JP2019094537A - 固体材料容器およびその固体材料容器に固体材料が充填されている固体材料製品 - Google Patents

固体材料容器およびその固体材料容器に固体材料が充填されている固体材料製品 Download PDF

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Abstract

【課題】簡便な手法・構成により、内部にトレーを有する固体材料容器において、トレーに充填した固体材料がトレー外へ飛散しにくくすることができる固体材料容器を提供する。【解決手段】内部に収納された固体材料25を気化させて供給するための固体材料容器1は、金属製のアウター部21と、金属製のインナー部22と、を有し、前記インナー部22は前記アウター部21の内部に収納され、前記アウター部21の内側に突起部31が形成され、前記インナー部22の底部は、前記アウター部21と前記突起部31において着脱自在に嵌合するインナー部嵌合部を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体製造材料、例えば薄膜製造用の固体材料の蒸気を供給するための固体材料容器およびその固体材料容器に固体材料が充填されている固体材料製品に関する。
半導体産業の進歩に伴い、厳しい薄膜の要件を満たすであろう新たな半導体材料を利用することが求められている。これらの材料は、半導体製品内の薄膜堆積、形状加工するための広範な用途において使用される。
例えば、固体前駆体材料としては、バリア層、高誘電率/低誘電率絶縁膜、金属電極膜、相互接続層、強誘電性層、窒化珪素層又は酸化珪素層用の構成成分が挙げられ得る。加えて、この固体前駆体としては、化合物半導体用のドーパントとして働く構成成分や、エッチング材料が挙げられ得る。例示的な前駆体材料としては、アルミニウム、バリウム、ビスマス、クロム、コバルト、銅、金、ハフニウム、インジウム、イリジウム、鉄、ランタン、鉛、マグネシウム、モリブデン、ニッケル、ニオブ、白金、ルテニウム、銀、ストロンチウム、タンタル、チタン、タングステン、イットリウム及びジルコニウムの無機化合物及び有機金属化合物が挙げられる。
この新たな材料の一部は、標準温度及び圧力で固体の形にあるため、製造プロセス用の半導体成膜チャンバへと直接供給することはできない。
これらの材料は、一般に、非常に高い融点及び低い蒸気圧を有しているため、成膜チャンバへの供給に先立って、狭い温度及び圧力の範囲内で気化・昇華されねばならない。また、均一な薄膜を得るためには、固体材料を一定の薄膜製膜プロセス中、均一に導入させる必要がある。
固体材料を気化・昇華させる技術はいくつか開発されている。例えば特許文献1および特許文献2では固体材料容器内に、水平方向に固体材料を充填するトレーを複数配置する方法が提案されている。
特表2008−501507号公報 特表2011−509351号公報
特許文献1および特許文献2に開示される固体材料容器は、筒状のアウター部に、円盤型のトレーを挿入する構成となっている。アウター部とトレーとは固定されていない。
そのため、アウター部の内側寸法よりもトレーの外側寸法が小さいと、輸送中や使用中にアウター部の内部でトレーがずれたり、動いたりする現象がおこる。トレーが動くことにより、トレー内に充填された固体材料がトレー外にこぼれるように飛散するおそれがある。
トレー内に充填された固体材料は所定の粒径を有するが、トレー外にこぼれた固体材料は、トレーとアウター部の間で磨耗して粒径が小さくなる傾向になる。粒径の変化により固体材料の蒸発特性は変動するため、固体材料の蒸気の供給が不均一になるという問題がある。
また、トレーとアウター部の間にはさまった固体材料は、トレー内に充填された固体材料よりも固体材料容器の外部からの入熱の影響が大きい。したがって、トレー内に充填された固体材料の蒸発に適する温度に固体材料容器を加熱した場合に、トレーとアウター部の間に挟まった固体材料は過度に加熱されることになる。過度に加熱された固体材料は熱分解を起こして、不純物を発生させたり、固化して固体材料容器内の蒸気の流路を閉塞させたり、トレーとアウター部の間に目詰まりしてトレーの取り外しの妨げとなったりする。
さらに、トレーがずれることにより、隣接する上下のトレーの側縁部に隙間ができたり、トレーとアウター部の間に隙間ができたりすると、その隙間にキャリアガスが流入する。このようなキャリアガスの流路が形成されることは、固体材料の蒸気を供給する性能を著しく低下させることになる。
一般に、複数のトレーを有する固体材料においては、キャリアガスを下のトレーから上のトレーへと順に流通させ、アウター部とトレーの間には流通させないことにより、同伴される固体材料蒸気の濃度を一定に維持している。
しかし、トレー同士の間の隙間から、トレーとアウター部との間の隙間にキャリアガスが流入すると、固体材料との接触が不十分なまま固体材料からキャリアガスが導出されてしまう。このため、キャリアガスに同伴して固体材料容器から導出される固体材料の蒸気の濃度が低下したり、不安定になったりするためである。
アウター部とトレーの間に固体材料やキャリアガスが入り込むことを防止するために、アウター部の内側寸法に対して、隙間なくトレーが挿入されるようなトレーの外側寸法とすることもできる。しかしこの場合には、アウター部にトレーを出し入れする際の作業性が悪い。トレーを挿入したり、取り外したりする場合に、アウター部とトレーがぶつかり合い、接触面が傷つくおそれも大きい。接触面に傷が入れば、金属表面が荒れてパーティクルの発生や腐食の発生の原因となる。
また、固体材料容器は加熱して使用されることが多いが、加熱時の熱膨張により、トレーがアウター部に密着して、取り外しが不能になることもある。トレーが取り外せなければ、固体材料容器の洗浄も、固体材料の再充填もできない。
さらに、アウター部に隙間なく挿入できるトレーを製作するためには、高精度の加工技術が要求される。特に容器が大型になると精度の高い加工は困難である。
アウター部とトレーとの間に隙間を設けるように固体材料容器を作成することも可能である。しかし、この場合には隣接する上下のトレーの横方向のずれが生じやすくなる。積み重ねられた上下のトレーの間にずれが生じると、ずれて生じた隙間にキャリアガスが流入し、前述のようにキャリアガスと固体材料との接触が不十分になる問題が生じる。
以上の背景により、簡便な手法・構成により、内部にトレーを有する固体材料容器において、トレーに充填した固体材料がトレー外へ飛散しにくくすることができる固体材料容器の開発が望まれている。
(発明1)
本発明に係る固体材料容器は、
内部に収納された固体材料を気化させて供給するための固体材料容器であって、
前記固体材料の蒸気を前記固体材料容器から導出する固体材料導出配管と、
金属製のアウター部と、
金属製のインナー部と、を有し、
前記インナー部は前記アウター部の内部に収納され、
前記アウター部の内側に突起部が形成され、
前記インナー部の底部は、前記アウター部と前記突起部において着脱自在に嵌合するインナー部嵌合部を有することを特徴とする。
前記固体材料容器は、さらにキャリアガスを前記固体材料容器の内部に導入するキャリアガス導入配管を有しても良い。
金属製のアウター部に、アウター部の内側寸法よりも小さい外側寸法のインナー部を収容した場合には、アウター部の内部でインナー部の位置が動くことが考えられる。そこで本発明の固体材料容器は、アウター部の内側に突起部が形成され、その突起部とインナー部の底部を着脱自在に嵌合させるためのインナー部嵌合部をインナー部に有する。インナー部底部をアウター部内側に嵌合させることにより、アウター部の内部におけるインナー部の位置が固定される。したがって、インナー部がアウター部の内部で動き、インナー部に充填された固体材料が、インナー部の外部へ飛散することを防止することができる。よって、飛散した固体材料がアウター部とインナー部との間に入り込み、インナー部とアウター部の間で磨耗して粒径が小さくなる現象を抑制することができる。これにより、粒径の変化に起因した固体材料の蒸発特性の変動が抑制され、均一に固体材料の蒸気を供給することが可能となる。インナー部とアウター部の間にはさまった固体材料が過度に加熱されて熱分解を起こし、不純物を発生させたり、固化して固体材料容器内の蒸気の流路を閉塞させたり、インナー部とアウター部の間に目詰まりしてトレーの取り外しの妨げとなる現象も抑制することが可能となる。
本発明に係る固体材料容器では、アウター部とインナー部とが突起部において嵌合されることにより固定されているため、アウター部の内側寸法に対して、所定のクリアランスを持った外側寸法を有するインナー部を使用することができる。クリアランスを有して、アウター部とインナー部の間に隙間があっても、アウター部とインナー部が嵌合により固定されていれば、該隙間に固体材料が飛散するおそれは少ないためである。
該クリアランスを設けることにより、アウター部にトレーを出し入れする際の作業性が向上する。トレーを挿入したり、取り外したりする場合に、アウター部とトレーがぶつかり合い、接触面が損傷する可能性も低減することができる。よって、接触面が損傷することに起因するパーティクルの発生や腐食の発生を低減することが可能となる。
また、固体材料容器を加熱することにより、アウター部およびインナー部が熱膨張をし、インナー部がアウター部に密着して、取り外しが不能になる現象も低減することが可能となる。
アウター部と前記突起部とインナー部嵌合部を着脱自由とすることで、アウター部とインナー部をそれぞれ分離して洗浄、乾燥等の処理をすることが可能となる。
本発明にかかる固体材料容器では、インナー部とアウター部との間のクリアランスを設けてもよいため、加工が容易である。
クリアランスの大きさは、使用する金属材料および非金属材料の使用される温度における熱膨張率を考慮した大きさとすることが好ましい。例えば、熱膨張率によって膨張する最大の寸法よりも大きいクリアランスをとることが好ましい。
(発明2)
本発明に係る固体材料容器は、インナー部の上部に配置される蓋部をさらに有し、
前記蓋部は、前記固体材料の蒸気が流通する1つ以上の上部流通部を有することを特徴とする。
本発明によれば、インナー部の上部に蓋部があることにより、インナー部の上部から、インナー部の外へと固体材料が飛散する減少を抑制することが可能となる。
本発明によれば、気化して蒸気となった固体材料が、キャリアガスとともに前記上部流通部を経由して固体材料容器外へと導出される。
上部流通部は、ガスが流通する形状であれば特に限定されず、円形状の穴であってもよく、スリット状であってもよく、穴やスリットは複数配置されてもよい。上部流通部を蓋部に均一に配置することにより、インナー部内部での固体材料の蒸気の流れをより均一にすることができる。固体材料の蒸気の流れを均一にすることにより、固体材料のインナー部内部での偏在化を防止し、導出される固体材料蒸気の濃度を均一に維持することが可能となる。例えば前記上部流通部は複数の円形状の穴を配置したシャワー状である場合には、シャワー状の複数の穴から均一に固体材料の蒸気が導出される。
(発明3)
本発明に係る固体材料容器の蓋部は、インナー部の上部と着脱自由に嵌合する蓋部嵌合部を有することを特徴とする。
本発明によれば、蓋部嵌合部においてインナー部の上部と蓋部が嵌合され、固定されるため、インナー部と蓋部がずれることを防止することが可能となる。したがって、インナー部と蓋部がずれることにより生じた隙間から固体材料が飛散し、アウター部とインナー部の間に固体材料が入る現象を抑制することが可能となる。
さらに、蓋部がインナー部に固定されることから、蓋部がインナー部やアウター部とぶつかり合って損傷する現象も抑制することが可能となる。
(発明4)
本発明に係る固体材料容器のインナー部は、インナー部側壁と、インナー部底部と、を有し、前記インナー部側壁は、前記インナー部底部と着脱自由に嵌合する底部嵌合部を有することを特徴とする。
インナー部は、側壁と底部が一体になっていてもよいが、インナー部側壁と、インナー部底部とがそれぞれ別個の部材からなり、着脱自由に嵌合することによりインナー部を構成することもできる。インナー部側壁と、インナー部底部とを別個の部材として製造すれば、一体型の部材として製造するよりも製造・加工がより容易になる。また、インナー部側壁とインナー部底部がずれることにより生じた隙間から固体材料が飛散して、アウター部とインナー部の隙間に入り込む現象を抑制することが可能となる。
さらに、インナー部側壁がインナー部底部に固定されることから、インナー部底部がインナー部嵌合においてアウター部と固定されていれば、インナー部側壁がアウター部とぶつかり合って損傷する現象も抑制することが可能となる。
(発明5)
本発明に係る固体材料容器は、前記インナー部底部にインナー部底プレートが配置され、
前記インナー部底プレートは、キャリアガスが流通する1つ以上の下部流通部を有することを特徴とする。
インナー部底部プレートは、キャリアガスを分散させて、キャリアガスが固体材料に均一に接触するようにするために配置される。キャリアガス導入配管はインナー部に挿入され、インナー部底部に配置されたインナー部底部プレートの下部まで延伸される。すなわち、キャリアガス導入配管のキャリアガス出口部はインナー部底部プレートの下に開口する。キャリアガスはキャリアガス導入配管のキャリアガス出口部から、インナー部底部プレートの下に送出され、インナー部底部プレートの下部流通部を経由してインナー部底部プレートの上部に移動し、インナー部底部プレートの上部であるインナー部の内部に充填された固体材料と接触する。
下部流通部は、ガスが流通する形状であれば特に限定されず、円形状の穴であってもよく、スリット状であってもよく、穴やスリットは複数配置されてもよい。下部流通部をインナー部底部プレートに均一に配置することにより、インナー部内部でのキャリアガスの流れをより均一にすることができる。キャリアガスの流れを均一にすることにより、キャリアガスが固体材料と均一に接触し、固体材料のインナー部内部での偏在化を防止し、インナー部から導出される固体材料蒸気の濃度を均一に維持することが可能となる。例えば前記下部流通部は複数の円形状の穴を配置したシャワー状である場合には、シャワー状の複数の穴から均一に固体材料の蒸気が導出される。
(発明6)
本発明に係る固体材料容器の前記インナー部側壁は、前記インナー部底プレートの上面に配置される底プレート上面嵌合部と着脱自由に嵌合するプレート部上面嵌合部を有し、
前記インナー部底部は、前記インナー部底プレートの下面に配置される底プレート下面嵌合部と着脱自由に嵌合するプレート部下面嵌合部を有することを特徴とする。
インナー部底プレートは、インナー部側壁とインナー部底部が一体となっているインナー部の底部に配置されることもできるが、インナー部側壁と、インナー部底部と、インナー部底部プレートがそれぞれ別個の部材からなり、着脱自由に嵌合することによりインナー部を構成することもできる。インナー部の上にインナー部底部プレートを配置して嵌合し、さらにインナー部底部プレートの上にインナー部側壁を配置して嵌合することにより、インナー部を構成することができる。
インナー部底部プレートインナー部側壁と、インナー部底部と、インナー部底部プレートを別個の部材として製造すれば、一体型の部材として製造するよりも製造・加工がより容易になる。インナー部底部プレートは下部流通部が開口しているため、下部流通部から固体材料がインナー部底部に落下することも考えられるが、落下した場合にも固体材料はインナー部底部に接触するにすぎず、アウター部との間に飛散することはない。
インナー部側壁とインナー部底部プレート、または、インナー部底部プレートとインナー部底部が嵌合されていることにより、それぞれがずれることにより生じた隙間から固体材料が漏れ出てアウター部との間に飛散する現象を抑制することが可能となる。
さらに、インナー部側壁がインナー部底部プレートに固定され、インナー部底部プレートはインナー部底部に固定されることから、インナー部底部がインナー部嵌合においてアウター部と固定されていれば、インナー部側壁がアウター部とぶつかり合って破損する現象も抑制することが可能となる。
(発明7)
本発明に係る固体材料容器の前記インナー部は、垂直方向に所定の間隔で配置された、前記固体材料が充填される、複数のトレーにより構成されることを特徴とする。
固体材料が充填された複数のトレーを垂直方向に配置することで、キャリアガスが複数のプレートに充填された固体材料の表面と接触することになり、固体材料のキャリアがストの接触面積を増大させることが可能となる。キャリアガスとの接触面積が増大すると、接触面積が不十分であることに起因した、キャリアガス中の固体材料の蒸気濃度の低下を防止することが可能となる。特に長時間固体材料を気化させる場合や、固体材料の気化量が大きい場合には、気化熱が奪われることによる固体材料表面の温度の低下が顕著になる。固体材料表面の温度が低下すると、温度が低下した部分の固体材料の蒸気圧が低下するため、固体材料が気化しにくくなり、ひいては固体材料容器から導出されるキャリアガス中の固体材料蒸気濃度が低下したり、不安定化したりする。このような場合にも、複数のトレーを配置してキャリアがストの接触面積を増大させれば、固体材料表面温度を低下させずに、安定した濃度の固体材料蒸気を導出することが可能となる。
(発明8)
本発明に係る固体材料容器の複数のトレーは、
側縁部に外側支持部を有し、前記アウター部の内側寸法よりも小さい、少なくとも1つの第一トレーと、中央部に内側支持部を有し、外側流路を形成するために前記第一トレーの外側寸法よりも小さい、少なくとも1つの第二トレーと、からなる。
前記第一トレーは前記第二トレーと重なり合う垂直なスタックを形成するように配置され、
前記外側流路を通して前記第一トレーと前記第二トレーとの間に流体流路が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、複数のトレーは、第一トレーと第二トレーとが重なり合って積み上がるように配置される。第一トレーが複数存在する場合には、第一トレーと、該第一トレーの上段に積み上がる他の第一トレーとの間に第二トレーが挟まれるように、配置される。第一トレーと、第一トレーの外側寸法よりも小さい第二トレーとの間にはキャリアガスとともに同伴される固体材料蒸気が流通する外側流路がある。第一トレー上に充填された固体材料の表面に接触しながら第一トレー上を通過したキャリアガスは、外側流路を経由して第二トレーに流入し、第二トレー上に充填された固体材料の表面に接触する。このように配置することにより、インナー部に導入されたキャリアガスは、インナー部を構成する複数のトレーを順に経由し、それぞれのトレーに充填された固体材料と接触することが可能となる。その結果、キャリアガスと固体材料表面との接触面性が多くなり、安定した濃度の固体材料蒸気を導出することが可能となる。
第一トレーと、第二トレーとは、ひとつずつ設けられていても良いが、第一トレーと第二トレーとがそれぞれ複数設けられていても良い。第一トレーの数は第二トレーの数と同じでも良いが、第二トレーよりも一枚少なく設けられてもよく、第二トレーよりも一枚多く設けられても良い。
(発明9)
本発明に係る固体材料容器の第一トレーは、外側支持部の上部に設けられた外側支持部上部嵌合部と、外側支持部の下部に設けられた外側支持部下部嵌合部とを有する。
第二トレーは、内側支持部の上部に設けられた内側支持部上部嵌合部と、内側支持部の下部に設けられた内側支持部下部嵌合部とを有する。
前記少なくとも1つの第一トレーの前記外側支持部上部嵌合部は、垂直方向に隣接する少なくとも1つの第一トレーの前記外側支持部下部嵌合部の上にスタックするように着脱自由に嵌合される。
前記少なくとも1つの第二トレーの前記内側支持部上部嵌合部は、垂直方向に隣接する少なくとも1つの第二トレーの前記内側支持部下部嵌合部の上にスタックするように着脱自由に嵌合される。
本発明によれば、第一トレーの上に積み上がるように他の第一トレーを配置する場合に、下段の第一トレーの外側支持部上部嵌合部が、上段の第一トレーの外側支持部下部嵌合部と着脱自由に嵌合されることにより、上段の第一トレーと、下段の第一トレーとが固定される。
同様に第二トレーの上段に積み上がるように他の第二トレーを配置する場合に、下段の第二トレーの内側支持部上部嵌合部が、上段の第二トレーの内側支持部下部嵌合部と着脱自由に嵌合さることにより、上段の第二トレーと、下段の第二トレーとが固定される。
このように第一トレーの外側支持部が他の第一トレーの外側支持部とスタックするように嵌合されることにより、複数の外側支持部が垂直方向に隙間なく配置される。したがって、第一トレー上に流入したキャリアガスは、外側支持部からアウター容器側へともれ出ることはなく、外側流路を経由して第二トレーに流入する。外側支持部を嵌合させることにより、外側支持部とアウター部との間に隙間があっても、その隙間にはキャリアガスが流入しない。このため、キャリアガスが固体材料と接触せずにアウター部と外側支持部との間を流通して、固体材料の蒸気を同伴しない状態で(または固体材料の蒸気の同伴が不十分な状態で)固体材料容器の後段に導出されることを抑制することができる。
同様に、第二トレーの内側支持部が他の第二トレーの内側支持部とスタックするように嵌合されることにより、複数の内側支持部が垂直方向に隙間なく配置される。内側支持部の中央部に円柱状に空間を設けることもできる。このように内側支持部を配置し、円柱状の空間にキャリアガス導入配管を配置することにより、スタックされた内側支持部は配管カバー部を形成することができる。
(発明10)
本発明はまた、上記の固体材料容器に固体材料が充填されている、固体材料製品である。
前記固体材料は、半導体層を堆積させるために用いられる前駆体で合ってもよい。固体材料は前駆体自体であってもよいが、固体材料をビーズ等の坦持体に坦持させたものであってもよい。また、固体材料は、前記固体材料が充填される際に固体状態であってもよく、固体材料容器が運搬される際に固体材料であってもよく、固体材料の充填の際、または充填後に加熱された場合には液体状態であってもよい。固体材料は特に限定されず、有機化合物、有機金属化合物、金属ハロゲン化物、およびこれらの混合物からなる群より選択される化合物を含む材料であってもよい。例えば、AlCl、HfCl、WCl、WCl、NbF、TiF、XeF、またはカルボン酸無水物であってもよい。前記固体材料は、半導体製造装置に接続した状態の固体材料容器に、直接充填されてもよい。前記固体材料は、半導体製造装置から固体材料容器を取り外した後に固体材料容器に充填されてもよい。
本発明によれば、固体材料容器の内部にさらにインナー部やトレーを有し、該インナー部や該トレーに固体材料を充填する固体材料容器において、インナー部またはトレーに充填した固体材料が、インナー部またはトレーの外へ飛散しにくくすることができる固体材料容器を提供にすることができる。
固体材料容器の構成例を示す図である。 固体材料容器の構成例を示す図である。 固体材料容器の蓋部の構成例を示す図である。 固体材料容器の蓋部の構成例を示す図である。 固体材料容器の構成例を示す図である。 固体材料容器の構成例を示す図である。る。 固体材料容器の構成例を示す図である。 固体材料容器の構成例を示す図である。 固体材料容器の構成例を示す図である。 第一トレーおよび第二トレーの構成例を示す図である。 固体材料容器の構成例を示す図である。
以下に本発明のいくつかの実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の一例を説明するものである。本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお、以下で説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
(実施形態1)
実施形態1の固体材料容器1について図1を用いて説明する。固体材料容器1は、内部に収納された固体材料25を気化させて供給するための固体材料容器である。
キャリアガスを固体材料容器1の内部に導入するキャリアガス導入配管11と、固体材料25の蒸気を固体材料容器1から導出する固体材料導出配管12と、アウター部21と、固体材料25が充填されるインナー部22と、を有する。
アウター部21の内側には突起部31が形成され、インナー部22の底部は、前記アウター部21と前記突起部31において着脱自在に嵌合するインナー部嵌合部32を有する。
インナー部22はアウター部21の内部に収納される。
図1においては、突起部31はアウター部21内側の底部に形成されているが、アウター部21内側の側面に形成されても良い。突起部31はアウター部21の内側に形成された円柱状または角柱状凸部であってもよく、アウター部21内部の底部にリング状に形成された凸部出あっても良い。突起部31はアウター部21内側に形成された凹部であってもよい。
インナー部嵌合部32は突起部31と着脱自由に嵌合されるように形成されていれば良く、突起部31が凸部である場合には、インナー部嵌合部32を凹部としてもよい。突起部31が凹部である場合には、インナー部嵌合部32を凸部としてもよい。
固体材料容器2では、アウター部21とインナー部22が突起部31において嵌合されることにより固定されている。
このため、アウター部21の内部でインナー部22がずれたり、傾いたりすることがなく、インナー部22に充填された固体材料25がアウター部21とインナー部22の間に飛散することを抑制できる。
さらに、アウター部21内部でインナー部22の位置がずれることによるアウター部21およびインナー部2の損傷を防止することが可能となる。
インナー部22とアウター部21の間には1mm程度のクリアランスがあるが、クリアランスの幅は任意である。固体材料容器1を使用する温度における、インナー部22とアウター部21を構成する材料の熱膨張を考慮したクリアランスを設けることができる。熱膨張を考慮しない場合には、クリアランスを有しなくとも良い。
固体材料25の蒸気は、固体材料容器1後段を真空引きすることによって蒸気のみで固体材料容器1から導出されてもよいが、キャリアガスを固体材料容器1に導入して、キャリアガスに同伴させて固体材料25の蒸気が導出されてもよい。
なお、本明細書内では、インナー部22はインナー部22内の固体材料25が充填された部分およびインナー部22内の固体材料25が充填されていない空間部分とを含み、アウター部21はアウター部21内のインナー部が収容された部分およびインナー部21が収容されていない空間部分とを含む。
アウター部21は、インナー部22を収容することができる容積を有するものであれば良く、例えば円筒状や角柱状であってもよい。アウター部21は金属製である。
キャリアガス導入配管11と固体材料導出配管12はガスを流通させることができる配管であればよく、金属製であっても良い。
アウター部21、インナー部22、キャリアガス導入配管11、および固体材料導出配管12を金属製とする場合、特に限定されず、例えばステンレス鋼製、アルミニウム製、アルミニウム合金製、銅製、または銅合金製であってもよい。一般に流通している製品例として、インコネル(登録商標)製、モネル(登録商標)製またはハステロイ(登録商標)製が挙げられるが、これらに限定されない。
固体材料25は、半導体層を堆積させるために用いられる前駆体で合ってもよい。固体材料25は前駆体自体であってもよいが、固体材料25をビーズ等の坦持体に坦持させたものであってもよい。また、固体材料25は、前記固体材料25が充填される際に固体状態であってもよく、固体材料容器1が運搬される際に固体状態であってもよく、固体材料が充填の際、または充填後に加熱された場合には液体状態であってもよい。固体材料25は特に限定されず、有機化合物、有機金属化合物、金属ハロゲン化物、金属酸化ハロゲン化物、およびこれらの混合物からなる群より選択される化合物を含む材料であってもよい。例えば、AlCl、HfCl、WCl、WCl、NbF、TiF、XeF、またはカルボン酸無水物であってもよい。
固体材料25が、固体材料容器1に充填されることにより、固体材料製品が得られる。
キャリアガスは特に限定されず、窒素、アルゴン、ヘリウム、乾燥空気、水素およびこれらの組み合わせであってもよい。固体材料と化学反応を起こさない不活性なガスが選択される。
インナー部22は、アウター部21に収納されることができる容積を有するものであり、固体材料25を充填できる部分である。インナー部22は底部と側面を有し、固体材料25を充填する開口部を有する。図1に示すインナー部22は底部と側面が一体に成形されているが、インナー部の底部と側面は分離された状態で隙間なく配置されていてもよく、分離された底部と側面が接着されていても良い。
図1に示す固体材料容器1において、アウター部21にインナー部22を嵌合し、固体材料25をインナー部22内部に充填する。その後、キャリアガス導入配管11を有するアウター部21の蓋を閉める。アウター部21の蓋はビス91によって固定されてもよい。これにより、固体材料容器1に固体材料25が充填された固体材料製品が得られる。
キャリアガス導入配管11から導入されたキャリアガスは、キャリアガス導入配管11の出口部からインナー部22の底部に向かって送出される。送出されたキャリアガスはインナー部22に充てんされた固体材料25と接触し、固体材料25の蒸気を同伴しながら、固体材料導出配管12から導出される。
以上の構成により、内部にインナー部22を有する固体材料容器1は、インナー部22に充填した固体材料がインナー部22外へ飛散しにくくすることができる。
(実施形態2)
実施形態2の固体材料容器2について、図2を参照し説明する。実施形態1の固体材料容器1と同じ符号の要素は同じ機能を有するので、その説明を省略する。
実施形態2に係る固体材料容器2は、インナー部22の上部に配置される蓋部23をさらに有し、前記蓋部23は、前記固体材料の蒸気が流通する1つ以上の上部流通部41を有する。
蓋部23はインナー部22の上部の開口部を覆うことにより、インナー部22内部に充填された固体材料25がアウター部21とインナー部22の間に飛散しないように配置される。インナー部22が円筒形の場合には、蓋部23は円盤形状となる。
蓋部23には固体材料25の蒸気が流通する1つ以上の上部流通部41が配置されている。固体材料25の蒸気はキャリアガスとともに同伴されてもよい。上部流通部41は、ガスが流通することができる形状であれば特に限定されず、スリット状であってもよく、円柱状の穴であってもよく、図3に示すように円柱状の穴が複数、所定の間隔で配置されるシャワー形状であってもよい。
蓋部23は図3に示すように平面の円盤状であってもよいが、図4に示すように側縁部23Aが立設されたシャーレ形状を有してもよい。シャーレ形状を有する場合、蓋部23の側縁部23Aの下側端部23Bには、インナー部22の上部と着脱自由に嵌合されるように嵌合部(不図示)が形成されていてもよい。
固体材料容器2の蓋部23は、インナー部22の上部と着脱自由に嵌合する蓋部嵌合部33を有する。嵌合する部分の形状は特に限定されず、例えばインナー部22上部を凸部として、蓋部嵌合部33を凹部となるように形成し、嵌合可能としてもよい。インナー部22上部を凹部として、蓋部嵌合部33を凸部となるように形成し、嵌合可能としてもよい。図2では、円筒状のインナー部22の内側縁部に沿って蓋部23の中央側を円状に厚くし(図2中の34)、蓋部23の外周側(図中の33)の厚さを薄く形成することにより蓋部嵌合部33を形成し、インナー部22の上部と嵌合可能としている。
キャリアガス導入配管11から導入されたキャリアガスは、キャリアガス導入配管11の出口部からインナー部22の底部に向かって送出される。送出されたキャリアガスはインナー部22に充てんされた固体材料25と接触し、固体材料25の蒸気を同伴しながら蓋部23に配置された上部流通部41を経由して、固体材料導出配管12から導出される。
以上に述べたように固体材料容器2では、固体材料25を充填したインナー部22の開口部が蓋部23で覆われているため、固体材料25がインナー部22の外へと飛散することをさらに抑制することができる。
(実施形態3)
実施形態3の固体材料容器3について、図5を参照し説明する。実施形態1の固体材料容器1および実施形態2の固体材料容器2と同じ符号の要素は同じ機能を有するので、その説明を省略する。
実施形態3に係る固体材料容器3のインナー部22は、インナー部側壁22Aと、インナー部底部22Bとを有し、インナー部側壁22Aは、インナー部底部22Bと着脱自由に嵌合する底部嵌合部22Cを有する。
インナー部側壁22Aと、インナー部底部22Bとはそれぞれ分離して製作されるため、一体型のインナー部22を形成する場合と比較して加工が容易となる。図5では、インナー部底部22Bに段差が形成され、その段差に嵌合させるようにインナー部側壁22Aが配置される。インナー部側壁22Aと、インナー部底部22Bとが底部嵌合部22Cにおいて嵌合されているため、インナー部22に充填された固体材料25はインナー部22から漏れ出ることがない。インナー部側壁22Aと、インナー部底部22Bとは接着されることもできる。なお、図5では底部嵌合部22付近を右下に拡大図で示している。拡大図では見やすくするために、インナー部側壁22A、インナー部底部22Bおよびアウター部21の各部分に網掛けまたは斜線を付している。
嵌合部22Cの形状は段差形状に限定されず、例えばインナー部底部22Bに凹部を設け、凹部に嵌合されるようにインナー部側壁22Bに底部嵌合部22Cである凸部を形成してもよい。
(実施形態4)
実施形態4の固体材料容器4について、図6を参照し説明する。実施形態1〜3の固体材料容器1〜3と同じ符号の要素は同じ機能を有するので、その説明を省略する。
実施形態4に係る固体材料容器4のインナー部22の底部にはインナー部底プレート42が配置され、インナー部底プレート42は、キャリアガスが流通する1つ以上の下部流通部43を有する。
インナー部底プレート42は、インナー部底部22Bと所定の間隔をもって配置される。所定の間隔は、キャリアガスが流通する間隔であれば特に限定されず、例えば1mm以上30mm以下であってもよい。インナー部底プレート42はインナー部側壁22Aに固定されていてもよい。
インナー部底プレート42は平面の円盤状であってもよいが、側縁部を有するシャーレ状であってもよい。インナー部底プレート42が側縁部を有する場合、該側縁部がインナー部底部22B上に配置されるようにインナー部底プレート42が配置されてもよい(図7参照)。
キャリアガス導入配管11から導入されたキャリアガスは、キャリアガス導入配管11出口側端部からインナー部底部22Bに向けて送出され、インナー部底プレート42の下部流通部43を経由して、インナー部22内に充填された固体材料25に接触する。
下部流通部43はキャリアガスが流通することができる形状であればよく、例えばスリット状でもよく、筒状の穴が1つまたは複数個配置されていてもよい。キャリアガス導入配管11から送出されたキャリアガスは、下部流通部43を経由することにより分散され、より均一に固体材料25と接触することが可能となる。
(実施形態5)
実施形態5の固体材料容器5について、図8を参照し説明する。実施形態1〜4の固体材料容器1〜4と同じ符号の要素は同じ機能を有するので、その説明を省略する。
実施形態5に係る固体材料容器5のインナー部側壁22Aは、前記インナー部底プレート42の上面に配置される底プレート上面嵌合部52と着脱自由に嵌合する、プレート部上面嵌合部51を有する。インナー部底部22Bは、インナー部底プレート42の下面に配置される底プレート下面嵌合部53と着脱自由に嵌合する、プレート部下面嵌合部54を有する。底プレート上面嵌合部52付近の拡大図を左下に示す。なお、拡大図では見やすくするために、インナー部側壁22Aとインナー部底部プレート42との間、および、インナー部底部プレート42とインナー部底部22Bとの間を空けて表示しているが、実際には各部分は接触している。
底プレート上面嵌合部52はプレート部上面嵌合部51と着脱自由に嵌合されるように形成されていれば良く、底プレート上面嵌合部52が凸部である場合には、プレート部上面嵌合部51を凹部としてもよい。底プレート上面嵌合部52が凹部である場合には、プレート部上面嵌合部51を凸部としてもよい。
同様に、底プレート下面嵌合部54はプレート部下面嵌合部53と着脱自由に嵌合されるように形成されていれば良く、底プレート下面嵌合部54が凸部である場合には、プレート部下面嵌合部53を凹部としてもよい。底プレート下面嵌合部54が凹部である場合には、プレート部下面嵌合部53を凸部としてもよい。
実施形態5に係る固体材料容器5において、キャリアガスはキャリアガス導入配管11から導入され、キャリアガス導入配管11出口側端部からインナー部底部22Bに向けて送出される。さらにキャリアガスは、インナー部底プレート42の下部流通部43を経由して、インナー部22内に充填された固体材料25に接触する。
キャリアガス導入配管11から送出されたキャリアガスは、下部流通部43を経由することにより分散され、より均一に固体材料25と接触することが可能となる。
インナー部底部22Bは突起部31によりアウター部21と嵌合され、固定されている。
インナー部底プレート42は、プレート部下面嵌合部53と底プレート下面嵌合部54を嵌合させることにより、インナー部底部22Bと固定されている。
インナー部側壁22Aは、プレート部上面嵌合部51は底プレート上面嵌合部52と嵌合されることにより、インナー部底プレート42に固定されている。
このため、アウター部21内でインナー部22を構成するインナー部側壁22A、配管カバー部24、インナー部底プレート42、およびインナー部底部22Bは、ずれがないように固定されており、固体材料25がインナー部22からアウター部21へ飛散することはない。
(実施形態6)
実施形態6の固体材料容器6について、主に図9を参照し説明する。実施形態1〜5の固体材料容器1〜5と同じ符号の要素は同じ機能を有するので、その説明を省略する。
実施形態6に係る固体材料容器6は、垂直方向に所定の間隔で配置された、固体材料25が充填される、複数のトレーである、第一トレー61および第二トレー62を有することを特徴とする。
第一トレー61は側縁部に外側支持部61A(図11に斜線部で示す)を有する。第一トレー61の外側寸法は、アウター部21の内側寸法よりも小さい。
図11に示すように、第二トレー62は中央部に内側支持部62Aを有する(図11に網掛けで示す)。第二トレー62の外側寸法は、外側流路71を形成するために、第一トレー61の外側寸法よりも小さくなるように構成される。
第一トレー61は第二トレー62と重なり合う垂直なスタックを形成するように配置される。
図10は、図9の内部構造のうち左側の一部を拡大した図である。
外側流路71を通して前記第一トレー61と前記第二トレー62との間に流体流路が設けられている。
上段に配置される第一トレー61(a)は、外側支持部61A(a)の上部に設けられた外側支持部上部嵌合部61B(a)と、外側支持部61A(a)の下部に設けられた外側支持部下部嵌合部61C(a)とを有する。
下段に配置される第一トレー61(b)は、外側支持部61A(b)の上部に設けられた外側支持部上部嵌合部61B(b)と、外側支持部61A(b)の下部に設けられた外側支持部下部嵌合部61C(b)とを有する。
上段に配置される第二トレー62(a)は、内側支持部62A(a)の上部に設けられた内側支持部上部嵌合部62B(a)と、内側支持部62A(a)の下部に設けられた内側支持部下部嵌合部62C(a)とを有する。
下段に配置される第二トレー62(b)は、内側支持部62A(b)の上部に設けられた内側支持部上部嵌合部62B(b)と、内側支持部62A(b)の下部に設けられた内側支持部下部嵌合部62C(b)とを有する。
下段の第一トレー61(b)の外側支持部上部嵌合部61B(b)は、上に積み上がるように垂直方向に隣接する少なくとも1つの第一トレー61(a)の外側支持部下部嵌合部61C(a)の上にスタックするように着脱自由に嵌合される。外側支持部下部嵌合部61B(a)または61B(b)の形状は円柱状または角柱状の凸部または凹部であってもよい。外側支持部下部嵌合部61C(a)は、外側支持部下部嵌合部61B(b)の形状に応じて嵌合することができる形状であれば良く、円柱状または角柱状の凹部または凸部であってもよい。
下段の第二トレー62(b)の内側支持部上部嵌合部62B(b)は、上に積み上がるように垂直方向に隣接する少なくとも1つの第二トレー62(a)の内側支持部下部嵌合部62C(a)の上にスタックするように着脱自由に嵌合される。内側支持部上部嵌合部62B(a)または62B(b)の形状は円柱状または角柱状の凸部または凹部であってもよい。内側支持部下部嵌合部62C(a)は、内側支持部上部嵌合部62B(b)の形状に応じて嵌合することができる形状であれば良く、円柱状または角柱状の凹部または凸部であってもよい。
第一トレー61と第二トレー62は、下から上方向に、第一トレー61(b)、第二トレー62(b)、第一トレー61(a)、第二トレー62(a)の順に交互に重なり合う。
最下段の第二トレー62は、アウター部21の底面に設けられた突起部31と着脱自由に嵌合されることにより、アウター部21内の所定の位置に固定される(図9参照)。
最下段の第一トレー61は、アウター部21の底部側縁部に設けられた他の突起部31と着脱自由に嵌合されることにより、アウター部21内の所定の位置に固定される(図9参照)。
固体材料容器6におけるガスフローを主に図9により説明する。
キャリアガスはキャリアガス導入配管11から固体材料容器6に導入される。キャリアガス導入配管11は金属製であるが、第二トレー62の内側支持部62A(図11参照)がスタックすることによって形成される配管カバー部24によりカバーされているため、固体材料25が金属製のキャリアガス導入配管11に接触することはない。
キャリアガス導入配管11の出口側から送出されたキャリアガスは、最下段の第二トレー62の内側支持部62Aの下方に設けられた流路81を経由して、最下段の第二トレー62の下部空間82へと流入する。その後、キャリアガスは外側流路(図10における71)を経由して、第二トレー62に流入する。
第二トレー62に充填された固体材料25の上を流通したキャリアガスは第二トレー62の内側支持部62Aに沿って第一トレー61へ流入する。第一トレー61へ流入したキャリアガスは、第一トレー61に充填された固体材料25状を流通し、外側流路71を経由して第一トレー61へと流入する。このように、キャリアガスは、第一トレー61と第二トレー62を交互に通過し、上部流通部41を経由して、固体材料導出配管12から送出される。
図9において、蓋部23は第一トレー61の外側支持部下部嵌合部61Bと着脱自由に嵌合されている。蓋部23の中央部分は、第二トレー62の内側支持部62Aとの間に流体流路を形成するように上部流通部41を有している。
固体材料容器6は蓋部23を有するが、蓋部23は配置しなくとも良い。
固体材料容器6が蓋部23を有しない場合であっても、最上段のトレー(第一トレー61または第二トレー62のうち、上側に配置されるトレー)には固体材料を充填しないことにより、蓋部23と同様の機能を果たすことができる。
(実施例1)
実施形態4にかかる固体材料容器4を用いて、固体材料として塩化アルミニウムを使用した固体材料製品を作成した。
アウター部21、インナー部21を構成するインナー部側壁22A、インナー部底部22B、およびインナー部底プレート42の材質は、ステンレス鋼(SUS316L)製とした。
固体材料容器4のアウター部22の外側寸法は直径200mm、高さ185mmである。インナー部22の外側寸法は186mm、高さ132mmである。
塩化アルミニウムは、純度99.999%の塩化アルミニウムを使用した。塩化アルミニウムの充てん量は1.1kgとした。
窒素雰囲気としたグローブボックス内で、アウター部21に収容されたインナー部22に塩化アルミニウムを充てんし、蓋部23を配置した。アウター部21をビス91により密閉し、固体材料容器4に塩化アルミニウムが充填された固体材料製品を得た。固体材料製品をグローブボックスから搬出した後、塩化アルミニウムの飛散状況の確認のために固体材料容器を自動車に搭載し、200km輸送した。輸送終了後に窒素雰囲気のグローブボックス内で固体材料容器をあけ、内部を観察した。
目視によりアウター部の内面を観察したところ、塩化アルミニウムの付着は確認されなかった。アウター部21とインナー部22の間にも塩化アルミニウムは確認されなかった。蓋部23の内側は少量の塩化アルミニウムが付着していることが確認された。
インナー部に充填された塩化アルミニウムの重量は、輸送後も変化がなかった。
(比較例1)
実施例1と同様の構造を有するが、突起部31およびインナー部嵌合部32を有しない容器を用いて、固体材料として塩化アルミニウムを使用した固体材料製品を作成した。
固体材料容器4のアウター部22の外側寸法は直径200mm、高さ185mmである。インナー部22の外側寸法は186mm、高さ132mmである。
塩化アルミニウムは、純度99.999%の塩化アルミニウムを使用した。塩化アルミニウムの充てん量は1.1kgとした。
窒素雰囲気としたグローブボックス内で、アウター部21に収容されたインナー部22に塩化アルミニウムを充てんし、蓋部23を配置した。アウター部21をビス91により密閉し、固体材料容器4に塩化アルミニウムが充填された固体材料製品を得た。固体材料製品をグローブボックスから搬出した後、塩化アルミニウムの飛散状況の確認のために固体材料容器を自動車に搭載し、200km輸送した。
目視によりアウター部の内面を観察したところ、インナー部22内部の塩化アルミニウムはインナー部22とアウター部21の間に多量に入り込んでいた。
インナー部22に充填された塩化アルミニウム1.1kgのうち、200km輸送後もインナー部22内部に残存していた塩化アルミニウムは1.02kgであった。
(実施例2)
実施例1と同様に、同じ容器に、同じ固体材料である塩化アルミニウムを同量(1.1kg)充填し、同じ輸送条件輸送した固体材料容器を用いて、塩化アルミニウムの蒸気の供給試験を行った。
すなわち、200km輸送した固体材料容器を130℃に加熱し、キャリアガスを導入して塩化アルミニウムの蒸気を固体材料容器4から導出した。キャリアガスは窒素ガスとし、流量は500SCCMとした。
固体材料容器内の固体材料の残量が、充填時の10%となるまで(すなわち固体材料容器内の塩化アルミニウムの残量が110gになるまで)塩化アルミニウムの蒸気を導出させた。その後、固体材料容器を25℃まで放冷し、窒素雰囲気としたグローブボックス内で内部を目視観察した。
目視によりアウター部の内面を観察したところ、インナー部とアウター部の間には、塩化アルミニウムは確認されなかった。
インナー部に残った塩化アルミニウムは白色であり、目視では腐食は観測されなかった。また、インナー部内で均一な厚みで塩化アルミニウムが残っていた。
この結果から、実施例2においては、輸送時、使用時ともに固体材料が容器内で傾いたり、インナー部の外側へ飛散したりすることはなく、キャリアガスに均一に塩化アルミニウムの蒸気が同伴されたと考えられる。
(比較例2)
比較例1と同様に、同じ容器である突起部31およびインナー部嵌合部32を有しない容器を用いて、同じ固体材料である塩化アルミニウムを同量(1.1kg)充填し、同じ輸送条件輸送した固体材料容器を用いて、塩化アルミニウムの蒸気の供給試験を行った。
すなわち、200km輸送した固体材料容器を130℃に加熱し、キャリアガスを導入して塩化アルミニウムの蒸気を固体材料容器4から導出した。キャリアガスは窒素ガスとし、流量は500SCCMとした。
固体材料容器内の固体材料の残量が、充填時の10%となるまで(すなわち固体材料容器内の塩化アルミニウムの残量が110gになるまで)塩化アルミニウムの蒸気を導出させた。その後、固体材料容器を25℃まで放冷し、窒素雰囲気としたグローブボックス内で内部を目視観察した。
目視によりアウター部の内面を観察したところ、インナー部の底部とアウター部の間に約20gの灰色の固形物質が確認された。固体材料容器は電気ヒーターにより外側から加熱されることから、ヒーターに直接接触するアウター部は、インナー部よりも高い温度になる。したがって、比較例2においては、インナー部から塩化アルミニウムがアウター部の底部にこぼれ、こぼれた塩化アルミニウムが過度に加熱されたため、腐食または変質を起こしたものと考えられる。
また、インナー部内部に残った塩化アルミニウムは、インナー部の片側に偏在していた。輸送中にインナー部内部で塩化アルミニウムの偏りが生じ、偏った状態で加熱しながら塩化アルミニウムを蒸発させたためと考えら得れる。塩化アルミニウムが偏在した状態でキャリアガスを導入していたため、残量が低下した条件においてはキャリアガスと塩化アルミニウムとの接触が、不十分になっていたと予想される。
(実施例3)
実施形態6にかかる固体材料容器6を用いて、固体材料として塩化アルミニウムを使用した固体材料製品を作成した。
アウター部21、インナー部21を構成する第一トレー61、第二トレー62の材質は、ステンレス鋼(SUS316L)製とした。
固体材料容器6のアウター部22の外側寸法は直径200mm、高さ310mmである。インナー部22の外側寸法は186mm、高さ274mmである。
塩化アルミニウムの充填量は、すべての第一トレーおよび第二トレーの合計で6.01kgであった。
実施例1と同様に200km輸送したのちにアウター部21を目視で確認したところ、塩化アルミニウムの付着は確認されなかった。第一トレー61または第二トレー62と、アウター部21との間にも塩化アルミニウムは確認されなかった。アウター部21の天井部にはわずかに塩化アルミニウムの付着が確認された。
インナー部に充填された塩化アルミニウムの重量は、輸送後も変化がなかった。
(比較例3)
実施例3と同様の構造を有するが、突起部31、インナー部嵌合部32、隣接する第一トレー同士を嵌合させる嵌合部、および隣接する第二トレー同士を嵌合させる嵌合部を有しない容器を用いて、固体材料として塩化アルミニウムを使用した固体材料製品を作成した。
窒素雰囲気としたグローブボックス内で、アウター部21に収容されたインナー部22の第一トレーおよび第二トレーに塩化アルミニウムを6.02kg充填した固体材料製品を得た。固体材料製品をグローブボックスから搬出した後、塩化アルミニウムの飛散状況の確認のために固体材料容器を自動車に搭載し、200km輸送した。
目視によりアウター部の内面を観察したところ、インナー部22内部の塩化アルミニウムは第一トレーおよび第二トレーとアウター部21の間に多量に入り込んでいた。アウター部21の天井部分の内側にも多くの塩化アルミニウムが付着していた。
インナー部22に充填された塩化アルミニウム6.00kgのうち、200km輸送後もインナー部22内部に残存していた塩化アルミニウムは5.68kgであった。
実施例1および比較例1の結果から、突起部とインナー部嵌合部においてインナー部とアウター部を嵌合させる固体材料容器の構造が、インナー部からの固体材料の飛散を抑制できることが確認された。
同様に、実施例2および比較例2の結果から、突起部とインナー部嵌合部においてインナー部とアウター部を嵌合させ、第一トレー同士および第二トレー同士を嵌合させる構造が、第一トレーおよび第二トレーからの固体材料の飛散を抑制できることが確認された。
(実施例4)
実施例3と同様に、同じ容器に、同じ固体材料である塩化アルミニウムを同量(6.01kg)充填し、同じ輸送条件輸送した固体材料容器を用いて、実施例2と同様の塩化アルミニウムの蒸気の供給試験を行った。
すなわち、200km輸送した固体材料容器を130℃に加熱し、キャリアガスを導入して塩化アルミニウムの蒸気を固体材料容器4から導出した。キャリアガスは窒素ガスとし、流量は500SCCMとした。固体材料容器から導出される、キャリアガスおよび固体材料蒸気の合計流量は、固体材料導出配管の後段に設けられたマスフローメータにより計測した。
固体材料容器内の固体材料の残量が、充填時の約10%となるまで(すなわち固体材料容器内の塩化アルミニウムの残量が600gになるまで)塩化アルミニウムの蒸気を導出させた。その後、固体材料容器を25℃まで放冷し、窒素雰囲気としたグローブボックス内で内部を目視観察した。
固体材料蒸気供給開始から、固体材料の残量が約10%となるまで、マスフローメータで計測された流量は一定であった。
目視によりアウター部の内面を観察したところ、インナー部とアウター部の間には、塩化アルミニウムは確認されなかった。
すべての第一トレーは、上下に隣接する第一トレーと嵌合された状態であり、目視で確認できる隙間が生じているトレーはなかった。第二トレーについても同様に、上下に隣接する第二トレー同士が嵌合された状態であり、目視によりトレーがずれることによる隙間は確認されなかった。
下段の第一トレーおよび下段の第二トレーには塩化アルミニウムはほとんど残留していなかった。
上段の第一トレーおよび上段の第二トレーには少量の塩化アルミニウムが残留していた。トレー上の塩化アルミニウムは、第一トレーおよび第二トレー全体に均一に残留しており、トレー内での偏在は確認されなかった。
第一トレーおよび第二トレーに残った塩化アルミニウムは白色であり、目視では腐食は観測されなかった。
この結果から、実施例4においては、輸送時、使用時ともに固体材料が容器内で傾いたり、インナー部の外側へ飛散したりすることはなく、キャリアガスに均一に塩化アルミニウムの蒸気が同伴されたと考えられる。
(比較例4)
比較例3と同様に、同じ容器である突起部31およびインナー部嵌合部32、隣接する第一トレー同士を嵌合させる嵌合部、および隣接する第二トレー同士を嵌合させる嵌合部を有しない容器を用いて、同じ固体材料である塩化アルミニウムを同量(1.1kg)充填し、同じ輸送条件輸送した固体材料容器を用いて、塩化アルミニウムの蒸気の供給試験を行った。
すなわち、200km輸送した固体材料容器を130℃に加熱し、キャリアガスを導入して塩化アルミニウムの蒸気を固体材料容器4から導出した。キャリアガスは窒素ガスとし、流量は500SCCMとした。固体材料容器から導出される、キャリアガスおよび固体材料蒸気の合計流量は、固体材料導出配管の後段に設けられたマスフローメータにより計測した。
固体材料容器内の固体材料の残量が、充填時の10%となるまで(すなわち固体材料容器内の塩化アルミニウムの残量が600gになるまで)塩化アルミニウムの蒸気を導出させた。その後、固体材料容器を25℃まで放冷し、窒素雰囲気としたグローブボックス内で内部を目視観察した。
固体材料蒸気供給開始から、固体材料の残量が約10%となるまで、マスフローメータで計測された流量は徐々に低下する傾向にあった。
目視によりアウター部の内面を観察したところ、インナー部の底部とアウター部の間およびアウター部とインナー部側壁の間に多量の固形物質が確認された。
アウター部とインナー部の間には塩化アルミニウムの付着が確認された。
上下の第一トレーの側縁部の間に隙間ができて、固化した塩化アルミニウムが付着していた。
上下の第二トレーは垂直方向に積み上げられた状態であった。
下段および上段の第一トレー、下段および上段の第二トレーのいずれにも塩化アルミニウムは残留しており、トレー内で偏って残った状態となっていた。
以上の結果から、輸送時や使用時に、アウター部の内部で第一トレーがうごき、隣接する上下の第一トレーがずれたことにより、少なくとも第一トレーに充填されていた塩化アルミニウムが第一トレーの外に飛散したといえる。また、第一トレーがずれたことによりアウター部と第一トレーとの間に隙間が生じ、その隙間にキャリアガスが流入することによって、塩化アルミニウムとキャリアガスとの接触が不十分になったことが考えられる。下段の第一トレーおよび下段の第二トレーを経由したキャリアガスの一部は、その隙間からアウター部と第一トレーの間に流入し、上段の第一トレーおよび上段の第二トレーに流入するキャリアガス量が減少するためである。さらに、トレー内で塩化アルミニウムが偏ったために、残量が少なくなった状態においてはトレー上に塩化アルミニウムが残っている場所と、トレーを構成する金属表面が露出して固体材料が残っていない場所ができたと考えられる。そのため、キャリアガスがトレー上を流通しても固体材料との接触が場所によっては不十分になった。したがって、マスフローメータで計測された流量が低下したと考えられる。
以上の結果から、アウター部とインナー部(もしくはトレー)とが嵌合されることにより固定されることが、固体材料がインナー部(もしくはトレー)から飛散する現象の抑制に有効であることが確認された。 固体材料蒸気の均一な導出のためには、複数のトレーが配置されたインナー部を有する固体材料容器では、トレー同士が嵌合されることにより隙間なく配置されることが有効であることが確認された。
1. 固体材料容器
11. キャリアガス導入配管
12. 固体材料導出配管
21. アウター部
22. インナー部
22A. インナー部側壁
22B. インナー部底部
22C. 底部嵌合部
23. 蓋部
31. 突起部
32. インナー部嵌合部
33. 蓋部嵌合部
41. 上部流通部
42. インナー部底プレート
43. 下部流通部
51. プレート部上面嵌合部
52. 底プレート上面嵌合部
53. プレート部下面嵌合部
54. 底プレート下面嵌合部
61. 第一トレー
61A. 外側支持部
61B. 外側支持部上部嵌合部
61C. 外側支持部下部嵌合部
62. 第二トレー
62A. 内側支持部
62B. 内側支持部上部嵌合部
62C. 内側支持部下部嵌合部
71. 外側流路

Claims (10)

  1. 内部に収納された固体材料を気化させて供給するための固体材料容器であって、
    前記固体材料の蒸気を前記固体材料容器から導出する固体材料導出配管と、
    金属製のアウター部と、
    金属製のインナー部と、を有し、
    前記インナー部は前記アウター部の内部に収納され、
    前記アウター部の内側に突起部が形成され、
    前記インナー部の底部は、前記アウター部と前記突起部において着脱自在に嵌合するインナー部嵌合部を有することを特徴とする、
    固体材料容器。
  2. 前記インナー部の上部に配置される蓋部をさらに有し、
    前記蓋部は、前記固体材料の蒸気が流通する1つ以上の上部流通部を有することを特徴とする、
    請求項1に記載の固体材料容器。
  3. 前記蓋部は、前記インナー部の上部と着脱自由に嵌合する蓋部嵌合部を有することを特徴とする、
    請求項2に記載の固体材料容器。
  4. 前記インナー部は、インナー部側壁と、インナー部底部と、を有し、
    前記インナー部側壁は、前記インナー部底部と着脱自由に嵌合する底部嵌合部を有することを特徴とする、
    請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の固体材料容器。
  5. 前記インナー部底部にインナー部底プレートが配置され、
    前記インナー部底プレートは、前記キャリアガスが流通する1つ以上の下部流通部を有することを特徴とする、
    請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の固体材料容器。
  6. 前記インナー部側壁は、前記インナー部底プレートの上面に配置される底プレート上面嵌合部と着脱自由に嵌合するプレート部上面嵌合部を有し、
    前記インナー部底部は、前記インナー部底プレートの下面に配置される底プレート下面嵌合部と着脱自由に嵌合するプレート部下面嵌合部を有することを特徴とする、
    請求項5に記載の固体材料容器。
  7. 前記インナー部は、垂直方向に所定の間隔で配置された、前記固体材料が充填される、複数のトレーを有する、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の固体材料容器。
  8. 前記複数の前記トレーは、
    側縁部に外側支持部を有し、前記アウター部の内側寸法よりも小さい、少なくとも1つの第一トレーと、
    中央部に内側支持部を有し、外側流路を形成するために前記第一トレーの外側寸法よりも小さい、少なくとも1つの第二トレーと、からなり、
    前記第一トレーは前記第二トレーと重なり合う垂直なスタックを形成するように配置され、
    前記外側流路を通して前記第一トレーと前記第二トレーとの間に流体流路が設けられていることを特徴とする、請求項7に記載の固体材料容器。
  9. 前記第一トレーは、前記外側支持部の上部に設けられた外側支持部上部嵌合部と、前記外側支持部の下部に設けられた外側支持部下部嵌合部とを有し、
    前記第二トレーは、前記内側支持部の上部に設けられた内側支持部上部嵌合部と、前記内側支持部の下部に設けられた内側支持部下部嵌合部とを有し、
    前記少なくとも1つの第一トレーの前記外側支持部上部嵌合部は、垂直方向に隣接する少なくとも1つの第一トレーの前記外側支持部下部嵌合部の上にスタックするように着脱自由に嵌合され、
    前記少なくとも1つの第二トレーの前記内側支持部上部嵌合部は、垂直方向に隣接する少なくとも1つの第二トレーの前記内側支持部下部嵌合部の上にスタックするように着脱自由に嵌合されることを特徴とする、請求項8に記載の固体材料容器。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の固体材料容器に固体材料が充填されている、固体材料製品。
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