JP2011125675A - 集塵機 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータの駆動音を効果的に抑制する。
【解決手段】集塵機1において、本体2の背面に、モータ11の冷却用空気の吸気口を設けると共に、本体2を、モータ11を収容する保持筒17を吸気口と連通状態で内設した二重構造として保持筒17に冷却用空気の吹出口81を形成し、本体2の底部に、保持筒17の外周面を底部として吹出口81を外部に露出させる凹部22を形成した。
【選択図】図6

Description

本発明は、本体内にモータ及びそのモータの駆動で回転するファンを設けた集塵機に関する。
集塵機は、例えば特許文献1に示すように、モータ及びそのモータの駆動で回転するファンを内設した本体に、吸込口と、フィルタと、排出口とを備えてなり、吸込口に接続したホースから外気を吸い込んで排出口から排気することで、外気と共に吸い込んだ塵埃等をフィルタで捕捉して集塵可能となっている。また、この集塵機は、電源としてバッテリを搭載すると共に、ハウジングにハンドルやベルトの係止部を設けて携帯可能となっている。
さらに、このような集塵機においては、排出口にホースやノズル等を接続して携帯することで、ブロワとしても使用可能なものが知られている。
特開2004−160235号公報
しかし、上記集塵機においては、モータが本体からの突出状態で設けられているため、モータの駆動音がハウジングの外部へ伝わりやすく、作業者や周囲に不快感を生じさせるおそれがある。
そこで、本発明は、モータの駆動音を効果的に抑制でき、防音性能に優れた集塵機を提供することを目的としたものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、本体内に、出力軸に冷却用ファンを備えたモータと、そのモータの駆動で回転するファンとを設けると共に、本体に吸込口と排出口とを設けて、ファンの回転によって吸込口から外気を吸い込み、排出口から排出可能とした集塵機であって、本体に、冷却用ファンによるモータの冷却用空気の吸気口を設けると共に、本体を、モータを収容する保持筒を吸気口と連通状態で内設した二重構造として保持筒に冷却用空気の吹出口を形成し、本体に、保持筒の外周面を底部として吹出口を外部に露出させる凹部を形成したことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、冷却用ファンをモータのケーシング内に設けてケーシングに冷却用空気を吸気する吸気窓と排気する排気窓とを夫々形成し、保持筒内に、排気窓を吹出口と連通させた状態で吸気窓と区画するセパレート部材を設けたことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、モータを弾性部材を介して保持筒内に収容したことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項2の構成において、モータに弾性部材を外装してセパレート部材を弾性部材に設けたことを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかの構成において、本体における吸気口の形成面に、吸気口と隣接する突起を設けたことを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れかの構成において、本体に、保持筒の外側空間を任意に開閉可能な蓋を設けたことを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の何れかの構成において、本体にホース端部の連結部を設けたことを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7の何れかの構成において、本体内で保持筒の外側空間に防音材を設けたことを特徴とするものである。
請求項9に記載の発明は、請求項3の構成において、弾性部材をモータの出力軸の軸線方向で前後に分割したことを特徴とするものである。
請求項10に記載の発明は、請求項9の構成において、前後に分割した弾性部材のうち、出力軸から遠い側の弾性部材の硬度を出力軸に近い側の弾性部材の硬度よりも低くしたことを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によれば、本体を二重構造としたことでモータの駆動音を効果的に抑制でき、防音性能に優れる。また、モータの冷却用空気は吹出口から確実に本体の外部へ排出されるため、本体を二重構造としてもモータの冷却作用が損なわれることはない。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、セパレート部材の採用により、冷却用ファンを内設するモータを保持筒内に収容しても冷却用空気が保持筒内で循環することがなく、好適な冷却性能が得られる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、弾性部材によって本体の防振作用とモータへの緩衝作用とが得られる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項2の効果に加えて、防振/緩衝用の弾性部材を利用してセパレート部材を適正位置へ簡単に設けることができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の何れかの効果に加えて、定置した本体が転倒して背面が下になったような場合でも突起によって吸気口からの吸気は確保でき、冷却性能が維持できる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5の何れかの効果に加えて、蓋の採用により、外側空間にノズルや折り畳んだダストバッグ等の付属物が収納可能となり、デッドスペースを有効利用して利便性が高まる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至6の何れかの効果に加えて、連結部の採用により、吸込口にホースを接続したまま運搬や保管等をする際に、巻き取ったホースの他端を連結部に接続してばらけることを防止でき、運搬等に至便となって取り扱い性に優れる。
請求項8に記載の発明によれば、請求項1乃至7の何れかの効果に加えて、防音材の採用によって防音性能の向上が期待できる。
請求項9に記載の発明によれば、請求項3の効果に加えて、弾性部材を防振等に好適な箇所に無駄なく配置できる。
請求項10に記載の発明によれば、請求項9の効果に加えて、モータの軸線回りの振動を効果的に防止可能となる。
集塵機の斜視図である。 集塵機の正面図である。 本体の斜視図で、(A)が背面側から、(B)が正面側から見た状態を示す。 本体の説明図で、(A)が平面、(B)が正面を夫々示す。 本体の説明図で、(A)が背面、(B)が底面を夫々示す。 A−A線断面図である(バッテリーパックは省略)。 B−B線断面図である(バッテリーパックは省略)。 C−C線断面図である(バッテリーパックは省略)。 本体の分解斜視図である。 バッグ本体の縦断面図である。 本体の断面説明図である。 ファンハウジングを取り外した本体の正面図である。 モータの説明図で、(A)が前方側からの斜視、(B)が後方側からの斜視、(C)が側面を夫々示す。 ファン部分の拡大断面図で、(A)が定常状態、(B)がスクロール室の内圧が上昇した状態を夫々示す。 蓋を設けた本体の変更例を示す斜視図である。 ホースの連結部を設けた本体の変更例を示す斜視図である。 防音材を設けた本体の説明図で、(A)が水平方向の横断面、(B)が垂直方向の横断面を夫々示す。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[集塵機の全体構成]
図1,2に示す集塵機1は、内部にモータ及びファンを収容する四角箱状の本体2を有し、本体2の正面に吸込口3が、右側面上方に排出口4が夫々形成されて、吸込口3にホース5が、排出口4にダストバッグ6が夫々着脱可能に装着されている。7は電源となるバッテリーパックで、本体2の左側面に設けた装着部8へ着脱可能に装着されている。すなわち、ここでは本体2を中心として右側にダストバッグ6が、左側にバッテリーパック7が夫々対称に配置される形態となっている。
また、本体2の上面で前後方向の中央には、図3〜5にも示すように、ハンドル9が左右方向に形成される一方、本体2の底面には、平坦な定置面2aが形成されて、定置面2aの四隅にキャップ10,10・・が嵌着されている。
[集塵機の詳細構成]
本体2内では、図6〜8に示すように、モータ11が出力軸12を正面に向けて横向きに収容されており、出力軸12には、延長シャフト13を介してファン14がボルト15によって直交状に取り付けられている。ここでモータ11は、本体2の後方半分を構成するモータハウジング16の後方内面へ前向きに立設された保持筒17内に収容されて、モータハウジング16の前方に組み付けられたファンハウジング18の後面で、延長シャフト13がボールベアリング19によって軸支されている。ファンハウジング18の前方には、ファンカバー20が組み付けられてファンハウジング18との間にスクロール室21を形成しており、延長シャフト13は、ファンハウジング18を貫通してファン14をスクロール室21の中央に配置している。22は、図5にも示すように、本体2の底面に凹設されて保持筒17の下面の一部を露出させる凹部である。
図9にも示すように、モータハウジング16とファンハウジング18とは、本体2の前後方向の略中央で組み合わされて複数のネジ23a,23a・・によって互いに連結されている。両ハウジング16,18の組付け面には、バッテリーパック7の装着部8及びハンドル9の半割部が夫々連設されている。さらに、装着部8とハンドル9との間には、両ハウジング16,18の組付け面を挟む一対の突起24,24が立設されて、一方の突起24に設けたボス25をネジ23aによって連結している。このボス25に、吊り下げ用のベルト(図示せず)の端部に設けたフックが係止可能となっている。同様に、本体2の右側面においても、両ハウジング16,18の組付け面を挟んで一対の突起26,26が立設され、両突起26,26間にピン27が架設されて、ここにもベルト端部のフックが係止可能となっている。
ファンカバー20は、ファンハウジング18にネジ23b,23bによって固定されると共に、その前方からファンカバー20及びファンハウジング18を貫通してモータハウジング16に螺合される長いネジ23c,23c・・によっても一体化されている。
吸込口3は、出力軸12及びファン14と同軸上でファンカバー20に一体形成されて、排出口4は、ファンハウジング18とファンカバー20との組付け面で挟持された別体の筒体で形成されている。この排出口4は、スクロール室21の上部から接線方向で横向きに形成された導出部28と同軸で連結されている。29,29は、排出口4の開口端部に形成された一対のL字溝である。また、ファンハウジング18とファンカバー20との組付け面には、スクロール室21の全周から排出口4の開口までに亘って、シール材30が挟持されている。
なお、ダストバッグ6は、図10に示すように、布製のバッグ本体31の開口に、排出口4に外嵌されてL字溝29を貫通する一対のピン33,33を内面に突出する装着筒32を連結してなり、装着筒32を排出口4にバヨネット結合可能としている。バッグ本体31の上部には、ファスナー34が、本体2側の面を除く3面に亘って平面視コの字状に設けられて、上部が蓋体6aとして任意に開閉可能となっている。35は、蓋体6aに沿って長手方向の一端が縫着される帯状のカバーで、ファスナー34によって蓋体6aを閉じた状態では、ファスナー34はカバー35によって覆われて露出しないようになっている。
また、ファンカバー20において、吸込口3内には複数のリブ36〜38が形成されている。このリブは、正面視で吸込口3の開口面内の上側から下向きに突設される一対の上リブ36,36と、開口面内の下側から上向きに突設される一対の下リブ37,37と、これらの上下リブ36,37の左右両側から斜めに交差する方向で吸込口3の中心を通る直径方向に対向して突設される一対の斜めリブ38,38とを有し、このうち上リブ36と下リブ37とは、吸込口3の上下方向の中央付近で互いに近接するまで突設されると共に、上下方向で互い違いとなる千鳥状に配置されている。斜めリブ38は、上下リブ36,37よりも短い寸法で突設されている。これらのリブ36〜38は、吸込口3の軸方向では開口端から略半分となる位置まで形成されると共に、突出側の端面は、吸込口3の開口へ行くに従って徐々に突出量が小さくなる傾斜状となっている。
そして、ファンカバー20の前方には、フロントカバー39が装着されている。このフロントカバー39は、ファンカバー20に正面からネジ23d,23d・・によって固定されて、スクロール室21及び導出部28を含むファンカバー20の略前面を覆い、中央部には、吸込口3の外側で同軸に配置される接続筒40が設けられている。この接続筒40は、図11に示すように、吸込口3へ外嵌されるホース5の端部5aを外側から覆う大きさで吸込口3よりも前方へ長く突出しており、開口縁には、端部5aに設けた一対の突起5bと係合する一対の突条41,41が点対称位置で突設されている。すなわち、突起5b,5bを突条41,41と位相をずらせた状態で端部5aを吸込口3に外装させ、端部5aの外周に設けたフランジ5cが接続筒40に当接するまで接続筒40内に差し込んで、突起5b,5bが突条41,41と位相が一致するまで回転させれば、ホース5の端部5aが接続筒40に抜け止めされた状態で連結されて吸込口3と接続されるものである。
また、フロントカバー39の内面には、図9に示すように、接続筒40の開口と、導出部28の前面を覆う突出端部42とを電気的接続する金属製の第1アースプレート43と第2アースプレート44とが設けられている。第1アースプレート43は、L字状に形成され、一端側を接続筒40の内面に沿って前方へ突出させ、フック状に折り曲げた前端部45を接続筒40の開口に係止させている。他端側はフロントカバー39の内面に沿って右上方向へ突出している。一方、第2アースプレート44は、左右方向の横棒部46と上下方向の縦棒部47とからなるT字状に形成され、横棒部46の左端を第1アースプレート43の右端に当接させる一方、フック状に折り曲げた右端部48をフロントカバー39の突出端部42に係止させている。
49は、スクロール室21の外側において導出部28の根元に当たる舌部21a(図7)でファンカバー20及びファンハウジング18を前後方向に貫通する金属製のアースピンで、前端が第2アースプレート44の縦棒部47の下端に当接する一方、後端が、モータハウジング16の後面に突設されたネジ止め用のボス50の前面に当接して位置決めされ、図示しないアース線によってモータ11に電気的接続されている。
ここで、ホース5の端部5aとダストバッグ6の装着筒32とは、例えばカーボン入ポリプロピレン等の導電性樹脂で形成されており、ホース5を接続筒40に接続すると、端部5aが第1アースプレート43の前端部45に当接し、ダストバッグ6を排出口4に接続すると、装着筒32が第2アースプレート44の右端部48に当接するようになっている。
一方、バッテリーパック7の装着部8は、本体2の左側面へU字状に立設される突条51内に、一対の端子板52,52を上下方向へ平行に突出しており、バッテリーパック7の上面に設けた嵌合部7aを突条51内に上側から嵌合させ、嵌合部7aに設けたストッパ7bが突条51の上端に当接するまで下方へスライドさせると、図11,12に示すように、嵌合部7aが突条51に結合すると共に、端子7c,7cが端子板52,52に電気的接続される。この装着状態で、バッテリーパック7の重心は本体2の重心よりも下方に位置している。バッテリーパック7の取り外しは逆に突条51から上方へ嵌合部7aをスライドさせることになる。
53は、ハンドル9の左端に設けられたスイッチユニットで、ハンドル9の上面にON/OFF操作部を露出させるスイッチプレート54を上部に備えている。このスイッチユニット53は、装着部8の端子板52と共に本体2内のコントローラ55に電気的接続されている。
そして、モータ11は、図13にも示すように、ケーシング60内において、出力軸12の後方寄りに冷却用ファン61を備えており、ケーシング60に形成された周方向の長孔である排気窓としての中窓62,62・・から冷却用ファン61を外部に露出させている。ケーシング60の前面には、周方向に長孔となる吸気窓としての前窓63,63・・が形成される一方、ケーシング60の後面には、端子64,64が突設されると共に、周方向に長孔となる吸気窓としての後窓65,65・・が形成されている。
また、ケーシング60には、前後から弾性部材としてのゴムカバー66,67が被着されている。このうち前側のゴムカバー66は、中窓62よりも前方を覆うと共に、前面中央部分がケーシング60よりも前方へ突出して、ボールベアリング19を保持する保持リング68となっている。この保持リング68は、図14(A)にも示すように、ファンハウジング18の後面に突設されたリング状の内保持壁18a内に嵌合して、保持リング68の前面とファンハウジング18の後面との間に、延長シャフト13及びファン14が貫通する貫通孔を含む連通部18bを形成している。18cは、内保持壁18aの外側でファンハウジング18の後面に突設され、保持筒17の先端が嵌合するリング状の外保持壁で、この外保持壁18cと保持筒17とにより、モータハウジング16内にモータ11を収容するモータ室17aが形成されている。
さらに、保持リング68の前面には、リング状の溝69が同軸で凹設されて、前端外周に薄肉のシール部70を形成している。このシール部70を含む保持リング68の外周面は、内保持壁18aの内周面に近接して、モータ室17aとスクロール室21とを連通させている。
加えて、ゴムカバー66におけるケーシング60の前端付近には、外周面が保持筒17の内面に当接するセパレート部材としての前フランジ71が周設されて、前フランジ71から後方でゴムカバー66の外周面には、前フランジ71と同じ高さとなる軸方向の突条72,72・・が、ゴムカバー66の周方向へ複数本突設されている。73は、保持リング68における前フランジ71の前方に設けられて前窓63を外部と連通させる開口である。
一方、後側のゴムカバー67は、ケーシング60の端子64及び後窓65を除いて中窓62よりも後方を覆うスリーブ状で、前端には、外周面が保持筒17の内面に当接するセパレート部材としての後フランジ74が周設されて、後フランジ74から後方でゴムカバー67の外周面にも、後フランジ74と同じ高さとなる軸方向の突条75,75・・が、突条72と位相を合わせて複数本突設されている。
よって、モータ室17a内には、ゴムカバー66,67に設けた前後フランジ71,74によって、中窓62と連通する中空間76、前窓63と連通する前空間77、後窓65と連通する後空間78が夫々仕切形成される。
ここで、ゴムカバー66,67は、CR(クロロピレン)ゴム製で、前側(モータ11の出力軸12に近い側)のゴムカバー66は硬度が40Hs(JIS−A)、後側(モータ11の出力軸12から遠い側)のゴムカバー67は硬度が30Hs(JIS−A)となって、後側のゴムカバー67の方が前側のゴムカバー66よりも低い硬度に設定されている。なお、前側のゴムカバー66の硬度を40Hsとしたのは、硬度が低すぎるとモータ11の駆動に伴ってモータ11の前側部分がばたつき、ファン14がスクロール室21内でファンハウジング18等と干渉するおそれがあるためで、このようなばたつきを抑えつつ必要な防振作用が得られる硬度として上記数値が設定されている。一方、後側のゴムカバー67の硬度は、CRゴムでコストをかけずに低くできる適正値として上記数値が設定されている。
そして、モータハウジング16において、保持筒17の下部には、図5に示すように、凹部22内に開口する吹出口81が形成される一方、モータ11の後方に当たる背面側には、出力軸12と同軸で後方へ突出する円形突起82と、その円形突起82の周囲に隣接して長円状に開口する複数の吸気口83,83・・とが形成されている。よって、モータ室17a内の中空間76は、吹出口81を介して本体2の外部と連通し、後空間78は、吸気口83を介して本体2の外部と連通することになる。なお、保持筒17の前端下側には、図9に示すように切欠き79,79・・が形成されて、前空間77を凹部22と連通させている。
[集塵機の作用]
以上の如く構成された集塵機1は、図1に示すように、吸込口3にホース5を、排出口4にダストバッグ6を、装着部8にバッテリーパック7を夫々装着した状態で床等に定置し、スイッチプレート54をON操作すると、モータ11が駆動して出力軸12と共にファン14が回転する。よって、吸込口3を介してホース5から外気が吸い込まれ、スクロール室21の内部を周回し導出部28を介して排出口4から排出される。ホース5を電動工具等に接続して外気と共に粉塵を吸い込むと、排出口4から排出されてダストバッグ6に捕捉され集塵される。
一方、吸込口3からホース5を取り外し、排出口4に図示しないノズルを接続すれば、ブロワとして使用可能となる。この場合、ハンドル9を把持したり、ボス25及びピン27にベルトを係止して肩に担いだりして携帯することができる。なお、ブロワとしての使は携帯に限らず、例えば排出口4にホースを接続すれば、本体2を地面等に定置したままでもホースのみの操作で任意の向きに送風可能となる。
ここで、本体2においては、モータ11が駆動して冷却用ファン61が回転すると、まずモータ11の後方側では、外気が吸気口83からモータ室17a内に吸引されて後窓65からケーシング60内に導かれ、ケーシング60内を前方へ移動して中窓62から中空間76内に排出されて、吹出口81から凹部22、すなわち本体2の外部へ排気される。
また、モータ11の前方側では、切欠き79を介して凹部22から吸い込まれる空気が、前空間77及び開口73を通って前窓63からケーシング60内に導かれ、ケーシング60内を後方へ移動して中窓62から空間76内に排出され、吹出口81から凹部22に排気される。これらの通気路によってモータ11が冷却される。
このとき、モータ冷却後の空気が排出される中空間76は、前後フランジ71,74によって冷却前の空気が吸引される前後空間77,78と区画されているので、モータ室17a内でモータ冷却後の空気が再びケーシング60内に吸引されて循環することがなくなる。よって、新鮮な空気でモータ11が冷却可能となる。
さらに、ここではモータ11は前後のゴムカバー66,67を介して保持筒17内に固定される格好となるため、モータ11の駆動に伴う振動が保持筒17から本体2に伝わりにくくなる、特に、後側のゴムカバー67の方が硬度が低いため、出力軸12の軸線回りに振動が発生しても、モータ11の後部が出力軸12を中心にして当該軸線回りに旋回動作することでこれを吸収できる。
一方、ダストバッグ6内に粉塵が貯留して排気抵抗が増すと、スクロール室21内の圧力が高まり、スクロール室21と連通する連通部18b内でも圧力が高まる。すると、図14(B)に示すように、保持リング68が前方から押されて放射方向へ拡がり、シール部70が内保持壁18aの内周面に押圧されるため、連通部18bがシールされる。よって、粉塵がスクロール室21内に滞留しても、モータ室17a内の前空間77に侵入しにくくなり、モータ11の防塵性が維持される。
また、吸込口3には、リブ36〜38が設けられているので、フィルタ機能が発揮されて大きな木片や塵埃はここで阻止され、スクロール室21内に吸い込まれることはない。
さらに、集塵の際に、吸込口3から吸い込まれた粉塵が木屑等の(−)に帯電しやすい材料であれば、端部5aや吸込口3との摩擦によって(−)に帯電する静電気を生じさせ、対する端部5aや吸込口3を(+)に帯電させる。その後、帯電した粉塵がスクロール室21を通過して排出口4から排出される際、排出口4や装着筒32に接触することで、(−)電荷は排出口4や装着筒32に落とされる。ここで、ホース5の端部5aと装着筒32とは第1、第2アースプレート43,44によって電気的接続されているので、吸込側の(+)電荷と排出側の(−)電荷とは第1、第2アースプレート43,44を介して結合し消滅する。同様に、粉塵との摩擦によってファン14が(+)に帯電しても、アースピン49からモータ11に落とされる(−)電荷と結合して消滅することになる。
[集塵機の効果]
このように、上記形態の集塵機1によれば、本体2に、冷却用ファン61によるモータ11の冷却用空気の吸気口83を設けると共に、本体2を、吸気口83の位置にモータ11を収容する保持筒17を内設した二重構造として保持筒17に冷却用空気の吹出口81を形成し、本体2に、保持筒17の外周面を底部として吹出口81を外部に露出させる凹部22を形成したことで、モータ11の駆動音を効果的に抑制でき、防音性能に優れる。また、モータ11の冷却用空気は吹出口81から確実に本体2の外部へ排出されるため、本体2を二重構造としてもモータ11の冷却作用が損なわれることはない。
特に、冷却用ファン61をモータ11のケーシング60内に設けてケーシング60に冷却用空気を吸気する前窓63及び後窓65と排気する中窓62とを夫々形成し、保持筒17内に、中窓62を吹出口81と連通させた状態で前窓63及び後窓65と区画する前後フランジ71,74を設けたことで、冷却用ファン61を内設するモータ11を保持筒17内に収容しても冷却用空気がモータ室17a内で循環することがなく、好適な冷却性能が得られる。
また、モータ11をゴムカバー66,67を介して保持筒17内に収容しているので、本体2の防振作用とモータ11への緩衝作用とが得られる。
さらに、モータ11にゴムカバー66,67を外装して前後フランジ71,74をゴムカバー66,67に夫々設けているので、防振/緩衝用のゴムカバー66,67を利用して前後フランジ71,74を適正位置へ簡単に設けることができる。
加えて、本体2における吸気口83の形成面(ここでは背面)に、吸気口83と隣接する円形突起82を設けたことで、定置した本体2が転倒して背面が下になったような場合でも円形突起82によって吸気口83からの吸気は確保でき、冷却性能が維持できる。
そして、弾性部材をモータ11の出力軸12の軸線方向で前後に分割したゴムカバー66,67としたことで、弾性部材を防振等に好適な箇所に無駄なく配置できる。
さらに、前後に分割したゴムカバー66,67のうち、後側(出力軸12から遠い側)のゴムカバー67の硬度を、前側(出力軸12に近い側)のゴムカバー66の硬度よりも低くしているので、モータ11の軸線回りの振動を効果的に防止可能となる。
[集塵機の変更例]
集塵機は上記形態に限らず、例えば排出口と装着部とを左右逆に設けてダストバッグとバッテリーパックの配置を逆にしたり、バッテリーパックの装着を前方又は後方からのスライド結合としたり、スライド結合に代えてバッテリパックを差し込む差し込み結合としたり、ハンドルの向きを変えたり等、適宜設計変更可能である。
特に、二重構造とする保持筒は、配置や向きの変更は勿論、上記形態ではファンハウジング側に設けたり、ファンハウジングとモータハウジングとに夫々半分ずつ設けたりする等、具体的な構造は変更して差し支えない。凹部も本体の側面に形成することは可能である。
また、ゴムカバーの分割形態や材質、硬度の相違は適宜変更可能で、セパレート部材は、上記形態ではゴムカバーに一体形成しているが、これと別体にして取り付けたり、ゴムカバー等の弾性部材を省略してセパレート部材を保持筒の内面側に設けたりすることも考えられる。
さらに、吸気口に隣接させる突起も、上記形態のように一つに限らず、複数突設したりしてもよいし、円形以外の他の形状を採用してもよい。
その他、例えば図15に示す集塵機1aのように、モータハウジング16に、その上面から右側面に掛けて開閉可能な蓋56を設けて、本体2内における保持筒17の外側空間57を任意に開放可能としてもよい。このようにすれば、外側空間57にノズルや折り畳んだダストバッグ等の付属物が収納可能となり、デッドスペースを有効利用して利便性が高まる。勿論蓋56の位置や形状は任意に設定可能で、複数箇所に設けてもよい。
また、図16に示す集塵機1bのように、本体2の側面でダストバッグ6と干渉しないモータハウジング16側に、ホース5の端部を仮接続させる連結部58を設けることも考えられる。このようにすれば、吸込口3にホース5を接続したまま運搬や保管等をする際に、巻き取ったホース5の他端5dを連結部58に接続してばらけることを防止でき、運搬等に至便となって取り扱い性に優れる。ここでの連結部58は、ホース5の他端5dを差し込み嵌合させる筒状体を突設しているが、仮接続可能であれば凹部とする等具体的な構造は適宜変更可能である。勿論本体2の他の面に設けてもよい。
そして、防音性能の向上を図るために、図17に示す集塵機1cのように、モータハウジング16の内部で保持筒17の外側空間や、ファンカバー20とフロントカバー39との間の空間に、防音材59,59・・を設けることもできる。この防音材59はスポンジやウレタン等の周知のものが使用可能である。
また、図15〜図17の変更例は組み合わせて適用することもできる。
1,1a〜1c・・集塵機、2・・本体、2a・・定置面、3・・吸込口、4・・排出口、5・・ホース、6・・ダストバッグ、7・・バッテリーパック、8・・装着部、9・・ハンドル、11・・モータ、12・・出力軸、14・・ファン、16・・モータハウジング、17・・保持筒、17a・・モータ室、18・・ファンハウジング、18a・・連通部、19・・ボールベアリング、20・・ファンカバー、21・・スクロール室、21a・・舌部、22・・凹部、23a〜23d・・ネジ、25・・ボス、27・・ピン、28・・導出部、31・・バッグ本体、34・・ファスナー、35・・カバー、36・・上リブ、37・・下リブ、38・・斜めリブ、39・・フロントカバー、40・・接続筒、43・・第1アースプレート、44・・第2アースプレート、49・・アースピン、51・・突条、60・・ケーシング、61・・冷却用ファン、62・・中窓、63・・前窓、65・・後窓、66,67・・ゴムカバー、68・・保持リング、70・・シール部、71・・前フランジ、74・・後フランジ、76・・中空間、77・・前空間、78・・後空間、81・・吹出口、82・・円形突起、83・・吸気口、56・・蓋、57・・外側空間、58・・連結部、59・・防音材。

Claims (10)

  1. 本体内に、出力軸に冷却用ファンを備えたモータと、そのモータの駆動で回転するファンとを設けると共に、前記本体に吸込口と排出口とを設けて、前記ファンの回転によって前記吸込口から外気を吸い込み、前記排出口から排出可能とした集塵機であって、
    前記本体に、前記冷却用ファンによる前記モータの冷却用空気の吸気口を設けると共に、前記本体を、前記モータを収容する保持筒を前記吸気口と連通状態で内設した二重構造として前記保持筒に前記冷却用空気の吹出口を形成し、
    前記本体に、前記保持筒の外周面を底部として前記吹出口を外部に露出させる凹部を形成したことを特徴とする集塵機。
  2. 前記冷却用ファンを前記モータのケーシング内に設けて前記ケーシングに前記冷却用空気を吸気する吸気窓と排気する排気窓とを夫々形成し、前記保持筒内に、前記排気窓を前記吹出口と連通させた状態で前記吸気窓と区画するセパレート部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の集塵機。
  3. 前記モータを弾性部材を介して前記保持筒内に収容したことを特徴とする請求項1又は2に記載の集塵機。
  4. 前記モータに弾性部材を外装して前記セパレート部材を前記弾性部材に設けたことを特徴とする請求項2に記載の集塵機。
  5. 前記本体における前記吸気口の形成面に、前記吸気口と隣接する突起を設けたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の集塵機。
  6. 前記本体に、前記保持筒の外側空間を任意に開閉可能な蓋を設けたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の集塵機。
  7. 前記本体にホース端部の連結部を設けたことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の集塵機。
  8. 前記本体内で前記保持筒の外側空間に防音材を設けたことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の集塵機。
  9. 前記弾性部材を前記モータの出力軸の軸線方向で前後に分割したことを特徴とする請求項3に記載の集塵機。
  10. 前後に分割した前記弾性部材のうち、前記出力軸から遠い側の前記弾性部材の硬度を前記出力軸に近い側の前記弾性部材の硬度よりも低くしたことを特徴とする請求項9に記載の集塵機。
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