JP2011127705A - チェーンテンショナ - Google Patents

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好一 鬼丸
Tasuku Furukawa
資 古川
Masayoshi Yamada
政義 山田
Hisashi Hayakawa
久 早川
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Abstract

【課題】エンジンカバーへの組み付け作業性に優れ、オイル消費量が低く、さらに、エンジン再始動時に速やかにダンパ作用を発揮可能なチェーンテンショナを提供する。
【解決手段】シリンダ9の外周に雄ねじ13と円筒面14とを形成し、そのシリンダ9の外周の雄ねじ13をテンショナ取り付け孔12の内周の雌ねじ15にねじ係合させ、シリンダ9内にプランジャ10を摺動可能に挿入し、油孔20からシリンダ9とプランジャ10とで囲まれた圧力室21内にエンジンオイルを導入する給油通路22をシリンダ9に設け、その給油通路22の出口にチェックバルブ23を設け、そのチェックバルブ23にバルブスプリング28を設け、シリンダ9の外周の円筒面14とテンショナ取り付け孔12の内周と間の隙間19を密封するOリング35を設けた構成をチェーンテンショナ1に採用する。
【選択図】図2

Description

この発明は、自動車エンジンのカムシャフトを駆動するタイミングチェーンの張力保持に用いられるチェーンテンショナに関する。
自動車のエンジンは、一般に、クランクシャフトの回転をタイミングチェーンを介してカムシャフトに伝達し、そのカムシャフトの回転により燃焼室のバルブの開閉を行なう。ここで、チェーンの張力を適正範囲に保つために、支点軸を中心として揺動可能に設けたチェーンガイドと、そのチェーンガイドを介してチェーンを押圧するチェーンテンショナとからなる張力調整装置が多く用いられる。
この張力調整装置に組み込まれるチェーンテンショナとして、一端が開口し、他端が閉じた筒状のシリンダをエンジンカバーのテンショナ取り付け孔にエンジンカバー内に開口端を向けた姿勢で挿入し、前記シリンダ内にプランジャを軸方向に摺動可能に挿入し、そのプランジャをシリンダから突出する方向に付勢するリターンスプリングを設け、前記テンショナ取り付け孔の内周に開口する油孔から前記シリンダとプランジャとで囲まれた圧力室内にエンジンオイルを導入する給油通路を前記シリンダに設け、その給油通路の出口に給油通路側から圧力室側へのエンジンオイルの流れのみを許容するチェックバルブを設けたものが知られている(特許文献1)。
ここで、チェックバルブは、弁孔を有するバルブシートと、そのバルブシートに接触、離反して前記弁孔を開閉する球状の弁体と、その弁体の移動範囲を規制するリテーナとで構成されている。
上記のチェーンテンショナは、エンジン作動中にチェーンの張力が大きくなると、そのチェーンの張力によって、プランジャがシリンダ内に押し込まれる方向(以下、「押し込み方向」という)に移動し、チェーンの緊張を吸収する。このとき、圧力室内のエンジンオイルが、プランジャとシリンダの摺動面間のリーク隙間を通って流出し、そのエンジンオイルの粘性抵抗によってダンパ作用が生じるので、プランジャはゆっくりと移動する。
一方、エンジン作動中にチェーンの張力が小さくなると、リターンスプリングの付勢力によって、プランジャがシリンダから突出する方向(以下、「突出方向」という)に移動し、チェーンの弛みを吸収する。このとき、オイルポンプから供給されるエンジンオイルが、給油通路を通って圧力室に流入するので、プランジャは速やかに移動する。
特開2006−153118号公報
ところで、上記チェーンテンショナをエンジンカバーに組み付けるときは、エンジンカバーに形成されたテンショナ取り付け孔にシリンダを挿入し、このシリンダの外周に形成されたフランジを複数のボルトでエンジンカバーの外面に固定するようにしている。
しかし、チェーンテンショナの組み付けに際して、複数のボルトを準備するのは煩雑であり、また、その複数のボルトをそれぞれ締め込む作業も煩雑である。
そこで、この発明の発明者は、エンジンカバーへの組み付け作業性に優れるチェーンテンショナを検討し、そのようなチェーンテンショナとして、図9に示すように、シリンダ61の外周に雄ねじ62と円筒面63とを円筒面63が雄ねじ62よりもシリンダ61の開口端側に位置するように形成し、そのシリンダ61の外周の雄ねじ62をテンショナ取り付け孔64の内周に形成した雌ねじ65にねじ係合させるチェーンテンショナ60を考案した。
このチェーンテンショナ60は、シリンダ61内に軸方向に摺動可能に挿入されたプランジャ66と、プランジャ66をシリンダ61から突出する方向に付勢するリターンスプリング67とを有する。また、シリンダ61には、テンショナ取り付け孔64の内周に開口する油孔68からシリンダ61とプランジャ66とで囲まれた圧力室69内にエンジンオイルを導入する給油通路70が形成されている。給油通路70の出口には、給油通路70側から圧力室69側へのエンジンオイルの流れのみを許容するチェックバルブ71が設けられている。チェックバルブ71は、弁孔を有するバルブシート72と、そのバルブシート72に接触、離反して前記弁孔を開閉する球状の弁体73と、その弁体73の移動範囲を規制するリテーナ74とで構成されている。
また、シリンダ61の外周の円筒面63とテンショナ取り付け孔64の内周との間には、シリンダ61の外周の雄ねじ62とテンショナ取り付け孔64の内周の雌ねじ65の間の芯ずれを吸収するために隙間75が設けられている。
このチェーンテンショナ60は、エンジンカバーへの組み付け用の雄ねじ62がシリンダ61の外周に直接設けられているので、その組み付けに際してボルトが不要であり、エンジンカバーへの組み付け作業性に優れる。
ところで、近年、エンジンの低燃費化に伴い、エンジンのオイルポンプが小型化される傾向にあり、そのため、チェーンテンショナでのオイル消費量の低減が要求されるようになってきている。
しかし、上記のチェーンテンショナ60は、エンジン作動中、オイルポンプから供給されるエンジンオイルが、シリンダ61の外周の円筒面63とテンショナ取り付け孔64の内周との間の隙間75を通って外部に流出するので、オイル消費量が多いという問題があった。
そこで、オイル消費量を抑えるために、シリンダ61の外周の円筒面63を研削加工で仕上げて、シリンダ61の外周の円筒面63とテンショナ取り付け孔64の内周との間の隙間75を小さくすることが考えられるが、このようにすると、シリンダ61の加工コストが上昇してしまう。
また、上記のチェーンテンショナ60は、シリンダ61の外周の円筒面63とテンショナ取り付け孔64の内周との間の隙間75の大きさが温度変化によって増減するので、チェーンテンショナ60でのオイル消費量が不安定であるという問題もあった。
また、エンジンが停止したとき、オイルポンプも停止するのでチェーンテンショナ60へのエンジンオイルの供給が停止する。このとき、上記チェーンテンショナ60は、外部の空気が、シリンダ61の外周の円筒面63とテンショナ取り付け孔64の内周との間の隙間75を通って給油通路70に入り込むので、給油通路70内に空気が溜まった状態となる。その他にも、シリンダ61とプランジャ66の摺動面間のリーク隙間76、圧力室69、チェックバルブ71を順に通って、外部から給油通路70に空気が入り込む。そのため、エンジンを再始動したときに、給油通路70内に溜まった空気が圧力室69に流入し、その流入した空気が圧力室69から完全に排出されるまでの間、チェーンテンショナ60のダンパ作用が低下するという問題があった。
この発明が解決しようとする課題は、エンジンカバーへの組み付け作業性に優れ、オイル消費量が低く、さらに、エンジン再始動時に速やかにダンパ作用を発揮可能なチェーンテンショナを提供することである。
上記の課題を解決するため、前記チェックバルブに、その弁体を閉弁方向に付勢するバルブスプリングを設け、前記シリンダの外周の円筒面と前記テンショナ取り付け孔の内周との間の隙間を、前記給油通路の入口よりもシリンダの開口端側で密封する環状のシール部材を設けた。
このようにすると、シリンダの外周の円筒面と前記テンショナ取り付け孔の内周との間の隙間がシール部材でシールされているので、エンジン作動中に、その隙間を通ってエンジンオイルが流出するのを防止することができる。そのため、チェーンテンショナでのオイル消費量が小さく、また、温度変化にかかわらず安定したオイル消費量を得ることができる。
また、エンジンが停止したとき、外部の空気が、シリンダの外周の円筒面とテンショナ取り付け孔の内周との間の隙間を通って給油通路に入り込むのをシール部材が防止する。さらに、チェックバルブの弁体がバルブスプリングで閉弁方向に付勢されているので、エンジン停止時に、外部の空気がチェックバルブを通って給油通路に入り込みにくい。そのため、給油通路内に空気が溜まるのを防止することができ、エンジンを再始動したときに速やかにダンパ作用を発揮可能である。
前記シール部材は、シリンダの外周のリング溝に組み込むようにしてもよく、テンショナ取り付け孔の内周のリング溝に組み込むようにしてもよい。シール部材としては断面丸形状のゴム製のOリングや、断面X形状のゴム製のXリングを用いることができる。
前記シリンダをアルミ鋳造で成形する場合、シリンダの外周の円筒面を鋳肌面のままとすると低コストである。シリンダをアルミ鋳造で成形する場合、シリンダの外周の雄ねじもアルミ鋳造で成形し、その雄ねじに、雄ねじの軸心を挟んで対向する平行な2平面に沿って雄ねじを切り取った形状の二面幅部を設けると好ましい。このようにすると、その二面幅部に金型の合わせ面がくるようにアルミ鋳造を行なうことにより、鋳バリによる雄ねじの不良を防止することができる。
ところで、前記バルブスプリングとしてコイルばねを採用するとき、コイルばねの線径が細いので、チェーンテンショナの製造段階でバルブスプリング同士が絡まると、その絡まったバルブスプリングをばらすときにスプリングが塑性変形してしまい、不良品となるおそれがある。そこで、バルブスプリングの両端に、コイル軸方向に隣のコイルと接する座巻を設けると、バルブスプリング同士が絡まるのを防止することができ、好ましい。
この発明は、例えば、次のチェーンテンショナに適用することができる。
1)前記シリンダの内周に形成された環状の収容溝内に前記プランジャの外周を弾性的に締め付けるレジスタリングを収容し、そのレジスタリングを、プランジャの外周に軸方向に一定の間隔をおいて形成された円周溝に係合させ、その各円周溝内には、前記プランジャをシリンダから突出させる方向の荷重が負荷されたときに、レジスタリングを拡径させてプランジャの移動を許容するテーパ面と、前記プランジャをシリンダ内に押し込む方向の荷重が負荷されたときに、レジスタリングを係止してプランジャの移動を制限するストッパ面とが設けられているリング式のチェーンテンショナ。
2)前記プランジャをシリンダ内への挿入端が開口する有底筒状に形成し、そのプランジャの内周に形成した雌ねじにねじ係合する雄ねじを外周に有するスクリュロッドを設け、そのスクリュロッドの前記プランジャからの突出端を前記シリンダ内に設けたロッドシートに当接させ、前記雄ねじと雌ねじは、プランジャをシリンダ内に押し込む方向の荷重が負荷されたときに圧力を受ける圧力側フランクのフランク角が、遊び側フランクのフランク角よりも大きい鋸歯状に形成されている鋸歯ねじ式のチェーンテンショナ。
この発明のチェーンテンショナは、エンジンカバーへの組み付け用の雄ねじがシリンダの外周に直接設けられているので、その組み付けに際してボルトが不要であり、エンジンカバーへの組み付け作業性に優れる。また、エンジン作動中に、シリンダの外周の円筒面と前記テンショナ取り付け孔の内周との間の隙間を通ってエンジンオイルが流出しないので、オイル消費量が低く、また、温度変化にかかわらず安定したオイル消費量を得ることができる。さらに、エンジンが停止したときに、外部の空気が給油通路に入り込むのも防止することができるので、エンジンを再始動したときに速やかにダンパ作用を発揮可能である。
この発明の第1実施形態のチェーンテンショナを組み込んだチェーン伝動装置を示す正面図 図1のチェーンテンショナ近傍の拡大断面図 図2のチェックバルブ近傍の拡大断面図 図3に示すバルブスプリングの拡大図 (a)は図2に示すOリング近傍の拡大断面図、(b)は(a)に示すリング溝をテンショナ取り付け孔の内周に形成した例を示す拡大断面図、(c)は(a)に示すOリングにかえてXリングを用いた例を示す拡大断面図 図2に示すシリンダの外形図 図6のVII−VII線に沿った断面図 この発明の第2実施形態のチェーンテンショナを示す拡大断面図 この発明の発明者が考案した比較品を示す拡大断面図
図1に、この発明の第1実施形態のチェーンテンショナ1を組み込んだチェーン伝動装置を示す。このチェーン伝動装置は、エンジンのクランクシャフト2に固定されたスプロケット3と、カムシャフト4に固定されたスプロケット5とがチェーン6を介して連結されており、そのチェーン6がクランクシャフト2の回転をカムシャフト4に伝達し、そのカムシャフト4の回転により燃焼室のバルブ(図示せず)の開閉を行なう。
チェーン6には、支点軸7を中心として揺動可能に支持されたチェーンガイド8が接触しており、チェーンテンショナ1は、そのチェーンガイド8を介してチェーン6を押圧している。
図2に示すように、チェーンテンショナ1は、一端が開口し、他端が閉じた筒状のシリンダ9と、シリンダ9内に軸方向に摺動可能に挿入されたプランジャ10とを有する。シリンダ9は、エンジンカバー11内に開口端を向けた姿勢でエンジンカバー11のテンショナ取り付け孔12に挿入されている。
シリンダ9は、テンショナ取り付け孔12への挿入部分の外周に雄ねじ13と円筒面14とが形成されている。円筒面14は、雄ねじ13よりもシリンダ9の開口端側に位置しており、雄ねじ13の外径よりも小径である。
一方、テンショナ取り付け孔12の内周には、エンジンカバー11の外面側から内面側に向かって順に、シリンダ9の外周の雄ねじ13にねじ係合する雌ねじ15と、シリンダ9の外周の円筒面14との間に環状の油溜り16を形成するねじ下穴部17と、シリンダ9の外周の円筒面14と隙間をもって嵌合する円筒面18とが形成されている。
シリンダ9の外周の円筒面14とテンショナ取り付け孔12の内周の円筒面18との間に形成される隙間19は、雄ねじ13と雌ねじ15の芯ずれを吸収するために設けられており、その隙間19の大きさは直径で0.05〜0.5mmに設定されている。ねじ下穴部17には、エンジンカバー11に形成された油孔20の油出口が開口している。
シリンダ9には、シリンダ9とプランジャ10とで囲まれた圧力室21にエンジンオイルを導入する給油通路22が形成されている。給油通路22は、シリンダ9を半径方向に貫通しており、その外径側の端部が油溜り16に連通し、内径側の端部が圧力室21に連通している。そのため、エンジンカバー11の油孔20を通ってオイルポンプ(図示せず)から供給されたエンジンオイルは、油溜り16と給油通路22とを順に介して圧力室21内に導入される。給油通路22の圧力室21側の端部には、給油通路22側から圧力室21側へのエンジンオイルの流れのみを許容するチェックバルブ23が設けられている。
図3に示すように、チェックバルブ23は、弁孔24を有するバルブシート25と、そのバルブシート25に接触、離反して弁孔24を開閉する球状の弁体26と、その弁体26の移動範囲を規制するリテーナ27と、弁体26を閉弁方向に付勢するバルブスプリング28とで構成されている。バルブスプリング28は、その一端がリテーナ27で支持され、他端が弁体26を押圧している。
図4に示すように、バルブスプリング28はコイルばねである。このバルブスプリング28の線径は0.3mm以下であり、バルブスプリング28の両端には、コイル軸方向に隣のコイル29と接する座巻30が一巻き設けられている。線径が細いので、座面研削は施されていない。
図2に示すように、プランジャ10とシリンダ9の摺動面間には、微小なリーク隙間31が形成されており、そのリーク隙間31を通って圧力室21内のエンジンオイルが流出するようになっている。
シリンダ9の閉端には、スパナ係合用の六角頭部32が形成されており、この六角頭部32にスパナ(図示せず)をかけて、雄ねじ13の締め付け操作をすることが可能となっている。六角頭部32とエンジンカバー11の間にはガスケット33が挟み込まれている。ガスケット33は、六角頭部32とエンジンカバー11の間を密封しており、シリンダ9とテンショナ取り付け孔12の間の隙間からエンジンカバー11の外側にエンジンオイルが漏れるのを防止している。
図5(a)に示すように、シリンダ9の外周の円筒面14に形成されたリング溝34に、断面丸形状のOリング35が組み込まれている。Oリング35はゴムからなり、テンショナ取り付け孔12の内周の円筒面18と、シリンダ9の外周の円筒面14の間の隙間19を、図2に示すように、給油通路22よりもシリンダ9の開口端側で密封している。
図6、図7に示すように、シリンダ9の外周の雄ねじ13には、雄ねじ13の軸心を挟んで対向する平行な2平面に沿って雄ねじ13を切り取った形状の二面幅部36が設けられている。二面幅部36の二面幅は、雄ねじ13の谷の径よりも小さく設定されている。
シリンダ9は、溶融したアルミを金型に流し込んで成形するアルミ鋳造(すなわち、アルミダイカスト)で成形されたアルミ鋳造品である。雄ねじ13、二面幅部36、円筒面14は、このシリンダ9のアルミ鋳造により成形されており、その結果、雄ねじ13の表面、二面幅部36の表面、円筒面14は、いずれも鋳肌面となっている。このアルミ鋳造は、図7の鎖線に示すように、金型37,37の合わせ面37aが二面幅部36にくるようにして行なう。
図2に示すように、プランジャ10は、圧力室21内に組み込まれたリターンスプリング38でシリンダ9から突出する方向に付勢されている。リターンスプリング38は、一端がチェックバルブ23で支持され、他端がプランジャ10を押圧している。プランジャ10はシリンダ9からの突出端がチェーンガイド8に当接している。
シリンダ9の内周には、環状の収容溝39が形成され、その収容溝39内にレジスタリング40が軸方向に移動可能に収容されている。レジスタリング40は、円周の一部を欠いたリング形状であり、径方向に弾性変形可能となっている。このレジスタリング40は、プランジャ10の外周を弾性的に締め付けており、プランジャ10の外周に軸方向に一定の間隔をおいて形成された複数の円周溝41のいずれかに係合している。
各円周溝41内には、プランジャ10に突出方向の荷重が負荷されたときに、レジスタリング40を拡径させてプランジャ10の移動を許容するテーパ面42と、プランジャ10に押し込み方向の荷重が負荷されたときに、レジスタリング40を係止してプランジャ10の移動を制限するストッパ面43とが設けられている。
次に、このチェーンテンショナ1の動作例を説明する。
エンジン作動中にチェーン6の張力が大きくなると、そのチェーン6の張力によって、プランジャ10が押し込み方向に移動し、チェーン6の緊張を吸収する。このとき、リーク隙間31を通って圧力室21から流出するエンジンオイルの粘性抵抗によってダンパ力が発生するので、プランジャ10はゆっくりと移動する。
エンジン作動中にチェーン6の張力が小さくなると、リターンスプリング38の付勢力によって、プランジャ10が突出方向に移動し、チェーン6の弛みを吸収する。このとき、チェックバルブ23が開き、給油通路22から圧力室21にエンジンオイルが流入するので、プランジャ10は速やかに移動する。
ここで、チェーン6の振動により、プランジャ10が前進と後退を繰り返すとき、レジスタリング40は、収容溝39内で前後に移動する。また、チェーン6の弛みによって、プランジャ10の突出方向への移動範囲が、レジスタリング40の収容溝39内での移動可能な範囲を超えると、円周溝41内のテーパ面42がレジスタリング40を拡径させて、プランジャ10の移動を許容する。このとき、レジスタリング40は、隣の円周溝41に係合する。
エンジン停止時に、カムシャフト4の停止位置によってチェーン6の張力が大きくなる場合があるが、この場合、レジスタリング40と円周溝41の係合により、プランジャ10の押し込み方向への移動が防止される。そのため、エンジンを再始動するときに、チェーン6の弛みを生じにくく、円滑なエンジン始動が可能である。
このチェーンテンショナ1は、エンジンカバー11への組み付け用の雄ねじ13がシリンダ9の外周に直接設けられているので、その組み付けに際してボルトが不要であり、エンジンカバー11への組み付け作業性に優れる。
また、このチェーンテンショナ1は、シリンダ9の外周の円筒面14とテンショナ取り付け孔12の内周の円筒面18との間の隙間19がOリング35でシールされているので、エンジン作動中に、その隙間19を通ってエンジンオイルが流出するのを防止することができる。そのため、このチェーンテンショナ1はオイル消費量が低く、また、温度変化にかかわらず安定したオイル消費量を得ることができる。
また、このチェーンテンショナ1は、エンジンが停止したとき、外部の空気が、シリンダ9の外周の円筒面14とテンショナ取り付け孔12の内周の円筒面18との間の隙間19を通って給油通路22に入り込むのをOリング35が防止する。さらに、チェックバルブ23の弁体26がバルブスプリング28で閉弁方向に付勢されているので、エンジン停止時に、外部の空気がチェックバルブ23を通って給油通路22に入り込みにくい。そのため、給油通路22内に空気が溜まるのを防止することができ、エンジンを再始動したときに速やかにダンパ作用を発揮可能である。
このように、このチェーンテンショナ1は、シリンダ9の外周の円筒面14とテンショナ取り付け孔12の内周との間の隙間19をOリング35でシールするので、その隙間19を大きくとることができる。そのため、シリンダ9の外周の円筒面14を研削加工で仕上げる必要がなく、低コストである。
また、このチェーンテンショナ1は、金型37,37の合わせ面37aが二面幅部36にくるようにシリンダ9のアルミ鋳造を行なっているので、雄ねじ13のねじ面に鋳バリが生じず、鋳バリによる雄ねじ13の不良を防止することができる。
ところで、バルブスプリング28はその線径が細いので、チェーンテンショナ1の製造段階でバルブスプリング28同士が絡まると、その絡まったバルブスプリング28をばらすときにスプリングが塑性変形してしまい、不良品となるおそれがある。しかし、このチェーンテンショナ1は、バルブスプリング28の両端に、コイル軸方向に隣のコイル29と接する座巻30を設けているので、バルブスプリング28同士が絡まるのを防止することができる。
上記実施形態では、シリンダ9の外周のリング溝34にOリング35を組み込んでいるが、図5(b)に示すように、テンショナ取り付け孔12の内周にリング溝34を形成し、そのリング溝34にOリング35を組み込むようにしてもよい。また、上記実施形態では、隙間19を密封する環状のシール部材としてOリング35を例に挙げて説明したが、図5(c)に示すように、断面X形状のゴム製のXリング44を使用してもよい。
図8に、この発明の第2実施形態のチェーンテンショナ51を示す。第1実施形態に対応する部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
プランジャ10は、シリンダ9内への挿入端が開口する有底筒状に形成されており、その内周に雌ねじ52が形成されている。プランジャ10内には、雌ねじ52にねじ係合する雄ねじ53を外周に有するスクリュロッド54が組み込まれている。スクリュロッド54は、一端がプランジャ10から突出しており、その突出端が、シリンダ9内に設けられたバルブシート25に当接している。ここで、バルブシート25は、スクリュロッド54のプランジャ10からの突出端を受けるロッドシートとして機能する。
雄ねじ53と雌ねじ52は、プランジャ10をシリンダ9内に押し込む方向の荷重が負荷されたときに圧力を受ける圧力側フランク55のフランク角が、遊び側フランク56のフランク角よりも大きい鋸歯状に形成されている。
シリンダ9とプランジャ10とで囲まれた圧力室21内には、リターンスプリング38が組み込まれている。リターンスプリング38は、一端がスクリュロッド54で支持され、他端がスプリングシート57を介してプランジャ10を押圧しており、その押圧によって、プランジャ10をシリンダ9から突出する方向に付勢している。
シリンダ9の外周の円筒面14に形成されたリング溝34にOリング35が組み込まれている。Oリング35は、テンショナ取り付け孔12の内周の円筒面18と、シリンダ9の外周の円筒面14との間の隙間19を、給油通路22よりもシリンダ9の開口端側で密封している。
このチェーンテンショナ51の動作例を説明する。
エンジン作動中にチェーン6の張力が大きくなると、そのチェーン6の張力によって、プランジャ10が押し込み方向に移動し、チェーン6の緊張を吸収する。このとき、スクリュロッド54は、チェーン6の振動により、雌ねじ52と雄ねじ53の間の軸方向隙間の範囲内で前進と後退を繰り返しながら、プランジャ10に対して回転する。また、リーク隙間31を通って圧力室21から流出するエンジンオイルの粘性抵抗によってダンパ力が発生するので、プランジャ10はゆっくりと移動する。
エンジン作動中にチェーン6の張力が小さくなると、リターンスプリング38の付勢力によって、プランジャ10が突出方向に移動し、チェーン6の弛みを吸収する。このとき、チェックバルブ23が開き、給油通路22から圧力室21にエンジンオイルが流入するので、プランジャ10は速やかに移動する。
エンジン停止時に、カムシャフト4の停止位置によってチェーン6の張力が大きくなる場合があるが、この場合、チェーン6が振動しないので、プランジャ10の雌ねじ52がスクリュロッド54の雄ねじ53で受け止められ、プランジャ10の押し込み方向への移動が防止される。そのため、エンジンを再始動するときに、チェーン6の弛みを生じにくく、円滑なエンジン始動が可能である。
このチェーンテンショナ51は、シリンダ9の外周の円筒面14とテンショナ取り付け孔12の内周の円筒面18との間の隙間19がOリング35でシールされているので、エンジン作動中に、その隙間19を通ってエンジンオイルが流出するのを防止することができる。そのため、このチェーンテンショナ51はオイル消費量が低い。その他の効果も第1実施形態と同様である。
1 チェーンテンショナ
9 シリンダ
10 プランジャ
11 エンジンカバー
12 テンショナ取り付け孔
13 雄ねじ
14 円筒面
15 雌ねじ
19 隙間
20 油孔
21 圧力室
22 給油通路
23 チェックバルブ
26 弁体
28 バルブスプリング
29 コイル
30 座巻
34 リング溝
35 Oリング
36 二面幅部
38 リターンスプリング
39 収容溝
40 レジスタリング
41 円周溝
42 テーパ面
43 ストッパ面
44 Xリング
51 チェーンテンショナ
52 雌ねじ
53 雄ねじ
54 スクリュロッド
55 圧力側フランク
56 遊び側フランク

Claims (10)

  1. 一端が開口し、他端が閉じた筒状のシリンダ(9)の外周に雄ねじ(13)と円筒面(14)とを円筒面(14)が雄ねじ(13)よりもシリンダ(9)の開口端側に位置するように形成し、そのシリンダ(9)をエンジンカバー(11)のテンショナ取り付け孔(12)にエンジンカバー(11)内に開口端を向けた姿勢で挿入し、前記シリンダ(9)の外周の雄ねじ(13)を前記テンショナ取り付け孔(12)の内周に形成した雌ねじ(15)にねじ係合させ、前記シリンダ(9)内にプランジャ(10)を軸方向に摺動可能に挿入し、そのプランジャ(10)をシリンダ(9)から突出する方向に付勢するリターンスプリング(38)を設け、前記テンショナ取り付け孔(12)の内周に開口する油孔(20)から前記シリンダ(9)とプランジャ(10)とで囲まれた圧力室(21)内にエンジンオイルを導入する給油通路(22)を前記シリンダ(9)に設け、その給油通路(22)の出口に給油通路(22)側から圧力室(21)側へのエンジンオイルの流れのみを許容するチェックバルブ(23)を設け、そのチェックバルブ(23)に、その弁体(26)を閉弁方向に付勢するバルブスプリング(28)を設け、前記シリンダ(9)の外周の円筒面(14)と前記テンショナ取り付け孔(12)の内周と間の隙間(19)を、前記給油通路(22)の入口よりもシリンダ(9)の開口端側で密封する環状のシール部材を設けたチェーンテンショナ。
  2. 前記シール部材を、前記シリンダ(9)の外周に形成したリング溝(34)に組み込んだ請求項1に記載のチェーンテンショナ。
  3. 前記シール部材を、前記テンショナ取り付け孔(12)の内周に形成したリング溝(34)に組み込んだ請求項1に記載のチェーンテンショナ。
  4. 前記シール部材がOリング(35)である請求項1から3のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
  5. 前記シール部材がXリング(44)である請求項1から3のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
  6. 前記シリンダ(9)をアルミ鋳造で成形し、シリンダ(9)の外周の円筒面(14)を鋳肌面とした請求項1から5のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
  7. 前記シリンダ(9)の外周の雄ねじ(13)を前記アルミ鋳造で成形し、その雄ねじ(13)に、雄ねじ(13)の軸心を挟んで対向する平行な2平面に沿って雄ねじを切り取った形状の二面幅部(36)を設けた請求項6に記載のチェーンテンショナ。
  8. 前記バルブスプリング(28)がコイルばねであり、そのバルブスプリング(28)の両端に、軸方向に隣のコイル(29)と接する座巻(30)を設けた請求項1から7のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
  9. 前記シリンダ(9)の内周に形成された環状の収容溝(39)内に前記プランジャ(10)の外周を弾性的に締め付けるレジスタリング(40)を収容し、そのレジスタリング(40)を、プランジャ(10)の外周に軸方向に一定の間隔をおいて形成された円周溝(41)に係合させ、その各円周溝(41)内には、前記プランジャ(10)をシリンダ(9)から突出させる方向の荷重が負荷されたときに、レジスタリング(40)を拡径させてプランジャ(10)の移動を許容するテーパ面(42)と、前記プランジャ(10)をシリンダ(9)内に押し込む方向の荷重が負荷されたときに、レジスタリング(40)を係止してプランジャ(10)の移動を制限するストッパ面(43)とが設けられている請求項1から8のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
  10. 前記プランジャ(10)をシリンダ(9)内への挿入端が開口する有底筒状に形成し、そのプランジャ(10)の内周に形成した雌ねじ(52)にねじ係合する雄ねじ(53)を外周に有するスクリュロッド(54)を設け、そのスクリュロッド(54)の前記プランジャ(10)からの突出端を前記シリンダ(9)内に設けたロッドシート(25)に当接させ、前記雄ねじ(53)と雌ねじ(52)は、プランジャ(10)をシリンダ(9)内に押し込む方向の荷重が負荷されたときに圧力を受ける圧力側フランク(55)のフランク角が、遊び側フランク(56)のフランク角よりも大きい鋸歯状に形成されている請求項1から8のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
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