JP2011114429A - パルス発生回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】極めて短いパルス幅のパルス電圧を発生するパルス発生回路を提供する。
【解決手段】パルス発生回路1004は、誘導エネルギーを蓄積するトランス1008と、トランス1008の第1の巻線(1次側巻線)1204への直流の供給経路1012と、供給経路1012を開閉するスイッチ1016と、第1の巻線1204の第1端1212と第2端1216とを自律的に短絡に近い状態にする補助回路1020と、トランス1008の第2の巻線(2次側巻線)1208からのパルス電圧の出力経路1024と、直流を供給する直流電源1028と、直流電源1028からの直流の供給を安定させるキャパシタ1032と、を備える。補助回路1020は、第1の巻線1204に誘導起電力が発生してから短い時間が経過した後に第1の巻線1204の第1端1212と第2端1216とを自律的に短絡に近い状態にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、パルス発生回路に関する。
特許文献1,2は、インダクタ・トランス等への直流の供給経路を開閉しパルス電圧を発生する誘導エネルギー蓄積型のパルス発生回路(パルス電源回路)に関する。
特許文献1のパルス発生回路は、ターンオフが高速な静電誘導サイリスタ等を用いたスイッチにより供給経路を開閉し、パルス幅が短いパルス電圧を発生する。
特許文献2のパルス発生回路は、パルス電圧が発生しているときにトランスの巻線の両端をスイッチにより短絡し、パルス幅の短いパルス電圧を発生する。
特許第3811681号公報 特開2009−5498号公報
特許文献1のパルス発生回路では、スイッチ・インダクタ・トランス等の浮遊容量のため、極めて短いパルス幅、例えば、数100ns以下のパルス幅のパルス電圧を発生することは困難である。
また、特許文献2のパルス発生回路では、パルス幅が短いパルス電圧を発生させようとすると、トランスの巻線の両端を短絡するスイッチによる開閉のタイミングを高精度で制御する必要がある。このため、特許文献2のパルス発生回路でも、極めて短いパルス幅のパルス電圧を発生させることは困難である。
本発明は、この問題を解決するためになされたもので、極めて短いパルス幅のパルス電圧を発生するパルス発生回路を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、パルス発生回路であって、誘導エネルギーを蓄積する誘導エネルギー蓄積体と、前記誘導エネルギー蓄積体への直流の供給経路と、前記供給経路を開閉する第1のスイッチと、前記供給経路が開かれたときに誘導起電力が発生する前記誘導エネルギー蓄積体の第1端と第2端とを接続する補助回路と、を備え、前記補助回路は、誘導起電力の短絡経路と、前記短絡経路に挿入される可飽和リアクトルと、を備える。
請求項2の発明は、請求項1のパルス発生回路において、前記補助回路は、ダイオードと抵抗との並列接続体、をさらに備え、前記並列接続体は、前記供給経路が開かれたときに発生する誘導起電力により前記ダイオードが順バイアスされるように前記短絡経路に挿入される。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2のパルス発生回路において、前記補助回路は、前記短絡経路に挿入され前記短絡経路を開閉する第2のスイッチ、をさらに備える。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までいずれかのパルス発生回路において、前記誘導エネルギー蓄積体からのパルス電圧の出力経路、をさらに備え、前記誘導エネルギー蓄積体は、磁気結合された第1の巻線と第2の巻線とを備えるトランスであり、前記供給経路により前記第1の巻線へ直流が供給され、前記出力経路により前記第2の巻線からパルス電圧が出力され、前記補助回路は、前記第1の巻線の両端を接続する。
請求項5の発明は、請求項1から請求項3までいずれかのパルス発生回路において、前記誘導エネルギー蓄積体からのパルス電圧の出力経路、をさらに備え、前記誘導エネルギー蓄積体は、磁気結合された第1の巻線と第2の巻線とを備えるトランスであり、前記供給経路により前記第1の巻線へ直流が供給され、前記出力経路により前記第2の巻線からパルス電圧が出力され、前記補助回路は、前記第2の巻線の両端を接続する。
請求項6の発明は、請求項1から請求項3までいずれかのパルス発生回路において、前記誘導エネルギー蓄積体からのパルス電圧の出力経路、をさらに備え、前記誘導エネルギー蓄積体は、磁気結合された第1の巻線と第2の巻線と第3の巻線とを備えるトランスであり、前記供給経路により前記第1の巻線へ直流が供給され、前記出力経路により前記第2の巻線からパルス電圧が出力され、前記補助回路は、前記第3の巻線の両端を接続する。
請求項1から請求項6までの発明によれば、誘導エネルギー蓄積体に誘導起電力が発生してから短い時間が経過した後に誘導エネルギー蓄積体の第1端と第2端とが自律的に短絡される。このため、短いパルス幅のパルス電圧を発生させることが容易になる。
請求項2の発明によれば、第1のスイッチにより供給経路が閉じられるごとに可飽和リアクトルの状態が初期化されるので、パルス発生回路がパルス電圧を繰り返し発生する場合にパルス電圧が均一化する。
請求項3の発明によれば、パルス発生回路の寄与の有無が容易に切り替えられるので、パルス電圧のパルス幅の切り替えが容易になる。
第1実施形態のパルス発生回路の回路図である。 可飽和リアクトルの磁性体コアのB−Hカーブの例を示す図である。 パルス発生回路の動作を説明する図である。 パルス発生回路の動作を説明する図である。 パルス発生回路の動作を説明する図である。 パルス発生回路の動作を説明する図である。 パルス発生回路の動作を説明する図である。 パルス発生回路の動作を説明する図である。 第2実施形態のパルス発生回路の回路図である。 第3実施形態のパルス発生回路の回路図である。 第4実施形態のパルス発生回路の回路図である。 第5実施形態のパルス発生回路の回路図である。
<第1実施形態>
(パルス発生回路1004の概略)
第1実施形態は、パルス発生回路1004に関する。パルス発生回路1004は、誘導性素子に誘導エネルギーを蓄積しパルス電圧を出力する誘導エネルギー蓄積型のパルス発生回路である。
図1は、パルス発生回路1004の回路図である。図1に示すように、パルス発生回路1004は、誘導エネルギーを蓄積するトランス1008と、トランス1008の第1の巻線(1次側巻線)1204への直流の供給経路1012と、供給経路1012を開閉するスイッチ1016と、第1の巻線1204の第1端1212と第2端1216とを自律的に短絡に近い状態にする補助回路1020と、トランス1008の第2の巻線(2次側巻線)1208からのパルス電圧の出力経路1024と、直流を供給する直流電源1028と、直流電源1028からの直流の供給を安定させるキャパシタ1032と、を備える。
パルス発生回路1004においては、スイッチ1016により供給経路1012が閉じられると、第1の巻線1204に電流が流れトランス1008に誘導エネルギーが蓄積される。トランス1008に誘導エネルギーが蓄積された後に、スイッチ1016により供給経路1012が開かれると、第1の巻線1204には自己誘導により誘導起電力が発生し、第2の巻線1208には相互誘導により誘導起電力が発生する。トランス1008の第2の巻線1208に発生した誘導起電力は、パルス電圧として出力経路1024を経由して負荷1036へ出力される。
補助回路1020は、第1の巻線1204に誘導起電力が発生してから短い時間が経過した後に第1の巻線1204の第1端1212と第2端1216とを自律的に短絡に近い状態にする。これにより、第2の巻線1208からのパルス電圧の出力が停止され、パルス幅が短いパルス電圧が発生する。短絡に近い状態にすることが自律的であることは、複雑な制御を不要にし、短いパルス幅のパルス電圧を発生させることを容易にする。「自律的」とは、短絡のタイミングを決める信号の入力を受けることなく、誘導起電力の発生に応答して短絡に近い状態にすることを意味する。
(補助回路1020)
補助回路1020は、第1の巻線1204の第1端1212と第2端1216とを接続する。
補助回路1020は、誘導起電力の短絡経路1104と、印加される電圧の時間積分値が特定値を超過するとインダクタンスが急激に低下する可飽和リアクトル1108と、短絡経路1104の電流の流れやすさに異方性を付与するダイオード1120と抵抗1124との並列接続体1112と、を備える。
可飽和リアクトル1108は、短絡経路1104に挿入される。並列接続体1112は、スイッチ1016により供給経路1012が開かれたときに第1の巻線1204に発生する誘導起電力によりダイオード1120が順バイアスされるように短絡経路1104に挿入される。すなわち、ダイオード1120のカソードが可飽和リアクトル1108を介して第1の巻線1204の第1端1212に接続され、ダイオード1120のアノードが第1の巻線1204の第2端1216に接続される。なお、可飽和リアクトル1108の挿入位置と並列接続体1112の挿入位置とを入れ替えてもよい。
図2は、可飽和リアクトル1108の磁性体コア1116のB−Hカーブの例を示す図である。
スイッチ1016により供給経路1012が閉じられると、第1の巻線1204の第1端1212の電圧が第2端1216の電圧よりも高くなる。これにより、補助回路1020においては、ダイオード1120が逆バイアスされ、第1の巻線1204の第1端1212から第2端1216へ向かう電流が流れる。第1の巻線1204の第1端1212から第2端1216へ向かう電流は、可飽和リアクトル1108及び抵抗1124を主に経由する。
抵抗1124の抵抗値は、このときに可飽和リアクトル1108に流れる電流により磁性体コア1116が図2に示す飽和状態S1となるように決められる。これにより、スイッチ1016により供給経路1012が閉じられるごとに可飽和リアクトル1108が一定の状態に初期化される。この動作を以下では「初期化動作」ともいう。このことは、パルス発生回路1004がパルス電圧を繰り返し発生する場合にパルス電圧を均一化することに寄与する。また、抵抗1124の抵抗値が小さくなりすぎると、抵抗1124で消費される電力が大きくなり、大容量の抵抗を使用する必要が発生するため、抵抗1124の抵抗値は、上記の初期化動作を妨げない範囲で、できるだけ大きい値に決められる。
一方、スイッチ1016により供給経路1012が開かれると、第1の巻線1204の第2端1216の電圧が第1端1212の電圧よりも高くなる。これにより、補助回路1020においては、ダイオード1120が順バイアスされ、可飽和リアクトル1108には、上記の初期化動作とは逆方向の電圧が印加される。
このとき、可飽和リアクトル1108に印加される電圧により、磁性体コア1116は、磁化反転を起こし、図2に示す飽和状態S2となる。これにより、可飽和リアクトル1108のインダクタンスが急激に低下し、第1の巻線1204の第1端1212と第2端1216とが短絡に近い状態になる。
並列接続体1112に代えて、並列接続体1112と同様の電流の流れ易さの異方性を有する素子又は素子群を使用してもよい。
(トランス1008)
トランス1008は、誘導エネルギーを蓄積する誘導エネルギー蓄積体である。誘導エネルギーとは、誘導性素子に電流を流すことによって蓄積される磁気エネルギーを意味する。トランス1008の第1の巻線1204と第2の巻線1208とは磁気結合される。第1の巻線1204に電流を流すことによってトランス1008に蓄積された誘導エネルギーは、第2の巻線1208から電気エネルギーとして取り出される。
第1の巻線1204の第1端1212は、直流電源1028の正極及びキャパシタ1032の一端に接続され、第1の巻線1204の第2端1216は、スイッチ1016を介して直流電源1028の負極及びキャパシタ1032の他端に接続される。
トランス1008に代えて単一の巻線を備えるインダクタを誘導エネルギー蓄積体として使用し、インダクタから直接的にパルス電圧を出力してもよい。
(スイッチ1016)
スイッチ1016は、供給経路1012を開閉するMOSFET(酸化金属半導体電界効果トランジスタ)1304と、MOSFET1304を駆動する駆動回路1308と、MOSFET1304に続いて供給経路1012を開閉するSIサイリスタ(静電誘導サイリスタ)1312と、SIサイリスタ1312へのバイアス付与経路1318と、SIサイリスタ1312のゲートへ電流が流入することを抑制しSIサイリスタ1312のゲートから電流が流出することを許容するダイオード1314と、を備える。
SIサイリスタ1312及びMOSFET1304は、ターンオンしたときに供給経路1012を閉じターンオフしたときに供給経路1012を開くように供給経路1012に直列に挿入される。すなわち、SIサイリスタ1312のアノードは、第1の巻線1204の第2端1216に接続され、SIサイリスタ1312のカソードは、MOSFET1304のドレインに接続され、MOSFET1304のソースは、直流電源1028の負極及びキャパシタ1032の他端に接続される。SIサイリスタ1312のゲートは、バイアス付与経路1318により第1の巻線1204の第1端1212に接続される。バイアス付与経路1318により、第1の巻線1204に発生した誘導起電力でSIサイリスタ1312がバイアスされる。ダイオード1314は、バイアス付与経路1318に挿入される。ダイオード1120のカソードは、第1の巻線1204の第1端1212に接続され、ダイオード1120のアノードは、SIサイリスタ1312のゲートに接続される。ダイオード1120により、SIサイリスタ1312が電圧駆動により正バイアスされ電流駆動により負バイアスされる。
MOSFET1304がターンオンすると、高インピーダンスのダイオード1314を介してSIサイリスタ1312のゲートが正バイアスされ、SIサイリスタ1312もターンオンする。これにより、供給経路1012が閉じられ、第1の巻線1204への直流の供給が始まる。
MOSFET1304がターンオフすると、トランス1008に蓄積されたエネルギーにより、SIサイリスタ1312のカソードに流れていた電流がゲートへ転流し、SIサイリスタ1312の内部に充電されていたキャリアが排出され、SIサイリスタ1312も高速にターンオフする。これにより、供給経路1012が開かれ、第1の巻線1204への直流の供給が終わる。
図1に示すスイッチ1016には、単純であるにもかかわらず、供給経路1012を高速に開くことができるという利点がある。このことは、立ち上がりの早いパルス電圧を発生することに寄与する。しかし、他の形式のスイッチ1016で供給経路1012が開閉されてもよい。
例えば、SIサイリスタ1312がバイポーラトランジスタ・GTO(ゲートターンオフ)サイリスタ・MOSFET・IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)・SIT(静電誘導トランジスタ)等の他の種類のスイッチング素子に変更されてもよい。SIサイリスタ1312が他の種類のスイッチング素子に変更される場合は、必要に応じて、スイッチング素子の挿入位置が変更され、バイアス付与経路が変更される。
MOSFET1304がバイポーラトランジスタ・GTOサイリスタ・MOSFET・IGBT・SIT・SIサイリスタ等の他の種類のスイッチング素子に変更されてもよい。MOSFET1304が他の種類のスイッチング素子に変更される場合は、必要に応じて、駆動回路1308が変更され、転流回路が設けられる。
2種類のスイッチング素子を備えるスイッチ1016に代えて1種類のスイッチング素子のみを備えるスイッチを使用してもよい。
(パルス発生回路1004の動作)
図3〜図8は、パルス発生回路1004の動作を説明する図である。図3〜図8は、それぞれ、MOSFET1304の駆動信号、第1の巻線1204の第1端1212と第2端1216との間の電圧V1、第1の巻線1204に流れる電流I1、第2の巻線1208の第1端1220と第2端1224との間の電圧V2、第2の巻線1208に流れる電流I2及び補助回路1020に流れる電流I3の時間変化を示す。
タイミングt0において、図3に示すように駆動回路1308からMOSFET1304へのオン信号の入力が始まると、MOSFET1304及びSIサイリスタ1312がターンオンし、供給経路1012が閉じられる。供給経路1012が閉じられると、図5に示すように、電流I1が正方向に増加し始め、トランス1008への誘導エネルギーの蓄積が始まる。このとき、図4に示すように、電圧V1が正方向へ上昇するので、図8に示すように、電流I3が負方向へ増加し始め、やがて直流電源電圧と抵抗1124の抵抗値で決まる電流で一定となる。この負方向への電流I3の増加により、可飽和リアクトル1108の状態が初期化される。
タイミングt1において、図3に示すように駆動回路1308からMOSFET1304へのオン信号の入力が終わると、MOSFET1304及びSIサイリスタ1312がターンオフし、供給経路1012が開かれる。供給経路1012が開かれると、図4に示すように自己誘導により電圧V1が負方向に反転して電圧V1が負方向に急激に上昇し始め、図6に示すように相互誘導により電圧V2が負方向に急激に上昇し始める。これにともない、第2の巻線1208から負荷1036へのパルス電圧の出力が始まり、図7に示すように電流I2が負方向に急激に増加する。しかし、この時点では、磁性体コア1116は飽和しておらず、可飽和リアクトル1108のインダクタンスも低下していないので、第1の巻線1204の第1端1212と第2端1216とは短絡に近い状態にはなっておらず、図8に示すように、電流I3は0に近い。
タイミングt2において、磁性体コア1116が飽和し、可飽和リアクトル1108のインダクタンスが低下すると、図8に示すように電流I3が正方向に増加し、第1の巻線1204の第1端1212と第2端1216とが短絡に近い状態になる。第1の巻線1204の第1端1212と第2端1216とが短絡に近い状態になると、図4に示すように電圧V1が0に近くなり、図6に示すように電圧V2が0に近くなる。これにともない、第2の巻線1208から負荷1036へのパルス電圧の出力が終わり、図7に示すように電流I2が0に近くなる。
タイミングt0からタイミングt1までの時間T1、すなわち、誘導エネルギーが蓄積される時間T1は、例えば、3μsである。タイミングt1からタイミングt2までの時間T2、すなわち、パルス電圧のパルス幅T2は、例えば、50nsである。
パルス電圧の発生が繰り返し行われる場合、その周期T3は、例えば、200μsである。周波数に換算すれば、5kppsである。
電圧V1のピーク値V1pは、概ね、数100〜4kVである。また、電圧V2のピーク値V2pは、概ね、1k〜40kVである。
(パルス幅)
可飽和リアクトル1108の両端の電圧v、すなわち、可飽和リアクトル1108に印加される電圧vは、可飽和リアクトル1108の巻き数N及び実効断面積Ae並びに磁性体コア1116の中の磁束密度Bを用いて、式(1)であらわされる。
Figure 2011114429
式(1)の両辺を時間tについて積分して変形すると、式(2)が得られる。
Figure 2011114429
式(2)は、磁性体コア1116が図2に示す飽和状態S2になるまでの時間は、可飽和リアクトル1108に印加される電圧vの時間積分値が、磁性体コア1116の材質並びに可飽和リアクトル1108の巻き数N及び実効断面積Aeによって決まる特定値になるまでの時間によって決まることを示す。したがって、パルス電圧のパルス幅T2は、磁性体コア1116の材質並びに可飽和リアクトル1108の巻き数N及び実効断面積Aeによって決まる。なお、ダイオード1120の順方向電圧は、第1の巻線1204に発生する誘導起電力よりも著しく低いので、可飽和リアクトル1108に印加される電圧vは、電圧V1と同視され、可飽和リアクトル1108に印加される電圧vの時間積分値は、図4のハッチングを付した領域の面積と同視される。
ここで、電圧V1がピーク値V1pに達したときに可飽和リアクトル1108の磁性体コア1116が図2の飽和状態S1になるように磁性体コア1116の材質並びに可飽和リアクトル1108の巻き数N及び実効断面積Aeを決めておけば、パルス電圧のピーク値を維持しながら、流れる電流を減らすことができる。
(用途)
第1実施形態のパルス発生回路1004は、どのような用途に使用されてもよいが、例えば、パルスプラズマ放電を発生させる装置のパルス電源として使用される。パルスプラズマ放電を発生させる装置には、例えば、プラズマCVD(化学気相蒸着)装置、ガス処理装置、表面処理装置等がある。
<第2実施形態>
第2実施形態は、パルス発生回路2004に関する。
図9は、パルス発生回路2004の回路図である。パルス発生回路2004は、補助回路1020が補助回路2020に置き換えられたこと以外は、パルス発生回路1004と同じく構成される。
補助回路2020は、補助回路1020と同じく、誘導起電力の短絡経路2104と、印加される電圧の時間積分値が特定値を超過するとインダクタンスが低下する可飽和リアクトル2108と、短絡経路2104の電流の流れやすさに異方性を付与するダイオード2120と抵抗2124との並列接続体2112と、を備える。可飽和リアクトル2108及び並列接続体2112は、補助回路1020と同じく、短絡経路2104に挿入される。
補助回路1020と補助回路2020との違いは、補助回路2020においては、短絡経路2104を開閉するスイッチ2128が短絡経路2104に挿入されることにある。
スイッチ2128は、短絡経路2104を開閉するMOSFET2132と、MOSFET2132を駆動する駆動回路2136と、を備える。
MOSFET2132は、ターンオンしたときに短絡経路2104を閉じターンオフしたときに短絡経路2104を開くように短絡経路2104に挿入される。
MOSFET2132がバイポーラトランジスタ・GTOサイリスタ・IGBT・SIT・SIサイリスタ等の他の種類のスイッチング素子に変更されてもよい。MOSFET2132が他の種類のスイッチング素子に変更される場合は、必要に応じて、駆動回路2136が変更され、転流回路が設けられる。
スイッチ2128により短絡経路2104が開かれた場合、補助回路2020がパルス電圧の発生に寄与しないので、パルス発生回路2004は、相対的にパルス幅が長いパルス電圧を発生する。一方、スイッチ2128により短絡経路2104が閉じられた場合、パルス発生回路2004がパルス電圧の発生に寄与するので、補助回路2020は、パルス発生回路1004と同じように動作し、補助回路2020は、相対的にパルス幅が短いパルス電圧を発生する。
スイッチ2128による短絡経路2104の開閉は、一のパルス電圧の発生とそれに続く他のパルス電圧の発生との間に行われればよいので、補助回路2020の寄与の有無は容易に切り替えられ、パルス電圧の幅も容易に切り替えられる。したがって、パルスプラズマ放電を発生させる装置にパルス発生装置2004が使用された場合、処理対象物の違いに応じてパルス幅を調整することが容易である。2種類のパルス幅のパルス電圧を発生するために2種類のパルス発生回路を設けることも不要である。
<第3実施形態>
第3実施形態は、パルス発生回路3004に関する。
図10は、パルス発生回路3004の回路図である。パルス発生回路3004は、補助回路1020が補助回路群3036に置き換えられたこと以外は、パルス発生回路1004と同じく構成される。
図10に示すように、補助回路群3036は、2個以上の補助回路3020の並列接続体である。補助回路群3036を構成する補助回路3020の各々は、補助回路2020と同じく、誘導起電力の短絡経路3104と、印加される電圧の時間積分値が特定値を超過するとインダクタンスが低下する可飽和リアクトル3108と、短絡経路3104の電流の流れやすさに異方性を付与するダイオード3120と抵抗3124との並列接続体3112と、短絡経路3104を開閉するスイッチ3128と、を備える。可飽和リアクトル3108、並列接続体3112及びスイッチ3128は、補助回路2020と同じく、短絡経路3104に挿入される。ただし、パルス幅を決める磁性体コア3116の材質並びに可飽和リアクトル1108の巻き数N及び実効断面積Aeによって決まる特定値、すなわち、補助回路3020が第1の巻線1204の第1端1212と第2端1216とを短絡に近い状態にするまでの時間は、補助回路3020ごとに異なる。
パルス発生回路3004は、全部のスイッチ3128が短絡経路3104を開いた状態又はいずれか1個のスイッチ3128が短絡経路3104を閉じた状態でパルス電圧を発生する。これにより、パルス発生回路3004は、3種類以上のパルス幅のパルス電圧を発生する。
<第4実施形態>
第4実施形態は、パルス発生回路4004に関する。
図11は、パルス発生回路4004の回路図である。パルス発生回路4004は、補助回路1020が、第1の巻線1204の第1端1212と第2端1216とを接続するのではなく、第2の巻線1208の第1端1220と第2端1224とを接続し、第2の巻線1208の第1端1220と第2端1224とを自律的に短絡に近い状態にすること以外は、パルス発生回路1004と同じく構成される。並列接続体1112は、スイッチ1016により供給経路1012が開かれたときに第2の巻線1208に発生する誘導起電力によりダイオード1120が順バイアスされるように短絡経路1104に挿入される。
パルス発生回路4004においては、スイッチ1016により供給経路1012が閉じられると、第1の巻線1204に電流が流れトランス1008に誘導エネルギーが蓄積される。トランス1008に誘導エネルギーが蓄積された後に、スイッチ1016により供給経路1012が開かれると、第1の巻線1204には自己誘導により誘導起電力が発生し、第2の巻線1208には相互誘導により誘導起電力が発生する。トランス1008の第2の巻線1208に発生した誘導起電力は、パルス電圧として出力経路1024を経由して負荷1036へ出力される。
補助回路1020は、第2の巻線1208に誘導起電力が発生してから短い時間が経過した後に第2の巻線1208の第1端1220と第2端1224とを自律的に短絡に近い状態にする。これにより、第2の巻線1208からのパルス電圧の出力が停止され、パルス幅が短いパルス電圧が発生する。
パルス発生回路4004においても、スイッチ1016により供給経路1012が閉じられたときに第2の巻線1208に発生する誘導起電力により、可飽和リアクトル1108の状態が初期化される。
パルス発生回路4004においても、補助回路1020を補助回路2020又は補助回路群3036に置き換えてもよい。
<第5実施形態>
第5実施形態は、パルス発生回路5004に関する。
図12は、パルス発生回路5004の回路図である。パルス発生回路5004は、トランス1008が第1の巻線5204及び第2の巻線5208に加えて第3の巻線5228を備えるトランス5008に置き換えられ、補助回路1020が、第1の巻線5204の第1端5212と第2端5216とを接続するのではなく、第3の巻線5228の第1端5232と第2端5236とを接続し、第3の巻線5228の第1端5232と第2端5236とを自律的に短絡に近い状態にすること以外は、パルス発生回路1004と同じく構成される。並列接続体1112は、スイッチ1016により供給経路1012が開かれたときに第3の巻線5228に発生する誘導起電力によりダイオード1120が順バイアスされるように短絡経路1104に挿入される。
トランス5008の第1の巻線5204と第2の巻線5208と第3の巻線5228とは磁気結合される。
パルス発生回路5004においては、スイッチ1016により供給経路1012が閉じられると、第1の巻線5204に電流が流れトランス5008に誘導エネルギーが蓄積される。トランス5008に誘導エネルギーが蓄積された後に、スイッチ1016により供給経路1012が開かれると、第1の巻線5204には自己誘導により誘導起電力が発生し、第2の巻線5208及び第3の巻線5228には相互誘導により誘導起電力が発生する。トランス5008の第2の巻線5208に発生した誘導起電力は、パルス電圧として出力経路1024を経由して負荷1036へ出力される。
補助回路1020は、第3の巻線5228に誘導起電力が発生してから短い時間が経過した後に第3の巻線5228の第1端5232と第2端5236とを自律的に短絡に近い状態にする。これにより、第2の巻線5208からのパルス電圧の出力が停止され、パルス幅が短いパルス電圧が発生する。
パルス発生回路5004においても、スイッチ1016により供給経路1012が閉じられたときに第3の巻線5228に発生する誘導起電力により、可飽和リアクトル1108の状態が初期化される。
パルス発生回路5004においても、補助回路1020を補助回路2020又は補助回路群3036に置き換えてもよい。
<その他>
この発明は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において例示であり、この発明は上記の説明に限定されない。例示されない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定されうる。
1004,2004,3004,4004,5004 パルス発生回路
1008,5008 トランス
1012 供給経路
1016 スイッチ
1020,2020、3020 補助回路
1024 出力経路

Claims (6)

  1. パルス発生回路であって、
    誘導エネルギーを蓄積する誘導エネルギー蓄積体と、
    前記誘導エネルギー蓄積体への直流の供給経路と、
    前記供給経路を開閉する第1のスイッチと、
    前記供給経路が開かれたときに誘導起電力が発生する前記誘導エネルギー蓄積体の第1端と第2端とを接続する補助回路と、
    を備え、
    前記補助回路は、
    誘導起電力の短絡経路と、
    前記短絡経路に挿入される可飽和リアクトルと、
    を備えるパルス発生回路。
  2. 請求項1のパルス発生回路において、
    前記補助回路は、
    ダイオードと抵抗との並列接続体、
    をさらに備え、
    前記並列接続体は、
    前記供給経路が開かれたときに発生する誘導起電力により前記ダイオードが順バイアスされるように前記短絡経路に挿入される、
    パルス発生回路。
  3. 請求項1又は請求項2のパルス発生回路において、
    前記補助回路は、
    前記短絡経路に挿入され前記短絡経路を開閉する第2のスイッチ、
    をさらに備えるパルス発生回路。
  4. 請求項1から請求項3までいずれかのパルス発生回路において、
    前記誘導エネルギー蓄積体からのパルス電圧の出力経路、
    をさらに備え、
    前記誘導エネルギー蓄積体は、磁気結合された第1の巻線と第2の巻線とを備えるトランスであり、
    前記供給経路により前記第1の巻線へ直流が供給され、
    前記出力経路により前記第2の巻線からパルス電圧が出力され、
    前記補助回路は、
    前記第1の巻線の両端を接続する、
    パルス発生回路。
  5. 請求項1から請求項3までいずれかのパルス発生回路において、
    前記誘導エネルギー蓄積体からのパルス電圧の出力経路、
    をさらに備え、
    前記誘導エネルギー蓄積体は、磁気結合された第1の巻線と第2の巻線とを備えるトランスであり、
    前記供給経路により前記第1の巻線へ直流が供給され、
    前記出力経路により前記第2の巻線からパルス電圧が出力され、
    前記補助回路は、
    前記第2の巻線の両端を接続する、
    パルス発生回路。
  6. 請求項1から請求項3までいずれかのパルス発生回路において、
    前記誘導エネルギー蓄積体からのパルス電圧の出力経路、
    をさらに備え、
    前記誘導エネルギー蓄積体は、磁気結合された第1の巻線と第2の巻線と第3の巻線とを備えるトランスであり、
    前記供給経路により前記第1の巻線へ直流が供給され、
    前記出力経路により前記第2の巻線からパルス電圧が出力され、
    前記補助回路は、
    前記第3の巻線の両端を接続する、
    パルス発生回路。
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