JP2011125148A - 駆動制御装置、画像形成装置、用紙搬送装置及び画像読取装置 - Google Patents

駆動制御装置、画像形成装置、用紙搬送装置及び画像読取装置 Download PDF

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Abstract

【課題】移動体を目標停止位置に保持するホールド処理によるハンチングの発生を従来よりも抑える。
【解決手段】信号出力手段として、モータ9の回転角度に応じた値となる3相の正弦波状のアナログ信号を、互いに120°ずつ位相ずれさせて出力するホールセンサ9cを用いるとともに、ホールド処理にて、ホールセンサ9cから出力される3相のアナログ信号の出力値の変化に基づいて、移動体の動きを検出する処理を実施するように、目標速度発生器1、速度制御部2、位置信号抽出部100、ホールド制御部5、セレクター3、シーケンス制御部6、カウンター7、ドライバ回路8などからなる制御部を構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェットプリンタのキャリッジなどの移動体の駆動を制御する駆動制御装置、並びにこれを用いる画像形成装置、用紙搬送装置及び画像読取装置に関するものである。
従来、この種の駆動制御装置として、移動体を次のようにして目標停止位置に保持するものが知られている。即ち、まず、移動体の駆動源となっているモータの駆動を開始する。そして、モータの回転角変位を検知するデジタルエンコーダーからの矩形パルスの出力数に基づいて、移動体の移動量を算出した結果に基づいて、現在位置を逐次把握する。この現在位置と目標停止位置とを比較し、現在位置が目標停止位置に近づくと、現在位置を目標停止位置に一致させ得るタイミングでモータを停止させる。このような制御によって移動体を目標停止位置に停止させることができるが、その後、モータを停止させているにもかかわらず、外部からの力の影響などによって移動体が目標停止位置から移動してしまうことがある。そこで、モータを停止させた後には、次のようなホールド処理を行う。即ち、モータ停止後にも、デジタルエンコーダーからの出力に基づいて移動体の動きを監視し、現在位置が目標停止位置から変化した場合には、モータを駆動して移動体を目標停止位置に戻す。これにより、移動体を目標停止位置に保持することができる。
しかしながら、かかる構成においては、次に説明する理由により、移動体の細かい動きを検出することが困難であった。即ち、モータ停止中には、デジタルエンコーダーからの出力値が、パルスONの値、あるいはパルスOFFの値のまま一定となる。この状態で、外部からの力などによって移動体が移動し、それに伴ってモータの回転軸が回転し始めると、やがてデジタルエンコーダーからの出力値が、パルスONからパルスOFFへ、あるいは、パルスOFFからパルスONへ変化する。このときに初めて、移動体の移動が検知される。このため、出力値の変化を伴わない範囲での移動体の細かい動きについては、検出することができないのである。このことに起因して、モータ停止中には、移動体の移動がデジタルエンコーダーの分解能を超えるほどの量になって初めて、移動体を元の基準停止位置に戻す制御を行うことになるので、基準停止位置まで戻すためのモータ駆動量が比較的大きくなる。すると、基準停止位置を僅かに通り越して再方向転換させるという動作を繰り返すいわゆるハンチングと呼ばれる現象を引き起こし易くなる。
なお、特許文献1には、正弦波状のアナログ信号を出力するアナログエンコーダーからの出力を利用して移動体の細かい動きを検出することで、移動体を目標停止位置に精度良く停止させる技術が開示されている。しかしながら、この技術を、目標位置停止後の移動体をそこに保持するためのホールド処理に適用することについては、特許文献1に記載も示唆もない。
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、移動体を目標停止位置に保持するホールド処理によるハンチングの発生を従来よりも抑えることができる駆動制御装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、移動体の駆動源となっているモータの駆動を制御する駆動制御装置において、モータの回転角に応じて周期的な第1位置信号を出力する第1位置信号出力手段と、前記回転角に応じて値を連続的に変化させ、互いに同じ周期で、且つ位相の異なる複数の第2位置信号を出力する第2位置信号出力手段と、前記第2信号の位相に応じて、前記モータの複数の巻線にそれぞれ位相の異なる電流を流して前記モータを駆動する駆動手段と、前記第1位置信号を計数し、その計数値に応じて前記電流を変化させて前記モータの回転速度を制御する回転速度制御手段と、前記第2位置信号の1周期を複数に分割して得られる各周期内区画ごとに、複数の前記第2位置信号の何れか、あるいは複数の前記第2位置信号の相互の演算によって得られる複数の演算位置信号の何れか、を選択する選択手段と、所定の条件が成立したときの前記選択手段による選択信号の値を基準値とし、以後、前記選択手段による選択信号の値をその基準値に近づけるように前記電流を変化させて、前記モータの回転角度を前記所定の条件が成立したときの回転角度に保持するように制御するホールド制御手段とを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の駆動制御装置であって、前記選択手段は、複数の前記第2位置信号のそれぞれの大小関係に基づいて、前記モータの回転位置について複数の前記周期内区画のうち、どれに対応するのかを特定し、複数の前記演算位置信号のうち、特定結果に応じたものを選択する処理を実施するものであることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1の駆動制御装置であって、前記選択手段は、複数の前記第2位置信号のそれぞれの大小関係に基づいて、前記モータの回転位置について複数の前記周期内区画のうち、どれに対応するのかを特定し、複数の前記第2位置信号と、それら第2位置信号をそれぞれ逆位相に反転させた複数の反転信号との中から、特定結果に応じたものを選択する処理を実施するものであることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1の駆動制御装置であって、前記選択手段は、複数の前記第2位置信号のそれぞれの大小関係に基づいて、前記モータの回転位置について複数の前記周期内区画のうち、どれに対応するのかを特定し、複数の前記演算位置信号のうち、特定結果に応じたものを選択する処理と、複数の前記第2位置信号、及びそれら第2位置信号をそれぞれ逆位相に反転させた複数の反転信号の中から、前記特定結果に応じたものを選択する処理とを実施した後、2つの特定結果のうち、何れか一方を選択するものであることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至5の何れかの駆動制御装置であって、前記選択手段は、前記ホールド制御手段による制御の実行中における前記周期内区画の変化が所定範囲内である場合に限って、前記選択信号の値を前記制御に用いるものであることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の駆動制御装置であって、前記選択手段は、前記ホールド制御手段による制御の実行中における前記周期内区画の変化が前記所定範囲から外れている場合には、前記選択信号の値に代えて、所定値を前記制御に用いるものであることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れかの駆動制御装置において、前記第2信号出力手段として、前記モータの回転角度に応じた値となる複数の正弦波状の第2位置信号を、互いに所定量ずつ位相ずれさせて出力するものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項2の駆動制御装置において、複数の前記周期内区画のうち、複数の前記第2位置信号を取得したタイミングであるデータ取得タイミングにおけるそれら第2位置信号の大小関係に対応する周期内区画を、データ取得時区画として特定した後、複数の前記演算位置信号のうち、前記データ取得時区画に対応する演算位置信号を選択する処理を実施するように前記選択手段を構成し、且つ、前記選択手段による前記選択信号に基づいて、前記データ取得時区画内における区画開始点から前記データ取得タイミングまでの前記モータの回転位置変化量を求める変化量算出処理を繰り返し実施し、初回の変化量算出処理で求めた回転位置変化量を前記基準変化量として記憶し、2回目以降の変化量算出処理で求めた回転位置変化量と前記基準変化量との差分に相当する値の前記電流を前記巻線に流す処理を実施するように、前記ホールド制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項8の駆動制御装置において、前記モータとして、所定の回転量に対して互いに所定量ずつ位相ずれした複数の正弦波状の信号を出力する手段を内蔵しているものを用い、該手段を前記第2位置信号出力手段として使用したことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項2の駆動制御装置において、複数の前記演算位置信号における少なくとも1つが、前記第2位置信号出力手段から出力される複数の前記第2位置信号のうち、2つの差分に基づく信号間差分信号であることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項4の駆動制御装置において、前記第2位置信号出力手段として、山側ピークと谷側ピークとを具備する形状の前記第2位置信号を出力するものを用い、前記複数の周期内区画の全てについて、周期内区画の区画中心点でピークツウピークの中心線と交差する前記第2位置信号である中心点クロス第2位置信号と、周期内区画の開始点で前記中心線と交差する前記第2位置信号である開始点クロス第2位置信号と、周期内区画の終了点で前記中心線と交差する前記第2位置信号である終了点クロス第2位置信号とをそれぞれ複数の前記演算位置信号として生成する演算位置信号生成手段を設け、且つ、複数の前記第2位置信号を取得したタイミングがそのタイミングに対応する前記周期内区画の前半区間に該当する場合には、前記開始点クロス第2位置信号と、前記中心点クロス第2位置信号とのうち、前記タイミングにおける値が前記中心線に近い方を前記選択信号として選択する一方で、前記タイミングがそのタイミングに対応する前記周期内区画の後半区間に該当する場合には、前記終了点クロス第2位置信号と、前記中心点クロス第2位置信号とのうち、前記タイミングにおける値が前記中心線に近い方を前記選択信号として選択する処理を実施するように、前記ホールド制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項6の駆動制御装置であって、複数の前記第2位置信号が、前記周期内区画の区画中心点でピークツウピークの中心線と交差し、且つ、山側ピーク点及び谷側ピーク点をそれぞれ隣接する2つの周期内区画の境界に位置させる正弦波状の信号であることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項12の駆動制御装置において、前記ホールド制御手段による制御の実行中における前記周期内区画の区画変化数が所定の区画数を超えた場合には、前記選択信号の値に代えて、前記第2位置信号の山側ピーク値と谷側ピーク値とのうち、前記モータの回転方向に対向する方を前記所定値として前記制御に用いる処理を実施するように、前記ホールド制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、可視像を形成する可視像形成手段と、該可視像形成手段に具備される移動体と、該移動体の駆動源であるモータの駆動を制御する駆動制御装置とを備える画像形成装置において、前記駆動制御装置として、請求項1乃至13の何れかの駆動制御装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、用紙を搬送する用紙搬送手段と、該用紙搬送手段に具備される移動体と、該移動体の駆動を制御する駆動制御装置とを備える用紙搬送装置において、前記駆動制御装置として、請求項1乃至13の何れかの駆動制御装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、原稿の画像を読み取る画像読取手段と、該画像読取手段に具備される移動体と、該移動体の駆動を制御する駆動制御装置とを備える画像読取装置において、前記駆動制御装置として、請求項1乃至13の何れかの駆動制御装置を用いたことを特徴とするものである。
これらの発明では、第2位置信号出力手段から、モータの回転角の変化に応じて出力値を連続的且つ周期的に変化させる第2位置信号を出力する。そして、モータの回転に伴って、その第2位置信号の経時変化をみることで、矩形状のデジタル信号では検知できないモータの細かい動きを検知する。そして、ホールド制御手段が、その細かい動きに追従させてモータの駆動を微調整することで、移動体が外力などの影響で目標停止位置から僅かに動き出した段階で、それを目標停止位置に戻す。かかる構成では、矩形波状の信号に基づいて移動体の移動量を検出する場合に比べて、移動体を目標停止位置に戻す際のモータ駆動量を低減して、ハンチングの発生を抑えることができる。
実施形態に係る駆動制御装置を、モータとともに示すブロック図。 ホールセンサから発せられるホール信号の波形と、モータの3相のコイルに流されるコイル電流の波形とを示す波形図。 同駆動制御装置における制御状態の移り変わりの態様を説明するための模式図。 同駆動制御装置の位置信号抽出部の詳細を示すブロック図。 ホールセンサから出力される3つのホール信号の波形と、演算器によって生成される6つの信号間差分信号の波形とを示す波形図。 第1変形例に係る駆動制御装置の位置信号抽出部の詳細を示すブロック図。 同駆動制御装置のホールセンサから出力される3つのホール信号の波形と、それらを反転させた3つの反転ホール信号の波形とを示す波形図。 第2変形例に係る駆動制御装置の位置信号抽出部の詳細を示すブロック図。 同駆動制御装置のホールセンサから出力される3つのホール信号の波形と、それらを反転させた3つのホール信号hu、hv、hwの波形とを示す波形図。 同駆動制御装置において、データ取得時区画に対応して選択される3つの信号の波形を示す波形図。 実施例に係る駆動制御装置の位置信号抽出部を示すブロック図。 同駆動制御装置における各種の波形と、周期内区画と、各種数値との関係を示す波形図。 実施形態に係るインクジェット複合機を示す概略構成図。 同インクジェット複合機のプリンタ部におけるキャリッジ及びキャリッジ制御装置を示す模式図。 同インクジェット複合機のプリンタ部における搬送ローラ対及び記録シート制御装置を示す模式図。 同インクジェット複合機のスキャナにおける走査光学系及び走査制御装置を示す模式図。
以下、本発明を適用した駆動制御装置の実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係る駆動制御装置を、モータ9とともに示すブロック図である。同図において、駆動制御装置は、目標速度発生器1、速度制御部2、セレクター3、ホールド制御部5、シーケンス制御部6、カウンター7、ドライバ回路8、エンコーダー10などを有している。これら目標速度発生器1、速度制御部2、セレクター3、ホールド制御部5、シーケンス制御部6、カウンター7、ドライバ回路8、エンコーダー10により、駆動制御装置の制御手段が構成されている。
モータ9は、それぞれ星形結線されたiu、iv、iwというコイル電流が付与される3相のコイルを具備するコイル部9a、回転軸であるローター9b、ホールセンサ9cなどを有している。ローター9bは、永久磁石が多極着磁されたものであり、3相コイル電流との電磁力によって回転トルクが与えられて回転する。第2位置信号出力手段としてのホールセンサ9cは、uホール素子、vホール素子、wホール素子という3つのホール素子を具備しており、これらはローター9bの永久磁石の発生磁界に応じた第2位置信号としてのホール信号hu,hv,hwを発生させる。ローター9bは円周方向に多極着磁されており、ホールセンサ9cの3つのホール素子はローター9bの回転に応じて互いに120°位相ずれした正弦波状のアナログ信号をホール信号として発生するように配置されている。本実施形態では、ローター9bの1回転あたりに3つのホール素子からそれぞれ5周期分の正弦波からなるホール信号を出力させるように、ローター9bの1周あたりに着磁極ペアを5個配設している。このようなブラシレスモータは一般によく知られている。ローター9bの1回転あたりに5周期分の正弦波が出力されるので、それぞれのホール信号の正弦波によって示される電気角を、ローター9bの回転角である機械角に換算すると、その値は1/5になる。つまり、電気角が60°変化した場合には、機械角が12°変化したことになる。
第1位置信号出力手段としてのエンコーダー10は、ローター9bの回転に応じて矩形パルスからなる周期的なエンコーダー信号Aを第1位置信号として出力する。具体的には、エンコーダー10は、ローター9bに固定された、複数のスリットを具備するスリット円盤と、これの各スリットに対する透過光を検知するフォトセンサとを有するフォトインタラプタ構成により、ローター9bが所定の回転角度だけ回転する毎に矩形パルスを出力する。かかる構成のエンコーダー10に代えて、ローター9bの着磁を電磁的に検出するFG信号発電器を、モータ回転検知手段として設けてもよい。また、ホールセンサ9cの3つのホール素子から出力される3つのホール信号のうち、何れか1つを矩形状に整形して、モータ回転量を大まかに把握するための信号として用いてもよい。
ドライバ回路8は、モータ9の3相のコイルにそれぞれ異なる位相の電流を流すことで、ローター9bに回転トルクを発生させる。この電流位相については、ローター9bの着磁位相に応じて決定するのが好ましく、ホールセンサ9cのホール信号hu,hv,hwの位相に基づいて決定するのが好適である。実施形態に係る駆動制御装置では、ホール信号hu,hv,hwの2値論理に基づいて、ホール信号の1周期を電気角60°ずつの6つの周期内区画に区分けしている。そして、所定の周期毎にホール信号hu,hv,hwの出力値をサンプリングしながら、それら出力値の大小関係に基づいて、それぞれのサンプリングタイミングに対応する周期内区画であるサンプリング時区画について、第1区画〜第6区画の何れであるのかを特定する。そして、モータ9の3つのコイルにそれぞれそのサンプリング時区画に対応する量のコイル電流を流すことで、ローター9bを回転させる。
図2は、ホールセンサ9cから発せられる3つのホール信号の波形と、モータ9の3相のコイルに流されるコイル電流の波形とを示す波形図である。図示のように、第1区画から第6区画までの各区画において、それぞれの区画に応じたコイル電流iu,iv,iwの組合せを選択して、3相のコイルに流している。これにより、各区画において、ローター9bに対してほぼ一定の回転トルクTrが付与される。電流の振幅(波高値)については、後述する制御信号ctl信号の値に比例したレベルに調整することが好ましく、このようなドライバは当業者であれば容易に実現できる。
同図に示されるエンコーダー信号Aの周期については、ホール信号hu,hv、hwの周期より短くして、ホール信号の論理変化周期よりも高い分解能を得るようにすることが好ましい。同図では描画便宜上、ホール信号の整数倍の周波数で描いてあるが、整数比である必要はない。
図1に示したカウンター7は、モータ9の駆動を開始すると、エンコーダー信号Aのエッジを計数してその結果をカウント信号cntとして出力する。カウント信号cntの値は、キャリッジなどの移動体を搭載した上位装置(例えばプリンタ)の制御部からのスタート信号の立ち上がりエッジが発生するとゼロにリセットされる。よって、カウント信号cntは、スタート信号が発せられてモータ9の駆動が開始されてからののローター9bの大まかな回転量を示していることになる。
シーケンス制御部6は、上位装置の制御部から送られてくる目標位置信号xtgtと、カウント信号cntと、スタート信号とに基づいて、必要に応じてホールドトリガー信号Htと選択信号shとを出力する。ホールドトリガー信号Htは、移動体を基準の停止位置にホールドするための後述するホールド処理の実行条件が成立したときに、一瞬だけ立ち上がる信号である。また、選択信号shは、後述する制御信号ctlとして、速度制御部2から出力される駆動指令信号scを利用するのか、あるいはホールド制御部5から出力される駆動指令信号scを利用するのかを選択するための信号である。また、速度制御部2は、モータ9の駆動によって移動を開始した移動体を目標位置に向けて移動させながら、目標位置で停止させるタイミングでモータ9の駆動を停止させるためのモータ停止処理を行うものである。また、ホールド制御部5は、後述するホールド処理を行うものである。
図3は、実施形態に係る駆動制御装置における制御状態の移り変わりの態様を説明するための模式図である。同図におけるアイドル状態は、モータ9の駆動を停止した状態で、移動体の位置を監視せずに、何らかの指令があるまで待機する状態である。このアイドル状態では、シーケンス制御部6から選択信号shが出力されないため、セレクター3からの制御信号ctlも出力されない。アイドル状態でスタート信号が上位装置の制御部から出力されると、シーケンス制御部6は、そのときのスタート信号の立ち上がりエッジが出現したタイミングで、ホールドトリガー信号Htを位置信号抽出部に向けて出力する。これにより、制御状態がアイドル状態から、ホールド状態又は移動状態に遷移する。
ホールド状態は、後述するホールド処理が行われる状態である。ホールド状態において、シーケンス制御部6は、選択信号shとして、速度制御部2から出力される駆動指令信号scと、ホールド制御部5から出力される駆動指令信号hcとのうち、後者を選択すべき旨を指示する内容のものをセレクター3に出力する。スタート信号の立ち上がり直後には、その立ち上がりのエッジでカウント信号cntの値はゼロとなっている。この時点で目標位置信号xtgtがゼロとなっていれば、シーケンス制御部5は、前述の内容の選択信号shを出力して、アイドル状態をホールド状態に切り替える。その後、スタート信号が出力されたまま、上位装置の制御部から目標位置信号xtgtとして、ゼロよりも大きな値のものが送られてくると、それと、カウント信号cntの値(この時点ではゼロ)とが等しくなくなる。すると、シーケンス制御部5は、選択信号shとして、速度制御部2から出力される駆動指令信号scを選択すべき内容のものを出力して、制御状態をホールド状態から移動状態に切り替える。
移動状態は、モータ9の駆動によって移動体の移動を開始させた後、移動体を目標位置信号xtgtに対応する目標位置に停止させ得るタイミングでモータ9の駆動を停止させるモータ停止処理を実施する状態である。速度制御部2から出力される駆動指令信号scが制御信号ctlとしてセレクター3から出力されると、ドライバ回路8は、上述のようにしてモータ9のコイル部9aに3相のコイル電流を流して、ローター9bを回転させる。その後、目標位置信号xtgtとカウント信号cntとが等しくなると、モータ9の駆動が停止される。このとき、後述するホールド処理の実行条件が成立する。よって、モータ9の駆動停止と同時に、シーケンス制御部6は、選択手段としての位置信号抽出部100に対してホールドトリガー信号Htを出力して、条件成立時を示す基準タイミングを認識させる。また、セレクター3に対して、選択信号shとして、ホールド制御部5から出力される駆動指令信号hcの選択を指示する内容のものを出力して、制御状態を移動状態からホールド状態に切り替える。
このように、実施形態に係る駆動制御装置においては、制御状態をホールド状態に切り替える条件、即ち、後述するホールド処理の実行条件として、「スタート信号がONで且つホールドトリガー信号が発生」という条件と、「スタート信号がONで且つ目標位置信号xtgt=カウント信号cnt」という条件とを採用している。また、ホールド状態の停止条件として、「スタート信号がOFF」という条件と、「スタート信号ONで且つ目標位置信号xtgtがカウント値cntと一致しない」という条件とを採用している。
移動状態において、先に図1に示した目標速度発生器1は、目標位置信号xtgtとカウント信号cntとの差分に応じた値の目標速度信号vtgtを出力する。一般には、目標速度信号vtgtの値については、前述の差分である「xtgt−cnt」が大きくなるほど、大きい数値のものを出力し、「xtgt−cnt」が小さくなるほど、小さい値のものを出力する。但し、目標速度信号vtgtはゼロまでは小さくせず、ある下限値までの減速としてローター9bを停止させないようにするのが好ましい。移動体を目標位置に到達させる前にローター9bを停止させると、その際の反動によってローター9bを僅かに逆方向に回転させた場合にエンコーダー信号Aだけでは、逆方向の回転だと判断つかずに、正方向の回転量として加算してしまうと、正確な位置把握ができなくなるからである。
回転速度制御手段としての速度制御部2は、移動状態において、目標速度信号vtgtと、カウント信号cntに基づいて算出される現在速度とを、互いに等しくする内容の駆動指令信号scを出力する。現在速度については、例えばカウント信号cntを定期的にサンプリングし、サンプル値の差分(一定時間にどれだけ移動したかを示す)をとることで算出する。現在速度が目標速度vtgtより遅ければ、駆動指令信号scの値をより大きくしてローター9bの回転を加速し、目標速度vtgtより速ければ駆動指令信号scの値をより小さくしてローター9bの回転を減速する。
移動状態において、カウンター7から出力されるカウント信号cntが目標位置信号xtgt(=10)に等しくなると、シーケンス制御部6によってホールドトリガー信号Htが出力される。すると、セレクター3は、制御信号ctlとして、ホールド制御部5から出力される駆動指令信号hcを制御信号ctltとして選択してドライバ回路8に出力する。これにより、制御状態がホールド状態になって、移動体をホールドトリガー信号Ht発生時の位置に戻すホールド処理が行われるようになる。
図4は、実施形態に係る駆動制御装置の位置信号抽出部100の詳細を示すブロック図である。同図において、図示しないホールセンサから出力される3つのホール信号hu,hv,hwは、既に説明したように、互いに電気角で120°ずつ位相ずれした正弦波状のアナログ信号である。そして、位置信号抽出部100に入力されると、まず、演算器102と、3つの比較器(103、104、105)とによって処理される。
演算器102は、3つのホール信号hu,hv,hwの中から2つを選択する場合に成立し得る6通りの組合せについて、それぞれ信号間差分信号を演算して出力する。それら信号間差分信号を生成するためのアルゴリズムを次に示す。
(1)hu−hv
(2)hv−hw
(3)hw−hu
(4)−(hu−hv)=hv−hu
(5)−(hv−hw)=hw−hv
(6)−(hw−hu)=hu−hw
第1比較器103は、ホール信号huの値とゼロとを比較した結果に基づいて、ホール信号huの値について負極性であるのか正極性であるのかを示すu極性信号を出力する。また、第2比較器104は、ホール信号hvの値とゼロとを比較した結果に基づいて、ホール信号hvの値について負極性であるのか正極性であるのかを示すv極性信号を出力する。また、第3比較器105は、ホール信号hwの値とゼロとを比較した結果に基づいて、ホール信号hwの値について負極性であるのか正極性であるのかを示すw極性信号を出力する。なお、ホール信号hu、hv、hwとして、反対極性の相補信号(huとほぼ反対極性を示すhu−など)が得られるものを用いる場合には、ゼロとの比較でなく相補信号同士の比較結果(huとhu−の大小関係など)を用いてもよい。相補信号同士の比較の方が差動信号の比較になるので、同相ノイズやオフセットの影響を受け難くするという利点がある。
ロジック回路106は、3bitのu極性信号と、v極性信号と、w極性信号との組合せに基づいて、現時点における周期内区画について上述した第1区画〜第6区画の何れであるのかを特定する。この特定の際に使用される真理値表の例を次の表1に示す。
Figure 2011125148
全ての極性信号がそれぞれ負極性を示したり、それぞれ正極性を示したりすることはあり得ないので、そのような場合には、信号選択器107により、区画としてエラーを示すNAが選択される。また、信号選択器107は、現時点の区画を第1区画であると特定した場合には、現時点の移動体の区画内での移動量を求めるためのアルゴリズムとして、演算器102から出力される「hu−hw」という信号間差分信号を選択する。また、現時点の区画を第2区画、第3区画、第4区画、第5区画、第6区画であると特定した場合には、それぞれ現時点の移動体の区画内での移動量を求めるためのアルゴリズムとして、演算器102から出力される「hv−hw」、「hv−hu」、「hw−hu」、「hw−hv」、「hu−hv」という信号間差分信号を選択する。
なお、実施形態では、それらアルゴリズムについては、それぞれ2つの信号間の差分に所定の係数kを乗じたものを用いている。この係数kは、信号間差分信号の振幅を元のホール信号と同じにすることが可能な値になっている。このため、演算器102からは、「(hu−hw)*k」、「(hv−hw)*k」、「(hv−hu)*k」、「(hw−hu)*k」、「(hw−hv)*k」、「(hu−hv)*k」という信号間差分信号が出力されているが、図4では、便宜上、「*k」の記載を省略している。ホール信号の振幅が「1」のときのkを、「1/sqrt(3)」とすると、信号間差分信号の振幅はほぼ「1」にすることができる。
図5は、ホールセンサから出力される3つのホール信号の波形と、演算器102によって生成される演算位置信号である6つの信号間差分信号の波形とを示す波形図である。同図において、9つの波形のうち、4段目から9段目に描かれているものが、上述した6つの信号間差分信号の波形である。これら6つの信号間差分信号は、図示のように、何れも周期間区画の区画中心点でピークツウピークの中心線と交差している。そして、図4に示した演算器102から出力されて信号選択器107に入力される。信号選択器107は、ホールドトリガー信号Htが発生した時点の3つのホール信号の大小関係に対応するデータ取得時区画について、第1区画〜第6区画の何れであるのかを特定する。次いで、6つの信号間差分信号のうち、その区画で正弦波をピークツウピークの中心線と交差するものを、移動体の位置変化量を求めるためのアルゴリズムとして選択する。例えば、データ取得時区画が第1区画のときには、図5において、6つの信号間差分信号のうち、「−(hw−hu)*k」という信号が第1区画内で中心線と交差しているので、この信号が移動体の位置変化量を求めるためのアルゴリズムとして選択される。図5では、データ取得時区画が第4区画になっているタイミングでホールドトリガー信号が発生しており、このタイミングがデータ取得タイミングとなるので、アルゴリズムとして第4区画に対応する「(hw−hu)*k」の信号が選択されている。
先に示した図4において、信号選択器107は、演算器102から出力されてくる6つの信号間差分信号のうち、移動体のデータ取得時区画内に対応するもの(データ取得時区画内で中心線と交差するもの)を選択すると、それを位置変化量信号psとして出力する。保持回路108は、信号選択器107から出力される位置変化量信号psにおける、ホールドトリガー信号Htの入力があった時点の値を記憶保持し、それを基準変化量信号refとして出力し続ける。この基準変化量信号refは、減算器109に入力される。
保持回路108によって基準変化量信号refが記憶されると、その後、減算器109は、信号選択器107から送られてくる位置変化量信号psと、保持回路108から送られてくる基準変化量信号refとの差分を計算して、その結果を位置誤差信号peとして出力する処理を所定の周期で繰り返し実行する。この位置誤差信号peは、先に図1に示したホールド制御部5に入力される。
ホールド制御部5は、入力された位置誤差信号peをゼロにし得る駆動指令信号hcを生成してセレクター3に出力する。
セレクター3は、速度制御部2からの駆動指令信号scと、ホールド制御部5からの駆動指令信号hcとのうち、シーケンス制御部6から送られてくる選択信号shに対応する方を選択して、ドライバ回路8に制御信号ctlとして出力する。なお、アイドル状態のときには、選択信号shがアイドル状態の実行を指示する内容となり、制御信号ctlは出力されない。このため、アイドル状態ではローター9bが回転せず、モータ9は停止したままの状態となる。
位置信号抽出部100から位置誤差信号peが出力されるときは、制御状態がホールド状態になっており、セレクター3に入力されている選択信号shは、ホールド制御部5から送られてくる駆動指令信号hcを選択すべき旨の内容になっている。このため、ホールド状態において、セレクター3は、その駆動指令信号hcをドライバ回路8に出力する。この結果、ローター9bの回転位置が、ホールドトリガー信号Ht発生時の回転位置(基準回転位置)に保持されるように制御される。ローター9bに外部からの力が加えられても、駆動トルクが発生できる限り、その基準回転位置に保持されるような電流がコイル部9aに一時的に流されるので、モータ停止中の移動体が外力によって移動したとしても基準の停止位置に戻される。
このようなホールド処理では、連続的なアナログ信号である位置変化量信号ps(第4区画では(hw−hu)*k)に基づいて移動体のデータ取得時区画内における詳細な位置変化を把握するので、デジタルエンコーダーによる量子化位置信号を用いて制御する場合のようにパルス変化点で急激な駆動電流変化がなく、なめらかな動きで移動体を基準停止位置に留めることができる。このため、ハンチングによる振動や騒音がなく、余分な消費電力も生じない。また、ホールド処理には、エンコーダー信号Aを用いないので、ハンチング低減のためにエンコーダー分解能を上げる必要がない。また、エンコーダー10は方向検出能力がなくてもよく、1相パルスの安価なエンコーダーを用いることが可能である。さらに、位置誤差信号peを得るのに加減算と定数乗算しか用いていないので、で安価な回路やプロセッサでも信号処理を行うことが可能である。
図6は、実施形態に係る駆動制御装置の第1変形例における位置信号抽出部100の詳細を示すブロック図である。第1変形例に係る位置信号抽出部100は、図4に示した演算器102の代わりに、図6に示す3つの反転器(112〜114)を有している。第1反転器112は、ホール信号huを反転させた反転ホール信号−huを信号選択器107に出力する。また、第2反転器113は、ホール信号hvを反転させた反転ホール信号−hvを信号選択器107に出力する。また、第3反転器114は、ホール信号hwを反転させた反転ホール信号−hwを信号選択器107に出力する。なお、ホール信号として、反対極性の相補信号(huとほぼ反対極性を示すhu−など)が得られる場合には、差動アンプを使い、その減算を入れ換えて用いても良い。たとえばhuと−huの代わりに、「hu−(hu−)」と「(hu−)−hu」とを用いても良い。この方が差動信号を用いるので、同相ノイズやオフセットの影響を受け難くするという利点がある。
第1比較器103は、ホール信号huについてホール信号hvよりも大きいか否かを比較してその結果を2値の信号で出力する。また、第2比較器104、ホール信号hvについてホール信号hwよりも大きいか否かを比較してその結果を2値の信号で出力する。また、第3比較器105は、ホール信号hwについてホール信号huよりも大きいか否かを比較してその結果を2値の信号で出力する。ロジック回路106は、それらの信号に基づいて、データ取得時区画について、第1区画〜第6区画の何れであるのかを特定し、その結果を信号選択器107に出力する。信号選択器107は、3つのホール信号及び3つの反転ホール信号の中から、その特定結果に対応するもの(その区画で中心線と交差するもの)を1つ選択して、位置変化量信号psというアルゴリズムとして出力する。このときに用いられる真理値表の例を次の表2に示す。
Figure 2011125148
図7は、ホールセンサ9cから出力される3つのホール信号の波形と、それらを反転させた3つの反転ホール信号の波形とを示す波形図である。図示のように、ホールドトリガー信号Htの発生時に対応するデータ取得時区画が第1区画のときには、位置変化量信号ps(アルゴリズム)として反転ホール信号−hwが選択される。また、データ取得時区画が第2区画のときには、位置変化量信号psとしてホール信号hvが選択される。また、基準区画が第3区画のときには、位置変化量信号psとして反転ホール信号−huが選択される。また、データ取得時区画が第4区画のときには、位置変化量信号psとしてホール信号hwが選択される。また、データ取得時区画が第5区画のときには、位置変化量信号psとして反転ホール信号ーhvが選択される。また、データ取得時区画が第6区画のときには、位置変化量信号psとしてホール信号huが選択される。同図では、データ取得時区画が第4区画になっているタイミングでホールドトリガー信号が発生しているので、位置変化量信号psとして第4区画に対応するホール信号hwが選択されている。
実施形態に係る駆動制御装置では、移動体のデータ取得時区画内における位置変化量を求めるためのアルゴリズムとして、6つの信号間差分信号を演算、生成している。それら6つの信号間差分信号は、何れも演算処理によって生成される演算位置信号である。第1変形例に係る駆動制御装置でも、位置変化量を求めるために、演算位置信号を生成している。反転ホール信号−hu、−hv、−hwの3つである。実施形態に比べて、演算位置信号の数を3つ減らしている。このように演算位置信号の数を減らすことができているのは、6つの周期内区画のうち、3つについては、ホール信号hu、hv、hwをそのまま利用しているからである。そして、3つのホール信号hu、hv、hwをそのまま利用することが可能になっているのは、次に説明する理由からである。即ち、周期内区画での移動体の位置変化量を精度良く検出するためには、周期内区画において、できるだけ直線性の高い数値変動が得られる信号を利用することが望ましい。そして、正弦波状のホール信号をそのまま周期内区画の移動体の位置変化量を求めるためのアルゴリズムとして用いる場合には、その正弦波を周期内区画の区画中心点の位置でピークツウピークの中心線に交差させる必要がある。ところが、実施形態では、図5に示したように、3つのホール信号hu、hv、hwの全てについて、正弦波とピークツウピーク中心線との交差点(以下、ゼロクロス点という)を周期内区画の境界に位置させるように、6つの周期内区画を区切っている。このような区切り方では、3つのホール信号の何れにおいても、周期内区画でゼロクロス点が発生しない。このため、6つの周期内区画でそれぞれ、区画中心点で交差する6つの信号間差分信号を生成している。これに対し、第1変形例では、図7に示したように、3つのホール信号の全てについて、周期内区画の区画中心点で正弦波を交差させる位置で6つの周期内区画を区切っている。これにより、演算位置信号の数を3つ減らすことができているのである。
かかる構成においては、実施形態に比べて、演算によって生成する演算位置信号の数を減らした分だけ、信号演算処理やそのための回路構成を簡素化して低コスト化を図ることができる。
図8は、実施形態に係る駆動制御装置の第2変形例における位置信号抽出部100の詳細を示すブロック図である。第2変形例に係る位置信号抽出部100は、図4に示した位置信号抽出部と同様の構成を具備する第1抽出部100aと、図6に示した位置信号抽出部と同様の構成を具備する第2抽出部100bと、比較器122と、セレクター123とを有している。なお、第1抽出部100aは、図4に示した位置信号抽出部100と全く同じ構成であるので、その説明については省略する。
第2抽出部100bは、図6(第2実施例)に示した位置信号抽出部100とほぼ同様の構成になっているが、次の点が図6のものと異なっている。即ち、図9は、ホールセンサ9cから出力される3つのホール信号の波形と、それらを反転させた3つのホール信号hu、hv、hwの波形とを示す波形図である。図示のように、3つのホール信号のゼロクロス点を、何れも区画の境界に位置させるように、各区画を区切っている。これは、第2抽出部100bにおける区画の区切り方を第1抽出部100aと同じにしているからである。このような区画の区切り方では、既に述べたように、区画中心でゼロクロス点が得られなくなる。第2抽出部100は、第1区画〜第6区画のうち、データ取得時区画となるものを特定すると、そのデータ取得時区画に対応する信号(アルゴリズム)の候補として、次の2つを選択する。即ち、データ取得時区画の開始点がゼロクロス点となる信号(開始点クロス第2位置信号)、及び終了点がゼロクロス点となる信号(終了点クロス第2位置信号)である。そして、データ取得タイミングがデータ取得時区画の前半区間に該当する場合には、2つの候補のうち、前者を位置変化量信号psとするのに対し、データ取得タイミングがデータ取得時区画の前半区間に該当する場合には、後者を位置変化量信号psとする。図示の例では、図示の例では、第4区画がデータ取得時区画となっているので、第4区画の開始点をゼロクロス点とする反転ホール信号−huと、第4区画の終了点をゼロクロス点とするホール信号hwとを候補として選択している。そして、データ取得タイミングが第4区画の後半区間に該当しているので、第4区画の終了点をゼロクロス点とするホール信号hwを位置変化量信号ps2として選択する。そして、図8に示したように、ホールドトリガー信号Htが発生した時点での位置変化量信号ps2の値を、基準変化量信号ref2として出力する。また、その後の位置変化量信号ps2の値と、基準変化量信号refとの差分を位置誤差信号pe2として出力する。
比較器122は、第1抽出部100aから送られてくる基準変化量信号ref1と、第2抽出部から送られてくる基準変化量信号ref1とのうち、絶対値が小さい方(ピークツウピークの中心線に近い方)を特定して、それに応じた指令信号を出力する。具体的には、前者の基準変化量信号ref1の方が小さい場合には、第1抽出部100aからの信号を選択する旨の指令信号を出力する。これに対し、後者の基準変化量信号ref2の方が小さい場合には、第2抽出部100bからの信号を選択する旨の指令信号を出力する。図10は、図9のホール信号hwと、反転ホール信号−huと、信号間差分信号(hw−hu)*kとを拡大して示す波形図である。図示の例では、第1抽出部100aから出力されるホール信号hwに基づく基準変化量信号ref2と、第2抽出部100bから出力される信号間差分信号(hw−hu)*kに基づく基準変化量信号ref1とのうち、前者の方が小さいので、第1抽出部100aからの信号を選択する旨の指令信号が比較器122から出力される。
セレクター123は、第1抽出部100aから送られてくる位置誤差信号pe1と、第2抽出部100bから送られてくる位置誤差信号pe2とのうち、比較器122からの指令信号に対応する方を選択する。図10のように、第1抽出部100aから出力されるホール信号hwに基づく基準変化量信号ref2が、第2抽出部100bから出力される信号間差分信号(hw−hu)*kに基づく基準変化量信号ref1よりも小さい場合には、第1抽出部100aからの位置誤差信号pe1が選択される。このようにして選択された位置誤差信号に基づいて、上述したホールド処理が行われる。
かかる構成では、移動体の位置変動をより精度良く検出することができる。これは次に説明する理由による。即ち、移動体の位置変動を正確に把握するためには、時間と変動量との関係を示すアルゴリズムとして、直線性の高い特性を示すものを用いる必要がある。正弦波状の信号では、山側ピークや谷側ピークに近い箇所は直線性がないので、その箇所を用いると検知精度が悪化してしまう。最も高い直線性を示すのは、ゼロクロス点の近傍、つまり、中心線に近い箇所である。このため、2つの基準変化量信号ref1、ref2のうち、中心線に近い方を選ぶことで、より精度良く移動体の移動量を検知することができるのである。
次に、実施形態に係る駆動制御装置に、より特徴的な構成を付加した実施例の駆動制御装置について説明する。なお、以下に特筆しない限り、実施例に係る駆動制御装置の構成は、実施形態と同様である。
図11は、実施例に係る駆動制御装置の位置信号抽出部100を示すブロック図である。同図にいて、カウンター141は、3つの比較器(103〜105)から出力される、3つのホール信号についての極性信号の相互関係に基づいて、データ取得時区画の経時変化を監視する。具体的には、ホールドトリガー信号Htが発生した時点でのデータ取得時区画(基準変化量信号refに対応)を基準区画信号として記憶し、以降のデータ取得時区画をその基準区画信号と比較することで、データ取得時区画の経時変化を監視する。そして、データ取得時区画が基準区画に比べてより小さい番号の区画に変化した場合、即ち、移動体がマイナス方向に電気角60°に相当する量よりも大きく動いた場合には、区画変化数だけ計数値scntをカウントダウンする。また、データ取得時区画が基準区画に比べてより大きい番号の区画に変化した場合、即ち、移動体がプラス方向に電気角60°に相当する量よりも大きく動いた場合には、区画変化数だけ計数値scntをカウントアップする。この計数値scntは、ホールドトリガー信号Htが発生した時点でゼロにリセットされる。
ラッチ回路142は、ロジック回路106から出力されてくる、データ取得時区画のデータが第1区画〜第6区画の何れであるのかを示す信号(以下、区画指示信号という)を、そのまま信号選択器107に出力する。また、ホールドトリガー信号Htが発生した時点における区画指示信号については、信号選択器107に出力することに加えて、基準区画信号として記憶手段に記憶しておく。
遅延回路143は、概ね、ラッチ回路142が基準区画信号を記憶してからセレクター145に対する位置変化量信号psが確定するまでの時間だけ、保持回路108に対するホールドトリガー信号Htの入力タイミングを遅らせる。このようなサンプリングタイミングの詳細設計は、設計上適宜変更してよく、ホールドトリガー信号Htがあったときに選択された位置変化量信号psから基準変化量信号refを安定にサンプリングできればよい。
比較ロジック回路144は、計数値scntについて、下限値c1〜上限値c2の範囲内にあるか否かを判定する。下限値c1や上限値c2の値は、c1〜c2の範囲内に相当する正弦波(本例では信号間差分信号)の箇所に、正弦波の立ち上がりから山側ピークを経て立ち下がりに至るまでの山部や、正弦波の立ち下がりから谷側ピークを経て立ち上がりに至るまでの谷部を含めない値になっている。
先に図5に示したように、6つの信号間差分信号(4段目〜9段目)は、何れもそれに対応する区画の区画中心をゼロクロス点とし、且つ山側ピークや谷側ピークを隣接する2つの区画の境界に位置させている。第2抽出部100bは、これら6つの信号間差分信号に基づいて位置変化量信号psを生成する。
図12は、本実施例に係る駆動制御装置における各種の波形と、周期内区画と、各種数値との関係を示す波形図である。同図では、第4区画が基準区画になっている例を示している。モータ停止中に移動体が外力などによって電気角60°に相当する量を超えて移動すると、その後のデータ取得時区画が基準区画と一致しなくなる。このとき、移動体がプラスの方向に移動した際には、計数値scntが1以上の値になるのに対し、移動体がマイナスの方向に移動した際には、計数値scntが−1未満の値になる。
ここで、基準区画とその両側の区画とを含む第3区画〜第5区画の領域に着目してみる。この領域において、基準区画(第4区画)に対応する信号間差分信号である(hw−hu)*kの信号は、その連続区画内において、アップからダウン、あるいはダウンからアップに切り替わる山部や谷部を位置させていない。このように山部や谷部を含まない領域では、データ取得タイミングにおける(hw−hu)*kの信号の値だけに基づいて、モータの回転角変位量(移動体の位置変位量)を把握することができる。ところが、例えば、移動体に外力が加えられたなどの理由により、モータの電気角が、第3区画〜第5区画の領域を超えて、第6区画の値まで変化したとする。第5区画〜第6区画には山部が含まれている。第6区画における(hw−hu)*kの信号の値は、正弦波の山側ピーク〜中心線の範囲になるが、第5区画でも同様の範囲になる。このため、第4区画から第6区画まで変化した場合には、(hw−hu)*kの信号だけに基づいてモータの回転角変位量を把握することができなくなる。電気角が第4区画から第2区画まで変化した場合も同様である。
そこで、本実施例においては、下限値c1として、マイナス方向への1区画の変化を示す「−1」を設定している。また、上限値c2として、プラス方向への1区画の変化を示す「1」を設定している。これは、−1〜1の範囲、即ち、図示の例では第3区画〜第5区画の範囲であれば、(hw−hu)*kの信号の山部や谷部を含まないため、その信号だけに基づいてモータの回転角変位量を把握することが可能だからである。第4区画が基準区画になっている場合を例にして説明したが、他の区画が基準区画になっている場合も同様である。
図11において、比較ロジック回路144は、計数値scntが下限値c1〜上限値c2の範囲内(本例では−1〜1)であれば「0」をセレクター145に出力する。また、scnt<c1(本例では−1未満)であれば「1」を、scnt>c2(本例では2以上)であれば「2」をそれぞれセレクター145に出力する。セレクター145は、比較ロジック回路144から送られてくる信号が「0」であれば、位置変化量信号psを選択する。また、「1」であれば、マイナスの移動方向に対応させて予め設定されている谷側ピーク値を選択する。また、「2」であれば、プラス方向の移動に対応させて予め設定されている山側ピーク値を選択する。そして、選択結果を位置変化量信号ps0として減算器109に出力する。減算器109は、位置誤差信号peをps0−refとして求める。
同図では、電気角がプラスの方向に6区画以上の量だけ変化した例を示している。この場合、電気角をもとの第4区画内に戻す必要があるが、一気には戻されない。約1.5区画分の戻し動作が4回ほど繰り返されることになるが、最終的には、電気角を第4区画内に戻し、更に、(hw−hu)*kの信号に基づいて元の基準停止位置(基準変化量)まで戻すことができる。かかる構成では、モータ停止中に外力などによって移動体が周期内区画を超えるほど大きく動かされても、それを基準停止位置に確実に戻すことができる。
次に、本発明を適用した画像形成装置の一例として、インクジェット複合機の実施形態について説明する。
図13は、実施形態に係るインクジェット複合機を示す概略構成図である。このインクジェット複合機は、複写機、プリンタ及びファクシミリとしての機能を併せ持つものである。そして、給紙部100、プリンタ部200、スキャナ300、自動原稿搬送装置(以下、ADFという)400等から構成されている。
給紙部100は、筺体に対してスライド着脱可能に構成された給紙カセット101を有している。この給紙カセット101は、記録シートPを複数枚重ねて収容しており、それらを1枚ずつに分離しながら、後述するプリンタ部200に供給するものである。
プリンタ部200は、給紙部200から送られてくる記録シートPに対し、周知のインクジェット方式によって画像を記録するものである。画像の記録を終えた記録シートPについては、機外のスタックトレイ上に排出する。
スキャナ300は、周知の光学技術により、原稿の画像を読み取って画像情報に変換するものである。原稿の画像の読み取る動作モードとしては、固定読取モードと、移動読取モードとの2つを備えている。固定読取モードでは、図中左右方向に移動可能な光源や反射ミラー等からなる移動走査光学系302を、図示のように図中左端付近に停止させた状態で、後述するADF400によって搬送される原稿を走査する。そして、走査によって得られた反射光をCCDに導いて画像情報に変換する。これに対し、移動読取モードでは、図中左側から右側に向けて移動走査光学系302を移動させながら、コンタクトガラス301上に載置された原稿の画像を走査していく。
ADF400は、原稿セットトレイ401上に複数枚重ねた状態でセットされた原稿を、一枚ずつに分離しながら折り返し搬送部403に通し、最終的に排紙トレイ402上に排紙する。この過程で、折り返し搬送部403にて、原稿の画像をスキャナ300に読み取らせる。
図14は、プリンタ部(200)における移動体としてのキャリッジ201、及び本発明を適用した駆動制御装置を示す模式図である。同図において、キャリッジ201は、図中左右方向に移動可能に構成され、周知の技術によってインク滴を吐出するインクジェットヘッドにより、図示しない記録シートに画像を記録するものである。画像情報処理部210から送られてくる画像情報に基づいて、インクジェットヘッドからのインク滴の吐出を制御している。
駆動制御装置は、マイクロコンピュータ900A、モータドライバ915A、モータやタイミングベルト等からなるモータ及び駆動伝達系912A、エンコーダー910Aなどを有している。これらは、先に図1に示したものと同様の役割を担っており、移動体としてのキャリッジ201の移動や移動停止を制御する。
マイクロコンピュータ900Aから出力される制御信号ctrlは、モータドライバ915Aによって電力増幅された後、モータに供給されてモータ軸を回転させる。すると、タイミングベルトが無端移動して、キャリッジ201を図中左右方向に移動させる。キャリッジ201が図中左側から右側に移動することで、図示しない記録シートに対して主走査方向における1ライン分の画像書込が行われる。この際、図示しない記録シートの搬送は停止している。1ライン分の画像書込が終わると、図示しない記録シートが1画素分だけ副走査方向に搬送される。この後、キャリッジ201が図中右側から左側に移動するのに伴って、記録シートに対して次の1ライン分の画像書込が行われる。以上の動作が繰り返し行われる。
エンコーダー910Aは、キャリッジ201とともに移動するようにキャリッジ201に固定されている。図示しない発光ダイオードによる光源と、2つの光検出器とを具備しており、2つの光検出器はそれぞれ光源からの光をスリットSに対する透過光あるいは反射光として検出する。2つの光検出器は互いにスリットSに対して90度位相ずれが生じるように配置されており、キャリッジ201が所定量だけ移動する毎にエンコーダー信号Aを出力する。この出力と、モータ内蔵のホールセンサからの出力とに基づいて、マイクロコンピュータ900Aが、キャリッジ201の現在位置を把握する。
図15は、プリンタ部(200)における搬送ローラ対及び記録シート制御装置を示す模式図である。同図において、搬送ローラ対は、互いに当接しながら搬送ニップを形成している搬送駆動ローラ261と従動ローラ262とから構成されている。そして、搬送ニップに挟み込んだ移動体としての記録シートPを搬送する。
駆動制御装置としての記録シート制御装置は、マイクロコンピュータ900B、モータドライバ915B、モータや各種ギヤ等からなるモータ及び駆動伝達系912B、エンコーダー910Bなどを有している。これらは、先に図1に示したものと同様の役割を担っており、移動体としての記録シートの移動や移動停止を制御する。
モータ及び駆動伝達系912Bのモータが回転すると、そのモータ軸に固定されているモータギヤが回転する。このモータギヤは、搬送駆動ローラ261の回転軸に固定された搬送ギヤに噛み合っており、搬送ギヤを介して搬送駆動ローラ261を回転させる。また、モータ軸には、エンコーダー910Bも固定されている。エンコーダー915Bは、モータ軸が所定の回転角度だけ回転する毎に矩形パルスをからなるエンコーダーパルス信号Aを出力する。
搬送ニップに記録シートPが挟み込まれているときには、エンコーダー915Bによる検知結果が、記録シートPの移動量を示すことになる。マイクロコンピュータ900Bが、エンコーダー915Bによる検知結果と、ホールセンサからの出力とに基づいて記録シートPの現在位置を把握する。
図16は、スキャナ(300)における走査光学系302及び走査制御装置を示す模式図である。同図において、走査光学系302は、図中左右方向に移動可能に構成され、周知の技術によって原稿を走査して、原稿の画像を画像情報に変換するものである。得られた画像情報については、プリンタ部(200)の画像情報処理部210に出力する。
移動体制御装置としての走査制御装置は、マイクロコンピュータ900C、モータドライバ915C、モータやタイミングベルト等からなるモータ及び駆動伝達系912C、エンコーダー910Cなどを有している。これらは、先に図1に示したものと同様の役割を担っており、移動体としての走査光学系302の移動や移動停止を制御する。
マイクロコンピュータ900Cから出力される制御信号ctrlは、モータドライバ915Cによって電力増幅された後、モータに供給されてモータ軸を回転させる。すると、タイミングベルトが無端移動して、走査光学系302を図中左右方向に移動させる。走査光学系302が図中左側から右側に移動することで、図示しない原稿の走査が行われる。
201:キャリッジ(移動体)
P:記録シート(移動体)
302:走査光学系(移動体)
9:モータ
9c:ホールセンサ(第2位置信号出力手段)
特開2008−46933号公報

Claims (16)

  1. 移動体の駆動源となっているモータの駆動を制御する駆動制御装置において、
    モータの回転角に応じて周期的な第1位置信号を出力する第1位置信号出力手段と、
    前記回転角に応じて値を連続的に変化させ、互いに同じ周期で、且つ位相の異なる複数の第2位置信号を出力する第2位置信号出力手段と、
    前記第2信号の位相に応じて、前記モータの複数の巻線にそれぞれ位相の異なる電流を流して前記モータを駆動する駆動手段と、
    前記第1位置信号を計数し、その計数値に応じて前記電流を変化させて前記モータの回転速度を制御する回転速度制御手段と、
    前記第2位置信号の1周期を複数に分割して得られる各周期内区画ごとに、複数の前記第2位置信号の何れか、あるいは複数の前記第2位置信号の相互の演算によって得られる複数の演算位置信号の何れか、を選択する選択手段と、
    所定の条件が成立したときの前記選択手段による選択信号の値を基準値とし、以後、前記選択手段による選択信号の値をその基準値に近づけるように前記電流を変化させて、前記モータの回転角度を前記所定の条件が成立したときの回転角度に保持するように制御するホールド制御手段とを設けたことを特徴とする駆動制御装置。
  2. 請求項1の駆動制御装置であって、
    前記選択手段は、複数の前記第2位置信号のそれぞれの大小関係に基づいて、前記モータの回転位置について複数の前記周期内区画のうち、どれに対応するのかを特定し、複数の前記演算位置信号のうち、特定結果に応じたものを選択する処理を実施するものであることを特徴とする駆動制御装置。
  3. 請求項1の駆動制御装置であって、
    前記選択手段は、複数の前記第2位置信号のそれぞれの大小関係に基づいて、前記モータの回転位置について複数の前記周期内区画のうち、どれに対応するのかを特定し、複数の前記第2位置信号と、それら第2位置信号をそれぞれ逆位相に反転させた複数の反転信号との中から、特定結果に応じたものを選択する処理を実施するものであることを特徴とする駆動制御装置。
  4. 請求項1の駆動制御装置であって、
    前記選択手段は、複数の前記第2位置信号のそれぞれの大小関係に基づいて、前記モータの回転位置について複数の前記周期内区画のうち、どれに対応するのかを特定し、複数の前記演算位置信号のうち、特定結果に応じたものを選択する処理と、複数の前記第2位置信号、及びそれら第2位置信号をそれぞれ逆位相に反転させた複数の反転信号の中から、前記特定結果に応じたものを選択する処理とを実施した後、2つの特定結果のうち、何れか一方を選択するものであることを特徴とする駆動制御装置。
  5. 請求項1乃至5の何れかの駆動制御装置であって、
    前記選択手段は、前記ホールド制御手段による制御の実行中における前記周期内区画の変化が所定範囲内である場合に限って、前記選択信号の値を前記制御に用いるものであることを特徴とする駆動制御装置。
  6. 請求項5の駆動制御装置であって、
    前記選択手段は、前記ホールド制御手段による制御の実行中における前記周期内区画の変化が前記所定範囲から外れている場合には、前記選択信号の値に代えて、所定値を前記制御に用いるものであることを特徴とする駆動制御装置。
  7. 請求項1乃至6の何れかの駆動制御装置において、
    前記第2信号出力手段として、前記モータの回転角度に応じた値となる複数の正弦波状の第2位置信号を、互いに所定量ずつ位相ずれさせて出力するものを用いたことを特徴とする駆動制御装置。
  8. 請求項2の駆動制御装置において、
    複数の前記周期内区画のうち、複数の前記第2位置信号を取得したタイミングであるデータ取得タイミングにおけるそれら第2位置信号の大小関係に対応する周期内区画を、データ取得時区画として特定した後、複数の前記演算位置信号のうち、前記データ取得時区画に対応する演算位置信号を選択する処理を実施するように前記選択手段を構成し、
    且つ、前記選択手段による前記選択信号に基づいて、前記データ取得時区画内における区画開始点から前記データ取得タイミングまでの前記モータの回転位置変化量を求める変化量算出処理を繰り返し実施し、初回の変化量算出処理で求めた回転位置変化量を前記基準変化量として記憶し、2回目以降の変化量算出処理で求めた回転位置変化量と前記基準変化量との差分に相当する値の前記電流を前記巻線に流す処理を実施するように、前記ホールド制御手段を構成したことを特徴とする駆動制御装置。
  9. 請求項8の駆動制御装置において、
    前記モータとして、所定の回転量に対して互いに所定量ずつ位相ずれした複数の正弦波状の信号を出力する手段を内蔵しているものを用い、該手段を前記第2位置信号出力手段として使用したことを特徴とする駆動制御装置。
  10. 請求項2の駆動制御装置において、
    複数の前記演算位置信号における少なくとも1つが、前記第2位置信号出力手段から出力される複数の前記第2位置信号のうち、2つの差分に基づく信号間差分信号であることを特徴とする駆動制御装置。
  11. 請求項4の駆動制御装置において、
    前記第2位置信号出力手段として、山側ピークと谷側ピークとを具備する形状の前記第2位置信号を出力するものを用い、
    前記複数の周期内区画の全てについて、周期内区画の区画中心点でピークツウピークの中心線と交差する前記第2位置信号である中心点クロス第2位置信号と、周期内区画の開始点で前記中心線と交差する前記第2位置信号である開始点クロス第2位置信号と、周期内区画の終了点で前記中心線と交差する前記第2位置信号である終了点クロス第2位置信号とをそれぞれ複数の前記演算位置信号として生成する演算位置信号生成手段を設け、
    且つ、複数の前記第2位置信号を取得したタイミングがそのタイミングに対応する前記周期内区画の前半区間に該当する場合には、前記開始点クロス第2位置信号と、前記中心点クロス第2位置信号とのうち、前記タイミングにおける値が前記中心線に近い方を前記選択信号として選択する一方で、前記タイミングがそのタイミングに対応する前記周期内区画の後半区間に該当する場合には、前記終了点クロス第2位置信号と、前記中心点クロス第2位置信号とのうち、前記タイミングにおける値が前記中心線に近い方を前記選択信号として選択する処理を実施するように、前記ホールド制御手段を構成したことを特徴とする駆動制御装置。
  12. 請求項6の駆動制御装置であって、
    複数の前記第2位置信号が、前記周期内区画の区画中心点でピークツウピークの中心線と交差し、且つ、山側ピーク点及び谷側ピーク点をそれぞれ隣接する2つの周期内区画の境界に位置させる正弦波状の信号であることを特徴とする駆動制御装置。
  13. 請求項12の駆動制御装置において、
    前記ホールド制御手段による制御の実行中における前記周期内区画の区画変化数が所定の区画数を超えた場合には、前記選択信号の値に代えて、前記第2位置信号の山側ピーク値と谷側ピーク値とのうち、前記モータの回転方向に対向する方を前記所定値として前記制御に用いる処理を実施するように、前記ホールド制御手段を構成したことを特徴とする駆動制御装置。
  14. 可視像を形成する可視像形成手段と、該可視像形成手段に具備される移動体と、該移動体の駆動源であるモータの駆動を制御する駆動制御装置とを備える画像形成装置において、
    前記駆動制御装置として、請求項1乃至13の何れかの駆動制御装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  15. 用紙を搬送する用紙搬送手段と、該用紙搬送手段に具備される移動体と、該移動体の駆動を制御する駆動制御装置とを備える用紙搬送装置において、
    前記駆動制御装置として、請求項1乃至13の何れかの駆動制御装置を用いたことを特徴とする用紙搬送装置。
  16. 原稿の画像を読み取る画像読取手段と、該画像読取手段に具備される移動体と、該移動体の駆動を制御する駆動制御装置とを備える画像読取装置において、
    前記駆動制御装置として、請求項1乃至13の何れかの駆動制御装置を用いたことを特徴とする画像読取装置。
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