JP2011120960A - 粉砕機 - Google Patents

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Abstract

【課題】粉砕時間が長く被処理材料が長時間熱に晒されて製品の品質が低下する。
【解決手段】
粉砕機本機1に設けられるインペラ型攪拌機4のインペラ7は、シャフト10とシャフト10の回転中心軸線10Aに平行な平面に翼面32が配設されるように実質的にシャフト10に放散同形に取り付けられる複数の平板形の回転翼30とを有する。翼面32に複数のスリット38が設けられる。処理室5は被処理材料を粉砕する粉砕室40と所望の粒径の粒子を収容する回収室50とでなる。翼端34と粉砕室40の側面内壁面42との間にクリアランス5Aが形成される。側縁36と前面内壁面44との間に粒径が大きい粉体を回転中心軸線10Aの方向に流出させない所定の間隙5Bが形成される。粉砕室40と回収室50との間に段差が形成され、粒径が大きい粉体を回収室50に流入させない。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体原料である被処理材料と回転翼または粉砕室内壁面との衝突および粉体どうしの衝突による衝撃で被処理材料を粉砕するメディアレス粉砕機に関する。
攪拌機は、被処理材料を攪拌流動させる機械である。被処理材料を攪拌する動作をともなう機械を広義に攪拌機という。攪拌機は、目的によって、混合機、混練機、振盪機、粉砕機、分散機、乳化機に分類される。攪拌機は、被処理材料を単一工程処理する開放型のバッチ方式と被処理材料を連続攪拌処理する閉鎖型のインライン方式がある。
代表的攪拌機であるインペラ型攪拌機は、回転軸(シャフト)に複数の回転翼を設けた回転羽根(インペラ)によって被処理材料を攪拌させる構成である。インペラは、被処理材料を攪拌流動させるためのものである。インペラは、例えば、パドル形、プロペラ形、スクリュ形、軸流タービン形、放射タービン形、アンカ形、リボン形、ゲート形、螺旋形、鋸歯ブレード形、ロータ形、有翼ロータ形、平板形、フィン形があり、被処理材料の種類と撹拌の目的に対応して適する形状の回転翼を有するインペラが採用される。
粉砕は、固体原料である被処理材料を砕いて粒径を減少させるとともに単位体積当たりの表面積である比表面積を増加させる機械的単位操作である。粉砕のために被処理材料に加える外力として、圧縮、剪断、衝撃、摩擦がある。粉砕室で被処理材料を粉砕して得られた粉体を遠心力で分級し、所望の粒径より大きい粉体を戻し粉として粉砕室に戻すとともに所望の粒径に粉砕された粒子を回収する構成の粉砕機が広く知られている。
粉砕機には、粉砕媒体との衝突で被処理材料の粉砕を促進するメディアミル方式と粉砕媒体を用いずに被処理材料を粉砕するメディアレス方式がある。メディアレスである場合は、粉砕媒体が存在しないのでコンタミネーションが少ない。また、粉砕機には、被処理材料をそのまま取り扱う乾式粉砕機と被処理材料を液体に混入させて取り扱う湿式粉砕機がある。乾式粉砕機では、被処理材料が液体に混入することによって変質するおそれがない。また、微細粒子を液体から分離乾燥させて製品を得る処理が不要である点で有利である。
インペラ型攪拌機を備えた気流式粉砕機は、粉砕室内でインペラを高速回転させ、粉体をインペラの回転方向に対して反対方向に発生する気流に乗せて回転翼と衝突させ、または粉体を遠心力で粉砕室の側面内壁面の方向に吹き飛ばして放散させて粉砕室の側面内壁面と衝突させるとともに、粉体どうしを衝突させて微細化する。また、遠心力によって比較的質量の大きい粉体を回転翼の翼端と側面内壁面との間の微小なクリアランスに流入させて剪断して粉砕する。
気流式粉砕機は、被処理材料を細分化させ粒径が百μm以下のパウダーのような粉末製品を得る、いわゆる微粉砕に適している。年々要求される粒径が小さくなってきており、分級精度と分級効率の向上が望まれている。例えば、特許文献1ないし特許文献3に、気流式粉砕機が開示されいている。特許文献1ないし特許文献3に開示される粉砕機は、粉体に作用する遠心力のばらつきを小さくし、あるいは旋回気流を増大して、分級精度と分級効率を向上させている。
また、特許文献4に、改良されたインライン方式の気流式粉砕機が開示されている。特許文献4の発明は、分級空間を複数配設することによってより効果的に分級を行なうことができる。その結果、分級効率が向上して要求される分級精度に対する分級時間を短縮するとともに、再粉砕する戻し粉の量を減らすことで全体的な粉砕時間を短縮することができる。
特公平2−48304号公報 実公平6−28186号公報 特許第3107670号公報 国際公開2008−93839号公報
気流式粉砕機は、気中で粉砕するため、粉砕時に発生する摩擦発熱が抑制されにくい。また、固体原料が穀類または豆類のような食品材料である場合は、安全性を確保するためにメディアレス方式が望まれるので、粉砕に要する時間が長くなり、被処理材料が長時間熱に晒される。その結果、熱によって被処理材料が変質し、あるいは風味を失うため、要求される粉末製品の粒径が小さく分級精度が高くなるにしたがってしばしば品質の低下が問題にされる。粉砕室の周囲に冷却水を供給して粉砕室内の温度の上昇を抑制するようにされているが、被処理材料を直接冷却するわけではないから、品質を保持するためには十分ではない。
インペラの回転で発生する撹拌旋回流では強い遠心力が得られず、粉体の放散が不十分である。粉砕時間を短縮するためにインペラをより高速に回転させて粉体の衝突を激しくしようとすると、回転翼が損傷しやすくなってインペラの寿命が短くなったり、食品では許容できない粉砕機の構成部材によるコンタミネーションが発生するおそれがある。また、発熱量が一層増大して粉砕室内が高温になるため、かえって被処理材料に及ぼす熱の影響が大きくなる。そのため、インペラの回転速度には限界がある。
また、被処理材料の放散が十分ではないため、分級空間における分級だけでは得られる粒子の粒度分布が比較的緩やかである。そのため、より高い分級精度で微粉砕することが要求される場合、分級空間を大きくして粉砕が不十分な粉体を分級空間に確実に留めておく必要がある。その結果、分級空間に滞留する粉体の中にすでに所望の粒径になるまで微細化されている粒子が多く含まれる。分級空間に滞留する粉体は、粉砕室に戻されて再粉砕されるので、粉砕時間を短縮することが困難になる。
複数の分級空間を設けることによって分級精度と分級効率を向上させることができるが、複数の分級空間で段階的に分級するため、分級空間全体で長時間留められる粉体の割合が大きい。また、粉砕が十分ではない粉体を粉砕室に戻して再度粉砕を行なうようにする必要があるから、回収されない粉体は処理室の中を浮遊し続けざるを得ない。そのため、長時間熱に晒される粉体の割合は依然として大きく、製品の品質が確保できない。
本発明は、上記課題に鑑みて、より効率よく被処理材料を粉砕し所望の粒径の粒子を得る粉砕時間を短縮することができる粉砕機を提供することを主たる目的とする。また、分級精度を低下させることなく、粉体を可能な限り少ない分級回数で効率よく分級してより短時間で所望の粒径の粒子を均質に得る粉砕機を提供することを目的とする。
本発明の粉砕機は、上記課題を解決するために、シャフト(10)とシャフト(10)の回転中心軸線(10A)に平行な平面に翼面(32)が配設されるようにシャフト(10)に放散同形に取り付けられ翼面(32)にカルマン渦を発生させる複数のスリット(38)が設けられた複数の平板形の回転翼(30)とを有するインペラ(7)を含んでなる。ただし、符号は、説明の便宜上、図面に対応させて付したものであり、本発明を図面に示される実施の形態に限定するものではない。
本発明の粉砕機は、具体的には、上記回転翼を有するインペラを備え、内径がシャフト(10)の回転中心軸線(10A)から回転翼(30)の翼端(34)までの距離の2倍よりも長く翼端(34)と側面内壁面(42)との間で被処理材料を剪断させる作用を有する所定のクリアランス(5A)を形成する大きさであって回転翼(30)の側縁(36)と前面内壁面(44)との間に所望の粒径よりも大きい粉体を可能な限り回転中心軸線(10A)の方向に流出させない十分に小さい所定の間隙(5B)が形成されるようにインペラ(7)を収容してインペラ(7)の回転で被処理材料を所望の粒径の粒子に連続的に粉砕する円筒形の粉砕室(40)と、内径が粉砕室(40)の内径よりも小さく粉砕室(40)の前面に開口するように粉砕室(40)に一体的に設けられ粉砕室(40)との間に内周に沿って環状の段差を形成し所望の粒径の粒子を収容する回収室(50)と、を含んでなる。
本発明の粉砕機は、シャフトの回転中心軸線に平行な平面に回転翼の翼面が配設されてインペラの回転方向に翼面が直面するとともに翼面にカルマン渦を発生させる複数のスリットが設けられているので、発生した気流が翼面を障害としてスリットを通過するときに気流の後方に連続的にカルマン渦が発生し、粉体どうしの衝突が増発する。そのため、気中粉砕であっても効果的に粉体が微細化される。その結果、被処理材料をより短時間にメジアン粒径が百μm以下の微小な所望の粒径の粒子に粉砕することができ、被処理材料が熱に晒される時間を短縮して被処理材料の変質が抑えられ、製品の品質が低下するおそれが小さい。
そして、インペラの回転方向に平板形の回転翼の翼面が直面しているので、これまで以上にインペラの回転方向に対して反対方向に強い気流と遠心力が発生する。遠心力によって質量の大きい粉体ほど粉砕室の側面内壁面の方向に吹き飛ばされ、質量の大きい粉体が積極的に翼端と側面内壁面との間のクリアランスに送られて粉砕が促進される。また、質量の大きい粉体ほど粉砕室と回収室との間に形成される段差における粉砕室の前面内壁面に衝突して堰き止められる。質量が比較的小さい粒子は、粉砕室の側面内壁面まで到達せずに徐々にシャフトの回転中心軸線の方向に近付くようになる。
粉体が受ける遠心力の大きさは粉体の移動速度に比例するので、遠心力を調整することで所望の粒径まで粉砕された粒子が粉砕室の前面内壁面に堰き止められなくなる。そのため、インペラの回転数を決定するだけでより高い割合で所望の粒径以下の粉砕粒子だけが回収室に流入するようになって、操作が容易で回収される粒子の粒度分布が鋭く分級精度に優れる。また、強い気流によって粉体どうしの衝突の衝撃が大きく、粉砕能力に優れる。その結果、均質で良質の製品をより短時間で得ることができる。
また、各回転翼の側縁と前面内壁面との間に所望の粒径よりも大きい粉体を可能な限り回転中心軸線の方向に流出させない十分に小さい所定の間隙が形成されているので、粉砕が不十分な粉体が間隙に引っ掛かって粉砕室を脱出しにくくなる。そのため、粉砕室と回収室だけで回収される粒子の粒度分布が鋭い必要十分な分級精度が得られ、粉砕が不十分な粉体を戻し粉として再粉砕を行なう必要がなく、分級機または多数の分級室および戻し経路が不要になる。その結果、分級時間と粉砕時間をより短縮して、均質で良質の製品が得られるとともに、粉砕機の構成をより簡単でコンパクトにすることができる。
本発明の粉砕機の全体構成を示す模式図である。 本発明の粉砕機のインペラを示す斜視図である。 回転翼を示す斜視図である。 回転翼の側縁と粉砕室の前面内壁面との間隙の大きさと回収される粒子の粒径との関係を示す粒度分布図である。
図1に本発明の好ましい実施の形態の粉砕機が模式的に示される。したがって、図1に示される各装置の大きさと配置の相対関係は、実機のとおりではない。また、図1は、処理室を断面で示す。なお、図1では、本発明に関係しない粉砕機に一般的に備えられている付属装置および各部材は、図示省略されている。図2は、図1に示される粉砕機のインペラを示す。ただし、回転翼に設けられるスリットは、図示省略されている。図3は、図2に示されるインペラが有する複数の回転翼の1枚を示す。
粉砕機は、固体原料である被処理材料の粉体を所望の粒径の固体粒子に連続的に粉砕する粉砕機本機1と、所望の粒径に粉砕された粒子を粉砕機本機1から排出させる吸引装置2と、粉砕機本機1と吸引装置2との間に設けられ、粉砕機本機1から送られてくる粒子を回収する回収装置3と、を含んでなる。実施の形態における吸引装置2は、ブロアである。回収装置3は、フィルタ3Aと回収容器3Bとでなる。回収装置3は、粒子をフィルタ3Aで収集して回収容器3Bに収容する。実施の形態におけるフィルタ3Aは、サイクロンフィルタである。
粉砕機本機1は、インペラ型攪拌機4を備える。粉砕機本機1のインペラ型攪拌機4が設置される側を粉砕機本機1の後面側とする。粉砕機本機1は、インペラ型攪拌機4と、被処理材料を導入して粉砕し所望の粒径の粒子を回収する処理室を形成する密閉されたケーシング5と、処理室に被処理材料を供給するホッパ6と、を含んでなる。
インペラ型攪拌機4は、平板形のインペラ7とインペラ7を回転駆動するモータ8とでなる。インペラ7は、回転軸であるシャフト10と、シャフト10に嵌装されるボス20と、シャフト10の回転中心軸線10Aに平行な平面に翼面32が配設されるようにボス20を介在させて実質的にシャフト10に取り付けられる複数の平板形の回転翼30と、有する。平板形は、具体的に、図2および図3に示されるように、回転翼30の取付部位から翼端34までの翼長lに対して翼幅hが短く、翼幅hに対して板厚tが小さく薄い短冊態様の形状を示す。回転翼30は、十分な空気抵抗が得られる面積を有する。
モータ8は、シャフト10を回転駆動する回転型電動機である。実施の形態の粉砕機におけるモータ8は、インダクションモータである。回転速度を制御するためにインバータ制御を行なうようにすることができる。モータ8は、シャフト10をダイレクトドライブで回転させるブラシレス直流モータのような別のタイプの電動機に置き換えることができる。
ケーシング5によって形成される処理室は、粉砕室40と回収室50とでなる。粉砕室40は、インペラ7の回転で被処理材料を所望の粒径の粒子に連続的に粉砕するチャンバである。そのため、粉砕室40は、インペラ7を収容できる大きさであることが要求される。粉砕室40に収容されるインペラ7の回転翼30の翼端34と粉砕室40の側面内壁面42との間に気流の流速差によって被処理材料を所望の粒径に剪断する作用を有する所定のクリアランス5Aが設けられる。サイズが比較的大きい粉体を効果的に粉砕するクリアランス5Aの存在は、所望の粒径が小さい微細粒子に粉砕する粉砕時間を短縮する点で重要である。
したがって、粉砕室40は円筒形であり、粉砕室40の内径dbは、シャフト10の回転中心軸線10Aから回転翼30の翼端34までの距離の2倍よりも長く、翼端34と側面内壁面42との間で被処理材料を剪断させる作用を有する所定のクリアランス5Aを形成する大きさにされる。回転中心軸線10Aから翼端34までの距離は、ボス20の円柱断面半径rと回転翼30の翼長lの和であるので、クリアランス5Aの大きさをcとするとき、粉砕室40の理想的な内径dbは、数1で表わされる。
Figure 2011120960
望ましいクリアランス5Aの大きさは、ホッパ6に投入される被処理材料の粉体の大きさと製品によって異なる所望の粒径とに依存するため、特定されるわけではない。したがって、例えば、インペラ7の能力から予め特定できる分級可能な粒径のレンジから分級可能な最大粒径を基準にしてクリアランス5Aの大きさを決定するとよい。
回収室50は、内径dcが粉砕室40の内径dbよりも小さい円筒形である。回収室50は、粉砕室40の前面に開口するように粉砕室40と同軸に粉砕室40に一体的に設けられる。そのため、粉砕室40と回収室50との間に内周に沿って環状の段差が形成される。環状の段差によって、粉砕室40の前面側に回収室50と連通するシャフト10の回転中心軸線10Aを中心とする円形の開口が形成されるとともに環状の前面内壁面44が形成される。
質量の大きい粉体ほど遠心力によって粉砕室40の側面内壁面42の方向に飛ばされる。そのため、質量が所定の質量よりも大きい粉体は、粉砕室40に開口する回収室30に移動しようとしても、段差で形成される粉砕室40の環状の前面内壁面44に衝突して堰き止められ、粉砕室40から流出しにくい。一方、粉砕されて質量が所定の質量以下に小さくなった所望の粒径の粒子は、ブロア2の吸引力によって粉砕室40の前面の開口から回収室50に流入する。その結果、回収室50は、所望の粒径の粒子を連続的に収容することができる。
粉砕室40は、回転翼30の側縁36と前面内壁面44との間に所望の粒径よりも大きい粉体を可能な限りシャフト10の回転中心軸線10Aの方向に流出させない十分に小さい所定の間隙5Bが形成されるようにインペラ7を収容するようにされる。粉砕が不十分で所望の粒径まで粉砕されていない粉体は、間隙5Bに引っ掛かって粉砕室40の側面内壁面42の方向に戻されるから、粉砕室40を脱出しにくくなる。言い換えれば、間隙5Bは、粉砕が不十分な粉体の障害となって粉砕室40から粉体の回転中心軸線10A方向への流出を阻止する作用ないしは側面内壁面42の方向に戻す作用を生じる大きさを有する。
所定の間隙5Bは、可能な限り小さくされるものであり、粉砕が不十分な粉体が粉砕室40から全く流出しないということではない。したがって、間隙5Bが十分に小さいということは、確率的に粉砕が不十分な粉体が所望の粒径まで微細化された粒子の中に含まれる割合が製品の均質さを満足させる程度に少ないということである。そのため、間隙5Bは、粉砕が不十分な粉体が回収室50に流出する割合を少なくし分級精度を低下させることがない点で極めて有効である。
粉砕室40の所定の間隙5Bを含む粉砕室40の前面内壁面44側の空間が小さいので、回収室50に流出することが阻止された粉体が空間に滞留したまま残されることがなく、回転翼30に衝突し、または回転翼30に設けられるスリット38を通過し、あるいはクリアランス5Aに流入する。そのため、粉砕が不十分な粉体を戻し粉として再度粉砕室40に供給することが要求されず、分級室と戻し経路が実質的に不要であるから、粉砕時間を短縮するとともに粉砕機の構成を簡単にする点でも有利である。
図4に、所定の間隙5Bの大きさと固体原料が米の場合の粒度分布との関係が示される。図4は、翼長が150mmで翼幅が50mmの回転翼30を8枚備えるインペラ7を回転数6200min−1(翼端周速130m/sec)で回転移動させたときの粒度分布を示し、図4(A)は所定の間隙5Bが50mmの場合であり、図4(B)は所定の間隙5Bが10mmの場合である。
図4の実験結果から、具体的に、インペラ7の回転数が3000min−1〜6500min−1の範囲内で所定の間隙5Bを所望の粒径に対して約500倍〜1200倍程度以下に十分に小さくすることによって所望の粒径まで粉砕されない粉体だけが可能な限り回収室50に流出されにくく粉砕室40に留まるようにされる。その結果、極めて微小な所望の粒子がより鋭い粒度分布で得ることができ、均質な製品を得ることができる。
未粉砕の被処理材料の粉体は、ホッパ6に投入され、導入管46から導入口48を通って粉砕室40に導入される。実施の形態の粉砕機で粉砕される固体原料は、食品材料であり、固体原料が大きいときは、ホッパ6に投入される被処理材料が一次粉砕で小さくされていることがある。粉砕中はブロア2が駆動され、粉砕室40と回収室50に存在する所望の粒径の粒子には、ブロア2による吸引力が作用して回収室50の排出口52から排出管54を通ってサイクロンフィルタ3Aに送られる。
インペラ7の複数の回転翼30は、シャフト10の回転中心軸線10Aに平行な平面に翼面32が配設されるようにボス20に回転中心軸線10Aを中心として放散同形に取付固定される。回転中心軸線Aを中心として放散同形に取り付けられるということは、図2に示されるように、回転中心軸線10A廻りに隣接する回転翼30どうしが同一間隔で3方向以上に向かって放射状に広がるように取り付けられるということである。実施の形態のインペラ7では、回転中心軸線10A廻りに隣接する回転翼30どうしのなす角度θが45度であるように8枚の回転翼30が設けられている。
複数の回転翼30がインペラ7の回転方向に対して翼面32が直面するように配置されるので、インペラ7が回転するとき、インペラの回転方向と反対方向にこれまで以上に強い気流が発生するとともに粉体に回転中心軸線10Aを中心に強い遠心力fが作用する。回転翼30の翼長がl(m)であるときの速度v(m/sec)で移動する質量m(kg)の粒子に作用する遠心力fは、数2で表わされる。
Figure 2011120960
したがって、図2に示されるように、質量mが大きい粉体ほど遠心力fが大きく作用して回転中心軸線10Aから外側により遠くに吹き飛ばされ、質量mが小さい粉体は、回転中心軸線10Aにより近い位置に留められる。個々の粉体の移動速度vは、気流の速度と質量によってばらつきがあるが、おおよそインペラ7の回転速度で置き換えられる。このことから、インペラ7の回転速度が高いほど遠心力fが大きくなるとみなせる。
そのため、インペラ7の回転数を変化させて遠心力fを調整することだけで回収する粒子の粒径を決定できる。実施の形態に具体的に示される粉砕機は、具体的に、インペラ7の回転数をインペラが破損しない実効性のある適正範囲3000min−1〜7000min−1で変化させて遠心力を調整し、メジアン径で10μm程度までの微細粒子を満足できる鋭い粒度分布で得られている。
複数の回転翼30は、図3に示されるように、翼面32にカルマン渦を発生させる複数のスリット38が設けられている。インペラ7の回転で回転方向と反対の方向に発生した気流が翼面32を障害としてスリット38を通過するときに気流の後方に連続的にカルマン渦が発生する。カルマン渦によって粉体どうしが衝突して粉体が微細化される。流速をu(cm/sec)、スリットの柱径をx(cm)としたときの1秒間に発生するカルマン渦の数nは、数3で表わされる。
Figure 2011120960
したがって、インペラ7の回転速度が速いほど気流の流速uが速くなるとすると、インペラ7の回転数を高くするほどカルマン渦が増大して粉体どうしの衝突が促進し、粉砕時間が短縮する。スリット38の数が多いほどカルマン渦を増発させることができるが、強い気流を得るためと被処理材料と回転翼30との衝突による衝撃での粉砕を促すために回転翼30を十分な空気抵抗が得られる面積を有する平板形としているので、スリット38の数が多くなりすぎてかえって粉砕効率が低下することがない範囲で可能な限り多くのスリット38を設けることが適当である。
図4Bに示される翼長が150mmで翼幅が50mmの回転翼30に複数のスリット38を設けて8枚の回転翼30を有するインペラ7を有する実施の形態で示される粉砕機の場合、回転数6200min−1(翼端周速130m/sec)で回転させて米を粉砕するとき、十分に満足のいく粒度分布でメジアン径14.5μmのパウダー状の粉末製品6kgを1時間で得ることができ、風味を含めて品質が低下することがなかった。
以上に説明される実施の形態の粉砕機は、本発明における作用効果が十分に得られる範囲で変形と応用が可能である。インペラの回転数、回転翼の大きさ、回転翼に設けられるスリットの数、あるいは所定の間隙の具体的な値は、実験的に適切な値を求めることができる。
本発明の粉砕機は、食料品、化粧品、医薬品、化学品のような幅広い分野において粉末製品の製造ないしは試験研究で利用される。本発明の粉砕機は、粉砕時間を短縮させ、より均質で良質の製品が得られ、食料品、化粧品、医薬品、化学品の技術分野の発展に寄与する。
1 粉砕機本機
2 ブロア(吸引装置)
3 回収装置
3A サイクロンフィルタ
3B 回収容器
4 インペラ型攪拌機
5 ケーシング(処理室)
5A クリアランス
5B 所定の間隙
6 ホッパ
7 インペラ
8 モータ
10 シャフト
10A 回転中心軸線
20 ボス
30 回転翼
32 翼面
34 翼端
36 側縁
38 スリット
40 粉砕室
42 側面内壁面
44 前面内壁面
50 回収室

Claims (2)

  1. シャフトと前記シャフトの回転中心軸線に平行な平面に翼面が配設されるように前記シャフトに放散同形に取り付けられ前記翼面にカルマン渦を発生させる複数のスリットが設けられた複数の平板形の回転翼とを有するインペラを含んでなる粉砕機。
  2. 内径が前記シャフトの回転中心軸線から前記回転翼の翼端までの距離の2倍よりも長く前記翼端と側面内壁面との間で被処理材料を剪断させる作用を有する所定のクリアランスを形成する大きさであって前記回転翼の側縁と前面内壁面との間に所望の粒径よりも大きい粉体を可能な限り前記回転中心軸線の方向に流出させない十分に小さい所定の間隙が形成されるように前記インペラを収容して前記インペラの回転で前記被処理材料を前記所望の粒径の粒子に連続的に粉砕する円筒形の粉砕室と、内径が前記粉砕室の内径よりも小さく前記粉砕室の前面に開口するように前記粉砕室に一体的に設けられ前記粉砕室との間に内周に沿って環状の段差を形成し前記所望の粒径の粒子を収容する回収室と、を含んでなる請求項1に記載の粉砕機。
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