上述したように、多種類のパチンコ遊技機が存在し、さらに次々と新たなものが生まれており、比較的短い期間で新しいものに取り替えられている。そして、このようなパチンコ遊技機は、新しい趣向性を発揮できるように、遊技仕様や演出等が複雑化する傾向にある。そのため、各種のパチンコ遊技機に設定された遊技仕様や演出等を、遊技者が完全に把握して遊技を行うためには、雑誌などでパチンコ遊技機に関する情報を予め調べるか、何度も遊技することによって徐々に理解していくことが必要となる。このようなことはパチンコ遊技に精通する者であれば、これまでの経験に上乗せしていくことにより比較的行い易いが、比較的経験の浅い者や初心者などは、多大な時間と労力とを必要とするために難しい。そのため、比較的経験の浅い者等は、個々が僅かに持っている情報(知識)のみを頼りにパチンコ遊技を行ったり、類似した種類(例えば、同じシリーズ)のパチンコ遊技機で遊技を行っている。前者の場合は、パチンコ遊技機が本来有している遊技性を、充分に楽しむことが難しく、また、後者の場合は、新しい種類のパチンコ遊技機で遊技を行わなくなり、次第に遊技に飽きてしまうことともなり得る。
尚、遊技場には、各パチンコ遊技機に、その遊技仕様や演出などに関する説明書が付置されているが、この説明書には、通常、極簡単な内容が記載されているだけである。また、通常、遊技を進行している最中に、その遊技進行に関する情報(上記仕様や演出などの情報)を知りたくなるが、遊技中に説明書を見ることによって利益獲得チャンスを逃してしまうこと等を生じることもあるため、実際の遊技中には説明書を見る機会はほとんど無い。
本発明は、上述した問題点の解決を試みたものであって、遊技仕様等の情報を提供することにより、比較的経験の浅い遊技者や初心者なども遊技性を充分に楽しむことのできるパチンコ遊技機を提案するものである。
本発明は、遊技球を発射する球発射手段と、特別図柄を変動表示する図柄表示装置と、遊技球の入賞を検知する球検知手段を具備する始動口と、始動口の球検知手段が遊技球を検知することにより、特別始動記憶を発生し、該特別始動記憶を消化することにより、図柄表示装置で特別図柄を変動開始してその停止図柄態様によって当り又はハズレを確定する遊技制御手段とを備えたパチンコ遊技機において、遊技者により操作される手操作ボタン部が、機台の前面側に配設されると共に、前記遊技制御手段は、手操作ボタン部のON操作により、予め設定された遊技ガイド情報を前記図柄表示装置で表示するガイド情報表示処理内容と、手操作ボタン部のON操作により、前記特別始動記憶を消化する処理を停止し、かつ図柄表示装置で特別図柄を変動する処理を停止する遊技中断処理内容と、所定の操作終了条件の満了により、図柄表示装置で表示する遊技ガイド情報の表示処理を解除し、特別始動記憶を消化停止する処理を解除し、特別図柄を変動停止する処理を解除する遊技復帰処理内容とを備えた情報表示制御処理を実行するようにしているものであることを特徴とするパチンコ遊技機である。
ここで、遊技ガイド情報としては、当該パチンコ遊技機の仕様や遊技方法等の総合的な案内や、図柄表示装置で表示する演出内容などを適宜設定することができる。前記の総合的な案内としては、例えば、当り発生する確率や当りにより付与される利得の内容(例えば、確変や突確などの遊技状態や、大入賞口の開閉態様など)等がある。また、演出内容としては、特別図柄の変動開始から停止までの一連の図柄生成行程の際に表示される特定の演出図柄と当落判定との関係や、物語性の演出を行う場合にそのストーリーやキャラクタなどの説明、さらには、リーチ等に関係する図柄の説明等がある。そして、これら各情報内容が適宜設定されて、これらが提供される。
このような遊技ガイド情報を表示する図柄表示装置としては、例えば、液晶表示器等のように、その画面に画像や文字などを静止画または動画として表示できる構成のものが好適に用いられる。尚、液晶表示器の他には、例えば、CRT表示器、ドットマトリックス表示器または7セグメント指示器等を用いることも可能である。
かかる本発明の構成にあっては、遊技者が手操作ボタン部をON操作することにより、図柄表示装置に遊技ガイド情報を表示して、該遊技ガイド情報によって当該パチンコ遊技機の遊技仕様等の情報を遊技者に提供することができるため、遊技者が当該遊技機の特徴を理解し易く、その後の遊技を充分に楽しむことができる。さらに、手操作ボタン部のON操作によって、始動記憶の消化と特別図柄の変動とを停止して遊技中断することから、遊技中でも遊技ガイド情報を遊技者が余裕を持って確認することができる。これにより、遊技者が遊技ガイド情報を充分に理解でき、遊技機の有する趣向性を充分に満喫することができ得る。さらに、遊技ガイド情報は初心者や比較的経験の浅い者が利用し易く、パチンコ遊技の普及にも大きく役立つとの優れた利点を有する。
また、遊技復帰処理内容の操作終了条件としては、遊技者が手操作ボタン部をOFF操作すること、遊技ガイド情報の内容に応じて設定される情報表示時間の経過等を設定することができる。本発明にあっては、少なくとも、手操作ボタン部のOFF操作を操作終了条件として設定した構成が好適である。尚、遊技ガイド情報の情報表示時間としては、所定の情報を表示するために要する時間であり、該情報量や内容によって定まるものである。
また、本構成にあって、手操作ボタン部としては、遊技者が直接操作する操作ボタンを一または複数配設した構成である。ここで、一の操作ボタンを配設した場合には、当該ボタンにより手操作ボタン部が構成されており、この操作ボタンを押圧操作すると、ON操作され、次に押圧操作するとOFF操作されるようにした構成が好適である。また、複数の操作ボタンを配設した場合には、特定の操作ボタンを操作することによって、ON操作やOFF操作を選択することができると共に、所定の情報内容を選択する操作を行うようにすることも可能である。
上述したパチンコ遊技機にあって、遊技制御手段が、手操作ボタン部の操作を有効とする操作有効期間を定めている構成が提案される。
かかる構成にあっては、操作有効期間中に手操作ボタン部がON操作されることによって、上記したガイド情報表示処理内容と遊技中断処理内容とを処理実行するようにした構成である。そのため、操作有効期間でない場合には、手操作ボタン部がON操作されても、ガイド情報表示処理内容と遊技中断処理内容とは実行されない。この操作有効期間としては、ガイド情報表示処理内容と遊技中断処理内容とを実行した場合に遊技者が不利益を被らないように、適宜設定することが好適である。
尚、本構成にあっては、上記した遊技復帰処理内容の操作終了条件として、操作有効期間の終了を設定することもできる。
上述したパチンコ遊技機にあって、遊技制御手段が、図柄表示装置で変動した特別図柄の停止図柄態様によって当り確定すると、大入賞口を開閉作動する特別遊技作動を実行するようにしたものであって、操作有効期間を、前記特別遊技作動を実行していない通常遊技状態とし、該特別遊技作動中での手操作ボタン部の操作を無効とするようにしたものである構成が提案される。
かかる構成にあっては、操作有効期間外である特別遊技作動中に、手操作ボタン部が誤ってON操作されても、当該操作を無効とするようにしていることから、特別遊技作動による遊技に遊技者を集中させることができる。仮に、特別遊技作動中に手操作ボタン部のON操作を有効とすると、図柄表示装置に表示した遊技ガイド情報に気を取られて、遊技球の発射がおろそかになってしまい、充分な利益を得ることができなくなる虞もある。しかし、本構成では、このような遊技者が不利益となる状態を生じさせないようにしている。そして、獲得できる利益の大きい特別遊技作動中には、その遊技に遊技者を集中させ得ることから、特別遊技作動の有する遊技性を遊技者が充分に満喫できる。
上述したパチンコ遊技機にあって、情報表示制御処理の遊技中断処理内容が、手操作ボタン部のON操作により、球発射手段による遊技球発射を停止する処理を備えると共に、遊技復帰処理内容が、操作終了条件の満了により、球発射手段による発射停止処理を解除する処理を備えている構成が提案される。
かかる構成にあっては、手操作ボタン部のON操作により遊技球発射を停止することから、始動記憶の消化停止および図柄生成行程の停止している間に、遊技球の入賞等に基づいて遊技が進行することを抑制している。これにより、遊技者は遊技ガイド情報を余裕を持って見ることができるという、上述した本発明の作用効果が一層向上する。
ここで、仮に、遊技球発射を停止しなければ、遊技球が始動口へ入賞することにより、始動記憶の消化停止中にあっても、新たな始動記憶が増加してしまう。そのため、上限記憶数が設定されている場合には、始動記憶が上限記憶数を越えて無効となることもあり、遊技者に不利益が生じてしまう虞もある。本構成では、遊技球発射を停止するため、誤って遊技球を発射してしまうことがなく、始動記憶の増加を抑制する作用効果が生ずる。
上述したパチンコ遊技機にあって、操作有効期間が、球発射手段により遊技球が発射されていない状態であるとした構成が提案される。
かかる構成にあっては、遊技者により球発射手段が操作されていない状態で、手操作ボタン部のON操作を有効とするようにしたものであり、遊技ガイド情報を遊技者が見るためには、遊技球の発射を止め且つ手操作ボタン部をON操作することを要する。これにより、遊技ガイド情報を表示している場合には、始動記憶の消化と図柄生成行程と遊技球発射とが停止するため、遊技が中断することとなる。そのため、遊技者は遊技ガイド情報を余裕を持って見ることができるという、上述した本発明の作用効果が一層向上する。
本構成にあっては、上記したガイド情報表示処理内容と遊技中断処理内容とを、手操作ボタン部のON操作と遊技球発射を止めるという二つの遊技者主体の条件の成立によって処理実行することから、遊技ガイド情報を表示中では遊技進行を確実に停止させることができる。
上述したパチンコ遊技機にあって、情報表示制御処理の遊技中断処理内容は、手操作ボタン部がON操作された場合であっても、始動口の球検知手段による遊技球検知に従って特別始動記憶を発生する処理を行うようにしている構成が提案される。
かかる構成にあっては、手操作ボタン部のON操作によって始動記憶を消化停止している状態でも、始動口への遊技球入賞によって新たな始動記憶を発生することから、始動記憶発生という遊技者の利益が確保される。ここで、上記のように手操作ボタン部がON操作される際には遊技球が発射されない構成の場合にあっても、該ON操作の直前に発射した遊技球が始動口に入賞することもあり得る。本構成では、このような場合にも、始動口入賞に伴って始動記憶が発生する。
本発明は、上述したように、遊技者により手操作ボタン部がON操作されることにより、図柄表示装置で遊技ガイド情報を表示すると共に、特別始動記憶の消化と特別図柄の変動とを停止する処理を行い、操作終了条件の満了により、前記遊技ガイド情報の表示処理と特別始動記憶の消化停止と特別図柄の変動停止とを解除する処理を行うようにしたものであるから、遊技ガイド情報の表示中は遊技が中断するため、遊技ガイド情報の表示中に遊技者に不利益が被ることを防ぎ得る。これにより、遊技ガイド情報を遊技者が余裕を持って確認することができるため、遊技者が遊技ガイド情報を充分に理解でき、遊技機の有する趣向性を充分に満喫することができ得る。さらに、遊技ガイド情報は初心者や比較的経験の浅い者が利用し易く、パチンコ遊技の普及にも大きく役立つとの優れた利点を有する。
上述したパチンコ遊技機にあって、手操作ボタン部の操作を有効とする操作有効期間を定めている構成とした場合には、操作有効期間で遊技ガイド情報を表示することができるため、該操作有効期間を、遊技者が不利益を被らない期間(状態)に設定することにより、上記した本発明にかかる作用効果を一層適正に奏し得る。
上述したパチンコ遊技機にあって、遊技制御手段が、操作有効期間を、特別遊技作動を実行していない通常遊技状態とし、該特別遊技作動中での手操作ボタン部の操作を無効とするようにした構成の場合には、遊技者が比較的多くの利益を得られる特別遊技作動中では遊技者を遊技に集中させることができる。特別遊技作動中に誤って手操作ボタン部を操作されても、遊技ガイド情報の表示等が行われないため、特別遊技作動の遊技性を遊技者に充分に供与させ得る。
上述したパチンコ遊技機にあって、手操作ボタン部のON操作により、球発射手段による遊技球発射を停止する処理を行い、操作終了条件の満了により、球発射手段による発射停止処理を解除する処理を行うようにした構成の場合には、手操作ボタン部のON操作によって始動記憶の消化停止および図柄生成行程の停止中に、遊技球の入賞等に基づいて遊技が進行することを抑制している。これにより、上述した上述した本発明の作用効果が一層向上する。
上述したパチンコ遊技機にあって、操作有効期間が、球発射手段により遊技球が発射されていない状態であるとした構成の場合には、遊技ガイド情報を表示している状態で、遊技球が発射されることがないため、遊技が確実に中断し、上述した本発明の作用効果が一層向上する。
上述したパチンコ遊技機にあって、手操作ボタン部がON操作されても、始動口の球検知手段による遊技球検知に従って特別始動記憶を発生する処理を行うようにした構成の場合には、遊技ガイド情報が表示されて遊技が中断している状態でも、始動記憶発生という遊技者の利益が確保され、遊技中断により遊技者に不利益が生ずることを防止でき得る。
本発明の実施例を、添付図面を用いて詳述する。
パチンコ遊技機1は、図1,2に示すように、遊技島設備(図示省略)に固定される外枠2と、この外枠2の前面開口部を覆う遊技機本体3とからなる。遊技機本体3は、中央上部の略円形の開口部に遊技盤10(図3参照)が取り付けられた前枠5を備え、この前枠5の一側縁がヒンジ部材4を介して外枠2に開閉可能に枢着されている。さらに前枠5には、遊技盤10を覆うガラス板6が設けられている。また、前枠5の下部には、上受皿7と下受皿8とが上下に列設されており、下受皿8の右側方に発射ハンドル9が突設される。
上記の遊技機本体3には、前枠5により隠蔽されるようにして、遊技球を発射する球発射装置36が配設されている(図2参照)。この球発射装置36は、遊技球を打圧する発射鎚(図示省略)と、該発射鎚を駆動するロータリーソレノイド(図示省略)と、打圧された遊技球を後述する遊技領域12へ向けて案内する発射レール(図示省略)等を備えてなるものであり、上記した発射ハンドル9の回動操作角度に応じた強度で遊技球を1球ずつ遊技領域12へ打圧発射する。また、この球発射装置36には、上記した上受皿7に貯留する遊技球を一個づつ供給するようになっている。ここで、上受皿7には、その左側内部に、賞球や貸球を流出する球払出口15が開口し、右側内部に、遊技球を整列する整列部(図示省略)が形成され、該整列部の右端に遊技球を球発射装置36へ供給するための球流入口(図示省略)が開口している。
図3は、上記した遊技盤10の正面図である。遊技盤10の前面には、ガイドレール11によって略円形の遊技領域12が区画形成されており、遊技領域12の中央には、各種遊技部材を組み込んだセンターケース13が配設される。この遊技領域12を、上記した球発射装置36により発射された遊技球が転動流下する。
センターケース13には、液晶表示器からなる図柄表示装置14が組み付けられている。この液晶表示器の画面には、各種演出画像や特別図柄A,B,C等が表示される。ここで、特別図柄A,B,Cは、後述する可変入賞装置21の始動口22に遊技球が流入することにより変動開始し、その後停止した各特別図柄の組合せからなる停止図柄態様により当り又はハズレを確定する。このように、始動口22への遊技球入賞を契機として、特別図柄A,B,Cの変動開始から停止して停止図柄態様を確定するまでの一連の図柄生成行程が実行される。そして、当り停止図柄態様で確定停止した場合には、後述する大入賞口26を所定回数開閉する特別遊技作動を行い、大入賞口26への遊技球入賞により多くの賞球を払い出す。この特別遊技作動中は、多量の賞球を得ることができる機会であるため、該特別遊技状態へ移行する契機となる特別図柄A,B,Cの当り停止図柄態様は、遊技者により最も望まれており、特別図柄A,B,Cを変動開始する契機となる始動口22への入賞を狙って遊技球の発射操作が遊技者により行われる。尚、特別遊技作動中は、前記した図柄生成行程を実行せず、該図柄生成行程は、特別遊技作動を実行していない状態で実行する。そのため、特別遊技作動中は、始動口22へ遊技球が入賞しても、後述する始動記憶を増加するのみで、該始動記憶を消化しない。すなわち、特別遊技作動中は、特別図柄A,B,Cを変動開始せず、特別遊技作動していない通常遊技状態でのみ、始動記憶を消化して特別図柄A,B,Cを変動する。
このセンターケース13の下部には、四個のLEDからなる特別始動記憶数表示装置17と普通始動記憶数表示装置18とが夫々に設けられている。特別始動記憶数表示装置17は、後述する可変入賞装置21の始動口22に遊技球が連続して流入した場合に、該始動口22への流入毎に発生する特別始動記憶データの始動記憶数を、そのLEDの点灯数によって表示する。また、普通始動記憶数表示装置18は、後述する普通図柄(図示せず)を変動する普通始動記憶データの始動記憶数を、そのLEDの点灯数によって表示する。ここで、特別始動記憶データと普通始動記憶データとの各始動記憶数は、それぞれ四個を上限記憶数として設定している(図5参照)。尚、特別始動記憶データまたは普通始動記憶データの発生が、いわゆる始動記憶の発生である。
上記センターケース13の左右側方には、普通図柄始動ゲート(普通図柄始動領域)19,19が配設されており、遊技球の通過により、各普通図柄始動ゲート19に設けられた普通図柄始動スイッチS2 (図4参照)から遊技球検出信号が発生すると、図柄表示装置14の表示画面で普通図柄(図示せず)が変動し、所定時間経過後に停止して種々の組み合わせの図柄態様が表示される。
また、センターケース13の下方には、遊技球を流入可能とする始動口22と、左右一対の開閉翼片(図示省略)とを備えた可変入賞装置21が配設されている。この始動口22の内部には、遊技球を検知する特別図柄始動スイッチS1(図4参照)が配設されており、該特別図柄始動スイッチS1による遊技球検知に従って、上述したように、図柄表示装置14の画面で特別図柄A,B,Cを変動開始する。すなわち、この特別図柄始動スイッチS1により、本発明の球検知手段が構成されている。また、左右一対の開閉翼片は、上下方向に起立して一個の遊技球が上方から入賞可能な間隔となる起立位置と、該起立位置から左右両側に逆ハ字形に拡開して遊技球の入賞を容易とする傾動位置とに変換駆動されるようになっている。そして、前記普通図柄(図示せず)の表示結果が所定の当り図柄態様の場合には、普通電動役物ソレノイド(図示せず)を駆動源として開閉翼片が所定時間(約 0.2秒間)傾動位置に拡開されて、始動口22に遊技球が入り易い状態となる。
さらに、可変入賞装置21の下方には、大入賞口26を有する特別電動役物25が配設されている。この特別電動役物25は横長矩形状の開閉片27を具備し、内蔵された大入賞口ソレノイド(図示せず)により開閉片27を開閉駆動制御することによって大入賞口26が開放状態又は閉鎖状態に変換される。この特別電動役物25は、上記した図柄表示装置14の画面で変動表示した特別図柄A,B,Cが所定の当り停止図柄態様で確定表示された場合(大当りの場合)に、大入賞口26を開閉作動する。この大入賞口26の開閉作動としては、開閉片27が前方に傾倒して開き、その開放状態で開閉片27の上面の案内作用を介して、大入賞口26内へ遊技球を案内するとともに、所定開放時間(例えば30秒)の満了、またはその所定開放時間中における所定個数(例えば 9個)の遊技球の入賞により開閉片27が起立して大入賞口26が閉鎖される開閉ラウンドを、所定制限回数(本実施例にあっては15回)行うことにより、大入賞口26に多量の遊技球が入賞し、遊技者に所定の利益が供与される。この特別電動役物25の内部には入賞した遊技球を検知するカウントスイッチS3(図3参照)が設けられている。このように、特別図柄A,B,Cが所定の当り停止図柄態様で確定表示されると、特別電動役物25を作動する特別遊技作動を実行する。そして、この特別遊技作動は、大入賞口26を開閉する開閉ラウンドが所定制限回数(15回)に達することにより終了する。この終了により、上記した通常遊技状態となる。
その他、遊技領域12には、複数の一般入賞口58が配設されており、その内部に設けられた一般入賞スイッチS4(図4参照)による遊技球の入賞検知に伴って、所定数の賞球が払い出される。
次に、上述のパチンコ遊技機1の制御回路について、図4に示すブロック図に従って説明する。
制御回路には、主制御基板80、払出制御基板81、演出制御基板82、電源基板83、発射制御基板84が配設されている。主制御基板80は、マイクロコンピュータにより構成されており、パチンコ遊技機1の遊技を統括的に制御するものである。そして、この主制御基板80には、上記した特別図柄始動スイッチS1、普通図柄始動スイッチS2、カウントスイッチS3等の各種スイッチや各種センサが盤面中継端子板90を介して接続されている。
主制御基板80には、各種スイッチやセンサなどからの入力信号に従って演算処理を実行して所定の指令信号を出力する中央制御装置CPU、演算処理に用いる制御プログラム等を格納する記憶装置ROM、必要なデータを随時読み書き可能な記憶装置RAMが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)と、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)とを介して接続され、主制御基板80の基板回路を構成している。前記記憶装置ROMには、制御プログラムや、普通当り乱数テーブル、普通当り図柄乱数テーブル、大当り乱数テーブル、大当り図柄乱数テーブル、ハズレ図柄乱数テーブル、リーチ乱数テーブル、リーチ図柄乱数テーブル、変動態様乱数テーブル等の固定データが格納されている。そして、後述するように始動口22に遊技球が流入して特別図柄始動スイッチS1がON作動すると、中央制御装置CPUによって各乱数テーブルの乱数値の抽選が行われ、大当り乱数値、大当り図柄乱数値、ハズレ図柄乱数値、変動態様乱数値等が選出される。また、記憶装置RAMには、特別図柄始動スイッチS1 ,普通図柄始動スイッチS2 のON作動数等が一時的に記憶される記憶エリア、ソフトタイマを構成するレジスタ領域及びワークエリア等が設けられている。
上述したように、特別図柄始動スイッチS1のON作動した時点で抽出した大当り乱数値、大当り図柄乱数値等により、一セットの特別始動記憶データを生成し、記憶装置RAMに記憶する(入賞検知処理)。特別始動記憶データは、その発生順に従って記憶し、その始動記憶数(未消化数)を上記した特別始動記憶数表示装置17の点灯数によって報知する。そして、最先に記憶された特別始動記憶データから順に消化して、当該特別始動記憶データを構成する各乱数値に従って、特別図柄A,B,Cの変動開始から確定停止に至る一連の図柄生成行程が、上記した図柄表示装置14で表示実行される(後述する特別図柄処理)。
また、主制御基板80の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示省略)が設けられ、中央制御装置CPUに接続されている。そして中央制御装置CPUは一定間隔のクロックパルスによって、時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして時間を計測するタイマーTMも接続されている。
さらに、上記主制御基板80の基板回路には、中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示省略)及び出力ポート(図示省略)が設けられており、該出力ポートを介して主制御基板80からの指令信号が、払出制御基板81、演出制御基板82、発射制御基板84の各入力ポートに向けて発信されるようになっている。また、主制御基板80の入力ポートには、盤面中継端子板90を介して、特別図柄始動スイッチS1、普通図柄始動スイッチS2、カウントスイッチS3、一般入賞スイッチS4が接続されている。そして、主制御基板80は、所定時間毎(例えば2ms毎)に各スイッチS1 〜S4の遊技球検出状態を調べ、信号入力があるとその信号が波形整形回路により波形整形されて中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。また、主制御基板80の出力ポートには、盤面中継端子板90を介して大入賞口ソレノイド,普通電動役物ソレノイドが接続されており、中央制御装置CPUが所定の条件を選出した場合に作動される。
また、主制御基板80の中央制御装置CPU及び上記した各制御基板81〜84に設置されている各中央制御装置CPUは、所定のデータ処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。尚、前記演算ユニットの連成数によって、各中央制御装置CPUの演算処理能力が決まる。そして、主制御基板80の中央制御装置CPUは、所定の形式で生成した指令信号を各制御基板81〜84に夫々送信し、各制御基板81〜84の中央制御装置CPUがこの指令信号に従って所定の制御を処理実行することとなる。
一方、上記した演出制御基板82は、上述した図柄表示装置14の駆動制御や、各種スピーカから音響を発する制御や、各種ランプおよびLEDを発光する制御などを行うものである。そして、この演出制御基板82には、図柄表示装置14を構成する液晶表示器(図示省略)と、各種LEDをLED中継端子板を介して発光制御するランプ制御基板(図示省略)と、スピーカが接続された演出中継端子板(図示省略)とが夫々に接続されている。また、演出制御基板82にも、上述した主制御基板80と同様に、中央制御装置CPU、記憶装置ROM、記憶装置RAMを備えている。このような演出制御基板82は、主制御基板80から受信した演出制御指令信号に従って、図柄表示装置14による演出画像の表示、各LEDの発光、スピーカの発音を制御実行する。
また、払出制御基板81は、賞球や貸球を払い出す球払出装置(図示省略)を駆動制御するものである。この払出制御基板81は、主制御基板80から受信した払出指令信号に従って上記した球払出装置(図示省略)を駆動して、所定の賞球を払い出す制御を実行する。
また、発射制御基板84は、上記した発射ハンドル9の操作に従って、球発射装置36を駆動制御することにより、遊技球を発射制御するものである。尚、発射制御基板84も、上記した主制御基板80と接続されており、主制御基板80から所定の指令信号を入力すると、それに従って駆動制御するようにもなっている。
また、上述した電源基板83は、外部電源から供給された電力を、所定の電圧に変換して、上述した主制御基板80、払出制御基板81、演出制御基板82(およびランプ制御基板86)、発射制御基板84に送電するものである。電源基板83には、外部電源からAC24Vの電流が送電される。そして、このAC24Vを、DC32V、DC12V、DC5Vに変換する回路が夫々配設されている。さらに、過剰の電流が流れないようにする過負荷保護回路、リセット回路、バックアップ用コンデンサ(バックアップ電源)などが配設されている。
この電源基板83からDC32V、DC12V、DC6Vの各電力を夫々供給された主制御基板80、払出制御基板81、演出制御基板82(およびランプ制御基板86)、発射制御基板84は、夫々が駆動制御するモータ、ソレノイド、スイッチ、センサ、LED、スピーカ、表示装置などに所定の電力を分配する。
次に、図4に示した制御回路による制御態様をパチンコ遊技機1の作動に従って説明する。
上記した発射ハンドル9が遊技者によって操作されることにより、球発射装置36を駆動制御して遊技球を遊技領域12に発射する。この遊技球が普通図柄始動ゲート19を通過し、普通図柄始動スイッチS2 がON作動すると、主制御基板80は入賞検知処理(図5参照)により普通当り乱数値を選出する。そして、この普通当り乱数値を判定する処理(図示せず)を行い、演出制御基板82により、図柄表示装置14で普通図柄(図示省略)を図柄変動する普通図柄処理(図示せず)を行い、選出した普通当り乱数値(普通始動記憶データ)に従って、普通図柄を確定停止する。ここで、普通図柄が当り図柄態様で確定停止した場合には、普通電動役物処理(図示せず)により、可変入賞装置21の開閉翼片(図示省略)を傾動位置に拡開する制御を行う。
遊技領域12を転動流下した遊技球が可変入賞装置21の始動口22に流入すると、図5の入賞検知処理により、特別図柄始動スイッチS1がON作動し、このON作動による入力信号を受け取った主制御基板80は、上記した各乱数値を抽出して特別始動記憶データを記憶する処理を行う。ここで、主制御基板80の中央制御装置CPUは、記憶装置ROMに記憶されている大当り乱数テーブル、大当り図柄乱数テーブル等から抽選によって、大当り特別乱数値、大当り図柄乱数値などを夫々に抽出し、これら各乱数値を一セットの特別始動記憶データとして、記憶装置RAMに一旦記憶保持する処理を行う。この処理により記憶する特別始動記憶データによって、本発明にかかる始動記憶が発生する。
尚、遊技球が連続的に始動口22に流入した場合には、特別図柄始動スイッチS1がON作動する毎に、上記により各乱数値を選出して特別始動記憶データ(始動記憶)を順次発生し、その発生順に記憶装置RAMに記憶保持すると共に、特別始動記憶数表示装置17の発光ダイオードをその未消化数(始動記憶数)に応じて順次点灯する。この特別始動記憶データ(始動記憶)の未消化数は、最大四個(上限記憶数)と設定されていることから、未消化の特別始動記憶データ(始動記憶)が四個記憶されている状態で、新たに始動口22へ遊技球が流入しても特別始動記憶データ(始動記憶)を発生しない。
そして、主制御基板80は、記憶装置RAMに特別始動記憶データを記憶している場合(始動記憶がある場合)には、発生順に特別始動記憶データを消化して特別図柄A,B,Cを変動停止制御する特別図柄処理(図6参照)を行う。すなわち、特別始動記憶データを一つ読み込み、当該特別始動記憶データの大当り乱数値を判定すると共に、演出制御基板82に指令信号を発信して、該演出制御基板82により特別始動記憶数表示装置17の発光ダイオードを1個消灯し、特別図柄A,B,Cの図柄変動を開始する。大当り乱数値の判定によって当りと判定した場合には、大当り図柄乱数値を選択して当り停止図柄態様を決定し、さらに、特別図柄変動停止態様選択処理により、その他の乱数値に従って図柄表示装置14で表示される当り図柄変動パターンを選定する。この特別図柄変動停止態様選択処理では、特別図柄A,B,Cの変動パターンだけでなく、該変動中に表示する演出図柄パターンをも選定する。そして、変動時間計測用のタイマをセットし、特別図柄変動停止態様選択処理で選定した当り図柄変動パターンおよび演出図柄パターンをセットする。このように、記憶装置RAMに記憶している(未消化の)特別始動記憶データを読み込んで、その各乱数値に従って変動パターンなどを選定する処理が、所謂、未消化の特別図柄始動記憶を消化する処理である。これに従って、図柄表示装置14で、特別図柄A,B,Cを当り停止図柄態様で確定停止するまでの一連の図柄生成行程が表示される。一方、大当り乱数値をハズレと判定した場合には、ハズレ図柄乱数値を選択してハズレ停止図柄態様を決定すると共に、その他の乱数値に従ってハズレ図柄変動パターンを選定し、図柄表示装置14で、特別図柄A,B,Cをハズレ停止図柄態様で確定停止するまでの一連の図柄生成行程が表示される。
上記したように図柄生成行程により当り停止図柄態様を確定表示すると、大入賞口26を開閉作動制御する大入賞口処理(図7参照)を行う。この大入賞口処理により、大入賞口26を開閉する開閉ラウンドを所定回数(15回)行い、上記した入賞検知処理により、大入賞口26に入賞した遊技球をカウントスイッチS3により検知する毎に、所定数の賞球を払い出す処理を行う。この特別遊技作動は、比較的短時間で多くの賞球を獲得することができるため、遊技者に供与される利益も高く、遊技者の最も望む遊技状態の一つとなっている。
また、本実施例にあって、上記の特別図柄A,B,Cとしては、それぞれ「0」〜「9」の各数字からなり、A=B=Cで確定停止した場合に当りとし、これ以外をハズレとする。すなわち、特別図柄A=B=Cが当り停止図柄態様であり、これ以外がハズレ停止図柄態様である。
また、特別始動記憶データは、上述したように、最大四個まで記憶されて、その発生順に消化して図柄生成行程を実行する処理が行われることから、消化する前(未消化)の特別始動記憶データは記憶されて維持されている状態である。
また、上記した始動口22、大入賞口26、一般入賞口58へ遊技球が入賞すると、入賞検知処理(図5参照)により、予め設定された賞球数を払い出す払出処理を行う。この払出処理では、各スイッチS1,S3,S4の球検出に従って、夫々の賞球数を払い出すように、上記した払出装置(図示省略)を駆動制御する。
本実施例にあっては、上述したように特別図柄始動記憶を消化する処理について主に説明したが、その他の処理(例えば、メイン処理など)については、従来の構成と同様に実行できるため、その詳細を適宜省略している。
尚、上記した始動口22の内部に配設した特別図柄始動スイッチS1により、本発明にかかる球検知手段が構成されている。また、上記した球発射装置36により、本発明にかかる球発射手段が構成されている。さらに、本発明の遊技制御手段が、上記した主制御基盤80により構成されている。
次に、本発明の要部について説明する。
図1のように、前記した遊技機本体3の前枠5には、下受皿8の右側方に、略三角形状の操作ボタン52と、該手操作ボタン52を囲む三角環状の有効灯部53とから構成された手操作ボタン部51が配設されている。ここで、操作ボタン52は、上下方向に移動可能に設けられており、内部に設けられた付勢バネ(図示せず)の付勢力によって、有効灯部53よりも上方へ僅かに突出する定常位置に保持されている。そして、遊技者が操作ボタン52を押圧操作することにより、該操作ボタン52を下方移動させることができ、操作解除すると、付勢バネにより定常位置へ復帰するようになっている。この操作ボタン52は、その内部に、押圧操作によってON作動するスイッチ(図示せず)が配設されており、該スイッチ(操作ボタン52)が上記した盤面中継端子板90を介して主制御基盤80に接続している(図4参照)。そして、操作ボタン52が遊技者により押圧操作されることによって、前記スイッチがON作動して操作信号を主制御基盤80へ出力する。尚、この操作ボタン52の構成は、一般的な押し操作用のボタン構造のものを適用することができるため、その詳細については省略する。
さらに、操作ボタン52は、半透明性のプラスチック製であり、その内部にLED(以下、ボタン用LEDという)が配設されている。また、上記した有効灯部53も同様に、半透明性のプラスチック製であり、その内部にLED(以下、有効灯用LEDという)が配設されている。これらLEDは、上記したLED中継端子板を介して演出制御基盤82に接続されており(図4参照)、該演出制御基盤82により所定態様で点灯・点滅するように制御される。本実施例にあっては、後述するガイドフラグ=0の場合に、ボタン用LEDは消灯状態を維持し、ガイドフラグ=1の場合に点灯するように制御している。また、有効灯用LEDは、上記した特別遊技フラグ=0の場合に点灯し、特別遊技フラグ=1の場合に消灯するように制御している。
上記した操作ボタン52の押圧操作に従って、遊技中断処理(遊技中断内容)とガイド情報表示処理(ガイド情報表示処理内容)とを実行する。これら処理は、後述するガイドフラグ=0の状態で操作ボタン52が押圧操作されることによって実行する。ここで、遊技中断処理は、球発射装置36の駆動を停止する発射停止処理と、特別図柄始動記憶の消化処理を停止する処理と、特別図柄A,B,Cの変動を一時停止する処理とを行う。一方、ガイド情報表示処理は、遊技ガイド情報を図柄表示装置14の画面に表示する処理である。
すなわち、ボタン用LEDが無灯中(ガイドフラグ=0)に、操作ボタン52が操作されると、図8の遊技中断処理により、ガイドフラグ=1および中断フラグ=1として、上記したボタン用LEDを点灯する処理(図示せず)を行う。ここで、ガイドフラグ=1とすることによって、上記した特別図柄処理(図6参照)で特別始動記憶データ(特別始動記憶)を消化しないようにする。これにより、未消化の特別始動記憶データ(特別始動記憶)がある場合にも、特別始動記憶データ(特別始動記憶)の消化を停止する。そして、未消化の特別始動記憶データが、記憶装置RAMに記憶された状態で保持される。
さらに、発射停止処理により、発射制御基盤84による球発射装置36の駆動を停止する。これにより、発射ハンドル9が回動操作されても、それに伴って球発射装置36を駆動しないように制御する。
さらにまた、特別図柄A,B,Cが変動中(図柄生成行程中)であると、図柄変動を停止する処理を行う。この処理としては、特別図柄A,B,Cの変動と演出図柄の画像(動画)とを一時停止して、その停止画像を記憶する。そして、変動時間タイマを停止して、その経過時間を記憶する。さらに、特別図柄の変動パターンと演出図柄パターンとを記憶する。このようにして、特別始動記憶データ(特別始動記憶)の消化に伴って実行している特別図柄A,B,Cの変動(図柄生成行程)を一時停止する。そして、特図停止フラグ=1とする。
尚、本実施例にあっては、ガイドフラグ=1とすることにより、上記した普通始動記憶データの消化も停止する(図示せず)。さらに、普通図柄が変動中の場合には、該図柄変動を停止する処理(図示せず)も行うようにしている。すなわち、普通図柄が変動中であれば、該変動を一時停止して、その停止画像を記憶すると共に、普通図柄の変動時間用タイマを一時停止してその経過時間も記憶する。尚、この処理は、上記した遊技中断処理により行うようにしている(図示せず)。
一方、ガイドフラグ=1かつ中断フラグ=1となると、図9のガイド情報表示処理によって、所定の遊技ガイド情報を、演出制御基盤82を介して図柄表示装置14の画面に表示する処理を実行する。尚、本実施例にあっては、遊技ガイド情報(図11参照)として、特別図柄や普通図柄等の当り確率等の総合的な案内の説明、図柄表示装置14で表示される演出のストーリー、該ストーリーのキャラクタ紹介、該演出で表示するリーチ図柄と当りとの関係等が、文字データおよび図データ等の情報データとして予め記憶されている。
ガイド情報表示処理では、情報データ選択処理により、上記した各情報データのなかから特定のものを選択し、データ表示処理により、選択した情報データを所定順序に従って表示する。詳述すると、情報データ選択処理により、上記した通常遊技状態(特別遊技作動を実行していない状態)にあって、図柄生成行程を実行していない状態(特別図柄A,B,Cが変動していない状態)では、上記した遊技の総合的な案内、演出のストーリー、キャラクタ紹介を選択する。そして、これら選択した情報データに従って、そのデータ表示時間をセットする。データ表示処理により、情報データ選択処理により選択した情報データを、所定の表示順序に従って、図柄表示装置14の画面に表示する。また、通常遊技状態で図柄生成行程の実行中の状態では、情報データ選択処理により、上記したキャラクタ紹介、リーチ図柄の説明、リーチ図柄と当りとの関係等を選択し、データ表示時間をセットし、データ表示処理により、所定の表示順序に従って表示する。
ここで、データ表示処理では、情報データ選択処理により選択した情報データを、所定順序に従って、所定速度により連続的または断続的にスクロールしながら順次表示する。この情報データは、図柄表示装置14の画面の大部分の領域に、比較的大きく表示する(図11参照)。さらに、上記した遊技中断処理により、図柄生成行程を中断している場合には、一時停止した特別図柄A,B,Cの停止画像を、縮小して静止画として表示する。また、本実施例では、上記した情報データ選択処理により、図柄生成行程の実行中と実行していない状態とで、表示する遊技ガイド情報を変えることによって、それぞれで必要とされるであろう情報を遊技者に適当に提供するようにしている。
上述した遊技中断処理とガイド情報表示処理は、上記した特別遊技作動中(特別遊技フラグ=1)に操作ボタン52が操作されても、ガイドフラグ=0を維持して、その操作を無効とするように制御している(図8参照)。すなわち、特別遊技作動中では、遊技者が意識的に操作しても、無意識に(誤って)操作しても、遊技中断処理とガイド情報表示処理が実行されずに、遊技が中断せず且つ図柄表示装置14で遊技ガイド情報が表示されない。このように、操作ボタン52の操作を有効とする通常遊技状態が、本発明にかかる操作有効期間であり、特別遊技作動中が操作無効期間である。ここで、本実施例にあっては、上述したように、特別遊技作動中は(特別遊技フラグ=1)、上記した有効灯部53の有効灯用LEDを消灯するように制御し、特別遊技フラグ=0の場合に有効灯用LEDを点灯するように制御している。これにより、操作ボタン52の有効であることを、有効灯部53の点灯によって遊技者に報知している。
さらに、上記した遊技中断処理では、上記した特別図柄始動スイッチS1、普通図柄始動スイッチS2、一般入賞スイッチS4の作動は有効として維持される。これにより、操作ボタン52の操作時点で既に発射されて遊技領域12を流下している遊技球にあっては、その入賞を有効とする。そして、特別図柄始動スイッチS1がON作動すれば、上述したように特別始動記憶データが発生し、同様に普通図柄始動スイッチS2がON作動すれば、上述したように普通始動記憶データが発生する。尚、特別図柄始動スイッチS1や一般入賞スイッチS4のON作動に従って、所定数の賞球も払い出されるようになっている。
一方、上述したようにガイドフラグ=1(ボタン用LEDの点灯中)の場合に、操作ボタン52が押圧操作されると、遊技復帰処理(遊技復帰処理内容)を実行する。この遊技復帰処理は、上記した情報データの表示処理を終了し、発射停止処理を終了し、特別始動記憶データを消化停止する処理を終了する。さらに、特別図柄A,B,Cを変動停止している場合には、該変動停止する処理も終了する。このようにして、中断した遊技を再開する。
詳述すると、図10の遊技復帰処理により、操作ボタン52が押圧操作されると、ガイドフラグ=0として、上記したボタン用LEDを消灯する処理(図示せず)を行う。そして、ガイドフラグ=0により、未消化の特別始動記憶データの消化停止を解除する(図6参照)。さらに、発射停止解除処理により、上記した発射停止処理による遊技球発射不能状態を解除し、球発射装置36による遊技球発射を可能とする。これにより、発射ハンドル9の操作により、球発射装置36を駆動制御して、通常通り遊技球を発射することができ得る。さらに、特別図柄A,B,Cの変動を中断している場合(特図停止フラグ=1)には、上記した遊技中断処理により記憶した停止画像、および特別図柄の変動パターンと演出図柄パターンを読み込み、中断した経過時間に基づいて、特別図柄の変動パターンと演出図柄パターンの再開時点を確定する。前記した経過時間を差し引いた変動時間のタイマをセットして、時間計測を再スタートする。そして、図柄変動再開処理により、情報データ(遊技ガイド情報)を図柄表示装置14の画面から消すと共に、前記停止画像を表示し、且つ変動パターンと演出図柄パターンに基づいて特別図柄A,B,Cの変動と演出図柄の画像とを再開する(図11参照)。これにより、上記した遊技中断処理により停止した特別図柄A,B,Cの変動(図柄生成行程)を、その停止時点から再開する。尚、特別図柄A,B,Cの変動を中断してない場合(特図停止フラグ=0)には、図柄変動再開処理により、情報データ(遊技ガイド情報)を図柄表示装置14の画面から消して、通常の演出画像等を表示する。
このように、操作ボタン52の押圧操作によって、遊技ガイド情報の表示を終了すると共に、中断している遊技をその中断時点から再開する。尚、本実施例にあっては、ガイドフラグ=0により、普通始動記憶データの消化停止を解除し(図示せず)、普通図柄の変動も停止するようにしていることから、その再開処理(図示せず)も実行する。
また、遊技復帰処理では、上記した遊技中断処理により遊技中断している場合(ガイドフラグ=1)に、データ表示時間が経過して所定の情報データの表示を終了すると、上記した操作ボタン52の操作と同様、ガイドフラグ=0とし、発射停止解除処理を行い、特別図柄A,B,Cの変動を再開する処理を行う。
上述したように、操作ボタン52の押圧操作によって、遊技ガイド情報を表示し且つ遊技を中断する処理を行い、次に操作ボタン52が押圧操作されることによって、遊技ガイド情報の表示を終了し且つ中断した遊技を再開する処理を行う。操作ボタン52は、ガイドフラグ=0の状態で操作されると、遊技ガイド情報を表示するON操作されることとなり、一方、ガイドフラグ=1の状態で操作されると、遊技ガイド情報の表示を終了するOFF操作されることとなる。すなわち、操作ボタン52は、操作される状態に応じて、ON操作とOFF操作とを行うことができるものとなっている。
また、本実施例にあっては、遊技ガイド情報の表示処理を解除し且つ遊技の中断を解除するための操作終了条件として、上記した操作ボタン52のOFF操作と、選択した情報データの表示終了(データ表示時間のタイムアップ)とが設定されている。
ここで、操作ボタン52の操作によって、図柄表示装置14で遊技ガイド情報を表示する態様について、図11に従って説明する。
上記した特別始動記憶データの消化に伴って特別図柄A,B,Cが変動中に、遊技者により操作ボタン52が押圧操作されると、上記した遊技中断処理(図8参照)とガイド情報表示処理(図9参照)とを実行する。これにより、図11(A)のように、図柄表示装置14の画面に表示している特別図柄A,B,Cと演出図柄f1,f2,f3とを停止して、当該図柄生成行程を中断する。そして、図11(B)のように、ガイド情報表示処理によって、所定の情報データに基づく遊技ガイド情報g1(キャラクタ紹介),g2(リーチ図柄の説明)が、図柄表示装置14の画面に表示される。この遊技ガイド情報は、図柄表示装置14の画面の大部分を占め、当該画面の一部分に、停止した特別図柄A,B,Cを縮小して表示する。ここで、遊技ガイド情報g1,g2は、画面下から上へ順次スクロールしていき、図11(C)のように次の遊技ガイド情報g3(リーチ図柄と当りとの関係)が表示される。これにより、遊技者は、遊技ガイド情報g1,g2,g3・・・を順に見ることができると共に、縮小表示した特別図柄A,B,Cにより変動停止していること及び停止中の特別図柄を随時確認できる。
その後、操作ボタン52が押圧操作されると、図11(D)のように、遊技ガイド情報の表示を消して、停止した特別図柄A,B,Cと演出画像f1,f2,f3とを表示し、ここから図柄生成行程を再開する(図11(E)参照)。
本実施例にあっては、上述したように、ガイドフラグ=0の状態で操作ボタン52がON操作されることにより、遊技の進行を実質的に中断して、図柄表示装置14に所定の遊技ガイド情報を表示する。これにより、当該遊技機の仕様や演出等を適宜報知することから、パチンコ遊技の初心者や比較的経験の浅い者が、当該遊技機の有する趣向性を容易かつ充分に理解することができる。そして、遊技ガイド情報の表示中は、遊技を中断するため、遊技者は遊技ガイド情報を余裕を持って見ることができ得る。さらに、本実施例にあっては、図柄生成行程の実行中に操作ボタン52をON操作された場合と、図柄生成行程を実行していない状況で操作ボタン52をON操作された場合とで、図柄表示装置14に表示する遊技ガイド情報の内容を変更しており、それぞれの場合に適した情報を提供するようにしている。そのため、例えば、遊技者が実際に遊技を始める前に、操作ボタン52をON操作すれば、遊技ガイド情報として遊技の総合的な案内、演出のストーリー、キャラクタ紹介が表示されることから、当該遊技機の内容を予め知ることができ得る。また、遊技ガイド情報を、図柄表示装置14の画面に大きく表示することにより、該遊技ガイド情報を遊技者が見易くなっていると共に、特別図柄A,B,Cの変動中断した画像も表示するため、中断時点の状況を遊技者が把握できるようになっている。
そして、ガイドフラグ=1の状態で操作ボタン52がON操作されることにより、中断したところから遊技を再開することができる。そのため、中断して遊技ガイド情報を見ることによって、遊技者が不利益を被らないようになっている。
尚、本実施例にあって、本発明にかかるガイド情報表示処理内容は、上記したガイド情報表示処理を実行するためのプログラム等により構成されており、記憶装置ROMに記憶保持されている。同様に、本発明にかかる遊技中断処理内容は、上記した遊技中断処理を実行するプログラム等により構成されており、本発明にかかる遊技復帰処理内容は、上記した遊技復帰処理を実行するプログラム等により構成されている。そして、これらガイド情報表示処理、遊技中断処理、遊技復帰処理により、本発明にかかる情報表示制御処理が構成されている。
また、上述した実施例にあっては、遊技ガイド情報として、複数の情報データを予め設定し、操作ボタン52のON操作された状況に応じて選択的に表示されるようにしているが、その他の構成として、操作ボタン52のON操作状況に関わらず、同じ情報データに基づいて遊技ガイド情報を表示するようにしても良い。また、本実施例では、図柄生成行程中に遊技ガイド情報を表示すると、特別図柄A,B,Cの一時停止した画像を表示するようにしているが、このような停止画像を表示しないようにしても良い。
一方、上記した実施例の別例として、操作ボタン52のON操作を有効とする操作有効期間に、上記した通常遊技状態に加えて、遊技球の発射を停止している期間を設定するようにしても良い。すなわち、発射ハンドル9が回動操作されていると、その信号が発射制御基盤94に入力されることから、当該信号を入力していないことを条件として、操作ボタン52の押圧操作を有効とするように処理する。そして、このような操作有効期間に操作ボタン52がON操作されることによって、上述した実施例と同様に遊技ガイド情報を表示すると共に、遊技を一時中断する制御を行う。ここで、この別例の場合には、遊技者が発射ハンドル9を操作すると、操作終了条件が満了して、上記した遊技復帰処理が実行されることとなる。尚、この構成では、発射ハンドル9の回動操作する信号を入力している場合に、上記した手操作ボタン部51の有効灯部53を点灯して、操作ボタン52のON操作が有効であることを報知する。
さらにまた、別例として、操作ボタン部が、円形状の確定ボタンと、それを囲む有効灯部と、三角形状の選択ボタンと、逆三角形状の選択ボタンとを備えた構成とし、さらに、確定ボタンのON操作によって、複数種類のガイド情報を選択できる選択図柄を表示し、これを選択ボタンにより選択することによって、遊技者が自ら求めるガイド情報を選択できるようにした構成としても良い。すなわち、操作有効期間(通常遊技状態)で、確定ボタンをON操作すると、遊技中断処理によって遊技を一時中断すると共に、図柄表示装置に、複数の情報グループ名を表示する。そして、選択ボタンを操作して、一つの情報グループ名を選択し、確定ボタンを操作することによって、当該情報グループ名に予め割り当てられた所定情報データを遊技ガイド情報として表示する。ここで、情報グループ名としては、例えば、遊技仕様、遊技方法、当り確率、ストーリー、キャラクタ紹介、リーチ図柄等を設定し、これら各々の詳細な内容が情報データとして予め定められている。そのため、いずれかの情報グループ名を遊技者が能動的に選択して、所望の遊技ガイド情報を得ることができる。また、情報グループ名には、終了も設定しており、これを選択して確定ボタンを操作することによって、操作終了条件が満了して、上記した遊技復帰処理が実行されることとなる。
本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、その他の構成についても、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更可能である。例えば、遊技ガイド情報としては、上記した遊技の総合的な案内や演出のストーリー等に限定されず、他のガイド情報を表示することもできる。