JP2011122199A - 蒸着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】蒸着材料の補充や交換の作業を容易にし、さらに坩堝のメンテナンスについてもこれを容易にした、蒸着装置を提供する。
【解決手段】被処理体に蒸着材料を蒸着させる蒸着装置である。蒸着室内に配置されて蒸着材料3を収容する収容容器4と、収容容器4内の蒸着材料3を加熱する加熱手段3と、を含む。収容容器4は、外容器8と、外容器8内に着脱可能に収容されて蒸着材料3を収容する内容器9と、を有している。
【選択図】図2
【解決手段】被処理体に蒸着材料を蒸着させる蒸着装置である。蒸着室内に配置されて蒸着材料3を収容する収容容器4と、収容容器4内の蒸着材料3を加熱する加熱手段3と、を含む。収容容器4は、外容器8と、外容器8内に着脱可能に収容されて蒸着材料3を収容する内容器9と、を有している。
【選択図】図2
Description
本発明は、蒸着装置に関する。
真空蒸着法は、材料を加熱して昇華もしくは気化させることにより、基板等の被成膜体(被処理体)に成膜する方法であり、真空中で行うことで、基板表面を清浄に保ち、かつ高純度の膜質を生成することができる。したがって、各種半導体装置や電気光学装置の製造では、従来、真空蒸着法による薄膜形成が多くなされている。例えば、電気光学装置として有機EL装置(有機エレクトロルミネッセンス装置)を製造する場合には、マスク蒸着法により、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などとして機能する有機膜(有機機能層)を、基板上に順次成膜している。また、陰極や、これを封止する封止層として、金属膜や無機膜を成膜している。
このような真空蒸着法によって基板に成膜を行う蒸着装置としては、蒸着源として坩堝を備えたものが一般的である。(例えば、特許文献1参照)。
このような真空蒸着法によって基板に成膜を行う蒸着装置としては、蒸着源として坩堝を備えたものが一般的である。(例えば、特許文献1参照)。
ところで、真空蒸着法を用いて成膜を行う場合、蒸着材料に含まれる不純物や、蒸着材料の反応生成物に起因して種々の問題が生じる。
例えば、大気中で材料表面に反応生成物(例えば酸化物)が形成されるような昇華型蒸着材料を用いた場合では、前記反応生成物が昇華せずに坩堝内に堆積するため、蒸着レートの不安定化や基板への異物付着を生じ、製品の品質低下や歩留まりの低下を招いてしまう。
例えば、大気中で材料表面に反応生成物(例えば酸化物)が形成されるような昇華型蒸着材料を用いた場合では、前記反応生成物が昇華せずに坩堝内に堆積するため、蒸着レートの不安定化や基板への異物付着を生じ、製品の品質低下や歩留まりの低下を招いてしまう。
そこで、予め用いる蒸着材料中の反応生成物を低減しておくことが考えられる。しかし、例えば前記有機EL装置における陰極の形成材料などは大気中で容易に酸化するため、このような蒸着材料の反応を抑制するためには、坩堝への材料の充填やこの坩堝の蒸着装置への搬入などの際に、これらの処理を不活性雰囲気で一貫して行う必要があり、非常に困難である。
また、反応生成物がある程度生じてしまうことを許容した場合には、蒸着材料の補充や交換の頻度が高くなることから、これらの作業に手間がかかってしまい、また、坩堝のメンテナンスにも手間がかかってしまうといった課題がある。
また、反応生成物がある程度生じてしまうことを許容した場合には、蒸着材料の補充や交換の頻度が高くなることから、これらの作業に手間がかかってしまい、また、坩堝のメンテナンスにも手間がかかってしまうといった課題がある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、特に蒸着材料の補充や交換の作業を容易にし、さらに坩堝のメンテナンスについてもこれを容易にした、蒸着装置を提供することにある。
前記課題を解決するため本発明の蒸着装置は、被処理体に蒸着材料を蒸着させる蒸着装置であって、
蒸着室内に配置されて前記蒸着材料を収容する収容容器と、
前記収容容器内の蒸着材料を加熱する加熱手段と、を含み、
前記収容容器は、外容器と、該外容器内に着脱可能に収容されて前記蒸着材料を収容する内容器と、を有してなることを特徴としている。
蒸着室内に配置されて前記蒸着材料を収容する収容容器と、
前記収容容器内の蒸着材料を加熱する加熱手段と、を含み、
前記収容容器は、外容器と、該外容器内に着脱可能に収容されて前記蒸着材料を収容する内容器と、を有してなることを特徴としている。
この蒸着装置によれば、蒸着材料を収容する収容容器を、外容器と、該外容器内に着脱可能に収容されて前記蒸着材料を収容する内容器と、を有した構成としているので、蒸着材料の補充や交換の際には、使用後の蒸着材料を収容した内容器ごと、使用前の蒸着材料を収容した内容器に交換すればよく、したがってその作業が容易になる。また、外容器については、洗浄等のメンテナンスがほとんど不要になり、一方、内容器についても容器自体が外容器に比べ小さくなり、構造も簡易になる分、洗浄等のメンテナンスが容易になる。
また、前記蒸着装置において、前記収容容器には、前記内容器を前記外容器に当接させた状態に固定する固定手段が設けられているのが好ましい。
このようにすれば、加熱手段によって収容容器の外容器を加熱することで該収容容器の内容器内の蒸着材料を加熱する場合に、固定手段によって内容器が外容器に当接した状態に固定されるため、外容器から内容器への熱伝導が良好に起こり、蒸着材料がより効率的に加熱されるようになる。
また、内容器を外容器に着脱可能に収容する必要上、これらの間にある程度のクリアランスを形成する必要がある。そこで、前記固定手段によって内容器を外容器に対し偏らせることなく、前記クリアランスが内容器の側周全体で均一になるように内容器を外容器に対して位置決めすることにより、内容器内の蒸着材料がむらなく均一に加熱されるようになり、これによっても蒸着材料がより効率的に加熱されるようになる。
このようにすれば、加熱手段によって収容容器の外容器を加熱することで該収容容器の内容器内の蒸着材料を加熱する場合に、固定手段によって内容器が外容器に当接した状態に固定されるため、外容器から内容器への熱伝導が良好に起こり、蒸着材料がより効率的に加熱されるようになる。
また、内容器を外容器に着脱可能に収容する必要上、これらの間にある程度のクリアランスを形成する必要がある。そこで、前記固定手段によって内容器を外容器に対し偏らせることなく、前記クリアランスが内容器の側周全体で均一になるように内容器を外容器に対して位置決めすることにより、内容器内の蒸着材料がむらなく均一に加熱されるようになり、これによっても蒸着材料がより効率的に加熱されるようになる。
また、前記蒸着装置において、前記内容器は、前記外容器と同じ材質からなっているのが好ましい。
このようにすれば、内容器と外容器との間で熱膨張係数が同じになり、熱膨張係数が異なることによる破損等の不都合が防止される。
このようにすれば、内容器と外容器との間で熱膨張係数が同じになり、熱膨張係数が異なることによる破損等の不都合が防止される。
また、前記蒸着装置において、前記内容器に収容される前記蒸着材料は、その底面が前記内容器内部における底面形状に略一致するように成型されていることにより、少なくともその底部形状が前記内容器の内部形状における底部側の形状に略一致しているのが好ましい。
このように、蒸着材料を内容器の内部形状における底部側の形状に略一致させ、したがって従来の粒状のものに代えて内容器の内部形状に対応する大きな塊状にすることにより、内容器に対する蒸着材料の充填密度が高くなり、これによって蒸着材料の補充や交換の頻度が低下する。
また、粒状の場合に比べて蒸着材料の表面積が小さくなることにより、酸化等の反応が抑制される。
さらに、蒸着材料中(蒸着材料間)での熱伝導性が高くなることにより、加熱効率が高くなって蒸着効率が高まる。
このように、蒸着材料を内容器の内部形状における底部側の形状に略一致させ、したがって従来の粒状のものに代えて内容器の内部形状に対応する大きな塊状にすることにより、内容器に対する蒸着材料の充填密度が高くなり、これによって蒸着材料の補充や交換の頻度が低下する。
また、粒状の場合に比べて蒸着材料の表面積が小さくなることにより、酸化等の反応が抑制される。
さらに、蒸着材料中(蒸着材料間)での熱伝導性が高くなることにより、加熱効率が高くなって蒸着効率が高まる。
また、前記蒸着装置において、前記外容器には、前記蒸着材料の昇華物又は気化物を通過させる開口を有した蓋が着脱可能に被着されているのが好ましい。
このようにすれば、蒸着材料の不純物や反応生成物がパーティクルとなって収容容器の外に飛散するのが抑制され、したがって該パーティクルが被処理体に異物として付着したり、蒸着室内に付着して汚染するといった不都合が防止される。
このようにすれば、蒸着材料の不純物や反応生成物がパーティクルとなって収容容器の外に飛散するのが抑制され、したがって該パーティクルが被処理体に異物として付着したり、蒸着室内に付着して汚染するといった不都合が防止される。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の蒸着装置の第1実施形態を示す図であり、内部を透視した側面図である。図1において符号1は蒸着装置である。なお、この図1では、理解を容易にするため、本発明の特徴部分である坩堝4を、実際の縮尺より大きく記載している。
(第1実施形態)
図1は、本発明の蒸着装置の第1実施形態を示す図であり、内部を透視した側面図である。図1において符号1は蒸着装置である。なお、この図1では、理解を容易にするため、本発明の特徴部分である坩堝4を、実際の縮尺より大きく記載している。
この蒸着装置1は、チャンバー(蒸着室)2と、このチャンバー2内に配置されて蒸着材料3を収容する坩堝(収容容器)4と、坩堝4内の蒸着材料3を加熱する蒸着用加熱装置(加熱手段)5と、を備えて構成されたものである。
チャンバー2には、排気孔2aを介して真空ポンプ6が接続されており、この真空ポンプ6によってチャンバー2内は、成膜処理中やその待機中などの間、常時真空引きされている。
チャンバー2には、排気孔2aを介して真空ポンプ6が接続されており、この真空ポンプ6によってチャンバー2内は、成膜処理中やその待機中などの間、常時真空引きされている。
また、このチャンバー2内には、その上方に基板搬送部7が設けられている。基板搬送部7は、基板(被処理体)Wを保持する基板ホルダ(図示せず)と、蒸着マスク(図示せず)を保持するマスクホルダ(図示せず)と、これら基板W及び蒸着マスク、マスクホルダを一体にして、チャンバー2外からチャンバー2内に、さらにはその逆に搬送する公知の搬送機構と、を備えて構成されている。なお、チャンバー2には、基板Wを出し入れするための搬送口(図示せず)が、開閉可能に設けられている。
坩堝4は、その側断面図である図2に示すように、外容器8と、該外容器8内に着脱可能に収容された内容器9と、外容器8に着脱可能に被着された蓋10とを有して構成されたものである。
これら外容器8、内容器9、蓋10は、本実施形態では全て同じ材質で形成されており、高融点金属やセラミックス等によって形成されたものである。具体的には、前記蒸着用加熱装置5の加熱方法によっても異なり、例えばこの蒸着用加熱装置5が誘導加熱装置である場合、チタン、白金等の比較的高抵抗の金属(合金を含む)によって形成される。また、抵抗加熱装置である場合には、セラミックスや低抵抗の金属(合金を含む)が好適に用いられる。なお、本実施形態では、蒸着用加熱装置5が誘導加熱装置であるものとし、したがって外容器8、内容器9、蓋10は、全てチタンによって形成されているものとする。
これら外容器8、内容器9、蓋10は、本実施形態では全て同じ材質で形成されており、高融点金属やセラミックス等によって形成されたものである。具体的には、前記蒸着用加熱装置5の加熱方法によっても異なり、例えばこの蒸着用加熱装置5が誘導加熱装置である場合、チタン、白金等の比較的高抵抗の金属(合金を含む)によって形成される。また、抵抗加熱装置である場合には、セラミックスや低抵抗の金属(合金を含む)が好適に用いられる。なお、本実施形態では、蒸着用加熱装置5が誘導加熱装置であるものとし、したがって外容器8、内容器9、蓋10は、全てチタンによって形成されているものとする。
外容器8は有底円筒状のものであり、内容器9も有底円筒状のものである。内容器9は、所定のクリアランスを有しているものの、その平面視形状(底面形状)が外容器8の内部における底面形状に略一致して形成されている。ただし、高さについては、特に限定されることなく、本実施形態では外容器8に対して十分に低い高さになっている。このような構成のもとに、内容器9は外容器8に対して着脱可能に収容されるようになっている。なお、内容器9の上端部には、外容器8に対する内容器9の着脱性を損なわない位置に、適宜な治具で引っ掛けて引き出すための、係止部(図示せず)が設けられている。これにより、外容器8から内容器9を引き出す際、その操作が容易にできるようになっている。
蓋10は、天板部10aを有する円筒状のもので、円筒部10bの内面に、外容器8の上端部に係合する係合部10cを形成したものである。また、前記天板部10aには、その中央部に、天板部10aの直径に比べて十分に小さい内径、例えば数mmから10mm程度の開口10dが形成されている。このような構成によって蓋10は、蒸着材料3の昇華物(あるいは気化物)である気体は開口10dから容易に流出させるものの、蒸着材料3の不純物や反応生成物からなるパーティクル(固形物)については、坩堝4の外に飛散させることなく、内部に留めておくようになっている。
内容器9内に収容される蒸着材料3としては、例えば有機EL装置を構成する陰極の材料、すなわちマグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属や銀など、また、有機EL素子の有機機能層(正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層等)となる有機膜の各形成材料など、さらには酸化ケイ素等の無機封止材料などが用いられる。もちろん、有機EL装置以外の用途においては、その用途に応じた種々の成膜材料が用いられる。
本実施形態では、特に有機EL装置の陰極材料である金属(例えばアルカリ土類金属)が用いられ、内容器9内に収容されている。この蒸着材料3は、円柱状、すなわちタブレット状に成型されたもので、その底面が内容器9内部における底面形状に略一致するように、すなわち収容可能なよう僅かに小径に成型されている。また、高さは、内容器9の内部空間の高さより十分に低い高さに成型されている。これにより、蒸着材料3は、少なくともその底部形状が内容器9の内部形状における底部側の形状に略一致し、全体としても、内容器9の内部形状における底部側の形状に略一致したものとなっている。
蒸着用加熱装置5は、前記したように本実施形態では誘導加熱装置からなるもので、この蒸着用加熱装置5上に坩堝4を載置し、坩堝4を加熱することにより、坩堝4内(内容器9内)の蒸着材料3を加熱するものである。すなわち、坩堝4の外容器8は蒸着用加熱装置5によって渦電流が生じさせられ、これによって外容器8は発熱し、内容器9を介して蒸着材料3を加熱するようになっている。
次に、このような構成の蒸着装置1による成膜方法について説明する。ここでは、有機EL装置の陰極の成膜を例にして説明する。したがって、以下の説明では、蒸着装置1は有機EL装置(有機エレクトロルミネッセンス装置)の製造装置として機能するようになる。
まず、有機EL装置の概略構成について説明する。
図3(a)、(b)は、有機EL装置の一例であるラインヘッドを示す図であり、(a)は要部側断面図、(b)は平面図である。
まず、有機EL装置の概略構成について説明する。
図3(a)、(b)は、有機EL装置の一例であるラインヘッドを示す図であり、(a)は要部側断面図、(b)は平面図である。
図3(a)、(b)に示す有機EL装置50は、電子写真方式を利用したプリンタに使用されるラインヘッドであり、複数の有機EL素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)53を配列してなる発光素子列(発光部ライン)53Aを1列または複数列、例えば、3列備えている。このようなラインヘッドでは、発光素子列53Aに含まれる有機EL素子53のうち、所定の有機EL素子53を点灯させて感光ドラム上に照射することにより、感光ドラム上に電荷による像(潜像)を形成する。
ここで、有機EL装置50は細長い矩形形状を有しており、通常は1枚の大型基板W上に有機EL素子53などを形成した後、単品サイズの複数枚の素子基板に切り出される。また、特にボトムエミッション方式の場合には、素子基板に封止基板が貼られることで、有機EL装置50とされる。
すなわち、この有機EL装置50は、図3(a)に示すように発光層57で発光した光を画素電極54側から出射するボトムエミッション方式とされ、素子基板52側から発光光を取り出すようになっている。このため、素子基板52としては透明あるいは半透明のものが採用される。例えば、ガラス、石英、樹脂(プラスチック、プラスチックフィルム)等が挙げられ、特にガラス基板が好適に用いられる。また、素子基板52上には、画素電極54に電気的に接続された駆動用トランジスタ55a(薄膜トランジスタ)などを含む回路部55が、発光素子列53Aに沿って形成されており、その上層側に有機EL素子53が形成されている。
有機EL素子53は、陽極として機能する画素電極54と、この画素電極54からの正孔を注入/輸送する正孔注入層及び正孔輸送層(合わせて正孔注入/輸送層56と記す)と、有機EL物質からなる発光層57と、電子を注入/輸送する電子注入層及び電子輸送層(合わせて電子注入/輸送層58と記す)と、陰極59とがこの順に積層された構造になっている。素子基板52の回路部55には、外部接続端子(図示せず)が接続されており、各有機EL素子53を外部より制御可能となっている。
次に、このような構成の有機EL装置50における、陰極59の成膜について説明する。
まず、前記したように予め内容器9の内部における底部側の形状に略一致した蒸着材料3(陰極の形成材料)を、内容器9の内部に充填し、さらにこの内容器9を外容器8内に収容し、この外容器8に蓋10を被着しておく。そして、この坩堝4をチャンバー2内に収容し、蒸着用加熱装置5上に載置しておく。
まず、前記したように予め内容器9の内部における底部側の形状に略一致した蒸着材料3(陰極の形成材料)を、内容器9の内部に充填し、さらにこの内容器9を外容器8内に収容し、この外容器8に蓋10を被着しておく。そして、この坩堝4をチャンバー2内に収容し、蒸着用加熱装置5上に載置しておく。
また、基板Wを、基板搬送部10によってチャンバー2内の上方の所定位置に配置しておく。なお、この基板Wは、図3(a)に示した、画素電極4及び隔壁(図示せず)を形成し、さらに正孔注入/輸送層56、発光層57、電子注入/輸送層58までを形成した個片化する前の素子基板52を、多数含んでなるものとする。
そして、チャンバー2内を真空引きし、所定の真空度に達したら、蒸着用加熱装置5によって坩堝4を所定の温度に加熱する。
そして、チャンバー2内を真空引きし、所定の真空度に達したら、蒸着用加熱装置5によって坩堝4を所定の温度に加熱する。
すると、チャンバー2内は所定の真空度になっているため、坩堝4が加熱されて蒸着材料3が加熱されることにより、蒸着材料3は昇華させられ、陰極の形成材料である昇華物が蓋10の開口10dを通って流出し、基板Wの被成膜面に向かって飛散する。そして、必要に応じて基板Wに設けられた蒸着マスクによって所定位置に選択的に蒸着し、陰極59を形成する。
また、このようにして成膜を行った後、蒸着材料3が所定量以下に減少したり、酸化等による反応生成物が内容器9内に多く溜まった際には、蒸着レートの不安定化や基板Wへの異物付着を防止するため、蒸着材料の再充填(補充)や交換を行う必要がある。その際には、単に使用後の蒸着材料3を収容した内容器9ごと、使用前の蒸着材料3を収容した内容器9に交換することで、その作業を行うことができる。
したがって、前記構成の蒸着装置1にあっては、蒸着材料3を収容する坩堝4を、外容器8と、該外容器8内に着脱可能に収容されて蒸着材料3を収容する内容器9と、を有した構成としているので、蒸着材料3の補充や交換の際には、前記したように単に蒸着材料3ごと、内容器9に交換すればよく、したがってその作業が容易になる。
また、外容器8については、洗浄等のメンテナンスがほとんど不要になり、一方、内容器9についても容器自体が外容器8に比べ小さくなり、構造も簡易になる分、洗浄等のメンテナンスが容易になる。
また、外容器8については、洗浄等のメンテナンスがほとんど不要になり、一方、内容器9についても容器自体が外容器8に比べ小さくなり、構造も簡易になる分、洗浄等のメンテナンスが容易になる。
また、外容器8と内容器9と蓋10とを同じ材質にしているので、これら外容器8と内容器9と蓋10との間で熱膨張係数が同じになり、熱膨張係数が異なることによる破損等の不都合を防止することができる。
また、蒸着材料3が、内容器9の内部形状における底部側の形状に略一致するように成型されており、したがって従来の粒状のもの比べて大きな塊状になっているので、内容器9に対する蒸着材料3の充填密度を高くすることができ、これによって蒸着材料3の補充や交換の頻度を少なくし、これら補充や交換に要する手間を軽減することができる。
また、粒状の場合に比べて蒸着材料3の表面積が小さくなることにより、酸化等の反応が抑制され、したがって反応生成物に起因する問題の発生を抑制することができる。
さらに、蒸着材料3中(蒸着材料間)での熱伝導性が高くなることによって加熱効率が高くなり、したがって加熱に要するエネルギー量に対する蒸着効率を高めることができる。
また、蒸着材料3が、内容器9の内部形状における底部側の形状に略一致するように成型されており、したがって従来の粒状のもの比べて大きな塊状になっているので、内容器9に対する蒸着材料3の充填密度を高くすることができ、これによって蒸着材料3の補充や交換の頻度を少なくし、これら補充や交換に要する手間を軽減することができる。
また、粒状の場合に比べて蒸着材料3の表面積が小さくなることにより、酸化等の反応が抑制され、したがって反応生成物に起因する問題の発生を抑制することができる。
さらに、蒸着材料3中(蒸着材料間)での熱伝導性が高くなることによって加熱効率が高くなり、したがって加熱に要するエネルギー量に対する蒸着効率を高めることができる。
また、坩堝4として、外容器8に蓋10を被着したものを用いているので、蒸着材料3の不純物や反応生成物からなるパーティクル(固形物)については、坩堝4の外に飛散させることなく、内部に留めておくことができる。したがって、該パーティクルが基板Wに異物として付着したり、チャンバー2内に付着して汚染するといった不都合を防止することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の蒸着装置の第2実施形態を説明する。この第2実施形態が先の第1実施形態と異なるところは、坩堝4に、その内容器9を外容器8に当接させた状態に固定するための固定手段が設けられている点である。
次に、本発明の蒸着装置の第2実施形態を説明する。この第2実施形態が先の第1実施形態と異なるところは、坩堝4に、その内容器9を外容器8に当接させた状態に固定するための固定手段が設けられている点である。
すなわち、本実施形態の坩堝4は、例えばその側断面図である図4に示すように、内容器9を外容器8にネジ11で固定できるようになっている。この図4に示す例では、外容器8の底面にネジ孔12が形成されており、また、内容器9の底面に雌ねじ(図示せず)が形成されている。したがって、外容器8内に内容器9を収容した後、ネジ11を外容器8の底からネジ孔12に挿し込み、その先端側を内容器9の雌ねじに螺合させることにより、内容器9の底面を外容器8内部の底面に当接させた状態に固定することができる。
また、坩堝4の側断面図である図5に示すように、外容器8の内周面に直接雌ねじ13を形成し、内容器9の外周面に直接雄ねじ14を形成することにより、内容器9を外容器8に当接させた状態で、外容器8内に内容器9を固定することができる。
このように、ネジ11や雌ねじ13、雄ねじ14からなる固定手段により、内容器9が外容器8に当接した状態に外容器8内に内容器9を固定するようにしたので、蒸着用加熱装置5によって外容器8を加熱した際、外容器8から内容器9への熱伝導が良好に起こり、蒸着材料3がより効率的に加熱されるようになる。したがって、加熱効率を高めることにより、蒸着効率を高めることができる。
また、内容器9を外容器8に着脱可能に収容する必要上、これらの間にある程度のクリアランスを形成する必要がある。そこで、前記のネジ11や雌ねじ13、雄ねじ14により、内容器9の中心軸を外容器8の中心軸に対し偏らせることなく一致させることで、前記クリアランスが内容器9の側周全体で均一になるように内容器9を外容器8に対して位置決めすることができる。これにより、内容器9内の蒸着材料3をむらなく均一に加熱することができ、これによっても蒸着材料をより効率的に加熱することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、前記実施形態では本発明の蒸着装置1を、有機EL装置の陰極の成膜に適用する例について説明したが、本発明の蒸着装置はこれに限定されることなく、種々の蒸着膜の形成に用いることができる。
例えば、前記実施形態では本発明の蒸着装置1を、有機EL装置の陰極の成膜に適用する例について説明したが、本発明の蒸着装置はこれに限定されることなく、種々の蒸着膜の形成に用いることができる。
また、坩堝4については、一つだけでなく複数を用いて、同時に、あるいは順番に蒸着を行うようにしてもよい。これにより、蒸着材料の交換などによるプロセスの中断を、短時間にすることができる。
さらに、複数の坩堝4に対してそれぞれに異なる蒸着材料を収容しておき、例えば蒸着用加熱装置5による加熱を制御することなどにより、所望の蒸着材料のみを昇華させるように構成してもよい。
さらに、複数の坩堝4に対してそれぞれに異なる蒸着材料を収容しておき、例えば蒸着用加熱装置5による加熱を制御することなどにより、所望の蒸着材料のみを昇華させるように構成してもよい。
また、前記実施形態では、蒸着材料3として円柱状(タブレット状)に成型された一つの塊(成型体)を用いたが、例えばこの円柱状の成型体を、中心軸と直交する方向に切断して複数の円盤体とし、このような円盤体からなる蒸着材料を、内容器9内に複数積層させて収容し、用いてもよい。
1…蒸着装置、2…チャンバー(蒸着室)、3…蒸着材料、4…坩堝(収容容器)、5…蒸着用加熱装置(加熱手段)、8…外容器、9…内容器、10…蓋、10d…開口、11…ネジ、12…ネジ孔、13…雌ねじ部、14…雄ねじ部、W…基板(被処理体)
Claims (5)
- 被処理体に蒸着材料を蒸着させる蒸着装置であって、
蒸着室内に配置されて前記蒸着材料を収容する収容容器と、
前記収容容器内の蒸着材料を加熱する加熱手段と、を含み、
前記収容容器は、外容器と、該外容器内に着脱可能に収容されて前記蒸着材料を収容する内容器と、を有してなることを特徴とする蒸着装置。 - 前記収容容器には、前記内容器を前記外容器に当接させた状態に固定する固定手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の蒸着装置。
- 前記内容器は、前記外容器と同じ材質からなっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の蒸着装置。
- 前記内容器に収容される前記蒸着材料は、その底面が前記内容器内部における底面形状に略一致するように成型されていることにより、少なくともその底部形状が前記内容器の内部形状における底部側の形状に略一致していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の蒸着装置。
- 前記外容器には、前記蒸着材料の昇華物又は気化物を通過させる開口を有した蓋が着脱可能に被着されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の蒸着装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009280174A JP2011122199A (ja) | 2009-12-10 | 2009-12-10 | 蒸着装置 |
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2009
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