2種類の2次元データを生成する。これにより、(バキュームカップの数)×(1つのバキュームカップから抽出した特徴点の数)×2(プレス加工前およびプレス加工後のワーク)に相当する数のワークおよび下型の断面の2次元データが生成される。
なお、プレス加工前のワークを下型に搬入する搬送装置(後述の図9の搬送装置3A参照)と、プレス加工後のワークを上記下型から搬出する搬送装置(後述の図9の搬送装置3B参照)とでは、一般的にそれぞれのバキュームカップの位置や数は異なったものとなる。したがってこの場合、プレス加工前のワークが載置された下型の断面の位置および数は、プレス加工後のワークが載置された下型の位置および数と異なったものとなる。
図4のメインフローチャートに戻って、ステップS4では、計算用データ処理のステップS35で生成したワークおよび下型の2次元データを用いて搬送経路Cを設定する。
図9は、搬送経路Cと、この搬送経路Cに沿って移動する搬送装置3の構成を示す模式図である。なお、この図9には、往路COに沿ってワークWを保持しながら移動する搬送装置3Aと、復路CBに沿ってワークを保持せず空走する搬送装置3Bを示す。
図9に示すように、搬送経路Cは、搬送装置3またはこの搬送装置3により搬送されるワークWと、下型21またはこの下型21に載置されたワークWとの間隔が出来るだけ小さくなるように設定される。
搬送経路Cのうち復路CBでは、搬送装置3Bはワークを保持せずに空走する。このため、復路CBは、搬送装置3Bのバキュームカップ31とワークWおよび下型21との間隔が小さくなるように設定される。
搬送経路Cのうち往路COでは、搬送装置3AはワークWを保持しながら移動する。このため、往路COは、搬送装置3Aにより保持されたワークWと下型21との間隔が小さくなるように設定される。
このように、下型21との間隔が小さくなるように、搬送経路Cを設定することにより、下型21に対し昇降する上型22と搬送装置3との干渉を避け易くすることができる。
次に、図10に示すフローチャートを参照して、搬送経路Cの復路CBを設定する手順について詳細に説明する。なお以下では、復路CBのうち搬送装置が下型へ向う経路を設定する手順のみを説明する。復路CBのうち搬送装置が下型から出てゆく経路については、これと同様の手順で設定されるため詳細な説明を省略する。また往路COについては、ワークの大きさに応じて目視で設定する。
ステップS41では、制御点PCの位置を仮設定する。図11に示すように、この制御点PCは、クロスバー32が通過するべき点として搬送装置3の搬送経路Cを規定するものであり、下型の近傍に設定される。本実施形態では、制御点PCの位置を、下型の所定の基準点PLOを原点とした座標(YPC,ZPC)で規定する。すなわち、基準点PLOから搬送方向Yに沿った距離YPCと、基準点PLOから鉛直方向Zに沿った距離ZPCとの2つの値により、制御点PCの位置を規定する。なお、このステップS41において制御点PCを仮設定する際には、ワークおよび下型から最も離れた搬送装置の動作限界値に設定することが好ましい。
ステップS42では、仮設定した制御点PCを通過する搬送経路Cを、制御点の位置情報(YPC,ZPC)に基づいて算出する(図11参照)。搬送装置の搬送経路は、搬送装置の搬送速度や作動範囲などにより所定の関数で規定される。したがって、上記仮設定した制御点PCの位置情報(YPC,ZPC)を、クロスバーが通過するべき点として入力することにより、図11に示すように、搬送方向Yおよび鉛直方向Zを基底とした平面内の軌跡として搬送経路Cを決定することができる。
ステップS43では、搬送経路を、経路の終端を含む所定の微小区間を除き、搬送装置の搬送速度に応じて3つの区間(区間1、区間2、および区間3)に分割する(図12参照)。一般的に搬送装置の搬送速度は、プレスラインの非常停止時、停電時、部品破損時などを想定して、経路の終端に近づくに従って(区間3から区間1に向うに従って)遅くなるように設定される。そこで、以下では、搬送速度が異なる区間ごとに適した搬送経路を設定するべく、搬送経路Cを3つの区間に分割する。なお以下では、区間1内の搬送経路をC1とし、区間2内の搬送経路をC2とし、区間3内の搬送経路をC3とする。
ところで経路の終端では、バキュームカップがワークに接することは明らかである。また以下詳細に説明するように、本実施形態では、バキュームカップの軌跡とワークおよび下型の間に所定の間隔が確保されるように、搬送経路を決定する。したがって、以下の処理において搬送装置とワークとが干渉していると誤って判定されるのを防止するため、上述のように、搬送経路のうち経路の終端を含む微小区間を除外して区間1〜3を定義する。
ステップS44では、搬送装置を上記ステップS42で設定した搬送経路Cに沿って移動させた場合における、全バキュームカップの全特徴点の軌跡を算出する。より具体的には、搬送経路C1,C2,C3を各特徴点に平行移動することにより、各軌跡が算出される。なお以下では、全バキュームカップの全特徴点の軌跡を、区間1内に属する軌跡の集合(以下、「C1軌跡群」と言う)と、区間2内に属する軌跡の集合(以下、「C2軌跡群」と言う)と、区間3内に属する軌跡の集合(以下、「C3軌跡群」と言う)とに分類する。なお図12には、一例とし3つの特徴点の軌跡のみを示す。
ステップS45では、上記計算用データ処理のステップS35で生成した下型の全断面の2次元データと、上記ステップS44で算出したC1、C2、C3軌跡群とを比較することにより、ワークおよび下型と特徴点の軌跡との間隔を軌跡群ごとに算出する。
ステップS46では、ステップS45における軌跡群ごとの下型との間隔の測定値と、区間ごとに設定された所定の目標値とを比較する。より具体的には、軌跡群ごとの間隔の測定値と目標値との差を算出する。
上述のように、搬送装置の搬送速度は、経路の終端に近づくに従って遅くなるように設定される。このように、経路の終端に近づくにつれて搬送装置の搬送速度が遅くなるように設定されることから、ワークおよび下型と軌跡との間の間隔の目標値は、区間3から区間1へ向うに従い小さくなるように設定される。
ステップS47では、上記ステップS46で算出された軌跡群ごとの測定値と目標値との差のうち、最も小さいものを選択する。
ステップS48では、上記ステップS47において選択された測定値と目標値との差が所定の許容範囲内にあるか否かを判別することにより、バキュームカップの軌跡とワークおよび下型との間隔が目標値に十分に近づいたか否かを判別する。この判別がYESの場合には、この処理を直ちに終了し、NOの場合には、ステップS49に移る。
ステップS49では、バキュームカップの軌跡と目標値との差が許容範囲内にないと判定されたことに応じて、バキュームカップの軌跡が上記目標値に近づくように、制御点PCの位置を調整し、ステップS42に移る。ここで、例えば、測定値が目標値よりも大きい場合、すなわち、バキュームカップの軌跡がワークおよび下型から大きく離れている場合には、制御点PCの位置を下型の基準点PLOに近づくように調整することが好ましい。また、測定値が目標値よりも小さい場合、すなわち、バキュームカップの軌跡がワークおよび下型に近すぎるかあるいはバキュームカップがワークおよび下型に干渉する場合には、制御点PCの位置を下型の基準点PLOから離すように調整することが好ましい。
図4に戻って、ステップS5では、設定された搬送経路Cに沿ったワークの搬送が可能であるか否かを判別する。このステップでは、搬送経路Cに沿ってクロスバーを移動した場合に、このクロスバーを移動する移動装置にかかる負担等を計算することにより、実際に搬送経路Cに沿ったワークの搬送が可能であるか否かを判別する。この判別がYESの場合には、ステップS6に移り、NOの場合には、ステップS4に移り、搬送可能な搬送経路Cを再設定する。
ステップS6では、プレスモーションデータを読み込む。このステップでは、予め設定され、記憶装置に記憶された複数のプレスモーションデータのうち、プレスSPMが最大のプレスモーションデータを読み込む。これにより、プレスSPMは暫定値に最大値に設定される。この各プレス機のプレスSPMは、後に詳述するステップS12〜S14の工程において、適切な値に再設定される。
ステップS7では、隣接する搬送装置間の位相差と、ラインSPMとを設定する処理を実行した後、ステップS11へ移る。
図13は、これら搬送装置間の位相差と、ラインSPMとを設定する詳細な手順を示すフローチャートである。
先ず、ステップS61では、隣接する搬送装置間の位相差を算出する。
図14は、プレス機2の型内に2つの搬送装置3A,3Bが同時に存在した状態を示す図である。より具体的には、図14は、プレス機2でワークWAを加工した後、この加工後のワークWAを搬送装置3Aで搬出しながら、加工前のワークWBを搬送装置3Bで搬入する状態を示す図である。
プレス機2のプレスSPMを大きな値に設定するためには、加工後のワークWAをプレス機2から搬出する時刻と、加工前のワークWBをプレス機2に搬入する時刻との時間差は、できるだけ短くすることが好ましい。すなわち、2つの搬送装置3A,3Bの型内に滞在する時間を極力低減することが好ましい。そこで、搬送装置3A,3B間の位相差は、プレス機2から搬出する加工後のワークWAと、このプレス機2に搬入する加工前のワークWBとの間の、プレス機2の型内における搬送方向Yに沿った間隔ΔYLが最小になるように設定される。ステップS61では、以上のような方針の下で、互いに隣接する搬送装置間の位相差を設定する。
図13に戻って、ステップS62では、上記計算用データ処理のステップS32で抽出した搬出時の各干渉候補点A1〜ANおよび搬入時の各干渉候補点B1〜BNに対し、これら干渉候補点A1〜AN,B1〜BNを通過する上型干渉曲線を、仮設定した運転条件のもとで生成する。
ここで、上型干渉曲線の特性について、図15を参照して説明する。上型干渉曲線とは、設定された搬送経路に沿って移動するクロスバー32のうち、上型22に干渉し易い点であるクロスバー干渉点の軌跡を、設定された所定の条件のもとで昇降動作する上型22の静止系から視た図である。すなわち、上型干渉曲線が上型と重複する場合、上型と搬送装置が干渉することを示す。なお、図15には、クロスバー32を復路CBのうち下型から出てゆく経路に沿って移動させた場合における上型干渉曲線を実線で示す。この場合、クロスバー32の上端のうち図15中、左側の点PAがクロスバー干渉点となる。また、クロスバー32を復路CBのうち下型へ向う経路に沿って移動させた場合、クロスバー32の上端のうち図15中、右側の点PBがクロスバー干渉点となる。
この上型干渉曲線の関数形は、上型のプレス速度と搬送装置の搬送速度の比(プレス速度/搬送速度、以下「PM比」という)に応じて変化する。例えば、プレス速度を上げてPM比を大きくすると、上型干渉曲線は、図15中、一点鎖線で示すように水平方向に対する角度が大きくなるように変化する傾向がある。一方、プレス速度を下げてPM比を小さくすると、上型干渉曲線は、図15中、二点鎖線で示すように水平方向に対する角度が小さくなるように変化する傾向がある。
このように、PM比を変えると上型干渉曲線の関数形が変化するため、上型のうち干渉し易い点も変化する。したがって、本実施形態では、複数の干渉候補点A1〜AN,B1〜BNを予め抽出しておき、以下詳細に説明するように、PM比を変えるごとにこれら複数の干渉候補点A1〜AN,B1〜BNの中から最も干渉しやすい点を選択することで、最適な運転条件を探索する、という手法を用いる。
上記ステップS62では、図16に示すように、仮設定されたラインSPMおよびプレスSPMのもとで上型干渉曲線の関数形を決定した後、この上型干渉曲線を平行移動することにより、上記抽出した干渉候補点A1〜AN,B1〜BNを通過する上型干渉曲線を生成する。なお、上型干渉曲線の関数形を固定したまま、これを平行移動する操作は、後述のプレス−搬送間位相差ΔTPを変化させることに相当する。また、図16には搬入時の干渉候補点B1〜BNを通過する上型干渉曲線の図示を省略する。
ステップS63では、生成した搬出時の各干渉候補点A1〜ANを通過する上型干渉曲線および搬入時の各干渉候補点B1〜BNを通過する上型干渉曲線の中から、上型に対して干渉候補点でのみ干渉する上型干渉曲線を選択する。ここで、上型に対して干渉候補点のみで干渉する上型干渉曲線とは、上型に対して干渉候補点のみで接する上型干渉曲線のことをいい、図16に示す例では、干渉候補点A3を通過する上型干渉曲線に相当する。
ステップS64では、ステップS63で選択した上型干渉曲線を、上型から離れる方向に移動することにより、上型干渉曲線と上型との間に所定の必要クリアランスを確保する。
ステップS65では、上記ステップS63,S64において選択した搬出時の干渉候補点および搬入時の干渉候補点と、各干渉候補点を通過する上型干渉曲線に基づいて、各プレス機の作業可能範囲を算出し、ステップS66に移る。ここで、作業可能範囲とは、設定された各搬送装置の搬送経路C、搬送装置間位相差ΔTH、ラインSPM、およびプレスSPMのもとでプレスラインを稼動した場合に、上型と搬送装置またはこの搬送装置に保持されたワークとが干渉せずに、プレス−搬送間位相差ΔTPを設定できる範囲を示す。
図17は、プレス−搬送位相差の作業可能範囲を示す図である。
図17に示すように、プレス−搬送間位相差によっては、上型と搬送装置とが干渉してしまい、ワークを搬出できない領域と、搬入できない領域とがある。そこで、作業可能範囲は、搬出および搬入が可能な領域に限られる。このステップS65では、各プレス機に対して、プレス−搬送間位相差を設定可能な作業可能範囲を算出する。
図13に戻って、ステップS66では、作業可能であるか否か、すなわち、有意な大きさの作業可能範囲が確保できたか否かを判別する。
この判別がNOの場合には、仮設定したラインSPMやプレスSPMのもとでは、上型に干渉せずに搬送装置を移動させることができないと判断し、ステップS67に移る。
そして、ステップS67では、ラインSPMをより小さな値に設定した後、ステップS61に移る。すなわち、作業が可能となるまで、ラインSPMを低減する。
一方、この判別がYESの場合には、上記ステップS63で選択した上型干渉曲線が通過する干渉候補点にしぼり、この干渉候補点の近傍を通過するように搬送経路、ラインSPM、および搬送装置間位相差を除く残りの運転条件を決定するべく、図4のステップS11に移る。
ステップS46では、作業可能となるように、ラインSPMを低減し、ステップS41に移る。
図4に戻って、ステップS11では、上記ステップS65で算出された各プレス機の作業可能範囲を評価し、全プレス機に対して適切な作業可能範囲が確保できたか否かを判断し、適切な作業可能範囲を確保できたと判断した場合には、例えば、作業可能範囲の略中心にプレス−搬送間位相差ΔTPを設定した後、ステップS12に移る。
ステップS12では、ステップS8において算出された各プレス機に対する作業可能範囲に、余剰があるか否かを判別する。この判別がYESの場合、すなわち、作業可能範囲に余剰がある場合、ステップS13に移り、余剰があるプレス機におけるプレスSPMをより小さな値に設定した後、ステップS14に移る。ステップS14では、設定されたプレスSPMのもとで作業可能範囲を再び算出し、ステップS12に移る。一方、この判別がNOの場合には、プレスモーションデータ、および搬送モーションデータの設定を終了し、ステップS15に移る。
図18は、プレスSPMを低減した場合における作業可能範囲の変化を示す図である。
図18に示すように、ラインSPMを保ったまま、プレスSPMのみを低減すると、作業可能範囲が狭くなる。これは、上述のようにプレスSPMを低減すると上型干渉曲線の関数形が変化し、結果として上型干渉曲線と上型との隙間が狭くなるためであり、したがって、上記作業可能範囲の余剰は上型干渉曲線と上型との隙間に相当する。
以上のように、ステップS12〜S14では、設定された各搬送装置の搬送経路C、各搬送装置間位相差ΔTH、ラインSPM、およびプレス−搬送間位相差ΔTPのもとで、上型干渉曲線と上記ステップS65において作業可能範囲を算出する際に着目した干渉候補点との間の隙間が所定の下限値になるまで、プレスSPMが低減される。ここで、上型干渉曲線と干渉候補点との隙間の下限値は、プレスラインの非常停止時、停電時、部品破損時などを想定して、非常時であっても上型と搬送装置とが干渉しないような値に、設備仕様に応じて設定される。
図4に戻って、ステップS15では、設定されたプレスモーションデータおよび搬送モーションデータのもとで、プレス機のプレスモーションおよび搬送装置の搬送モーションを再現するアニメーションを生成する。作業者は、このアニメーションを視て、プレスモーションデータおよび搬送モーションデータの最終確認を行う。
ステップS16では、プレスモーションデータおよび搬送モーションデータを制御装置に送信し、この処理を終了する。
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態によれば、先ず、搬送経路を規定する制御点PCの位置を仮設定し、この制御点PCの位置情報(YPC,ZPC)に基づいて、搬送装置3が制御点PCを通過する搬送経路Cを算出し、さらにこの搬送経路Cに沿って搬送装置3を移動させた場合におけるバキュームカップ31の軌跡を算出する。次に、このバキュームカップ31の軌跡と下型21の形状とを比較し、さらにこの軌跡と下型21との間隔が区間1〜3ごとに設定された目標値に近づくように、上記仮設定した制御点PCの位置を調整する。これにより、搬送装置3のバキュームカップと下型21とが干渉しない最適な搬送経路Cを、制御点PCの位置を調整するだけで設定することができる。また、これにより、搬送装置3が下型21と干渉せずかつ最も低くなるような搬送経路Cを設定することができるので、結果として、プレスライン全体の生産サイクルを向上することができる。
(2)本実施形態によれば、搬送装置3の1つのバキュームカップ31に対し4つの代表点P1〜P4を設定する。そして、バキュームカップ31の上記代表点P1〜P4の軌跡と、これら代表点P1〜P4の軌跡を含む各平面に沿った下型の断面形状とを比較する。すなわち、3次元データを扱わずに、2次元のデータを扱うことで、バキュームカップ31の軌跡と下型との形状とを比較し、搬送経路3の制御点PCを調整する。これにより、搬送経路Cを設定するために必要な計算時間を大幅に短縮することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
上記実施形態では、4つの工程、すなわち、4台のプレス機2を備えるプレスライン1の運転条件設定方法について説明したが、プレスラインが備えるプレス機の数は、これに限るものではない。
1…プレスライン
2…プレス機
21…下型
22…上型
3…搬送装置
4…制御装置
5…搬送モーション演算装置

Claims (2)

  1. 下型に対し上型を昇降することでワークをプレス加工する複数のプレス機と、
    これらプレス機の間において、保持部により保持したワークを所定の搬送経路に沿って搬送する複数の搬送装置と、
    各プレス機の周期的な昇降動作、並びに、各搬送装置の搬送経路に沿った周期的な搬送動作を制御する制御装置と、を備えたプレスラインの搬送経路設定方法であって、
    前記搬送装置の搬送経路を規定する制御点について、この制御点の位置を仮設定する仮設定工程と、
    前記仮設定された制御点の位置情報に基づいて前記搬送装置が当該制御点を通過する搬送経路を算出し、さらに当該搬送経路に沿って搬送装置を移動させた場合における前記保持部の軌跡を算出する軌跡算出工程と、
    前記算出された保持部の軌跡と前記下型の形状とを比較するとともに、前記軌跡を複数の区間に分割し、さらに当該軌跡と前記下型との間隔が区間ごとに設定された目標値に近づくように、前記制御点の位置を調整する搬送経路決定工程と、を含むことを特徴とする搬送経路設定方法。
  2. 前記搬送経路決定工程では、1つの保持部に対し少なくとも4つの代表点を設定し、当該4つの代表点の軌跡を含む各平面に沿った前記下型の断面形状と、前記軌跡とを比較することを特徴とする請求項1に記載の搬送経路設定方法。
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