JP2003045650A - 有機el素子の製造装置 - Google Patents

有機el素子の製造装置

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JP2003045650A
JP2003045650A JP2001216192A JP2001216192A JP2003045650A JP 2003045650 A JP2003045650 A JP 2003045650A JP 2001216192 A JP2001216192 A JP 2001216192A JP 2001216192 A JP2001216192 A JP 2001216192A JP 2003045650 A JP2003045650 A JP 2003045650A
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evaporation
organic
cooling
vacuum chamber
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JP2001216192A
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Kafu Chin
華夫 陳
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KIKO KENJI KAGI KOFUN YUGENKOS
KIKO KENJI KAGI KOFUN YUGENKOSHI
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KIKO KENJI KAGI KOFUN YUGENKOS
KIKO KENJI KAGI KOFUN YUGENKOSHI
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部で有機原料が蒸発される蒸発筒を冷却す
ることで、外部に拡散しようとする有機原料ガスを蒸発
筒の内面に付着させて、有機原料を固体状態で回収する
ことを可能にする有機EL素子の製造装置を提供する。 【解決手段】 有機EL素子の製造装置1において、蒸
発セル4内の有機原料は加熱手段6によって加熱されて
蒸発し、基板8に蒸着される。蒸発ガスは、蒸発筒3の
下側の開口25bからも蒸発筒3の外部へ拡散しようと
するが、冷却手段54の冷却部55が蒸発筒3の下端に
取り付けられて蒸発筒3を冷却しているので、そうした
有機原料ガスは蒸発筒3に直接昇華して付着し、付着し
た有機原料は、適宜の時期に掻き取ることにより回収さ
れる。高価な有機原料の無駄な使用量が可及的に少なく
なり、有機EL素子の製造コストを低減することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、蒸発源を加熱し
て生じ蒸発させたガス状の有機原料を基板上に付着させ
る蒸着法によって基板上に有機薄膜を形成する有機EL
素子の製造装置であって、特に、高価な有機原料物質の
効率良く回収することを可能にする有機EL素子の製造
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】有機EL(エレクトロルミネセンス)デ
ィスプレイのような有機EL素子は、薄型で全固体型の
面発光表示デバイスであり、バックライトが不要で消費
電力が少なく、信頼性が高く、高精細、高コントラスト
の高画質表示が可能であることから、近年、ディスプレ
イの分野で着目されている。有機EL素子は、プリント
配線基板等の基板上に完成時に陰極となる金属電極を予
め形成しておき、その上に発光層となる有機EL素子の
有機薄膜を形成し、更に、その有機薄膜の上に金属材料
を蒸着することにより完成時に陽極となる透明電極を形
成している。このような有機EL素子は、例えば、真空
蒸着法又はスパッタリング法で金属電極と透明電極とを
形成し、真空蒸着法で有機薄膜を形成することで製造さ
れている。
【0003】有機薄膜の真空蒸着は、真空槽内に蒸着材
料である有機原料を加熱して蒸発させる蒸発源を配置
し、蒸発したガス状の有機原料を蒸発源の上方に配置し
た基板の下向きの被蒸着面に付着させて成膜している。
蒸発源は、例えば、坩堝のような容器であり、セラミッ
ク製、透明ガラス製等、適宜の材料から構成される。蒸
発源の直上又は基板の直下の位置には、蒸着を制御する
ための可動シャッタが設けられている。蒸着の初期に
は、可動シャッタを閉状態として不純物を含んだ蒸発物
が基板に付着するのを防止し、原料の蒸発速度が一定と
なった一定時間経過後に可動シャッタを開いて、蒸着速
度の制御が安定した状態で基板の被蒸着面への成膜が行
われている。成膜の都度、基板の上に所定のマスクを配
置した状態で蒸着を行うことにより、有機薄膜や金属薄
膜が所定のパターンで成形される。
【0004】有機原料を間接的に加熱してガス化する一
つの方法として、原料容器を坩堝で形成しその周囲にヒ
ータを設け、このヒータに通電することで坩堝を加熱す
る方法がある。また、抵抗加熱蒸着法として、融点の高
いタングステン、タンタル、モリブデン等の金属材料を
薄板状に加工して、電気抵抗を高くした金属板から原料
容器を製作し、その原料容器に直流電流を流して発熱さ
せることで、有機原料を蒸発させる方法もある。この方
法は、製造装置の構造が簡単で且つ安価となるので、真
空蒸着法の中で普及している。有機原料を間接的に加熱
する方法以外の方法として、原料に直接に電子ビームや
レーザービームを照射し、そのエネルギーで原料を蒸発
させる電子ビーム・レーザービーム蒸着法がある。
【0005】有機EL素子の製造では、製造コストを低
減し、有機EL素子の価格を安価に供給するには、製造
装置を連続して運転することが肝要である。即ち、製造
装置の真空槽内は、通常、高度な真空状態に保った状態
で有機原料を蒸発させる必要があるため、頻繁に製造装
置を停止して有機原料の補充や交換を行うと、その度に
真空の解除と再真空化が必要となって装置の稼働効率が
悪化し、製品コストが上昇する。従って、有機原料が投
入される容器としては、原料投入量が多く一定の蒸発量
が期待され且つ運転時間を長く取ることができるセル型
蒸発源を用いて、一度真空にされた製造装置の真空槽で
次々に連続して基板に対して蒸着を行うことが好まし
い。
【0006】しかしながら、セル型蒸発源では、ヒータ
による間接加熱方式が採用されており、この方式におい
ては、一度真空にされた製造装置の真空槽で次々と連続
して基板に蒸着を行う場合であっても、各基板への蒸着
毎に基板の蒸着位置への搬送と搬出とが繰り返されてお
り、その繰返しに合わせて蒸着時には蒸発セルを加熱し
蒸着終了時には蒸発セルの加熱を停止している。ヒータ
が発熱してから有機原料が蒸発するまで、及びヒータの
発熱が停止してから有機材料の蒸発が停止するまでの熱
応答性は良好とは言えず、その結果、基板への蒸着割合
の制御が困難であり、しかも蒸着割合を一定としたとき
の有機原料の使用効率が悪い。特に、所定の温度まで上
昇するとき及び冷却するときに蒸発したガス状の有機原
料については、蒸発割合が安定していないので、基板へ
の蒸着に利用することができない。従って、有機原料が
高価であるにもかかわらず、有機原料量に対する実際に
基板への蒸着原料量の割合が低くなっており、それ故、
無駄に使用される有機原料が多く、有機EL素子の製造
コストを十分に低下させることができない。
【0007】熱の応答速度を上昇させ、無駄になる有機
原料量を減少するため、成膜室内の雰囲気から遮断され
た冷却システムが考えられている(特開2000−12
218号公報)。この冷却システムでは、加熱用のヒー
タが一体成形された蒸発源本体の外側に外套を設け、蒸
発源本体と外套との間に成膜室内の真空雰囲気から遮断
された状態で不活性ガス等の冷却ガスが循環されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】蒸発源から蒸発し有機
原料ガスが真空チャンバ内に拡散しようとするのに対処
するため、蒸発源の周囲を基板の下方で且つ基板の近く
まで蒸発筒で取り囲むことにより、蒸発ガスが基板に到
達し易いように蒸発ガスを上昇案内し、有機原料ガスが
基板の範囲の外に拡散するのを防止することが行われて
いる。しかしながら、蒸発源から蒸発したガス状の有機
原料は、基板への蒸着に使われることなく、ガス状態の
まま、蒸発筒内に残留したり、蒸発筒の下方の開口から
真空チャンバ内に拡散するものもある。このように、基
板に蒸着されることなく蒸発して失われる有機原料が少
なからず存在し、高価な有機原料の回収が十分行われて
いないのが現状である。そこで、有機EL素子の製造装
置において、こうした高価な有機原料を蒸発筒において
固体状態で捕捉して、一層の回収を図る点で解決すべき
課題がある。
【0009】この発明の目的は、蒸発筒を冷却すること
で、蒸発筒内で蒸発されその外部に拡散しようとするガ
ス状の有機原料を蒸発筒の内面に付着させて、有機原料
を固体状態で回収することを可能にし、高価な有機原料
の無駄な使用量を可及的に少なくして、有機EL素子の
製造コストを低減することができる有機EL素子の製造
装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明による有機EL
素子の製造装置は、真空チャンバの内部に縦置き状態に
配設され且つ上側の開口の上方において成膜すべき基板
が配置される蒸発筒、前記蒸発筒の内部に関連して配置
されており且つ前記基板に蒸着するための有機原料を蒸
発可能に収容する蒸発源、及び前記蒸発筒を冷却する冷
却手段から構成されている。
【0011】この有機EL素子の製造装置においては、
従来と同様、有機原料を収容した蒸発セルが加熱されて
蒸発セル内に収容されている有機原料が蒸発する。蒸発
した有機原料は、蒸発筒の内部を上昇して、蒸発筒の上
側の開口の上方に配置されている基板の下側面に付着す
ることで蒸着される。基板への蒸着のために蒸発された
有機原料ガスは、蒸発源から蒸発させる度に、蒸発筒の
開口からも蒸発筒の外部へ拡散しようとするが、この発
明によれば、蒸発筒は冷却手段によって冷却されている
ので、そうした有機原料ガスは冷却されている蒸発筒に
触れて温度が低下し蒸発筒に直接昇華して付着する。蒸
発筒に付着した有機原料は、製造装置の点検等の適宜の
時期に、蒸発筒から掻き取ることにより、回収される。
【0012】また、前記冷却手段は、前記蒸発筒の下端
に取り付けられた冷却部、及び前記真空チャンバの外部
に設けられている熱交換機からの冷却媒体を前記冷却部
を通して循環させるため前記真空チャンバを貫いて延び
て前記冷却部に接続されている冷却導管を備える構成と
することができる。冷却手段をこのように構成すること
により、真空チャンバを貫いて延びる冷却導管を通じて
冷却部内に冷却媒体を導入し、導入された冷却媒体によ
って蒸発筒を冷却することが可能となり、真空チャンバ
内における冷却手段を簡素に構成することが可能であ
る。冷却部は、蒸発筒の下端に蒸発筒と同心状態に取り
付けられているので、蒸発筒の特に下側部を一様に冷却
し、蒸発筒の下側の開口から真空チャンバ内に拡散しよ
うとする有機原料ガスを昇華させて効率良く捕らえるこ
とが可能となる。
【0013】また、有機EL素子の製造装置において
は、一つの真空チャンバ内に複数の蒸発筒を配置し、各
蒸発筒で蒸発される原料を異なるものにすることで、複
数の原料を複数の蒸発筒内で順次蒸発させて、一つの基
板に順次蒸着させることも行われている。この場合に
は、各蒸発筒は、蒸発ガスが、他の蒸発筒での蒸発ガス
と混合しないように分離している働きもしている。従っ
て、このように真空チャンバ内に複数基の蒸発筒が並列
状態に配設した場合には、前記冷却手段は、複数基の前
記蒸発筒の下端に共通して取り付けられた冷却部、及び
前記真空チャンバの外部に設けられている熱交換機から
の冷却媒体を前記冷却部を通して循環させるため前記真
空チャンバを貫いて延びて前記冷却部に接続されている
冷却導管を備える構成とすることができる。冷却手段
を、複数基の蒸発筒に対して共通した冷却部とすること
で、異種類の蒸発ガスの混合を可及的に防止しつつ、個
々の蒸発した原料を効率的に回収する複数基の蒸発筒の
冷却構造が簡単化される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しつつ、こ
の発明による有機EL素子の製造装置の実施例を説明す
る。図1はこの発明による有機EL素子の製造装置の一
実施例を示す縦断面図、図2は図1に示す有機EL素子
の製造装置の一部を拡大して示す断面図であり、図3の
面II−IIで切断した縦断面図、図3は図2に示す有
機EL素子の製造装置の一部を平面III−IIIで切
断した断面図、図4は図1に示す有機EL素子の製造装
置の面IV−IVで切断した横断面図である。
【0015】図1に示すように、有機EL素子の製造装
置1は、装置フレームに支持された真空チャンバ2と、
真空チャンバ2内に縦置き状態に配置され且つ上端に成
膜すべき基板8が配置される蒸発筒3と、基板8に蒸着
させるべき有機原料(図2参照)9を収容可能であり且
つ蒸発筒3内の上昇位置Uと蒸発筒3外で且つ下方の下
降位置Lとの間で上下動可能な蒸発セル4と、蒸発セル
4を上下動させる駆動手段5と、蒸発セル4内に収容さ
れている有機原料9を蒸発させるため上昇位置Uを占め
ている蒸発セル4を加熱する加熱手段6と、下降位置L
を占めている蒸発セル4を冷却するセル冷却手段7とを
備えている。なお、蒸発源には、少なくとも、蒸発セル
4と加熱手段6とが含まれる。
【0016】真空チャンバ2は、適宜の形状を有してお
り、装置フレーム10によって床台上に設置されてい
る。真空チャンバ2の内部11は、図示しない真空引き
手段(クライオポンプ)によって、通常は高度な真空状
態に維持されている。真空チャンバ2には、図示しない
が、適宜の位置に、内部を覗くことが可能な耐圧ガラス
窓を形成することができる。真空チャンバ2の内部11
には、蒸発筒3が支持脚12によって支持された状態で
設置されている。蒸発筒3は、銅のような熱伝導度の高
い金属から成り、上端と下端とがそれぞれ開口25a,
25bとなった状態に縦置きされた角筒体で構成されて
いる。蒸発筒3は、蒸発セル4が蒸発させた有機原料ガ
ス(以下、「蒸発ガス」という)を基板8に向かって上
昇するのを案内する働きをしている。なお、蒸発筒3
は、角筒体以外にも、円筒体とすることができる。
【0017】蒸発セル4は、特に、外部から有機原料の
残量を視認可能とするため、上端が開口した透明なガラ
ス製の坩堝とすることが好ましい。蒸発セル4が駆動手
段5によって蒸発筒3内の上昇位置Uにまで上昇したと
き、蒸発セル4は、蒸発筒3内に取り付けられている加
熱手段6によって取り囲まれた状態となる。加熱手段6
は、真空チャンバ2の外部から延びる電線(図示せず)
を通じて電源が供給される抵抗加熱線を備えた筒状ヒー
タの形状を有する間接的な加熱手段であり、蒸発セル4
内に収容されている有機原料9を蒸発させるため、蒸発
セル4を周囲から例えば200℃〜300℃にまで加熱
する。
【0018】駆動手段5は、モ−タ15と、モ−タ15
の回転出力を伝達するベルト伝動機構16と、ベルト伝
動機構16の出力側の回転を伝える継ぎ手17と、継ぎ
手17によって回転されるねじ軸18と、ねじ軸18に
螺合するボールナット19と、ボールナット19に取り
付けられている昇降筒体20と、昇降筒体20の先端に
形成されており蒸発セル4を取付け可能な取付け部21
とを有している。駆動手段5は、また、継ぎ手17〜取
付け部21を密封状態に取り囲んで真空チャンバ2の内
部11の真空を保つケース22を有している。更に、昇
降筒体20には縦方向に延びる一対のスリット23が形
成されており、真空チャンバ2に取り付けられている規
制駒24がスリット23に係合している。従って、モー
タ15の回転はベルト伝動機構16と継ぎ手17とを介
してねじ軸18に伝達され、昇降筒体20は、ねじ軸1
8と規制駒24によって回転規制されているボールナッ
ト19とのねじ作用とによって昇降駆動される。昇降筒
体20の昇降は、モータ15の回転方向に応じて定ま
る。図示した駆動手段5は、一例であり、エアシリンダ
等から成るアクチュエータを採用することができること
は、言うまでもない。
【0019】蒸発筒3の上側の開口25aの上方には、
開口25aに近接して開閉可能なシャッタ26が配置さ
れている。真空チャンバ2に接続されているシャッタ進
退通路27の後方には、シャッタ26の開閉作動用とし
て、例えば駆動機構5と同様の機構を設けることがで
き、かかる機構を作動させることにより、シャッタ26
をシャッタ進退通路27で進退させてシャッタ26の開
閉作動を行うことができる。シャッタ26は、蒸着期間
以外において閉じることで、蒸発ガスが蒸発筒3から基
板8に向かって更に上昇して付着するのを阻止してい
る。基板8の直下にもシャッタ(図示せず)を設けるこ
とにより、不純物を含む可能性が高い蒸着開始当初の蒸
発ガスによる基板8への蒸着を更に防止するようにして
もよい。
【0020】真空チャンバ2の上壁部2aには、シャッ
タ26の直上において、基板ホルダ28が取り付けられ
ており、搬送手段30によって搬送されてきた基板8
は、蒸発筒3の真上の位置において、基板ホルダ28
と、基板ホルダ28と共同する保持具29とによって挟
まれることで保持される。基板ホルダ28の直ぐ下方に
は、所定のパターンを有するマスク31をマスクホルダ
32によって保持可能であり、マスク31のパターンに
応じた基板8の露出部分にのみ有機材料を蒸着させるこ
とができる。保持具29及びマスクホルダ32の作動
は、真空チャンバ2の上壁部2aを密封状態に貫通する
操作軸33,34によって行うことができる。
【0021】図2及び図3に示すように、セル冷却手段
7は、降下位置Lを占める蒸発セル4に対して、その側
方から接近可能なセル冷却体40,40を備えている。
セル冷却体40,40は、例えば、熱伝導度が高い銅製
のケースとして、蒸発セル4から速やかに熱を奪う構成
とすることが好ましい。蒸発セル4の下端には、駆動手
段5の支持部21に形成されている支持穴35に嵌入す
る支持棒36が突出して取り付けられている。各セル冷
却体40は、蒸発セル4に面する側に蒸発セル4の外筒
面37に対応した半筒状の湾曲面41と、下側部におい
て蒸発セル4に向かって膨出した棚部42とを備えてい
る。各湾曲面41は、蒸発セル4の外筒面37の側面片
半分を取り囲む形状とするのが好ましい。棚部42は、
蒸発セル4の底面38に対応した扇形状の棚面43を有
している。各セル冷却体40は、蒸発セル4に接近した
とき、棚部42の棚面43が蒸発セル4の底面38を載
せることによって、蒸発セル4を安定して保持し且つ蒸
発セル4を底面38からも冷却することができる。な
お、棚部42の形状は扇形状の棚面43を有するものと
したが、この形状に限ることはなく適宜の形状とするこ
とができる。
【0022】セル冷却手段7に用いる冷却媒体として
は、摂氏3度〜4度の冷却水とすることができ、各セル
冷却体40の内部は、冷却水が流入する冷却室44とな
っている。冷却室44には蒸発セル4から離れる方向に
延びる冷却導管としての供給管45と戻り管46とが接
続されており、真空チャンバ2の外部に配設されている
熱交換機50(図1参照)から供給管45を通じて冷却
室44に流入した冷却水が、戻り管46を通じて熱交換
機50に戻ることができる。図1に示すように、供給管
45と戻り管46とは、真空チャンバ2の周壁部2bを
密封状態に貫通しており、真空チャンバ2の外側に配設
されている作動機構としてのエアアクチュエータ47,
47にまで延びた連結部を兼ねており、エアアクチュエ
ータ47,47によって駆動されて、各セル冷却体40
を蒸発セル4に対して進退させることができる。各セル
冷却体40が蒸発セル4に対して側方から接近したと
き、各セル冷却体40の湾曲面41が蒸発セル4の外筒
面37に接触して蒸発セル4から速やかに熱を奪う。な
お、冷却導管としての供給管45と戻り管46とが互い
に離れた並列に配置された例を示したが、真空チャンバ
2の周壁部2bにおける密封貫通構造を簡素にするた
め、両管を隣接した並列管に構成したり、二重管にする
ことも可能である。
【0023】基板8への有機原料の蒸着を停止させると
きには、加熱手段6への通電を停止すると共に蒸発セル
4を駆動手段5によって降下位置Lまで下降させ、作動
機構としてのエアアクチュエータ47,47を作動させ
て、セル冷却体40,40を蒸発セル4に対して進出さ
せる。蒸発セル4に接触したセル冷却体40,40は、
蒸発セル4から熱を奪うことで冷却を開始し、有機原料
の蒸発を直ちに停止させる。その結果、高価な有機原料
の蒸発が止まり、基板8に蒸着されることなく拡散して
いた有機原料の無駄な消費を抑えて、有機原料を効率的
に使用することが可能となり、有機EL素子の製造コス
トを低減に寄与することができる。
【0024】蒸発ガスは、シャッタ26を開けることで
基板8に向かって流れ出る。蒸発筒3内に止まっている
蒸発ガス及び蒸発筒3の下側の開口25bから真空チャ
ンバ2内に拡散しようとする蒸発ガスについては、蒸発
筒3を冷却することにより、蒸発筒3の内面3aに直接
に昇華させることで回収が図られる。即ち、蒸発筒3を
冷却するため、この発明による冷却手段54が蒸発筒3
に関連して設けられている。図1及び図4に示すよう
に、冷却手段54は、蒸発筒3の下端部3bに取り付け
られている冷却部55と、冷却部55と真空チャンバ2
の外部に配設されている熱交換機との間で冷却媒体を循
環させるため、冷却部55に接続された冷却導管56,
57とを備えている。冷却媒体は、セル冷却手段7の場
合と同様に、摂氏3度〜4度の冷却水とすることができ
る。こうした場合、冷却手段54のための熱交換機は、
図示のように、セル冷却手段7の場合の熱交換機50と
共用することができる。冷却部55は、蒸発筒3の下端
部3bに沿った環状形状を有し、下端部3bを均等に冷
却するのが好ましい。冷却導管56,57は、真空チャ
ンバ2の周壁部2bを密封状態に貫通して設けられてい
る。冷却導管56,57は、図示の例では、径方向に対
向した位置に配置したが、互いに隣接して配置すること
で真空チャンバ2の周壁部2bを貫通する構造を簡単化
することもできる。冷却部55を介して蒸発筒3を冷却
することで、蒸発筒3内の蒸発ガスは、蒸発筒3の内面
3aに直接に昇華させられて付着する。製造装置1の保
守点検等の適宜時期に真空チャンバ2から蒸発筒3を取
り出し、昇華した固形の有機原料を内面3aから削り取
ることで、有機原料を固体状態で回収することができ
る。回収した有機原料は、再度、蒸発用として利用可能
である。
【0025】図5は、この発明による有機EL素子の製
造装置の別の実施例を示す側面概略図、図6は図5に示
す有機EL素子の製造装置の平面概略図である。図5及
び図6においては、図1〜図4に示す実施例に用いられ
ているものと同一の構成要素については、それらの図で
用いられた符号と同一の符号を付すことで重複する説明
を省略する。図5及び図6に示す有機EL素子の製造装
置61は、一つの真空チャンバ62内に複数基(この例
では、6基)の蒸発筒63a,63b・・・63f(符
号63で総称する)を配設したものである。各蒸発筒6
3において、蒸発セル4内に収容される有機原料9は、
基板8に蒸着すべき異なる種類の原料とすることができ
る。各蒸発筒63の上方には、基板8を図で左側から右
側へと次々と搬送する搬送装置70が設けられている。
搬送装置70は、基板8を各蒸発筒63の上方の位置に
順次停止させて、その蒸発筒63での原料の蒸発ガスの
蒸着が行われる。従って、どの基板8も、搬送装置70
によって真空チャンバ62内を搬送される間に、各蒸発
通63で次々と蒸着処理が行われて、基板に所定の蒸着
層が積層される。
【0026】製造装置61に配設される冷却手段64
は、各蒸発筒63に共通する冷却部65と、冷却部65
に冷却媒体を循環させるため冷却部65に繋がる冷却導
管66,67を有している。冷却部65は、図示の例で
は、両端の蒸発筒63a,63fでは三方に、また中間
の各蒸発筒63b〜63eでは対向する二方に接触する
一続きの環状の冷却部であるが、各蒸発筒3を均等に且
つ十分冷却するために、適宜経路を屈曲させて中間の蒸
発筒3b〜3eでも略全周に接触する構造とすることも
できる。冷却媒体が流される冷却導管66,67は、冷
却部65への冷却媒体を供給する供給管66と冷却媒体
を外部の熱交換機50へ戻すの戻り管67とから成る。
供給管66と戻り管67とはそれぞれ1本ずつとするこ
とで、冷却手段64の構造が簡単となる。上記のように
構成された冷却手段64によれば、一つの熱交換機50
からの冷却媒体は、共通の一続きの冷却部65を通る間
に全ての蒸発筒63a〜63fを冷却するので、一つの
真空チャンバ2内に複数基の蒸発筒63が配置される場
合でも、冷却手段64の構造が簡単化され、製造装置の
コスト、ひいては有機EL素子の製造コストの低減に寄
与することができる。
【0027】
【発明の効果】この発明による有機EL素子の製造装置
によれば、有機原料を収容した蒸発源を加熱することで
蒸発源内に収容されている有機原料が蒸発し、蒸発した
有機原料ガスは蒸発筒の上側の開口の上方に配置されて
いる基板に向かって蒸発筒内を安定されて内部を上昇す
るが、蒸発筒は冷却手段によって冷却されているので、
基板への蒸着に使用されなかった有機原料ガスの一部
は、冷却されている蒸発筒に触れて温度が低下し蒸発筒
に直接昇華して付着する。蒸発筒に付着した有機原料
は、製造装置の点検等の適宜の時期に、蒸発筒から掻き
取ることにより、固体状態で回収される。従って、従来
の製造装置では蒸着されることなく回収が困難であった
有機原料ガスを固体の状態で回収することが可能とな
り、高価な有機原料を回収して有効に再使用することが
できる。その結果、有機EL素子の製造コストを低減
し、有機EL素子を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による有機EL素子の製造装置の一
実施例を示す縦断面図である。
【図2】 図1に示す有機EL素子の製造装置の一部を
拡大して示す縦断面図であり、図3の面II−IIで切
断した縦断面図である。
【図3】 図2の平面III−IIIでの横断面図であ
る。
【図4】 図1の面IV−IVで切断した横断面図であ
る。
【図5】 この発明による有機EL素子の製造装置の別
の実施例を示す側面概略図である。
【図6】 図5に示す有機EL素子の製造装置の平面概
略図である。
【符号の説明】
1,61 有機EL素子の製造装置 2,62 真空チャンバ 2b 周壁部 3,63 蒸着筒 4 蒸発セル 5 駆動手段 6 加熱手段 7 セル冷却手段 8 基板 9 有機原料 11 真空チャンバの内部 25a 開口 50 熱交換機 54,64 冷却手段 55,65 冷却部 56,57,66,67 冷却導管

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空チャンバの内部に縦置き状態に配設
    され且つ上側の開口の上方において成膜すべき基板が配
    置される蒸発筒、前記蒸発筒の内部に関連して配置され
    ており且つ前記基板に蒸着するための有機原料を蒸発可
    能に収容する蒸発源、及び前記蒸発筒を冷却する冷却手
    段から成る有機EL素子の製造装置。
  2. 【請求項2】 前記冷却手段は、前記蒸発筒の下端に取
    り付けられた冷却部、及び前記真空チャンバの外部に設
    けられている熱交換機からの冷却媒体を前記冷却部を通
    して循環させるため前記真空チャンバを貫いて延びて前
    記冷却部に接続されている冷却導管を備えていることか
    ら成る請求項1に記載の有機EL素子の製造装置。
  3. 【請求項3】 前記真空チャンバ内には、複数基の前記
    蒸発筒が並列状態に配設されており、前記冷却手段は、
    複数基の前記蒸発筒の下端に共通して取り付けられた冷
    却部、及び前記真空チャンバの外部に設けられている熱
    交換機からの冷却媒体を前記冷却部を通して循環させる
    ため前記真空チャンバを貫いて延びて前記冷却部に接続
    されている冷却導管を備えていることから成る請求項1
    に記載の有機EL素子の製造装置。
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