JP2011124711A - 光受信器 - Google Patents

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Abstract

【課題】帰還抵抗を極端に大きくすることなく、高感度に広帯域な動作を実現できる光受信器を提供する。
【解決手段】同一極性方向に直列接続された2個の受光素子より構成されたバランスドフォトダイオードと、このバランスドフォトダイオードの出力信号が入力されるチェリーホッパー型増幅部と、このチェリーホッパー型増幅部を構成している差動入力ペアトランジスタからのそれぞれの出力信号をレベルシフトするエミッタフォロワ部と、このエミッタフォロワ部の出力信号を前記チェリーホッパー型増幅部の各入力端子に帰還する経路に設けられた第1および第2の帰還抵抗と、この第2の帰還抵抗と前記チェリーホッパー型増幅部を構成している差動増幅回路の一方のトランジスタのベースに接続されている第1のコンデンサとを有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、光受信器に関し、詳しくは、次世代光通信用として期待される位相変調方式に対応し、差動出力が可能であり、2個のフォトダイオードがモノリシック集積化されたバランスドフォトダイオードを用いた光受信器に関するものである。
図8は、従来のトランスインピーダンスアンプを用いた光受信器の一例を示すブロック図である。この光受信器は、光信号が入力される1個のフォトダイオード1と、このフォトダイオード1で受光され変換された電気信号を線形に増幅するトランスインピーダンスアンプ2と、直流電流をカットし、広帯域周波数を有する信号を通過させることのできる大容量のコンデンサ3と、2個のバイアス発生回路4a,4bと、これらバイアス発生回路4a,4bから適切な動作をするように所定の直流電圧が与えられトランスインピーダンスアンプ2で増幅された小信号出力を一定の出力振幅に制限されるまで増幅する差動のリミッタアンプ5で構成されている。
図9は、図8に示したブロック図の具体的な回路構成例を示した図である。図9において、バイポーラトランジスタを用いたトランスインピーダンスアンプ2は、増幅部21とエミッタフォロワ部22および帰還抵抗23で構成されている。フォトダイオード1の出力は増幅部21のベースに入力され、増幅部21のコレクタはエミッタフォロワ部22のベースに接続され、エミッタフォロワ部22のエミッタは帰還抵抗23を介して増幅部21のベースに帰還されるとともに後段の増幅部およびコンデンサ3を介して差動リミッタアンプ5に接続されている。
リミッタアンプ5は、差動増幅部51と差動用として対を成すエミッタフォロワよりなるエミッタフォロワ部52とで構成されている。差動増幅部51を構成する差動入力ペアの一方のベースにはコンデンサ3が接続されるとともにバイアス発生回路4aが接続され、他方のベースにはバイアス発生回路4bが接続されている。これら差動入力ペアと直列接続される電流源として機能するトランジスタのベースには電流源電流調整用バイアス発生回路4cが接続されている。
差動入力ペアの一方のコレクタはエミッタフォロワ部52の一方のエミッタフォロワのベースに接続され、差動入力ペアの他方のコレクタはエミッタフォロワ部52の他方のエミッタフォロワのベースに接続されている。エミッタフォロワ部52の一方のエミッタフォロワのエミッタには出力端子Outが接続され、エミッタフォロワ部52の他方のエミッタフォロワのエミッタには出力端子OutBが接続されている。
このような構成において、エミッタフォロワ部22の出力の一部が帰還抵抗23を介してトランスインピーダンスアンプ2の入力端子へ帰還されることにより、帰還された信号はトランスインピーダンスアンプ2の入力トランジスタへ最適なバイアスを与える。この回路は、フォトダイオード1からトランスインピーダンスアンプ2側へ電流を流す(吸込み方向)動作を前提に用いられている。
特許文献1は、シングル−バランス変換におけるリファレンス電圧を高速に引き込むことができ、また、出力のDuty比を、理想値50%に近づける光受信器に関するものである。
特開2003−51723号公報
しかし、図8に示す従来の光受信器は強度変調方式であるため、トランスインピーダンスアンプ側へ吸い込む方向の電流とトランスインピーダンスアンプ側から吐き出す方向の電流を有する2個の受光素子を用いたバランスド受光器に対応できないという問題がある。
また、リミッタアンプ5内の差動入力を有する差動増幅部51へトランスインピーダンスアンプ2の出力を接続するため、シングル−差動増幅変換が必要になるという問題とトランスインピーダンスアンプ2の出力とリミッタアンプ5の入力を接続するための広帯域な周波数成分を有する信号に対応できる大容量のコンデンサ3が必要になり、トランスインピーダンスアンプと差動増幅回路が集積化できないという問題がある。
また、差動増幅部51からの出力信号のDuty比(クロスポイント)を安定に維持するため、差動入力ペアに対し、外部回路などを用いた高精度なリファレンス電圧の調整が必要になるという問題がある。
さらに、帰還抵抗23が大きい場合、飽和動作により、波形の歪みや動作帯域を制限する原因になるという問題もある。
本発明は、これらの問題点を解決するものであり、その目的は、バランスド受光入力に対応し、シングル−差動変換に対するリファレンス電圧の調整が不要で、トランスインピーダンスアンプの出力とリミッタアンプの入力を接続するための広帯域な信号に対応した大容量のコンデンサも不要で、帰還抵抗を極端に大きくすることなく、高感度に広帯域な動作を実現できる光受信器を提供することにある。
このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
光信号を電気信号に変換する光受信器において、
同一極性方向に直列接続された2個の受光素子より構成されたバランスドフォトダイオードと、
このバランスドフォトダイオードの出力信号が入力されるチェリーホッパー型増幅部と、
このチェリーホッパー型増幅部を構成している差動入力ペアトランジスタからのそれぞれの出力信号をレベルシフトするエミッタフォロワ部と、
このエミッタフォロワ部の出力信号を前記チェリーホッパー型増幅部の各入力端子に帰還する経路に設けられた第1および第2の帰還抵抗と、
この第2の帰還抵抗と前記チェリーホッパー型増幅部を構成している差動増幅回路の
一方のトランジスタのベースに接続されている第1のコンデンサと
を有することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光受信器において、
前記第1および第2の帰還抵抗の一端と、前記エミッタフォロワ部のトランジスタのエミッタ側との間に、それぞれ正帰還を補償する第2および第3のコンデンサが設けられていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の光受信器において、
前記差動入力ペアトランジスタは、トランジスタのコレクタ側にペアトランジスタそれぞれに抵抗あるいは抵抗およびインダクタを接続することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の光受信器において、
前記エミッタフォロワ部の出力端子と接続されるとともに、前記エミッタフォロワ部から出力される信号のクロスポイントを補償する補償回路を有することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の光受信器において、
前記トランジスタは、接合型トランジスタ、あるいは電界効果型トランジスタであることを特徴とする。
このように構成することにより、バランスド受光入力に対応し、シングル−差動変換に対するリファレンス電圧の調整が不要で、さらにトランスインピーダンスアンプの出力とリミッタアンプの入力を接続するための広帯域な信号に対応した大容量のコンデンサも不要で、帰還抵抗を極端に大きくすることなく、高感度に広帯域な動作を実現できる光受信器が実現できる。
本発明の光受信器の一実施例を示すブロック図である。 図1に示したブロック図の具体的な回路構成例を示した図である。 時間に対する(A)点および(B)点の電位波形の一例を示す図である。 (A)点、(C)点での論理反転動作波形の一例を示す図である。 補償の効果(位相特性改善の効果)の一例を示す図である。 差動型TIA回路の出力波形の一例を示す図である。 インダクタピーキング負荷を用いた高機能差動型TIAの他の構成例を示す図である。 従来のトランスインピーダンスアンプを用いた光受信器の一例を示すブロック図である。 図8に示したブロック図の具体的な回路構成例を示した図である。
以下本発明を、図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明に基づく光受信器を示すブロック図の一実施例である。本発明の光受信器は、同一極性方向に直列接続された2個の受光素子より構成されたバランスドフォトダイオード6と、リファレンス電圧を安定化するための第1のコンデンサ(以下、コンデンサC1という)と、差動トランスインピーダンス回路7と、補償回路8とから構成されている。また、受光素子は、フォトダイオードのことである。
バランスドフォトダイオード6の両端には電源電圧が印加され、その接続中点は差動トランスインピーダンス回路7のDT側の入力端子に接続されている。差動トランスインピーダンス回路7のDC側の入力端子はコンデンサC1を介して接地され、コンデンサC1により安定化されたリファレンス電圧が入力される。補償回路8は、リミッタアンプ81とリミッタアンプ81のリミット動作範囲を制御するスレッシュホールド制御器82と図示しない出力クロスポイント補償回路とから構成されている。
バランスドフォトダイオード6は、受光した光入力データDinを電気信号(電流)に変換して、差動トランスインピーダンス回路7の(A)点側に入力する。差動トランスインピーダンス回路7の(B)点側入力には、コンデンサC1により安定化されたリファレンス電圧が入力されている。これにより、バランスドフォトダイオード6から変換出力される電気信号は差動トランスインピーダンス回路7で線形に増幅されて、リミッタアンプ81に入力される。リミッタアンプ81は、スレッシュホールド制御器82で制御されるリミット動作範囲まで一定の出力振幅になるように電気信号を増幅する。
ここで、差動トランスインピーダンス回路7は、差動入力の一方にコンデンサC1を設けていることにより、バランスド受光入力に対応したシングル−差動変換に対するリファレンス電圧の設定を行うことができる。
そして、従来の光受信器では、1個のフォトダイオード1が用いられ電流が一方向にのみ流れていたのに対して、同一極性方向に直列接続された2個の受光素子より構成された2方向の電流を有するバランスドフォトダイオード6を用いることにより、図1(A)点で吸い込み方向および吐き出し方向の両方向に電流を流すことができる。
図2は、図1に示したブロック図の具体的な回路構成例を示した図である。図1において、差動トランスインピーダンス回路7は、チェリーホッパー(Cherry−Hooper)型増幅部71と、エミッタフォロワ部72と、第1の帰還抵抗Rf1と第2の帰還抵抗Rf2とリファレンス電圧を安定化するためのコンデンサC1とで構成されている。補償回路8は、リミッタアンプ81と出力クロスポイント補償回路93で構成されている。なお、図1で示したスレッシュホールド制御器82は、ここでは図示しない。ここで、第1および第2の帰還抵抗Rf1、Rf2とは、エミッタフォロワ部72の出力信号をチェリーホッパー型増幅部71の各入力端子に帰還する経路に設けられた抵抗のことをいう。
また、正帰還を補償する第2のコンデンサ(以下、コンデンサC2という)は、エミッタフォロワ部72のトランジスタのエミッタ側と、第1の帰還抵抗Rf1との間に接続されている。同様に、正帰還を補償する第3のコンデンサ(以下、コンデンサC3という)は、エミッタフォロワ部72のトランジスタのエミッタ側と、第2の帰還抵抗Rf2との間に接続されている。また、第1の帰還抵抗Rf1は正帰還を補償するコンデンサC2と入力端子(A)との間に接続され、第2の帰還抵抗Rf2は正帰還を補償するコンデンサC3とリファレンス電圧を安定化するためのコンデンサC1との間に接続されている。
差動トランスインピーダンス回路7のチェリーホッパー型増幅部71は、エミッタを共通とする差動入力ペアトランジスタ71aの両側に一段分の差動増幅回路71b、71cが構成され、この一段分の差動増幅回路71b、71cの一方のトランジスタTr2のベースは入力端子(A)に接続されている。また、入力端子(A)に接続されているチェリーホッパー型増幅部71のトランジスタTr2のコレクタは差動入力ペアトランジスタ71aのトランジスタTr3の一方のベースと接続されている。また、トランジスタTr2のコレクタと抵抗RL2の一端が接続され、抵抗RL2のもう一方の端がトランジスタTr1のエミッタと接続されている。
コンデンサC2、C3は、第1および第2の帰還抵抗Rf1、Rf2の一端と、エミッタフォロワ部72のトランジスタのエミッタ側との間に接続されている。ここで、コンデンサC2は、エミッタフォロワ部72のトランジスタのエミッタ側と入力端子(A)との間に第1の帰還抵抗Rf1を介して接続され、コンデンサC3は、エミッタフォロワ部72のトランジスタのエミッタ側とリファレンス電圧を安定するためのコンデンサC1との間に第2の帰還抵抗Rf2を介して接続されている。また、コンデンサC2とコンデンサC3は、エミッタフォロワ部72からチェリーホッパー型増幅部71への負帰還動作が正帰還動作になることを防止する目的をもっている。
また、チェリーホッパー型増幅部71において差動変換された信号は、エミッタフォロワ部72および第1および第2の帰還抵抗Rf1、Rf2を介して帰還閉ループが構成されている。この帰還閉ループの構成は、負帰還動作となるように信号の論理が反転するように接続されている。
図2の動作について、説明する。バランスドフォトダイオード6で受光した光入力データDinは電気信号(電流)に変換され、変換された電気信号がチェリーホッパー型増幅部71に入力され、このチェリーホッパー型増幅部71で差動変換された信号がエミッタフォロワ部72に入力され、エミッタフォロワ部72からの出力信号が、入力端子(A)に帰還する信号と、補償回路8に入力される信号に分岐される。
バランスドフォトダイオード6で受光変換された電流が同一極性方向に直列接続された2個の受光素子(フォトダイオード)の中間点を通り、入力端子(A)と接続されているチェリーホッパー型増幅部71に入力される。この入力端子(A)において、入力された信号の論理がHighレベルの場合、チェリーホッパー型増幅部71内の差動増幅回路71b、71cの一方のトランジスタTr2のベースがオン状態となるため、このトランジスタTr2に電流が流れ、トランジスタTr2のコレクタの電圧が降下し、トランジスタTr3はオフ状態となる。この際、トランジスタTr1には、トランジスタTr2に流れる電流と同じ電流を流すために必要なバイアス電圧(VBE)が印加されるため、トランジスタTr1は、オン状態となる。
そして、トランジスタTr2のコレクタの電圧がLowレベルとなり、トランジスタTr3には電流が流れないため、トランジスタTr1のベースの電圧がHighレベルとなる。また、トランジスタTr1のベースにはトランジスタTr1の制御電圧として印加されているため、トランジスタTr1にHighレベル信号が帰還され、増幅される。
補償回路8は、電位差調整を行うことにより、出力信号のDuty比(クロスポイント)を50%にすることができる。
また、同一の対構造を有するエミッタフォロワ82に対し、(C)点と(D)点は、同じ直流電圧にて動作する。(A)点に接続されたバランスドフォトダイオード6にて駆動される吸い込み方向と吐き出し方向の光電流は、(C)点に接続された第1の帰還抵抗Rf1によって帰還電圧信号として(A)点に印加される。また、(B)点の電位は、(D)点の電位からコンデンサC1を用いて抽出された平均電圧値である。
図3は、時間に対する(A)点および(B)点の電位波形の一例を示す図である。また、横軸は時間(s)であり、縦軸は(A)点および(B)点の電位(V)を表している。
(A)点の電位は、必ず(B)点の電位を基準(中心)として光電流の吸い込みおよび吐き出しを行う。そのため、(B)点の電位は、(A)点での信号電位に対して、0信号か1信号かを識別できる最適動作点として与えられる。
すなわち、エミッタフォロワ部72の各エミッタフォロワが、それぞれが動作する直流電圧が等しいことら、入力端子(A)の信号に対し、入力端子(B)の電圧は、常に最適化されたリファレンス電圧として動作することができる。
図4は、(A)点、(C)点での論理反転動作波形の一例を示す図である。また、横軸は時間(s)であり、縦軸は(A)点での電位V(V)および(B)点での電位V(V)を表している。
(A)点と(C)点での動作波形は、(A)点の論理と(C)点の論理が反転していることが動作波形で確認できる。つまり、帰還閉ループ構成による負帰還動作がこの波形から確認できる。
図5は、補償の効果(位相特性改善の効果)の一例を示す図であり、すなわち、エミッタフォロワ部72からチェリーホッパー型増幅部71に正帰還になることを防止するコンデンサの補償効果の一例を示す図である。また、横軸は入力周波数(GHz)であり、縦軸はトランスインピーダンス増幅器(Transimpedance Amplifier;以下TIAとする)出力位相特性(Degree)を表している。
TIAの位相特性に対するコンデンサC2、すなわち帰還用コンデンサの影響を表している。帰還用コンデンサの有無によるそれぞれの入力周波数に対するTIA出力位相特性を確認できる。帰還用コンデンサがない場合に比べて、帰還用コンデンサが有る場合、たとえばTIA出力位相が180°の場合の位相余裕が約10GHz高いことが確認できる。つまり、帰還用コンデンサを設けることで、高い周波数の信号にも対応できることがこの特性から確認できる。
また、帰還閉ループの遅延時間が長いため、数10GHz程度の周波数において、帰還状態が正帰還動作に近づいている。正帰還動作では、帰還増幅器が不安定となるため、帰還量によっては、発振動作を引き起こす原因になる。そこで、正帰還補償用コンデンサCph1、2は、正帰還を補償するために使用され、エミッタフォロワ部72などに用いたレベルシフトダイオードなどの微分抵抗、すなわちシリーズ抵抗からの高周波における正帰還、すなわち信号遅れを補償するために使用されている。
図6は、差動型TIA回路の出力波形の一例を示す図である。また、横軸は時間(5.0ps/div)であり、縦軸は差動型TIA回路からの出力(0.02V/div)を表している。
帰還抵抗Rfを用いることにより、約0.4程度の出力振幅が得られることがこの波形から確認できる。
図7は、インダクタピーキング負荷を用いた高機能な差動型TIAの一例を示す図である。図1との違いは、チェリーホッパー型増幅部71内の差動入力ペアトランジスタ71aのトランジスタTr3に接続されている抵抗RL1に直列にインダクタL1が接続された点である。つまり、特定の周波数領域に対し、負荷抵抗として機能するインダクタンスを備えることで、駆動能力、すなわち出力振幅を大きくできる。
また、本発明と特許文献1との違いは、特許文献1では、同一極性方向に直列接続された2個の受光素子より構成されたバランスドフォトダイオード6を用いることはできない。これに対して、本発明では、同一極性方向に直列接続された2個の受光素子より構成されたバランスドフォトダイオード6に対応できる。ただし、特許文献1と比較して、トランスインピーダンス回路の入力端子と接続するフォトダイオードが2個になるため、フォトダイオード容量が、回路の動作帯域に与える影響が無視できなくなるが、ファイバ伝送で発生した波形歪みを改善する効果もある。
つまり、本発明では、高速および広帯域性能については特許文献1が優れているが、実伝送回線にて要求される帯域は、本発明構成が実現できる動作帯域である。本発明は、2入力の光信号に対してバランスのとれた動作ができると共に、ファイバ伝送で発生する波長分散による信号歪みを改善できる一面もあり、優位性もある。
なお、本発明は、接合型トランジスタ(Bipolar Transistor)に限らず、電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor、FET)を用いた集積回路にも適用できる。
なお、バランスドフォトダイオード6は、モノリシック集積回路で構成されていてもよい。
以上のように、本実施形態の光受信器によれば、第1および第2の帰還抵抗Rf1、Rf2の抵抗値を波形ひずみが発生するほど、極端に大きくすることなく、高感度に広帯域な動作を実現できる。
以上説明したように、本発明によれば、従来、用いていたフォトダイオードに代えてバランスドフォトダイオードを用い、リファレンス電圧を安定化するためにコンデンサを用いることにより、バランスド受光入力に対応でき、シングル−差動変換に対するリファレンス電圧の調整が不要で、トランスインピーダンスアンプの出力とリミッタアンプの入力を接続するための広帯域な信号に対応した大容量のコンデンサも不要で、チェリーホッパー型増幅部を設けることにより帰還抵抗を極端に大きくすることなく、高感度に広帯域な動作を実現できる光受信器が実現できる。
7 差動トランスインピーダンス回路
71 チェリーホッパー型増幅部
72 エミッタフォロワ部
Rf1、Rf2 第1、第2の帰還抵抗
C1〜C3 第1〜第3のコンデンサ
6 バランスドフォトダイオード
8 補償回路

Claims (5)

  1. 光信号を電気信号に変換する光受信器において、
    同一極性方向に直列接続された2個の受光素子より構成されたバランスドフォトダイオードと、
    このバランスドフォトダイオードの出力信号が入力されるチェリーホッパー型増幅部と、
    このチェリーホッパー型増幅部を構成している差動入力ペアトランジスタからのそれぞれの出力信号をレベルシフトするエミッタフォロワ部と、
    このエミッタフォロワ部の出力信号を前記チェリーホッパー型増幅部の各入力端子に帰還する経路に設けられた第1および第2の帰還抵抗と、
    この第2の帰還抵抗と前記チェリーホッパー型増幅部を構成している差動増幅回路の
    一方のトランジスタのベースに接続されている第1のコンデンサと
    を有することを特徴とする光受信器。
  2. 前記第1および第2の帰還抵抗の一端と、前記エミッタフォロワ部のトランジスタのエミッタ側との間に、それぞれ正帰還を補償する第2および第3のコンデンサが設けられていることを特徴とする請求項1記載の光受信器。
  3. 前記差動入力ペアトランジスタは、トランジスタのコレクタ側にペアトランジスタそれぞれに抵抗あるいは抵抗およびインダクタを接続することを特徴とする請求項1または2記載の光受信器。
  4. 前記エミッタフォロワ部の出力端子と接続されるとともに、前記エミッタフォロワ部から出力される信号のクロスポイントを補償する補償回路を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光受信器。
  5. 前記トランジスタは、接合型トランジスタ、あるいは電界効果型トランジスタであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光受信器。
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