JP2011117814A - 検体検査の検査前処理方法と装置 - Google Patents

検体検査の検査前処理方法と装置 Download PDF

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Abstract

【課題】吸引またはおよび分注を伴う検査前処理において、作業手順が簡略化し、かつ、汚染や感染を防止できるようにする。
【解決手段】容器支持部の特定位置に安定に支持した検体、乳棒および試薬を収容して閉じられた検体容器の特定箇所と、シリンジに装着した針と、を針の軸線上で自動的に位置合わせする位置合わせ工程と、位置合わせ後の検体容器の特定箇所と針とを、針の軸線上で自動的に相対移動させて、針を検体容器の特定箇所に貫通させる貫通工程と、当該貫通させた針または当該針の貫通により形成された貫通穴に別途挿し替えた試薬専用針で試薬を自動的に吸引、除去する試薬除去工程と、を備えて、上記の課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、検体の検査のために、多数の容器に対する、分注またはおよび吸引を伴う検査前処理を行う検査前処理方法と装置に関するものである。
検体の検査は、検査に対応した試薬を供与してなされる。試薬類の分注作業は、実験レベルでの手作業のほか、多数の容器内やウェルプレートの窪み内の各種検体に自動的に分注する分注方法や装置が下記特許文献1〜5などの開示で既に知られている。
特許文献1は分注の要らない検体容器を提案しているが、分注装置をその従来技術として開示している。この従来技術は、特許文献1の図5に記載され、段落0002で説明された試験プレート92の凹部92aを、血液検査などでの検査項目数に合わせ形成することから、同じ検体を必要種類の検査に供するものである。それには、検体を必要量、既存量収容して持ち運ぶ元容器から各凹部92aに移し換えられることになる。また、特許文献1および下記特許文献2〜5が開示する分注技術は、いずれも、容器や窪みの開口にシリンジ類を利用して分注している。この分注のために、特許文献5は、1本のシリンジを直交するXY2方向に移動させることで、多数の検体容器や窪みに収容された検体に対応できる分注技術を開示している。
一方、検体の細胞を破砕した後に検査に供するのに、乳鉢容器に検体と乳棒で代表され、ボールやビーズなどをも含む、破砕質量体としての破砕媒体とを収容して閉じた破砕容器に、主として軸線方向での振動的な往復動を及ぼし、乳鉢容器、乳棒間で、乳棒の硬度と質量とを利用して検体を破砕する技術が知られ、本出願人も下記特許文献6などで知られる同様の技術を自動的に達成する方法、装置を先に提案している。本出願人提案の破砕容器は1つの検査に供される検体単位で破砕するもので、破砕後にキャップを取り外すだけで従来の分注作業に個別に供することができる。
特開平11―118795号公報 特開平11―23583号公報 特開2005―98900公報 特開2006―343164号公報 特開2006―83126号公報 特開2006―43554号公報
ところで、特許文献1が開示する前記隣接し合う凹部92aの検体同士は同じものとなるので互いが汚染、感染し合うことは無いにしても、隣同士での試薬の違いによる汚染は懸念される。また、水際などで採取して検査に回す多種多様の検疫検体、DNA検査検体、その他の検体は、それぞれ特許文献6が開示するような小さな個別の検査容器に収容して密閉し、所要の荷姿で大量搬送するなどして取り扱われるのが好適で、所定機関での検査に検査容器ごと供される場合、各検査容器は検査用の分注装置が許容する数だけセットして分注することになるが、従来の分注技術では、分注のために各容器のキャップを取り外す手間がいる。
また、一括して分注に供される多数の検査容器同士、ウェルプレートの窪み同士は、国際基準が規定する配列ピッチ上近接し合うので、隣同士での試薬の違いによる汚染のし合いが懸念されるのは勿論、隣接の検査容器内、窪み内の検体同士が異種である場合が多々あり、隣接する検査容器間、窪み間で汚染し合い、感染し合う重大な問題がある。
このような汚染、感染の予防上、検査現場で注がれる作業者の精神的、作業的負荷は増大するし、作業時間の延長にもなっている。
本発明は、以上のような問題に鑑み、多数の検体容器に対し分注またはおよび吸引を行うのに、作業手順が簡略化し、かつ、汚染や感染を防止できる検体の検査前処理方法と装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明の検体の検査前処理方法は、容器支持部の特定位置に安定に支持した検体、乳棒(これは既述の破砕媒体を意味し、以下も同様である。)および試薬を収容して閉じられた検体容器の特定箇所と、シリンジに装着した針と、を針の軸線上で自動的に位置合わせする位置合わせ工程と、位置合わせ後の検体容器の特定箇所と針とを、針の軸線上で自動的に相対移動させて、針を検体容器の特定箇所に貫通させる貫通工程と、当該貫通させた針または当該針の貫通により形成された貫通穴に別途挿し替えた針で試薬を自動的に吸引する試薬除去工程と、を備えたことを1つの特徴としている。
このような構成では、それぞれに検体、乳棒および試薬を収容した複数の検体容器と、シリンジに装着した針と、の自動的な位置合わせを伴い、試薬を自動的に吸引除去するのに、シリンジに装着した針を閉じられたままの検体容器の特定箇所に貫通させるだけで、キャップの取り外しを省略して、当該貫通させた針または当該針の貫通により形成された貫通穴に別途挿し替えた針を通じ検体容器内の試薬を自動的に吸引除去し、検体検査の次工程に供与することができる。
本発明の検査前処理方法は、また、検体と試薬を乳棒と共に収容して閉じ、少なくとも軸線方向の振動的な往復動を与えて検体を粉砕し試薬と混合する粉砕、混合工程と、粉砕、混合に供した後の複数の検体容器を容器支持部の特定位置に安定に支持する工程と、特定位置の検体容器の特定箇所と、シリンジに装着した針と、を針の軸線上で自動的に位置合わせする位置合わせ工程と、位置合わせ後の検体容器の特定箇所と針とを、針の軸線上で自動的に相対移動させて、針の先を検査体容器の特定箇所に貫通させる貫通工程と、当該貫通させた針または当該針の貫通により形成された貫通穴に別途挿し替えた針を通じ検体容器内の試薬を吸引する試薬除去工程と、を備えたことを別の特徴としている。
このような構成では、1つの特徴の場合に加え、さらに、検体容器として、検体と試薬を乳棒と共に収容して密閉し振動的な往復動を与えて検体の破砕および試薬との混合に供した後の容器を、そのまま特定位置に支持し、自動的な試薬の吸引除去が行える。
本発明の検体の検査前処理方法は、さらに、検体を収容して閉じられ容器支持部の特定位置に安定に支持した複数の検体容器の特定箇所と、シリンジに装着した針と、を針の軸線上で自動的に位置合わせする位置合わせ工程と、位置合わせ後の検体容器の特定箇所と針との、針の軸線上で自動的に相対移動させて、針を検査体容器の特定箇所に貫通させる貫通工程と、当該貫通させた針または当該針の貫通により形成された貫通穴に別途挿し替えた針を通じ検体容器内に試薬を自動的に分注することを、注入済試薬の吸引を行い、または行わずに、1回以上行う分注工程と、を備えたことを他の特徴としている。
このような構成では、それぞれに検体を収容した複数の検体容器と、試薬を分注するシリンジに装着した針と、の自動的な位置合わせを伴い、1つの試薬またはそれ以上の試薬を注入済試薬の吸引除去を行うか行わないで外部から自動的に分注して試薬の切換えまたは混合を行い、収容されている検体に単独供与、混合供与、切換え供与し、所定の検査に供するのに、シリンジに装着した針を閉じられたままの検体容器の特定箇所に貫通させるだけで、キャップの取り外しを省略して、当該貫通させた針または当該針の貫通により形成された貫通穴に別途挿し替えた試薬専用針を通じ検体容器内に試薬を分注し、検体検査の次工程に供することができる。
本発明の分注方法は、さらに、また、検体を乳棒と共に収容して閉じ、少なくとも軸線方向の振動的な往復動を与えて検体を粉砕する工程と、粉砕に供した後の複数の検体容器を容器支持部の特定位置に安定に支持する工程と、特定の検体容器の特定箇所と、試薬を分注するシリンジに装着した針と、を針の軸線上で自動的に位置合わせする位置合わせ工程と、位置合わせ後の検体容器の特定箇所と針とを、針の軸線上で自動的に相対移動させて、針を検査体容器の特定箇所に貫通させる貫通工程と、当該貫通させた針または当該針の貫通により形成された貫通穴に別途挿し替えた試薬専用の針を通じ検体容器内に試薬を分注することを、注入済試薬の吸引除去を挟んで行い、または行わずに、1回以上行う分注工程と、を備えたことを今1つの特徴としている。
このような構成では、他の特徴の場合に加え、さらに、検体容器として、検体を乳棒と共に収容して密閉し振動的な往復動を与えて検体の破砕に供した後の容器をそのまま特定位置に支持し、試薬の1回以上の自動的な分注が、注入済試薬の吸引除去を行いまたは行わずに行える。
上記方法において、さらに、針は、径が異なる太い側の針で貫通作業を行い、細い側の針で分注作業を行うように使い分ける。
このような構成では、上記に加え、さらに、検体容器のキャップに針を貫通させるのに、座屈を防止しやすいし、これに代わって貫通穴に挿し替えて分注を行う細い針を通しやすくなるし、試薬をシリンジの吐出操作量に対する分注量を小さくなることで分注量を高精度に微細制御しやすくなる。これには、太い側の針の先端は軸線に対して鈍角の傾斜を持ち、細い側の針の先端は軸線に対して鋭角の傾斜を持ったものとするのが好適である。しかし、貫通専用の針は、フラットや波型の端面形状にてトムソン刃形態、打ち抜き用ポンチ刃形態の刃を持てば好適に使用できる。また、貫通用と試薬用とに共用する共用針としては、先端が尖リ形状で閉じ、先端近傍に横向きの針先開口を持つものとするのが、貫通時の耐変形強度上、異物の針先開口への付着、詰まり防止上、好適である。
上記方法において、さらに、針は、検体容器のキャップ上に配したガイドのすり鉢型穴で、よりよくは、下部開口がキャップから離れた位置で案内する。
このような構成では、針に少少の曲がりや位置ずれがあっても、キャップの特定位置に正しく案内して貫通させ、また貫通穴に挿入して分注することができる。
すり鉢型穴の内面傾斜角は、40°以上とし、よりよくは45°以上とする。
このような構成では、針がすり鉢型穴の傾斜面に当接してガイドされるのに、座屈を受けるのを回避することができる。
上記検体容器のキャップの針を貫通させる特定位置は、キャップがインジェクション成形される際にできる凹部である。
本発明の検体の検査前処理装置は、
複数の検体容器を特定位置に支持する容器支持部、
種以上の試薬容器を特定位置に支持する試薬支持部、
シリンジを装備してそれの針装着部の軸線を、容器支持部に支持された各特定位置の検体容器の各特定箇所と、試薬支持部に支持された各試薬容器とに、それら双方間での相対移動により位置合わせできるようにシリンジを支持する主相対移動機構、
シリンジを、これに主相対移動機構により位置合わせされた、検体容器と、試薬容器との、間の主相対移動機構上でのシリンジの軸線方向の相対移動により、シリンジに装着している針を、位置合わせされている検体容器の特定箇所に貫通させまたはおよび挿入させたり、試薬容器に挿入させたりできるようにシリンジを支持する副相対移動機構、
主相対移動機構に装備したシリンジに試薬の吸入、吐出を行わせる送液ポンプ、
主相対移動機構、副相対移動機構、送液ポンプを動作制御して、シリンジに装着した針を通じて特定位置の試薬容器内の試薬の吸入、特定位置の検体容器の特定箇所への針の貫通、この貫通によりできた貫通穴を通じた試薬の、注入済試薬の吸引、除去を行いまたは行わない1回以上の分注を行わせる制御手段、
を備えたことを1つの特徴としている。
このような構成では、上記1つの特徴および別の特徴のそれぞれを実現することができる。
本発明の検査前処理装置は、また、複数の検体容器を特定位置に支持する容器支持部、
1種以上の試薬容器を特定位置に支持する試薬支持部、
分注専用の針を複数特定位置に支持してシリンジの針装着部が針の基部に同一軸線上で押し付けられることで、針が装着状態になるようにして抜き出し可能とする針支持部、
シリンジの針装着部近傍を、特定位置にあるシリンジの軸線に直角な向きのほぼV字状をした切り離し部に受け入れ、受け入れたシリンジの切り離し部からの軸線方向への抜き去り時に、針の基部フランジを切り離し部で受け止め抜き去られるシリンジから針を切り離し、収容する針廃棄部、
特定位置にてシリンジの洗浄に供する洗浄槽、
シリンジの針装着部を、針支持部の各特定位置に支持された各針と、試薬支持部の各特定位置に支持された各試薬容器と、容器支持部の各特定位置に支持された各検体容器の各特定箇所と、針廃棄部の針切り離し部と、洗浄槽と、に、それら双方間の相対移動により位置合わせできるようにシリンジを支持した主相対移動機構、
シリンジを、これと主相対移動機構により位置合わせされた、針と、検体容器と、試薬容器と、針廃棄部の引き離し部と、洗浄槽と、に、それらの間の主相対移動機構上での相対移動により、シリンジの針装着部への針の装着、針装着部に装着した針の、検体容器の特定箇所への貫通またはおよび挿入、試薬容器への挿入、洗浄槽への挿入、針廃棄部の引き離し部への主相対移動機構による相対移動も併せた進入、引き離しができるようにシリンジを支持する副相対移動機構、
主相対移動機構に装備したシリンジに試薬の吸入、吐出を行わせる送液ポンプ、
主相対移動機構、副相対移動機構、送液ポンプを動作制御して、シリンジに針を装着し、装着した針を通じて特定位置の試薬容器内の試薬の吸入、特定位置の検体容器の特定箇所への針の貫通、この貫通によりできた貫通穴を通じた試薬の、注入済試薬の吸引、除去を行いまたは行わない1回以上の分注、試薬吸引時の前回試薬と異なる場合の針の廃棄、針廃棄後のシリンジの洗浄槽内の洗浄液の吸引、吐出による洗浄、を行わせる制御手段、
を備えたことを別の特徴としている。
このような構成では、1つの特徴の場合に加え、さらに、検体や試薬の違いによる針の廃棄、交換、シリンジの洗浄を伴い、試薬や検体の違いによる汚染、感染のない分注、注入済試薬の吸引、除去が自動的に行える。
本発明の検体の検査前処理方法の1つの特徴によれば、自動的な位置合わせを伴う試薬吸引除去作業において、シリンジに装着した針を、閉じられたままの検体容器の特定箇所に貫通させるだけで、キャップの取り外しを省略して、また、検体容器間での異なった検体や試薬どうしの汚染や感染を防止して、当該貫通させた針または当該針の貫通により形成された貫通穴に別途挿し替えた試薬専用針を通じ、検体容器内の試薬を吸引除去し、手間無く迅速に検体検査の次工程に供与することができる。従って、本発明の検査前処理方法の別の特徴のように、検体と試薬を乳棒と共に収容して閉じ、少なくとも軸線方向の振動的な往復動を与えて検体を粉砕し試薬と混合する粉砕、混合工程後の検体容器を用いるのに好適であり、検体検査の次工程は、例えば、次の試薬の分注、混合、遠心分離、遠心分離工程後の各検体容器からのDNAを含む上澄み液の吸引、吸引上澄み液と、試薬との、混合ウエルプレートへの分注などで、DNA検査などが可能になる。
本発明の検体の検査前処理方法の他の特徴によれば、自動的な位置合わせを伴う分注作業において、シリンジに装着した針を閉じられたままの検体容器の特定箇所に貫通させるだけで、キャップの取り外しを省略して、また、検体容器間での異なった検体や試薬どうしの汚染や感染を防止して、当該貫通させた針または当該針の貫通により形成された貫通穴に別途挿し替えた試薬専用針を通じ検体容器内に1以上の試薬を、注入済試薬の吸引除去を行いまたは行わないで、手間無く分注することができる。従って、本発明の検査前処理方法の今1つの特徴のように、検体を乳棒と共に収容して閉じ、少なくとも軸線方向の振動的な往復動を与えて検体を粉砕する粉砕工程後の検体容器を用いるのに好適であり、検体検査の次工程は、例えば、混合、次の試薬の分注、混合、遠心分離、遠心分離工程後の各検体容器からのDNAを含む上澄み液の吸引、吸引上澄み液と、試薬との、混合ウエルプレートへの分注などで、DNA検査などが可能になる。
本発明の実施の形態に係る検査前処理方法を実現する検査前処理装置の1つの具体例を模試器的に示す斜視図。 同装置の実例の正面図。 検体容器の分解側面図および閉じ状態での断面図。 分注、混合、遠心分離に用に用いる24ウェルプレートの平面図および断面図。 24ウェルプレートである容器支持部材に検体容器を収納、支持した状態を示す側面図。 24ウェルプレートである容器支持部材に支持した各検体容器を個別に押えて特定位置に位置決めし、かつ位置決めした各検体容器の特定箇所に針をガイドするすり鉢型穴を持ったガイド部材の正面図、平面図および断面図。 検査前処理の工程例を示すフローチャート。
本発明の実施の形態に係る検体検のための検査前処理方法につき、図1、図2に示す検査前処理装置100、図3に示す検体容器1、図4に示す容器支持部材2であるウエルプレート、を参照しながら説明する。1つの例として、容器支持部材2であるウェルプレートは検体容器1と共に国際基準による規格サイズに準拠したものであり、一例として容器支持部材2は4×6の収納部2aを所定のピッチで配列している。この容器支持部材2の特定位置、従って、特定の収納部2aに安定に支持した検体8、乳棒11および試薬7を収容して閉じられた検体容器1(図3参照)の特定箇所1aと、シリンジ3に装着した針4と、を針4の軸線上で自動的に位置合わせする位置合わせ工程と、位置合わせ後の検体容器の特定箇所と針4とを、針4の軸線上で自動的に相対移動させて、針4を検体容器1の特定箇所1aに貫通させる貫通工程と、当該貫通させた針4または当該針4の貫通により形成された貫通穴5に別途挿し替えた針4で試薬7(図3)を自動的に吸引する試薬除去工程と、を少なくとも備えて検体8の検査前処理を行う。これにより、それぞれに検体8(図3)および試薬7を収容した複数の検体容器1と、シリンジ3に装着した針4と、の自動的な位置合わせを伴い、試薬7を自動的に吸引除去して所定の検査に供するのに、シリンジ3に装着した針4をキャップ9で閉じられたままの検体容器1の特定箇所1aに貫通させるだけで、キャップ9の取り外しを省略して、当該貫通させた針4または当該針4の貫通により形成された貫通穴5に別途挿し替えた試薬専用針4を通じ検体容器1内の試薬7を自動的に吸引除去し、検体検査の次工程に供与することができる。
この結果、自動的な位置合わせを伴う試薬吸引除去作業において、シリンジ3に装着した針4を、閉じられたままの検体容器1の特定箇所1aに貫通させるだけで、キャップ9の取り外しを省略して、また、検体容器1間での異なった検体8や試薬7どうしの汚染や感染を防止して、当該貫通させた針4または当該針4の貫通により形成された貫通穴5に別途挿し替えた試薬専用針4を通じ、検体容器1内の試薬7を吸引除去し、手間無く迅速に検体検査の次工程に供与することができる。従って、本発明の実施の形態に係る検査前処理方法の別の特徴となる、検体8と試薬7を図3に示す乳棒11と共に検体容器1に収容してキャップ9で閉じ、少なくとも軸線方向の振動的な往復動を与えて検体8を粉砕し試薬7と混合する粉砕、混合工程後の検体容器1を用いるのに好適である。ここで、検体検査の次工程は、例えば、次の試薬の分注、混合、遠心分離、遠心分離工程後の各検体容器1からのDNAを含む上澄み液の吸引、吸引上澄み液と、混和試薬との、混和用のディープウエルプレートへの分注、混和などであり、これによってPCR(Polymerse Chain Reaction)検査でのDNA検査などが可能になる。
以上の検査前処理を達成するための本実施の形態に係る検査前処理方法としては、検体8と試薬7を乳棒11と共に検体容器1に収容してキャップ9で閉じ、少なくとも軸線方向の振動的な往復動を与えて検体8を粉砕し試薬7と混合する粉砕、混合工程と、粉砕、混合に供した後の複数の検体容器1を容器支持部21の特定位置2aに、上記容器支持部材2を介するなどして安定に支持する工程と、特定の検体容器1の特定箇所1aと、試薬7を分注するシリンジ3に装着した針4と、を針4の軸線上で自動的に位置合わせする位置合わせ工程と、位置合わせ後の検体容器1の特定箇所1aと針4とを、針4の軸線上で自動的に相対移動させて、針4の先を検査体容器1の特定箇所に貫通させる貫通工程と、当該貫通させた針4または当該針の貫通により形成された貫通穴5に別途挿し替えた試薬専用針4を通じ検体容器1内の試薬を吸引する試薬除去工程と、を備えたものとなり、検体容器1として、検体8と試薬7を乳棒11と共に収容して密閉し振動的な往復動を与えて検体8の破砕および試薬7との混合に同時に供した後の容器を、そのまま特定位置に支持し、自動的な試薬の吸引除去が行える。
しかし、検体8の粉砕は、試薬7と混合を同時に行う必要はない。この場合の本実施の形態に係る検体の検査前処理方法としては、検体8を収容して閉じられ容器支持部材2の特定位置に安定に支持した複数の検体容器1の特定箇所1aと、試薬7を分注するシリンジ3に装着した針4と、を針4の軸線上で自動的に位置合わせする位置合わせ工程と、位置合わせ後の検体容器1の特定箇所1aと針4との、針4の軸線上で自動的に相対移動させて、針4を検査体容器1の特定箇所1aに貫通させる貫通工程と、当該貫通させた針4または当該針4の貫通により形成された貫通穴5に別途挿し替えた分注専用の針4を通じ検体容器1内に試薬7を自動的に分注することを、注入済試薬7の吸引除去を行い、または行わずに、1回以上行う分注工程と、を備えものとなり、それぞれに検体8を収容した複数の検体容器1と、試薬7を分注するシリンジ3に装着した針4と、の自動的な位置合わせを伴い、1つの試薬7またはそれ以上の試薬7を注入済試薬7の吸引除去を行うか行わないで外部から自動的に分注して、収容されている検体8に単独供与、混合供与、切換え供与し、所定の検査に供するのに、シリンジ3に装着した針4を閉じられたままの検体容器1の特定箇所に貫通させるだけで、キャップ9の取り外しを省略して、当該貫通させた針4または当該針4の貫通により形成された貫通穴5に別途挿し替えた試薬専用針4を通じ検体容器1内に試薬7を分注し、検体検査の次工程に供することができる。
したがって、検体容器1として、検体8を乳棒11と共に収容して密閉し振動的な往復動を与えて検体8の破砕に供した後の容器をそのまま特定位置に支持し、試薬7の1回以上の自動的な分注が、注入済試薬7の吸引除去を行いまたは行わずに試薬の切換えまたは混合を伴い実行するのに好適である。それには、本実施の形態の方法の初期工程に、検体を乳棒と共に収容して閉じ、少なくとも軸線方向の振動的な往復動を与えて検体を粉砕する工程を備えればよい。
この場合の、次の検体検査の次工程としては、例えば、混合、次の試薬の分注、混合、遠心分離、遠心分離工程後の各検体容器からのDNAを含む上澄み液の吸引、吸引上澄み液と、混和試薬との、混合ウエルプレートへの分注などで、DNA検査などが可能になる。
ここで、ウエルプレートである容器支持部材2は、各収納部2aに検体容器1を収納して、特許文献6で知られる破砕装置の検体容器1に対する八の字運動機構を改良して設けた、1つ以上の容器支持部装着部に装填することで、容器支持部材2に収容した検体容器1内の検体8を一挙に破砕処理し、また、同時に収容している試薬7とを一挙に同時混合処理することもできる。また、破砕処理、破砕、混合同時処理後の各検体容器1は、容器支持部材2に収納したまま、図1、図2に示す検査前処理装置100に移して試薬7の分注や吸引除去作業に供することができるし、分注後、遠心分離機に容器支持部材2ごと装着して一挙に遠心分離処理することができる。さらに、遠心分離後も、検査前処理装置100に移して、遠心分離工程後の各検体容器1からのDNAを含む上澄み液の吸引、吸引上澄み液と、混和試薬との、混和用のディープウエルプレートへの分注が行える。
針4は、径が異なる図6(c)に示すような太い側の針4aで貫通作業を行い、細い側の針4bで分注作業を行うように使い分けることができる。これにより、検体容器1のキャップ9に針4aを貫通させるのに、座屈を防止しやすくなる。また、これに代わって貫通穴5に挿し替えて分注を行う細い針4bを通しやすくなるし、試薬7をシリンジ3の吐出操作量に対する分注量を小さくなることで分注量を、現場で要求される0.01mlといった高精度に微細制御するのに対応しやすくなる。これには、図6(c)に示すように、太い側の針4aの先端は軸線に対して鈍角の傾斜を持ち、細い側の針4bの先端は軸線に対して鋭角の傾斜を持ったものとするのが好適である。しかし、貫通専用の針4aは、フラットや波型の端面形状にてトムソン刃形態、打ち抜き用ポンチ刃形態の刃を持てば好適に使用できる。また、貫通用と試薬用とに共用するには、図6(c)に示すような、先端が尖リ形状で閉じ、先端近傍に横向きの針先開口12を持った共用の針4cとするのが、貫通時の耐変形強度上、異物の針先開口12への付着、詰まり防止上、好適である。
さらに、針4は、検体容器1のキャップ9上に図6(c)に示すように配した、図6(a)〜(c)に示すようなガイド13のすり鉢型穴14で、よりよくは、下部開口14aがキャップ9から所定距離、好適には3mm程度離れた位置で案内する。これにより、針4に少少の曲がりや位置ずれがあっても、キャップ9の特定位置1aに正しく案内して貫通させ、また貫通穴5に挿入して分注や吸引除去することができる。また、検体容器1の特定箇所1aに貫通させようとする針4の、特定箇所1aへの当接位置から所定距離分離れた位置を、すり鉢型穴14の最小な下部開口14aで、図6(c)に示すようにまわりから小さな遊びの範囲内で拘束することになるので、貫通抵抗によって針4が特定箇所1aへの当接位置を起点に座屈により曲がろうとするのを抑えられる。ここで、すり鉢型穴14の内面傾斜角は、40°以上とし、よりよくは45°以上とする。しかし、傾斜角が小さいと針4をガイドするのに針4の下部開口14aに向けた滑り性が低く、曲がった針の向きによってはさらに曲がって案内しにくくなる。一方、傾斜角が大きいと、ガイドする針4の下部開口14aに向けての滑り性は高まるが、ガイドする針4の受け入れ開口14bのサイズを確保するのに高さが増すので嵩高くなる。受け入れ開口14bのサイズは針4の曲がり度合いの経験から5mm以上必要であるが、容器支持部材2の収納部2aの配列ピッチによる限界がある。下部開口14aの内径は18Gを選択した場合の太い針4aの外径1.2mmに対して遊びを持つ1.4mm程度として、位置精度確保上、曲がり防止上好適である。しかし、これに限られることはなく、検体容器1のキャップ9の針4を貫通させる特定位置1aは、キャップ9がインジェクション成形される際にできる凹部であると、キャップ9の内側球面と上面の凹部とによる肉薄部への貫通作業で、しかも、針4の滑りを防止できることから、この凹部の開口径範囲以内として遊びのない貫通作業に有効であり、2mm程度以内とすることができる。因みに、貫通用の針4aが18Gである場合、分注、吸引除去用の針4bは19Gを採用すると、外径が1.1mmとなり貫通用の針4aによる貫通穴5との間に0.1mmの余裕が得られるので、針4aによる貫通穴5に針4bを挿入して分注や吸引除去を無理なく行うのに十分である。
なお、ガイド13は、すり鉢型穴14は、ボリュームの低減、軽量化上、別部材で形成してガイド13の穴13aにその上側から差し込み装着してあるが、ガイド13に一体形成してもよい。また、ガイド13の下面には、載頭円錐面をなして下方に開放した凹部13bを設けて、容器支持部材2の収納部2aに着脱しやすい遊びを持って嵌め合せた検体容器1のキャップ9の肩部球面に当接するように押しつけられて、各検体容器1を特定位置に精度よく位置決めできるようにしながら、その位置決め位置でキャップ9の特定箇所1aとすり鉢型穴14の下部開口14aとが所定距離離れるようにしている。
もっとも、貫通穴5が検体容器1の過酷な物理的、化学的、機械的な取扱い上、経時的に縮小したり、粉砕検体8の固着による細りが生じて針4bの挿入に難が生じるような場合は、針4aによる再度の貫通処理をしたり、貫通初期から貫通穴5の直径を経時的な縮小や細り分を配慮した大き目に形成しておいて対応することができる。また、すり鉢型穴14の下部開口14aと検体容器1の特定箇所1aとの距離は、針4に対するガイド上、針4とのストレート部との嵌め合い代が確保されることを条件にする必要がある。つまり、針4の先端傾斜部が下部開口14aより下側に脱している必要がある。これは、針4の先端傾斜部が下部開口14aに対応しているとこれをガイドする遊びが大きく、曲がりを防止仕切れないからである。また、検体容器1はキャップ9を含めPP樹脂で形成していたのを、キャップ9をPE樹脂で形成することにより、針4を貫通させやすくしているが、貫通専用の針4を用いることに代えて、検体容器1の特定箇所を火で炙るか、加熱した鏝を当てるなどして加温処理すると、特定箇所1aが軟化し分注用の針4bでも容易に貫通させられる。しかし、それには検体や試薬が熱変質しないことが条件となる。
上記のような方法を達成するのに、本実施の形態の検査前処理装置100は、図1、図2に示した中の、少なくとも、複数の検体容器1を特定位置に支持する容器支持部材21、1種以上の試薬容器22を特定位置に支持する試薬支持部23、シリンジ3を装備してそれの針装着部3aの軸線を、容器支持部材21に支持された各特定位置の検体容器1の各特定箇所1aと、試薬支持部23に支持された各試薬容器と22に、それら双方間での相対移動により位置合わせできるようにシリンジを支持する主相対移動機構24、シリンジ3を、これに主相対移動機構24により位置合わせされた、検体容器1と、試薬容器22との、間の主相対移動機構24上でのシリンジ3の軸線方向の相対移動により、シリンジ3に装着している針を4、位置合わせされている検体容器1の特定箇所1aに貫通させまたはおよび挿入させたり、試薬容器22に挿入させたりできるようにシリンジ3を支持する副相対移動機構25、主相対移動機構24および副相対移動機構25に装備したシリンジ3にチューブ20で繋いで試薬7の吸入、吐出を行わせる送液ポンプの一例としてのシリンジポンプ26、主相対移動機構24、副相対移動機構25、シリンジポンプ26を動作制御して、シリンジ3に装着した針4を通じて特定位置の試薬容器22内の試薬の吸入、特定位置の検体容器1の特定箇所1aへの針4の貫通、この貫通によりできた貫通穴5を通じた試薬7の、注入済試薬7の吸引、除去を行いまたは行わない1回以上の分注を行わせる制御手段27、を備えればよい。それには、送液ポンプとしては、吐出に加え吸引が行えるものであることが必要となるが、吐出と吸引を個別のポンプで行うこともできる。
ここで、試薬7の吸引除去を行うには、検査前処理装置100は、検体容器1から吸引除去した試薬7を廃棄する試薬廃棄容器28を特定位置に支持する試薬廃棄部29を設ける必要がある。また、異種試薬7を廃棄するのに混合すると有害となるような組み合わせに対しては個別の試薬廃棄容器28を試薬廃棄部29の各特定位置に支持して、対応することになる。
また、異なった検体8、異なった試薬7を分注作業ないしは吸引除去作業などを行うような場合、シリンジポンプ26からシリンジ3までの吸引、分注系31を、検体8と試薬7との組み合わせが異種となる数だけ設けて対応することはできる。しかし、それには装置100の大型化、複雑化を招くので、できるだけ設置数を少なくして、少ない分だけ共用するのが好適である。この面から、本実施の形態の検査前処理装置100では、1つの吸引、分注系31を全ての吸引、分注作業に共用するようにしている。これに限られることはないが、吸引、分注系31を全ての吸引、分注作業に共用するには、吸引作業終了の都度、分注作業終了の都度、使用済みの針4を新しい針4に交換して、次の吸引、分注作業に当たる必要がある。これには、必要数の針4を特定位置に支持する針支持部30と、廃棄する針4を取り外し収納する針廃棄部32とを設ける必要がある。針4は混ざっても特に問題はないので、針廃棄部32は1つ設ければよい。
針支持部30は、針4を特定位置の図6(c)に示す支持孔40aに通して図6(c)に示す上端のフランジ部4aで着座させて吊持ちなどする針ラック40を用い、図6(c)に示すシリンジ3の針装着部3aを上方から軸線上で位置合わせして、その軸線上でシリンジ3の針装着部3aを上端の基部フランジ41の上端凹部42に近づけて圧入することで装着し、その後シリンジ3を上昇させることで装着した針4を針ラック40のから引き抜き、吸引や分注に居せるようにする。これに併せ、針廃棄部32は、シリンジ3との間でシリンジ3の針装着部3aに装着されている針4を取り外し収納するために、図6(c)に示すようなシリンジ3の針装着部3a近傍を、図1に示す針廃棄部32の特定位置にある、シリンジ3の軸線に直角な向きのほぼV字状をした切り離し部33aに受け入れ、受け入れたシリンジ3の切り離し部33aからの軸線方向への抜き去り時に、図6(c)に示す針4の基部フランジ41を切り離し部33aで受け止め抜き去られるシリンジ3から針4を切り離し、収容する針廃棄部32に収容させる切り離し部材33を設けてある。
これら針4のシリンジ3の針装着部3aに対する着脱のために、針装着部3aは先細り形状の弾性体として、針4の基部フランジ41の凹部42への圧入、装着や取り外しが容易かつ確実に達成されるようにしている。なお、針装着部3aの先細り形状は、ストレート面と、丸みを帯びて先端に延びる形状との組み合わせとするのが容易な圧入、弾性的な十分な圧入代による確実な装着に好適である。しかし、これに限られることはなく、ストレート面とテーパー面をなして先端に延びる形状の組み合わせとすることもできる。
さらに、シリンジ3を異なった試薬7の吸引や分注に共用することから、吸引作業終了の都度、分注作業終了の都度、使用済みの針4を新しい針4に交換して、次の吸引、分注作業に当たるのに併せ、残留する試薬7同士、残留する試薬7中に混じっている検体8同士が汚染し合ったり、感染し合ったりしないように、洗浄する必要がある。そこで、本実施の形態の検査前処理装置100は、さらに、使用済針4を取り外したシリンジ3を洗浄する洗浄槽51を特定位置に設け、使用済針4を取り外したシリンジ3を洗浄槽51内の洗浄液中に挿入して、国際基準回数以上、具体的には3回以上、吸引、吐出を繰り返せるようにしている。この洗浄液の吸引は、試薬7や検体8が及ぶ汚れ域を超えて設定した洗浄域に対して行い洗浄するようにしている。この洗浄域は、シリンジ3全体内はもとより、吸引、吐出のためにシリンジ3とシリンジポンプ26とを接続している接続チューブ52のシリンジ3側一部にまで及んでいる。そこで、シリンジ3および接続チューブ52共に、汚れ落ちを良くする離型性、耐食性の確保からテトラフルオロエチレン製とし、針4の着脱のための前記針装着部3aに必要な弾性や、シリンジ3およびシリンジポンプ26間の距離変化に対応する接続チューブ52の可撓性や弾性をも満足している。
最後に、本実施の形態の検査前処理装置100は、前記各場合の方法を達成するための制御手段27を備えて、主相対移動機構24、副相対移動機26構、シリンジポンプ26を動作制御することにより、シリンジ3に装着した針4を通じて特定位置の試薬容器22内の試薬7の吸入、特定位置の検体容器1の特定箇所1aへの4針4の貫通、この貫通によりできた貫通穴5を通じた試薬7の、注入済試薬7の吸引、除去を行いまたは行わない1回以上の分注を行わせるようにできる。
また、別に、制御手段27は、主相対移動機構24、副相対移動機構25、シリンジポンプを動作制御して、シリンジ3に針4を装着し、装着した針4を通じて特定位置の試薬容器22内の試薬7の吸入、特定位置の検体容器1の特定箇所1aへの針の貫通、この貫通によりできた貫通穴を通じた試薬7の、注入済試薬7の吸引、除去を行いまたは行わない1回以上の分注、試薬吸引時の前回試薬と異なる場合の針の廃棄、針廃棄後のシリンジの洗浄槽内の洗浄液の吸引、吐出による洗浄、を行わせることもできる。
ここで、シリンジ3は副相対移動機構25に直接支持して、副相対移動機構25を基台54上に設置した主相対移動機構24に直接支持し、シリンジ3の支持は主相対移動機構24に対して間接となるようにしている。これら、主、副相対移動機構24、25に対し、容器支持部材21、試薬支持部23、試薬廃棄部29、針支持部30、針廃棄部32のそれぞれを基台54上の特定位置に設置してある。これらを設置する特定位置、容器支持部材21に支持する検体容器1の特定位置、試薬支持部23に支持する試薬容器22の特定位置、針支持部30に支持される各針4の特定位置、針廃棄部32に設けられる受け入れ部の特定位置は、それぞれ、主、副相対移動機構24、25の動作制御によりシリンジ3を位置合わせする制御原点に対するものであり、この制御原点からのX、Y、Z3方向での座標位置として設定し、位置制御することができる。このために、主相対移動機構24は、基台54上で、水平面上でのX、Y2方向にシリンジ3を位置決めするXYロボット、副相対移動機構25は、基台54上で、シリンジ3をZ方向に昇降させる昇降ロボットとしてある。しかし、これに限られることはなく、例えば、それら3方向の位置決めを多関節駆動方式を利用するなどした1つのロボットで行うこともできる。
ここで、図7に示すPCRによるトウモロコシなどのDNA検査のための検査前処理方法の1つの実施例を説明する。本実施例では、ステップ1として、検査前処理装置100に容器支持部材2を装備して、それに支持した検体容器1のキャップ9に形成された特定箇所1aに針4aを貫通させて貫通穴5を形成し、貫通穴5が形成される都度、貫通穴5に挿し替えた針4bにて試薬7としてG1+RNaseAバッファを850μl〜2020μlを注入することを、全ての件体容器1に順次行う。
次に、ステップ2として、分注後の検体容器1を容器支持部材2ごと検査前処理装置100から手作業にて取り出し、検体粉砕装置の八の字運動機構などに移し、八の字運動などにより各検体容器1内の検体8と試薬7とを混合する。
混合後の検体容器1はステップ3として、容器支持部材2ごと検査前処理装置100に戻し、各検体容器1に次の試薬7としてG2バッファを100μl〜250μl分注する。
ステップ4では、また、ステップ3での分注後の検体容器1を、容器支持部材2ごと検査前処理装置100から手作業にて取り出し、検体粉砕装置の八の字運動機構などに移し、八の字運動などにより各検体容器1内の検体8と試薬7とを混合する。
ステップ5では、ステップ4での混合後の検体容器1を、容器支持部材2ごと検体粉砕装置から遠心分離装置に移して、3000rpm程度の回転を与える遠心分離に掛ける。
ステップ6では、ステップ5での遠心分離処理後の検体容器1を、容器支持部材2ごと装置から検査前処理装置100に移して、検体容器1内の上澄み液を吸引し、96ディープウェル61(図1、図2、図7)に分注た上で、各分注液に、G3バッファ+EtOHを250μl〜275μl、または250μl〜375μl分注して、それらを混和させる。
以上の検査前処理が終了すると、96ディープウェルごとPCR検査に供する。
本発明は、血液検査、DNA検査などのために、検査前処理として、主として検体や試薬の分注、吸引を行うのに実用して有益である。
1 検体容器
1a 特定箇所
2 容器支持部材
3 シリンジ
4、4a、4b 針
5 貫通穴
7 試薬
8 検体
9 キャップ
11 乳棒
13 ガイド
14 すり鉢型穴
21 容器支持部
22 試薬容器
23 試薬支持部
24 主相対移動機構
25 副相対移動機構
26 シリンジポンプ
27 制御手段
28 試薬廃棄容器
29 試薬廃棄部
30 針支持部
31 分注系
32 針廃棄部
40 針ラック
51 洗浄槽

Claims (7)

  1. 容器支持部の特定位置に安定に支持した検体、乳棒および試薬を収容して閉じられた検体容器の特定箇所と、シリンジに装着した針と、を針の軸線上で自動的に位置合わせする位置合わせ工程と、位置合わせ後の検体容器の特定箇所と針とを、針の軸線上で自動的に相対移動させて、針を検体容器の特定箇所に貫通させる貫通工程と、当該貫通させた針または当該針の貫通により形成された貫通穴に別途挿し替えた試薬専用針で試薬を自動的に吸引、除去する試薬除去工程と、を備えたことを特徴とする検体の検査前処理方法。
  2. 検体と試薬を乳棒と共に収容して閉じ、少なくとも軸線方向の振動的な往復動を与えて検体を粉砕し試薬と混合する粉砕、混合工程と、粉砕、混合に供した後の複数の検体容器を容器支持部の特定位置に安定に支持する工程と、特定の検体容器の特定箇所と、試薬を分注するシリンジに装着した針と、を針の軸線上で自動的に位置合わせする位置合わせ工程と、位置合わせ後の検体容器の特定箇所と針とを、針の軸線上で自動的に相対移動させて、針の先を検査体容器の特定箇所に貫通させる貫通工程と、当該貫通させた針または当該針の貫通により形成された貫通穴に別途挿し替えた試薬専用針を通じ検体容器内の試薬を吸引除去する試薬除去工程と、を備えたことを特徴とする検体の検査前処理方法。
  3. 検体を収容して閉じられ容器支持部の特定位置に安定に支持した複数の検体容器の特定箇所と、試薬を分注するシリンジに装着した針と、を針の軸線上で自動的に位置合わせする位置合わせ工程と、位置合わせ後の検体容器の特定箇所と針との、針の軸線上で自動的に相対移動させて、針を検査体容器の特定箇所に貫通させる貫通工程と、当該貫通させた針または当該針の貫通により形成された貫通穴に別途挿し替えた分注専用の針を通じ検体容器内に試薬を自動的に分注することを、注入済試薬の吸引除去を行い、または行わずに、1回以上行う分注工程と、を備えたことを特徴とする検体の検査前処理方法。
  4. 方向の振動的な往復動を与えて検体を粉砕する工程と、粉砕に供した後の複数の検体容器を容器支持部の特定位置に安定に支持する工程と、特定の検体容器の特定箇所と、試薬を分注するシリンジに装着した針と、を針の軸線上で自動的に位置合わせする位置合わせ工程と、位置合わせ後の検体容器の特定箇所と針とを、針の軸線上で自動的に相対移動させて、針を検査体容器の特定箇所に貫通させる貫通工程と、当該貫通させた針または当該針の貫通により形成された貫通穴に別途挿し替えた試薬専用の針を通じ検体容器内に試薬を分注することを、注入済試薬の吸引除去を挟んで行い、または行わずに、1回以上行う分注工程と、を備えたことを特徴とする検体の検査前処理方法。
  5. 針は、径が異なる太い側の針で貫通作業を行い、細い側の針で分注作業を行うように使い分ける請求項1〜4のいずれか1項に記載の検体の検査前処理方法。
  6. 本発明の検体の検査前処理装置は、
    複数の検体容器を特定位置に支持する容器支持部、
    種以上の試薬容器を特定位置に支持する試薬支持部、
    シリンジを装備してそれの針装着部の軸線を、容器支持部に支持された各特定位置の検体容器の各特定箇所と、試薬支持部に支持された各試薬容器とに、それら双方間での相対移動により位置合わせできるようにシリンジを支持する主相対移動機構、
    シリンジを、これに主相対移動機構により位置合わせされた、検体容器と、試薬容器との、間の主相対移動機構上でのシリンジの軸線方向の相対移動により、シリンジに装着している針を、位置合わせされている検体容器の特定箇所に貫通させまたはおよび挿入させたり、試薬容器に挿入させたりできるようにシリンジを支持する副相対移動機構、
    主相対移動機構に装備したシリンジに試薬の吸入、吐出を行わせる送液ポンプ、
    主相対移動機構、副相対移動機構、送液ポンプを動作制御して、シリンジに装着した針を通じて特定位置の試薬容器内の試薬の吸入、特定位置の検体容器の特定箇所への針の貫通、この貫通によりできた貫通穴を通じた試薬の、注入済試薬の吸引、除去を行いまたは行わない1回以上の分注を行わせる制御手段、
    を備えたことを特徴とする検体の検査前処理装置。
  7. 本発明の検査前処理装置は、また、複数の検体容器を特定位置に支持する容器支持部、
    1種以上の試薬容器を特定位置に支持する試薬支持部、
    分注専用の針を複数特定位置に支持してシリンジの針装着部が針の基部に同一軸線上で押し付けられることで、針が装着状態になるようにして抜き出し可能とする針支持部、
    シリンジの針装着部近傍を、特定位置にあるシリンジの軸線に直角な向きのほぼV字状をした切り離し部に受け入れ、受け入れたシリンジの切り離し部からの軸線方向への抜き去り時に、針の基部フランジを切り離し部で受け止め抜き去られるシリンジから針を切り離し、収容する針廃棄部、
    特定位置にてシリンジの洗浄に供する洗浄槽、
    シリンジの針装着部を、針支持部の各特定位置に支持された各針と、試薬支持部の各特定位置に支持された各試薬容器と、容器支持部の各特定位置に支持された各検体容器の各特定箇所と、針廃棄部の針切り離し部と、洗浄槽と、に、それら双方間の相対移動により位置合わせできるようにシリンジを支持した主相対移動機構、
    シリンジを、これと主相対移動機構により位置合わせされた、針と、検体容器と、試薬容器と、針廃棄部の引き離し部と、洗浄槽と、に、それらの間の主相対移動機構上での相対移動により、シリンジの針装着部への針の装着、針装着部に装着した針の、検体容器の特定箇所への貫通またはおよび挿入、試薬容器への挿入、洗浄槽への挿入、針廃棄部の引き離し部への主相対移動機構による相対移動も併せた進入、引き離しができるようにシリンジを支持する副相対移動機構、
    主相対移動機構に装備したシリンジに試薬の吸入、吐出を行わせる送液ポンプ、
    主相対移動機構、副相対移動機構、送液ポンプを動作制御して、シリンジに針を装着し、装着した針を通じて特定位置の試薬容器内の試薬の吸入、特定位置の検体容器の特定箇所への針の貫通、この貫通によりできた貫通穴を通じた試薬の、注入済試薬の吸引、除去を行いまたは行わない1回以上の分注、試薬吸引時の前回試薬と異なる場合の針の廃棄、針廃棄後のシリンジの洗浄槽内の洗浄液の吸引、吐出による洗浄、を行わせる制御手段、
    を備えたことを特徴とする検体の検査前処理装置。
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