JP2011117461A - 内燃機関の触媒制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、内燃機関の触媒制御装置に関し、触媒昇温制御中に生じた外的変化に対して、触媒昇温制御に適切な補正を施すことを目的とする。
【解決手段】排気弁の開き時期および閉じ時期を変更可能な排気可変動弁機構を備える。排気弁の開き時期および閉じ時期の進角によって、触媒を昇温させる触媒昇温制御を実行する。燃料残量が所定値以下である場合に、筒内から排出されるガスの空燃比のリッチ化が抑制されるように、排気弁の開き時期および閉じ時期を遅角側に補正する。
【選択図】図7

Description

この発明は、内燃機関の触媒制御装置に係り、特に、吸気弁およびまたは排気弁の開閉時期の変更によって触媒温度を制御する装置として好適な内燃機関の触媒制御装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、排気中の粒子状物質を捕集するフィルタを備えた内燃機関の排気微粒子除去装置が開示されている。この従来の装置は、そのフィルタ(捕集手段)の捕集能力を再生させるときに、排気弁の開き時期および閉じ時期が進角するように可変動弁機構を制御する動弁機構制御手段を備えている。このため、上記従来の装置によれば、内燃機関から燃焼直後または燃焼途中の高温の排気を排出させることにより、捕集手段に捕集されている粒子状物質を燃焼および除去することができる。
特開2002−227630号公報 特開2004−52597号公報 特開平7−19032号公報 特開2005−16396号公報 特開2003−83030号公報 特開2005−201060号公報
上記従来技術に開示されているように、吸気弁およびまたは排気弁の開閉時期の制御によって、触媒を昇温させる触媒昇温制御が知られている。そのような触媒昇温制御の実行中は、様々な外的変化に対して、上記触媒昇温制御の内容を補正することが必要となる。しかしながら、上記従来の装置は、この点につき何らの考慮がなされておらず、未だ改良の余地を有するものであった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、触媒昇温制御中に生じた外的変化に対して、触媒昇温制御に適切な補正を施すことのできる内燃機関の触媒制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、吸気弁およびまたは排気弁の開き時期およびまたは閉じ時期を変更可能な可変動弁機構を備え、当該開き時期およびまたは閉じ時期の調整によって、排気通路に配置される触媒を昇温させる触媒昇温制御を実行する内燃機関の触媒制御装置であって、
燃料残量情報を取得する燃料残量取得手段と、
燃料残量が所定値以下である場合に、筒内から排出されるガスの空燃比のリッチ化が抑制されるように、前記吸気弁およびまたは排気弁の開き時期およびまたは閉じ時期を補正するバルブ開閉時期補正手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、前記バルブ開閉時期補正手段は、燃料残量が所定値以下である場合に、前記排気弁の開き時期および閉じ時期の少なくとも一方を、遅角側に補正するものであることを特徴とする。
第1の発明によれば、吸気弁およびまたは排気弁の開き時期およびまたは閉じ時期の制御を、燃費悪化を抑制する側に最適制御することで、残走行距離を延ばすことができる。
第2の発明によれば、排気弁の開き時期および閉じ時期の少なくとも一方を遅角側に補正することによって、筒内から排出されるガスの空燃比のリッチ化を抑制することができ、残走行距離を伸ばすことができる。
実施の形態1.
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1の構成を説明するための図である。図1に示すように、本実施形態のシステムは、内燃機関10を備えている。この内燃機関10は、ディーゼルエンジンである。内燃機関10の筒内には、その内部を往復移動するピストン12が設けられている。また、内燃機関10は、シリンダヘッド14を備えている。ピストン12とシリンダヘッド14との間には、燃焼室16が形成されている。
シリンダヘッド14には、燃焼室16内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁18が組み込まれている。燃焼室16には、吸気通路20および排気通路22が連通している。吸気通路20および排気通路22には、それぞれ、燃焼室16と吸気通路20、或いは燃焼室16と排気通路22を導通状態または遮断状態とするための吸気弁24および排気弁26が設けられている。
吸気弁24および排気弁26は、それぞれ吸気可変動弁(VVT)機構28および排気可変動弁(VVT)機構30により駆動される。また、可変動弁機構28、30は、それぞれ、クランク軸の回転と同期して吸気弁24および排気弁26を開閉させるとともに、それらの開閉時期を作用角一定のままで変更できるものである。尚、吸気弁24や排気弁26を駆動するための可変動弁機構は、吸気弁24または排気弁26の開き時期および閉じ時期の少なくとも一方を可変に制御できるものであれば、上記の可変動弁機構28、30のような構成に限らず、バルブのリフト量や作用角を機械的に連続可変できる可変動弁機構や電磁駆動弁などであってもよい。
吸気通路20には、吸気通路20を開閉するための吸気絞り弁32が配置されている。吸気絞り弁32の上流には、吸気通路20内の圧力を検出する吸気圧センサ34が取り付けられている。
排気通路22には、排気ガスを浄化するための排気浄化装置36が配置されている。ここでは、排気浄化装置36としては、酸化触媒と粒子状物質(PM)を捕集するためのDPF(Diesel Particulate Filter)とを組み合わせた触媒付きフィルタ38を備えるDPR(Diesel Particulate active Reduction system)が用いられているものとする。尚、排気浄化装置36の構成は、これに限らず、酸化触媒を単独で用いるものや、NOxを吸蔵可能な触媒をも備えたDPNR(Diesel Particulate−NOx active Reduction system)などであってもよい。
また、排気通路22には、排気浄化装置36の上流に、排気通路22内に燃料を噴射する燃料添加弁40が組み込まれている。このような燃料添加弁40によれば、排気浄化装置36の触媒を昇温或いは還元させる必要のあるときに、排気浄化装置36内の触媒に未燃HCを供給することができる。尚、当該触媒への未燃HCの供給は、上記の燃料添加弁40による燃料供給に代えて、燃料噴射弁18によるポスト噴射で実現されるものであってもよい。ポスト噴射は、燃料噴射弁18による燃料噴射として、圧縮上死点付近で行われるメインの燃料噴射(以下、「メイン噴射」と称する)の後のタイミング、すなわち、膨張行程中に行われるものである。
また、排気通路22には、触媒付きフィルタ38の前後の差圧を検出するための差圧センサ42が取り付けられている。更に、排気通路22には、触媒付きフィルタ38の上流に、排気通路22内の圧力を検出する排気圧センサ44、および当該触媒付きフィルタ38の温度情報を取得するための排気温度センサ46がそれぞれ取り付けられている。
図1に示すシステムは、ECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50には、上述した各種センサに加え、エンジン回転数NEを検知するためのクランク角センサ52、アクセルペダル開度を検知するためのアクセル開度センサ54、更には燃料タンク(図示省略)内の燃料残量を検知するための燃料残量センサ56等のセンサが接続されている。また、ECU50には、上述した各種アクチュエータが接続されている。ECU50は、各センサの出力に基づき、所定の制御プログラムに従って各アクチュエータを駆動するようになっている。
[触媒昇温制御の概要]
本実施形態のシステムでは、触媒付きフィルタ38に捕集されたPMを燃焼によって除去すべく、所定の条件下において、排気弁26の開き時期および閉じ時期の調整によって、触媒の温度を上昇させる触媒昇温制御が実行される。図2は、そのような触媒昇温制御中の排気弁26の開閉時期の設定を説明するための図である。
図2中に破線で表された曲線は、通常時の排気弁26の開閉時期の設定を示しており、また、図2中に実線で表された曲線は、上記触媒昇温制御時の排気弁26の開閉時期の設定を示している。すなわち、本実施形態では、触媒昇温制御時には、排気可変動弁機構30によって、排気弁26の開弁位相を進角させることで、排気弁26の開き時期と排気弁26の閉じ時期をともに進角させることとしている。これにより、次の図3に示すような効果が得られる。
図3は、触媒昇温制御時の筒内圧力Pと筒内容積Vとの関係を示すP-V線図である。図3に示すように、排気弁26の開き時期が進角(EX早開)されると、膨張仕事が減少する。従って、進角前の状態と同一のトルクを内燃機関10が発生させるためには、燃料噴射量を増量する必要が生ずる。その結果、排気損失が増大する。
また、図3に示すように、排気弁26の閉じ時期が進角(EX早閉)されると、排気行程において、筒内に閉じ込められた既燃ガス(内部EGRガス)が圧縮されることになるため、ポンプ損失が発生する。発生したポンプ損失は、その後に筒内に吸入される空気の熱エネルギに変換されるので、圧縮上死点における筒内温度(圧縮端温度)が上昇する。その結果、排気損失が増大する。さらに、圧縮端温度が上昇すると、それ以降の筒内温度もその分だけ高くなるので、メイン噴射時期をリタードさせた際の燃焼安定性が向上する。メイン噴射時期をリタードさせた状況下、すなわち、ピストンが上死点を過ぎて圧縮圧力が低下している状況下で、当該リタード前と同一のトルクを内燃機関10が発生させるためには、燃料噴射量を増量させる必要が生ずる。その結果、排気損失が増大する。
以上のように、排気弁26の開き時期の進角によって排気損失が増大するとともに、排気弁26の閉じ時期の進角によっても排気損失が増大する。排気損失の増大は、排気温度の増大をもたらす。このため、以上説明した制御によれば、触媒の昇温が可能となる。そして、本実施形態のように、排気弁26の開き時期の進角と排気弁26の閉じ時期の進角とを併用している場合には、両者の相乗効果によって排気温度の増大効果を高めることができる。以上の本実施形態の触媒昇温制御によれば、軽負荷状態であっても、有効に排気温度を上昇させることができる。
[進角度の上下限値の設定]
次に、図4に示すルーチンを参照して、上記触媒昇温制御時における排気弁開閉時期の進角度の上下限値の設定手法について説明する。尚、以下の本明細書中においては、排気弁の開閉時期の進角度を、単に「EX進角度」と称する。
本ルーチンは、触媒昇温制御(昇温モード)が実行される条件が成立している場合であって、排気可変動弁機構30が可変動作を行い得る状態にある軽負荷条件が成立している場合に実行されるものとする。
図4に示すルーチンでは、先ず、EX進角度上限値の算出が実行される(ステップ100)。具体的には、以下のステップ102〜106の処理が実行される。先ず、ステップ102では、スモーク(PMの主成分である黒煙)が悪化しない(スモーク限界の)最小A/Fが設定される。ECU50は、内燃機関10の負荷とエンジン回転数NEとの関係で、スモークが悪化しない最小A/Fを定めたマップを記憶しており、本ステップ102では、そのマップに従って最小A/Fが取得される。尚、最小A/Fは、スモークとの関係に限らず、失火を回避できる値或いは未燃HCの排出を適切に抑制可能な値として設定されたものであってもよい。
次いで、上記ステップ102において設定された最小A/Fを充足するEX進角度Aが算出される(ステップ104)。次いで、当該ステップ104において算出されたEX進角度Aが進角上限値として設定される(ステップ106)。
一方、本ルーチンでは、進角上限値の算出と並行して、進角下限値の算出が実行される(ステップ108)。具体的には、以下のステップ110〜122の処理が実行される。先ず、ステップ110では、目標排気温度が、内燃機関10の運転状態に基づいて設定される。次いで、現在の内燃機関10の運転状態下で、当該目標排気温度を実現するために必要なEX進角度Bが算出される(ステップ112)。
また、ステップ114では、狙いのエミッション性能が得られるような目標内部EGR量が設定される(ステップ114)。次いで、当該目標内部EGR量を得るために必要なEX進角度Cが算出される(ステップ116)。
次に、上記ステップ112において算出されたEX進角度Bが、上記ステップ116において算出されたEX進角度Cより大きいか否かが判別される(ステップ118)。その結果、上記ステップ118の判定が成立する場合には、EX進角度Bが進角度下限値として設定され(ステップ120)、一方、上記ステップ118の判定が不成立である場合には、EX進角度Cが進角度下限値として設定される(ステップ122)。
図4に示すルーチンでは、次に、以上の処理によって設定されたEX進角度の上限値と下限値との間で、排気弁26の開閉時期の目標進角度が、現在の運転状態に応じた最適値に決定される(ステップ124)。上述したように、EX進角度が大きくなれば、排気温度が増大し、また、進角前の条件と同一トルクを得るために燃料噴射量が増量されることで、燃費が悪化する。従って、本ステップ124では、排気温度を高めることを優先する場合には、EX進角度は上限値側の値に設定され、燃費やエミッション性能を優先する場合には、EX進角度は下限値側の値に設定される。
[OT防止のためのEX進角度補正]
次に、図5に示すルーチンを参照して、触媒過熱の防止(OT防止)のために行われるEX進角度の補正の手法について説明する。
本ルーチンは、触媒付きフィルタ38に所定量のPMが堆積していると認められる状況下で実行されるものとする。尚、PMの堆積量は、差圧センサ42の出力に基づき、触媒前後の差圧から推定して取得可能である。
図5に示すルーチンでは、先ず、現在の内燃機関10の運転状態が、低回転軽負荷領域(アイドリング付近)への移行時、すなわち、排気ガス流量の比較的低い領域への移行時であるか否かが判別される(ステップ200)。その結果、低回転軽負荷領域への移行時でないと判定された場合には、通常の触媒制御が実行される(ステップ202)。具体的には、内燃機関10の運転状態(例えば、負荷とエンジン回転数NE)との関係で予め設定されたEX進角度のベース値となるように排気弁26の開閉時期が制御される。
一方、上記ステップ200において、現在の内燃機関10の運転状態が低回転軽負荷領域への移行時であると判定された場合には、次いで、OTの危険があるか否かが判別される(ステップ204)。具体的には、現在の触媒床温が所定値より高いか、PM排出量が所定量より多いか、排気ガス流量が所定量より多いか、に基づいて、OTの危険性が判別される。尚、触媒床温は、排気温度センサ46の出力を基礎として、ECU50が触媒床温の推定値を算出することによって得ることができる。
上記ステップ204において、OTの危険がないと判定された場合には、EX進角度がベース値に維持される(ステップ206)。一方、上記ステップ204において、OTの危険があると判定された場合には、EX進角度の上限値となるまで、排気弁26の開閉時期がEX進角度ベース値から更に進角される(ステップ208)。
次に、燃料添加弁40による燃料添加がカットされる(ステップ212)。尚、燃料添加のカットに代えて、所定量だけ燃料添加量を減量するようにしてもよい。次いで、OTが回避されたか否かが判別される(ステップ212)。具体的には、触媒床温が所定値より低下したか、PM排出量が所定量より低下したか、排気ガス流量が所定量より低下したか、に基づいて、OTの回避の成否が判別される。
上記ステップ212において、OTが未だ回避されていないと判別された場合には、EX進角度を上限値とし、燃料添加をカット等する処置が継続される。一方、OTの回避が確認された場合には、EX進角度を上限値まで更に進角させる制御が解除される(ステップ214)。
以上説明した図5に示すルーチンによれば、OTの危険があると予測される場合には、EX進角度がベース値から更に進角される。EX進角度が更に進角されると、膨張仕事の更なる減少によるトルク減少分を補うために燃料噴射量の更なる増量が必要となる。この際、EX進角度の進角によって内部EGRガスが更に増量されることになる。このため、排気温度の増大に伴う圧縮端温度やその後の筒内温度の上昇の影響で、燃料噴射量の増量時、すなわち、A/Fの減少時の着火安定性を良好に確保することができる。このため、上記ルーチンの手法によれば、OTの危険がある場合に、筒内から排出されるガスのA/Fを応答性良くリッチ化させることができる、すなわち、酸素濃度を応答性良く低減することができる。これにより、触媒内部の発熱反応による触媒の温度上昇(OT)を抑制することができる。
また、本実施形態のように、排気弁26の開閉時期の進角を利用して触媒床温制御を実行する場合には、排気弁26の開閉時期を更に進角させる手法の方が、排気弁26の開閉時期の遅角によって内部EGRガスを増量させる手法に比して、排気弁26の開閉時期の操作量(バルブタイミング変化量)が少なく、酸素濃度を有効に低減させる際に、応答遅れを最も少なくすることができる。
また、本実施形態では、上記図4に示すルーチンを参照して説明したように、EX進角度の上限値をスモークが悪化しない最小のA/Fとなるように設定している。このような設定を用いることで、OTの危険がある場合に、EX進角度を上限値まで進角させることにより、酸素濃度を素早く低減させることができ、触媒過熱を確実に回避することができる。
また、上記図5に示すルーチンの処理によれば、OTの危険があると予測される場合には、燃料添加弁40による燃料添加がカット等される。このため、触媒床温の低下が可能となる。触媒床温が低下すると、その後に再加速がなされ、排気ガス中の酸素濃度が増加した場合であっても、触媒内部の発熱反応によるOTを回避することができる。これに対し、吸気の絞りを増大させることで酸素濃度を減少させる手法では、失火回避のために十分なレベルにまで酸素濃度を下げることが困難である。また、触媒へのHC供給量を増やすことによって酸素濃度を減少させる手法では、酸素濃度を下げることはできても、触媒床温が比較的高い状況下では、再加速時に酸素濃度が増加した場合に触媒に供給されたHCが燃焼し、OTとなる可能性が高くなる。本実施形態の手法では、これらの弊害を回避することができる。
以上のように、本実施形態の手法によれば、着火安定性を確保しつつ、確実にOTを回避することが可能となる。また、触媒床温を同時に下げることができるため、その点においても、より効果的にOT回避を実現することができる。
ところで、上述した実施の形態1においては、排気弁26の開き時期および閉じ時期の進角のみを利用して、触媒昇温制御を実行するようにしているが、本発明における触媒昇温制御は、このような手法に限定されるものではない。すなわち、例えば、排気弁26と吸気弁24の開閉時期を同時に制御することによって、触媒を昇温させるものであってもよい。
実施の形態2.
次に、図6を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
本実施形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU50に、図4および図5に示すルーチンと並行して、後述する図6に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
[大気圧に応じたEX進角度補正]
図6は、大気圧に応じてEX進角度を補正するために、本実施の形態2においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。図6に示すルーチンでは、先ず、吸気圧センサ34の出力に基づいて、現在の車両の位置が高地であるか否かが判別される(ステップ300)。その結果、高地でないと判定された場合には、EX進角度がベース値に維持される(ステップ302)。
一方、上記ステップ300において、高地であると判定された場合には、次いで、ステップ304および306の処理が実行される。ステップ304では、上記図4に示すルーチンの処理に従って設定されている現在のEX進角度の下限値が、着火安定に必要な内部EGR量を得るべく、所定量だけ進角側の値に変更される。また、ステップ306では、図4に示すルーチンによる現在のEX進角度の上限値が、スモーク悪化を抑制させるべく、所定量だけ遅角側の値に変更される。
次に、上記ステップ304および306の処理によって更新されたEX進角度の上限値と下限値との間で、排気弁26の開閉時期の目標進角度が、現在の運転状態に応じた最適値に決定される(ステップ308)。
以上説明した図6に示すルーチンによれば、高地と判定された場合に、EX進角度の下限値が進角側の値に変更されることにより、大気圧が低いために空気密度が小さい状況下であっても、排気温度を上昇させて着火安定性を確保することができる。また、高地と判定された場合に、EX進角度の上限値が遅角側の値に変更されることにより、空気密度が小さいためにA/Fが小さくなる状況下であっても、スモークが悪化するのを回避することができる。このように、本実施形態のシステムによれば、大気圧が比較的低い環境である場合には、EX進角度の上下限値を、その上下限値により定める進角範囲が狭まるように変更することにより、失火や未燃HCの排出およびスモーク排出量の増加を抑制しつつ、確実な排気温度の上昇による触媒昇温制御を実行することが可能となる。
実施の形態3.
次に、図7を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
本実施形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU50に、図4に示すルーチンと並行して、後述する図7に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。尚、ECU50は、燃料残量センサ56の出力に基づいて、燃料残量から走行可能距離を推定できる機能を有しているものとする。
[燃料残量に応じたEX進角度補正]
図7は、燃料残量に応じてEX進角度を補正するために、本実施の形態3においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。本ルーチンは、触媒昇温制御の継続中に実行されるものとする。
図7に示すルーチンでは、先ず、燃料残量センサ56の出力に基づいて、現在の燃料残量が第1所定値よりも少ないか否かが判別される(ステップ400)。その結果、燃料残量が第1所定値以上であると判定された場合には、EX進角度がベース値に維持される(ステップ402)。
一方、上記ステップ400において、燃料残量が第1所定値より少ないと判定された場合には、目標排気温度を当該判定前の値よりも下げることにより、EX進角度が、下限値よりは大きな値となる範囲内において、より減少側(遅角側)の値に補正される(ステップ404)。この処理は、内燃機関10が定常状態にあるか過渡状態にあるかに関係なく実行される。
次に、燃料残量が、上記第1所定値より小さな値に設定された第2所定値よりも少ないか否かが判別される(ステップ406)。その結果、現在の燃料残量が第2所定値よりも少ないと判定された場合、すなわち、このままでは十分な走行可能距離を確保できないと判定された場合には、EX進角度がゼロとされ、軽負荷条件下での触媒昇温制御が中止される(ステップ408)。
燃料残量が少ない状態で触媒昇温制御が開始された場合には、走行可能距離を確保するために、なるべく触媒昇温制御中の燃料消費を抑える必要がある。以上説明した図7に示すルーチンによれば、燃料残量が少なくなったことが認められた場合に、燃料タンク内の燃料残量の減少につれ、軽負荷条件下でのEX進角度が減少側(遅角側)に補正される。このような処理によれば、EX進角度の進角制御が燃費悪化を抑制する側に最適制御されることになるため、残走行距離を延ばすことが可能となる。
尚、上述した実施の形態3においては、ECU50が、上記ステップ400および406の処理を実行することにより前記第1の発明における「燃料残量取得手段」が、上記ステップ404および408の処理を実行することにより前記第1の発明における「バルブ開閉時期補正手段」が、それぞれ実現されている。
ところで、上述した実施の形態1乃至3においては、排気弁26の開閉時期を作用角一定のままで変更可能な排気可変動弁機構30を用いて、触媒昇温制御の実行中に、必要に応じて、排気弁26の開き時期および閉じ時期を変更するようにしている。しかしながら、本発明において、筒内から排出されるガスの空燃比をよりリッチ化するために、またはそのリッチ化を抑制するために、吸排気弁の開き時期や閉じ時期を調整する手法は、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、排気弁26の開き時期および閉じ時期の変更は、単独で行うようにしてもよく、作用角が一定である必要もない。また、ポンプ損失を大きくするためには、上述した排気弁26の早閉じに代え、吸気弁24の遅開きを行ってもよい。また、膨張仕事の減少による排気温度の増大効果を得るためには、排気弁26の早開きに代え、吸気弁24の早閉じを行ってもよい。更には、上記の開き時期や閉じ時期の変更を適宜組み合わせてもよい。
本発明の実施の形態1の構成を説明するための図である。 触媒昇温制御中の排気弁の開閉時期の設定を説明するための図である。 触媒昇温制御時の筒内圧力Pと筒内容積Vとの関係を示すP-V線図である。 本発明の実施の形態1において、排気弁開閉時期の進角度の上下限値の設定するために実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態1において、触媒過熱の防止を目的に排気弁の進角度を補正するために実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2において、大気圧に応じて排気弁の進角度を補正するために実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態3において、燃料残量に応じて排気弁の進角度を補正するために実行されるルーチンのフローチャートである。
10 内燃機関
16 燃焼室
18 燃料噴射弁
20 吸気通路
22 排気通路
24 吸気弁
26 排気弁
28 吸気可変動弁機構
30 排気可変動弁機構
34 吸気圧センサ
36 排気浄化装置
40 燃料添加弁
50 ECU(Electronic Control Unit)
56 燃料残量センサ

Claims (2)

  1. 吸気弁およびまたは排気弁の開き時期およびまたは閉じ時期を変更可能な可変動弁機構を備え、当該開き時期およびまたは閉じ時期の調整によって、排気通路に配置される触媒を昇温させる触媒昇温制御を実行する内燃機関の触媒制御装置であって、
    燃料残量情報を取得する燃料残量取得手段と、
    燃料残量が所定値以下である場合に、筒内から排出されるガスの空燃比のリッチ化が抑制されるように、前記吸気弁およびまたは排気弁の開き時期およびまたは閉じ時期を補正するバルブ開閉時期補正手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の触媒制御装置。
  2. 前記バルブ開閉時期補正手段は、燃料残量が所定値以下である場合に、前記排気弁の開き時期および閉じ時期の少なくとも一方を、遅角側に補正するものであることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の触媒制御装置。
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