JP2011131274A - マグネシウム合金板の製造方法及びマグネシウム合金コイル材 - Google Patents

マグネシウム合金板の製造方法及びマグネシウム合金コイル材 Download PDF

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Abstract

【課題】プレス加工性に優れるマグネシウム合金板の製造方法、この板を巻き取ってなるマグネシウム合金コイル材を提供する。
【解決手段】マグネシウム合金からなる素材板1を280℃以下の温度に予熱した後、この加熱した素材板1に圧延ロール3により圧延を施し、得られた長尺な圧延板を巻き取る。圧延ロール3の表面温度を230℃以上290℃以下とする。この予熱、圧延、巻取を連続して繰り返し行う。素材板1及び圧延ロール3の双方を特定の温度にすることで、素材板の圧延性を高めて良好に連続して圧延できる上に、圧延ロールの幅方向の温度のばらつきを抑えられ、均一的に圧延を施せて、長尺なマグネシウム合金板が得られる。このマグネシウム合金板は、圧延による加工歪みが十分に導入されている上に、結晶粒径の粗大化が抑制されており、プレス加工性に優れる。また、巻きずれが生じ難く、外観に優れるコイル材が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、長尺なマグネシウム合金板が得られるマグネシウム合金板の製造方法、及びこの板を巻き取ってなるマグネシウム合金コイル材に関するものである。特に、プレス加工性に優れる長尺なマグネシウム合金板が得られるマグネシウム合金板の製造方法に関する。
マグネシウムに種々の元素を添加したマグネシウム合金は、軽量で質量対比の強度が高く、優れた衝撃吸収性を有することから携帯電話や携帯型コンピュータ等の電子・電気機器類の筐体、自動車用部品などの各種の部材の構成材料として検討されている。マグネシウム合金は六方晶の結晶構造(hcp構造)を有するため常温での塑性加工性に乏しい。そのため、上記筐体などに利用されているマグネシウム合金製品は、ダイカスト法やチクソモールド法による鋳造品が主流である。しかし、これらの鋳造方法では薄い板材、特に、上記各種の部材を大量生産にするにあたり、その素材に適した長尺な板材を製造することは困難である。
一方、ASTM(米国材料試験協会;American Society for Testing and Materials)規格のAZ31合金は比較的塑性加工を施しやすいので、当該合金からなる鋳造板に圧延やプレス加工といった塑性加工を施して厚さを薄くすることが検討されている。例えば、特許文献1には、AZ31合金からなる素材に温間圧延を施し、更にローラレベラによるせん断変形と再結晶熱処理とを組み合わせて施して、薄いマグネシウム合金板を製造することが開示されている。
他方、ASTM規格のAZ91合金は、耐食性や強度が高いことから、今後、展伸材としての需要が高まると期待される。しかし、AZ91合金はAZ31合金よりもAl含有量が多く、塑性加工性に劣る。そこで、特許文献2では、AZ91合金からなり、双ロール鋳造などによって得られたマグネシウム合金素材板に圧延を施すにあたり、素材板の温度と圧延ロールの温度とを一定の範囲(比較的低温)に制御することを提案している。上記温度制御により、結晶粒の粗大化を抑制し、素材の表面に亀裂が発生し難くく、良好に圧延を行える。
特許第3988888号公報 特開2007−098470号公報
プレス加工、絞り加工、曲げ加工などの塑性加工が施されたマグネシウム合金材は、鋳造材と比較して機械的特性に優れるため、このような塑性加工材の生産性を高めることが望まれる。生産性を向上するためには、長尺な素材を用意し、プレス装置といった塑性加工装置に連続的に素材を供給することが挙げられる。また、この素材は、プレス加工性などの塑性加工性に優れることが望まれる。しかし、従来、塑性加工性に優れる長尺な素材、特に、プレス加工材といった塑性加工材の素材に適した板材(代表的には圧延板)の製造方法について、十分に検討されていない。特に、AZ91合金のように添加元素の含有量が多く、強度や耐食性、耐衝撃性といった特性に優れるマグネシウム合金から構成され、かつ塑性加工性に優れる長尺な板材の開発が望まれる。
そこで、本発明者らは、長尺な圧延板を製造するにあたり、その素材にも長尺材、代表的にはコイル状に巻き取ったコイル材を利用し、このコイル材を圧延ロールに挿入する前に予め加熱し、加熱したコイル材を巻き戻して圧延を施し、得られた圧延板を一旦巻き取る、即ち、予熱⇒圧延⇒巻取を連続的に繰り返して複数パスの圧延を施すことを検討した。より具体的には、反転可能な一対のリール間に、一対の対向配置された圧延ロールを配置し、一方のリールにコイル材を配置して、巻き戻した素材板を他方のリールで巻き取ることで、両リール間に素材板を走行させ、走行中、上記圧延ロールにより素材板に圧延を施す。そして、繰り返しの圧延は、上記リールを反転させることで行う、即ち、リバース圧延を行うことを検討した。
ここで、Alなどの添加元素の含有量が多いマグネシウム合金は、一般に塑性加工性に劣ることから、圧延といった塑性加工を行うにあたり加熱して、塑性加工性を高めることが好ましい。例えば、特許文献2では、粗圧延時の素材板の温度を350℃程度、圧延ロールの表面温度を200℃程度とし、仕上げ圧延時の素材板の温度を210℃程度、圧延ロールの表面温度を150℃程度としている。しかし、このように圧延工程において素材板の加熱温度を大きく異ならせる場合、圧延後に巻き取ったコイル材を両リールから取り外し、圧延ロールの温度調整を行った後、再度、コイル材を両リールに設置する必要が有る。また、パス数が多くなるにつれてコイル材の設置・取り外し工程が多くなる。その結果、連続的な圧延が行い難く、圧延板の生産性の低下、ひいては上記塑性加工材の生産性の低下を招く。
連続的に圧延を行うと共に、生産性よく長尺な圧延板を製造するにあたり、素材板の塑性加工性を高めるために素材板の温度を高める、具体的には、例えば、全パスに亘って350℃程度に加熱することが考えられる。しかし、この場合、パス数が多くなるにつれて圧延中に素材板がアニールされて、当該素材板を構成するマグネシウム合金の結晶粒径が大きくなったり、圧延ロールにより素材に蓄積された加工歪み(せん断帯)が解放されて、歪み量が少なくなったりして、得られた圧延板は、プレス加工性に劣る傾向にある。
或いは、素材板の塑性加工性を高めるために、例えば、圧延ロールの温度を上げることが考えられる。しかし、圧延ロールの温度を上げ過ぎると、ロールの幅方向(軸方向)の温度ばらつきが大きくなり易い。圧延ロールは金属素材から構成されるものを利用することが多く、圧延ロール自体に温度ばらつきがあると膨張度合いが異なって当該ロールが局所的に変形する。より具体的には、例えば、圧延ロールの加熱にあたり、当該ロールの幅方向の中央部に加熱ヒータを設置する場合、当該ロールの中央部が太く膨らんだ形状(クラウン状)となり得る。特に、広幅材を形成するにあたり、幅が大きい圧延ロールを利用する場合、一般に、圧延ロールの両縁側が中央部よりも温度が低下し易いために、このような温度ばらつきが生じ易い。圧延ロールが上述のように変形した状態で圧延を行うと圧延後に得られるマグネシウム合金板は、その幅方向の中央部分が薄く、かつ縁部が厚くなる。このように幅方向の厚さのばらつきにより、製品価値を低下させるだけでなく、この厚さのばらつきにより平坦度も悪くなる。また、幅方向に厚さのばらつきがある圧延板を圧延後に巻き取ると、巻取回数(ターン数)が多くなるに従って厚さばらつきの影響が大きくなり、縁部を揃えてコイル形状に巻き取ることが難しい。巻き取っても、縁部が揃わず、ターン面が凸凹なコイル材、即ち、大きな巻きずれが生じたコイル材になり得る。更に、素材板の縁部は中央部に比較して冷却され易いことから割れが生じ易くなり、縁割れが大きなコイル材になり得る。このような巻きずれが大きなコイル材や縁割れが大きいコイル材は、上記厚さのばらつきが大きなコイル材や平坦度が悪いコイル材と同様に、製品価値が低く、歩留まりの低下を招き、この点から、生産性の低下を招く。
そこで、本発明の目的の一つは、プレス加工性に優れる長尺なマグネシウム合金板を生産性よく製造可能なマグネシウム合金板の製造方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、巻きずれが小さいマグネシウム合金コイル材を提供することにある。
本発明者らが種々検討した結果、連続的に圧延を行うには、素材板及び圧延ロールのいずれか一方を高温にするのではなく、双方を特定の範囲とすると共に、圧延ロールの使用温度域を比較的狭い範囲とすることが好ましい、との知見を得た。本発明は、上記知見に基づくものである。
本発明のマグネシウム合金板の製造方法は、マグネシウム合金からなる素材板に圧延を施して、得られた長尺な圧延板を巻き取ってコイル状のマグネシウム合金板を製造する方法に係るものであり、以下の予熱工程、圧延工程、巻取工程を具え、これら予熱工程、圧延工程、及び巻取工程を連続して複数回繰り返す。
予熱工程:上記素材板を加熱する工程。上記素材板の加熱温度は280℃以下とする。
圧延工程:加熱した上記素材板に圧延ロールにより圧延を施す工程。上記圧延ロールの表面温度は230℃以上290℃以下とする。
巻取工程:圧延された圧延板を巻き取る工程。
上記本発明製造方法により、例えば、以下の本発明マグネシウム合金コイル材が得られる。本発明のマグネシウム合金コイル材は、マグネシウム合金からなる長尺な板材が巻き取られてなり、巻きずれが5mm以内である。
本発明製造方法によれば、素材板及び圧延ロールの双方を特定の温度に加熱することで、素材板の塑性加工性(主として圧延性)を高められ、連続的に良好に圧延を行える。特に、結晶粒径の粗大化やアニールによる加工歪みの解放を抑制できる範囲で素材板の加熱温度を比較的高くすることで、圧延ロールの温度を過度に高くすることが無く、かつ230℃以上290℃以下と使用温度域を比較的狭い範囲とする。即ち、圧延ロールの設定温度を230℃〜290℃という比較的狭い範囲から選択する。圧延ロールの設定温度を上記範囲とすることで、連続して圧延を行っても圧延ロールが過熱され難く、圧延ロールの局所的な熱膨張やこの熱膨張に伴う局所的な変形を抑制できる。その結果、圧延ロールはその幅方向に亘って均一的な形状を維持でき、素材板の幅方向に対して均一的に、かつ連続して圧延を施すことができる。従って、本発明製造方法によれば、長尺なマグネシウム合金板が得られる。また、得られたマグネシウム合金板は、結晶粒径が微細であったり、加工歪みが十分に蓄積されており、プレス加工性に優れる。
更に、上述のように圧延ロールにおける幅方向の形状ばらつきを抑えられることで、得られたマグネシウム合金板は、その幅方向の厚さばらつきが小さく、好ましくは全長及び全幅に亘って均一的な厚さである上に、優れた平坦度を有する。厚さが均一的であることで、このマグネシウム合金板は、長尺材であっても精度良く巻き取れる。従って、巻き取られた本発明コイル材は、例えば、上述のように巻きずれが小さく、製品価値が高い。また、上述のように圧延ロールにおける幅方向の形状ばらつきを抑えることで、本発明製造方法は、縁割れが少ないマグネシウム合金板を製造できる。即ち、巻き取られた本発明コイル材は、縁割れが少なく、製品価値が高い。ここで、例えば、アルミニウムやその合金、鉄やその合金に圧延を施す場合、圧延ロールの幅方向の温度差が大きくても、素材の幅方向における圧延度合いに差が生じ難く、その結果、得られた圧延板の厚さもばらつきが生じ難い。これに対して、マグネシウム合金の加工性は、温度による影響を非常に受け易い。本発明製造方法では、圧延ロールの使用温度幅を上述のように比較的狭くすると共に素材板の温度を特定の範囲とすることで、素材板の幅方向に亘って均一的に圧延を施すことができ、上述のように均一的な金属組織を有する、均一的な厚さである、平坦性に優れる、巻きずれが小さい、縁割れが少ないといったマグネシウム合金板を連続して製造することができる。
上述のように均一的な厚さで、平坦性に優れ、縁部が揃って巻き取られている本発明コイル材は、プレス装置といった塑性加工装置に設置して巻き戻すことで、連続的に塑性加工材を製造でき、塑性加工材の量産に寄与することができる。また、本発明コイル材を構成するマグネシウム合金板を上記装置の所定の位置に精度良く配置できるため、本発明コイル材を利用することで、寸法精度に優れる塑性加工材を製造することができる。
本発明の一形態として、上記マグネシウム合金がアルミニウムを7.0質量%以上12.0質量%以下含有する形態が挙げられる。
添加元素としてアルミニウムを含有するマグネシウム合金は、アルミニウムの含有量が多くなるほど耐食性や強度が高く、耐食性や強度が高いマグネシウム合金板やコイル材、塑性加工材が得られる。より具体的な組成は、ASTM規格におけるAZ系合金、AM系合金、Mg−Al−RE(希土類元素)系合金などが挙げられる。特に、Alを7.0質量%〜12.0質量%、Znを0.5質量%〜3.0質量%含有するMg−Al系合金、代表的にはAZ91合金は、AZ31合金などの他のMg−Al系合金と比較して耐食性や強度、耐塑性変形性といった機械的特性に優れる。但し、アルミニウムの含有量が多くなるほどマグネシウム合金が硬くなり、圧延などの加工時に割れなどの欠陥が生じ易く、塑性加工性に劣る傾向にある。従って、添加元素の種類や含有量に応じて、上記特定の範囲で圧延時の温度(素材板及び圧延ロールの温度の少なくとも一方)を調整する(代表的には、高くする)ことが好ましい。
本発明製造方法の一形態として、上記圧延ロールの表面温度において、このロールの幅方向の温度ばらつき(最高温度と最低温度との差)を10℃以下とする形態が挙げられる。
上記形態によれば、圧延ロールの幅方向の温度ばらつきが非常に小さく、素材板の幅方向に沿ってより均一に圧延を施すことができる。従って、厚さのばらつきや縁割れなどが少ないマグネシウム合金板や巻きずれが小さいコイル材をより良好に製造することができる。好ましくは、圧延ロールの幅方向の領域において、素材板が接触する領域の全域に亘って均一的な温度に制御する。具体的には、上記圧延ロールの設定温度を上記範囲から選択し、この選択温度±5℃以内となるように、圧延ロールの温度を制御する。
本発明製造方法の一形態として、最終パスまでの各パスの圧延において、上記素材板の圧延直前の温度を150℃以上280℃以下とする形態が挙げられる。
本発明製造方法のように連続的に圧延を行う場合、素材板は、加工熱によりある程度温度が高められる。従って、予熱工程や圧延工程において素材板の設定温度を常に一定とすると、パス数が多くなるにつれて、素材板が280℃超になる恐れがある。これに対し、上記形態では、素材板において圧延直前の温度が上記特定の範囲となるように素材板の温度を管理する。このような温度管理により、素材板が過熱されることを効果的に抑制でき、均一的な厚さのマグネシウム合金板や、巻きずれが小さいコイル材を生産性よく製造できる。また、上記範囲内に素材板の温度を制御することで、素材板と圧延ロールとの温度差を小さくし易く、プレス加工性に優れるマグネシウム合金板やコイル材を生産性よく製造することができる。
本発明製造方法の一形態として、上記素材板における圧延直前の温度と、上記圧延ロールの表面温度との差を30℃以下とする形態が挙げられる。
上述のように素材板及び圧延ロールを特定の温度に加熱することに加えて、両者の温度差を小さくすると、1000m以上といったより長尺な圧延板が得られる、との知見を得た。従って、上記形態によれば、プレス加工性に優れるマグネシウム合金板の量産に寄与することができる。上記温度差は小さいほど、長尺材が得られる傾向にあり、下限は特に設けない。
本発明製造方法の一形態として、上記素材板が、溶解したマグネシウム合金を双ロール鋳造法により連続鋳造して製造した鋳造板である形態が挙げられる。
双ロール鋳造法といった連続鋳造法は、長尺なマグネシウム合金鋳造板を容易に作製することができる。従って、上記形態によれば、1パス目の圧延を施す素材板に長尺材を利用できるため、2パス目以降の素材板(圧延板)も長尺材となることから、より長尺な圧延板を生産性良く製造できる。また、後述するように双ロール鋳造法では、圧延性に優れる鋳造板を製造できるため、この点からも、より長尺な圧延板を生産性良く製造できる。
本発明コイル材の一形態として、上記板材の厚さが0.8mm以下であり、縁割れが8mm以内である形態が挙げられる。
上述のように本発明製造方法では、多パスの圧延を行うことで、所望の厚さ、例えば、1.0mm以下、更には0.8mm以下といった非常に薄いマグネシウム合金板が得られる。このような薄板をプレス加工材の素材に利用すると、軽量で薄型のプレス加工材が得られる。また、上述のように本発明製造方法によれば、圧延板において幅方向の縁部に割れが生じ難く、この割れの長さを最大でも8mm程度とすることができる。従って、上記形態によれば、圧延後、割れ部分の除去量を低減できて歩留まりがよく、この点からコイル材やひいてはプレス加工材などの塑性加工材の生産性の向上を図ることができる。
本発明マグネシウム合金板の製造方法は、プレス加工性に優れる長尺なマグネシウム合金板を生産性良く製造できる。本発明マグネシウム合金コイル材は、巻きずれが小さい。
図1(A)は本発明マグネシウム合金板の製造方法の実施に利用される圧延ラインの一例を模式的に示す説明図であり、図1(B)は予熱工程に利用するヒートボックスの説明図である。
以下、図面を適宜参照して、本発明をより詳細に説明する。
[製造方法]
(組成)
本発明製造方法は、Mgを母材とし(Mg:50質量%以上含有)、種々の添加元素を含有するマグネシウム基合金(添加元素以外の残部はMg及び不可避不純物)に適用できると期待される。本発明製造方法により得られる本発明コイル材も、種々の組成のマグネシウム合金から構成される形態をとり得る。添加元素には、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、銅(Cu)、銀(Ag)、シリコン(Si)、カルシウム(Ca)、ベリリウム(Be)、ニッケル(Ni)、金(Au)、ストロンチウム(Sr)、セリウム(Ce)、錫(Sn)、リチウム(Li)、RE(希土類元素、Y及びCeを除く)などが挙げられる。より具体的には、ASTM規格におけるAZ系合金(Mg−Al−Zn系合金、Zn:0.2質量%〜1.5質量%)、AM系合金(Mg−Al−Mn系合金、Mn:0.15質量%〜0.5質量%)、Mg−Al−RE(希土類元素)系合金などが挙げられる。Alの含有量が7.0質量%〜12.0質量%と多い組成でも、本発明製造方法を適用することで、上述のように連続して圧延を良好に行え、厚さのばらつきが少なく、機械的特性にも優れるマグネシウム合金板からなり、巻きずれが小さい本発明コイル材を製造することができる。その他、Y,Ce,Ca,及び希土類元素(Y,Ceを除く)から選択される少なくとも1種の元素を合計0.001質量%以上、好ましくは合計0.1質量%以上5質量%以下含有するマグネシウム合金は、耐熱性、難燃性に優れる。
(鋳造)
素材板には、鋳造材(鋳造板)を好適に利用することができる。鋳造板は、例えば、インゴット鋳造法、双ロール鋳造法のような連続鋳造法によって製造する。特に、双ロール鋳造法は急冷凝固が可能であるため酸化物や偏析物などの内部欠陥を低減でき、圧延などの塑性加工時にこれらの内部欠陥が起点となって割れなどが生じることを軽減できる。即ち、双ロール鋳造法は圧延性に優れる鋳造板が得られて好ましい。特に、Alの含有量が多いマグネシウム合金では鋳造時に晶出物や偏析が発生し易く、鋳造後に圧延などの工程を経ても内部に晶出物や偏析物が残存し易いが、双ロール鋳造板は、上述のように偏析などを低減できるため、素材板に好適に利用できる。鋳造板の厚さは特に限定しないが、厚過ぎると偏析が生じ易いため、10mm以下、更に5mm以下、特に4mm以下が好ましい。鋳造板の幅も特に限定しない。製造設備で製造可能な幅の鋳造板を利用できる。鋳造した長尺な鋳造板はコイル形状に巻き取って鋳造コイル材とし、次の工程に供する。巻き取り時、鋳造材において特に巻き始め部分の温度を100℃〜200℃程度にすると、AZ91合金といった割れが生じ易い合金種であっても、曲げ易くなって巻き取り易い。
(溶体化処理)
上記鋳造板に圧延を施してもよいが、圧延前に溶体化処理を施してもよい。溶体化処理によって鋳造板の均質化が可能となる。溶体化処理の条件は保持温度:350℃以上、好ましくは380℃〜420℃、保持時間:30分〜2400分が挙げられる。Alの含有量が高いほど保持時間を長くすることが好ましい。また、上記保持時間からの冷却工程において、水冷や衝風といった強制冷却などを利用して、冷却速度を速めると、粗大な析出物の析出を抑制して、圧延性に優れる板材とすることができる。溶体化処理を長尺な鋳造板に施す場合、上記鋳造コイル材のように、鋳造板をコイル形状に巻き取った状態で行うと、効率よく加熱できる。
(予熱)
上記溶体化処理が施された素材板や鋳造板に圧延を施して所望の厚さのマグネシウム合金板(薄板)を製造する。圧延にあたり、素材板の塑性加工性(圧延性)を高めるために、予熱を行う。予熱には、例えば、図1(B)に示すようなヒートボックス2といった加熱手段を利用すると、長尺な素材板を一度に加熱可能で、作業性に優れる。ヒートボックス2は、コイル状に巻き取られた素材板1を収納可能な密閉容器であり、加熱機構(図示せず)により、所定の温度の熱風が当該容器内に循環供給され、当該容器内を所望の温度に保持可能な雰囲気炉である。特に、ヒートボックス2からそのまま素材板1を引き出して圧延を施すことが可能な構成とすると、加熱した素材板1が圧延ロール3に接触するまでの時間を短縮でき、圧延ロール3に接触するまでに素材板1の温度が低下することを効果的に抑制できる。具体的には、ヒートボックス2は、コイル状に巻き取られた素材板1を収納可能であり、当該素材板1を繰り出し及び巻き取り可能なリール10を回転可能に支持する構成とすることが挙げられる。このようなヒートボックス2に素材板1を収納して、特定の温度に加熱し、加熱後、リール10を回転させて素材板1を引き出す。なお、図1(B)はコイル状に巻き取られた素材板1をヒートボックス2内に収納した状態を示しており、実際には閉じて利用されるが、分かり易いように前面を開けた状態を示す。
予熱工程では、素材板の温度が280℃以下となるように加熱する。すなわち、予熱工程では、素材板の最高温度が280℃を超えないように加熱する。ヒートボックスなどの加熱手段の設定温度は、280℃以下の範囲で選択することができ、特に、素材板において圧延直前の温度が全パスに亘って150℃〜280℃の範囲となるように、設定温度を調整することが好ましい。ここで、素材板に多パスの圧延を施すと、上述のように加工熱により素材板の温度が上昇する傾向にある。一方、素材板を巻き戻して圧延ロールに接触するまでに素材板の温度が低下することがある。従って、圧延速度(主として圧延時の素材の走行速度)、上記ヒートボックスから圧延ロールまでの距離、圧延ロールの温度、パス数、素材板の厚さ(熱容量)などを考慮して、上記加熱手段の設定温度を調整することが好ましい。加熱手段の設定温度は、上述のように150℃〜280℃が好ましく、更に210℃以上、特に250℃〜280℃が利用し易い。加熱時間は、素材板が所定の温度に加熱できるまでとすればよいが、コイル状に巻き取られた素材板では、コイルの内側領域と外側領域との温度ばらつきが生じ易いことから、素材板全体が均一な温度となるように十分な時間をとることが好ましい。例えば、最初の予熱時間は、比較的長めとし、少なくとも1パスの圧延が施されてある程度加熱状態にある素材板(予熱や圧延ロールとの接触、加工熱により加熱状態にあるもの)の予熱時間(パス間の予熱時間)は、当該素材板の温度に応じて比較的短くすることができる。パス間の予熱時間の短縮により、圧延板の生産性の向上を図ることができる。その他、加熱時間はコイルの重量、大きさ(幅、厚さ)、巻き数などに応じて適宜設定するとよい。
(圧延)
ヒートボックス2といった加熱手段により加熱した素材板1をヒートボックス2から取り出し、圧延ロール3に供給して圧延を施す。具体的には、例えば、図1(A)に示すような圧延ラインを構築することが挙げられる。この圧延ラインは、反転可能な一対のリール10a,10bと、離間して配置されるこれら一対のリール10a,10b間に配置され、走行する素材板1を挟持するように対向配置される一対の圧延ロール3とを具える。一方のリール10aにコイル状の素材板1を設置して巻き戻し、素材板1の一端を他方のリール10bで巻き取ることで、素材板1は、両リール間10a,10bを走行する。この走行中、圧延ロール3に挟まれることで、素材板1に圧延を施すことができる。図1(A)に示す例では、各リール10a,10bはそれぞれ、ヒートボックス2a,2bに収納され、各リール10a,10bに巻き取られた素材板1は各ヒートボックス2a,2bにより加熱可能である。そして、加熱された素材板1は、一方のリールから巻き戻され、一方のヒートボックスから排出されて、他方のヒートボックスに向かって走行し、他方のリールに巻き取られる。
ここでは、素材板1の両端をそれぞれ、各リール10a,10bに巻き取り、リール10a,10bに巻き取られた両端側領域を除く中間領域を圧延ロール3に導入して、複数パスの圧延を施す。各パスの圧延は、1パスごとにリール10a,10bの回転方向を逆転して行う。即ち、リバース圧延を行う。従って、最終パスまで素材板1をリール10a,10bから取り外さない。
なお、図1において圧延ロール3の数は例示であり、素材板1の走行方向に複数対の圧延ロールを配置させた構成とすることができる。
そして、本発明製造方法では、圧延ロールも特定の温度、具体的には230℃〜290℃の範囲に加熱する。230℃以上とすることで、素材板を十分に加熱状態に維持できるため、素材板を塑性加工性に優れる状態にでき、圧延を良好に施せる。290℃以下とすることで、素材板の結晶粒径の粗大化や圧延により導入される加工歪みの解放を抑制して、プレス加工性に優れる圧延板を製造することができる。また、圧延ロールの設定温度の選択の範囲を上記60℃以内という狭い範囲とすることで、圧延ロールの過熱を抑制し、圧延板の厚さのばらつきや、この厚さのばらつきに伴う巻きずれの発生を効果的に低減できる。特に、圧延ロールに供給される直前の素材板の温度を温度センサ4で適宜確認して、測定した温度に基づき、圧延ロールの温度を変更するなどの温度制御を行うと、上記設定温度を確実に維持し易い。圧延ロールの温度も温度センサ4により、確認できるようにしておいてもよい。また、圧延ロールの幅方向の温度ばらつきが上記設定温度±5℃となるように、即ち、当該温度ばらつきが10℃以内となるように圧延ロールの温度管理を行うことで、上記厚さのばらつきや巻きずれをより効果的に低減できる。例えば、圧延ロールの幅方向の複数地点の温度を測定できるように、圧延ロールの幅方向に沿って、複数の温度センサを配置しておき、測定した温度に基づいて、圧延ロールの温度を調整するとよい。その他、素材板と圧延ロールとの温度差が小さくなる(例えば、30℃以下、好ましくは10℃以下にする)ように圧延ロールや素材板の温度制御を行うと、より長尺な圧延板を製造することができる。
ヒートボックス2から取り出されると、素材板1の表面温度は、上述のように圧延ロール3に接触する前に若干低下する。ここで、ヒートボックス2といった加熱手段がリール10a,10bを具えていない形態では、加熱手段で加熱した素材板1を加熱手段から取り出して、サプライ装置に設置する必要がある。この設置までの温度低下を極力少なくするために搬送状態を工夫したり(例えば、保温材で覆う、など)、設置時間を短くしたりすることで、搬送作業や設置作業に伴う素材板の温度低下を抑制することができる。また、コイル状に巻き取られた素材板1の全体は、巻き戻した一部分に比較して熱容量が大きいため、上記搬送時や設置時は比較的温度が低下し難いと考えられる。これに対して、リール10やサプライ装置から繰り出した後、圧延ロール3に接触するまでの温度低下は、比較的大きくなる恐れがある。この理由として、上述のように素材板の一部分であり、熱容量が小さいことや、マグネシウム合金が熱伝導性に優れる金属であることから、冷却され易いことが考えられる。圧延ロール3に接するまでの素材板1の温度の低下度合いは、素材板1の厚さや素材板1の走行速度などに影響を受け、板厚が薄いほど、また、圧延速度が遅いほど当該温度が低下し易い。例えば、他の条件にも依るが250℃前後に加熱した厚さ1.0mmの素材板を5m/分の速度で走行させて圧延ロールに供給する場合、圧延ロールに入る直前の素材板の温度は、170℃前後、15m/分の速度で走行させた場合、190℃前後となる。また、本発明者らは、素材板の温度:170℃、圧延ロールの温度:240℃とすることで(厚さ1.0mm、5m/分)、300m以上の連続圧延が可能であることを確認している。従って、素材板の厚さなどにもよるが、素材板1の表面温度が150℃よりも低くなる前、好ましくは170℃以上、更に180℃以上、特に210℃以上で圧延ロール3に供給することが好ましい。なお、圧延ロールの回転速度(周速)は、素材板の走行速度に応じて適宜調整するとよく、例えば、5m/分〜90m/分であると、効率よく圧延を施すことができる。
圧延ロール3の加熱には、例えば、カートリッジヒータといったヒータを内蔵させたり(ヒータ式)、加熱した油などの液体を循環させたり(液体循環式)、熱風などの気体を吹き付けたり(熱風式)、加熱した潤滑剤を塗布したりすることが挙げられる。特に、圧延ロール3の内部に加熱した油を循環させて当該ロールを加熱すると、圧延ロールにおいて幅方向及び周方向に満遍なく加熱液体を充填できるため、当該ロールの幅方向の温度ばらつき(最高温度と最低温度の差)を抑え易い。例えば、上記温度のばらつきを10℃以下、更に5℃以下、特に3℃以内とすることができる。循環させる液体の温度は、圧延ロールの大きさ(幅、直径)や材質にもよるが、圧延ロールの設定表面温度+10℃程度が好ましい。上記液体の循環には、例えば、水冷銅などに利用されている液体循環機構を適用できる。その他、圧延ロール3の幅方向の温度のばらつきを小さくするには、ヒータ式では、複数本のヒータを収納すると共に、圧延ロールの幅方向の複数地点の温度を測定し、各測定温度に応じて各ヒータのON/OFFや出力などを調整することが好ましく、熱風式では、気体の温度、吹付け量、吹出し口の数、吹出し口の配置位置などを調整することが挙げられる。
各パスの圧延において1パスあたりの圧下率は適宜選択することができる。1パスあたりの圧下率は10%以上40%以下、総圧下率は75%以上85%以下が好ましい。このような圧下率で複数回(多パス)のロール圧延を素材板に施すことで所望の板厚にしたり、平均結晶粒径を小さくしたり、プレス加工性を高めたりすることができる上に表面割れといった欠陥の発生を抑制できる。
圧延にあたり、潤滑剤を利用すると、圧延ロールと素材板との摩擦を低減して、良好に圧延を行えて好ましい。潤滑剤は、圧延ロールに適宜塗布するとよい。但し、潤滑剤の種類によっては、素材板に残存して変質することがある、との知見を得た。また、詳しいメカニズムは定かではないが、素材板の幅方向の中央部よりも両縁部側に潤滑剤が残存し易く、この潤滑剤の局所的な残存により、巻きずれが生じ易い傾向にある、との知見を得た。そして、このような巻きずれを抑制するには、圧延ロールの加熱温度の最大値:290℃、余裕を考慮して、300℃程度で変質し難い潤滑剤を利用することが好ましい、との知見を得た。従って、圧延ロールの設定温度に応じて、適切な潤滑剤を選択することが好ましい。更に、上記潤滑剤の局所的な残存を防止するために、圧延ロールに素材板を供給する直前において、素材板の表面の潤滑剤を均すことが好ましい。例えば、圧延ロールの上流側に、刷毛やワイパなどの均し手段を配置しておき、素材板の表面の潤滑剤の斑を均一化することが挙げられる。
圧延時に素材板1に加わる張力を調整するために、圧延ロールの前後にピンチロール(図示せず)を配置することができる。ピンチロールとの接触による素材板の温度低下を防ぐために、ピンチロールは、200℃〜250℃程度に加熱することが好ましい。
その他、リール10やサプライ装置から繰り出した素材板1において圧延ロール3に接触するまでの温度低下を防止するために、リール10などから圧延ロール3までの領域に、素材板1を覆うように断熱材料からなる保温カバー5を配置したり、当該素材板1を加熱する発熱ランプといった補助加熱手段(図示せず)などを配置することができる。
(巻取)
上記圧延が施されて得られた圧延板をコイル状に巻き取る。上記予熱工程、圧延工程、この巻取工程という一連の工程を連続して繰り返し行い、目的の回数(パス数)のロール圧延を行った後、得られた圧延板(マグネシウム合金板)を最終的にコイル形状に巻き取る。得られた本発明コイル材を構成するマグネシウム合金板は、圧延により導入された加工歪み(せん断帯)が存在する組織を有する。このような組織を有することで、上記マグネシウム合金板は、プレス加工といった塑性加工時に動的再結晶化を生じて、塑性加工性に優れる。特に、最終パスの圧延において、巻き取り直前の圧延板の温度を再結晶しない温度、具体的には250℃以下にして巻き取ると、平坦度に優れるマグネシウム合金板が得られる上に、上記加工歪みが十分に残存する組織とすることができる。巻き取り直前の圧延板を再結晶しない温度にするには、素材板の走行速度を調整してもよいが、衝風などの強制冷却により圧延板を冷却すると短時間で所定の温度にすることができ、作業性に優れる。
(矯正工程)
上記巻き取られた本発明コイル材は、そのまま製品(代表的には塑性加工材といったマグネシウム合金材の素材)として使用できる。更に、このコイル材を巻き戻して、圧延板に所定の曲げを付与し、圧延により導入された加工歪み量の調整(矯正)を行うことができる。矯正にはローラレベラを好適に用いることができる。ローラレベラは少なくとも一対の対向配置されたローラを具え、このローラ間に素材を挿通させることで曲げを付与するものである。特に複数のローラが千鳥状に配置され、これらローラ間に圧延板を通過させて、圧延板に繰り返し曲げを付与可能なものを好適に利用できる。このような矯正を行うことで、平坦度に更に優れるマグネシウム合金板とすることができる上に、上記加工歪みが十分に存在することで、プレス加工性といった塑性加工性に優れる。上記ローラに加熱手段、例えばヒータを具えて、加熱したローラにより圧延板に曲げを付与する温間矯正とすると、割れなどが生じ難い。上記ローラ温度は100℃以上300℃以下が好ましい。矯正により付与する曲げ量の調整は、ローラの大きさ、数、対向配置されるローラ間の間隔(ギャップ)、素材の進行方向に隣り合うローラ間の間隔などを調整することで行える。矯正を施す前に素材となるマグネシウム合金板(圧延板)を予め加熱してもよい。具体的な加熱温度は100℃以上250℃以下、好ましくは200℃以上が挙げられる。素材をも加熱することで、割れなどを生じることなく、良好に矯正を施すことができる。
矯正工程を経たマグネシウム合金板はそのまま製品(代表的には塑性加工材といったマグネシウム合金材の素材)として使用することができる。さらに表面状態を良好にするために、研磨ベルトなどを利用して表面研磨を行ってもよい。
[コイル材]
上記本発明製造方法により得られた本発明コイル材は、上述のように巻きずれが小さく、製品の出荷などにあたり、巻き直しが不要である。また、本発明コイル材は、縁割れが小さく、縁割れ部分を除去するための工程を不要にしたり、除去量の低減を図ることができたりする。この点から生産性の向上を図ることができる。
本発明コイル材を構成するマグネシウム合金板の代表的な形態は、上述のように圧延板が挙げられる。その他、上述のように圧延板に矯正や研磨が施された矯正板や研磨板が挙げられる。このマグネシウム合金板の厚さ、幅、長さは、素材に用いた鋳造板の仕様や圧延条件により種々の値をとり得る。本発明コイル材をプレス加工材といった塑性加工材の素材に利用する場合、厚さは、3.0mm以下、更に1.5mm以下、特に0.1mm以上1mm以下、とりわけ0.6mm〜0.8mm程度であると、軽量で薄型の塑性加工材が得られて好ましい。幅は、50mm以上、更に100mm以上、特に200mm以上が利用し易いと考えられる。長さは、50m以上、更に100m以上、特に200m以上であると、プレス装置といった塑性加工装置に一度に供給可能な素材の量が多く、塑性加工材の生産性の向上に寄与することができる。
また、本発明コイル材を構成するマグネシウム合金板は、上述のように縁割れが少ない上に、幅方向に亘って厚さのばらつきが小さく均一的である。また、平坦度にも優れる。更に、均一的に圧延が施されていることで、上記マグネシウム合金板は、幅方向に亘って均一的な金属組織を有する上に、長手方向にも(例えば、10m以上、更には100m以上に亘って)平坦で、均一的な組織を有する。
図1(A)に示す圧延ライン(リールを内蔵する一対のヒートボックスと、一対の対向配置された圧延ロールとを一段具えるもの)を構築して、以下の圧延素材に予熱⇒圧延⇒巻取を連続して複数回繰り返して施し、長尺な圧延板を作製した。圧延は、以下の条件で行った。また、素材板(鋳造コイル材を構成する鋳造板、及び圧延途中の圧延板)の予熱温度と圧延ロールの加熱温度(設定温度)を表1,2に示す条件とすると共に、圧延ロールにおける幅方向の温度分布が異なる2種類の条件(3℃、20℃)で用意して、複数のサンプルを作製した。
(圧延素材)
・AZ91合金、双ロール鋳造コイル材
・板厚:4.1mm、板幅:265mm、長さ:50m
・溶体化処理:400℃×20時間
(圧延条件)
・複数パス圧延 圧下率:20%/パス〜25%/パス
・最終厚さ:0.8mmまで圧延(長さ150m) 総圧下率:80%
・素材板の予熱(ヒートボックス内、加熱時間(鋳造コイル材):3時間)
・圧延ロールの加熱方法:ロール内部から加熱
圧延ロールにおける幅方向の温度分布(ロール表面の温度ばらつき)が3℃のものは、ロール内部に加熱した油を循環させた形態、同温度分布が20℃のものは、ロール内部にヒータを複数本内蔵した形態(各ヒータの設定温度:一定)である。上記温度ばらつきは、素材板を圧延ロールに通す前であってロール温度が安定した状態で圧延ロールの表面の温度を以下のように測定して求めた。圧延ロールの表面において素材板が接触する領域内で、当該ロールの幅方向(軸方向と平行な方向)に沿って任意の直線をとり、この直線上で複数点の温度を測定し、これら複数点の温度のうち、最高温度と最低温度との差を温度ばらつきとする。ここでは、圧延ロールの表面において上記任意の直線をとって、この直線上に等間隔に10点をとり、各点の温度を測定し、10点の温度のうち、最高温度と最低温度との差を上記温度ばらつきとした。
(圧延材の評価項目と判定基準)
圧延後に得られたマグネシウム合金板の厚さのばらつき(板厚分布)、平坦度、表面状態、プレス成形性を評価した。その結果を表1及び表2に示す。各評価は、圧延後に巻き取ったコイル材を巻き戻して、300mm長に切り出してサンプル板を作製し、これらサンプル板を用いて行った。
・板厚分布:サンプル板の幅方向に沿って任意に10点選択して、各点の厚さをマイクロメータにて測定し、10点の厚さのうち、最大値と最小値との差を測定し、この差が30μm以内を合格(○)、30μm超を不合格(×)と評価した。
・平坦度:サンプル板を定盤上に置き、当該板と定盤との隙間を隙間ゲージで測定し、隙間の最大値が2mm以下を合格(○)、2mm超を不合格(×)とした。また、サンプル板を目視確認したとき、その幅方向の中央部が湾曲して凹んでおり、サンプル板の幅方向の両縁部を繋ぐ直線から当該凹み部分の最大深さを測定し、最大深さが1mm以上である状態を中伸びと評価し、表1,2に「中伸び」と記載している。
・表面状態:目視観察により、サンプル板全体に亘って割れがないものを合格(○)、割れが生じているものを不合格(×)とした。また、焼き付きが見られたものは、表1に「焼付」と記載している。
・プレス成形性:サンプル板に、円筒深絞り、直径:30mm、コーナーR:2mmのプレス加工を施し、成形後、割れのないものを合格(○)、コーナー角R部に亀裂などがあるものを不合格(×)、評価せずを(−)とした。ここでは、プレス加工前に各サンプル板を250℃の予熱してから、上記プレス加工を施した。
Figure 2011131274
Figure 2011131274
表1,2に示すように、素材板の温度を280℃以下に加熱すると共に、圧延ロールの温度を230℃〜290℃とし、予熱→圧延→巻取を連続して複数回繰り返し行った試料No.1〜3はいずれの評価項目も合格であり、総合判定を合格(○)とした。一方、上記特定の条件で予熱や圧延を行わなかった試料No.101〜104は、評価項目のうち、いずれかの項目について不合格であり総合判定を不合格(×)とした。この結果から、素材板の予熱温度、圧延ロールの加熱温度が圧延後のマグネシウム合金板の特性に影響していることが分かる。特に、連続して圧延を行うにあたり、素材板及び圧延ロールの双方の温度を上記特定の範囲とすることが好ましいことが分かる。そして、このような特定の圧延条件とすることで得られたマグネシウム合金板はプレス加工性に優れることが分かる。更に、上記特定の圧延条件とすることで、このようなプレス加工性に優れるマグネシウム合金板を連続して製造可能であることが分かる。
加えて、圧延ロールの温度ばらつきが大きいと、圧延ロールが熱膨張により局所的に変形するなどして、得られた圧延板(マグネシウム合金板)の厚さのばらつきが大きくなったり、平坦度が悪くなったり、割れなどが生じ易くなったりすることが分かる。従って、素材板及び圧延ロールの双方の温度を特定の範囲とすると共に、圧延ロールの幅方向の温度ばらつきが小さくなるように温度制御を行うことで、より良好に圧延を行えることが分かる。
上記試料No.1〜3の作製にあたり、最終パスまでの各パスの圧延において、素材板の圧延直前の温度が150℃〜280℃となるように素材板の温度を制御したり、素材板における圧延直前の温度と、圧延ロールの表面温度との差が30℃以下となるように素材板や圧延ロールの温度、素材板の走行速度などを制御することで、プレス加工性に優れる長尺な圧延板がより安定して得られた。
実施例1と同様に、図1(A)に示す圧延ラインを構築して、予熱⇒圧延⇒巻取を連続して複数回繰り返して行って、長尺な圧延板を作製した。圧延素材及び圧延条件を以下に示す。なお、試料No.4,108の製造条件は、潤滑剤を除いて同様である。
(圧延素材)
・AZ91合金、双ロール鋳造コイル材
・板厚:4.0mm、板幅:265mm、長さ:200m
・溶体化処理:400℃×20時間
(圧延条件)
・8パス圧延 圧下率:20%/パス〜25%/パス
・最終厚さ:0.6mmまで圧延(長さ900m) 総圧下率:85%
・素材板の予熱(ヒートボックス内、250℃、加熱時間(鋳造コイル材):5時間)
・圧延ロールの加熱方法:ロール内に加熱した油を循環(表面温度:270℃)
・潤滑剤使用(市販品、試料No.4:300℃で変質しないもの、試料No.108:250℃で変質するもの)
得られた試料No.4,108について、巻きずれ、及び縁割れを以下のように測定した。巻きずれは、圧延後に得られた圧延板を巻き取った各試料のコイル材において、各コイル材を形成するターンの一方の側の縁のうち、最も突出している縁から、当該コイルの軸方向に沿って最も凹んでいる縁までの間の距離を測定し、この距離とする。縁割れは、上記各試料のコイル材を巻き戻して、300mm長に切り出してサンプル板とし、サンプル板の縁部に存在する各割れに対し、当該板の幅方向に沿って長さを測定し、この長さを縁割れの長さとした。また、作製した各サンプル板に実施例1と同様の条件でプレス加工を施して、プレス加工性を評価した。
その結果、素材板の温度を280℃以下に加熱すると共に、圧延ロールの温度を230℃〜290℃とし、予熱→圧延→巻取を連続して複数回繰り返し行った試料No.4は、実施例1の試料No.1〜3と同様にプレス加工性に優れていた。また、特定の潤滑剤を用いた試料No.4は、巻きずれが5mm以下と小さい上に、縁割れの長さが5mm〜7mmと短かった。これに対して、試料No.108は、巻きずれが10mm〜20mmと大きい上に、縁割れの長さが10mm〜20mmと長かった。
なお、実施例1の試料No.1〜3についても、試料No.4と同様の潤滑剤を用いて圧延を施したところ、巻きずれが5mm以下、縁割れの長さが8mm以下であった。
このように使用する潤滑剤も適切なものを利用することで、プレス成形性に優れる上に、外観や表面性状に優れるマグネシウム合金コイル材が得られることが分かる。
なお、本発明の範囲は、上記の例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。例えば、マグネシウム合金の組成、素材板の厚さや幅、長さなどを適宜変更することができる。また、本発明製造方法では、コイル形状に巻き取られた長尺材の製造に好適に利用できるが、巻き取らないままの長尺材の製造や、巻き取った長尺材を巻き戻して、所望の長さに切断した短尺材の製造にも利用することができる。
本発明のマグネシウム合金板の製造方法は、長尺な圧延板がコイル状に巻き取られてなる圧延コイル材の製造に好適に利用することができる。本発明のマグネシウム合金コイル材は、各種の電子・電気機器類の構成部材、特に、携帯用や小型な電子・電気機器類の筐体、高強度であることが望まれる種々の分野の部材、例えば、自動車や航空機といった輸送機器の構成部材の素材に好適に利用することができる。
1 素材板 2,2a,2b ヒートボックス 3 圧延ロール 4 温度センサ
5 保護カバー 10,10a,10b リール

Claims (9)

  1. マグネシウム合金からなる素材板に圧延を施して、得られた長尺な圧延板を巻き取ってコイル状のマグネシウム合金板を製造するマグネシウム合金板の製造方法であって、
    前記素材板を加熱する予熱工程と、
    加熱した前記素材板に圧延ロールにより圧延を施す圧延工程と、
    圧延された圧延板を巻き取る巻取工程とを具え、
    前記予熱工程における前記素材板の加熱温度を280℃以下とし、
    前記圧延工程における前記圧延ロールの表面温度を230℃以上290℃以下とし、
    前記予熱工程、圧延工程、及び巻取工程を連続して複数回繰り返すことを特徴とするマグネシウム合金板の製造方法。
  2. 前記マグネシウム合金は、アルミニウムを7.0質量%以上12.0質量%以下含有することを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム合金板の製造方法。
  3. 前記圧延ロールの表面温度において、このロールの幅方向の温度ばらつき(最高温度と最低温度との差)を10℃以下とすることを特徴とする請求項1又は2に記載のマグネシウム合金板の製造方法。
  4. 最終パスまでの各パスの圧延において前記素材板の圧延直前の温度を150℃以上280℃以下とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のマグネシウム合金板の製造方法。
  5. 前記素材板における圧延直前の温度と、前記圧延ロールの表面温度との差を30℃以下とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のマグネシウム合金板の製造方法。
  6. 前記素材板は、溶解したマグネシウム合金を双ロール鋳造法により連続鋳造して製造した鋳造板であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のマグネシウム合金板の製造方法。
  7. マグネシウム合金からなる長尺な板材が巻き取られてなり、
    巻きずれが5mm以内であることを特徴とするマグネシウム合金コイル材。
  8. 前記板材の厚さが0.8mm以下であり、
    縁割れの長さが8mm以内であることを特徴とする請求項7に記載のマグネシウム合金コイル材。
  9. 前記マグネシウム合金は、アルミニウムを7.0質量%以上12.0質量%以下含有することを特徴とする請求項7又は8に記載のマグネシウム合金コイル材。
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