JP2003045649A - 有機el素子の製造装置 - Google Patents

有機el素子の製造装置

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JP2003045649A
JP2003045649A JP2001216163A JP2001216163A JP2003045649A JP 2003045649 A JP2003045649 A JP 2003045649A JP 2001216163 A JP2001216163 A JP 2001216163A JP 2001216163 A JP2001216163 A JP 2001216163A JP 2003045649 A JP2003045649 A JP 2003045649A
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evaporation
organic
cooling
vacuum chamber
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JP2001216163A
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Kafu Chin
華夫 陳
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KIKO KENJI KAGI KOFUN YUGENKOS
KIKO KENJI KAGI KOFUN YUGENKOSHI
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KIKO KENJI KAGI KOFUN YUGENKOS
KIKO KENJI KAGI KOFUN YUGENKOSHI
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機原料を入れた蒸発セルの加熱と冷却とを
蒸発セルの位置を変更して行うことによって、蒸発セル
を効率的に加熱及び冷却して、有機原料の無駄な使うこ
とがない有機EL素子の製造装置を提供する。 【解決手段】 有機EL素子の製造装置1において、有
機原料を収容した蒸発セル4が駆動手段5によって蒸発
筒3内の上昇位置Uにもたらされると、蒸発セル4内の
有機原料は加熱手段6によって加熱されて蒸発し、基板
8に蒸着される。蒸着終了後、駆動手段5が蒸発セル4
を下降位置Lまで下降すると、冷却手段7は蒸発セル4
を冷却するので、蒸発セル4からの有機原料の蒸発が急
速に停止する。従って、高価な有機原料は無駄に蒸発す
ることがなく、有機EL素子の製造コストを下げること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、蒸発源を加熱し
て生じさせた有機原料の蒸発ガスを基板上に付着させる
蒸着法によって基板上に有機薄膜を形成する有機EL素
子の製造装置であって、特に、高価な有機原料物質の無
駄な使用を可及的に少なくした有機EL素子の製造装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】有機EL(エレクトロルミネセンス)デ
ィスプレイのような有機EL素子は、薄型で全固体型の
面発光表示デバイスであり、バックライトが不要で消費
電力が少なく、信頼性が高く、高精細、高コントラスト
の高画質表示が可能であることから、近年、ディスプレ
イの分野で着目されている。有機EL素子は、プリント
配線基板等の基板上に完成時に陰極となる金属電極を予
め形成しておき、その上に発光層となる有機EL素子の
有機薄膜を形成し、更に、その有機薄膜の上に金属材料
を蒸着することにより完成時に陽極となる透明電極を形
成している。このような有機EL素子は、例えば、真空
蒸着法又はスパッタリング法で金属電極と透明電極とを
形成し、真空蒸着法で有機薄膜を形成することで製造さ
れている。
【0003】有機薄膜の真空蒸着は、真空槽内に蒸着材
料である有機原料を加熱して蒸発させる蒸発源を配置
し、蒸発したガス状の有機原料を蒸発源の上方に配置し
た基板の下向きの被蒸着面に付着させて成膜している。
蒸発源は、例えば、坩堝のような容器であり、セラミッ
ク製、透明ガラス製等、適宜の材料から構成される。蒸
発源の直上又は基板の直下の位置には、蒸着を制御する
ための可動シャッタが設けられている。蒸着の初期に
は、可動シャッタを閉状態として不純物を含んだ蒸発物
が基板に付着するのを防止し、原料の蒸発速度が一定と
なった一定時間経過後に可動シャッタを開いて、蒸着速
度の制御が安定した状態で基板の被蒸着面への成膜が行
われている。成膜の都度、基板の上に所定のマスクを配
置した状態で蒸着を行うことにより、有機薄膜や金属薄
膜が所定のパターンで成形される。
【0004】有機原料を間接的に加熱してガス化する一
つの方法として、原料容器を坩堝で形成しその周囲にヒ
ータを設け、このヒータに通電することで坩堝を加熱す
る方法がある。また、抵抗加熱蒸着法として、融点の高
いタングステン、タンタル、モリブデン等の金属材料を
薄板状に加工して、電気抵抗を高くした金属板から原料
容器を製作し、その原料容器に直流電流を流して発熱さ
せることで、有機原料を蒸発させる方法もある。この方
法は、製造装置の構造が簡単で且つ安価となるので、真
空蒸着法の中で普及している。有機原料を間接的に加熱
する方法以外の方法として、原料に直接に電子ビームや
レーザービームを照射し、そのエネルギーで原料を蒸発
させる電子ビーム・レーザービーム蒸着法がある。
【0005】有機EL素子の製造では、製造コストを低
減し、有機EL素子の価格を安価に供給するには、製造
装置を連続して運転することが肝要である。即ち、製造
装置の真空槽内は、通常、高度な真空状態に保った状態
で有機原料を蒸発させる必要があるため、頻繁に製造装
置を停止して有機原料の補充や交換を行うと、その度に
真空の解除と再真空化が必要となって装置の稼働効率が
悪化し、製品コストが上昇する。従って、有機原料が投
入される容器として、原料投入量が多く一定の蒸発量が
期待され且つ運転時間を長く取ることができるセル型蒸
発源を用いることで、一度真空にされた製造装置の真空
槽で次々に連続して基板に対して蒸着を行うことが好ま
しい。
【0006】しかしながら、セル型蒸発源では、ヒータ
による間接加熱方式が採用されており、この方式におい
ては、一度真空にされた製造装置の真空槽で次々と連続
して基板に蒸着を行う場合であっても、各基板への蒸着
毎に基板の蒸着位置への搬送と搬出とが繰り返されてお
り、その繰返しに合わせて蒸着時には蒸発セルを加熱し
蒸着終了時には蒸発セルの加熱を停止している。ヒータ
が発熱してから有機原料が蒸発するまで、及びヒータの
発熱が停止してから有機材料の蒸発が停止するまでの熱
応答性は良好とは言えず、その結果、基板への蒸着割合
の制御が困難であり、しかも蒸着割合を一定としたとき
の有機原料の使用効率が悪い。特に、所定の温度まで上
昇するとき及び冷却するときに蒸発する有機原料ガスに
ついては、蒸発割合が安定していないので、基板への蒸
着に利用することができない。従って、有機原料が高価
であるにもかかわらず、有機原料量に対する実際に基板
への蒸着原料量の割合が低くなっており、それ故、無駄
に使用される有機原料が多く、有機EL素子の製造コス
トを十分に低下させることができない。
【0007】熱の応答速度を上昇させ、無駄になる有機
原料量を減少するため、成膜室内の雰囲気から遮断され
た冷却システムが考えられている(特開2000−12
218号公報)。この冷却システムでは、加熱用のヒー
タが一体成形された蒸発源本体の外側に外套を設け、蒸
発源本体と外套との間に成膜室内の真空雰囲気から遮断
された状態で不活性ガス等の冷却ガスが循環されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】蒸着を一時的に停止さ
せるとき等において、有機原料を蒸発させるために加熱
した蒸発源を速やかに冷却しない場合には、蒸発源から
の有機原料の蒸発が続いて基板に蒸着されることなく失
われる原料が少なからず存在し、高価な有機原料を無駄
に使用することになる。しかしながら、蒸発セルの周囲
に加熱手段とセル冷却手段とを同時に配置することは困
難であり、蒸発セルの周囲のスペースを部分的に分け合
うように構成するのでは、蒸発セルの加熱と冷却とを効
率的に行うことができない。ましてや、加熱用のヒータ
が一体成形されて壁厚が厚くなった蒸発セル本体の外側
から蒸発セルの冷却を行う構造では、蒸発セルの冷却効
率が悪く、有機原料の蒸発を急速に停止することができ
ない。そこで、有機EL素子の製造装置において、蒸発
セルの加熱と冷却とを別々の位置において行うことによ
って、上記の有機原料の効率的な使用を図る点で解決す
べき課題がある。
【0009】この発明の目的は、蒸発セルの冷却を蒸発
セルの加熱を行う位置とは異なる位置で行うことで、蒸
発セルの加熱と冷却とを急速に且つ効率的に行えるよう
にして、冷却時には蒸発セルからの有機原料の蒸発を早
期に停止させることを可能にし、高価な有機原料の無駄
な使用を可及的に少なくして、有機EL素子の製造コス
トを低減して、有機EL素子を安価に製造することがで
きる有機EL素子の製造装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明による有機EL
素子の製造装置は、真空チャンバの内部に配設され且つ
基板に成膜するための有機原料を収容可能な蒸発セル、
前記蒸発セルを上昇位置と下降位置との間で上下動させ
る駆動手段、前記有機原料を蒸発させるため前記上昇位
置を占めている前記蒸発セルを加熱する加熱手段、及び
前記下降位置を占めている前記蒸発セルを冷却するセル
冷却手段から構成されている。
【0011】この有機EL素子の製造装置においては、
有機原料を収容した蒸発セルが駆動手段によって、下降
位置から上昇位置にもたらされると、加熱手段は、蒸発
セルを加熱して蒸発セル内に収容されている有機原料を
蒸発させる。蒸発したガス状の有機原料は、真空チャン
バの上側に配置されている基板の下側面に付着すること
で蒸着される。基板への蒸着が終了すると、加熱手段に
よる蒸発セルの加熱が停止されると共に、蒸発セルは駆
動手段によって下降位置まで下降される。下降位置を占
める蒸発セルはセル冷却手段によって冷却されるので、
加熱手段によって温度上昇した蒸発セルの温度は急速に
低下し、蒸発セルからの有機原料の蒸発が急速に停止す
る。このように、蒸発セルの加熱と冷却とがそれぞれ蒸
発セルが占める異なる位置で行われるので、加熱手段と
セル冷却手段とは互いに干渉することがなく、且つ、蒸
着が必要なときには加熱手段によって蒸発セルの加熱が
急速に行われ、蒸着が不必要なときには冷却手段によっ
て蒸発セルの冷却が急速に行われるので、有機原料は、
無駄になる量が少なく、効率的に使用される。
【0012】この有機EL素子の製造装置において、前
記セル冷却手段は、前記下降位置を占める前記蒸発セル
に対して側方に配置された一対のセル冷却体、及び前記
蒸発セルに対して一対の前記セル冷却体を側方から接近
及び離間させる作動機構を備えている構成とすることが
できる。このようにセル冷却手段を構成することによ
り、冷却時には下降位置まで降下した蒸発セルに対して
作動機構によって一対のセル冷却体が側方から接触さ
れ、蒸発セルは熱伝導によって熱を奪われて効率的に冷
却される。蒸発セルの冷却終了した後、作動機構は、一
対のセル冷却体を蒸発セルから離間させることで、次の
基板への蒸着に備えることが可能になる。
【0013】また、前記セル冷却手段は、前記真空チャ
ンバの外部に設けられている熱交換機からの冷却媒体を
前記セル冷却体を通して循環させるため前記真空チャン
バを貫いて延びて前記セル冷却体に接続されている冷却
導管を備えており、前記冷却導管は、前記作動機構と前
記前記セル冷却体とを連結する連結部を兼ねている構成
とすることができる。このようにセル冷却手段を構成す
ることにより、セル冷却体内には、真空チャンバを密封
状態に貫通して延びる冷却導管を通じて冷却媒体が導入
され、導入された冷却媒体によってセル冷却体が冷却さ
れる。同時に、冷却導管は、セル冷却体を駆動するため
の連結部として兼用されているので、真空チャンバの内
部において、発塵を伴う機構を設けることもなく且つセ
ル冷却体の駆動のための構造を簡素に構成することが可
能になる。
【0014】また、この有機EL素子の製造装置におい
て、前記セル冷却体は、前記下降位置を占める前記蒸発
セルに接近した状態で前記蒸発セルを載置する棚部を備
える構成とすることができる。セル冷却体の棚部で蒸発
セルを載置するので、冷却時における蒸発セルの保持が
安定すると共に、棚部を介して蒸発セルをその底部から
も冷却して、蒸発セルを効率的に冷却することが可能と
なる。
【0015】更に、この有機EL素子の製造装置は、前
記真空チャンバ内において前記上昇位置を占めている前
記蒸発セルを取り囲む状態に蒸発筒が縦置きに配設され
ており、前記基板は前記蒸発筒の上方に配置され、前記
下降位置は前記蒸発筒の下方に設定されている構成とす
ることができる。蒸発筒を設けることにより、加熱手段
によって蒸発された有機原料ガスは直ちに蒸発筒によっ
て案内されて基板に向かって上昇し、基板の蒸着を効率
的に行うことが可能になる。また、下降位置を蒸発筒の
下方に設定することで、蒸発筒は冷却手段と干渉するこ
ともない。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しつつ、こ
の発明による有機EL素子の製造装置の実施例を説明す
る。図1はこの発明による有機EL素子の製造装置の一
実施例を示す縦断面図、図2は図1に示す有機EL素子
の製造装置の一部を拡大して示す縦断面図であって図3
に示す線II−IIで示した面で切断した縦断面図、図
3は図2の平面III−IIIでの横断面図、図4は図
1に示す有機EL素子の製造装置の線IV−IVで示し
た面で切断した横断面図である。
【0017】図1に示すように、有機EL素子の製造装
置1は、装置フレームに支持された真空チャンバ2と、
真空チャンバ2内に縦置き状態に配置され且つ上端に成
膜すべき基板8が配置される蒸発筒3と、基板8に蒸着
させるべき有機原料(図2参照)9を収容可能であり且
つ蒸発筒3内の上昇位置Uと蒸発筒3外で且つ下方の下
降位置Lとの間で上下動可能な蒸発セル4と、蒸発セル
4を上下動させる駆動手段5と、蒸発セル4内に収容さ
れている有機原料9を蒸発させるため上昇位置Uを占め
ている蒸発セル4を加熱する加熱手段6と、下降位置L
を占めている蒸発セル4を冷却するセル冷却手段7とを
備えている。なお、蒸発源には、少なくとも、蒸発セル
4と加熱手段6とが含まれる。
【0018】真空チャンバ2は、適宜の形状を有してお
り、装置フレーム10によって床台上に設置されてい
る。真空チャンバ2の内部11は、図示しない真空引き
手段(クライオポンプ)によって、通常は高度な真空状
態に維持されている。真空チャンバ2には、図示しない
が、適宜の位置に、内部を覗くことが可能な耐圧ガラス
窓を形成することができる。真空チャンバ2の内部11
には、蒸発筒3が支持脚12によって支持された状態で
設置されている。蒸発筒3は、銅のような熱伝導度の高
い金属から成り、上端と下端とがそれぞれ開口25a,
25bとなった状態に縦置きされた角筒体で構成されて
いる。蒸発筒3は、蒸発セル4が蒸発させた有機原料ガ
ス(以下、「蒸発ガス」という)を基板8に向かって上
昇するのを案内する働きをしている。なお、蒸発筒3
は、角筒体以外にも、円筒体とすることができる。図示
の例では、真空チャンバ2内には、一つの蒸発筒3のみ
が収容されて示されているが、複数の蒸発筒3を並べて
収容してもよい。この場合、各蒸発筒3において、上記
の蒸発源や駆動手段5、セル冷却手段7が配設される
が、各蒸発セル4内に収容される有機原料9は、基板8
に蒸着する順に異種類の原料とすることができる。
【0019】蒸発セル4は、特に、外部から有機原料の
残量を視認可能とするため、上端が開口した透明なガラ
ス製の坩堝とすることが好ましい。蒸発セル4が駆動手
段5によって蒸発筒3内の上昇位置Uにまで上昇したと
き、蒸発セル4は、蒸発筒3内に取り付けられている加
熱手段6によって取り囲まれた状態となる。加熱手段6
は、真空チャンバ2の外部から延びる電線(図示せず)
を通じて電源が供給される抵抗加熱線を備えた筒状ヒー
タの形状を有する間接的な加熱手段であり、蒸発セル4
内に収容されている有機原料9を蒸発させるため、蒸発
セル4を周囲から例えば200℃〜300℃にまで加熱
する。
【0020】駆動手段5は、モ−タ15と、モ−タ15
の回転出力を伝達するベルト伝動機構16と、ベルト伝
動機構16の出力側の回転を伝える継ぎ手17と、継ぎ
手17によって回転されるねじ軸18と、ねじ軸18に
螺合するボールナット19と、ボールナット19に取り
付けられている昇降筒体20と、昇降筒体20の先端に
形成されており蒸発セル4を取付け可能な取付け部21
とを有している。駆動手段5は、また、継ぎ手17〜取
付け部21を密封状態に取り囲んで真空チャンバ2の内
部11の真空を保つケース22を有している。更に、昇
降筒体20には縦方向に延びる一対のスリット23が形
成されており、真空チャンバ2に取り付けられている規
制駒24がスリット23に係合している。従って、モー
タ15の回転はベルト伝動機構16と継ぎ手17とを介
してねじ軸18に伝達され、昇降筒体20は、ねじ軸1
8と規制駒24によって回転規制されているボールナッ
ト19とのねじ作用とによって昇降駆動される。昇降筒
体20の昇降は、モータ15の回転方向に応じて定ま
る。図示した駆動手段5は、一例であり、エアシリンダ
等から成るアクチュエータを採用することができること
は、言うまでもない。
【0021】蒸発筒3の上側の開口25aの上方には、
開口25aに近接して開閉可能なシャッタ26が配置さ
れている。真空チャンバ2に接続されているシャッタ進
退通路27の後方には、シャッタ26の開閉作動用とし
て、例えば駆動機構5と同様の機構を設けることがで
き、かかる機構を作動させることにより、シャッタ26
をシャッタ進退通路27で進退させてシャッタ26の開
閉作動を行うことができる。シャッタ26は、蒸着期間
以外において閉じることで、蒸発ガスが蒸発筒3から基
板8に向かって更に上昇して付着するのを阻止してい
る。基板8の直下にもシャッタ(図示せず)を設けるこ
とにより、不純物を含む可能性が高い蒸着開始当初の蒸
発ガスによる基板8への蒸着を更に防止するようにして
もよい。
【0022】真空チャンバ2の上壁部2aには、シャッ
タ26の直上において、基板ホルダ28が取り付けられ
ており、搬送手段30によって搬送されてきた基板8
は、蒸発筒3の真上の位置において、基板ホルダ28
と、基板ホルダ28と共同する保持具29とによって挟
まれることで保持される。基板ホルダ28の直ぐ下方に
は、所定のパターンを有するマスク31をマスクホルダ
32によって保持可能であり、マスク31のパターンに
応じた基板8の露出部分にのみ有機材料を蒸着させるこ
とができる。保持具29及びマスクホルダ32の作動
は、真空チャンバ2の上壁部2aを密封状態に貫通する
操作軸33,34によって行うことができる。
【0023】図2及び図3に示すように、セル冷却手段
7は、降下位置Lを占める蒸発セル4に対して、その側
方から接近可能なセル冷却体40,40を備えている。
セル冷却体40,40は、例えば、熱伝導度が高い銅製
のケースとして、蒸発セル4から速やかに熱を奪う構成
とすることが好ましい。蒸発セル4の下端には、駆動手
段5の支持部21に形成されている支持穴35に嵌入す
る支持棒36が突出して取り付けられている。各セル冷
却体40は、蒸発セル4に面する側に蒸発セル4の外筒
面37に対応した半筒状の湾曲面41と、下側部におい
て蒸発セル4に向かって膨出した棚部42とを備えてい
る。各湾曲面41は、蒸発セル4の外筒面37の側面片
半分を取り囲む形状とするのが好ましい。棚部42は、
蒸発セル4の底面38に対応した扇形状の棚面43を有
している。各セル冷却体40は、蒸発セル4に接近した
とき、棚部42の棚面43が蒸発セル4の底面38を載
せることによって、蒸発セル4を安定して保持し且つ蒸
発セル4を底面38からも冷却することができる。な
お、棚部42の形状は扇形状の棚面43を有するものと
したが、この形状に限ることはなく適宜の形状とするこ
とができる。
【0024】セル冷却手段7に用いる冷却媒体として
は、摂氏3度〜4度の冷却水とすることができ、各セル
冷却体40の内部は、冷却水が流入する冷却室44とな
っている。冷却室44には蒸発セル4から離れる方向に
延びる冷却導管としての供給管45と戻り管46とが接
続されており、真空チャンバ2の外部に配設されている
熱交換機50(図1参照)から供給管45を通じて冷却
室44に流入した冷却水が、戻り管46を通じて熱交換
機50に戻ることができる。図1に示すように、供給管
45と戻り管46とは、真空チャンバ2の周壁部2bを
密封状態に貫通しており、真空チャンバ2の外側に配設
されている作動機構としてのエアアクチュエータ47,
47にまで延びた連結部を兼ねており、エアアクチュエ
ータ47,47によって駆動されて、各セル冷却体40
を蒸発セル4に対して進退させることができる。各セル
冷却体40が蒸発セル4に対して側方から接近したと
き、各セル冷却体40の湾曲面41が蒸発セル4の外筒
面37に接触して蒸発セル4から速やかに熱を奪う。な
お、冷却導管としての供給管45と戻り管46とが互い
に離れた並列に配置された例を示したが、真空チャンバ
2の周壁部2bにおける密封貫通構造を簡素にするた
め、両管を隣接した並列管に構成したり、二重管にする
ことも可能である。
【0025】基板8への有機原料の蒸着を停止させると
きには、加熱手段6への通電を停止すると共に蒸発セル
4を駆動手段5によって降下位置Lまで下降させ、作動
機構としてのエアアクチュエータ47,47を作動させ
て、セル冷却体40,40を蒸発セル4に対して進出さ
せる。蒸発セル4に近接したセル冷却体40,40は、
蒸発セル4から熱を奪うことで冷却を開始し、有機原料
の蒸発を直ちに停止させる。その結果、高価な有機原料
の蒸発が止まり、基板8に蒸着されることなく拡散して
いた有機原料の無駄な消費を抑えて、有機原料を効率的
に使用することが可能となり、有機EL素子の製造コス
トを低減させることができる。
【0026】蒸発ガスは、シャッタ26を開けることで
基板8に向かって流れ出る。蒸発筒3内に止まっている
蒸発ガス及び蒸発筒3の下側の開口25bから真空チャ
ンバ2内に拡散しようとする蒸発ガスについては、蒸発
筒3を冷却することにより、蒸発筒3の内面3aに直接
に昇華させることで回収が図られる。即ち、蒸発筒3を
冷却するため、この発明による冷却手段54が蒸発筒3
に関連して設けられている。図1及び図4に示すよう
に、冷却手段54は、蒸発筒3の下端部3bに取り付け
られている冷却部55と、冷却部55と真空チャンバ2
の外部に配設されている熱交換機との間で冷却媒体を循
環させるため、冷却部55に接続された冷却導管56,
57とを備えている。冷却媒体は、セル冷却手段7の場
合と同様に、摂氏3度〜4度の冷却水とすることができ
る。こうした場合、冷却手段54のための熱交換機は、
図示のように、セル冷却手段7の場合の熱交換機50と
共用することができる。冷却部55は、蒸発筒3の下端
部3bに沿った環状形状を有し、下端部3bを均等に冷
却するのが好ましい。冷却導管56,57は、真空チャ
ンバ2の周壁部2bを密封状態に貫通して設けられてい
る。冷却導管56,57は、図示の例では、径方向に対
向した位置に配置したが、互いに隣接して配置すること
で真空チャンバ2の周壁部2bを貫通する構造を簡単化
することもできる。冷却部55を介して蒸発筒3を冷却
することで、蒸発筒3内の蒸発ガスは、蒸発筒3の内面
3aに直接に昇華させられて付着する。製造装置1の保
守点検等の適宜時期に真空チャンバ2から蒸発筒3を取
り出し、昇華した固形の有機原料を内面3aから削り取
ることで、有機原料を固体状態で回収することができ
る。回収した有機原料は、再度、蒸発用として利用可能
である。
【0027】図5は、この発明による有機EL素子の製
造装置の別の実施例の一部を示す横断面図である。図5
(a)は蒸発セルの冷却時の状態を示し、図5(b)は
蒸発セルの非冷却時の状態を示している。図5において
は、図3に示す実施例に用いられているのと同一の構成
要素については、図3に付された符号と同一の符号を付
して重複する説明を省略する。図5に示す例において
は、各セル冷却体40は、回動軸48の回りに回動可能
に設けられたアーム49の先端に取り付けられており、
各回動軸48を作動させてアーム49を回動させること
によって、各セル冷却体40を蒸発セル4に対して接近
又は離間させることができる。回動軸48は、操作軸3
3,34と同様に、真空チャンバ2の壁部を貫通させて
配置することにより、外部から操作可能とすることがで
きる。各セル冷却体40と回動軸48とを連結する連結
部としてのアーム49は、冷却媒体用の冷却導管として
の供給管45と戻り管46とから成り、供給管45と戻
り管46とは真空チャンバ2外の熱交換機に接続され
る。なお、冷却導管については、アーム49及び回動軸
48を通さずに、各セル冷却体40から直接に耐圧性の
フレキシブル管を通じて真空チャンバ2の壁部を貫いて
外部に接続させることもできる。
【0028】
【発明の効果】この発明による有機EL素子の製造装置
によれば、基板への有機原料の蒸着時には、蒸発セルが
占める上昇位置において蒸発セルを加熱手段によって加
熱し、蒸着が終了したときには、駆動手段によって蒸発
セルを下降位置まで下降し、加熱位置とは異なる下降位
置を占めている蒸発セルをセル冷却手段によって冷却し
ている。即ち、蒸発セルに対して、加熱手段とセル冷却
手段とを別の位置に配置されているので、基板に蒸着を
施すときには加熱手段による有機原料の蒸発を迅速に且
つ確実に行うと共に、蒸着を停止させるときには温度上
昇した蒸発セルの温度を急速に低下させ、蒸発セルから
の有機原料の蒸発を急速に停止することができる。従っ
て、基板への蒸着時には蒸着が確実になると共に、基板
への蒸着を行わない場合には、蒸着に使用されることな
く失われる有機原料が可及的に少なくなり、高価な有機
原料を有効に使用することができる。有機原料を有効に
使用することで、有機EL素子の製造コストを低減し
て、有機EL素子を安価に製造することができる。ま
た、蒸発セルを高い効率で加熱・冷却できるので、投入
有機原料量が多い蒸発セルを用いて、多数の基板に対し
て有機原料の蒸発とその停止とを繰り返し、長い連続運
転時間で有機EL素子の製造装置を稼働させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による有機EL素子の製造装置の一
実施例を示す縦断面図である。
【図2】 図1に示す有機EL素子の製造装置の一部を
拡大して示す縦断面図であり、図3の面II−IIで切
断した縦断面図である。
【図3】 図2の平面III−IIIでの横断面図であ
る。
【図4】 図1に示す有機EL素子の製造装置の面IV
−IVで切断した横断面図である。
【図5】 この発明による有機EL素子の製造装置の別
の実施例の一部を示す拡大横断面図である。
【符号の説明】
1 有機EL素子の製造装置 2 真空チャンバ 2b 周壁部 3 蒸発筒 4 蒸発セル 5 駆動手段 6 加熱手段 7 セル冷却手段 8 基板 9 有機原料 11 真空チャンバの内部 40 セル冷却体 41 湾曲面 42 棚部 44 冷却室 45 供給管(冷却導管) 46 戻り管(冷却導管) 47 エアアクチュエータ(作動機構) U 上昇位置 L 下降位置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空チャンバの内部に配設され且つ基板
    に成膜するための有機原料を収容可能な蒸発セル、前記
    蒸発セルを上昇位置と下降位置との間で上下動させる駆
    動手段、前記有機原料を蒸発させるため前記上昇位置を
    占めている前記蒸発セルを加熱する加熱手段、及び前記
    下降位置を占めている前記蒸発セルを冷却するセル冷却
    手段から成る有機EL素子の製造装置。
  2. 【請求項2】 前記セル冷却手段は、前記下降位置を占
    める前記蒸発セルに対して側方に配置された一対のセル
    冷却体、及び前記蒸発セルに対して一対の前記セルセル
    冷却体を側方から接近及び離間させる作動機構を備えて
    いることから成る請求項1に記載の有機EL素子の製造
    装置。
  3. 【請求項3】 前記セル冷却手段は、前記真空チャンバ
    の外部に設けられている熱交換機からの冷却媒体を前記
    セル冷却体を通して循環させるため前記真空チャンバを
    貫いて延びて前記セル冷却体に接続されている冷却導管
    を備えており、前記冷却導管は、前記作動機構と前記前
    記セル冷却体とを連結する連結部を兼ねていることから
    成る請求項2に記載の有機EL素子の製造装置。
  4. 【請求項4】 前記セル冷却体は、前記下降位置を占め
    る前記蒸発セルに接近した状態で前記蒸発セルを載置す
    る棚部を備えていることから成る請求項2又は3に記載
    の有機EL素子の製造装置。
  5. 【請求項5】 前記真空チャンバ内において前記上昇位
    置を占めている前記蒸発セルを取り囲む状態に蒸発筒が
    縦置きに配設されており、前記基板は前記蒸発筒の上方
    に配置され、前記下降位置は前記蒸発筒の下方に設定さ
    れていることから成る請求項1〜4のいずれか1項に記
    載の有機EL素子の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8123862B2 (en) * 2003-08-15 2012-02-28 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Deposition apparatus and manufacturing apparatus
US9209427B2 (en) 2002-04-15 2015-12-08 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Method of fabricating light-emitting device and apparatus for manufacturing light-emitting device

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