JP2012008199A - 表示制御装置、表示システム及び表示制御方法 - Google Patents

表示制御装置、表示システム及び表示制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表示装置に表示する画像の明るさとバックライトの光量とが大きく乖離することを防止する。
【解決手段】車載表示システムでは、制御量導出部345が表示装置4に表示させる入力画像の明るさに基づいて光源制御量を導出し、導出された光源制御量を時間フィルタ346が時間軸方向において平滑化する。そして、時間フィルタ346の処理結果に直近に導出された光源制御量を反映させる程度である係数αは、入力画像のサイズが小さいほど高く設定される。このため、入力画像のサイズが比較的小さいことで、光源制御量(導出値)の導出時間が比較的長くなるような場合においても、バックライト42の光源の光量の調整に用いる光源制御量(使用値)に直近に導出された光源制御量(導出値)が速やかに反映される。その結果、表示装置に表示する画像の明るさとバックライト42の光量とが大きく乖離することを防止できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、表示装置の画面を照明するバックライトを制御する技術に関する。
液晶パネルを用いる表示装置は、通常、バックライトを用いて画面を背面から照明している。表示装置は、バックライトからの光の透過率を画素ごとに変更することで各種内容の表示を実現する。このようなバックライトは、液晶パネルの画面全体を一律の光量で照明することが一般的である。
これに対して、液晶パネルの画面を複数の光源で照明可能にバックライトを構成し、画面に表示される画像における明るさの分布に応じて、各領域に対応する光源の光量を調整する表示制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。具体的には、画像中の明るい領域に対応する光源の光量を比較的大きくし、暗い領域に対応する光源の光量を比較的小さくする。この技術を採用すれば、画面全体を一律の光量で照明した場合と比較して消費電力を有効に低減できる。
特開平3−71111号公報
上記のように画像の明るさに応じてバックライトの光量の調整を行う場合は、まず、光源の光量を規定するための光源制御量を入力画像に基づいて導出する。次に、画面上のちらつきを防止するため、導出された光源制御量を時間フィルタに通し、時間軸方向において光源制御量を平滑化する。すなわち、時間フィルタによって光源制御量の急激な変化を緩和する。そして、この時間フィルタの演算結果である光源制御量に基づいて、バックライトの光源の光量を調整することになる。
入力画像に基づいて光源制御量を導出するためには、複数回の演算が必要となる。光源制御量の導出に必要な演算回数は一定ではなく、処理の対象とする入力画像の内容等によって異なる。
ところで、光源制御量を導出する複数回の演算のタイミングの基準として、入力画像の一画素ごとの表示タイミングを示すクロック(CLK)を利用する構成が考えられる。このように構成した場合、入力画像のサイズによって、光源制御量の導出時間が異なってくる。これは、入力画像の1フレーム分の期間(入力画像の入力周期)におけるクロック数は、入力画像のサイズに応じて異なるためである。
光源制御量を導出する演算のタイミングの基準にクロックを利用した場合、1フレーム分の期間におけるクロック数は、同期間における演算を実行可能な回数に相当する。したがって、入力画像のサイズが小さいほど、1フレーム分の期間におけるクロック数が少なくなるため、同期間における演算を実行可能な回数が少なくなる。1フレーム分の期間(入力画像の入力周期)は、フレームレート(リフレッシュレート)(例えば、60Hz)の逆数に相当し、通常は表示装置によって一定(例えば、1/60秒)となる。したがって、入力画像のサイズが小さいほど、1フレーム分の期間内に光源制御量の導出が完了せずに光源制御量の導出時間が長くなる可能性が高くなる。
このように光源制御量の導出時間が長くなる場合においては、その間は時間フィルタの演算を実行できなくなる。このため、光源制御量の導出中は、時間フィルタの直近の演算結果である光源制御量が、そのまま継続してバックライトの光源の光量の調整に用いられる。また、光源制御量の導出の完了後においても、時間フィルタの演算結果は、数フレーム前に導出された過去の光源制御量の影響を受けることになる。その結果、光源制御量の導出中や導出後において、実際に表示装置に表示される画像の明るさとバックライトの光量とが大きく乖離してしまい、不自然な表示がなされる可能性がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、入力画像のサイズに起因して制御量の導出時間が長くなるような場合においても、表示装置に表示する画像の明るさとバックライトの光量とが大きく乖離することを防止できる表示制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、表示装置の画面を少なくとも1つの光源で照明するバックライトを制御する表示制御装置であって、前記表示装置に表示させる入力画像の明るさに基づいて、前記入力画像の一画素に対応するクロックごとの演算を繰り返すことにより前記バックライトの光源の光量を規定する制御量を導出する導出手段と、前記導出手段に導出された制御量を、時間軸方向において平滑化する平滑化処理を実行する平滑化手段と、前記平滑化手段による処理結果に基づいて、前記光源の光量を調整する調整手段と、前記入力画像のサイズを判定する判定手段と、前記入力画像の前記サイズに応じて、前記平滑化手段の処理結果に直近に導出された制御量を反映させる程度を変更する処理変更手段と、を備えている。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の表示制御装置において、前記処理変更手段は、前記入力画像のサイズが小さいほど、前記平滑化手段の処理結果に直近に導出された制御量を反映させる程度を高くする。
また、請求項3の発明は、請求項1または2に記載の表示制御装置において、前記平滑化手段は、前記平滑化処理を前記入力画像の入力周期で実行し、前記平滑化処理の実行時点において前記導出手段による前記制御量の導出が完了していない場合は、前記導出手段によって過去に導出済の前記制御量を用いて前記平滑化処理を実行する。
また、請求項4の発明は、表示システムであって、請求項1ないし3のいずれかに記載の表示制御装置と、前記表示制御装置から出力される画像を表示する表示装置と、を備えている。
また、請求項5の発明は、表示装置の画面を少なくとも1つの光源で照明するバックライトを制御する表示制御方法であって、(a)前記表示装置に表示させる入力画像の明るさに基づいて、前記入力画像の一画素に対応するクロックごとの演算を繰り返すことにより前記バックライトの光源の光量を規定する制御量を導出する工程と、(b)前記(a)工程で導出された制御量を、時間軸方向において平滑化する平滑化処理を実行する工程と、(c)前記(b)工程による処理結果に基づいて、前記光源の光量を調整する工程と、(d)前記入力画像のサイズを判定する工程と、(e)前記入力画像の前記サイズに応じて、前記(b)工程の処理結果に直近に導出された制御量を反映させる程度を変更する工程と、を備えている。
請求項1ないし5の発明によれば、入力画像のサイズに応じて、平滑化手段の処理結果に直近に導出された制御量を反映させる程度を変更する。このため、入力画像のサイズに起因して制御量の導出時間が長くなるような場合においても、導出された制御量を速やかに実際の制御に反映させることができる。その結果、表示装置に表示する画像の明るさとバックライトの光量とが大きく乖離することを防止できる。
また、特に請求項2の発明によれば、入力画像のサイズが比較的小さいことで、入力画像の入力周期ごとの演算回数が少なくなって制御量の導出時間が長くなるような場合においても、導出された制御量を速やかに実際の制御に反映させることができる。
また、特に請求項3の発明によれば、平滑化処理の実行時点において制御量の導出が完了していない場合は、過去に導出済の制御量に基づいて平滑化処理を実行し、その処理結果に基づいて光源の光量を調整する。このため、制御量の導出中においても適切な制御量で光源の光量を調整できる。
図1は、車載表示システムの構成を示すブロック図である。 図2は、表示装置の構成の一例を示す分解斜視図である。 図3は、画像補正部及びバックライト制御部の機能構成を示す図である。 図4は、電力低減処理の概要を説明する図である。 図5は、輝度分布データを示す図である。 図6は、光源制御量を調整する処理の例を説明する図である。 図7は、水平同期信号と他の制御信号との関係を示す図である。 図8は、垂直同期信号と他の制御信号との関係を示す図である。 図9は、判定テーブルの一例を示す図である。 図10は、サムネイル画像を生成する処理の一例を示す図である。 図11は、第1の実施の形態の時間フィルタの構成を示す図である。 図12は、入力画像の画像形式の判定に係る処理の流れを示す図である。 図13は、光源制御量の導出に係る処理の流れを示す図である。 図14は、第1の実施の形態の時間フィルタの処理の流れを示す図である。 図15は、光源制御量の変化の一例を示すタイムチャートである。 図16は、光源制御量の変化の一例を示すタイムチャートである。 図17は、光源制御量の変化の一例を示すタイムチャートである。 図18は、第2の実施の形態の時間フィルタの構成を示す図である。 図19は、第2の実施の形態の時間フィルタの処理の流れを示す図である。 図20は、光源制御量の変化の一例を示すタイムチャートである。 図21は、サムネイル画像を生成する処理の他の一例を示す図である。 図22は、表示装置の構成の他の一例を示す図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
<1.第1の実施の形態>
<1−1.構成>
図1は、本実施の形態の車載表示システム1の構成を示すブロック図である。車載表示システム1は、例えば、自動車などの車両用のナビゲーションシステムとして構成されており、車両に搭載されて各種の画像を車室内のユーザに表示する機能を有している。例えば、車載表示システム1は、ナビゲーション案内用の地図画像の他、アンテナ91で受信したテレビジョン放送信号に基づく画像、車両に設けられる車載カメラ92で撮影された車両の周辺を示す車両周辺画像、及び、DVDなどの映像ディスク93を読み取った画像などを表示可能となっている。
図1に示すように、車載表示システム1は、各種の表示が可能な表示装置4と、表示装置4の表示を制御する表示制御装置3と、表示装置4に表示するための映像ソースを提供する映像提供部2とを備えている。
さらに、車載表示システム1は、システム全体を制御するシステム制御部10を備えている。システム制御部10は、CPU、RAM及びROMなどを備えたマイクロコンピュータで構成される。システム制御部10のCPUが所定のプログラムに従って演算処理を行うことで、システム全体を制御するための各種の制御機能が実現される。システム制御部10は、映像提供部2、表示制御装置3及び表示装置4の動作を統括的に制御する。
表示装置4は、画像を表示する液晶パネル41と、その液晶パネル41の画面を照明するバックライト42とを備えている。この表示装置4の液晶パネル41の画面がユーザである車両の乗員から視認できるように、車載表示システム1は車両のインストルメントパネルなどに設置される。
図2は、表示装置4の構成の概要を示す分解斜視図である。液晶パネル41の画面43は、例えば、縦横の二次元に配列された複数の画素で構成されている。バックライト42は、このような液晶パネル41の画面43を背面から照明する。液晶パネル41は、このバックライト42からの光の透過率を画素ごとに変更することで、各種内容の表示を実現する。
バックライト42は、LED(Light Emitting Diode)などで構成される複数(本実施の形態では、例えば12個)の光源44を備えている。これら複数の光源44は、画面43の下辺に対応する位置の近傍に、画面43の横方向に沿って一列に並べて配置されている。各光源44の光軸44aは画面43の縦方向に沿っており、各光源44は画面43の上辺に対応する位置に向けて発光する。また、液晶パネル41の画面43は、横方向に光源44と同数の複数の区分領域43aに区分される。複数の光源44は、複数の区分領域43aにそれぞれ対応している。換言すれば、複数の光源44は、画面43に表示する画像を横方向に区分した複数の領域にそれぞれ対応しているとも言える。各光源44は、液晶パネル41の画面43の対応する区分領域43aの照明を主に担うことになる。
また、バックライト42には、各光源44に対応してドライバ(図示省略)が設けられている。ドライバは、対応する光源44が発光する光量を変更することが可能となっている。したがって、複数の光源44は、互いに独立した光量で発光することが可能である。ドライバは、PWM(Pulse Width Modulation)信号を受信し、対応する光源44の光量をPWM信号が示すデューティ比に応じた光量にする。すなわち、デューティ比が高いほど光量を大きくし、デューティ比が低いほど光量を小さくする。したがって、バックライト42は、液晶パネル41の画面43を、領域に応じて異なる光量で照明可能である。
図1に戻り、映像提供部2は、放送受信部21、カメラ入力部22、ディスク読取部23、及び、ナビゲーション部24を備えている。これらの映像提供部2の各部21,22,23,24から出力される画像は、同期信号などの各種の制御信号とともに入力画像として表示制御装置3に入力される。一つの垂直同期信号ごとに一つの入力画像が表示制御装置3に入力される。このため、時間的に連続して所定の入力周期で入力画像が表示制御装置3に入力されることになる。この入力画像の入力周期は、表示装置4のフレームレート(リフレッシュレート)の逆数に相当する。本実施の形態では、例えば、表示装置4のフレームレートは60Hzであり、入力画像の入力周期は1/60秒である。
入力画像のサイズは、WVGA、EGA等の画像の縦横画素数を示す画像形式によって表すことができる。映像提供部2から入力される入力画像の画像形式は、通常、表示装置4の画面43の縦横画素数を示す画面解像度に合わせたものに映像提供部2において調整される。例えば、表示装置4の画面解像度がWVGA(横800×縦480画素)である場合は、入力画像の画像形式もWVGAとなる。また、表示装置4の画面解像度がEGA(横400×縦234画素)である場合は、入力画像の画像形式もEGAとなる。
入力画像は表示制御装置3において所定の処理が施された後に、表示制御装置3から各種の制御信号とともに所定の周期(例えば、1/60秒)で連続して出力される。これにより、表示装置4においては、時間的に連続する複数の画像が動画像として表示される。
放送受信部21は、車両に搭載されたアンテナ91で受信したテレビジョン放送やデータ放送などの放送信号をデコードし、その放送内容を示す画像を取得して表示制御装置3に出力する。
カメラ入力部22は、車載カメラ92と接続され、車載カメラ92で撮影された車両の周辺を示す画像を取得して表示制御装置3に出力する。
ディスク読取部23は、DVDなどの映像ディスク93の読取装置として構成され、映像ディスク93の記録内容を示す画像を取得して表示制御装置3に出力する。
また、ナビゲーション部24は、ナビゲーション案内のための機能を集約した電子基板として構成されている。ナビゲーション部24は、ナビゲーション案内用の地図画像などを表示制御装置3に出力する。
表示制御装置3は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)として構成され、表示対象となる入力画像を処理する機能とともに、バックライト42の動作を制御する機能を有している。
図1に示すように、表示制御装置3は、所定の機能を実現する機能部として、画像入力部31、画像補正部33、及び、バックライト制御部34を備えている。
画像入力部31は、映像提供部2の各部21,22,23,24から映像ソースとしての入力画像を入力する。画像入力部31は、システム制御部10からの指示に基づいてスイッチングを行って、映像提供部2から入力される4種類の映像ソースのいずれか一つを表示すべき対象として選択し、画像補正部33及びバックライト制御部34に供給する。
画像補正部33は、入力画像を増幅して増幅画像を生成し、増幅画像を表示装置4の液晶パネル41に出力して表示させる。また、バックライト制御部34は、入力画像の明るさに応じて表示装置4のバックライト42の複数の光源44の光量をそれぞれ調整する。
図3は、画像補正部33及びバックライト制御部34の機能構成を、より詳細に示す図である。図に示すように、画像補正部33は、画像増幅部331及び画像出力部332を備えている。また、バックライト制御部34は、画像形式判定部341、判定メモリ342、サムネイル生成部343、制御量導出部345、時間フィルタ346、及び、デューティ制御部348を備えている。以下、これらの機能の詳細について説明する。
<1−2.電力低減処理>
表示制御装置3は、表示装置4の消費電力を低減する電力低減処理を行うことが可能となっている。図3に示す構成のうち、バックライト制御部34の制御量導出部345はバックライト42の光量を抑制するための処理を行い、画像補正部33の画像増幅部331は入力画像の輝度を増幅する処理を行う。電力低減処理は主に、これらの制御量導出部345及び画像増幅部331の処理により実現される。図4は、この電力低減処理の概要を説明する図である。
制御量導出部345は、バックライト42の複数の光源44の光量をそれぞれ規定する複数の光源制御量を導出する(処理P1)。制御量導出部345は、一つの光源44に対して一つの光源制御量を導出するため、光源44の数と同数(本実施の形態では、例えば12個)の光源制御量を導出する。この光源制御量は、光源44が発光すべき光量を最大光量に対する比率(%)で示している。
制御量導出部345は、入力画像G1の明るさを示す輝度の分布に基づいて光源44の光源制御量を導出する。具体的には、入力画像G1において、輝度が比較的大きい領域に対応する光源44の光源制御量は比較的大きく設定され、逆に、輝度が比較的小さい領域に対応する光源44の光源制御量は比較的小さく設定される。この光源制御量を導出する具体的手法については後述する。
このように導出された光源制御量は、時間フィルタ346にて所定の処理がなされた後、デューティ制御部348、及び、画像補正部33の画像増幅部331に入力される。
デューティ制御部348に入力された光源制御量は、PWM信号のデューティ比として利用される。デューティ制御部348は、このデューティ比を設定したPWM信号を、バックライト42の各光源44のドライバに送信する(処理P2)。
これにより、バックライト42においては、複数の光源44の光量が個別に調整される。すなわち、入力画像G1の輝度が大きい領域に対応する光源44の光量は小さく抑制され、光量は比較的大きくなる。逆に、入力画像G1の輝度が小さい領域に対応する光源44の光量は大きく抑制され、光量は比較的小さくなる。このように、バックライト42の光量を抑制することで、バックライト42の全ての光源44を一律に最大光量(100%の光量)で発光する場合と比較して消費電力が低減される。なお、図4中において、バックライト42において光量が比較的小さい部分については濃いハッチングを用い、光量が比較的大きい部分については薄いハッチングを用いている。
一方で、このようなバックライト42の光量を抑制した場合の視認上の影響を緩和するため、入力画像G1の画素値が増幅される。画像補正部33の画像増幅部331が、入力された光源制御量に応じて入力画像G1の画素値を増幅して、増幅画像G2を生成する(処理P3)。
具体的には、複数の光源44の光源制御量に基づいて、画面43上の入力画像G1を照明した場合におけるバックライト42の光量が、入力画像G1の各画素の位置ごとに導出される。そして、バックライト42の光量が比較的小さくなる位置の画素については増幅率が比較的大きく設定される。逆に、バックライト42の光量が比較的大きくなる位置の画素については増幅率が比較的小さく設定される。そして、設定された増幅率に基づいて、入力画像G1の各画素の画素値(RGB値または輝度値)が増幅され、増幅画像G2が生成される。生成された増幅画像G2は、画像出力部332から出力されて液晶パネル41に表示される。
このようなバックライト42の光量の調整と、増幅画像G2の液晶パネル41への表示とが同時になされることで、液晶パネル41の画面43においてユーザが観察する観察画像G3は自然なものとなる。これは、バックライト42の光量の抑制による視認性への影響が、画像の画素値の増幅によって相殺されるためである。その結果、観察画像G3を自然としながらも、消費電力を有効に低減できることになる。
<1−3.光源制御量の導出>
次に、制御量導出部345が、入力画像の輝度の分布に基づいて、複数の光源44それぞれの光源制御量を導出する手法(図4の処理P1)について説明する。制御量導出部345は、各光源44の特性を示すデータを記憶するメモリを備えており、このデータを用いて光源制御量を導出する。
制御量導出部345のメモリには、図5に示すように、白一色の画像を液晶パネル41の画面43に表示した状態で一つの光源44のみを最大光量で発光させた場合での、画面43における輝度の分布を示す輝度分布データLTが記憶されている。輝度分布データLTは、画面43の各画素の位置に対応する複数の輝度値を含んでいる。このような輝度分布データLTが、各光源44ごとに準備され、メモリに記憶されている。
図5において左側に示す輝度分布データLTは、左端部に配置される光源44のみを発光させた場合の輝度の分布を示している。また、中央に示す輝度分布データLTは、略中央部に配置される光源44のみを発光させた場合の輝度の分布を示している。さらに、右側に示す輝度分布データLTは右端部に配置される光源44のみを発光させた場合の輝度の分布を示している。図中において、輝度が比較的小さい部分については濃いハッチングを用い、輝度が比較的大きい部分については薄いハッチングを用いている。図に示すように、発光する光源44から離れるほど、輝度が小さくなっている。
各光源44は単独で発光するわけではなく、実際には、複数の光源44それぞれが光源制御量で規定される光量で発光し、それらの光が画面43の各位置で合成されることになる。このため、実際のバックライト42の照明による画面43の各画素の位置での輝度(以下、「バックライト輝度」という。)LLは、次の数1で表現することができる。
Figure 2012008199
数1において、nは光源44を識別する番号(本実施の形態ではn=1〜12)、Mは光源44の数(本実施の形態ではM=12)、LD(n)はn番の光源44の輝度分布データLTが示す当該画素の位置の輝度値、RATE(n)はn番の光源44の光源制御量をそれぞれ示している。制御量導出部345は、この数1で示されるバックライト輝度LLと、入力画像の輝度(以下、「画像輝度」という。)とを同一の画素の位置で比較することにより、各光源44の光源制御量(RATE(n))を決定する。
光源制御量の算出にあたって、制御量導出部345は、入力画像に含まれる一つの水平ラインごとに処理の対象とする。そして、処理の対象とする水平ラインにおける画像輝度と当該位置に対応するバックライト輝度とを比較し、画像輝度とバックライト輝度とが略一致するように光源制御量を調整する。
図6は、一つの水平ラインを処理対象にして光源制御量を調整する処理の例を説明する図である。図中の横軸は処理対象とする水平ラインにおける画素の位置を示し、縦軸は輝度を示している。
まず、水平ラインにおいて、画像輝度PLとバックライト輝度LLとの差が最も大きくなる画素の位置が判断される。図中に示す状態ST1においては、位置Px1において画像輝度PLとバックライト輝度LLとの差が最も大きくなる。このため、この位置Px1に対応する光源44の光源制御量が所定値(例えば5(%))だけ減少される。これにより、位置Px1の近傍においてバックライト輝度LLが減少する(状態ST2)。
次に、状態ST2においては、位置Px2において画像輝度PLとバックライト輝度LLとの差が最も大きくなる。このため、この位置Px2に対応する光源44の光源制御量が所定値だけ減少され、位置Px2の近傍においてバックライト輝度LLが減少する(状態ST3)。
その後も同様に、画像輝度PLとバックライト輝度LLとの差が最も大きくなる画素の位置が判断され、この位置に対応する光源44の光源制御量が所定値(例えば5(%))だけ減少される。このような演算が繰り返され、最終的に、注目する水平ラインにおいて、画像輝度PLとバックライト輝度LLとが略一致することになる(状態ST4)。
なお、図6に示す処理の例では、バックライト輝度LLの初期値が画像輝度PLよりも大きい場合の例について説明した。これに対して、バックライト輝度LLの初期値が画像輝度PLよりも小さい場合は、画像輝度PLとバックライト輝度LLとの差が最も大きい位置に対応する光源44の光源制御量が所定値だけ増加されることになる。
制御量導出部345は、このような水平ラインごとの処理を、入力画像に含まれる水平ラインの最下段から最上段にかけて処理対象とする水平ラインを変更しながら実行する。処理対象とする水平ラインを変更する際には、前の水平ラインで調整された光源制御量が、次の水平ラインの処理における初期値として利用される。そして、入力画像に含まれる水平ラインの最上段に関する処理が終了したときの光源制御量が、制御に用いる光源制御量とされることになる。
このように制御量導出部345が光源制御量を導出する際には、輝度差が最大の画素の位置に対応する光源制御量を増減する演算(以下、「増減演算」という。)を繰り返し実行する。この増減演算を実行するタイミングの基準としては、入力画像の一画素ごとの表示タイミングを示すクロック(CLK)が利用される。
制御量導出部345が一の入力画像に基づいて光源制御量の導出が完了するまでに必要となる増減演算の回数は、対象とする入力画像の内容(輝度の分布の状態)に応じて異なる。したがって、一の入力画像に基づいて光源制御量の導出が完了するまでの時間は、毎回異なることになる。制御量導出部345は、光源制御量の導出処理が完了したとき、導出した光源制御量とともに、導出処理が完了したことを示す完了信号を、垂直同期信号のタイミングに合わせて時間フィルタ346に出力する(図3参照。)。
<1−4.サムネイル画像の生成>
上記のように、制御量導出部345による光源制御量の導出に際しては、画像輝度とバックライト輝度とを同一の画素の位置で比較する演算があることなどから、入力画像の画像形式を考慮した処理が必要となる。
本実施の形態の表示制御装置3では、想定される各種の画像形式の入力画像から光源制御量を適切に導出するために、入力画像から縦横画素数が一定のサムネイル画像を生成する。そして、生成したサムネイル画像を用いて光源制御量を導出するようになっている。生成されるサムネイル画像の縦横画素数は、入力画像の縦横画素数(すなわち、表示装置4の画面43の縦横画素数)より小さくされ、入力画像の画像形式に係わらず一定とされる。すなわち、入力画像がWVGAであってもEGAであっても、それよりも小さな一定サイズのサムネイル画像が生成される。そして、そのサムネイル画像のサイズに適合した導出処理で光源制御量が導出される。輝度分布データLTに関してもサムネイル画像のサイズに合わせたものが予め準備される。これにより、本実施の形態の表示制御装置3では、入力画像の画像形式に係わらず光源制御量を適切に導出できるようになっている。
このようなサムネイル画像の生成処理は主に、画像形式判定部341及びサムネイル生成部343(図3参照。)によって実現される。画像形式判定部341は、入力画像の画像形式(すなわち、入力画像のサイズ)を判定し、その判定結果をサムネイル生成部343に入力する。サムネイル生成部343は、画像形式の判定結果に基づいて、入力画像から縦横画素数が一定のサムネイル画像を生成する。本実施の形態では、例えば、横128×縦32画素のサムネイル画像が生成される。
画像形式判定部341は、入力画像の画像形式を判定するために、入力画像とともに表示制御装置3に入力される制御信号を利用する。制御信号は、画像入力部31から画像形式判定部341に入力される。制御信号には、垂直同期信号(VSYNC)、水平同期信号(HSYNC)、データイネーブル信号(DE)、及び、クロック(CLK)などが含まれる。画像形式判定部341は、画像形式の判定に際して、まず、制御信号に基づいて入力画像の横画素数と縦画素数とを導出する。
図7は、水平同期信号(HSYNC)と他の制御信号との関係を示す図である。水平同期信号(HSYNC)は所定周期で”L”となる信号であり、入力画像の一つの水平ラインの入力タイミングを示している。図に示すように、水平同期信号(HSYNC)が”L”となる周期である水平同期間隔HWは、画像の表示前のブランク期間Haと、画像を表示する表示期間Hbと、画像の表示後のブランク期間Hcとを合わせた期間となる。表示期間Hb中において一つの水平ラインが表示されることになる。
この表示期間Hbにおいては、データイネーブル信号(DE)が”H”となり、それ以外のブランク期間Ha,Hcはデータイネーブル信号(DE)は”L”となる。また、前述のようにクロック(CLK)は、一つの画素を表示するタイミングを示す周期的なパルス信号である。このため、データイネーブル信号(DE)に基づいて表示期間Hbを検出し、この表示期間Hbに含まれるクロックの数(パルス数)をカウントすることで一つの水平ラインに含まれる画素数、すなわち、入力画像の横画素数を求めることができる。画像形式判定部341は、このような原理によって入力画像の横画素数を導出する。なお、図7に示すように、クロック(CLK)は、ブランク期間(データイネーブル信号(DE)が”L”の期間)においても継続する信号である。
図8は、垂直同期信号(VSYNC)と他の制御信号との関係を示す図である。垂直同期信号(VSYNC)は所定周期で”L”となる信号であり、一つの入力画像の入力タイミングを示している。図に示すように、垂直同期信号(VSYNC)が”L”となる周期である垂直同期間隔VWは、画像の表示前のブランク期間Vaと、画像を表示する表示期間Vbと、画像の表示後のブランク期間Vcとを合わせた期間となる。表示期間Vb中において一つの入力画像の全体が表示されることになる。
この表示期間Vbにおいては、データイネーブル信号(DE)が繰り返し”H”となり、それ以外のブランク期間Va,Vcはデータイネーブル信号(DE)は継続的に”L”となる。垂直同期信号(VSYNC)の一周期においてデータイネーブル信号(DE)が”H”となる数は、水平ラインの数に一致する。したがって、垂直同期信号(VSYNC)の一周期において、データイネーブル信号(DE)が”H”となる数をカウントすることで水平ラインの数、すなわち、入力画像の縦画素数を求めることができる。画像形式判定部341は、このような原理によって入力画像の縦画素数を導出する。
このようにして画像形式判定部341が、入力画像の横画素数と縦画素数とを導出すると、横画素数と縦画素数とに基づいて画像形式が判定される。この判定の際には、判定メモリ342に記憶された判定テーブルが参照される。この判定テーブルは、判定メモリ342に所定の信号を送信することで書き換え可能となっている。
図9は、判定テーブルTの一例を示す図である。この判定テーブルTは、画像形式判定部341が判定可能な画像形式を示しており、複数の画像形式が登録されている。図の例では、WVGA(横800×縦480画素)、及び、EGA(横400×縦234画素)の2つの画像形式が判定テーブルTに登録されている。判定テーブルTにおいては、各画像形式に対して「横画素数」「縦画素数」「水平係数」及び「垂直係数」の値が対応付けられている。これらの値のうち、「水平係数」及び「垂直係数」は、サムネイル画像の生成に用いられる生成係数となる。
画像形式判定部341は、導出した入力画像の横画素数及び縦画素数の組合せと、この判定テーブルTに登録されている画像形式の横画素数及び縦画素数の組合せとを比較することにより、入力画像の画像形式を判定することができる。ただし、導出した入力画像の横画素数及び縦画素数の組合せが、判定テーブルTに登録されている画像形式のいずれにも該当しない場合は、画像形式判定部341は画像形式を判定できない。画像形式判定部341は、画像形式が判定できた場合は判定可信号を、画像形式が判定できない場合は判定不可信号をそれぞれ表示制御装置3の各部へ出力する。
また、画像形式が判定できた場合は、画像形式判定部341は、判定した画像形式の水平係数及び垂直係数を判定テーブルTから取得して、サムネイル生成部343(図3参照。)に出力する。これとともに、画像形式判定部341は、判定した画像形式を時間フィルタ346(図3参照。)に出力する。
サムネイル生成部343は、このようにして入力された生成係数(水平係数及び垂直係数)に基づいて、入力画像から一定サイズのサムネイル画像を生成する。
図10は、このサムネイル画像を生成する処理の概要を示す図である。サムネイル生成部343は、入力画像の画素を横方向及び縦方向の双方において間引くことで一定サイズのサムネイル画像を生成する。
画像の横方向に関しては、入力された水平係数(以下、記号Hmを用いる。)に基づいて入力画像の画素列を間引くことになる。ここで、水平係数Hmは、間引きによって残す画素列の間隔を示すものであり、次の数2で導出される値である。
Figure 2012008199
数2において、HPnは入力画像の横画素数、HPsはサムネイル画像の横画素数である。本実施の形態においては、サムネイル画像の横画素数HPsは128である。したがって、例えば、入力画像がWVGA(HPn=800)の場合は水平係数Hm=6.2992…であり、入力画像がEGA(HPn=400)の場合は水平係数Hm=3.1496…である。そして、入力画像において、この水平係数Hmを自然数倍して四捨五入した値の位置に配列された画素列を残し他の画素列を捨てることで、画像の横画素数を128とすることができる。
また、画像の縦方向に関しては、入力された垂直係数(以下、記号Vmを用いる。)に基づいて入力画像の水平ラインを間引くことになる。ここで、垂直係数Vmは、間引きによって残す水平ラインの間隔を示すものであり、次の数3で導出される値である。
Figure 2012008199
数3において、VPnは入力画像の縦画素数、VPsはサムネイル画像の縦画素数である。本実施の形態においては、サムネイル画像の縦画素数VPsは32である。したがって、例えば、入力画像がWVGA(VPn=480)の場合は垂直係数Vm=15.4838…であり、入力画像がEGA(VPn=234)の場合は垂直係数Vm=7.5483…である。そして、入力画像において、この垂直係数Vmを自然数倍して四捨五入した値の位置に配列された水平ラインを残し、他の水平ラインを捨てることで、画像の縦画素数を32とすることができる。
サムネイル生成部343は、このような処理によって、入力画像の画像形式に係わらず、横128×縦32画素となる一定サイズのサムネイル画像を生成できる。生成されたサムネイル画像は、制御量導出部345による光源制御量の導出処理に用いられることになる。
<1−5.時間フィルタの構成>
次に、時間フィルタ346(図3参照。)について説明する。時間フィルタ346は、制御量導出部345に繰り返し導出される光源制御量を、時間軸方向において平滑化する演算を実行する。
制御量導出部345によって導出される光源制御量は入力画像の明るさに応じたものとなる。このため、入力画像の明るさにおいて急激な変化があるような場合は、制御量導出部345によって導出される光源制御量も急激に変化する。仮に、この制御量導出部345によって導出された光源制御量をそのまま光量の調整に用いた場合は、バックライトの光量が急激に変化して画面がちらついていると感じることになる。
このため、車載表示システム1では、制御量導出部345によって導出される光源制御量を時間フィルタ346に通し、その時間フィルタ346の演算結果である光源制御量をデューティ制御部348及び画像増幅部331に入力して、実際の制御(光量の調整や増幅画像の生成)に用いるようになっている。時間フィルタ346は、時間軸方向において光源制御量を平滑化することで、光源制御量の変化を緩和する。これにより、光源制御量の急激な変化が緩和され、画面のちらつきを防止できる。以下、時間フィルタ346に通す前の制御量導出部345に導出された光源制御量を「光源制御量(導出値)」ともいい、時間フィルタ346の演算結果である実際の制御に用いる光源制御量を「光源制御量(使用値)」ともいう。
図11は、時間フィルタ346の構成を示す図である。図11に示す構成の時間フィルタ346は、光源44の数と同数(すなわち、制御量導出部345によって導出される光源制御量の数と同数)用意される。各時間フィルタ346は一の光源44に対応しており、対応する光源44の光源制御量(導出値)に基づいて、対応する光源44の光源制御量(使用値)を演算により求める。
図に示すように、時間フィルタ346は、2つの増幅器51,54と、加算器52と、使用値メモリ53と、係数設定部55とを備えている。使用値メモリ53には制御量導出部345(図3参照。)から完了信号が入力され、係数設定部55には画像形式判定部341(図3参照。)から入力画像の画像形式が入力される。
増幅器51には、制御量導出部345によって直近に導出された光源制御量(導出値)が入力される。増幅器51では、光源制御量(導出値)に係数α(α<1)が乗算され、その結果は加算器52に出力される。
使用値メモリ53は、光源制御量(使用値)を記憶するためのメモリである。使用値メモリ53に記憶された光源制御量(使用値)は、増幅器54に入力される。増幅器54では、この光源制御量(使用値)に(1−α)が乗算され、その結果は加算器52に出力される。
2つの増幅器51,54の乗算結果は加算器52において加算される。これにより、加算器からは、次の数4で示されるZが出力される。
Figure 2012008199
数4において、Inは増幅器51に入力された光源制御量(導出値)であり、Zn−1は演算前に使用値メモリ53に記憶されていた光源制御量(使用値)である。導出されたZは、使用値メモリ53に新たに記憶されることになる。この使用値メモリ53に記憶されたZが、光源制御量(使用値)として実際の制御(光量の調整や増幅画像の生成)に用いられる。これとともに、使用値メモリ53に記憶されたZは、次の数4の演算におけるZn−1としても利用される。
時間フィルタ346は、このような数4に示す演算を繰り返すことにより、時間的に連続して導出される複数の光源制御量(導出値)を、時間軸方向において平滑化することになる。数4に示す時間フィルタ346の演算は、完了信号が使用値メモリ53に入力されるごとに実行される。
また、係数αは、係数設定部55によって設定される。数4に示すように、係数αは、時間フィルタ346の処理結果であるZに、直近に導出された光源制御量(導出値)Inを反映させる程度を示すものとなる。したがって、係数αが高いほど、光源制御量(使用値)は、直近に導出された光源制御量(導出値)の影響を受ける。すなわち、係数αが高いほど、光源制御量(導出値)の変化に合わせて、光源制御量(使用値)が敏感に変化することになる。係数設定部55は、画像形式判定部341から入力される入力画像の画像形式に応じて係数αを設定する。
<1−6.画像形式と光源制御量の導出時間との関係>
上述したように、制御量導出部345が光源制御量(導出値)を導出する増減演算のタイミングの基準としては、入力画像の一画素ごとの表示タイミングを示すクロック(CLK)が利用される。このようにクロック(CLK)を利用すると、入力画像のサイズ、すなわち、WVGA、EGA等の入力画像の画像形式によって光源制御量の導出時間が異なってくる。
入力画像の1フレーム分の期間(=入力画像の入力周期=垂直同期間隔VW(図8参照))におけるクロック(CLK)の数(以下、「総クロック数」という。)は、入力画像のサイズによって異なる。入力画像のサイズが小さいほど(入力画像の総画素数が少ないほど)、総クロック数は少なくなる。
例えば、WVGA(横800×縦480画素)の場合は、総クロック数は、1056(ドット)×525(ライン)=554,400となる。ここで(1056)は横画素数(800)にブランク期間Ha,Hcのクロック(CLK)の数(256)を加算した値であり、(525)は、縦画素数(480)にブランク期間Va,Vcの水平同期信号(HSYNC)の数(45)を加算した値である。
これに対し、例えば、EGA(横400×縦234画素)の総クロック数は、508(ドット)×262(ライン)=133,096となり、WVGAよりも少なくなる。ここで(508)は横画素数(400)にブランク期間Ha,Hcのクロック(CLK)の数(108)を加算した値であり、(262)は、縦画素数(234)にブランク期間Va,Vcの水平同期信号(HSYNC)の数(28)を加算した値である。
この総クロック数は、1フレーム分の期間内において増減演算を実行可能な回数に相当する。入力画像のサイズが小さいほど総クロック数は少なくなることから、入力画像のサイズが小さいほど1フレーム分の期間内に増減演算を実行可能な回数が少なくなる。また、上述のように、1フレーム分の期間(入力画像の入力周期)は入力画像の画像形式に係わらず一定(本実施の形態では1/60秒)であり、制御量導出部345が光源制御量の導出処理に用いるサムネイル画像のサイズは入力画像の画像形式に係わらず一定である。
したがって、仮に同一内容の入力画像に関して光源制御量を導出した場合には、入力画像のサイズが小さいほど光源制御量の導出時間が長くなる。つまり、WVGAとEGAとでは、サイズが小さいEGAの方が光源制御量の導出時間が長くなることになる。このため、通常、光源制御量の導出時間は1フレーム分の期間以内となるが、EGAの場合には、光源制御量の導出時間が長くなって1フレーム分の期間以上となる可能性が高くなる。
光源制御量(導出値)の導出中においては制御量導出部345から完了信号が時間フィルタ346に入力されないことから、時間フィルタ346の演算が実行されない。時間フィルタ346は、制御量導出部345による光源制御量(導出値)の導出が完了するまで演算を待機し、光源制御量(導出値)の導出が完了して完了信号が入力されると、その導出された光源制御量(導出値)に基づいて数4の演算を実行する。
入力画像のサイズなどに起因して光源制御量(導出値)の導出時間が1フレーム分の期間以上に長くなった場合においては、その後の時間フィルタ346の演算結果である光源制御量(使用値)は数フレーム前に導出された過去の光源制御量(導出値)の影響を受けることになる。したがって、実際の制御に用いる光源制御量(使用値)が、実際に表示装置4に表示される画像の明るさと大きく乖離し、不自然な表示がなされる可能性がある。
これを解消するため、本実施の形態の車載表示システム1においては、時間フィルタ346の係数設定部55が入力画像の画像形式に応じて係数αを設定するようになっている。具体的には、係数設定部55は、入力画像の画像形式が示すサイズが小さいほど係数αを高くする。例えば、入力画像の画像形式がWVGAであれば係数αは基準値である0.1に設定される。これに対して、入力画像の画像形式がEGAであれば係数αは基準値の2倍の0.2に設定される。
このようにすれば、入力画像のサイズに起因して光源制御量(導出値)の導出時間が比較的長くなるような場合においても、導出された光源制御量(導出値)を速やかに実際の制御に用いる光源制御量(使用値)に反映させることができる。その結果、表示装置4に表示する画像の明るさとバックライトの光量とが大きく乖離することを防止できることになる。
画像形式と係数との関係は予め対応付けられ、テーブルデータに記憶される。このテーブルデータは、係数設定部55が備えるメモリに記憶される。このテーブルデータの内容は、係数設定部55のメモリに所定の信号を送信することで書き換え可能となっている。
<1−7.処理の流れ>
次に、車載表示システム1の処理の流れについて説明する。図12は主に、画像形式判定部341による入力画像の画像形式の判定に係る処理の流れを示す図である。また、図13は主に、サムネイル生成部343及び制御量導出部345による光源制御量(導出値)の導出に係る処理の流れを示す図である。さらに、図14は、時間フィルタ346の処理の流れを示す図である。
まず、図12に示す入力画像の画像形式の判定に係る処理から説明する。入力画像の画像形式の判定は、車載表示システム1の起動時と、映像ソースの切り替えにより入力画像の種類が変更される場合とに実行される。
車載表示システム1が起動すると、まず、表示装置4に表示する入力画像の画像形式が、制御信号と判定テーブルTとに基づいて画像形式判定部341により判定される(ステップS11)。
入力画像の画像形式が判定できた場合は(ステップS12にてYes)、画像形式判定部341は、判定テーブルTからその画像形式の生成係数である水平係数Hmと垂直係数Vmとを取得し、サムネイル生成部343に出力する(ステップS13)。これとともに、画像形式判定部341は、判定した画像形式を時間フィルタ346に出力する(ステップS14)。
さらに、画像形式判定部341は、入力画像の画像形式が判定できたことを示す判定可信号を表示制御装置3の各部へ出力する(ステップS15)。この判定可信号が出力された場合は、表示制御装置3は電力低減処理を実行することになる。
その後、ユーザ操作等に基づいて映像ソースの切り替えが指示された場合は(ステップS17にてYes)、処理はステップS11に戻る。そして、新たな映像ソースの入力画像の画像形式が判定されることになる。
また、ステップS12において入力画像の画像形式が判定テーブルTに登録されている画像形式のいずれとも判定できない場合は(ステップS12にてNo)、画像形式判定部341は、入力画像の画像形式が判定できないことを示す判定不可信号を表示制御装置3の各部へ出力する(ステップS16)。
このように入力画像の画像形式が判定できない場合は、表示制御装置3としては、想定外の画像形式の入力画像が入力されたことになる。このため、一定サイズのサムネイル画像を適切に生成することができず、不適切な光源制御量が導出される可能性がある。そして、そのまま電力低減処理を実行したとすると、不適切な光源制御量によって誤った光量の調整がなされ、画面43の表示が不自然になる可能性がある。
これに対応するため、判定不可信号が出力された場合は、表示制御装置3では電力低減処理が停止される。これにより、誤った制御がなされることが防止される。具体的には、デューティ制御部348が、各光源44のドライバに送信するPWM信号のデューティ比を一定値(例えば、100%)とし、複数の光源44の光量を同一に調整する。これとともに、画像増幅部331は、入力画像の増幅を行わず、増幅のない入力画像をそのまま表示装置4に表示させることになる。
その後、ユーザ操作等に基づいて映像ソースの切り替えが指示された場合は(ステップS17にてYes)、処理はステップS11に戻る。そして、新たな映像ソースの入力画像の画像形式が判定されることになる。このとき、入力画像の画像形式が判定できた場合は、表示制御装置3の各部へ判定可信号が出力される(ステップS15)。この判定可信号に応答して、表示制御装置3は停止していた電力低減処理を実行することになる。
次に、図13の光源制御量(導出値)の導出に係る処理の流れについて説明する。この処理は、入力画像の画像形式が判定できた場合(判定可信号が出力された場合)にのみ実行されるものである。
バックライト制御部34に垂直同期信号が入力される(ステップS21にてYes)と、サムネイル生成部343は、この垂直同期信号とともに入力される入力画像を用いてサムネイル画像を生成する。サムネイル生成部343は、画像形式判定部341から入力された水平係数Hmと垂直係数Vmとを用いて、入力画像から一定サイズのサムネイル画像を生成する(ステップS22)。
次に、制御量導出部345が、生成されたサムネイル画像を用いて光源制御量(導出値)を導出する導出処理を開始する(ステップS23)。この光源制御量(導出値)の導出時間は通常、1フレーム分の期間以内となるが、入力画像の内容によっては1フレーム分の期間以上となる場合もある。特に入力画像の画像形式がEGAの場合に、導出時間が1フレーム分の期間以上となる可能性が高くなる。
光源制御量(導出値)の導出処理が完了すると(ステップS24にてYes)、制御量導出部345から時間フィルタ346に、導出された光源制御量(導出値)と完了信号とが次の垂直同期信号のタイミングで出力される(ステップS25)。そして、処理はステップS21に戻り、再びサムネイル画像が生成され、そのサムネイル画像に基づいて光源制御量(導出値)が導出されることになる。
次に、図14の時間フィルタ346の処理の流れについて説明する。この処理も、入力画像の画像形式が判定できた場合(判定可信号が出力された場合)にのみ実行されるものである。
まず、係数設定部55が、画像形式判定部341から入力された画像形式に基づいて、時間フィルタ346の処理結果に直近に導出された光源制御量(導出値)を反映させる程度を示す係数αを設定する。前述したとおり、係数設定部55は、入力画像の画像形式が示すサイズが小さいほど係数αを高く設定することになる。設定した係数αは2つの増幅器51,54にそれぞれ入力される(ステップS31)。その後、制御量導出部345からの完了信号の入力を待機する状態となる(ステップS32)。
制御量導出部345から時間フィルタ346に完了信号が入力されると(ステップS32にてYes)、これと同時に、制御量導出部345の導出結果である光源制御量(導出値)が増幅器51に入力される(ステップS33)。
そして、係数αを用いて数4に示す時間フィルタ346の演算が実行される。これにより新たな光源制御量(使用値)が導出されて使用値メモリ53に記憶される。この光源制御量(使用値)は、実際の制御(光量の調整や増幅画像の生成)に用いられることになる(ステップS34)。その後、処理はステップS31に進み、完了信号の入力を待機する状態となる。
完了信号は光源制御量(導出値)の導出が完了するごとに入力されるため、時間フィルタ346は、光源制御量(導出値)の導出が完了するごとに、光源制御量(使用値)を更新する。したがって、入力画像のサイズに起因して光源制御量(導出値)の導出時間が長くなる場合においても、光源制御量(導出値)の導出中においては光源制御量(使用値)が更新されず、光源制御量(導出値)の導出の完了後に光源制御量(使用値)は更新されることになる。
本実施の形態では、入力画像の画像形式が示すサイズが小さいほど係数αが高く設定されることから、入力画像のサイズに起因して光源制御量(導出値)の導出時間が比較的長くなるような場合においても、実際の制御に用いる光源制御量(使用値)に、直近に導出された光源制御量(導出値)が速やかに反映される。これにより、表示装置4に表示する画像の明るさとバックライトの光量とが大きく乖離することを防止できることになる。
<1−8.タイムチャート>
図15ないし図17は、光源制御量の変化の一例を示すタイムチャートである。これらの図中では、横軸は時間を示し、縦軸は光源制御量を示している。横軸に沿ったT11〜T17は垂直同期信号が発生する時点をそれぞれ示している。また、円形記号は光源制御量(導出値)を示し、矩形記号は光源制御量(使用値)を示している。
図15は、光源制御量(導出値)の導出時間が全て1フレーム分の期間以内で完了した場合の例を示している。この場合は、各時点T11〜T17において前回の垂直同期信号から今回の垂直同期信号までの間に光源制御量(導出値)の導出処理が完了している。このため、各時点T11〜T17においては、その導出された光源制御量(導出値)がそのまま利用されて光源制御量(使用値)が更新される。
WVGAの場合と比較してサイズの小さいEGAの場合は係数αは高く設定される。すなわち、WVGAの場合と比較してEGAの場合は、光源制御量(使用値)に直近に導出された光源制御量(導出値)が反映される程度が高くなる。したがって、EGAの場合の光源制御量(使用値)は、WVGAの場合の光源制御量(使用値)よりも、光源制御量(導出値)の変化に合わせて敏感に変化し、光源制御量(導出値)に近づくことになる。
また、図16及び図17は、画像形式がEGAの場合において、光源制御量(導出値)の導出時間が2フレーム分の期間以上かかった場合の例を示している。具体的には、時点T13に入力された入力画像に基づく光源制御量(導出値)の導出処理は、時点T14及び時点T15においても完了せず、時点T15から時点T16までの間に完了した場合を例示している。この場合、時点T14及び時点T15においては、光源制御量(使用値)が更新されず、時点T13に更新された光源制御量(使用値)が継続して使用される。
図16は、本実施の形態に係る処理を実行せず、画像形式がEGAであっても係数αを基準値のまま用いた比較例を示している。一方、図17は、本実施の形態に係る処理を実行し、画像形式がEGAである場合に、係数αを基準値よりも高く設定するようにした例を示している。
図16に示す場合は、係数αは基準値のままであるため、光源制御量(使用値)は、光源制御量(導出値)の変化に合わせて敏感に変化しない。したがって、時点T14,T15のように光源制御量(使用値)を更新できない期間が発生すると、当該期間のみならず、光源制御量(使用値)を更新可能となった時点T16以降においても、光源制御量(使用値)と実際の画像に基づく光源制御量(導出値)とが乖離した状態がしばらく継続する。すなわち、表示装置4に表示する画像の明るさとバックライト42の光量とが乖離した状態が継続することになる。
これに対して、図17に示す場合は、係数αは基準値よりも高いため、光源制御量(使用値)は、光源制御量(導出値)の変化に合わせて敏感に変化する。このため、時点T14,T15のように光源制御量(使用値)を更新できない期間が発生したとしても、光源制御量(使用値)と実際の画像に基づく光源制御量(導出値)とは大きく乖離しない。また、光源制御量(使用値)を更新可能となった時点T16以降においては、光源制御量(使用値)を光源制御量(導出値)に速やかに近づけることができる。すなわち、表示装置4に表示する画像の明るさとバックライト42の光量とが乖離することを防止できることになる。
以上のように、本実施の形態の車載表示システム1では、制御量導出部345が表示装置4に表示させる入力画像の明るさに基づいて光源制御量(導出値)を導出し、導出された光源制御量(導出値)を時間フィルタ346が時間軸方向において平滑化する。そして、時間フィルタ346の処理結果に直近に導出された光源制御量(導出値)を反映させる程度である係数αは、入力画像のサイズが小さいほど高く設定される。このため、入力画像のサイズが比較的小さいことで、光源制御量(導出値)の導出時間が比較的長くなるような場合においても、バックライト42の光源の光量の調整に用いる光源制御量(使用値)に直近に導出された光源制御量(導出値)が速やかに反映される。その結果、表示装置4に表示する画像の明るさとバックライト42の光量とが大きく乖離することを防止できる。
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、光源制御量(導出値)の導出が完了するまで時間フィルタ346の演算を実行しなかった。これに対して、第2の実施の形態では、光源制御量(導出値)の導出中においても時間フィルタ346の演算を一定周期で実行し、光源制御量(使用値)を更新するようになっている。第2の実施の形態の構成及び処理の内容は、第1の実施の形態とほぼ同様であるが、時間フィルタ346に関連する部分が一部異なっている。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
<2−1.時間フィルタの構成>
図18は、第2の実施の形態の時間フィルタ346の構成を示す図である。図18に示す時間フィルタ346は、図11に示す構成に加えて、導出値メモリ56と切替部57とをさらに備えている。
導出値メモリ56には、制御量導出部345によって直近に導出された光源制御量(導出値)が記憶される。増幅器51には、制御量導出部345からの光源制御量(導出値)がそのまま入力される場合と、導出値メモリ56に記憶された光源制御量(導出値)が入力される場合とがある。いずれから光源制御量(導出値)を増幅器51に入力するかは切替部57によって切り替えられる。
また、制御量導出部345の完了信号は使用値メモリ53ではなく切替部57に入力される。切替部57は、この完了信号に基づいて切り替えを実行する。
また、使用値メモリ53には、垂直同期信号が入力される。本実施の形態の時間フィルタ346は、この垂直同期信号が使用値メモリ53に入力されるごとに、光源制御量を平滑化する演算を実行する。したがって、入力画像の入力周期で数4に示す時間フィルタ346の演算が実行されることになる。
<2−2.時間フィルタの処理>
図19は、第2の実施の形態の時間フィルタ346の処理の流れを示す図である。以下、この時間フィルタ346の処理について説明する。
まず、第1の実施の形態と同様に、係数設定部55が画像形式判定部341から入力された画像形式に基づいて係数αを設定する。係数設定部55は、入力画像の画像形式が示すサイズが小さいほど係数αを高く設定し、設定した係数αは2つの増幅器51,54にそれぞれ入力される(ステップS41)。その後、垂直同期信号の入力を待機する状態となる(ステップS42)。
時間フィルタ346に垂直同期信号が入力されると(ステップS32にてYes)、垂直同期信号と同時に完了信号が入力されたか否かが切替部57により判断される(ステップS43)。前回の垂直同期信号から今回の垂直同期信号までの間に光源制御量(導出値)の導出処理が完了した場合は完了信号が入力され、光源制御量(導出値)の導出処理が完了していない場合は完了信号が入力されないことになる。
完了信号が入力された場合は(ステップS43にてYes)、切替部57の切替により、制御量導出部345の導出結果である光源制御量(導出値)が制御量導出部345から直接的に増幅器51に入力される(ステップS44)。そして、数4に示す時間フィルタ346の演算が実行され、新たな光源制御量(使用値)が導出されて使用値メモリ53に記憶される(ステップS46)。
一方、完了信号が入力されない場合は(ステップS43にてNo)、切替部57の切替により、導出値メモリ56の記憶内容である光源制御量(導出値)が導出値メモリ56から増幅器51に入力される(ステップS45)。そして、数4に示す時間フィルタ346の演算が実行され、新たな光源制御量(使用値)が導出されて使用値メモリ53に記憶される(ステップS46)。
新たな光源制御量(使用値)が導出されると、処理はステップS42に進み、垂直同期信号の入力を待機する状態となる。
このように、本実施の形態では、光源制御量の導出処理が完了したか否かに係わらず、垂直同期信号が入力されるごとに、時間フィルタ346の演算が実行され、新たな光源制御量(使用値)が導出される。時間フィルタ346の演算の実行時点において光源制御量(導出値)の導出が完了していない場合、すなわち、光源制御量(導出値)の導出中である場合は、導出値メモリ56に記憶された過去に導出済の光源制御量(導出値)を用いて時間フィルタ346において新たな光源制御量(使用値)が演算される。そして、この光源制御量(使用値)に基づいて実際の制御(光量の調整や増幅画像の生成)が実行されることになる。これにより、光源制御量(導出値)の導出中においても光源制御量(使用値)を、適切な値に更新することができる。光源制御量(導出値)の導出中における時間フィルタ346の演算は、過去に導出済の光源制御量(導出値)に基づいて、現時点の光源制御量(使用値)を予測する処理であるともいえる。
本実施の形態においても、入力画像のサイズが小さいほど係数αが高く設定される。このため、本実施の形態では、光源制御量(導出値)の導出中においても、入力画像のサイズが小さいほど、実際の制御に用いる光源制御量(使用値)に、直近に導出された光源制御量(導出値)を速やかに反映させることができる。
<2−3.タイムチャート>
図20は、第2の実施の形態の処理を実行した場合における光源制御量の変化の一例を示すタイムチャートである。図15ないし図17と同様に、図20においても、横軸は時間を示し、縦軸は光源制御量を示している。横軸に沿ったT11〜T17は垂直同期信号が発生する時点をそれぞれ示している。また、円形記号は光源制御量(導出値)を示し、矩形記号は光源制御量(使用値)を示している。
図20は、画像形式がEGAである場合において、光源制御量(導出値)の導出時間が2フレーム分の期間以上かかった場合の例を示している。図20の場合においては、図16及び図17の場合と同様に、時点T13に入力された入力画像に基づく光源制御量(導出値)の導出処理は、時点T14及び時点T15においても完了せず、時点T15から時点T16までの間に完了している。
図20の場合では、光源制御量(導出値)の導出中である時点T14及び時点T15においても、導出値メモリ56に記憶された過去に導出済の光源制御量(導出値)に基づいて光源制御量(使用値)が更新される。このため、図16及び図17と比較して分かるように、図20の場合では、光源制御量(導出値)の導出中においても、光源制御量(使用値)を画像の明るさの変化に応じて予測される適切な値に更新できる。
また、図20の場合では、画像形式がEGAであるため、係数αが基準値よりも高く設定されている。このため、本実施の形態では、光源制御量(導出値)の導出中においても、実際の制御に用いる光源制御量(使用値)に、直近に導出された光源制御量(導出値)を速やかに反映させることができる。その結果、光源制御量(導出値)の導出中においても、表示装置4に表示する画像の明るさとバックライト42の光量とが大きく乖離することを防止できることになる。
<3.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施の形態で説明した形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
上記実施の形態では、入力画像を間引きすることによって一定サイズのサムネイル画像を生成していたが、サムネイル画像を生成する手法としては他の手法が採用されてもよい。例えば、図21に示すように、画像形式に係わらず、入力画像を横方向に128個、縦方向に32個に分割して複数の領域R1に区分する。入力画像の各領域R1は、サムネイル画像の各画素に対応する。そして、各領域R1に含まれる画素の値からサムネイル画像の対応する位置の画素の値を導出する。このようにすることで、入力画像の画像形式に係わらず、横128×縦32画素の一定サイズのサムネイル画像を生成することができる。この場合は、例えば、各領域R1の横サイズ及び縦サイズを「水平係数」及び「垂直係数」として判定テーブルTに登録しておけばよい。また、サムネイル画像の画素の値は、例えば、対応する領域R1における最大の輝度となる画素の値や、対応する領域R1に含まれる画素の値の平均値を採用することができる。
上記実施の形態では、バックライト42が備える複数の光源44は画面43の横方向に沿って一列に並べて配置されていたが、図22に示すように、複数の光源45を縦横の二次元マトリクス状に配列してもよい。この場合、液晶パネル41の画面43も縦横の二次元マトリクス状に配列される複数の区分領域43bに区分され、一の光源45が一の区分領域43bに対応する。各光源45は、対応する区分領域43bを背面から照明することになる。
また、上記実施の形態では、画像形式と係数との関係は予め対応付けられるとしていたが、各画像形式に対応する係数は、ユーザが設定できるようになっていてもよい。
また、上記実施の形態では、画像形式判定部341は制御信号に基づいて入力画像の画像形式を判定していたが、表示装置が対応する入力画像の画像形式を示す情報をレジスタなどに予め記憶させておき、画像形式判定部341がこの情報を取得することで入力画像の画像形式を判定するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、バックライト42が備える複数の光源44それぞれに関して個別に光源制御量を導出し個別に光量を制御する個別制御について説明を行った。これに対して、入力画像の明るさに基づいて1つの光源制御量を導出し、バックライト42が備える全ての光源に対してその1つの光源制御量で光量を制御する全体制御の場合にも、上記で説明した技術を好適に適用可能である。この全体制御を採用する場合においては、バックライト42は、少なくとも1つの光源を有していればよい。
また、上記実施の形態において、ハードウェア回路によって実現されるとした機能のうちの一部は、ソフトウェア的に実現されてもよい。
1 車載表示システム
3 表示制御装置
4 表示装置
34 バックライト制御部
42 バックライト
44 光源
55 係数設定部
341 画像形式判定部
343 サムネイル生成部
345 制御量導出部
346 時間フィルタ

Claims (5)

  1. 表示装置の画面を少なくとも1つの光源で照明するバックライトを制御する表示制御装置であって、
    前記表示装置に表示させる入力画像の明るさに基づいて、前記入力画像の一画素に対応するクロックごとの演算を繰り返すことにより前記光源の光量を規定する制御量を導出する導出手段と、
    前記導出手段に導出された制御量を、時間軸方向において平滑化する平滑化処理を実行する平滑化手段と、
    前記平滑化手段による処理結果に基づいて、前記光源の光量を調整する調整手段と、
    前記入力画像のサイズを判定する判定手段と、
    前記入力画像のサイズに応じて、前記平滑化手段の処理結果に直近に導出された制御量を反映させる程度を変更する処理変更手段と、
    を備えることを特徴とする表示制御装置。
  2. 請求項1に記載の表示制御装置において、
    前記処理変更手段は、前記入力画像のサイズが小さいほど、前記平滑化手段の処理結果に直近に導出された制御量を反映させる程度を高くすることを特徴とする表示制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の表示制御装置において、
    前記平滑化手段は、
    前記平滑化処理を前記入力画像の入力周期で実行し、
    前記平滑化処理の実行時点において前記導出手段による前記制御量の導出が完了していない場合は、前記導出手段によって過去に導出済の前記制御量を用いて前記平滑化処理を実行することを特徴とする表示制御装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の表示制御装置と、
    前記表示制御装置から出力される画像を表示する表示装置と、
    を備えることを特徴とする表示システム。
  5. 表示装置の画面を少なくとも1つの光源で照明するバックライトを制御する表示制御方法であって、
    (a)前記表示装置に表示させる入力画像の明るさに基づいて、前記入力画像の一画素に対応するクロックごとの演算を繰り返すことにより前記光源の光量を規定する制御量を導出する工程と、
    (b)前記(a)工程で導出された制御量を、時間軸方向において平滑化する平滑化処理を実行する工程と、
    (c)前記(b)工程による処理結果に基づいて、前記光源の光量を調整する工程と、
    (d)前記入力画像のサイズを判定する工程と、
    (e)前記入力画像のサイズに応じて、前記(b)工程の処理結果に直近に導出された制御量を反映させる程度を変更する工程と、
    を備えることを特徴とする表示制御方法。
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