JP2011119090A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】低温環境でも安定に動作可能な信頼性の高い燃料電池システムを提供する。
【解決手段】本発明の燃料電池システムは、水との発熱反応により水素を発生する水素発生材料を用いて水素を発生させる水素発生装置と、水素発生装置で発生した水素を燃料として発電を行う燃料電池1と、発電停止中の燃料電池1に対しパルス通電を行い、発電停止中の燃料電池1が所定の温度以下にならないように燃料電池1を加熱するパルス加熱部とを備える。パルス加熱部は、燃料電池1の温度Tを測定する温度測定部8と、温度測定部8で測定した温度Tに基づいて、パルス通電時のパルス加熱持続時間、パルス加熱停止時間およびパルス加熱出力の少なくとも一つを制御するパルス加熱制御部9と、パルス加熱制御部9によりON/OFFを制御されるパルス加熱スイッチ10aとを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムに関し、詳しくは、水との反応により水素を発生する水素発生材料を用いた燃料電池システムに関する。
近年、パーソナルコンピュータ、携帯電話などのコードレス機器の普及に伴い、その電源である二次電池はますます小型化、高容量化が要望されている。現在、エネルギー密度が高く、小型軽量化が図れる二次電池としてリチウムイオン二次電池が実用化されており、ポータブル電源として需要が増大している。しかし、このリチウム二次電池は、一部のコードレス機器に対して十分な連続使用時間を保証することができない場合がある。
このような状況の中で、上記要望に応え得る電池の一例として、固体高分子型燃料電池が検討されている。電解質に固体高分子電解質、正極活物質に空気中の酸素、負極活物質に燃料(水素、メタノールなど)を用いる固体高分子型燃料電池は、リチウムイオン二次電池よりも高エネルギー密度化が期待できる電池として注目されている。燃料電池は、燃料及び酸素の供給さえ行えば、連続的に使用することが可能である。
このような燃料電池に用いる燃料に関しては、水素、メタノールなどが提案され、種々開発が行われているが、高出力が期待できる点で、水素を燃料とする燃料電池が注目されている。
燃料電池の燃料源となる水素を製造する技術としては、アルミニウム、マグネシウム及びそれらの合金よりなる群から選択される少なくとも1種の金属材料を含み、水との反応により水素を発生する水素発生材料を用いることで、低温で簡便に水素を発生させる方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
ところで、上記のような水素を燃料として用いる燃料電池を備えた燃料電池システムでは、システムの動作を停止させたとき、燃料電池の正極及び負極の電位が上昇し、触媒又は触媒支持体が酸化により腐食し、燃料電池の性能が劣化することがある。このような問題を回避する方法として、発電停止中の燃料電池を短絡させることを積極的に利用する技術が提案されている(例えば、特許文献2〜5)。
特開2006−306700号公報 特開2008−177162号公報 特開2008−71747号公報 特開2008−218217号公報 特開2009−16331号公報
ところで、燃料電池あるいは燃料電池システムを発電停止中に氷点下の低温環境で長時間放置すると、燃料電池を構成する固体高分子電解質膜の中に存在していた水が凍結し、固体高分子電解質膜のプロトン伝導性が低下する。そのため、燃料電池あるいは燃料電池システムの特性は低下し、ユーザが所望する電力を供給できない場合があった。しかし、上記特許文献2〜5には、燃料電池あるいは燃料電池システムを発電停止中に氷点下の低温環境に放置した場合の対策については何ら提案されていない。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、氷点下の低温環境においても安定に動作可能な信頼性の高い燃料電池システムを提供する。
本発明の燃料電池システムは、水との発熱反応により水素を発生する水素発生材料を用いて水素を発生させる水素発生装置と、上記水素発生装置で発生した水素を燃料として発電を行う燃料電池と、発電停止中の上記燃料電池に対しパルス通電を行い、発電停止中の上記燃料電池が所定の温度以下にならないように上記燃料電池を加熱するパルス加熱部とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、氷点下の低温環境においても安定に動作可能な信頼性の高い燃料電池システムを提供することができる。
本発明の実施形態1に係る燃料電池システムを示す概略構成図である。 本発明の実施形態1に係る燃料電池システムにおけるパルス通電の一例を模式的に示すタイミングチャート図である。 本発明の実施形態2に係る燃料電池システムを示す概略構成図である。 本発明の実施形態3に係る燃料電池システムを示す概略構成図である。 本発明の実施形態4に係る燃料電池システムを示す概略構成図である。 本発明の実施形態4に係る燃料電池システムにおけるパルス通電の一例を模式的に示すタイミングチャート図である。 本発明の実施形態5に係る燃料電池システムを示す概略構成図である。 本発明の実施形態6に係る燃料電池システムにおけるパルス通電の一例を模式的に示すタイミングチャート図である。 本発明の実施形態7に係る燃料電池システムにおけるパルス通電の一例を模式的に示すタイミングチャート図である。
本発明の燃料電池システムは、水との発熱反応により水素を発生する水素発生材料を用いて水素を発生させる水素発生装置と、上記水素発生装置で発生した水素を燃料として発電を行う燃料電池と、発電停止中の上記燃料電池に対しパルス通電を行い、発電停止中の上記燃料電池が所定の温度以下にならないように上記燃料電池を加熱するパルス加熱部とを備えることを特徴とする。これにより、氷点下の低温環境においても安定に動作可能な信頼性の高い燃料電池システムを実現できる。つまり、本発明の燃料電池システムを氷点下の低温環境に長時間放置しても、固体高分子電解質膜の中に存在している水が凍結せず、固体高分子電解質膜のプロトン伝導性の低下を回避できるため、ユーザが所望する電力を安定して供給可能な燃料電池システムを実現可能である。
上記パルス加熱部は、上記燃料電池の温度Tを測定する温度測定部と、上記温度測定部で測定した温度Tに基づいて、パルス通電時のパルス加熱持続時間、パルス加熱停止時間およびパルス加熱出力の少なくとも一つを制御するパルス加熱制御部と、上記パルス加熱制御部によりON/OFFを制御されるパルス加熱スイッチとを備える。これにより、例えば、氷点下の低温環境では、パルス通電による加熱量(以下、パルス加熱量ともいう。)を多く、室温以上の環境では、パルス加熱量を少なくするように制御できる。
上記パルス加熱制御部は、上記燃料電池の温度Tに対して閾値温度を1または2以上設定することで、多段階のパルス加熱制御を行うことができる。
例えば、上記閾値温度を1つ設定した場合は、2段階のパルス加熱制御を行うことができる。この場合、上記パルス加熱制御部は、上記温度測定部で測定した温度Tが、あらかじめ設定した閾値温度T_thに対して、T<T_thを満たす場合のパルス加熱持続時間をL_p1、パルス加熱停止時間をL_s1、パルス加熱出力をE_p1とし、T_th≦Tを満たす場合のパルス加熱持続時間をL_p2、パルス加熱停止時間をL_s2、パルス加熱出力をE_p2としたとき、下記式(1)
E_p1・L_p1/(L_p1+L_s1)>E_p2・L_p2/(L_p2+L_s2) ・・・(1)
の関係を満足する制御を行うことが好ましい。
ここで、パルス加熱停止時間L_sは、パルス加熱1周期からパルス加熱持続時間L_pを差し引いた数値である。パルス加熱出力E_pは、パルス通電時の全出力であり、パルス通電を行っているときの単位時間あたりに燃料電池システムに加わる全エネルギー量を意味する。このパルス加熱出力E_pは、後述するパルス加熱抵抗で発熱するパルス加熱出力だけでなく、燃料電池の内部抵抗によって燃料電池内で発熱するパルス加熱出力も加えた値を示す。そして、パルス加熱持続時間、パルス加熱停止時間、パルス加熱出力の各パラメータを上記式(1)の関係を満足するように決定することで、T<T_thにおけるパルス加熱1周期あたりの全エネルギー量を、T_th≦Tにおけるパルス加熱1周期あたりの全エネルギー量よりも大きくすることができるため、つまり、温度Tに応じてパルス加熱量を変化させることができるため、燃料電池システムの信頼性を向上できる。
より好ましくは、上記パルス加熱制御部は、上記式(1)の関係に加え、T_th≦Tを満たすときの上記パルス加熱持続時間L_p2と上記パルス加熱停止時間L_s2とが、下記式(2)
L_p2<L_s2 ・・・(2)
の関係を満足する制御を行うことが好ましい。パルス加熱停止時間L_p2をパルス加熱持続時間L_s2より短くすることにより、蓄熱に伴う暴走などを回避した安全なシステム構築が可能で、燃料電池システムの信頼性をより高めることができる。
さらに好ましくは、上記パルス加熱制御部は、上記式(1)または/及び上記式(2)の関係に加え、T<T_thを満たすときの上記パルス加熱持続時間L_p1と上記パルス加熱停止時間L_s1とが、下記式(3)
L_p1<L_s1 ・・・(3)
の関係を満足する制御を行うことが好ましい。パルス加熱持続時間L_p1をパルス加熱停止時間L_s1より短くすることにより、蓄熱に伴う暴走などを回避した安全なシステム構築が可能で、燃料電池システムの信頼性をさらに高めることができる。
また、上記閾値温度を2つ設定した場合は、3段階のパルス加熱制御を行うことができる。この場合、上記パルス加熱制御部は、上記温度測定部で測定した温度Tが、T_th1<T_th2を満足するあらかじめ設定した閾値温度T_th1およびT_th2に対して、T<T_th1を満たす場合のパルス加熱持続時間をL_p1、パルス加熱停止時間をL_s1、パルス加熱出力をE_p1とし、T_th1≦T<T_th2を満たす場合のパルス加熱持続時間をL_p2、パルス加熱停止時間をL_s2、パルス加熱出力をE_p2とし、T_th2≦Tを満たす場合のパルス加熱持続時間をL_p3、パルス加熱停止時間をL_s3、パルス加熱出力をE_p3としたとき、下記式(4)
E_p1・L_p1/(L_p1+L_s1)>E_p2・L_p2/(L_p2+L_s2)>E_p3・L_p3/(L_p3+L_s3) ・・・(4)
の関係を満足する制御を行うことが好ましい。これにより、T<T_th1におけるパルス加熱1周期あたりの全エネルギー量を、T_th1≦T<T_th2におけるパルス加熱1周期あたりの全エネルギー量よりも大きくすることができ、T_th1≦T<T_th2におけるパルス加熱1周期あたりの全エネルギー量を、T_th2≦Tにおけるパルス加熱1周期あたりの全エネルギー量よりも大きくすることができるため、つまり、温度Tに応じてパルス加熱量を変化させることができるため、燃料電池システムの信頼性を向上できる。
以下、本発明の燃料電池システムについて、図面を参照しながら具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施形態1)
まず、本発明の実施形態1に係る燃料電池システムについて説明する。図1は、本実施形態の燃料電池システムを示す概略構成図である。
本実施形態の燃料電池システムは、図1に示すように、燃料電池1、ローパスフィルタ(LPF)5、電圧検出器6、電流検出器7、温度測定部8、パルス加熱制御部9、パルス加熱スイッチ10a、パルス加熱抵抗11a、二次電池充電回路12、二次電池13、DC−DCコンバータ14とを備え、DC−DCコンバータ14の出力は、外部負荷15に接続されている。また、この燃料電池システムは、水との発熱反応により水素を発生する水素発生材料を用いて水素を発生させる水素発生装置(図示しない)を備えており、水素発生装置で発生した水素は、燃料電池1の燃料22として用いられる。
本実施形態におけるパルス加熱部は、温度測定部8、パルス加熱制御部9、パルス加熱スイッチ10a、パルス加熱抵抗11aからなり、発電停止中の燃料電池1に対しパルス通電を行う。これにより、パルス加熱抵抗11a及び燃料電池1が加熱され、発電停止中の燃料電池1が所定温度以下になるのを防止できる。パルス通電とは、燃料電池1への通電をパルス状に断続的に行うことである。
図2において、燃料電池1は、固体高分子電解質膜2を正極3および負極4で挟みこんだものである。燃料電池1の発電中、正極3には酸素21が供給され、負極4には水素発生装置(図示しない)で発生した水素22が供給される。
LPF5は、燃料電池1の出力信号に含まれる高周波成分を除去する。
電圧検出器6は、LPF5を介して燃料電池1に並列接続され、燃料電池1の電圧を検出する。
電流検出器7は、LPF5を介して燃料電池1に直列接続され、燃料電池1の電流を検出する。
温度測定部8は、燃料電池1に接して配置され、燃料電池1の温度Tを測定する。なお、温度測定部8は必ずしも燃料電池1に接して配置する必要はなく、燃料電池1の近傍に配置して、燃料電池1周辺の温度を測定し、これを温度Tとしても良い。
パルス加熱制御部9は、温度測定部8で測定した温度T、電圧検出器6で検出した電圧値、電流検出器7で検出した電流値に基づいて燃料電池1に対するパルス通電を制御する。本実施形態では、パルス加熱制御部9は、温度測定部8で測定した温度Tが、あらかじめ設定した閾値温度T_thに対して、T<T_thを満たす場合のパルス加熱持続時間(以下、パルス幅という。)をL_p1、パルス加熱停止時間(以下、パルス間隔という。)をL_s1、パルス加熱出力(以下、パルス出力という)をE_p1とし、T_th≦Tを満たす場合のパルス幅をL_p2、パルス間隔をL_s2、パルス出力をE_p2としたとき、
E_p1・L_p1/(L_p1+L_s1)>E_p2・L_p2/(L_p2+L_s2) ・・・(1)
L_p2<L_s2 ・・・(2)
L_p1<L_s1 ・・・(3)
の関係を満足する制御を行う。
パルス加熱スイッチ10aとしては、例えば、電界効果型トランジスタを用いることができる。パルス加熱抵抗11aとしては、例えば、外部負荷15に比較して極めて小さな抵抗値を有する抵抗を用いることができる。
二次電池充電回路12は、二次電池13の特性に合わせた充電制御を行いながら、二次電池13の充電を行う。また、二次電池充電回路12は、DC−DCコンバータ14を介して、安定した直流電流を外部負荷15に供給する。
次に、本実施形態によるパルス加熱制御方法について図1及び図2を用いて説明する。図2は、本実施形態の燃料電池システムにおけるパルス通電の一例を模式的に示すタイミングチャート図であり、図2Aは、温度Tが閾値温度T_thより低い場合、図2Bは、温度Tが閾値温度T_th以上の場合を示している。図2において、L_p1及びL_p2はパルス幅を示し、L_s1及びL_s2はパルス間隔を示し、E_p1及びE_p2はパルス出力を示している。
発電停止中の燃料電池1の温度T、電圧値、電流値がパルス加熱制御部9に入力されると、パルス加熱制御部9では、まず、上記電流値および上記電圧値が燃料電池システムの許容範囲にあることを確認し、上記温度Tに応じてパルス通電時のパルス幅、パルス間隔、パルス出力を決定する。ここでは、パルス出力は一定とし、上記温度Tに応じてパルス幅、パルス間隔を、上記式(1)〜(3)の関係を満足するように決定する。なお、上記電流値および上記電圧値が燃料電池システムの許容範囲にない場合(例えば、上記電流値および上記電圧値が極度に大きい場合)、燃料電池システム内の部品を破損する虞があるため、燃料電池システムをシャットダウンする。
温度Tが、あらかじめ設定した閾値温度T_thよりも低い場合、図2Aに示すパルス幅L_p1、パルス間隔L_s1でパルス加熱スイッチ10aをON/OFFする。この場合、パルス通電時のパルス出力は、E_p1である。
一方、温度Tが、閾値温度T_th以上である場合、図2Bに示すパルス幅L_p2、パルス間隔L_s2でパルス加熱スイッチ10aをON/OFFする。この場合、パルス通電時のパルス出力は、E_p2である。図2Bにおいて、パルス出力E_p2は、図2Aのパルス出力E_p1と同一の値であるが、パルス幅L_p2は、図2Aのパルス幅L_p1よりも短く、パルス間隔L_s2は、図2Aのパルス間隔L_s1よりも長い。
このように、温度Tに応じてパルス幅及びパルス間隔を変化させてパルス通電を行うことにより、パルス加熱量(ここでは、燃料電池1の加熱量と、パルス加熱抵抗11aの加熱量との合計量である。)を制御できるため、蓄熱に伴う暴走を回避しながら、発電停止中の燃料電池1が所定温度以下になるのを防止できる。
本実施形態の燃料電池システムによれば、燃料電池1の温度Tに応じてパルス幅及びパルス間隔を変化させてパルス通電を行うことにより、パルス加熱抵抗11a及び燃料電池1を加熱し、発電停止中の燃料電池1が所定温度以下になるのを防止できる。これにより、氷点下の低温環境においても安定に動作可能な信頼性の高い燃料電池システムを実現できる。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2に係る燃料電池システムについて説明する。上記実施形態1と異なる点は、パルス通電時に発熱源となるパルス加熱抵抗の近傍に、水素発生装置を構成する水収容容器を配置したことである。
図3は、本実施形態2の燃料電池システムを示す概略構成図である。図3において、図1と同一構成要素については同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施形態の燃料電池システムは、図3に示すように、燃料電池1、LPF5、電圧検出器6、電流検出器7、温度測定部8、パルス加熱制御部9、パルス加熱スイッチ10a、パルス加熱抵抗11a、二次電池充電回路12、二次電池13、DC−DCコンバータ14を備え、DC−DCコンバータ14の出力は、外部負荷15に接続されている。
本実施形態におけるパルス加熱部は、上記実施形態1と同様、温度測定部8、パルス加熱制御部9、パルス加熱スイッチ10a、パルス加熱抵抗11aからなり、発電停止中の燃料電池1に対しパルス通電を行う。これにより、パルス加熱抵抗11a及び燃料電池1が加熱され、発電停止中の燃料電池1が所定温度以下になるのを防止できる。
また、本実施形態の燃料電池システムは、水との発熱反応により水素を発生する水素発生材料を用いて水素を発生させる水素発生装置を備えている。水素発生装置は、例えば、水が収容されている水収容容器16と、水素発生材料18が収容されている水素発生材料収容容器19と、ポンプ17とを有するものであり、水収容容器16内の水は、ポンプ17により水素発生材料収容容器19に供給され、水素発生材料収容容器19内では、水素発生材料18と水とが発熱反応して水素が発生し、発生した水素は、燃料電池1の燃料22として、水素排出口20を介して燃料電池1の負極4に供給される。
本実施形態において、水収容容器16は、パルス加熱抵抗11a近傍に配置されている。通常、水は比熱容量が約4200[J/(K・kg)]と大きいため、水収容容器16をパルス加熱抵抗11a近傍に設置することで、水収容容器16内の水は、パルス加熱抵抗11aの熱を吸収して水温が上昇するため、当該水と水素発生材料18との発熱反応が促進されることになる。一方、パルス加熱抵抗11aは、水収容容器16内の水により冷却されるため、パルス加熱抵抗11aの過熱を防止でき、蓄熱に伴う暴走を回避できる。ただし、水収容容器16内の水が使用により少なくなった場合に水収容容器16内の水の温度上昇が過剰にならないように、水収容容器16を冷却するための送風ファンなどの冷却手段(図示しない)を用いることが望ましい。
水収容容器16としては、水を収容可能であれば特に制限はなく、例えば、従来から知られている水素製造装置と同様の水を収容するタンクなどを使用できる。
水素発生材料収容容器19は、水素発生材料18を収容可能であれば、その材質や形状は特に限定されないが、液体や水素が漏れない材質や形状が好ましい。具体的な容器の材質としては、液体及び水素が透過しにくく、かつ120℃程度に加熱しても容器が破損しない材質が好ましく、例えば、アルミニウム、鉄などの金属、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂を用いることができる。また、容器の形状としては、角柱状、円柱状などが採用できる。
水素発生材料収容容器19に収容される水素発生材料18としては、水との反応により水素を発生するものであれば良い。例えば、アルミニウム、マグネシウム及びそれらの合金よりなる群から選択される少なくとも1種の金属材料や、それら材料の水酸化物を用いることができる。特に、上記金属材料が、60μm以下の粒径の粒子を80質量%以上含むものである場合、水との反応性が向上するため好ましい。
また、水素発生材料18は、常温(20℃〜30℃の範囲の温度)で水と反応して発熱する発熱材料をさらに含むことが好ましい。水素発生材料18が発熱材料を含む場合、水素発生材料収容容器19内に供給された水が低温であっても、発熱材料が水と反応して発熱するため、水素発生材料18と水との水素発生反応が促進され、迅速に水素を発生させることができるからである。また、金属材料と発熱材料との合計質量中、金属材料の割合が、85質量%超で99質量%以下であることが好ましい。金属材料の量が少なすぎると、水素発生量が低下し、発熱材料の量が多すぎると、温度が上昇しすぎて水素発生反応を制御するのが難しくなるからである。
水素発生材料18に含まれる発熱材料としては、例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム及び硫酸カルシウムよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物を使用できる。
水素発生材料18に含まれる金属材料が、アルミニウム合金またはマグネシウム合金である場合、より効率よく水素を発生させるためには、アルミニウム合金またはマグネシウム合金が、2〜20質量%の添加元素を含むことが好ましい。添加元素としては、例えば、ケイ素、鉄、銅、マンガン、マグネシウム、亜鉛、ニッケル、チタン、鉛、スズ及びクロムよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を使用できる。
ところで、金属材料は、一般に、表面に安定な酸化皮膜が形成されているため、常温では水と反応しにくく、加熱しても水との反応が進行しない場合もある。しかし、平均粒径を100μm以下にすれば、酸化皮膜による水との反応抑制作用が減少し、常温では水と反応しにくいものの、加熱すれば水との反応が促進され、水素発生反応が持続するようになる。金属材料の平均粒径を30μm以下とすれば、より水との反応が促進され、より効率よく水素を発生できる。一方、金属材料の粒径を小さくすれば、水素発生速度を増加できるが、粒径が0.1μmより小さくなると、引火性が高まり取り扱いが困難となるだけでなく、金属材料の充填密度が低下してエネルギー密度が低下しやすくなる。そのため、金属材料の粒径は、0.1μm以上であることが好ましい。
なお、金属材料の平均粒径とは、体積基準の積算分率50%における粒子直径の値であるD50を意味している。平均粒径の測定方法としては、例えば、レーザー回折・散乱法などを用いることができる。具体的には、水などの液相に分散させた測定対象物質にレーザー光を照射することによって検出される散乱強度分布を利用した粒子径分布の測定方法である。レーザー回折・散乱法による粒子径分布測定装置としては、例えば、日機装株式会社製の「マイクロトラックHRA(製品名)」などを用いることができる。
また、金属材料は、アトマイズ法により作製された粉末状のものを使用できる。より効率よく水素を発生させるためには、金属材料は、化学的手段または機械的手段により、表面における水との反応性を向上させるための表面処理が施されていることが好ましい。金属材料の表面処理は、例えば、金属材料を溶媒中で機械的に撹拌することにより行う。また、金属材料は、ペレット状または顆粒状に形成されていても良い。
本実施形態の燃料電池システムによれば、パルス通電時に発熱源となるパルス加熱抵抗11a近傍に水収容容器16を配置したことにより、パルス加熱抵抗11aの過熱を防止して蓄熱に伴う暴走を回避できるとともに、水収容容器16内の水の温度が上昇して水素発生反応を促進し、水素を効率よく発生可能となる。これにより、氷点下の低温環境においても安定に動作可能なより信頼性の高い燃料電池システムを実現できる。
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3の燃料電池システムについて説明する。上記実施形態1と異なる点は、図1のパルス加熱抵抗11aを省略し、パルス通電時の発熱源を燃料電池のみとしたことである。
図4は、本実施形態の燃料電池システムを示す概略構成図である。図4において、図1と同一構成要素については同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施形態の燃料電池システムは、図4に示すように、燃料電池1、LPF5、電圧検出器6、電流検出器7、温度測定部8、パルス加熱制御部9、パルス加熱スイッチ10a、二次電池充電回路12、二次電池13、DC−DCコンバータ14を備え、DC−DCコンバータ14の出力は、外部負荷15に接続されている。また、この燃料電池システムは、水との発熱反応により水素を発生する水素発生材料を用いて水素を発生させる水素発生装置(図示しない)を備えており、水素発生装置で発生した水素は、燃料電池1の燃料22として用いられる。
本実施形態におけるパルス加熱部は、温度測定部8、パルス加熱制御部9、パルス加熱スイッチ10aからなり、発電停止中の燃料電池1に対しパルス通電を行う。これにより、燃料電池1が加熱され、発電停止中の燃料電池1が所定温度以下になるのを防止できる。
本実施形態において、パルス通電により発熱する箇所は、燃料電池1のみである。本実施形態におけるパルス通電とは、燃料電池を短絡させることを意味している。燃料電池1の過熱を防ぐには、例えば、パルス通電におけるパルス幅を上記実施形態1あるいは2の場合よりも小さくするなどの方法が考えられる。これにより、氷点下の低温環境においても安定に動作可能な信頼性の高い燃料電池システムを実現できる。
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態4に係る燃料電池システムについて説明する。上記実施形態1と異なる点は、パルス加熱スイッチ及びパルス加熱抵抗をそれぞれ2つずつ設けたことである。
図5は、本実施形態の燃料電池システムを示す概略構成図である。図5において、図1と同一構成要素については同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施形態の燃料電池システムは、図5に示すように、燃料電池1、LPF5、電圧検出器6、電流検出器7、温度測定部8、パルス加熱制御部9、パルス加熱スイッチ10a、10b、パルス加熱抵抗11a、11b、二次電池充電回路12、二次電池13、DC−DCコンバータ14を備え、DC−DCコンバータ14の出力は、外部負荷15に接続されている。また、この燃料電池システムは、水との発熱反応により水素を発生する水素発生材料を用いて水素を発生させる水素発生装置(図示しない)を備えており、この水素発生装置で発生した水素は、燃料電池1の燃料22として用いられる。
本実施形態におけるパルス加熱部は、温度測定部8、パルス加熱制御部9、パルス加熱スイッチ10a、10b、パルス加熱抵抗11a、11bからなり、発電停止中の燃料電池1に対しパルス通電を行う。これにより、パルス加熱抵抗11a、11b及び燃料電池1が加熱され、発電停止中の燃料電池1が所定温度以下になるのを防止できる。
本実施形態では、パルス加熱抵抗11aおよび11bとして、外部負荷15に比較して極めて小さな抵抗値を有する抵抗を用いる。パルス加熱抵抗11aの抵抗値R11aと、パルス加熱抵抗11bの抵抗値R11bとの間には、R11b>R11aの関係が成立する。また、パルス加熱スイッチ10aおよび10bとしては電界効果型トランジスタを用いることとするが、別の手段をパルス加熱スイッチ10aおよび10bに使用してもよい。
次に、本実施形態におけるパルス加熱制御方法について図5及び図6を用いて説明する。図6は、本実施形態の燃料電池システムにおけるパルス通電の一例を模式的に示すタイミングチャート図であり、図6Aは、温度Tが閾値温度T_thより低い場合、図6Bは、温度Tが閾値温度T_th以上の場合を示している。
発電停止中の燃料電池1の温度T、電圧値、電流値がパルス加熱制御部9に入力されると、パルス加熱制御部9では、上記電流値および上記電圧値が燃料電池システムの許容範囲にあることを確認した上で、上記温度Tに応じてパルス通電時のパルス幅、パルス間隔、パルス出力を決定する。ここでは、パルス幅及びパルス間隔は一定とし、上記温度Tに応じてパルス出力を、上記実施形態1で説明した式(1)の関係を満足するように決定する。なお、パルス幅及びパルス間隔は、上記実施形態1で説明した式(2)、(3)の関係を満足する値に設定される。
温度Tが、あらかじめ設定した閾値温度T_thよりも低い場合、抵抗の小さいパルス加熱抵抗11aに電流が流れるように、図6Aに示すパルス幅L_p1、パルス間隔L_s1でパルス加熱スイッチ10aをON/OFFする。この場合、パルス通電時のパルス出力は、E_p1であり、パルス加熱抵抗11aと燃料電池1が発熱することとなる。
一方、温度Tが、閾値温度T_th以上である場合、抵抗の大きいパルス加熱抵抗11bに電流が流れるように、図6Bに示すパルス幅L_p2、パルス間隔L_s2でパルス加熱スイッチ10bをON/OFFする。この場合、パルス通電時のパルス出力は、E_p2であり、パルス加熱抵抗11bと燃料電池1が発熱することとなる。図6Bにおいて、パルス出力E_p2は、図6Aのパルス出力E_p1より小さいが、パルス幅L_p2は、図6Aのパルス幅L_p1と同一の値であり、パルス間隔L_s2も、図6Aのパルス間隔L_s1と同一の値である。
このように、温度Tに応じてパルス加熱スイッチ10aまたは10bを切り替えて抵抗値の異なるパルス加熱抵抗11aまたは11bに電流が流れるようにすることで、パルス加熱量(ここでは、燃料電池1の加熱量と、パルス加熱抵抗11aまたは11bの加熱量との合計量である。)を制御できるため、蓄熱に伴う暴走を回避しながら、発電停止中の燃料電池1が所定温度以下になるのを防止できる。
本実施形態の燃料電池システムによれば、燃料電池1の温度Tに応じてパルス出力のみを変化させてパルス通電を行うことにより、パルス加熱抵抗11aまたは11bと燃料電池1とを加熱し、発電停止中の燃料電池1が所定温度以下になるのを防止できる。これにより、氷点下の低温環境においても安定に動作可能な信頼性の高い燃料電池システムを実現できる。
(実施形態5)
次に、本発明の実施形態5に係る燃料電池システムについて説明する。上記実施形態4と異なる点は、図5のパルス加熱抵抗11bを省略し、パルス加熱スイッチ10bを導通させたときに燃料電池1のみが発熱源となるようにしたことである。
図7は、本実施形態の燃料電池システムを示す概略構成図である。図7において、図1、図5と同一構成要素について同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施形態の燃料電池システムは、図7に示すように、燃料電池1、LPF5、電圧検出器6、電流検出器7、温度測定部8、パルス加熱制御部9、パルス加熱スイッチ10a、10b、パルス加熱抵抗11a、二次電池充電回路12、二次電池13、DC−DCコンバータ14を備え、DC−DCコンバータ14の出力は、外部負荷15に接続されている。また、この燃料電池システムは、水との発熱反応により水素を発生する水素発生材料を用いて水素を発生させる水素発生装置(図示しない)を備えており、水素発生装置で発生した水素は、燃料電池1の燃料22として用いられる。
本実施形態におけるパルス加熱部は、温度測定部8、パルス加熱制御部9、パルス加熱スイッチ10a、10b、パルス加熱抵抗11aからなり、燃料電池1に対しパルス通電を行うことで、パルス加熱抵抗11a及び燃料電池1が加熱され、燃料電池1が所定温度以下になるのを防止できる。
次に、本実施形態におけるパルス加熱制御方法について図7を用いて説明する。
発電停止中の燃料電池1の温度T、電圧値、電流値がパルス加熱制御部9に入力されると、パルス加熱制御部9では、上記電流値および上記電圧値が燃料電池システムの許容範囲にあることを確認した上で、上記温度Tに応じてパルス通電時のパルス幅、パルス間隔、パルス出力を決定する。上記実施形態4と同様、パルス幅及びパルス間隔は一定とし、上記温度Tに応じてパルス出力を、上記実施形態1で説明した式(1)の関係を満足するように決定する。なお、パルス幅及びパルス間隔は、上記実施形態1で説明した式(2)、(3)の関係を満足する値に設定される。
温度Tが、あらかじめ設定した閾値温度T_thよりも低い場合、パルス加熱スイッチ10bをON/OFFする。この場合、短絡により燃料電池1のみが発熱することとなる。
一方、温度Tが、閾値温度T_th以上である場合、パルス加熱スイッチ10aをON/OFFする。この場合、パルス加熱抵抗11aと燃料電池1が発熱することとなる。
このように、温度Tに応じてパルス加熱スイッチ10aまたは10bを切り替えてパルス通電によって加熱される箇所を変更することで、パルス加熱量を制御できるため、蓄熱に伴う暴走を回避しながら、発電停止中の燃料電池1が所定温度以下になるのを防止できる。
本実施形態の燃料電池システムによれば、燃料電池1の温度Tに応じて、燃料電池1のみ、あるいは、パルス加熱抵抗11a及び燃料電池1を加熱することで、発電停止中の燃料電池1が所定温度以下になるのを防止できる。これにより、氷点下の低温環境においても安定に動作可能な信頼性の高い燃料電池システムを実現できる。
(実施形態6)
次に、本発明の実施形態6に係る燃料電池システムについて説明する。本実施形態の燃料電池システムは、例えば、図5に示す構成により実現可能であるが、図5の詳細説明については上記実施形態4で説明したので、ここでは省略する。
次に、本実施形態におけるパルス加熱制御方法について図5及び図8を用いて説明する。図8は、本実施形態の燃料電池システムにおけるパルス通電の一例を模式的に示すタイミングチャート図であり、図8Aは、温度Tが閾値温度T_thより低い場合、図8Bは、温度Tが閾値温度T_th以上の場合を示している。
発電停止中の燃料電池1の温度T、電圧値、電流値がパルス加熱制御部9に入力されると、パルス加熱制御部9では、上記電流値および上記電圧値が燃料電池システムの許容範囲にあることを確認した上で、上記温度Tに応じてパルス通電時のパルス幅、パルス間隔、パルス出力を決定する。このとき、上記実施形態1で説明した式(1)〜(3)の関係を満足するようにパルス幅、パルス間隔、パルス出力を決定する。
温度Tが、あらかじめ設定した閾値温度T_thよりも低い場合、抵抗の小さいパルス加熱抵抗11aに電流が流れるように、図8Aに示すパルス幅L_p1、パルス間隔L_s1でパルス加熱スイッチ10aをON/OFFする。この場合、パルス通電時のパルス出力はE_p1であり、パルス加熱抵抗11aと燃料電池1が発熱することとなる。
一方、温度Tが、閾値温度T_th以上である場合、抵抗の大きいパルス加熱抵抗11bに電流が流れるように、図8Bに示すパルス幅L_p2、パルス間隔L_s2でパルス加熱スイッチ10bをON/OFFする。この場合、パルス通電時のパルス出力はE_p2であり、パルス加熱抵抗11bと燃料電池1が発熱することとなる。図8Bにおいて、パルス出力E_p2は、図8Aのパルス出力E_p1より小さく、パルス幅L_p2は、図8Aのパルス幅L_p1より短く、パルス間隔L_s2は、図8Aのパルス間隔L_s1より長い。
このように、温度Tに応じてパルス加熱スイッチ10aまたは10bを切り替えて抵抗値の異なるパルス加熱抵抗11aまたは11bに電流が流れるようにすることで、パルス加熱量(ここでは、燃料電池1に対する加熱量と、パルス加熱抵抗11aまたは11bに対する加熱量との合計量である。)を制御できるため、蓄熱に伴う暴走を回避しながら、発電停止中の燃料電池1が所定温度以下になるのを防止できる。
本実施形態の燃料電池システムによれば、燃料電池1の温度Tに応じてパルス出力、パルス幅、パルス間隔を変化させてパルス通電を行うことにより、パルス加熱抵抗11aまたは11bと燃料電池1とを加熱し、発電停止中の燃料電池1が所定温度以下になるのを防止できる。これにより、氷点下の低温環境においても安定に動作可能な信頼性の高い燃料電池システムを実現できる。
(実施形態7)
上記実施形態1〜6では、閾値温度を1つ用いて2段階のパルス加熱制御を行う燃料電池システムについて説明したが、閾値温度を2つ以上設けて多段階のパルス通電を行うパルス加熱制御を行っても良い。本実施形態7では、閾値温度を2つ設けた場合について説明する。
本実施形態の燃料電池システムは、例えば、図1に示す構成により実現可能である。図1の詳細説明については上記実施形態1で説明したので、ここでは省略する。
本実施形態では、パルス加熱制御部9は、温度測定部8で測定した温度Tが、T_th1<T_th2を満足するあらかじめ設定した閾値温度T_th1およびT_th2に対して、T<T_th1を満たす場合のパルス幅をL_p1、パルス間隔をL_s1、パルス出力をE_p1とし、T_th1≦T<T_th2を満たす場合のパルス幅をL_p2、パルス間隔をL_s2、パルス出力をE_p2とし、T_th2≦Tを満たす場合のパルス幅をL_p3、パルス間隔をL_s3、パルス出力をE_p3としたとき、下記式(4)
E_p1・L_p1/(L_p1+L_s1)>E_p2・L_p2/(L_p2+L_s2)>E_p3・L_p3/(L_p3+L_s3) ・・・(4)
の関係を満足する制御を行う。
次に、本実施形態におけるパルス加熱制御方法について図1及び図9を用いて説明する。図9は、本実施形態の燃料電池システムにおけるパルス通電の一例を模式的に示すタイミングチャート図であり、図9Aは、温度Tが、閾値温度T_th1より低い場合、図9Bは、温度Tが、閾値温度T_th1以上で閾値温度T_th2より低い場合、図9Cは、温度Tが、閾値温度T_th2以上の場合を示している。
発電停止中の燃料電池1の温度T、電圧値、電流値がパルス加熱制御部9に入力されると、パルス加熱制御部9では、上記電流値および上記電圧値が燃料電池システムの許容範囲にあることを確認した上で、上記温度Tに応じてパルス通電時のパルス幅、パルス間隔、パルス出力を決定する。ここでは、パルス出力は一定とし、上記温度Tに応じてパルス幅、パルス間隔を、上記式(4)の関係を満足するように決定する。
温度Tが、あらかじめ設定した閾値温度T_th1より低い場合、図9Aに示すパルス幅L_p1、パルス間隔L_s1でパルス加熱スイッチ10aをON/OFFする。この場合、パルス通電時のパルス出力はE_p1である。
温度Tが、閾値温度T_th1以上で閾値温度T_th2より低い場合、図9Bに示すパルス幅L_p2、パルス間隔L_s2でパルス加熱スイッチ10aをON/OFFする。この場合、パルス通電時のパルス出力は、E_p2である。図9Bにおいて、パルス出力E_p2は、図9Aのパルス出力E_p1と同一の値であるが、パルス幅L_p2は、図9Aのパルス幅L_p1よりも短く、パルス間隔L_s2は、図9Aのパルス間隔L_s1よりも長い。
温度Tが、閾値温度T_th2以上の場合、図9Cに示すパルス幅L_p3、パルス間隔L_s3でパルス加熱スイッチ10aをON/OFFする。この場合、パルス通電時のパルス出力は、E_p3である。図9Cにおいて、パルス出力E_p3は、図9Aのパルス出力E_p1と同一の値であるが、パルス幅L_p3は、図9Bのパルス幅L_p2よりも短く、パルス間隔L_s3は、図9Bのパルス間隔L_s2よりも長い。
このように、温度Tに応じてパルス幅及びパルス間隔を変化させてパルス通電を行うことにより、パルス加熱量(ここでは、燃料電池1に対する加熱量と、パルス加熱抵抗11aに対する加熱量の合計量である。)を制御できるため、蓄熱に伴う暴走を回避しながら、発電停止中の燃料電池1が所定温度以下になるのを防止できる。
本実施形態の燃料電池システムによれば、燃料電池1の温度Tに応じてパルス幅及びパルス間隔を変化させてパルス通電を行うことにより、パルス加熱抵抗11a及び燃料電池1を加熱し、発電停止中の燃料電池1が所定温度以下になるのを防止できる。これにより、氷点下の低温環境においても安定に動作可能な信頼性の高い燃料電池システムを実現できる。また、閾値温度を2つ設定したことにより、3段階のパルス加熱制御を行うことができる。
なお、上記実施形態1〜7において、パルス通電時に発熱源となる燃料電池やパルス加熱抵抗の近傍に、送風ファンなどの冷却手段を設けても良い。この場合、燃料電池やパルス加熱抵抗が過熱するのを防止し、蓄熱に伴う暴走を回避できるため、燃料システムの信頼性をさらに高めることができる。ただし、上記発熱源の冷却を過剰に行うと、本発明のパルス加熱効果を損なうので、適度な冷却を行うように上記冷却手段を設定することが望ましい。
本発明の燃料電池システムは、氷点近傍の低温環境においても安定に動作可能なポータブル電源として幅広く利用可能である。
1 燃料電池
2 固体高分子電解質膜
3 正極
4 負極
5 LPF
6 電圧検出器
7 電流検出器
8 温度測定部
9 パルス加熱制御部
10a、10b パルス加熱スイッチ
11a、11b パルス加熱抵抗
12 二次電池充電回路
13 二次電池
14 DC−DCコンバータ
15 外部負荷
16 水収容容器
17 ポンプ
18 水素発生材料
19 水素発生材料収容容器
20 水素供給口
21 酸素
22 水素

Claims (8)

  1. 水との発熱反応により水素を発生する水素発生材料を用いて水素を発生させる水素発生装置と、
    前記水素発生装置で発生した水素を燃料として発電を行う燃料電池と、
    発電停止中の前記燃料電池に対しパルス通電を行い、発電停止中の前記燃料電池が所定の温度以下にならないように前記燃料電池を加熱するパルス加熱部とを含むことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記パルス加熱部は、
    前記燃料電池の温度Tを測定する温度測定部と、
    前記温度測定部で測定した温度Tに基づいて、パルス通電時のパルス加熱持続時間、パルス加熱停止時間およびパルス加熱出力の少なくとも一つを制御するパルス加熱制御部と、
    前記パルス加熱制御部によりON/OFFを制御されるパルス加熱スイッチとを含む請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記パルス加熱制御部は、
    前記温度測定部で測定した温度Tが、あらかじめ設定した閾値温度T_thに対して、T<T_thを満たす場合のパルス加熱持続時間をL_p1、パルス加熱停止時間をL_s1、パルス加熱出力をE_p1とし、T_th≦Tを満たす場合のパルス加熱持続時間をL_p2、パルス加熱停止時間をL_s2、パルス加熱出力をE_p2としたとき、
    E_p1・L_p1/(L_p1+L_s1)>E_p2・L_p2/(L_p2+L_s2)
    の関係を満足する制御を行う請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記パルス加熱制御部は、
    T_th≦Tを満たすときの前記パルス加熱持続時間L_p2と前記パルス加熱停止時間L_s2とが、
    L_p2<L_s2
    の関係を満足する制御を行う請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記パルス加熱制御部は、
    T<T_thを満たすときの前記パルス加熱持続時間L_p1と前記パルス加熱停止時間L_s1とが、
    L_p1<L_s1
    の関係を満足する制御を行う請求項3または4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記パルス加熱部は、前記パルス加熱スイッチと前記燃料電池との間に、前記パルス通電時に発熱源となるパルス加熱抵抗を含む請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池システム。
  7. 前記水素発生装置は、水が収容されている水収容容器と、前記水素発生材料が収容されている水素発生材料収容容器とを含み、前記水収容容器内の水を前記水素発生材料収容容器に供給して前記水素発生材料から水素を発生させるものであり、
    前記水収容容器は、前記パルス加熱抵抗の近傍に配置されている請求項6に記載の燃料電池システム。
  8. 前記パルス加熱制御部は、
    前記温度測定部で測定した温度Tが、T_th1<T_th2を満足するあらかじめ設定した閾値温度T_th1およびT_th2に対して、T<T_th1を満たす場合のパルス加熱持続時間をL_p1、パルス加熱停止時間をL_s1、パルス加熱出力をE_p1とし、T_th1≦T<T_th2を満たす場合のパルス加熱持続時間をL_p2、パルス加熱停止時間をL_s2、パルス加熱出力をE_p2とし、T_th2≦Tを満たす場合のパルス加熱持続時間をL_p3、パルス加熱定時時間をL_s3、パルス加熱出力をE_p3としたとき、
    E_p1・L_p1/(L_p1+L_s1)>E_p2・L_p2/(L_p2+L_s2)>E_p3・L_p3/(L_p3+L_s3)
    の関係を満足する制御を行う請求項2に記載の燃料電池システム。
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