以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
本実施の形態においては、本発明の液晶表示装置を車両用の液晶表示装置に適用した例を採用して説明する。本実施の形態における液晶表示装置は、複数の項目を表示する(つまり、複数の項目の情報を表示する)ものであり表示領域を項目毎に分割可能な液晶画面(液晶パネル)と、液晶画面に対して光を照射するものであり表示領域毎に輝度を変更可能な光源(光源A、光源B)とを備えるものである。つまり、本実施の形態においては、液晶表示装置10は、表示器7の液晶画面を項目毎に2つの表示領域A(以下の説明、及び図面においては単に領域Aとも称する)、表示領域B(以下の説明、及び図面においては単に領域Bとも称する)に分割可能であり、その2つの表示領域A、表示領域Bのそれぞれに対して光を照射する光源A、光源Bを備えるものである。
この表示領域に表示する項目としては、例えば、航続可能距離、給油後平均燃費、瞬間燃費、通算平均燃費、平均車速、走行時間、カスタマイズ、クリアランスソナー/ドア開、エネルギーフロー、ACC(Adaptive Cruise Control)/LKA(Lane Keeping Assist system)、タイヤ空気圧、各種ウォーニング、シフトレバー、走行距離などを採用することができる。なお、以下の説明及び図面においては、通算平均燃費を表示項目1、ウォーニングを表示項目2と称することもある。
まず、液晶表示装置10の構成に関して説明する。図1に示すように、液晶表示装置10は、CPU(Central Processing Unit)1、I/F(interface)2〜5、記憶部6、表示器7、表示器駆動I/F(interface)71、光源A8a、光源A駆動I/F(interface)8a1、光源B8b、光源B駆動I/F(interface)8b1、切替スイッチ9などを備えるものである。また、液晶表示装置10は、シフトレバー位置検出部20、燃料消費計測部30、ウォーニング発生検出部40、切替スイッチ50が電気的に接続されている。
液晶表示装置10のCPU1は、記憶部6に記憶された制御プログラム、第1目標値データ、第2目標値データ、待ち時間データ、及び、切替スイッチ9やI/F2〜5を介して入力された信号に基づいて、RAM(Random Access Memory、図示省略)を作業領域として用いて演算処理を行う。この演算処理によって、表示器駆動I/F71に対して画像信号を出力したり、光源A駆動I/F8a1及び光源B駆動I/F8b1に対して駆動信号を出力したりする。このようにして、表示器7の液晶画面に車両情報を表示したり、表示している車両情報を別の項目の車両情報に切り替えたりなどを含む表示処理を実行する。なお、CPU1は、光源A8aに対する発光制御を示す信号と、光源B8bに対する発光制御を示す信号とを含む駆動信号を出力する。また、CPU1は、図示は省略するが、時間を計時する計時部を備える。
表示器7は、周知の液晶画面などを備えるものである。この表示器7を制御する表示器駆動I/F71は、CPU1から出力された画像信号に基づいて、例えば、水平同期信号と垂直同期信号とからなる同期信号、光の3原色である赤色(R)と緑色(G)と青色(B)の各信号からなるRGB信号、表示クロック(CLK)信号などを出力することによって表示器7(液晶画面)に対する表示制御を行う。また、表示器7の液晶画面は、複数の項目の車両情報を表示するものであり、表示領域を項目毎に分割可能なものである。本実施の形態においては、図2、3に示すように、液晶画面は、二つの表示領域(表示領域A、表示領域B)に分割された例を採用して説明する。
光源A駆動I/F8a1は、CPU1から出力された駆動信号に基づいて光源A8aの発光制御をするものであり、例えば、駆動信号に基づいて光源A8aの輝度を下げたり、上げたりする。同様に、光源B駆動I/F8b1は、CPU1から出力された駆動信号に基づいて光源B8bの発光制御をするものであり、例えば、駆動信号に基づいて光源B8bの輝度を下げたり、上げたりする。
光源A8a及び光源B8bは、光源A駆動I/F8a1及び光源B駆動I/F8b1によって駆動されて発光するLEDやEL素子などからなるものであり、液晶画面に対して光を照射する。なお、光源A8aは、表示領域Aに光を照射するものであり、表示領域Aに対して光を照射可能な位置、例えば、裏面側(表示面の裏側)に配置される。また、光源B8bは、表示領域Bに光を照射するものであり、表示領域Bに対して光を照射可能な位置、例えば、裏面側(表示面の裏側)に配置される。
このように、光源A8a及び光源B8bは、別々に点灯、消灯や、輝度を制御することができる。例えば、一方の光源(例えば、光源B8b)を点灯させ、他方の光源(例えば、光源A8a)を消灯又は所定の輝度まで下げることなどが可能である。
なお、図2、図3では、光源と表示領域との対応関係をわかりやすくするために、液晶画面の上下に光源A8a及び光源B8bが配置されているように図示しているが、実際は、液晶画面の裏面側(表示面の裏側)に配置されるものである。
また、本実施の形態においては、表示領域毎に光源と光源駆動I/Fを分割させる例(つまり、表示領域Aに対応する光源A8aと光源A駆動I/F8a1、表示領域Bに対応する光源B8bと光源B駆動I/F8b1に分割)を採用しているが、本発明はこれに限定されるものではない。表示領域毎に輝度を変更可能な構成であれば本発明の目的は達成できるものである。換言すると、各表示領域に対して、個別に輝度を変更可能な構成であれば本発明の目的は達成できるものである。
また、本実施の形態においては、表示領域を項目毎に二つの表示領域(表示領域A、表示領域B)に分割して、この二つの表示領域(表示領域A、表示領域B)毎に輝度を変更可能な光源(光源A8a、光源B8b)を備える例を採用して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。3つ以上の表示領域に分割して、各表示領域に対応して輝度を変更可能な光源を備えるようにしても本発明の目的は達成できるものである。
また、本実施の形態においては、表示領域を上下に分割する例を採用して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。表示領域を左右に分割するようにしてもよいし、左右及び上下に分割するようにしてもよい。
記憶部6は、ROM(Read Only Memory)などによって構成されるものであり、上述のように、CPU1が実行する制御プログラム、光源A8a、光源B8bの輝度の目標値である第1目標値データ及び第2目標値データ、待ち時間データ(所定時間)、表示器7の液晶画面に表示するウォーニング情報などが記憶される。
第1目標値データとは、後ほど説明する表示器7の表示領域に表示する項目を切り替えることによって生じる残像を抑制するために、その表示領域に光を照射している光源の輝度を下げる際の輝度の目標値を示すものである。例えば、項目を切り替える際の残像が見えない程度の値(低輝度)を示すデータや、光源を消灯させることを示すデータなどを採用することができる。なお、以下の説明においては、第1目標値データが示す輝度値を第1目標値とも称する。
第2目標値データとは、第1目標値が示す輝度まで下げた輝度を元に戻す際の輝度の目標値を示すものである。これは、表示器7に車両情報を表示する際の通常の輝度を示すものである。従って、第2目標値データが示す輝度値は、第1目標値データが示す輝度値よりも高い。なお、以下の説明においては、第2目標値データが示す輝度値を第2目標値とも称する。
待ち時間データは、後ほど説明する表示器7の表示領域に表示する項目の切り替えによって生じる残像が低減する時間に基づいて設定されるものであり、項目を切り替えた際に、切り替える前の画像が消えるまでの時間である。換言すると、表示に残像がのこらない時間であり、例えば、200msなどを採用することができる。
なお、液晶画面は、温度により、表示の切替り応答時間(表示に残像がのこらない時間)が変わるため、温度を検出して、待ち時間データの値を変えることも可能である。この場合、複数の待ち時間データと温度とを関連付けたマップを記憶部6に記憶させておくようにしてもよい。
なお、CPU1は、表示領域に表示する項目が切り替えられてからの経過時間(例えば、表示器駆動I/F71に対して項目の切り替えを示す信号を出力してからの経過時間など)を計時して、経過時間が待ち時間データで示される所定時間に達したか否かを判定する(経過時間判定手段)。なお、ウォーニング情報は、後ほど説明するウォーニング発生検出部40の検出結果に対応付けられるものであり、発生したウォーニングに関連する情報である。
また、記憶部6には、表示器7の液晶画面に車両情報を表示する際の項目の表示順序(表示順序を示すデータ)なども記憶されている。この表示順序は、ユーザーによって切替スイッチ9が操作されるたびに、表示器7の液晶画面に表示する車両情報(項目)を切り替えるときの順序である。例えば、表示順序を示すデータとしては、航続可能距離、給油後平均燃費、瞬間燃費、通算平均燃費、平均車速、走行時間の順序で表示し、走行時間の次は、航続可能距離に戻って同様の順序で表示することを示すデータなどを採用することができる。なお、記憶部6は、CPU1内に設けるようにしてもよい。
切替スイッチ9は、表示切替要因発生部の一部である。この切替スイッチ9は、ユーザーよる操作に応じて、液晶画面(ここでは、表示領域A)に表示している車両情報の項目の切替要求を示す切替信号をCPU1に出力するものであり、例えば、周知の押しボタンスイッチなどを採用することができる。また、切替スイッチ9は、例えば、ステアリングホイール(図示省略)や表示器7の周辺に配置される。なお、この切替スイッチ9から出力された切替信号に基づいて項目の切り替えを行う表示領域は、予め設定されるものである(ここでは、表示領域Aとする)。そして、CPU1は、この切替スイッチ9から出力される切替信号に基づいて、表示する項目の切り替え、及び項目の切り替えが行われる表示領域を判定する(切替判定手段)。
I/F2〜4を介してCPU1に電気的に接続されているシフトレバー位置検出部20、燃料消費計測部30、ウォーニング発生検出部40は、表示器7の表示領域に表示する車両情報などを出力する装置である。
シフトレバー位置検出部20は、シフトレバーの位置を検出して、その検出結果を液晶表示装置10に出力する。そして、液晶表示装置10は、表示器7の表示領域に表示する車両情報の項目が「シフトレバー」であるときに、シフトレバー位置検出部20から出力された検出結果を表示器7の表示領域に表示する。本実施の形態においては、図2に示すように、表示領域Bに表示する車両情報の項目として「シフトレバー」を採用している。この図2においては、表示領域Bには、シフトレバーの位置がD(ドライブ)位置であることが表示されている。
燃料消費計測部30は、車両の燃費を算出して、その算出結果を液晶表示装置10に出力する。そして、液晶表示装置10は、表示器7の表示領域に表示する車両情報の項目が「通算平均燃費」であるときに、燃料消費計測部30から出力された算出結果を表示器7の表示領域に表示する。本実施の形態においては、図2に示すように、表示領域Aに表示する車両情報の項目として「通算平均燃費」を採用している。この図2においては、表示領域Aには、通算平均燃費が20km/Lであることが表示されている。
ウォーニング発生検出部40は、表示切替要因発生部の一部でもある。このウォーニング発生検出部40は、ウォーニングの発生を検出して、その検出結果を液晶表示装置10に出力する。液晶表示装置10は、ウォーニング発生検出部40から検出結果が出力されると、その検出結果に基づいたウォーニング情報を車両情報として表示器7の表示領域に表示する。つまり、このウォーニング発生検出部40から出力される信号は、液晶画面(ここでは、表示領域A)に表示している車両情報の項目の切替要求を示す切替信号にも相当するものである。より具体的には、「ウォーニング」への切替要求を示す切替信号である。この場合、CPU1は、このウォーニング発生検出部40から出力される検出結果(切替信号)に基づいて、表示する項目の切り替え、及び項目の切り替えが行われる表示領域を判定する(切替判定手段)。
本実施の形態においては、一例として、ウォーニング発生検出部40は、ウォーニングの発生としてシートベルトが未装着であることを検出して、検出結果としてシートベルトが未装着であることを示す信号を出力する例を採用する。液晶表示装置10は、ウォーニング発生検出部40から検出結果が出力されると、図3に示すように、表示領域Aに表示する車両情報の項目を「ウォーニング」として、シートベルトが未装着であることを警告する表示をする(車両情報として、ウォーニング情報を表示する)。つまり、液晶表示装置10は、例えば、図2に示すように項目として「通算平均燃費」の車両情報を表示器7(液晶画面)の表示領域Aに表示している時に、ウォーニング発生検出部40から検出結果が出力されると図3に示すように表示領域Aに表示している項目を「ウォーニング」に切り替えて表示する。
また、I/F5を介してCPU1に電気的に接続されている切替スイッチ50は、表示切替要因発生部の一部である。切替スイッチ50は、切替スイッチ9とは別体に設けられるものであり、ユーザーよる操作に応じて、液晶画面(ここでは、表示領域B)に表示している車両情報の項目の切替要求を示す切替信号をCPU1に出力する。また、切替スイッチ9と同様に、例えば、周知の押しボタンスイッチなどを採用することができる。
なお、この切替スイッチ50から出力された切替信号に基づいて項目の切り替えを行う表示領域は、予め設定されるものである(ここでは、表示領域Bとする)。そして、CPU1は、この切替スイッチ50から出力される切替信号に基づいて、表示する項目の切り替え、及び項目の切り替えが行われる表示領域を判定する(切替判定手段)。
なお、本実施の形態においては、このシフトレバー位置検出部20、燃料消費計測部30、ウォーニング発生検出部40、切替スイッチ50は、直接配線(直線)で液晶表示装置10に電気的に接続される例を採用して説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、伝送路(CAN通信用のバス)を介して液晶表示装置10に電気的に接続されるようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、表示器7の表示領域に表示する車両情報を出力する装置として、シフトレバー位置検出部20、燃料消費計測部30、ウォーニング発生検出部40を採用して説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、上述の車両情報を出力する装置(コンピュータやセンサ)などを採用することもできる。この場合においても、車両情報を出力する装置(コンピュータやセンサ)は、直線で液晶表示装置10に電気的に接続されるものでも、伝送路(CAN通信用のバス)を介して液晶表示装置10に電気的に接続されるものでも採用することができる。
また、本実施の形態においては、表示切替要因発生部として、切替スイッチ9、ウォーニング発生検出部40、切替スイッチ50を用いる例を採用したが、本発明はこれに限定されるものではない。液晶画面(例えば、表示領域A)に表示している車両情報の項目の切替要求を示す切替信号を出力するものが少なくとも一つあれば、本発明の目的は達成できるものである。
ここで、図4などを用いて、本実施の形態における液晶表示装置10の表示処理動作に関して説明する。図4のフローチャートに示す液晶表示装置10の表示処理動作は、例えば、液晶表示装置10に電源が供給されるとスタートする。
また、液晶表示装置10の表示処理動作がスタートした時点では、図5に示すタイムチャートにおいては状態Aであり、光源A8aの輝度は下げられていない(図5には示していないが光源B8bの輝度も下げられていない)。そして、図5及び図6(a)に示すように、領域Aには表示項目1(通算平均燃費)の車両情報を表示しており、領域Bには項目「シフトレバー」の車両情報を表示しているものとする。つまり、光源A8a及び光源B8bは、ユーザーが表示器7(領域A、領域B)に表示された車両情報を視認するのに適切な輝度(第2目標値)で発光している。従って、領域Aに表示された表示項目1(通算平均燃費)の車両情報、領域Bに表示された項目「シフトレバー」の車両情報共に、適切に視認可能な状態で表示されている。
まず、液晶表示装置10は、複数の表示領域(領域A、領域B)のうち、表示する項目の切り替え、及び項目の切り替えが行われる表示領域を判定する(切替判定手段)。つまり、ステップS10では、切替スイッチ9、ウォーニング発生検出部40、切替スイッチ50からの切替信号に基づいて、表示切替要因が発生したか否かを判定する。そして、切替信号を取得した場合は表示切替要因が発生したとみなしてステップS11へ進み、切替信号を取得してない場合は表示切替要因が発生してないとみなしてステップS10へ戻る。
ステップS11では、表示する項目を切り替える表示領域が領域Aであるか否かを判定する。そして、切替スイッチ9又はウォーニング発生検出部40から切替信号を取得した場合は領域Aに対する表示切替要因が発生したとみなしてステップS12へ進み、切替スイッチ50から切替信号を取得した場合は領域Bに対する表示切替要因が発生したとみなしてステップS20へ進む。なお、本実施の形態においては、ウォーニング発生検出部40から切替信号が出力された例を採用して説明する。
次に、液晶表示装置10は、項目の切り替え及び項目の切り替えが行われる表示領域が判定された場合、光源における該項目の切り替えが行われる表示領域に対応する部分の輝度を所定の目標値(第1目標値)まで下げる(第1変更手段)。つまり、ここでは領域Aに表示する項目を切り替えると判定された場合なので、ステップS12では、記憶部6に記憶された第1目標値データに従って光源A8aの輝度を下げる。そして、ステップS13では、光源A8aの輝度が第1目標値以下になったか否かを判定して、第1目標値以下となったと判定した場合はステップS14へ進み、第1目標値以下になってないと判定した場合はステップS12へ戻る。
このとき、図5に示すタイムチャートにおいては状態Bであり、光源A8aの輝度は第1目標値にむかって下げられている(図5には示していないが光源B8bの輝度は下げられていない(第2目標値))。そして、図5及び図6(b)に示すように、領域Aは光源A8aの輝度が第1目標値にむかって下げられている状態で表示項目1(通算平均燃費)の車両情報を表示しており、領域Bは光源B8bから光を照射された状態で項目「シフトレバー」の車両情報を表示している。つまり、光源B8bは、第2目標値で発光しているのに対して、光源A8aは、第2目標値よりも低い輝度で発光している。従って、領域Bに表示された項目「シフトレバー」の車両情報は、適切に視認可能な状態で表示されているのに対して、領域Aに表示された表示項目1(通算平均燃費)の車両情報は、液晶画面が暗くて視認しづらい状態で表示されている。
なお、第1目標値データとしては、光源を消灯させることを示すデータよりも、項目を切り替える際の残像が見えない程度の値(低輝度)を示すデータを採用すると好ましい。低輝度にすることによって、項目が切り替わる領域(ここでは領域A)と項目が切り替わらない領域(ここでは領域B)との見栄えの差を低減し見栄えを向上させることも可能である。
次に、液晶表示装置10は、光源の輝度が所定の第1目標値まで下げられた以降に、表示領域に表示する項目をステップS10,11にて判定された項目に切り替える(切替手段)。つまり、ステップS14では、領域Aに表示する項目を表示項目1(通算平均燃費)から表示項目2(ウォーニング)に切り替える。
次に、表示領域に表示する項目が切り替えられてからの経過時間を計時して、経過時間が所定時間に達したか否かを判定する(経過時間判定手段)。つまり、ステップS15では、CPU1の計時部は、ステップS14にて、領域Aに表示する項目を表示項目1(通算平均燃費)から表示項目2(ウォーニング)に切り替えてからの経過時間を計時する。また、ステップS16では、光源A8aの輝度を、ステップS12にて下げられた第1目標値に保持する(保持手段)。そして、ステップS17では、計時部にて計時された経過時間と記憶部6に記憶された待ち時間データとに基づいて、経過時間が所定時間(表示に残像がのこらない時間であり、例えば、200ms)を経過したか否かを判定して、所定時間を経過したと判定した場合はステップS18へ進み、所定時間を経過してないと判定した場合はステップS16へ戻る。つまり、光源A8aの輝度は、領域Aに表示する項目を表示項目1(通算平均燃費)から表示項目2(ウォーニング)に切り替えてからの経過時間が所定時間に達するまでは上述の第1目標値で保持される。このようにすることによって、より一層確実に残像を抑制できるので好ましい。
このステップS14にて領域Aに表示する項目が切り替えられてステップS17にて所定時間を経過したと判定されるまでは、図5に示すタイムチャートにおいては状態Cであり、光源A8aの輝度は第1目標値まで下げられている(図5には示していないが光源B8bの輝度は下げられていない(第2目標値))。そして、図5及び図6(c)に示すように、領域Aは項目が表示項目1(通算平均燃費)から表示項目2(ウォーニング)に切り替えられているが、光源A8aの輝度が第1目標値まで下げられている状態なので車両情報は表示されておらず、領域Bは光源B8bから光を照射されており適切に視認可能な状態で項目「シフトレバー」の車両情報を表示している。つまり、光源B8bは、第2目標値で発光しているのに対して、光源A8aは、消灯しているか、もしくはユーザーが表示器7(領域A)で車両情報を視認できない輝度まで下げられている。
そして、経過時間が所定時間に達したと判定されると、ステップS18では、ステップS12で下げた光源A8aの輝度を下げる前の輝度(第2目標値)に戻す(第2変更手段)。
このとき、図5に示すタイムチャートにおいては状態Dであり、光源A8aの輝度は第2目標値にむかって上げられている(図5には示していないが光源B8bは視認に適切な輝度(第2目標値)のままである)。そして、図5及び図6(d)に示すように、領域Aは光源A8aの輝度が第2目標値にむかって上げられている状態で表示項目2(ウォーニング)の車両情報を表示しており、領域Bは光源B8bから光を照射された状態で項目(シフトレバー)の車両情報を表示している。つまり、光源B8bは、第2目標値で発光しているのに対して、光源A8aは、ユーザーが表示器7(領域A)に表示された車両情報を視認するのに適切な輝度よりも低い輝度で発光している。従って、領域Bに表示された項目(シフトレバー)の車両情報は、適切に視認可能な状態で表示されているのに対して、領域Aに表示された表示項目2(ウォーニング)の車両情報は、液晶画面が暗くて視認しづらい状態で表示されている。
そして、ステップS19では、光源A8aの輝度が第2目標値以上になったか否かを判定して、第2目標値以上となったと判定した場合はステップS10へ戻り、第2目標値以上になってないと判定した場合はステップS18へ戻る。
ステップS19で光源A8aの輝度が第2目標値以上となったと判定された場合、図5に示すタイムチャートにおいては状態Eであり、光源A8aの輝度は第2目標値である(図5には示していないが光源B8bの輝度も第2目標値である)。そして、図5及び図6(e)に示すように、領域Aには表示項目2(ウォーニング)の車両情報を表示しており、領域Bには項目「シフトレバー」の車両情報を表示している。つまり、光源A8a及び光源B8bは、ユーザーが表示器7(領域A、領域B)に表示された車両情報を視認するのに適切な輝度(第2目標値)で発光している。従って、領域Aに表示された表示項目2(ウォーニング)の車両情報、領域Bに表示された項目「シフトレバー」の車両情報共に、適切に視認可能な状態で表示されている。
一方、ステップS11にて、切替スイッチ50から切替信号を取得して、領域Bに対する表示切替要因が発生したとみなした場合は、ステップS20〜ステップS27の処理を実行する。なお、このステップS20〜ステップS27の処理は、上述のステップS12〜ステップS19と同様であるため説明は省略する。つまり、上述のステップS12〜ステップS19では、領域A及び光源A8aを対象にして処理を行ったのに対して、ステップS20〜ステップS27では、領域B及び光源B8bを対象にして処理を行うものである。よって、ステップS20〜ステップS27では、上述のステップS12〜ステップS19における領域A(光源A8a)を領域B(光源B8b)と入れ替えて同様の処理を実行する。なお、本発明は、複数の表示領域のうち、少なくとも一つの表示領域において、表示する項目の切り替えが行われる構成であれば目的を達成することができる。従って、領域Bにおいては、表示する項目の切り替えができないような構成であっても採用することができる。
このように、複数の表示領域(領域A、領域B)のうち表示する項目が切り替えられる表示領域(例えば領域A)を対象として、この表示領域(領域A)に対応する光源(例えば光源A8a)の輝度を下げた状態で項目を切り替え、項目を切り替えてから所定時間が経過すると、光源(光源A8a)の輝度を元に戻すことによって、項目が切り替えられない表示領域に対しては輝度を低減しないため視認性の低下を抑えることができ、項目が切り替えられる表示領域では項目が切り替えられる際の残像を抑制することができる。
また、本実施の形態における液晶表示装置10は、各表示領域に表示する項目を切り替えるときに、残像を抑制するために光源の輝度を下げた状態で項目を切り替え、項目を切り替えてから所定時間が経過すると、光源の輝度を元に戻すものである。つまり、各表示領域に表示している項目の情報が変化するときは、光源の輝度は変化させない。例えば、図2に示す例の場合、表示領域Aに表示する項目が切り替わるときは、上述のように光源の輝度を下げたり、上げたりする。しかしながら、表示領域Aに表示する項目が切り替わることなく、表示している情報がかわる場合(例えば、20km/Lと表示している情報のうち20が23にかわる場合など)は、光源の輝度は変更しない。このようにすることによって、光源の輝度を変化させる回数を抑えることができるので、視認性の低下を抑制することができる。また、各表示領域において、部分的に輝度が変化することもないので、視認性の低下を抑制することができる。
なお、表示切替要因が発生してから、切り替えが完了する(輝度が第2目標値に達する)までの間に、再び表示切替要因が発生する場合がありうる。この場合、即時次の表示に切り替える方法(図7〜9)、切り替え完了するまで次の表示切り替えを待つ方法(図10)、表示完了までは次の切り替え要因は受け付けない方法(図11)が考えられる。ここで、これらの処理動作を示す変形例1〜5に関して説明する。
まず、図7に示すタイムチャートに基づいて、変形例1の処理動作を説明する。変形例1は、表示切替要因が発生してから、切り替えが完了するまでの間に、再び表示切替要因が発生した場合、即時次の表示に切り替える方法の一つである。
図7に示すように、表示領域(例えば、表示領域A)に表示項目1(例えば、通算平均燃費)を表示しているときに、この表示領域Aに表示する項目を表示項目2(例えば、ウォーニング)へ切り替える表示切替要因が発生した場合、上述のように、表示領域Aに対応する光源A8aの輝度を第1目標値まで下げる(〜ステップS12)。
そして、光源A8aの輝度が下げ始められてから第1目標値まで下げられるまでの間に、前回判定された表示領域Aと同じ表示領域Aにおいて項目の切り替えが行われると判定された場合(つまり、表示領域Aに表示する項目を表示項目3(例えば、平均車速)へ切り替える表示切替要因が発生した場合)、その表示領域Aに対応する光源A8aの輝度を第1目標値まで下げ、前回判定された項目(表示項目2)に切り替えることなく、今回判定された項目(表示項目3)に切り替えるようにしてもよい。つまり、表示項目2へ切り替える表示切替要因が発生したことによって光源の輝度を下げ始めた場合は、表示項目3へ切り替える表示切替要因が発生したとしても、輝度を下げる処理を継続させて第1目標値まで輝度を下げる。なお、表示項目3に切り替えた後は、上述のステップS15以降と同様に、今回判定された表示項目3に切り替えられてからの経過時間を計時して、その経過時間が所定時間に達したか否かを判定し、経過時間が所定時間に達したと判定されると、光源A8aの輝度を第2目標値に戻すことになる。
このようにすることによって、前回判定された項目へ切り替える場合に要する待ち時間(所定時間)を無くすことができるので、項目を切り替えて表示する際の応答性を向上させることができるので好ましい。
次に、図8に示すタイムチャートに基づいて、変形例2の処理動作を説明する。変形例2は、表示切替要因が発生してから、切り替えが完了するまでの間に、再び表示切替要因が発生した場合、即時次の表示に切り替える方法の一つである。
図8に示すように、表示領域(例えば、表示領域A)に表示項目1(例えば、通算平均燃費)を表示しているときに、この表示領域Aに表示する項目を表示項目2(例えば、ウォーニング)へ切り替える表示切替要因が発生した場合、上述のように、表示領域Aに対応する光源A8aの輝度を第1目標値まで下げる(〜ステップS13)。
そして、光源A8aの輝度が第1目標値以下になって、CPU1の計時部が経過時間の計時を開始してから経過時間が所定時間に達したと判定されるまでの間(上述のステップS15からステップS17でYES判定されるまでの間)に、前回判定された表示領域Aと同じ表示領域Aにおいて項目の切り替えが行われると判定された場合(つまり、表示領域Aに表示する項目を表示項目3(例えば、平均車速)へ切り替える表示切替要因が発生した場合)、表示項目3へ切り替える表示切替要因が発生した時点で今回判定された表示項目3に切り替えるようにしてもよい。この後は、上述のステップS15以降と同様に、今回判定された表示項目3に切り替えられてからの経過時間を計時して、その経過時間が所定時間に達したか否かを判定し、経過時間が所定時間に達したと判定されると、光源A8aの輝度を第2目標値に戻すことになる。
このようにすることによって、前回判定された項目へ切り替える場合に要する待ち時間(所定時間)を減らすことができるので、項目を切り替えて表示する際の応答性を向上させることができるので好ましい。
次に、図9に示すタイムチャートに基づいて、変形例3の処理動作を説明する。変形例3は、表示切替要因が発生してから、切り替えが完了するまでの間に、再び表示切替要因が発生した場合、即時次の表示に切り替える方法の一つである。
図9に示すように、表示領域(例えば、表示領域A)に表示項目1(例えば、通算平均燃費)を表示しているときに、この表示領域Aに表示する項目を表示項目2(例えば、ウォーニング)へ切り替える表示切替要因が発生した場合、上述のように、表示領域Aに対応する光源A8aの輝度を第1目標値まで下げてから表示項目2に切り替えて、所定時間が経過すると光源A8aの輝度が第2目標値になるように輝度を上げ始める(〜ステップS18)。
そして、光源A8aの輝度を戻し始めてから光源A8aの輝度が第2目標値になるまでの間(上述のステップS18からステップS19でYES判定されるまでの間)に、前回判定された表示領域Aと同じ表示領域Aにおいて項目の切り替えが行われると判定された場合(つまり、表示領域Aに表示する項目を表示項目3(例えば、平均車速)へ切り替える表示切替要因が発生した場合)、光源A8aの輝度を今回項目の切り替えが行われると判定された時点の輝度から第1目標値まで下げるようにしてもよい。
この後は、上述のステップS13〜ステップS19と同様に、光源A8aの輝度が第1目標値まで下げられた以降に、表示領域に表示する項目を表示項目3に切り替え、今回判定された表示項目3に切り替えられてからの経過時間を計時して、その経過時間が所定時間に達したか否かを判定し、経過時間が所定時間に達したと判定されると、光源A8aの輝度を第2目標値に戻すことになる。
このようにすることによって、光源A8aの輝度を第2目標値に戻すまでに要する時間を減らすことができるので、項目を切り替えて表示する際の応答性を向上させることができるので好ましい。
次に、図10に示すタイムチャートに基づいて、変形例4の処理動作を説明する。変形例4は、表示切替要因が発生してから、切り替えが完了するまでの間に、再び表示切替要因が発生した場合、切り替え完了するまで次の表示切り替えを待つ方法である。
図10に示すように、表示領域(例えば、表示領域A)に表示項目1(例えば、通算平均燃費)を表示しているときに、この表示領域Aに表示する項目を表示項目2(例えば、ウォーニング)へ切り替える表示切替要因が発生してから、CPU1の計時部にて経過時間が所定時間に達したと判定されるまでの間(上述のステップS11からステップS17でYES判定されるまでの間)に、前回判定された表示領域Aと同じ表示領域Aにおいて項目の切り替えが行われると判定された場合(つまり、表示領域Aに表示する項目を表示項目3(例えば、平均車速)へ切り替える表示切替要因が発生した場合)、上述のステップS19までと同様に、経過時間が所定時間に達したと判定されると、その経過時間が所定時間に達したか否かを判定し、経過時間が所定時間に達したと判定されると、光源A8aの輝度を第2目標値に戻す。
その後、上述のステップS12〜ステップS19と同様に、今回の判定結果に対応して光源A8aの輝度を第1目標値まで下げ、光源A8aの輝度が第1目標値まで下げられた以降に、表示領域Aに表示する項目を表示項目3に切り替え、今回判定された表示項目3に切り替えられてからの経過時間を計時して、その経過時間が所定時間に達したか否かを判定し、経過時間が所定時間に達したと判定されると、光源A8aの輝度を第2目標値に戻すようにしてもよい。つまり、前回の表示切替要因に基づく切り替えが完了した後に、今回の表示切替要因に基づく切り替えを行うようにしてもよい。
このようにすることによって、前回判定された項目を一旦は表示することができるので好ましい。
なお、前回の表示切替要因に基づく切り替えが完了した後(光源A8aの輝度を第2目標値に達した後)、光源A8aの輝度を一旦第2目標値に保持(待ち時間分)してから、今回の表示切替要因に基づいて光源A8aの輝度を下げ始めるようにしてもよい。このようにすることによって、確実に前回判定された項目を表示することができるので好ましい。なお、ここでの待ち時間は、切り替える前の画像が消えるまでの時間とは異なり、前回判定された項目を一旦表示する程度の時間である。換言すると、表示器7を見ているユーザーが前回判定された項目が表示されたことを認識できる程度の時間である
次に、図11に示すタイムチャートに基づいて、変形例5の処理動作を説明する。変形例5は、表示切替要因が発生してから、切り替えが完了するまでの間に、再び表示切替要因が発生する場合、表示完了までは次の切り替え要因は受け付けない方法である。
図11に示すように、表示領域(例えば、表示領域A)に表示項目1(例えば、通算平均燃費)を表示しているときに、この表示領域Aに表示する項目を表示項目2(例えば、ウォーニング)へ切り替える表示切替要因が発生してから、CPU1の計時部にて経過時間が所定時間に達したと判定されるまでの間(上述のステップS11からステップS17でYES判定されるまでの間)に、前回判定された表示領域Aと同じ表示領域Aにおいて項目の切り替えが行われると判定された場合(つまり、表示領域Aに表示する項目を表示項目3(例えば、平均車速)へ切り替える表示切替要因が発生した場合)、今回判定された表示項目3への切り替えを行わないようにしてもよい。
上述のように、経過時間の計時が開始されてから経過時間が所定時間に達したと判定されるまでの間は、項目の切り替えが行われる表示領域は光源の輝度が下げられている。従って、このような場合、ユーザーは、項目を切り替えるために切替スイッチ9を操作したにもかかわらず、項目が表示されないため切替スイッチ9を再度操作(つまり誤操作する)する可能性がある。そこで、このすることによって、不必要に項目の切り替えが増えることを抑制することができる。
次に、図12〜14に基づいて、変形例6の液晶表示装置10に関して説明する。
上述のように、液晶画面は、温度により、表示の切替り応答時間(表示に残像がのこらない時間、つまり残像時間)が変わるものである。つまり、液晶画面の残像時間は、温度に依存するものである。具体的には、温度が高くなるに連れて残像時間は短くなり、低くなるに連れて残像時間は長くなる。なお、この温度とは、液晶画面の温度である。
そこで、変形例6における液晶表示装置10においては、温度を取得して、この温度に基づいて待ち時間データの値を変えるものである。つまり、取得した温度に基づいて待ち時間データの値(所定時間)を設定するものである。
図12に示すように、変形例6における液晶表示装置10は、上述の実施の形態(図1)における液晶表示装置10に対して、温度検知部60aに接続されたI/F(interface)60a1、温度検知I/F(interface)60bを追加した構成を有するものである。なお、液晶表示装置10は、I/F60a1と、温度検知I/F60bのいずれか一方を備えていれば、本発明の目的は達成できるものである。
I/F60a1に接続された温度検知部60aは、液晶表示装置10の周辺に設けられるものであり、液晶表示装置10の外部の温度(雰囲気温度)を検知して、その温度を示す温度信号をI/F60a1に出力するものである。そして、I/F60a1は、温度検知部60aから出力された温度信号を液晶画面の温度に変換(換算)して、変換後の温度を示す温度信号をCPU1に出力する。なお、CPU1が温度検知部60aから出力された温度信号を液晶画面の温度に変換するようにしてもよい。また、温度検知部60aが検出した温度を液晶画面の温度に変換してI/F60a1に出力するようにしてもよい。
一方、温度検知I/F60bは、液晶表示装置10の内部における表示器7の周辺に設けられるものであり、表示器7の液晶画面(液晶パネル)の温度を検知して、その温度を示す温度信号をCPU1に出力するものである。温度検知I/F60bは、所謂温度センサである。なお、ここでは、この温度検知部60aや温度検知I/F60bが出力する温度信号が示す温度を、表示器7の液晶画面(液晶パネル)の温度とみなす。
このように、CPU1は、温度検知部60aもしくは温度検知I/F60bから温度信号を取得する。つまり、CPU1は、温度検知部60aもしくは温度検知I/F60bから温度信号を取得することによって、表示器7の液晶画面(液晶パネル)の温度を取得する(温度取得手段)。なお、上述のように、液晶画面の温度としては、液晶画面の温度を直接検出した値(温度検知I/F60bで検出された値)、又は、液晶表示装置10の雰囲気温度から換算した値(温度検知部60aで検出されて液晶画面の温度に換算された値)を採用することができる。
また、記憶部6には、図13に示すように、温度と液晶画面の残像時間(残像時間とは、残像を表示してしまう時間であり、残像表示時間とも称する)とが関連付けられた温度特性テーブルを予め記憶しておく(記憶手段)。換言すると、記憶部6には、温度と液晶画面の残像時間との関係をパラメータとして予め記憶しておく(記憶手段)。例えば、温度と液晶画面の残像時間との関係をパラメータとして数点、記憶部6に記憶しておく。ここでは、使用温度上限A、常温B、使用温度下限Cと、各温度における残像時間とを記憶しておく例を採用する。
なお、使用温度とは、液晶表示装置10を使用する際に想定される液晶画面の雰囲気温度である。そして、使用温度上限は、液晶表示装置10を使用する際に想定される液晶画面の雰囲気温度の範囲(使用温度範囲)の上限値(最高温度)であり、使用温度下限は、液晶表示装置10を使用する際に想定される液晶画面の雰囲気温度の範囲(使用温度範囲)の下限値(最低温度)である。
ここで、変形例6における液晶表示装置10(CPU1)の処理動作に関して説明する。CPU1は、温度検知部60aもしくは温度検知I/F60bから温度信号を取得することによって、表示器7の液晶画面(液晶パネル)の温度を取得する(温度取得手段)。そして、CPU1は、取得した温度と、記憶部6に記憶された温度特性テーブルとに基づいて、待ち時間データの値(所定時間)を設定する(時間設定手段)。
より具体的には、CPU1は、図13(b)に示すように、記憶部6に記憶された数点を補完して、取得した温度に適した残像時間を計算し、待ち時間データの値(所定時間)を決定(設定)する。
このように、変形例6における液晶表示装置10は、取得した温度と、記憶部6に記憶された温度特性テーブルとに基づいて、待ち時間データの値(所定時間)を設定するようにしてもよい。
このようにすることによって、残像を抑制するのに適した時間(所定時間)を設定することができ、より一層残像を見えにくくすることができる。
なお、ここでは、使用温度上限A、常温B、使用温度下限Cと、各温度に対応した残像時間Tmin、Ttyp、Tmaxとを記憶しておく例を採用しているが、本発明はこれに限定されるものではない。使用温度上限Aと使用温度下限Cとの範囲における多数の温度と、各温度に対応する多数の残像時間を予め記憶部6に記憶しておくようにしてもよい。
また、ここでは、温度特性テーブルを用いる例を採用したが、本発明はこれに限定されるものではない。取得した温度に基づいて待ち時間データの値(所定時間)を設定するものであれば採用することができる。例えば、記憶部6に、温度と液晶画面の残像時間との関係を示す温度特性演算式を予め記憶しておく。そして、CPU1は、取得した温度と、記憶部6に記憶された温度特性演算式とに基づいて、所定時間を設定する(時間設定手段)。このようにしても、残像を抑制するのに適した時間(所定時間)を設定することができ、より一層残像を見えにくくすることができる。
また、このように、表示領域に表示する項目が切り替えられてから、光源の輝度を下げる前の輝度に戻し始めるまでの経過時間(所定時間)が変化すると、光源の輝度を下げ始めてから、光源の輝度が元に戻るまでの経過時間が変化する。つまり、状態B、状態C、状態Dの合計時間が変化する。具体的には、常温時のタイムチャートを示す図14(a)と、常温よりも温度が高い時のタイムチャートを示す図14(b)と、常温よりも温度が低い時のタイムチャートを示す図14(c)とを比べると明らかなように、この合計時間は、温度が高くなると短くなくり、温度が低くなると長くなる。このように状態B、状態C、状態Dの合計時間が変化すると、ユーザーが違和感を持つ可能性がある。
そこで、状態B、状態C、状態Dの合計時間が常に一定になるようにすると好ましい。この場合、CPU1は、光源A8a又は光源B8bの輝度を所定の第1目標値まで下げるのに要する時間、及び、光源A8a又は光源B8bの輝度を下げる前の輝度(第2目標値)に戻すのに要する時間の少なくとも一方を、待ち時間データの値(所定時間)に応じて変更するように駆動信号を出力するようにする(時間変更手段)。そして、CPU1は、待ち時間データの値(所定時間)と、光源A8a又は光源B8bの輝度を所定の第1目標値まで下げるのに要する時間と、光源A8a又は光源B8bの輝度を下げる前の輝度(第2目標値)に戻すのに要する時間との合計時間が常に一定となるように、光源A8a又は光源B8bの輝度を第1目標値まで下げるのに要する時間、及び、光源A8a又は光源B8bの輝度を下げる前の輝度に戻すのに要する時間の少なくとも一方を変更する(時間変更手段)。
例えば、図14(b)に示すように、常温よりも温度が高い時は、待ち時間データの値(所定時間)が常温時よりも短くなる。よって、光源A8a又は光源B8bの輝度を第1目標値まで下げるのに要する時間、及び、光源A8a又は光源B8bの輝度を下げる前の輝度に戻すのに要する時間の少なくとも一方を長くなるように変更して、合計時間を常温時と一致させる。一方、図14(c)に示すように、常温よりも温度が低い時は、待ち時間データの値(所定時間)が常温時よりも長くなる。よって、光源A8a又は光源B8bの輝度を第1目標値まで下げるのに要する時間、及び、光源A8a又は光源B8bの輝度を下げる前の輝度に戻すのに要する時間の少なくとも一方を短くなるように変更して、合計時間を常温時と一致させる。
このようにすることによって、光源の輝度を下げ始めてから、光源の輝度が元に戻るまでの経過時間は常に一定となるので、ユーザーが違和感を持つことを抑制することができる。
なお、上述のように、液晶画面の残像時間は、温度が低くなるに連れて長くなる。そこで、待ち時間データの値(所定時間)は、液晶表示装置10を使用する際に想定される液晶画面の雰囲気温度の範囲(使用温度範囲)の下限値(最低温度)に対応した残像時間(Tmax)に設定するようにしてもよい。この使用温度範囲の最低温度に対応した残像時間(Tmax)は、液晶表示装置10を使用する際に想定される最も長い残像時間である。よって、使用温度範囲の最低温度に対応した残像時間(Tmax)を待ち時間データの値(所定時間)として用いることで、より一層残像を見えにくくすることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変形が可能である。