JP2011121206A - 転写具 - Google Patents

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Abstract

【課題】滞りなくスムーズな転写動作を確実に実現し得る転写具を提供する。
【解決手段】転写具は、リールとともに一体的に回転し、樹脂の一体成形により設けられた円筒形状の周面CL10を有する第一の部材CL1と、凸部CL20を有する第二の部材CL2とを有したクラッチ機構CLを有した転写具であって、周方向に沿って隣り合う2つの摩擦発生部たる凸部CL20を2組任意に選び出した場合、一方の組に属する隣り合う2つの凸部CL20を結ぶ線分の垂直二等分線と、他方の組に属する隣り合う2つの凸部CL20を結ぶ線分の垂直二等分線とが異なる配置となることを特徴とする。
【選択図】図28

Description

本発明は、転写テープを巻回保持してなる転写具に関するものである。
一般に繰出リール及び巻取リールに転写テープを巻回保持させてなる転写具において、これら両リールの回転をギアにより連動させているものの多くは、繰出リールと、当該繰出リールの一部に嵌合することで回転する繰出ギアとの間には、これらの回転速度、換言すれば時間当たりの回転量の異なり、すなわちズレを許容するための滑り機構とも称されるクラッチ機構が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
斯かる転写具の転写動作について説明する。まず、転写動作の開始時は繰出リールの回転が主体となって当該繰出リールに前記クラッチ機構を介して取り付けられた繰出ギア、そして当該繰出ギアに直接又は間接的に噛合する巻取ギアの回転により巻取ギアと一体的に回転する巻取リールを回転させる。
ここで、繰出ギアと巻取ギアとの歯数比は、巻取リールによるテープの巻き取り量が、繰出ギアと一体に回転した場合の繰出リールのテープの繰出し量よりも常に大きくなるように設定されている。言い換えれば、巻取リールには、繰出リールから繰出される転写テープを巻き取るのに必要な大きさ以上の引っ張り力が発生している。
さらに一旦テープの転写動作が行なわれると、転写動作によるテープの移動と巻取リールの動作とが主に連動することにより、転写後のテープは弛み無く巻取リールに巻き取られていく。そのため、巻取ギア・リールを回転させてからの繰出リールのテープの繰出し量は繰出ギアと一体に回転させた場合の繰出リールのテープ量よりも多くなる。
すなわち転写具では、繰出ギアの回転量と繰出リールの回転量が異なった状態を常に維持しながら転写動作が行なわれ、この回転量の異なりを許容するために常に上述のクラッチ機構が作用している。
なお上述のものとは異なり、ベルト・プーリ機構により両リールを連動させてなるものにおいては、ベルトとプーリとの動作のズレを許容し得る構成とすることにより、前記クラッチ機構と同様の作用を実現している。
特開2003−54192号公報
クラッチ機構を構成する一例としては、図24に示すようなクラッチ機構CLが挙げられる。すなわち、例えば巻き取り側の図示しないリールとともに一体的に回転し、樹脂の一体成形により設けられた円筒形状の周面CL10を有する第一の部材CL1と、ギアGとともに一体的に回転するとともに前記第一の部材CL1に嵌合し、前記周面CL10に対し当接する摩擦発生部としての凸部CL20を有する第二の部材CL2とを有したものが挙げられる。
このようなクラッチ機構CLは、凸部CL20の配置を適宜の配置とすることにより、各々の態様の転写具に求められる所望の摩擦強さを容易に設定できるものである。そして同図にはその一例として、前記凸部CL20を周面に沿って90°等間隔に4つ設けたクラッチ機構CLを図示している。
ここで本願発明者等は、斯かる構成を採用した場合、一定の力で転写具を転写した場合、途中に局所的に転写具のテープの繰り出しが僅かながら滞るタイミングが訪れることを発見した。そして斯かるテープ繰出し又は巻き取りの滞りの度合いによっては、転写動作自体が滞ったり、前記タイミングに応じて力を強めて転写した使用者が当該タイミング後に勢い余って粘着剤や修正剤といった転写物を余分な距離転写してしまったりするという不具合を招来する恐れがあることを発見した。
そして本願発明者等は上記テープ繰り出しの滞りの原因を調査した結果、その原因が樹脂の一体成形によって形成された第一の部材CL1が有する円筒形状の周面CL10と、周面CL10の周方向に間欠的に当接する摩擦発生部たる凸部CL20の配置によって起こることを見出した。
上記原因について図25を用いて詳述する。同図は、第一の部材CL1が有する周面CL10と、円周面の周方向に間欠的に当接する凸部CL20の配置とを模式的に示している。
まず本願発明者等は、正確に真円筒形状の空間を形成した金型を採用した場合、金型内の樹脂の流れ方等の理由によって、成型品は僅かではあるが一方向に僅かに扁平した楕円形状となることに着目した。そして僅かに楕円状の円周面CL10に対し、図25に示すように例えば90°で4つの凸部CL20を有する第二の部材CL2を嵌合させた場合、図示で四角で囲んだタイミングにおいて、上記したようなテープの繰り出しの滞りが起こることを発見した。
また同様の不具合は、上記図24、図25に示す態様のみならず、22.5°間隔で円周に沿って等間隔に凸部CL20を8つ設けた図26に示す態様や、60°間隔で円周に沿って等間隔に凸部CL20を6つ設けた図27に示す態様を採用した場合においても、上述の90°で4つの凸部CL20を有する態様と同様に、テープの繰り出しの滞りが起こることを発見した。
本発明は、このように本願発明者が初めて発見した不具合に着目したものであり、滞りなくスムーズな転写動作を確実に実現し得る転写具を提供することを目的としている。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。すなわち本発明に係る転写具は、転写テープを巻回保持するリールと、当該リールに対して同軸に回転し得るギアとの間に設けられ、前記リールと前記ギアとの回転量の差を許容するためのクラッチ機構を具備している転写具であって、前記リール又は前記ギアの何れか一方とともに一体的に回転し、樹脂の一体成形により設けられた円筒形状の周面を有する第一の部材と、他方とともに一体的に回転するとともに前記第一の部材に嵌合し、前記周面に対し当接する4つ以上の摩擦発生部を有する第二の部材とを有し、前記摩擦発生部のうち、周方向に沿って隣り合う2つの摩擦発生部を2組任意に選び出した場合において、一方の組に属する隣り合う2つの摩擦発生部を結ぶ線分の垂直二等分線と、他方の組に属する隣り合う2つの摩擦発生部を結ぶ線分の垂直二等分線とが異なって形成されるように全ての摩擦発生部を配置していることを特徴とするものである。
また本発明に係る転写具は、周方向に沿って隣り合う2つの摩擦発生部を2組任意に選び出した場合において、前記円筒形状に対し隣り合う2つの摩擦発生部を当該円筒の中心から平面視点対称に配置した仮想の配置とは異なる配置となるように、全ての摩擦発生部を位置付けていることを特徴とするものである。
すなわち本願発明者等は、図24、図25及び図26に示すような摩擦発生部は、図28に示す要件を満たしてしまうことにおいて共通するものであることを発見した。同図を基に説明すると、複数の摩擦発生部たる凸部CL20のうち、周方向に沿って隣り合う2つの摩擦発生部を2組任意に選び出した場合、一方の組に属する隣り合う2つの凸部CL20を結ぶ線分aの垂直二等分線a1と、他方の組に属する隣り合う2つの凸部CL20を結ぶ線分bの垂直二等分線b2とが重なる配置となった場合に、僅かに扁平な楕円形状をなす円周面CL10の対向する短寸部分CL11を隣り合う2つの凸部CL20が挟み込んでしまうために、このような転写テープの動作の滞りが生じることを発見した。なお同図の態様とは異なり、隣り合う2つの凸部CL20が円周面CL10に外側から当接する場合には、前記僅かに扁平な楕円形状をなす円周面CLの対向する長寸部分CL12を挟み込むことにより、同様の事態となると考えられる。
さらに詳述すると、2組の凸部CL20の隣り合う距離が等しい場合、言い換えれば、当該円筒の中心cから平面視点対称に配置した仮想の配置dと重なってしまうような凸部CL20の配置をなす場合に、このような滞りが明確に起こることを発見した。
すなわち、このような構成を採用すれば、何れの回転ステージにおいても所要の摩擦をもってスムーズに動作し得るクラッチ機構を実現できる。そうすることにより、滞りなくスムーズな転写動作を確実に実現し得る転写具を提供することが可能となる。
また、上記の構成を適用した場合、転写具を構成するために必要なクラッチ機構としての所要の摩擦を好適に得るための構成として、第一の部材の周面の周方向に沿って30°間隔で3つ等角度で摩擦発生部ブロックを形成するとともに、当該摩擦発生部ブロックを120°間隔で3つ等角度で配置したものを挙げることができる。
そしてさらに精密に摩擦強さを調節し得るものとするためには、第二の部材が、前記摩擦発生部ブロック間を周方向に切り欠いた切欠部をさらに有したものとすることが望ましく、この切欠部の形状を適宜調節することにより所要の摩擦強さを得ることが好ましい。
また本発明に係る転写具は、転写テープを巻回保持するリールと、当該リールに対して同軸に回転し得るギアとの間に設けられ、前記リールと前記ギアとの回転量の差を許容するためのクラッチ機構を具備している転写具であって、前記リール又は前記ギアの何れか一方とともに一体的に回転し、樹脂の一体成形により設けられた円筒形状の周面を有する第一の部材と、他方とともに一体的に回転するとともに前記第一の部材に嵌合し、前記周面に対し当接する3つの摩擦発生部を有する第二の部材とを有していることを特徴とする。
このようなものであっても、図28に示すような摩擦発生部の配置となることを有効に回避することとなるため、上述同様の効果を奏するものとなる。
そして、図28に示すような摩擦発生部の配置を回避しつつ、クラッチ機構としての所要の摩擦を得ることや、重量バランスに優れた部品としてよりスムーズな動作を担保し得る本発明に係る転写具は、転写テープを巻回保持するリールと、当該リールに対して同軸に回転し得るギアとの間に設けられ、前記リールと前記ギアとの回転量の差を許容するためのクラッチ機構を具備している転写具であって、前記リール又は前記ギアの何れか一方とともに一体的に回転し、樹脂の一体成形により設けられた円筒形状の周面を有する第一の部材と、他方とともに一体的に回転し、前記周面に当接する複数の摩擦発生部を有する第二の部材とを有し、前記複数の摩擦発生部を、周方向に沿って間欠的に奇数個等角度間隔で設けたことを特徴とするものである。
そして単純な構成で上記効果を容易に得るための構成としては、この摩擦発生部を、120°間隔で3つ設けたものとすることが望ましい。
ここで、転写具に適用し得るクラッチ機構としては、転写テープを繰り出す繰り出しリール側に設けても、転写後の転写テープを巻き取る巻取リール側に設けても良いが、本発明を既存の構成を具備する転写具に容易に適用することを鑑みれば、リールを、転写テープの転写動作による移動にともなって回転する繰出リールとするとともに、前記ギアを前記繰出リールの回転に伴って回転する繰出ギアとし、クラッチ機構を前記繰出リールと前記繰出ギアとの間に設ける、すなわちクラッチ機構は繰り出しリール側に設けることが望ましい。
そして既存の転写具の多くが、例えばリフィル交換式のもののように、ギアとリールとを分離し得る態様を適用していることから、本発明の転写具は、第二の部材をギアとし、円周面を有している第一の部材をリールを支持する支軸部材とすることが好ましい。
また勿論、第二の部材を、摩擦発生部間を周方向に切り欠いた切欠部をさらに有したものとすることにより、より精密に所要の摩擦強さを得ることが好ましい。
そして、本発明に係るクラッチ機構は、第一の部材の円周面が内向きの円周面であり、前記摩擦発生部が当該円周面を内側から当接しているものであっても、第一の部材の円周面が外向きの円周面であり、前記摩擦発生部が当該円周面を外側から当接しているものであっても、上述の効果を好適に奏するものとなる。
また本発明は、一般に使用されている転写具、すなわち修正剤を転写するタイプのものであっても粘着剤を転写するタイプのものであっても好適に適用することが可能であるが、転写動作のためにより大きな作用力を必要とする粘着剤を転写するタイプの転写具、すなわちリールが、粘着剤を保持した転写テープを巻回保持し得る転写具に対して適用すれば、よりスムーズな転写動作をし得る転写具を提供することが可能となる。
本発明によれば、何れの回転ステージにおいても所要の摩擦をもってスムーズに動作し得るクラッチ機構を実現できる。そうすることにより、滞りなくスムーズな転写動作を確実に実現し得る転写具を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る外観図。 同実施形態に係る他の外観図。 同実施形態に係る分解斜視図。 同実施形態に係る他の分解斜視図。 同実施形態に係る構成説明図。 同実施形態の要部の分解斜視図。 同上。 同実施形態に係る構成説明図。 図8に対応した動作説明図。 同実施形態の要部を示す説明図。 同実施形態の要部を示す断面図。 図11に対応した動作説明図。 同実施形態の要部を示す構成説明図。 同上。 同上。 同実施形態に係る要部の断面図。 本実施形態の要部の構成を模式的に示す図。 同実施形態の変形例に係る模式的な図。 同上。 同上。 同実施形態の変形例の一を示す模式的な図。 同変形例の一を示す要部の外観図。 同変形例の一を示す要部の外観図。 本発明の従来技術の要部を示す図。 同従来技術の構成を模式的に示す図。 同従来技術の他の構成を模式的に示す図。 同上。 本発明の構成を模式的に示す原理図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1ないし図17に示す本実施形態の転写具Tは、転写具本体1と、転写具本体1内部に収納する交換可能なリフィル2とを主たる要素とする。
リフィル2は、粘着剤や修正テープ、顔料等の転写物を保持するもので、転写物を付着させた転写テープを巻き回してなる繰出リール21と、繰出リール21から繰り出される転写テープを巻き掛けた転写物を転写対象面に押圧転写するための転写ヘッド22と、転写ヘッド22を経由した転写テープを巻き取る巻取リール23と、これら繰出リール21、転写ヘッド22及び巻取リール23を支持するリフィルフレーム24とを具備する。
転写具本体1は、転写具Tの外面を形成する外ケース3と、外ケース3に対して長手方向にスライド可能に取り付けてなりリフィル2を支持するスライドフレーム4と、スライドフレーム4を収納位置Sまたは使用位置Uの一方に選択的に保持する選択保持機構たるノック機構5と、外ケース3に片持ち支持させてなるキャップ6と、スライドフレーム4の移動に連動してキャップ6を閉止位置Cから開放位置Oに、またはその逆方向に駆動するキャップ開閉機構7とを具備する。
外ケース3は、第1のケース部材31と、第1のケース部材31に対して着脱可能な第2のケース部材32と、第2のケース部材32の外面と略面一な外面を有する第3のケース部材33とを具備する。また、この外ケース3には、転写ヘッド22を露出させるための第1の開口3aと、ノック機構5の後述するノック棒51を露出させるための第2の開口3bとを形成している。
第1のケース部材31は、面板部311と、面板部311の周縁部から起立させて設けた周壁部312とを有する。面板部311の内面には、スライドフレーム4のスライド移動の方向を案内するためのガイド爪311aを設けている。また、周壁部312の第2の開口3b側の端部には、第3のケース部材33に係り合わせるための取付爪312aを設けている。さらに、周壁部312の第1の開口3a側の端部及び長手方向中央部には、第2のケース部材32に係り合わせるための取付爪312bを設けている。
第2のケース部材32は、第1のケース部材31の面板部311と対向する面板部321と、面板部321の前端部を除く部位から垂下させて設けた周壁部322とを有する。この周壁部322に設けた図示しない係合凹部を、第1のケース部材31に設けた取付爪312bと係り合わせることにより、第2のケース部材32を第1のケース部材31に装着するようにしている。そして、面板部321の後端部に、第3のケース部材33に装着するための係止爪321aを設けている。
第3のケース部材33は、第1のケース部材31の面板部311と対向し第2のケース部材32の面板部321と面一をなす面板部331と、面板部331の前端部を除く部位から垂下させて設けた周壁部332とを有する。この周壁部332に設けた図示しない係合凹部を、第1のケース部材31に設けた取付爪312aと係り合わせることにより、第3のケース部材33を第1のケース部材31に装着するようにしている。また、面板部311には、第2のケース部材32の係止爪321aと係り合うことが可能な図示しない係止凹部を設けている。そして、第3のケース部材33の係止凹部に第2のケース部材32の係止爪321aを係り合わせた状態で、スライドフレーム4が、第1、第2、第3のケース部材31、32、33からなる外ケース3内に収納される。
スライドフレーム4は、図3及び図7に示すように、第1のケース部材31のガイド爪311aにスライド可能に支持させてなるスライドフレーム本体41、スライドフレーム本体41から第2のケース部材32に向かう側に突出し繰出リール21の回転中心をなす繰出軸42、繰出軸42に軸支させるギア部材たる繰出ギア43、同じく繰出軸42に軸支させるとともに繰出リール21を支持する支軸部材たるクラッチ44、繰出ギア43に噛み合わせてなる第1の中間ギア45、第1の中間ギア45に噛み合わせてなる第2の中間ギア46、リフィルフレーム24側の巻取リール23を軸支して巻取リール23の回転中心をなす巻取軸47を備えている。そして、このスライドフレーム4は、ノック機構5により収納位置Sから使用位置U、またはその逆方向に駆動される。繰出ギア43及び前記支軸部材244bとしてのクラッチ44は滑り機構8(クラッチ機構CL)を構成する。滑り機構8については、後述する。
ノック機構5は、筆記具に用いられるノック機構5として広く知られているものと同様の機構を有する。具体的には、外ケース3の第2の開口3bに挿し通してなるノック棒51と、後端部をこのノック棒51に接続しているとともに前端部をスライドフレーム4に接続している図示しないノックカムと、移動端すなわち後端部をスライドフレーム4に接続してなるとともに固定端すなわち前端部を第1のケース部材31に設けた固定側リテーナ313に接続してなる付勢手段であるコイルバネ52とを備えている。このノック機構5のコイルバネ52は、前述したように固定端を第1のケース部材31の面板部311に備えた固定側リテーナ313に接続してなるとともに、自由端をスライドフレーム4に備えた移動側リテーナ411に接続してなる。また、移動側リテーナ411からは固定側リテーナ313に向かう方向に延びるバネ支持棒411aを突出させて設けていて、バネ支持棒411aにコイルバネ52を挿し通している。一方、固定側リテーナ313には、バネ支持棒411aを挿し通すことが可能な支持棒挿通孔313aを設けていて、スライドフレーム4の移動の際にはバネ支持棒411aが支持棒挿通孔313aを通過する。そして、このノック機構5は、スライドフレーム4を収納位置Sに配している状態でノック棒51を押圧する操作を加えると、スライドフレーム4を使用位置Uまで駆動し、スライドフレーム4が使用位置Uまで移動した際にスライドフレーム4を使用位置Uに保持するように構成している。一方、スライドフレーム4を使用位置Uに保持した状態でノック棒51を押圧する操作を加えると、コイルバネ52の付勢力によりスライドフレーム4を収納位置Sまで移動し、スライドフレーム4をそのまま収納位置Sに保持するように構成している。
キャップ6は、転写ヘッド22を遮蔽する閉止位置Cと転写ヘッド22を外部に露出させる開放位置Oとの間で移動可能であり、第1のケース部材31の面板部311に片持ち支持される支持部61と、支持部61の先端に接続し閉止位置Cにおいて転写ヘッド22を遮蔽する遮蔽部62と、遮蔽部62に接続し第1及び第2のケース部材31、32の周壁部312、322に沿う板片状のストッパ部63とを具備する。支持部61には、第1のケース部材31の面板部311に形成した円弧状の案内スリット311bに係り合う案内爪611、612を設けていて、これらの案内爪611、612が案内スリット311b内を移動することにより第1のケース部材31の面板部311の法線に沿う軸を中心として回転移動する。そして、上述したように、この支持部61の先端に遮蔽部62を接続している。遮蔽部62は、閉止位置Cにおいて外ケース3の第1の開口3aを遮蔽する板状の部位であり、この遮蔽部62の一端部にストッパ部63を接続している。ストッパ部63は、上述したように第1及び第2のケース部材31、32の周壁部312、322に沿う板片状の部位であり、開放位置Oにおいて第1及び第2のケース部材31、32に衝き当たることによりキャップ6の回転移動を規制する。
キャップ開閉機構7は、前述したように、スライドフレーム4の移動に連動してキャップ6を閉止位置Cから開放位置Oに、またはその逆方向に駆動する。具体的には、このキャップ開閉機構7は、スライドフレーム4の面板部の第1のケース部材31に向かう側の面に設けたキャップ駆動突起71と、スライドフレーム4の第1のケース部材31に向かう側の面の両側縁に設けたキャップ案内突条72と、キャップ6の支持部61の後部に設けてなる断面視コの字状の突起でありキャップ駆動突起71及びキャップ案内突条72に駆動される被駆動部73とを利用して構成している。被駆動部73は、キャップ6が閉止位置Cに位置する際にキャップ駆動突起71の転写ヘッド22側に位置する第1の壁体731と、キャップ6が開放位置Oに位置する際にキャップ駆動突起71のノック棒51側に位置する第2の壁体732と、キャップ6が閉止位置Cに位置する際にキャップ駆動突起71のノック棒51側に位置する第3の壁体733とを一体に有する。
スライドフレーム4が収納位置Sから収納位置Sと使用位置Uとの中間まで移動する際には、キャップ駆動突起71が被駆動部73の第1の壁体731を押圧することによりキャップ6が駆動され、キャップ6の案内爪611が案内スリット311b内を移動することにより、キャップ6は閉止位置Cから閉止位置Cと開放位置Oとの中間まで移動する。それからさらにスライドフレーム4が収納位置Sと使用位置Uとの中間から使用位置Uまで移動する際には、被駆動部73とキャップ案内突条72とが互いに接触することによりキャップ6が駆動され、引き続きキャップ6の案内爪611が案内スリット311b内を移動することにより、キャップ6は閉止位置Cと開放位置Oとの中間から開放位置Oまで移動する。一方、スライドフレーム4が開放位置Oから収納位置Sに向けて移動する際には、キャップ開閉機構7は上述したものと逆方向に作動する。すなわち、スライドフレーム4が使用位置Uから収納位置Sと使用位置Uとの中間まで移動する際には、被駆動部73とキャップ案内突条72とが互いに接触することによりキャップ6が駆動され、キャップ6の案内爪611が案内スリット内を移動することにより、キャップ6は閉止位置Cと開放位置Oとの中間まで移動する。その後、キャップ駆動突起71が被駆動部73の第2の壁体732及び第3の壁体733を順次押圧することによりキャップ6が駆動され、引き続きキャップ6の案内爪611が案内スリット311b内を移動することにより、キャップ6は閉止位置Cまで移動する。
さらに本実施形態では、キャップ6を前記開放位置Oに保持するキャップ保持部74を備えている。このキャップ保持部74は、キャップ6の案内爪611の長手方向一端部に設けた保持突起741と、スライドフレーム4の裏面に設けてなり保持突起741と係り合う保持凹部742とが係り合うことにより機能する。
しかして、再度リフィル2に目を転じると、リフィル2は、転写具本体1のスライドフレーム4に支持させた状態で、スライドフレーム4と一体的に転写ヘッド22が外部に露出する使用位置Uと転写ヘッド22が転写具本体1内に収納させる収納位置Sとの間で移動可能である。また、このリフィル2は、非使用時に前記繰出リール22の回転を阻止する空転防止機構25を備えている。
リフィルフレーム24は、繰出リール21を軸支する繰出リール支持部241と、巻取リール23を軸支する巻取リール支持部242と、巻取リール23に設けたラチェット歯23aに係り合わせてなり巻取リール23の逆転を防止するためのラチェット爪243と、繰出リール21に設けた係止歯21aに係り合わせてなる係止爪244xを先端に設けた係止アーム244とを有する。また、このリフィルフレーム24の転写ヘッド22側の端部には、内部に長孔245aを有する係合受部245を設けている。係合受部245は、リフィル2をスライドフレーム4に取り付けた状態で、スライドフレーム4に設けた係合ピン412を係合受部245内部の長孔245aに収納してなり、これら係合受部245と係合ピン412とにより、リフィルフレーム24をスライドフレーム4に移動可能に支持する可動係合部Kを形成している。
繰出リール21には、上述した繰出リール支持部241に対して転写テープが引き出された際に、クラッチ44から回転力の伝達を受けるための噛合穴211を中心部に設けている。また、上述したように、繰出リール21のリフィルフレーム24側に向かう面には、リフィルフレーム24の係止爪244xに係り合う係止歯21aを設けている。また、本実施形態では、輸送中や保管中等、長期間使用しない状態で転写物が露出する部位を少なくすべく、転写テープの転写物を内面すなわちこの繰出リール21の中心に向かう側の面に保持させた状態で繰出リール21に巻き回している。そして、この操出リール21の転写対称面と反対側の部位から繰り出された転写テープは、巻取リール23の転写対称面に向かう部位にガイドされ、転写ヘッド22に導かれる。
巻取リール23は、当該巻取リール23の主体をなし巻取リール支持部242に支持される巻取リール本体231と、巻取リール本体231のリフィルフレーム24側に設けてなりリフィルフレーム24のラチェット爪243に係り合うラチェット歯23aと、巻取リール本体231のスライドフレーム4と対向する側に設けてなりスライドフレーム4の第2の中間ギア46に対して噛み合い得る巻取ギア232とを有している。巻取ギア232は、リフィル2交換時に第2の中間ギア46に簡便に噛み合わせることができるよう、傘歯車状のものとなっている。また、本実施形態では、この巻取リール23は、前記繰出リール21と比較して、転写ヘッド22に近い側に配している。
空転防止機構25は、リフィルフレーム24の係止アーム244の先端に設けた係止爪244xと、繰出リール21に設けた係止歯21aとを係り合わせることにより、リフィルフレーム24の回転を阻止する。より具体的には、係止アーム244は、リフィルフレーム24の長手方向に伸びるアーム本体244aと、アーム本体244aの中間部からリフィルフレーム24の両側縁に向けて伸びる軸部244bと、軸部244bからリフィルフレーム24の両側縁に向かいつつ転写ヘッド22に向かう方向に伸びる弾性支持部244cとを有する。アーム本体244aは、中間部に設定した支点244zを中心にシーソー運動可能である。この支点244zは、スライドフレーム4のノック棒51側の端縁からリフィルフレーム24側に突出させて設けたアーム支持部413に衝き当たる箇所である。また、アーム本体244aのノック棒51側の端部には、リフィル2の移動に伴い第2のケース部材32に設けた係止解除突起321bに衝き当たる突起244yを設けている。この突起244yが係止解除突起321bに衝き当たると、アーム本体244aは支点244zを軸に回転移動し、係止爪244xが係止歯21aから離間する。なお、係止アーム244の突起244yが係止解除突起321bに衝き当たった状態では、係止アーム244には、係止爪244xと係止歯21aとを係り合わせる方向への弾性力が蓄積される。そして、リフィルフレーム24のアーム本体244aの周囲の部位には、このアーム本体244aをリフィルフレーム24の厚さ方向に移動可能にすべく切欠き部24xを設けている。
さらに、リフィル2と第2のケース部材32との間には、空転防止機構25によるリフィル2の回転阻止状態を解除するための解除機構を設けている。解除機構は、係止アーム244に設けた前記突起244yと、第2のケース部材32に設けた前記係止解除突起321bを利用して構成している。この解除機構は、転写具Tの使用時において、以下のようにして機能する。
転写具Tの使用時には、ノック機構5が作動することにより、スライドフレーム4及びこのスライドフレーム4に支持させたリフィルフレーム24が収納位置Sから使用位置Uに向けて移動する。その際、リフィルフレーム24が使用位置Uまで移動すると、係止アーム244の突起244yが第2のケース部材32の係止解除突起321bに衝き当たり、アーム本体244aが支点244zを軸として回転移動し、係止アーム244の先端部の係止爪244xが繰出リール21の係止歯21aと離間する。結果、繰出リール21が回転可能になる。
逆に、転写具Tの非使用時には、ノック機構5が作動することにより、スライドフレーム4及びこのスライドフレーム4に支持させたリフィルフレーム24が使用位置Uから収納位置Sに向けて移動する。その際、リフィルフレーム24が使用位置Uから移動すると、係止アーム244の突起244yが第2のケース部材32の係止解除突起321bに衝き当たった状態が解除される。その際、アーム本体244aが弾性力により支点244zを軸として回転移動し、この係止アーム244の先端部の係止爪244xが繰出リール21の係止歯21aと係り合う。結果、繰出リール21の回転が再び規制される。
以降、本発明の第二の部材に該当する繰出ギア43(CL2)と第一の部材に該当するクラッチ44(CL1)とがなす滑り機構8、すなわちクラッチ機構CLについて、図28、図13ないし図17を用いて詳述する。転写具Tの使用に際し、使用者が転写具本体1を把持し、転写ヘッド22及び転写テープを転写対象面に押し付けながら転写具本体1を移動させると、転写ヘッド22に巻き掛けた転写テープが転写対象面に引き摺られ、転写テープが繰出リール21から引き出される。転写テープから繰出リール21に与えられる回転駆動力は、繰出リール21と一体的に回転するクラッチ44(CL1)に伝わり、さらにクラッチ44(CL1)から繰出ギア43(CL2)に伝わる。動力伝達装置9を構成する繰出ギア43(CL2)、第1の中間ギア45及び第2の中間ギア46は、この回転駆動力を巻取ギア232に伝達する。巻取ギア232は巻取リール23に一体成形されており、巻取ギア232を介して回転駆動される巻取リール23は転写物を転写済みのテープを巻き取る。
繰出リール21に巻かれているテープの残量が減少し、同時に巻取リール23に巻き取られるテープの量が増加すると、繰出リール21の実質的な巻径が小さくなり、巻取リール23の実質的な巻径が大きくなる。繰出ギア43(CL2)と巻取ギア232との増速比(または、減速比)は一定であるので、そのままだと巻取リール23へのテープの巻き取り速度が上がり、テープの張力が増大する。
このような張力の増大を防止するため、クラッチ44(CL1)を繰出ギア43(CL2)に対して摩擦を伴いつつ滑らせることで両者の回転数に差を生じさせ、繰出リール21のテープ繰り出し速度と巻取リール23のテープ巻き取り速度とを合致させるクラッチ機構CLを設けているのである。クラッチ機構CLにおける滑りの度合い、換言すればクラッチ44(CL1)と繰出ギア43(CL2)との回転数差は、転写テープが未使用であるときには0であるか小さく、転写テープが使用されその残量が減るにつれて大きくなる。図13ないし図15に示すように、繰出ギア43(CL2)は、外周に第1の中間ギア45に噛み合う外歯を形成した外歯部431と、中心部位にあって軸心方向に伸長したボス軸部432と、外歯部431とボス軸部432とを隔てる軸心方向に開口した環状溝433とを有している。ボス軸部432は、概ね厚肉の円筒状であるが、先端側を複数箇所で切り欠いてあり、それら切り欠き432bすなわち本発明に係る切欠部CL21によって周方向に連続せず断裂している。加えて、その外周面に、周方向に沿って間欠的に複数の凸部432(CL20)を有している。各凸部432a(CL20)は、ボス軸部432の外周面から若干ながら膨出している。環状溝433には、周方向に沿って間欠的に複数の内向突片433aを設けてある。各内向突片433aは、環状溝433の開口幅を狭めるように環状溝433の内周面(径方向に対向した両壁面のうち外周側にあって内側を向く面)から径方向に沿って内方に延出しており、それぞれが径方向に沿って各凸部432a(CL20)と対向している。ここで当該凸部432aは、本発明に係る摩擦発生部CL20に該当するものである。
クラッチ44(CL1)は、基軸部441と、基軸部441の基端側に連接する嵌装部442とを有している。基軸部441は嵌装部442よりも小径かつ長尺な略円筒状をなし、嵌装部442は基軸部441よりも大径かつ短尺な略円筒状をなす。基軸部441、嵌装部442何れも、ボス軸部432と比較して薄肉であり、周方向に沿って断裂せずに一周連続している。嵌装部442は、軸心方向に対し直交する中空円板状の連続部443を介して基軸部441に連なる。嵌装部442の一部は、その他の部分よりも径方向に沿って外方に張り出したフランジ442aとなっている。このフランジ442aの終端縁に、フランジ442aの外周面から突出した外向突片442bを設けている。外向突片442bは、周方向に連続した略円環状をなす。基軸部441の外周面からは、複数本のリブ441aが径方向に沿って突出している。各リブ441aは、基軸部441及び連続部443に接合する。各リブ441aの外側端面は、基端側が嵌装部442の外周面と略面一に連続し、先端側がテーパ状となっている。
前記クラッチ44(CL1)は、その嵌装部442の内部にボス軸部432を挿入し、同時に嵌装部442のフランジ442aを環状溝433に挿入することによって繰出ギア43(CL2)に組み付ける。図16に示すように、クラッチ44(CL1)を繰出ギア43(CL2)に組み付けた状態では、嵌装部442の内周面すなわち周面CL10にボス軸部432の凸部432a(CL20)が密接する。並びに、嵌装部442の外周面、特にフランジ442aの外周面に、環状溝433の内向突片433aが近接または当接する。また、連続部443の基端側の面に、ボス軸部432の先端面が近接または当接する。さらに、外向突片442bが、内向突片433aよりも軸心方向に沿って内奥(ボス軸部432の基端側に向かう方、図17における上方)に位置付けられる。これら外向突片442bと内向突片433aとの係わり合いにより、嵌装部442から前記ボス軸部432が抜出するのを抑止、ひいてはクラッチ44(CL1)が繰出ギア43(CL2)から離脱するのを抑止する抜止構造が構築される。
このクラッチ機構CLでは、クラッチ44(CL1)の嵌装部442の内周面CL10と繰出ギア43(CL2)のボス軸部432の凸部432a(CL20)との摺動摩擦によりトルクを伝達する。切り欠き432bすなわち切欠部CL21を形成したボス軸部432は、その径を収縮させるように弾性変形することが可能であり、弾性変形の反発により凸部432a(CL20)を嵌装部442の内周面CL10に押圧して適切な大きさの摩擦トルクを発生させることができる。嵌装部442の外周面には、環状溝433の内周面から突出した内向突片433aが近接しており、この内向突片433aがボス軸部432に対する嵌装部442の径方向の相対変位を規制する。そのため、ボス軸部432が塑性変形してしまうほどに大きく変形させられることはなく、機構の耐久性能並びにボス軸部432の抜け止めを維持し得る。
これら繰出ギア43(CL2)及びクラッチ44(CL1)はともに、スライドフレーム4に一体成形された繰出軸42に軸支させる。即ち、図3に示しているように、繰出軸42を、繰出ギア43(CL2)側からボス軸部432及び基軸部441の内空に挿入することで、繰出ギア43(CL2)及びクラッチ44(CL1)をスライドフレーム4に回転可能に支持させる。その上で、リフィル2をスライドフレーム4に取り付けた暁には、クラッチ44(CL1)の基軸部441及び嵌装部442のフランジ442aを除いた部分が、繰出リール21の内部に収まる。クラッチ44(CL1)の基軸部441から突出したリブ441aは、繰出リール21内周の凹凸に掛かり、繰出リール21の回転とクラッチ44(CL1)の回転とを同期させる役割を担う。
ここで本実施形態に係る転写具Tは、図13に示すように、上述した構成のもと、巻取リールを支持している支軸部材たるクラッチ44を第一の部材CL1とし、繰出ギア43を本発明の第二の部材CL2として、これら第一の部CL1及び第二の部材CL2とによって、転写時に起こる繰出リール21と繰出ギア43との回転速度の差を許容するクラッチ機構CLを構成している。
図17は、図13ないし図15に示すクラッチ機構CLの構成を模式的に示したものである。クラッチ44すなわち第一の部材CL1は樹脂で一体成形されているため、成型された円筒形状は、厳密にみると、同図に示されるように短寸部分CL11と長寸部分CL12とが形成される楕円形状となっている。そして同図ではこの繰出ギア43すなわち第二の部材CL2に対し、第一の部材CL1が相対的に回転していく態様を示している。このように、摩擦発生部たる各凸部CL20は周面CL10すなわち嵌装部442の内周面CL10に対する当接度合いを異ならせながら相対的に回転している。また切り欠き432すなわち本発明の切欠部CL21は、本実施形態では隣り合う凸部CL20の中間に配されるように等角度間隔に3つ配置してある。
しかして本実施形態では周面に対し当接する摩擦発生部たる凸部CL20を、3つ設けている。具体的には、奇数個である3つの凸部CL20を、120°等角度間隔で均等に設けたものとしている。そうすることにより、同図に示すように、転写時に第一の部材CL1と第二の部材CL2とが相対的に回転した何れの角度をなした場合においても、上述の図28に示したような、隣り合う2つの凸部CL20を2組選ぶことができない態様となっている。すなわちこの場合、仮に、一方の組に属する隣り合う2つの凸部CL20を結ぶ線分aの垂直二等分線a1と、他方の組に属する隣り合う2つの凸部CL20を結ぶ線分の垂直二等分線とを形成しようとすれば2つの凸部CL20を重複して選ばなければならないが、そうなると、2つの二等分線は、自ずと異なって形成されるものとなる。そして勿論凸部CL20は3つ設けられているので、上記図28に示したような仮想の配置d、すなわち円筒形状に対し隣り合う2つの凸部CL20を当該円筒の中心cから平面視点対称に配置した仮想の配置dを形成することもない。
以上のような構成とすることにより、本実施形態で示したクラッチ機構CLは、第1の部材CL1と第2の部材CL2とが相対的に回転する何れの回転ステージにおいても、所要の摩擦をもってスムーズに動作し得るものとなっている。そうすることにより、滞りなくスムーズで、且つ正確な転写動作を確実に実現し得るものとなっている。
そしてさらに精密に摩擦強さを調節し得るものとするため本実施形態では、第二の部材CL2が、摩擦発生部たる凸部CL20間を周方向に切り欠いた切欠部CL21をさらに有しているので、切欠部CL21の位置で第二の部材CL2が適宜弾性変形をし得る構成となり、クラッチ機構CLの所要の摩擦強さを実現している。
また本実施形態ではクラッチ機構CLは繰出リール21側に設けることにより既存の他の転写具Tからの軽微な形状の改良により、上記の効果を容易に奏するものとなっている。
そして本実施形態斯かる転写具Tは粘着剤を転写するものとしている。すなわち一般に修正剤を転写するよりも大きな作用力を所望する粘着剤を転写するものにおいても当該クラッチ機構CLによるスムーズな転写動作を実現している。
<変形例>
以下に、本実施形態の各変形例について説明するが、上記実施形態と同じ構成要素に対しては同じ符号を付すとともに、その詳細な説明を省略している。
また、本発明に係るクラッチ機構における摩擦発生部たる凸部CL20の配置は、上記実施形態のような3つ等角度間隔で均等に設けたものに限られず、図18に示すように、72°等角度間隔で5つの凸部CL20を均等に配置したものであってもよい。勿論、図19に示すように40°等角度間隔で9つの凸部CL20を均等に配置したものであっても良い。
このようなものであっても、上述の図28に示したような、一方の組に属する隣り合う2つの凸部CL20を結ぶ線分aの垂直二等分線a1と、他方の組に属する隣り合う2つの凸部CL20を結ぶ線分bの垂直二等分線b1とが異なる配置となるように全ての凸部CL20が配置されたものとなっている。勿論上記図28に示したような仮想の配置d、すなわち円筒形状に対し隣り合う2つの凸部CL20を当該円筒の中心cから平面視点対称に配置した仮想の配置dを形成することもない。
また、図20に示すように、第一の部材CL1の周面CL10の周方向に沿って30°間隔で3つ等角度で凸部CL20を配置することにより摩擦発生部ブロックCL22を形成するとともに、当該摩擦発生部ブロックCL22を120°間隔で3組等角度で配置したものとしてもよい。
このようなものであっても、上記同様に、上述の図28に示したような、一方の組に属する隣り合う2つの凸部CL20を結ぶ線分aの垂直二等分線a1と、他方の組に属する隣り合う2つの凸部CL20を結ぶ線分bの垂直二等分線b1とが異なる配置となるように全ての凸部CL20が配置されたものとなっている。勿論上記図28に示したような仮想の配置、すなわち円筒形状に対し隣り合う2つの凸部CL20を当該円筒の中心cから平面視点対称に配置した仮想の配置dを形成することもない。
さらに同図に示す態様の場合は、摩擦発生部ブロックCL22間を周方向に切り欠いた切欠部CL21を設けることにより、所要の摩擦を獲得し得るものとなっている。
また例えば、ボス軸部432において凸部432a(CL20)を、図14等に示しているような小形なものとせず、図21で平面を、図22に外観として示すように、120°間隔で3つ等角度で配置しつつ、周方向に沿って拡張した形状に成形することもできる。例えば、凸部432a(CL20)を周方向に伸びた凸条としてもよい。このような態様とすることで、凸部432a(CL20)と嵌装部442の内周面とが接する面積が周方向に増大する。従って、嵌装部442の内周面が小形の凸部432a(CL20)に圧迫され、経年変化に伴い塑性変形して局所的に凹むおそれが低減する。
並びに、図23に示すように、周方向に伸びる凸条状の凸部432a(CL20)を、軸心方向に沿って遷移するように傾斜させていてもよい。さすれば、滑りが発生して支軸部材44が繰出ギア43に対し相対回転するときに、嵌装部442の内周面において凸部432a(CL20)に接する接触箇所が軸心方向に変位することとなる。そのため、嵌装部442の内周面の塑性変形または摩耗が一層抑制され、クラッチ機構CLの寿命が延びてより長期に亘る使用に耐え得るものとなる。
これらのような変形例の態様であっても、転写時に第一の部材CL1と第二の部材CL2とが相対的に回転した何れの角度をなした場合上述の図28に示したような、隣り合う2つの凸部CL20を2組選ぶことができない態様となっている。
以上、本発明の実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
まず上記実施形態並びに各変形例では、円周面が内向きの円周面である態様を開示したが、もちろん、第一の部材の円周面が外向きの円周面であり、前記摩擦発生部が当該円周面を外側から当接している態様としても上記実施形態並びに変形例同様の効果を得るものとなる。この場合には、隣り合う摩擦発生部を2組任意に選んだ場合に、どの摩擦発生部を選んでもこれら」4つの摩擦発生部が楕円状の円周面の長寸部分を挟まない構成となっているため、上記と同じ効果を奏することとなる。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
例えば、上記実施形態ではリフィル交換式の転写具を開示したが、勿論、使い切りタイプの転写具に本発明を適用したものであってもよい。また、本発明は、粘着剤を転写する転写具に限定されることはなく、修正剤を転写するタイプの転写具等、転写テープに塗布された転写物を転写する転写具であれば広く適用することができる。また転写具の他の内部構造や転写具の外形の具体的な態様は上記実施形態のものに限定されることはなく、既存のものを含め、種々の態様のものを適用することができる。
本発明は、粘着剤や修正テープ、顔料等の転写物を紙面その他の転写対象面に転写する転写具として利用することができる。
CL…クラッチ機構
CL1…第一の部材、支軸部材
CL10…周面
CL2…第二の部材
CL20…摩擦発生部(凸部)
CL21…切欠部
CL22…摩擦発生部ブロック
a、b…線分
a1、b1…垂直二等分線
c…中心
d…仮想の配置

Claims (13)

  1. 転写テープを巻回保持するリールと、当該リールに対して同軸に回転し得るギアとの間に設けられ、前記リールと前記ギアとの回転量の差を許容するためのクラッチ機構を具備している転写具であって、
    前記リール又は前記ギアの何れか一方とともに一体的に回転し、樹脂の一体成形により設けられた円筒形状の周面を有する第一の部材と、
    他方とともに一体的に回転するとともに前記第一の部材に嵌合し、前記周面に対し当接する4つ以上の摩擦発生部を有する第二の部材とを有し、
    前記摩擦発生部のうち、周方向に沿って隣り合う2つの摩擦発生部を2組任意に選び出した場合において、一方の組に属する隣り合う2つの摩擦発生部を結ぶ線分の垂直二等分線と、他方の組に属する隣り合う2つの摩擦発生部を結ぶ線分の垂直二等分線とが異なって形成されるように全ての摩擦発生部を配置していることを特徴とする転写具。
  2. 転写テープを巻回保持するリールと、当該リールに対して同軸に回転し得るギアとの間に設けられ、前記リールと前記ギアとの回転量の差を許容するためのクラッチ機構を具備している転写具であって、
    前記リール又は前記ギアの何れか一方とともに一体的に回転し、樹脂の一体成形により設けられた円筒形状の周面を有する第一の部材と、
    他方とともに一体的に回転するとともに前記第一の部材に嵌合し、前記周面に対し当接する4つ以上の摩擦発生部を有する第二の部材とを有し、
    周方向に沿って隣り合う2つの摩擦発生部を2組任意に選び出した場合において、前記円筒形状に対し隣り合う2つの摩擦発生部を当該円筒の中心から平面視点対称に配置した仮想の配置とは異なる配置となるように、全ての摩擦発生部を位置付けていることを特徴とする転写具。
  3. 前記第一の部材の周面の周方向に沿って30°間隔で3つ等角度で摩擦発生部ブロックを形成するとともに、当該摩擦発生部ブロックを120°間隔で3つ等角度で配置している請求項1又は2記載の転写具。
  4. 前記第二の部材が、前記摩擦発生部ブロック間を周方向に切り欠いた切欠部をさらに有している請求項3記載の転写具。
  5. 転写テープを巻回保持するリールと、当該リールに対して同軸に回転し得るギアとの間に設けられ、前記リールと前記ギアとの回転量の差を許容するためのクラッチ機構を具備している転写具であって、
    前記リール又は前記ギアの何れか一方とともに一体的に回転し、樹脂の一体成形により設けられた円筒形状の周面を有する第一の部材と、
    他方とともに一体的に回転するとともに前記第一の部材に嵌合し、前記周面に対し当接する3つの摩擦発生部を有する第二の部材とを有していることを特徴とする転写具。
  6. 転写テープを巻回保持するリールと、当該リールに対して同軸に回転し得るギアとの間に設けられ、前記リールと前記ギアとの回転量の差を許容するためのクラッチ機構を具備している転写具であって、
    前記リール又は前記ギアの何れか一方とともに一体的に回転し、樹脂の一体成形により設けられた円筒形状の周面を有する第一の部材と、
    他方とともに一体的に回転し、前記周面に当接する複数の摩擦発生部を有する第二の部材とを有し、
    前記複数の摩擦発生部を、周方向に沿って間欠的に奇数個等角度間隔で設けたことを特徴とする転写具。
  7. 前記摩擦発生部を、120°間隔で3つ設けている請求項6記載の転写具。
  8. 前記リールを、前記転写テープの転写動作による移動にともなって回転する繰出リールとするとともに、前記ギアを前記繰出リールの回転に伴って回転する繰出ギアとし、
    前記クラッチ機構を前記繰出リールと前記繰出ギアとの間に設けている請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の転写具。
  9. 前記第二の部材が前記ギアであり、前記第一の部材が前記リールを支持する支軸部材である請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の転写具。
  10. 前記第二の部材が、前記摩擦発生部間を周方向に切り欠いた切欠部をさらに有している請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の転写具。
  11. 前記第一の部材の円周面が内向きの円周面であり、前記摩擦発生部が当該円周面を内側から当接している請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の転写具。
  12. 前記第一の部材の円周面が外向きの円周面であり、前記摩擦発生部が当該円周面を外側から当接している請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11記載の転写具。
  13. 前記リールが、粘着剤を保持した転写テープを巻回保持し得るものである請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12記載の転写具。
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