JP2003115379A - 有機el素子製造装置 - Google Patents

有機el素子製造装置

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JP2003115379A
JP2003115379A JP2001298706A JP2001298706A JP2003115379A JP 2003115379 A JP2003115379 A JP 2003115379A JP 2001298706 A JP2001298706 A JP 2001298706A JP 2001298706 A JP2001298706 A JP 2001298706A JP 2003115379 A JP2003115379 A JP 2003115379A
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organic
evaporation
vacuum chamber
evaporation cell
cell
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JP2001298706A
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Kafu Chin
華夫 陳
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KIKO KENJI KAGI KOFUN YUGENKOS
KIKO KENJI KAGI KOFUN YUGENKOSHI
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KIKO KENJI KAGI KOFUN YUGENKOS
KIKO KENJI KAGI KOFUN YUGENKOSHI
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置の運転を停止することなく真空チャンバ
の真空を維持したまま蒸発セルの補充を行うことによ
り、製造装置の運転効率を向上し、有機EL素子の製造
コストを低減可能な有機EL素子製造装置の蒸発セル補
充装置を提供する。 【解決手段】 蒸発セル4は、補充槽61に収容された
搬送台63に搭載される。補充槽61は、外部及び真空
チャンバ2に対して気密に遮断され再真空化可能とな
る。ゲートバルブ84を開けて補充槽61と真空チャン
バ2との間の通路69が開通されると、搬送台63はラ
ック74とピニオン73とを有する駆動機構70の作動
によって補充槽61内の装填位置からから真空チャンバ
2内の進出位置へと水平搬送される。縦方向に動作する
駆動手段5の係合部21が、搬送台63に搭載された蒸
発セル4に係合して、加熱位置や冷却位置に移動可能で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、蒸発セルを加熱
して生じさせた有機原料の蒸発ガスを基板上に付着させ
る蒸着法によって基板上に有機薄膜を形成する有機EL
素子製造装置において、有機EL素子製造装置が稼働中
であっても、蒸発セルの補充を可能にした有機EL素子
製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】有機EL(エレクトロルミネセンス)デ
ィスプレイのような有機EL素子は、薄型で全固体型の
面発光表示デバイスであり、バックライトが不要で消費
電力が少なく、信頼性が高く、高精細、高コントラスト
の高画質表示が可能であることから、近年、ディスプレ
イの分野で着目されている。有機EL素子は、金属材料
を蒸着することにより完成時に陽極となる透明電極と、
その透明電極上に形成された発光層となる有機EL素子
の有機薄膜と、その有機薄膜の上にプリント配線基板等
の基板上に完成時に陰極となる金属電極とを備えてい
る。このような有機EL素子は、例えば、真空蒸着法又
はスパッタリング法で金属電極と透明電極とを形成し、
真空蒸着法で有機薄膜を形成することで製造されてい
る。
【0003】有機薄膜の真空蒸着は、具体的には、内部
に蒸着材料である有機原料を収容した蒸発源を真空槽内
で加熱して有機材料を蒸発させ、蒸発したガス状の有機
原料を蒸発源の上方に配置した基板の下向きの被蒸着面
に付着させて成膜させることで行われている。蒸発源
は、有機原料を収容した、例えば、セラミック、透明ガ
ラス等、適宜の材料から形成される坩堝のような容器か
ら形成された蒸発セルとすることができる。蒸発セルの
直上又は基板の直下の位置には、蒸着を制御するための
可動シャッタが設けられている。蒸着の初期には、可動
シャッタを閉状態として不純物を含んだ蒸発物が基板に
付着するのを防止し、原料の蒸発速度が一定となった一
定時間経過後に可動シャッタを開いて、蒸着速度の制御
が安定した状態で基板の被蒸着面への成膜が行われてい
る。成膜の都度、基板の上に所定のマスクを配置した状
態で蒸着を行うことにより、有機薄膜が所定のパターン
で成形される。
【0004】有機原料を間接的に加熱してガス化する一
つの方法として、原料容器を坩堝で形成しその周囲にヒ
ータを設け、このヒータに通電することで坩堝を加熱す
る方法がある。また、抵抗加熱蒸着法として、融点の高
いタングステン、タンタル、モリブデン等の金属材料を
薄板状に加工して、電気抵抗を高くした金属板から原料
容器を製作し、その原料容器に直流電流を流して発熱さ
せることで、有機原料を蒸発させる方法もある。この方
法は、製造装置の構造が簡単で且つ安価となるので、真
空蒸着法の中で普及している。有機原料を間接的に加熱
する方法以外の方法として、原料に直接に電子ビームや
レーザービームを照射し、そのエネルギーで原料を蒸発
させる電子ビーム・レーザービーム蒸着法がある。
【0005】従来、蒸発セルに含まれる有機原料を蒸発
し切った場合には、真空チャンバ内の所定位置に配置さ
れていた蒸発セルの容器を回収して、新たな有機原料が
収容された蒸発セルを上記所定位置に装填することによ
って、蒸発セルの補充・交換が行われている。新たな蒸
発セルは有機EL素子製造装置の外部に置かれているの
で、蒸発セルの補充・交換に際しては、真空チャンバ内
の真空を一旦解除し、蒸発セルの補充・交換を行った
後、再度真空チャンバ内を真空化している。この作業の
うち、特に真空チャンバの再真空化は、時間を要し、有
機EL素子製造装置の効率的な稼働を妨げている。
【0006】有機材料が非常に高価であるため、有機E
L素子を安価に供給するには、有機EL素子の製造コス
トを低減することが肝要であり、特に、製造装置を連続
して運転し、製造装置の一度の連続運転中にできるだけ
多くの有機EL素子を製造することが必要である。即
ち、有機原料の蒸発は高度に真空状態とされた製造装置
のチャンバ内で行われるので、有機原料の補充や交換を
行うために頻繁に製造装置を停止すると、その度、真空
チャンバの真空解除と再真空化が必要となって装置の稼
働効率が悪化し、製品コストが上昇する。従って、一度
に比較的多量の原料量を収容することが可能なセル型蒸
発源を用いた場合であっても、一度真空にされた製造装
置の真空槽で連続して基板に対して蒸着を行うことが好
ましい。
【0007】ゲートバルブで真空室と遮断可能に分離さ
れた収容室内に、有機材料が充填された複数のルツボを
用意し、これらルツボのいずれか一つを選択し、ハンド
とアームとを有する搬送ロボット機構でそのルツボを真
空室内の蒸発源(加熱源)に取り付けた有機薄膜形成装
置の一例が、特開2000−223269号公報に開示
されている。搬送ロボット機構は、構造が複雑であり、
また、真空室内にへルツボの搬送は一度に1個に限られ
る。蒸発源も高さ位置を変えられないので、蒸発源の冷
却等に対応する柔軟性が期待できない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、有機E
L素子の製造に関して、蒸発セルの補充の度に、製造装
置の運転を停止し真空チャンバの真空を解除するので
は、蒸発セルの交換・補充の後に真空チャンバを再度真
空化する必要があり、製造装置の運転効率が向上せず、
有機EL素子の製造コストを低減させることができな
い。また、補充後の蒸発セルを加熱位置まで移動させる
機構が複雑であると、製造装置の製作コストが上昇する
とともに運転効率も向上せず、結果的に、有機EL素子
の製造コストを更に上昇させる。従って、有機EL素子
の製造装置の運転を停止させず、真空チャンバの真空を
維持したまま、外部から蒸発セルを真空チャンバ内に供
給を可能にして蒸発セルの補充を行い、補充後の蒸発セ
ルを加熱位置まで簡単な機構で且つ速やかに移動させる
点で解決すべき課題がある。
【0009】この発明の目的は、有機EL素子の製造に
関して、製造装置の運転を停止することなく真空チャン
バの真空を維持したまま、外部から蒸発セルを真空チャ
ンバ内に供給して蒸発セルの補充を行い、補充後に蒸発
セルを速やかに加熱位置にまで移動させることにより、
製造装置の運転効率を向上する共に有機原料の蒸発を早
期に再開可能にして、有機EL素子を安価に製造するこ
とを可能にする有機EL素子製造装置を提供することで
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明による有機EL素子製造装置は、有機原料
が収容されている蒸発セルと離脱可能に係合する係合部
を有し且つ前記蒸発セルを上昇位置まで昇降させる駆動
手段、及び前記有機原料を蒸発させるため前記上昇位置
を占めている前記蒸発セルを加熱する加熱手段を備え、
前記蒸発セルから蒸発した前記有機原料の基板への蒸着
が真空チャンバの内部で行われる有機EL素子製造装置
において、前記真空チャンバに取り付けられると共に内
部が真空化可能であり且つ外部及び前記真空チャンバに
対してそれぞれ密封状態に閉鎖可能な補充槽、前記補充
槽に収容可能であると共に補充用の前記蒸発セルを位置
決め状態に載置する載置部を有する搬送台、及び前記搬
送台を前記補充槽内の装填位置と前記真空チャンバ内の
進出位置との間で往復可能に搬送する駆動機構を備え、
前記駆動手段は前記係合部を前記進出位置に搬送された
前記搬送台の下方の下降位置まで下降可能であり、前記
蒸発セルは、前記搬送台を上昇通過する前記係合部と係
合して前記載置部から持ち上げられ、前記搬送台を下降
通過する前記係合部から係合離脱して前記載置部に残留
載置されることから成っている。
【0011】このように構成された有機EL素子製造装
置によれば、駆動手段に作動によって上昇する係合部は
蒸発セルと係合して係止部を通過可能であり、蒸発セル
は係合部によって更に上昇して上昇位置に運ばれる。上
昇位置において加熱手段によって加熱されることで蒸発
セルから蒸発したガス状の有機原料は、真空チャンバの
上側に配置されている基板の下側面に付着することで蒸
着される。加熱手段による蒸発セルの加熱は急速に行わ
れるので、有機原料は無駄になる量が少なく効率的に使
用される。蒸発セルの有機原料が蒸発し切ると、駆動手
段は蒸発セルを搬送台の下降位置まで下降させ、搬送台
を下降通過するときに、使用済みの蒸発セルを搬送台上
の載置部に残して載置させる。蒸発セルを有機EL素子
製造装置に補充するときには、真空チャンバとの間を密
封状態として外部から補充槽に蒸発セルが供給され、補
充槽が真空化され、次に外部との間を密封状態として補
充槽と真空チャンバとの間が開通される。蒸発セルを交
換するときには、搬送台が真空チャンバ内に進出され、
新しい蒸発セルが駆動手段の係合部に係合し、駆動手段
によってその状態で上昇される。詳細には、蒸発セルの
補充槽への供給に際しては、蒸発セルは補充槽に収容さ
れた搬送台に載置される。搬送台が既に補充槽に収容さ
れている場合には、蒸発セルは直ちに搬送台に載置され
る。補充槽は、外部及び真空チャンバに対して気密に遮
断されるので、内部は再真空化可能となる。補充槽と真
空チャンバとの間が開通されると、搬送台の通過が可能
となり、搬送台は駆動機構の作動によって補充槽内の装
填位置からから真空チャンバ内の進出位置へと搬送され
る。駆動機構によって搬送台を真空チャンバ内に向かっ
て搬送するとき、搬送台の進出位置を制御することによ
り、有機EL素子製造装置内で占める位置は正確に制御
可能となり、搬送台に位置決め状態に載置されている蒸
発セルは、交換のために搬送台上の載置部から駆動手段
の係合部へと受け渡される。
【0012】この有機EL素子製造装置において、前記
補充槽には外部から前記補充槽への前記蒸発セルの出し
入れを許容する密封可能な開閉扉が設けられ、前記真空
チャンバと前記補充槽との間には前記搬送台の通過を許
容する開状態と密閉遮断する閉状態との間で切換え可能
なゲートバルブが設けられている。外部と補充層との間
に設けられる開閉扉は、蒸発セルの補充層への供給時に
開かれ、そのとき、真空チャンバ内の真空を維持するた
めにゲートバルブは閉じられている。真空チャンバと補
充槽との間に設けられているゲートバルブは、開閉扉を
閉じて密封状態とされた補充槽が真空状態になっている
ときにのみ開かれる。搬送台は、開状態となっているゲ
ートバルブを通して、駆動機構の作動によって補充槽内
の装填位置からから真空チャンバ内の進出位置へと搬送
される。
【0013】この有機EL素子製造装置において、前記
搬送台は搬送方向に隔置して複数列の前記蒸発セルを載
置可能であり、前記搬送台の前記進出位置は、前記蒸発
セルが前記各列毎に前記駆動手段の前記係合部と係合又
は係合離脱する位置まで搬送されることに対応した複数
位置として設定されている。搬送台に搬送方向に隔置し
て複数列の蒸発セルを載置することにより、搬送台によ
る補充槽への蒸発セルの1回の補充で、有機EL素子製
造装置では搬送台に載置された列の数だけ複数回に渡っ
て蒸発セルを順次交換して使用することが可能である。
蒸発セルの交換は、その交換時に、真空チャンバ内での
搬送台を駆動機構の搬送で送り、予め設定された複数の
進出位置に順次停止させる。このとき、搬送台に載置さ
れた複数列の蒸発セルは、駆動手段の係合部と係合又は
係合離脱する位置まで次々に移動される。
【0014】この有機EL素子製造装置において、前記
搬送台は回転自在な複数のローラによって支持されてお
り、前記駆動機構は、前記搬送台の側部に形成されてい
るラック、前記補充槽に回転自在に支持され前記ラック
に噛み合うピニオン、及び前記ピニオンを駆動する駆動
モータを備えている。搬送台は回転自在な複数のローラ
によって支持されているので、搬送台が搬送されると
き、搬送台の走行抵抗は可及的に小さいものとなる。ま
た、駆動機構は、回転を往復動に変換する構成として、
駆動モータの駆動力が伝達されるピニオンとこのピニオ
ンが噛み合う搬送台の側部に形成されているラックとを
有することにより、駆動機構の構造が機構的に簡素であ
り且つ作動が確実となる。
【0015】この有機EL素子製造装置において、前記
真空チャンバには、前記真空チャンバ内に搬送された前
記搬送台の先端部を支持する受け部を配設するのが好ま
しい。搬送台は、補充槽から真空チャンバ内に進出した
ときに、先端部が受け部で支持されるので、自重によっ
て傾斜する等の不都合がない。受け部では、低摩擦にて
支持するため搬送台の下面をローラで支持することが好
ましい。
【0016】この有機EL素子製造装置において、前記
蒸発セルについては内部に前記有機原料を収容し且つ前
記駆動手段の前記係合部が係合可能な底部を有する筒状
容器から構成し、前記搬送台の前記載置部には、前記蒸
発セルの通過は許容しないが前記駆動手段の前記係合部
が通過可能な貫通孔を形成することが好ましい。蒸発セ
ル補充用の駆動機構によって搬送された搬送台が真空チ
ャンバ内で占めることになる進出位置では、搬送台に設
けられている載置部の貫通孔の位置が駆動手段の先端部
に設けられる取付け部の昇降位置と一致する。また、搬
送台の搬送方向を水平方向とし、駆動手段の係合部の垂
直方向の昇降方向と直交交差させるのが、搬送台の位置
割り出しを行ったり搬送台の載置部に載置された蒸発セ
ルに対して駆動手段の係合部を係合させる上で好まし
い。
【0017】この有機EL素子製造装置において、前記
上昇位置と前記搬送台が搬送された前記進出位置との間
の上下方向中間位置において、前記蒸発セルを冷却する
セル冷却手段を設けることができる。基板への有機原料
の蒸着が終了すると、加熱手段による蒸発セルの加熱が
停止され、蒸発セルは駆動手段によって中間位置まで下
降されてセル冷却手段によって冷却される。蒸発セルの
温度は急速に低下し、蒸発セルからの有機原料の蒸発が
急速に停止する。蒸発セルの加熱と冷却とがそれぞれ蒸
発セルが占める異なる位置で行われるが、蒸発セルのこ
れらの各位置間における移動は、駆動手段の単純な昇降
動作によってスムーズで且つ素早く行われ、また加熱手
段とセル冷却手段とは互いに干渉することもないので、
有機EL素子製造装置の構造が簡単となり且つ運転効率
が向上する。また、冷却手段による蒸発セルの冷却は急
速に行われるので、有機原料は無駄になる量が少なく効
率的に使用される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しつつ、こ
の発明による有機EL素子製造装置の実施例を説明す
る。図1はこの発明による有機EL素子製造装置の一実
施例を示す縦断面図、図2は有機EL素子製造装置に用
いられる冷却手段の一例を示す縦断面図であって図3の
A−A断面図、図3は図2に示す冷却手段の平面B−B
で切断した平面図、図4は図1に示す有機EL素子製造
装置の蒸発セル補充機構を示す縦断面図であって図5の
C−C断面図、図5は図4に示す蒸発セル補充機構の平
面D−Dで切断した断面図、図6は図4に示す蒸発セル
補充機構の平面E−Eで切断した断面図である。
【0019】図1に示す有機EL素子の製造装置1は、
装置フレームに支持された真空チャンバ2と、真空チャ
ンバ2内に縦置き状態に配置され且つ上端に成膜すべき
基板8が配置される蒸発筒3と、基板8に蒸着させるべ
き有機原料9(図2、図3参照)を収容可能な筒状容器
を持ち且つ蒸発筒3内の上昇位置U、搬送台(後述す
る)の下方の下降位置L、及び上昇位置Uと下降位置L
との間に位置し且つ蒸発筒3外の中間位置Mの間で上下
動可能な蒸発セル4と、蒸発セル4を上下動させる駆動
手段5と、蒸発セル4内に収容されている有機原料9を
蒸発させるため上昇位置Uを占めている蒸発セル4を加
熱する加熱手段6と、中間位置Mを占めている蒸発セル
4を冷却するセル冷却手段7とを備えている。
【0020】真空チャンバ2は、適宜の形状を有してお
り、装置フレーム10によって床台上に設置されてい
る。真空チャンバ2の内部11は、図示しない真空引き
手段(クライオポンプ)によって、通常は高度な真空状
態に維持されている。真空チャンバ2には、図示しない
が、適宜の位置に、内部11を覗くことが可能な耐圧ガ
ラス窓を設けることができる。真空チャンバ2の内部1
1には、蒸発筒3が支持脚12によって支持された状態
で設置されている。蒸発筒3は、銅のような熱伝導度の
高い金属から成る縦置きされた角筒体、円筒体等の筒体
で構成されており、上端と下端とはそれぞれ開口25
a,25bとなっている。蒸発筒3は、蒸発セル4が蒸
発させた有機原料ガス(以下、「蒸発ガス」という)を
基板8に向かって上昇するのを案内する働きをしてい
る。図示の例では、真空チャンバ2内には、一つの蒸発
筒3のみが収容されているが、複数の蒸発筒3を並べて
収容してもよい。この場合、各蒸発筒3において、上記
の蒸発セルや駆動手段5、セル冷却手段7、及び後述す
る蒸発セル補充装置が配設されるが、各蒸発セル4内に
収容される有機原料9は基板8に蒸着する順に異種類の
原料とすることができる。
【0021】蒸発セル4は、特に、外部から有機原料の
残量を視認可能とするため、上端が開口した透明なガラ
ス製の坩堝とすることが好ましい。加熱手段6は蒸発筒
3内に取り付けられており、蒸発セル4が駆動手段5に
よって蒸発筒3内の上昇位置Uにまで上昇したとき、蒸
発セル4は加熱手段6に取り付けられることはないが囲
まれた状態となる。加熱手段6は、真空チャンバ2の外
部から延びる電線(図示せず)を通じて電源が供給され
る抵抗加熱線を備えた筒状ヒータの形状を有する間接的
な加熱手段であり、蒸発セル4内に収容されている有機
原料9を蒸発させるため、蒸発セル4を周囲から例えば
200℃〜300℃にまで加熱する。
【0022】駆動手段5は、モ−タ15と、モ−タ15
の回転出力を伝達するベルト伝動機構16と、ベルト伝
動機構16の出力側の回転を伝える継ぎ手17と、継ぎ
手17によって回転されるねじ軸18と、ねじ軸18に
螺合するボールナット19と、ボールナット19に取り
付けられている昇降筒体20と、昇降筒体20の先端に
形成されており蒸発セル4と係合可能な係合部21とを
有している。駆動手段5は、また、継ぎ手17から係合
部21までの構造を密封状態に取り囲んで真空チャンバ
2の内部11の真空を保つケース22を有している。更
に、昇降筒体20には縦方向に延びる一対のスリット2
3が形成されており、真空チャンバ2に取り付けられて
いる規制駒24がスリット23に係合している。従っ
て、モータ15の回転はベルト伝動機構16と継ぎ手1
7とを介してねじ軸18に伝達され、昇降筒体20は、
ねじ軸18と規制駒24によって回転規制されているボ
ールナット19とのねじ作用とによって昇降駆動され
る。昇降筒体20の昇降は、モータ15の回転方向に応
じて定まる。図示した駆動手段5は、一例であり、エア
シリンダ等から成るアクチュエータを採用することがで
きることは、言うまでもない。
【0023】蒸発筒3の上側の開口25aの上方には、
開口25aに近接して開閉可能なシャッタ26が配置さ
れている。真空チャンバ2に接続されているシャッタ進
退通路27の後方には、シャッタ26の開閉作動用とし
て、例えば駆動機構5と同様の機構を設けることがで
き、かかる機構を作動させることにより、シャッタ26
をシャッタ進退通路27で進退させてシャッタ26の開
閉作動を行うことができる。シャッタ26は、蒸着期間
以外において閉じることで、蒸発ガスが蒸発筒3から基
板8に向かって更に上昇して付着するのを阻止してい
る。基板8の直下にもシャッタ(図示せず)を設けるこ
とにより、不純物を含む可能性が高い蒸発開始当初の蒸
発ガスによる基板8への蒸着を更に防止するようにして
もよい。
【0024】真空チャンバ2の上壁部2aには、シャッ
タ26の直上において、基板ホルダ28が取り付けられ
ており、搬送手段30によって搬送されてきた基板8
は、蒸発筒3の真上の位置において、基板ホルダ28
と、基板ホルダ28と共同する保持具29とによって挟
まれることで保持される。基板ホルダ28の直ぐ下方に
は、所定のパターンを有するマスク31をマスクホルダ
32によって保持可能であり、マスク31のパターンに
応じた基板8の露出部分にのみ有機材料を蒸着させるこ
とができる。保持具29及びマスクホルダ32の作動
は、真空チャンバ2の上壁部2aを密封状態に貫通する
操作軸33,34によって行うことができる。
【0025】図2及び図3に示すように、セル冷却手段
7は、中間位置Mを占める蒸発セル4に対して、その側
方から接近可能なセル冷却体40,40を備えている。
セル冷却体40,40は、接近状態で蒸発セル4から速
やかに熱を奪うことができるように、例えば、熱伝導度
が高い銅製のケースとすることが好ましい。蒸発セル4
の下端には、駆動手段5の支持部21に形成されている
支持穴35に嵌入係合する支持棒36が突出して取り付
けられている。各セル冷却体40は、蒸発セル4に面す
る側に蒸発セル4の外筒面37の半分を取り囲む半筒状
の湾曲面41と、下側部において、蒸発セル4の底面3
8に対応した扇形状の棚面43を有する棚部42とを備
えている。各セル冷却体40は、棚部42の棚面43が
蒸発セル4の底面38を載せることによって、蒸発セル
4を安定して保持し且つ蒸発セル4を底面38からも冷
却することができる。
【0026】冷却媒体としての摂氏3度〜4度の冷却水
は、真空チャンバ2の外部に配設されている熱交換機5
0(図1参照)から冷却導管としての供給管45を通っ
て各セル冷却体40の内部に形成されている冷却室44
に流入し、戻り管46を通って熱交換機50に戻る。図
1に示すように、供給管45と戻り管46とは、真空チ
ャンバ2の周壁部2bを密封状態に貫通しており、真空
チャンバ2の外側に配設されている作動機構としてのエ
アアクチュエータ47,47(一方のみ図示)にまで延
びた連結部を兼ねており、エアアクチュエータ47,4
7によって駆動されて、各セル冷却体40を蒸発セル4
に対して進退させることができる。
【0027】基板8への有機原料の蒸着を停止させると
きには、加熱手段6への通電を停止すると共に蒸発セル
4を駆動手段5によって中間位置Mまで下降させ、作動
機構としてのエアアクチュエータ47,47を作動させ
て、セル冷却体40,40を蒸発セル4に対して進出さ
せる。蒸発セル4に近接したセル冷却体40,40は、
蒸発セル4から熱を奪うことで冷却を開始し、有機原料
の蒸発を直ちに停止させる。その結果、高価な有機原料
の蒸発が止まり、基板8に蒸着されることなく拡散して
いた有機原料の無駄な消費を抑えて有機原料を効率的に
使用することが可能となり、有機EL素子の製造コスト
を低減させることができる。
【0028】蒸発ガスは、シャッタ26を開けることで
基板8に向かって流れ出る。蒸発筒3内に止まっている
蒸発ガス及び蒸発筒3の下側の開口25bから真空チャ
ンバ2内に拡散しようとする蒸発ガスについては、蒸発
筒3を冷却することにより、蒸発筒3の内面3aに直接
に昇華させることで回収が図られる。即ち、蒸発筒3を
冷却するため、この発明による冷却手段54が蒸発筒3
に関連して設けられている。図1に示すように、冷却手
段54は、蒸発筒3の下端部3bに沿った環状形状を有
し下端部3bに取り付けられている冷却部55と、冷却
部55と真空チャンバ2の外部に配設されている熱交換
機50との間で冷却媒体を循環させるため、冷却部55
に接続された冷却導管56,57とを備えている。冷却
媒体は、セル冷却手段7の場合と同様に、摂氏3度〜4
度の冷却水とすることができる。冷却導管56,57
は、真空チャンバ2の周壁部2bを密封状態に貫通して
設けられている。蒸発筒3を冷却することで、蒸発筒3
内の蒸発ガスは、蒸発筒3の内面3aに直接に昇華させ
られて付着する。製造装置1の保守点検等の適宜時期に
真空チャンバ2から蒸発筒3を取り出し、昇華した固形
の有機原料を内面3aから削り取ることで、有機原料を
回収して再利用に供することができる。
【0029】図4〜図6に示すように、有機EL素子製
造装置1における蒸発セル補充機構60は、真空チャン
バ2の下側の側部に取り付けられる補充槽61を備えて
おり、補充槽61は、その内部62に、補充用の蒸発セ
ル4を位置決め状態に載置可能な搬送台63を収容可能
なスペースを有している。真空チャンバ2との接続時に
真空チャンバ2内の真空を維持するため、補充槽61の
内部62は、補充槽61の底壁61aに取り付けられて
いる吸引管64(図4)を通じて真空化可能である。補
充槽61の真空化には、真空チャンバ2を真空化するた
めの真空ポンプと共用することができる。
【0030】補充槽61の内部62には、搬送台63の
搬送方向に沿って一対の支持体65,65が設けられて
おり、搬送台63は、各支持体65に等間隔に隔置した
位置に横軸周りに回転自在に設けられた複数の支持ロー
ラ66によって支持されている。一方の支持ローラ66
の列(図6で左側)は搬送台63を直接に支持してお
り、他方の支持ローラ66の列(図6で右側)は、後述
するラック部材を介して搬送台63を間接に支持してい
る。各支持ローラ66の列はラック部材の厚みだけ上下
に段差があり、搬送台63は水平状態に支持される。支
持体65,65には複数の案内ローラ67が隔置して縦
軸周りに回転自在に配設されており、各案内ローラ67
は、搬送台63の側面68,68に当接して搬送台63
が横振れしないように規制しており、搬送台63が搬送
されるときに側面68,68に対して転がることでその
搬送を案内している。真空チャンバ2と補充槽61との
間には通路69が形成されており、通路69は後述する
ゲートバルブ84によって開閉可能であり、ゲートバル
ブ84の開状態で搬送台63が通路69を通って移動可
能である。
【0031】搬送台63を補充槽61内の装填位置と真
空チャンバ2内の進出位置との間で往復動可能に搬送す
るため補充槽61には搬送台63を駆動用の駆動機構7
0が設けられている。駆動機構70は、補充槽61の外
部に設けられたサーボモータのような電動モータ71
と、補充槽61の底壁61aを密封状態に貫通して延び
電動モータ71によって駆動される出力軸72と、出力
軸72の先端に取り付けられているピニオン73と、搬
送台63の一方の側部に形成されピニオン73と噛み合
う歯が形成されたラック74とから構成されている。駆
動機構70においては、電動モータ71が運転される
と、出力軸72の回転はピニオン73とラック74の噛
合い係合を介して搬送台63の直線運動に変換される。
ピニオン73とラック74の噛合い係合により、駆動機
構70の構造が簡素に構成され且つ作動が確実となる。
搬送台63は、駆動機構70によって駆動されるとき
に、支持ローラ66と案内ローラ67とによって横方向
と上下方向とに規制され且つ支持ローラ66と案内ロー
ラ67とを回転させながら搬送されるので、搬送台63
はスムーズに走行される。
【0032】使用済の蒸発セル4と未使用の蒸発セル4
とを交換する態様で、蒸発セル4を補充槽61への出し
入れを許容するため、補充槽61には密封可能な開閉扉
80が設けられている。即ち、補充槽61の上壁61b
にはその殆どの広がりに渡って広口孔81が形成されて
おり、開閉扉80は広口孔81を覆う蓋として設けられ
ている。広口孔81の大きさは、組立当初に搬送台63
自体を取り出したり装着することができる大きさであ
る。開閉扉80は、取付け具82によって補充槽61に
圧着状態に取り付けられる。補充槽61の内部62を真
空化するときに、閉鎖された開閉扉80と外部との間の
密封を維持するため、広口孔81の周りにはOリング8
3が配設されている。
【0033】真空チャンバ2と補充槽61との間に形成
されている通路69に関して、通路69の開閉状態を切
換え可能なゲートバルブ84が配設されている。ゲート
バルブ84を開閉操作するため、補充槽61の外部に設
けられているアクチュエータ等の操作手段85の出力軸
86が補充槽61の底壁61aを密封状態に貫通して補
充槽61の内部62に延びており、出力軸86の先端部
には四辺リンク機構87を介してバルブ88が設けられ
ている。操作手段85の操作によって出力軸86が上昇
し、出力軸86の上昇に伴ってバルブ88がストッパ6
9bに突き当たると、更に上昇する出力軸86がストッ
パ69b(図4)に突き当たるまで、バルブ88は四辺
リンク機構87を介して通路69の開口周囲69a(図
5)に押し当てられる。バルブ88の密封面にはOリン
グ89(図5)が設けられており、補充槽61の内部6
2の真空を破るときに、真空チャンバ2内の真空に影響
がないようにしている。
【0034】蒸発セル補充機構60が有機EL素子製造
装置1に適用されると、真空チャンバ2と真空チャンバ
2に取り付けられている補充槽61との間に設けられて
いるゲートバルブ84を閉じ、通路69を閉鎖した状態
で補充槽61に設けられている開閉扉80を開く。補充
槽61に蒸発セル4を載置可能な搬送台63を収容し、
補充用の蒸発セル4を搬送台63に載置する。搬送台6
3が既に補充槽61に収容されている場合には、開いた
開閉扉80から直ちに蒸発セル4を搬送台63に載置す
ることができる。その後、開閉扉80を閉じて補充槽6
1を密封する。補充槽61は、真空チャンバ2に対して
も密閉状態とされており、内部62は単独で再真空化可
能である。補充槽61の内部62が真空となった状態で
ゲートバルブ84が開かれる。ゲートバルブ84は開状
態では搬送台63の通過を許容するので、搬送台63は
駆動機構70の作動によって補充槽61内の戻り位置か
らから真空チャンバ2内の進出位置へと搬送される。
【0035】搬送台63は、搬送方向である水平方向に
互いに隔置して複数列の蒸発セル4を載置可能である。
この実施例では、真空チャンバ2内で同時に2つの蒸発
セル4,4が使用されるので、3回交換可能なように、
2×3の格子状に係止部90が設けられている。係止部
90は、特に図6に示すように、格子に対応して搬送台
63に形成されている装着孔91に嵌合され且つ蒸発セ
ル4に係合して位置決めするアダプタとして設けられて
いる。係止部90は、装着孔91に嵌合された状態で
は、その中心部に蒸発セル4の支持棒36が通る縦の貫
通孔92が形成されており、貫通孔92は、駆動手段5
の垂直方向に上下する昇降筒体20の先端部に形成され
ている係合部21がそのロッドと共に直交状態に挿通可
能である。
【0036】駆動機構70は、蒸発セル4の交換が行わ
れる毎に搬送台63を搬送させるためにも用いられる。
この場合、搬送台63の進出位置は、蒸発セル4が各列
毎に駆動手段5の係合部21と係合又は係合離脱する位
置まで搬送されることに対応した複数の位置に設定され
ている。駆動機構70による搬送で、搬送台63は、真
空チャンバ2内で予め設定された複数の進出位置に順次
停止され、搬送台63に載置された複数列の蒸発セル
4,4は、駆動手段5の係合部21と係合又は係合離脱
する位置まで次々に移動される。駆動機構70によって
搬送台63を真空チャンバ2内に向かって搬送するとき
に、搬送台63の進出位置をセンサで検出することによ
り、蒸発セル4の交換位置への移動を正確に制御するこ
とができる。このように、搬送台63に搬送方向に隔置
して複数列の蒸発セル4,4を載置することにより、蒸
発セル4の交換時には、使用済みの蒸発セル4が係止部
90に残留載置される状態で搬送台63に受け取られた
後、駆動機構70は、搬送台63を次の進出位置、即
ち、次列の蒸発セル4,4が真空チャンバ2内の駆動手
段5の係合部21が昇降する交換位置に達するまで移動
させる。補充槽61において搬送台63への蒸発セル4
の1回の補充又は使用済みの蒸発セル4との交換(6個
の蒸発セル4の補充・交換)で、有機EL素子製造装置
1では搬送台63に載置された列の数だけ複数回(3
回)に渡って蒸発セル4を順次交換して使用することが
可能である。
【0037】真空チャンバ2には、真空チャンバ2内に
搬送された搬送台63の先端部を支持する受け部95が
配設されている。受け部95は、補充槽61の支持ロー
ラ66と同じ高さの延長線上に設けられ、搬送台63の
下面を支持する受けローラ96を備えている。受けロー
ラ96は、低摩擦にて搬送台63を支持することができ
る。搬送台63は、補充槽61から真空チャンバ2内に
進出したときに、先端部が受け部95で支持されるの
で、自重によって傾斜する等の不都合がなく、搬送台6
3を水平姿勢に保つことができる。
【0038】蒸発セル補充機構60の駆動機構70によ
って搬送された搬送台63が真空チャンバ2内で占める
位置では、搬送台63に設けられている係止部90の貫
通孔92の位置が駆動手段5の係合部21の昇降位置と
一致する。駆動手段5に作動によって上昇する係合部2
1は蒸発セル4と係合して係止部90の貫通孔92を通
過し、蒸発セル4は、係合部21によって更に上昇して
上昇位置Uに運ばれる。上昇位置Uでの加熱手段6によ
る蒸発セル4の加熱、中間位置Mでの蒸発セル4の冷却
等については、既に説明した通りである。有機原料が蒸
発し切ると、駆動手段5は蒸発セル4を中間位置Mから
更に下方の交換位置Fまで下降させ、使用済みの蒸発セ
ル4を搬送台63上の係止部90に係合した状態に載置
させる。駆動手段5は、更に、搬送台63との干渉を回
避可能とするため、係合部21を交換位置Fより下方の
下降位置Lまで下降させることができる。蒸発セル4を
交換するときには、搬送台63を搬送方向に次にの進出
位置まで移動させ、新しい蒸発セル4を係合部21の昇
降位置に移動させればよい。
【0039】
【発明の効果】この発明による有機EL素子の製造装置
によれば、真空チャンバに取り付けられると共に内部が
真空化可能であり且つ外部及び真空チャンバに対してそ
れぞれ密封状態に閉鎖可能な補充槽と、その補充槽に収
容可能であると共に補充用の蒸発セルを位置決め状態に
載置する載置部を有する搬送台と、その搬送台を補充槽
内の装填位置と真空チャンバ内の進出位置との間で往復
可能に搬送する駆動機構とを備え、係合部が、駆動手段
によって進出位置に搬送された搬送台の下方の下降位置
まで下降可能とし、蒸発セルが、搬送台を上昇通過する
係合部と係合して載置部から持ち上げられ、搬送台を下
降通過する係合部から係合離脱して載置部に残留載置さ
れる構成としたので、外部からの蒸発セルの補充を、有
機EL素子製造装置の運転を停止させず真空チャンバの
真空も解除せず維持したまま行うことができ、蒸発セル
の補充・交換の後に真空チャンバを再度真空化する必要
がなく、有機EL素子製造装置の運転効率が向上させる
ことができる。また、補充後の蒸発セルを加熱位置まで
移動させる機構が、水平方向に搬送される搬送台と、搬
送台に対して垂直方向に動作する駆動手段とを有する簡
単化された構造から成っているので、補充後の蒸発セル
を加熱位置まで簡単な機構で且つ速やかに移動させるこ
とができる。その結果、有機EL素子製造装置の製作コ
ストが低減し、運転効率が向上すると共に、有機原料の
蒸発が早期に再開可能になるので、有機EL素子の製造
コストを低減させた有機EL素子製造装置を提供するこ
とができる。また、この有機EL素子製造装置によれ
ば、蒸発セルの1回の補充で、複数回の蒸発セルの交換
を行うことができ、その間、製造装置の運転を停止し真
空チャンバの真空を解除したり、運転再開に際して真空
チャンバを再度真空化する必要をなくすることもでき、
製造装置の運転効率が一層向上し、有機EL素子の製造
コストが更に低減して、有機EL素子を一層安価に製造
することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による蒸発セル補充装置が適用され
た有機EL素子製造装置の一実施例を示す縦断面図であ
る。
【図2】 有機EL素子製造装置に用いられる冷却手段
の一例を拡大して示す縦断面であって、図3のA−A断
面図である。
【図3】 図2に示す冷却手段の平面B−Bでの断面図
である。
【図4】 この発明による蒸発セル補充機構を備えた有
機EL素子製造装置の一実施例を示す縦断面図であっ
て、図5のC−C断面図である。
【図5】 図4に示す蒸発セル補充装置の平面D−Dで
の断面図である。
【図6】 図4に示す蒸発セル補充装置の平面E−Eで
の断面図である。
【符号の説明】
1 有機EL素子製造装置 2 真空チャ
ンバ 2b 周壁部 3 蒸発筒 4 蒸発セル 5 駆動手段 6 加熱手段 7 セル冷却
手段 8 基板 9 有機原料 11 真空チャンバの内部 21 係合部 40 セル冷却体 60 蒸発セル補充機構 61 補充槽 62 内部 63 搬送台 66 支持ローラ 68 側部 70 駆動機構 71 駆動モー
タ 73 ピニオン 74 ラック 80 開閉扉 84 ゲートバ
ルブ 90 係止部 92 貫通孔 95 受け部 U 上昇位置 M 中間位置 L 下降位置 F 交換位置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機原料が収容されている蒸発セルと離
    脱可能に係合する係合部を有し且つ前記蒸発セルを上昇
    位置まで昇降させる駆動手段、及び前記有機原料を蒸発
    させるため前記上昇位置を占めている前記蒸発セルを加
    熱する加熱手段を備え、前記蒸発セルから蒸発した前記
    有機原料の基板への蒸着が真空チャンバの内部で行われ
    る有機EL素子製造装置において、前記真空チャンバに
    取り付けられると共に内部が真空化可能であり且つ外部
    及び前記真空チャンバに対してそれぞれ密封状態に閉鎖
    可能な補充槽、前記補充槽に収容可能であると共に補充
    用の前記蒸発セルを位置決め状態に載置する載置部を有
    する搬送台、及び前記搬送台を前記補充槽内の装填位置
    と前記真空チャンバ内の進出位置との間で往復可能に搬
    送する駆動機構を備え、前記駆動手段は前記係合部を前
    記進出位置に搬送された前記搬送台の下方の下降位置ま
    で下降可能であり、前記蒸発セルは、前記搬送台を上昇
    通過する前記係合部と係合して前記載置部から持ち上げ
    られ、前記搬送台を下降通過する前記係合部から係合離
    脱して前記載置部に残留載置されることから成る有機E
    L素子製造装置。
  2. 【請求項2】 前記補充槽には外部から前記補充槽への
    前記蒸発セルの出し入れを許容する密封可能な開閉扉が
    設けられ、前記真空チャンバと前記補充槽との間には前
    記搬送台の通過を許容する開状態と密閉遮断する閉状態
    との間で切換え可能なゲートバルブが設けられているこ
    とから成る請求項1に記載の有機EL素子製造装置。
  3. 【請求項3】 前記搬送台は搬送方向に隔置して複数列
    の前記蒸発セルを載置可能であり、前記搬送台の前記進
    出位置は、前記蒸発セルが前記各列毎に前記駆動手段の
    前記係合部と係合又は係合離脱する位置まで搬送される
    ことに対応した複数位置に設定されていることから成る
    請求項1又は2に記載の有機EL素子製造装置。
  4. 【請求項4】 前記搬送台は回転自在な複数のローラに
    よって支持されており、前記駆動機構は、前記搬送台の
    側部に形成されているラック、前記補充槽に回転自在に
    支持され前記ラックに噛み合うピニオン、及び前記ピニ
    オンを駆動する駆動モータを備えていることから成る請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の有機EL素子製造装
    置。
  5. 【請求項5】 前記真空チャンバには、前記真空チャン
    バ内に搬送された前記搬送台の先端部を支持する受け部
    が配設されていることから成る請求項1〜4のいずれか
    1項に記載の有機EL素子製造装置。
  6. 【請求項6】 前記蒸発セルは内部に前記有機原料を収
    容し且つ前記駆動手段の前記係合部が係合可能な底部を
    有する筒状容器から成り、前記搬送台の前記載置部に
    は、前記蒸発セルの通過は許容しないが前記駆動手段の
    前記係合部が通過可能な貫通孔が形成されていることか
    ら成る請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機EL素
    子製造装置。
  7. 【請求項7】 前記上昇位置と前記搬送台が搬送された
    前記進出位置との間の上下方向中間位置において、前記
    蒸発セルを冷却するセル冷却手段が設けられていること
    から成る請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機EL
    素子製造装置。
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