JP2011113861A - 口金付ランプおよび照明器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】透明な白熱電球に代替可能で、かつコスト的に有利な口金付ランプおよび照明器具を提供する。
【解決手段】外郭部材をなす本体11と;本体の一端部側に面配置されて設けられる固体発光素子12と;本体の一端部側に前記固体発光素子を覆うように設けられると共に、略球体をなす透明体からなり、少なくとも略球体の中心を通る水平線y−y上に位置する内面を光が拡散しない滑らかな略球体をなす面としたカバー部材13と;本体の他端部側に設けられる口金部材15と;を具備する口金付ランプ10を構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】外郭部材をなす本体11と;本体の一端部側に面配置されて設けられる固体発光素子12と;本体の一端部側に前記固体発光素子を覆うように設けられると共に、略球体をなす透明体からなり、少なくとも略球体の中心を通る水平線y−y上に位置する内面を光が拡散しない滑らかな略球体をなす面としたカバー部材13と;本体の他端部側に設けられる口金部材15と;を具備する口金付ランプ10を構成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、発光ダイオード等の固体発光素子を光源とした口金付ランプおよび照明器具に関する。
近年、フィラメント電球に代わって、寿命が長くまた消費電力の少ない固体発光素子である発光ダイオードを光源とした電球形LEDランプ等の口金付ランプが各種照明器具の光源として採用されるようになってきている。一方、店舗等における照明においては、展示物の状況や屋内の雰囲気に応じて、例えば、フィラメントの光によって蝋燭の光による照明の雰囲気をつくりだすような装飾を行うために透明な白熱電球が用いられている。また、業務用などにおいても、専ら明るさを必要とする照明環境においては、透明な白熱電球が多く使用されている。
しかしながら、従来、発光ダイオードを光源とするLEDランプにおいては、一般的には乳白色のグローブを用いて光を拡散させたLEDランプが製造、販売され、乳白色の白熱電球の代替電球として用いられている。このため、上記のように、店舗の装飾用に用いられている透明な白熱電球に替えて、乳白色のグローブからなるLEDランプを使用した場合には、グローブの中心部でフィラメントが輝くような装飾効果が発揮できず、省エネ形のLEDランプに交換することができない問題が生じている。
また、一方、この種のLEDランプにおいては、白熱電球と同等の配光特性を得るための種々の改良がなされ、例えば、特許文献1(特に、段落番号[0024]および図3(b))には、固体発光素子の発光面を光学素子の底面から頂点部分に移動させ、頂点部分をグローブの略中心に位置するように配置させて、その頂点部分から点光源として全方向に均等な放射強度で出射できるようにして、白熱電球に近似の配光を実現する電球形ランプが示されている。
しかしながら、特許文献1に示される電球形ランプは、段落番号[0021]に記載されているように、グローブは光拡散剤が塗布されたガラス製、若しくは、拡散性を持つフィラーを混合した透光性樹脂で形成され、乳白色の白熱電球代替用のLEDランプとして構成されたものであり、透明な白熱電球に替えて使用することができない。また、固体発光素子の発光面をグローブの略中心の位置、換言すれば、白熱電球のフィラメントが配置されている位置に移動させることができるが、そのために、透光性樹脂やガラス等で錐体形状に形成された光学素子、すなわち、導光体が必要となってコストが高くなる問題が生じ、また、導光体を用いるために光ロスが発生し、発光効率が低下する問題も生じる。このため、この種、発光ダイオード等の固体発光素子を用いた口金付ランプにおいては、透明な白熱電球に代替可能なランプを如何にして実現するかが重要な課題となっている。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、透明な白熱電球に代替可能で、かつコスト的に有利な口金付ランプおよび照明器具を提供しようとするものである。
請求項1に記載の口金付ランプの発明は、外郭部材をなす本体と;本体の一端部側に面配置されて設けられる固体発光素子と;本体の一端部側に前記固体発光素子を覆うように設けられると共に、略球体をなす透明体からなり、少なくとも略球体の中心を通る水平線上に位置する内面を光が拡散しない滑らかな略球体をなす面としたカバー部材と;本体の他端部側に設けられる口金部材と;を具備していることを特徴とする。
本発明によれば、本体の一端部側に面配置されて設けられる固体発光素子と、略球体をなす透明体からなり、少なくとも略球体の中心を通る水平線上に位置する内面を光が拡散しない滑らかな略球体をなす面としたカバー部材により、透明な白熱電球のフィラメントに近似した輝点を形成することが可能となり、透明な白熱電球に代替可能で、かつコスト的に有利な口金付ランプを構成することができる。
本発明は、面配置された固体発光素子からなる光源の光をカバー部材の内面で反射させ、ランプを側面方向から目視したときに、光源をカバー部材の内部に擬似的に投影させ、透明な白熱電球におけるフィラメントの発光状態に近似した輝点をカバー部材に発生させることにより、透明な白熱電球と同等の発光状態を呈する口金付ランプが構成されるものである。
フィラメントの発光状態に近似した輝点をカバー部材に発生させるには、固体発光素子の光を反射させるカバー部材内面の形状、カバー部材と固体発光素子の大きさ、カバー部材に対する固体発光素子の位置関係等を設定することによって実現させることができる。
フィラメントの発光状態に近似した輝点をカバー部材に発生させるための、口金付ランプは、一般白熱電球の形状に近似させた電球形の口金付ランプ(A形またはPS形)、ボール形の口金付ランプ(G形)、レフ形の口金付ランプ(R形)などの口金付ランプが許容される。特に、20W以上の透明な白熱電球に相当する口金付ランプが好適である。
また、光源となる固体発光素子は、面配置が可能な発光ダイオード、半導体レーザ、有機ELなどを発光源とした発光素子が許容され、複数個で構成されていることが好ましいが、照明の用途に応じて必要な個数は選択され、例えば、4個程度の素子群を構成し、この群1個、若しくは複数の群をなすように構成してもよい。さらには、1個の固体発光素子で構成されたものであってもよい。固体発光素子は、白色で発光するように構成することが好ましいが、照明器具の用途に応じ、赤色、青色、緑色等でも、さらには各種の色を組み合わせて構成してもよい。
また、固体発光素子は、光源が点状に分散され輝点が散乱した状態で形成されないように、面配置されることが必要で、例えば、平板状をなす基板の表面にCOB(Chip on Board)技術を用いて、マトリックス状や千鳥状または放射状など、規則的に一定の順序をもって一部または全体が面状に配置され実装されたものが好ましいが、SMD(Surface Mount Device)タイプのものを用いて面状に配置され実装して構成されたものであってもよい。
固体発光素子は、面状をなす発光モジュールに構成することが好ましく、薄い平板からなる円形、四角形、六角形などの多角形状、さらには楕円形状等をなす基板に対して面配置されることが許容される。しかし、これら基板の構成には限定されず、フィラメントの発光状態に近似した輝点をカバー部材に発生させることができ、かつ、目的とする配光特性を得ることが可能な全ての面配置のための基板構成が許容される。
カバー部材は、白熱電球など一般照明用電球のバルブと同じ外観形状を有するA形、PS形などの通常涙滴形と呼ばれている形状やG形の球形をなすバルブと、さらには、R形をなすバルブと同形ないし略同形をなす類似形状を。また、カバー部材の全体が完全な球体をなして構成されていることが好ましいが、必ずしも全体が完全な球体をなしていることが必要な条件ではなく、一部が球径の異なる球体で構成されたものであっても、さらには、断面が楕円形をなす球体であってもよい。
カバー部材は、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン等の透明体からなる合成樹脂、若しくは、透明なガラスで構成されることが許容され、要求される特性に応じ無色透明、着色などの手段が施されていてもよい。透明体は、カバー部材の内部に発生させた輝点を、ランプの側面方向から目視できるように、例えば、直線透過率が50%以上をなして構成されることが許容される。また、カバー部材は、グローブではなく、発光ダイオード等の固体発光素子の充電部等を外部から保護するための透明な保護カバーであってもよい。
また、カバー部材における光が拡散しない滑らかな略球体をなす面は、一部が球径の異なる球体で構成されたものであっても、さらには、断面が楕円形をなす球体であってもよい。また、カバー部材の内面全体が滑らかな略球体をなす面に構成されていることが製造上からも好ましいが、部分的に形成したものでもよい。部分的に形成した場合には、他の部分、例えば、ネック部分は、配光特性向上のために反射膜等の反射手段を形成してもよい。
また、外郭部材をなす本体は、固体発光素子の放熱性を高めるために熱伝導性の良好な金属、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)の少なくとも一種を含む金属で形成することが好ましいが、この他に、窒化アルミニウム(AlN)、シリコンカーバイト(SiC)などの工業材料で構成してもよい。さらには、高熱伝導樹脂等の合成樹脂で構成してもよい。外観形状は、一端部側から他端部側に向けて直径が順次小さくなるような、一般白熱電球におけるネック部分のシルエットに近似させた形状に形成することが、既存照明器具への適用率が向上して好ましいが、ここでは、一般白熱電球に近似させることは条件でなく、限られた特定の外観形状には限定されない。
口金部材は、一般白熱電球が取付けられるソケットに装着可能な全ての口金が許容されるが、一般的に最も普及しているエジソンタイプのE17形やE26形等の口金が好適である。また、エジソンタイプの他、ピン形の端子を有する口金でも、引掛シーリングに使用されるL字形の端子を有する口金でもよく、特定の口金には限定されない。
また、半導体発光素子を安定に点灯するための点灯装置は、本体内に設けることが一般白熱電球等の光源をそのまま置き換えられる点で有利であるが、別置きとすることもできる。点灯装置としては、例えば、交流電圧100Vを直流電圧24Vに変換して固体発光素子に定電流の直流電流を供給する点灯回路を構成するものが許容される。また、点灯装置は、固体発光素子を調光するための調光回路や調色回路等を有するものであってもよい。
なお、本発明において、本体の「一端部側」、「他端部側」とは、厳密な意味での端部であってもよいが、互いに相対的な関係での一端部側、他端部側であってもよい。また、略球体の中心を通る水平線は、ランプ軸心を垂直にした状態で、軸心と直交して球体の中心を直視した際における目線と略重なる線を意味している。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の口金付ランプにおいて、前記カバー部材は、直線透過率が50%以上の略半球状をなす透明体からなり、固体発光素子は、口金の回転軸線上で、かつカバー部材の中心部近傍に位置して面配置された発光ダイオードからなることを特徴とする。本発明によれば、透明な白熱電球のフィラメントに近似した輝点を、より確実に形成することが可能となる。
本発明において、発光ダイオードは、略球体をなすカバー部材の中心から下方に位置させることが、より確実に輝点を形成できることから好ましいが、若干上方に位置してもよく、要は、フィラメントに近似した輝点を形成することが可能なカバー部材における中心部の近傍に発光ダイオードが位置していればよい。
請求項3に記載の照明器具の発明は、ソケットが設けられた器具本体と;器具本体のソケットに装着される請求項1または2記載の口金付ランプと;を具備していることを特徴とする。本発明によれば、請求項1または2記載の口金付ランプを用いることにより、透明な白熱電球に替えて固体発光素子を光源とする省エネ形のランプを用いることができる。
本発明において、照明器具は天井埋込形、直付形、吊下形、さらには壁面取付形等が許容され、器具本体に制光体としてグローブ、セード、反射体などが取付けられるものであっても光源となる口金付ランプが露出するものであってもよい。また、器具本体に1個の口金付ランプを取付けたものに限らず、複数個が配設されるものであってもよい。さらに、オフィス等、施設・業務用の大型の照明器具などを構成してもよい。また、前述の点灯装置を器具本体内に配設するようにしてもよい。
請求項1に記載の発明によれば、本体の一端部側に面配置されて設けられる固体発光素子と、略球体をなす透明体からなり、少なくとも略球体の中心を通る水平線上に位置する内面を光が拡散しない滑らかな略球体をなす面としたカバー部材により、透明な白熱電球のフィラメントに近似した輝点を形成することが可能となり、透明な白熱電球に代替可能で、かつコスト的に有利な口金付ランプを提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、カバー部材は、直線透過率が50%以上の略半球状をなす透明体からなり、固体発光素子は、口金の回転軸線上で、かつカバー部材の中心部近傍に位置して面配置された発光ダイオードからなるので、透明な白熱電球のフィラメントに近似した輝点を、より確実に形成することが可能となり、透明な白熱電球に代替可能で、かつコスト的に有利な口金付ランプを提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2記載の口金付ランプを用いることにより、透明な白熱電球に替えて固体発光素子を光源とする省エネ形のランプを用いることが可能で、かつコスト的に有利な照明器具を提供することができる。
以下、本発明に係る口金付ランプおよび照明器具の実施形態について説明する。
本実施例の口金付ランプは、図1〜図2に示すように、透明な60Wの白熱電球に相当する口金付ランプ10を構成するもので、外郭部材をなす本体11、本体の一端部側に設けられる固体発光素子12、本体の一端部側に固体発光素子を覆うようにして設けられるカバー部材13、固体発光素子を点灯する点灯装置14、本体の他端部側に設けられる口金部材15からなり、固体発光素子12からなる光源の光をカバー部材13の内面で反射させ、ランプを側面方向から目視したときに、光源をカバー部材の内部に擬似的に投影させ、透明な白熱電球におけるフィラメントの発光状態に近似した輝点をカバー部材の内部に発生させるように構成したものである。
本体11は、熱伝導性の良好な金属、本実施例ではアルミニウムで構成された横断面形状が略円形で、一端部側に径の大きな開口部11aを他端部側に径の小さな開口部11bを有する中空円筒体の外郭部材をなすように構成する。また、外周面は一端部側から他端部側に向かい順次直径が小さくなる略円錐状のテーパー面をなすように形成し、外観が白熱電球におけるネック部のシルエットに近似させた形状に構成する。外周面には一端部側から他端部側に向かい放射状に突出する多数の放熱フィン11dを一体に形成する。これら構成の本体11は、例えば、鋳造、鍛造または切削加工等で加工される。
本体11の一端部側の開口部11aには、円形の凹部が形成されるように表面が平面状をなす光源支持部11eが一体に形成され、内部には絶縁ケース20が嵌めこまれ、この絶縁ケース内に点灯装置14が収納されると共に、絶縁ケースの端部に口金部材15が嵌合されることによって、本体11の他端部側に口金部材15が設けられる。
固体発光素子12は、本実施例では発光ダイオード(以下「LED」と称す)で構成し、同一性能を有する複数個が用意され、青色LEDチップとこの青色LEDチップにより励起される黄色蛍光体により白色を発光する高輝度、高出力のLEDからなり、一方向、すなわちLEDの光軸に光線が主として放射される。ここで光軸は、LED12が実装される基板12aの面に対して略鉛直方向のことである。
LED12は、基板12aにCOB技術を用いて実装されることによりCOBモジュールとして構成される。すなわち、基板12aは、略円形をなす熱伝導性を有する金属、本実施例ではアルミニウム製の薄い平板で構成する。基板12aの一面側、すなわち、表面側には薄い電気絶縁層が積層され、その表面に銅箔からなる配線パターンを形成する。さらに、COB技術を使用して上述した複数のLED12(青色LEDチップ)を略マトリックス状に面配置して実装し、黄色蛍光体を分散・混合した封止部材が塗布または充填されて略矩形状をなす発光部Aが構成される。そして、上述した青色LEDチップ12から放射される青色光を透過させると共に、青色光によって黄色蛍光体を励起して黄色光に変換し、透過した青色光と黄色光が混光して白色の光が放射されるものである。
上記に構成されたCOBモジュールの基板12aは、裏面側の外周縁部が本体11の平面状をなす光源支持部11eに密着されて熱伝導可能に配設される。図1(a)に示すように、基板12aのLED11を実装した表面側が外方に面するように配置し、裏面側の外周縁部を、平面状をなす光源支持部11eに載置し、シリコーン樹脂等で構成された電気絶縁シート等(図示せず)を介して、ネジ等の固定手段を用い密着して装着される。上記により、複数のLED12を略矩形状に実装して発光部Aを構成した平板状の基板12aからなるCOBモジュールの光軸が、本体11の中心軸線x−xに略合致し、平面視で略矩形状の発光面を有する発光部Aが構成される。
カバー部材13は、ランプのグローブを構成するもので、直線透過率が50%以上の厚さが薄いポリカーボネートで構成され、一端部側に開口13aを有する透明なPS形の白熱電球のシルエットに近似させた略半球状をなし、外面が滑らかな曲面状をなすように形成する。また、カバー部材の内面は、内面全体にわたって光を拡散しない滑らかな略球体をなす面に形成する。そして、カバー部材13は、図2に示すように、最大径部13bの外形より小径の段部13cを有して開口13aを形成し、その開口端部を、発光部Aを覆うようにして光源支持部11e内に嵌め込まれて接着剤等で固定される。カバー部材13は、最大径部13bの外形より小径の段部13cを有して開口13aが形成されることによって、半球以上の深さを有する略半球状に構成される。
上記により、カバー部材13が本体11に配設されることによって、本体11の傾斜する外周面が、グローブをなすカバー部材13の曲面状の外周面に一体的に略連続した外観形状になり、ランプ全体が透明な白熱電球のシルエットに近似させた形状に構成される。
次に、上記に構成され光源となるLED12と透明なカバー部材13により、透明な白熱電球におけるフィラメントの発光状態に近似した輝点を、透明なカバー部材の内部に発生させるための構成につき説明する。
フィラメントの発光状態に近似した輝点をグローブであるカバー部材に発生させるには、面配置されたLED12の光を反射させるカバー部材13の内面の形状、カバー部材13とLED12からなる発光部Aとの大きさ、カバー部材13に対する発光部Aの位置関係等を設定することによって実現させることができる。
図2に示すように、LED12の光を反射させるカバー部材13の内面の形状は、少なくとも略球体の中心Oを通る水平線y−y上に位置する内面を光が拡散しない滑らかな略球体をなす面となるように構成する。本実施例の場合には、カバー部材13の内面全体を光が拡散しない滑らかな略球体をなすように構成した。
次に、カバー部材13とLED12からなる発光部Aの大きさ、すなわち、球体からなるカバー部材13の最大径部13bの外形に対して、発光部Aの最大発光径が約1/2(0.5)以下になるように構成する。本実施例では、カバー部材13の最大径部13bの外形を約60mm、発光部Aの寸法を縦寸法aが約13mm、横寸法bが約14mmの矩形状に形成し、最大径を約14mmとし、その比率が14/60(約0.23)に構成した。なお、LED12は5mm角の青色LEDチップを用い、基板12a上にマトリックス状に面配置して、13×14mmの矩形状の発光部Aを構成した。
また、カバー部材13に対する発光部Aの位置関係は、発光部Aが口金15の回転軸線x−x上(発光部Aの光軸であり本体11の中心軸線でもある)で、かつカバー部材13の中心部の近傍に位置して配置されるように構成する。本実施例では、口金15の回転軸線x−x上で、発光部Aがカバー部材13の中心Oから下方に位置するように、換言すれば、ランプを上向き(口金下側、図2の状態)になるように装着した場合に、ランプの最大径部13bが発光部Aの上側になるように構成した。カバー部材13の中心Oと発光部Aの上面との間隔寸法cは、約10mmである。
これら構成により、図2において、矢印で示すように、ランプをその側方から目視すると、より詳細には、カバー部材13の略球体の中心Oを通る水平線y−y上から目視すると、水平線y−y上に位置する光が拡散しない滑らかな略球体をなす面sを介し、発光部Aが水平線y−y上で、かつ略球体の中心Oの位置に反射され、発光部Aが浮き上がったような光として投影され、周囲に比して一段と明るくなった輝点K、すなわち、擬似的な発光部が発生する。特に、光源として輝度の高いLEDを用いているので、一層明るい輝点が形成される。
この輝点は、ランプを側面方向から目視したときに、球体の略中心部に発生することから、透明な白熱電球におけるフィラメントと略同様な位置に形成され、透明な白熱電球と略同様な発光状態を呈する。また、この輝点は、カバー部材13の球体の中心Oを通る水平線y−y上から目視することによって、最大の大きさで鮮明に目視することができるが、水平線y−yから上下に多少ずれた位置であっても、大きさや鮮明度がやや低下するが目視することができる。
なお、口金付ランプを構成する点灯装置14は、図1に示すように、各LED12の点灯回路を構成する回路部品を実装した平板状の回路基板14aからなる。点灯回路は、交流電圧100Vを直流電圧24Vに変換して各LED12に定電流の直流電流を供給するように構成される。回路基板14aは短冊状の縦に長い形状に構成して片面または両面に回路パターンが形成され、その実装面に小形の電解コンデンサ等のリード部品やトランジスタ等のチップ部品等、点灯回路を構成するための複数の小形の電子部品14bが実装され、上述した本体11の絶縁ケース20内に、回路基板14aを縦方向にして収容される。
また、本体の他端部側に設けられる口金部材15は、エジソンタイプのE26形を構成する口金で、ねじ山を備えた銅板製の筒状のシェル部15aと、このシェル部の下端の頂部に電気絶縁部15bを介して設けられた導電性のアイレット部15cを備えている。シェル部15aの開口部が、絶縁ケース20の端部に外側から嵌め込まれ、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂等の接着剤による接着やカシメなどの手段により本体11との電気絶縁をなして本体11の他端部側に固定される。シェル部15aおよびアイレット部15cには、点灯装置14における回路基板14aの入力端子から導出された入力線(図示せず)が接続される。
上記により、定格消費電力が約8〜9WのLEDで、透明な白熱電球60Wに相当する光束を有し、カバー部材13の内部にフィラメントに近似した輝点Kを発生させることができる透明な口金付ランプ10が構成される。
次に、上記のように構成された透明な口金付ランプ10を光源とした照明器具の構成を説明する。図3に示すように、30は店舗等の展示台Xに設置され、E26形の口金を有する透明な白熱電球を光源としたスタンド形の既存の照明器具で、器具本体31は、基台32と、可撓性を有する支柱33と、支柱の先端部分に設けられたソケット34で構成されている。このスタンド形の照明器具30は、透明な白熱電球のフィラメントの光を利用して、展示物Yを、あたかも蝋燭の光りで照らす落ち着いた独特な演出効果が出るようにするために使用されている。
上記に構成された透明な白熱電球用の既存のスタンド形の照明器具30において、省エネや長寿命化などのために透明な白熱電球に替えて、上述したLED12を光源とする電球形の透明な口金付ランプ10を使用する。すなわち、口金付ランプ10は口金部材15をE26形に構成してあるので、上記照明器具のソケット34にそのまま差し込むことができ、これによって、LED12を光源とした省エネ形のスタンド形の照明器具30が構成される。
上記に構成されたスタンド形の照明器具30に電源を投入すると、ソケット34から口金付ランプ10の口金部材15を介して電源が供給され、点灯装置14が動作し24Vの直流電圧が出力される。この直流電圧は点灯装置14の出力端子からLED12に印加され、定電流の直流電流が供給されて点灯する。
この際、展示台Xを見ると、透明なランプを側面方向から目視する状態となり、上述したように、カバー部材13の内部の中心部にはLED12からなる発光部Aが投影されて、周囲に比べ一段と明るく光る輝点Kが発生し、透明な白熱電球のフィラメントが光っている状態に近似した発光状態となる。このため、透明な白熱電球に替えて、本発明の口金付ランプを装着しても、蝋燭の光りで照らす落ち着いた独特な演出効果を十分に作り出すことができる。また、カバー部材13は透明体で構成されており、ランプ全体の配光特性も透明な白熱電球と変わることがないため、目的とする所定の照度を保つことができる。
同時に、電球形の口金付ランプ10が点灯されると、LED12の温度が上昇し熱が発生する。その熱は、熱伝導性の良好なアルミニウムからなる基板12aから、基板が直接密着して固定された光源支持部11eに伝達され、アルミニウムからなる本体11から放熱フィン11dを介して外部に効果的に放熱され、LEDの発光効率が低下することを防止することができる。LEDの長寿命化も図ることができる。
以上、本実施例によれば、本体11の一端部側に面配置されて設けられるLED12と、略球体をなす透明体からなり、少なくとも略球体の中心を通る水平線y−y上に位置する内面を光が拡散しない滑らかな略球体をなす面としたカバー部材13により、ランプを側面方向から目視すると、カバー部材13の内部の中心部にLED12からなる発光部Aが投影され、明るく光る輝点Kが発生して透明な白熱電球のフィラメントが光っている状態に近似した発光状態を呈することができる。
このため、透明な白熱電球に代替することができる省エネ形の口金付ランプを提供することができる。特に、直線透過率が50%以上の透明なカバー部材13からなる口金付ランプを構成できることから、上述した輝点Kを確実に目視できると共に、従来の乳白色の口金付ランプより光ロスの少ない発光効率が優れた口金付ランプを提供することができる。
また、その構成は、従来のように、光源の光をカバー部材の中心部に移動させるための導光体を使用することなく、カバー部材13と発光部Aのみで構成することができ、コスト的に有利な透明な白熱電球に代替可能な口金付ランプを提供することができる。また、導光体を用いることなく輝点を形成することができ、光のロスを少なくすることができ一層発光効率に優れた口金付ランプを提供することができる。また、カバー部材13は透明体で構成されており、ランプ全体の配光特性も透明な白熱電球と変わることがないため、目的とする所定の照度を保つことができる。
特に、発光部Aは平板状をなす一般的な発光モジュールを用いて、輝点Kを発生させるための所定の位置、すなわち、本体11の平面状をなす光源支持部11eに配置することによって、輝点を発生させることができるので、乳白色の口金付ランプとの部品の共通化を図ることができ、一層コスト的に有利な透明な口金付ランプを提供することができる。
また、本発明の口金付ランプは、ランプ全体が白熱電球のシルエットに近似させた形状に構成したので、既存のダウンライト等の照明器具における反射板等に当たる突出部がないことから、透明な白熱電球に限らず、乳白色の白熱電球が用いられる既存照明器具への適合率も向上させることができる。同時に、照明器具内に配置されたソケット近傍の反射板への光の照射量が減少する問題も生じない。これによって、光源となる口金付ランプ10の配光が白熱電球の配光に近づくことで、照明器具30内に配置されたソケット近傍の反射体への光の照射量が増大し、白熱電球用として構成された反射体の光学設計通りの器具特性を略得ることが可能となる。
以上、本実施例において、LED12の光を反射させるカバー部材13の内面の形状を、カバー部材13の内面全体を光が拡散しない滑らかな略球体をなすように構成したが、全体でなく、部分的に設けてもよい。この場合、図2に示すように、略球体の下端内面から球体の半径rの略1/2の高さの範囲にわたって形成されることが好ましい。本実施例によれば、半径rが約30mmで、その略1/2である約15mmの高さの範囲にわたって形成されることが好ましい。
また、発光部Aを13×14mmの矩形状に構成したが、球体からなるカバー部材13の最大径部13bの外径に対して、発光部Aの最大発光径が約1/2以下になるような円形の発光部で構成してもよい。また、LEDは5mm角のLEDチップを用いて構成したが、5mm角以上のチップで構成することが鮮明な輝点を発生させるためには好適である。
また、本実施例では、口金15の回転軸線x−x上で、発光部Aがカバー部材13の中心Oから下方に位置するように構成し、カバー部材13の中心Oと発光部Aの上面との間隔寸法c(図2)は、約10mmとなるように構成したが、約1〜15mmの間隔寸法で構成することによって輝点を発生させることができる。また、発光部Aの発光面がカバー部材13の中心O上にあっても、さらには、多少1〜2mm程度上方に位置させても、輝点を発生させることができる。
また、カバー部材13の形状は、図4(a)に示すように、球体の断面が縦に略楕円形をなすように構成してもよい。また、同図(b)に示すように、横に略楕円形をなすように、小形のクリプトン電球に近似させた形状に構成してもよい。さらに、同図(c)に示すように、頂部が球径の異なる球体で構成されたものであってもよい。さらには、同図(d)に示すように、半球体ではなく、全体が略球体をなすボール形に構成してもよい。
また、口金付ランプの本体11においては、外方に露出する外面部分を、例えば、凹凸、若しくは、梨地状に形成して表面積を大きくしたり、白色塗装や白色アルマイト処理を施して外面部分の熱放射率を高めるようにしてもよい。また、白色塗装や白色アルマイト処理を施した場合には、電球形の口金付ランプ10をダウンライト等の反射板付照明器具30に装着して点灯した場合、外面に露出するアルミニウム製の本体11外面の反射率が高くなり、器具効率を高めることが可能となり、また外観、意匠的にも良好となり商品性を高めることもできる。
なお、変形例を示す図4には、図1〜図3と同一部分に同一符号を付し、詳細な説明は省略した。以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は上述の実施例に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の設計変更を行うことができる。
10 口金付ランプ
11 本体
12 固体発光素子
13 カバー部材
14 点灯装置
15 口金部材
O 略球体の中心
x−x 口金の回転軸線
y−y 水平線
30 照明器具
31 器具本体
34 ソケット
11 本体
12 固体発光素子
13 カバー部材
14 点灯装置
15 口金部材
O 略球体の中心
x−x 口金の回転軸線
y−y 水平線
30 照明器具
31 器具本体
34 ソケット
Claims (3)
- 外郭部材をなす本体と;
本体の一端部側に面配置されて設けられる固体発光素子と;
本体の一端部側に前記固体発光素子を覆うように設けられると共に、略球体をなす透明体からなり、少なくとも略球体の中心を通る水平線上に位置する内面を光が拡散しない滑らかな略球体をなす面としたカバー部材と;
本体の他端部側に設けられる口金部材と;
を具備していることを特徴とする口金付ランプ。 - 前記カバー部材は、直線透過率が50%以上の略半球状をなす透明体からなり、固体発光素子は、口金の回転軸線上で、かつカバー部材の中心部近傍に位置して面配置された発光ダイオードからなることを特徴とする請求項1記載の口金付ランプ。
- ソケットが設けられた器具本体と;
器具本体のソケットに装着される請求項1または2記載の口金付ランプと;
を具備していることを特徴とする照明器具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009270148A JP2011113861A (ja) | 2009-11-27 | 2009-11-27 | 口金付ランプおよび照明器具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009270148A JP2011113861A (ja) | 2009-11-27 | 2009-11-27 | 口金付ランプおよび照明器具 |
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Family
ID=44236040
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2009270148A Pending JP2011113861A (ja) | 2009-11-27 | 2009-11-27 | 口金付ランプおよび照明器具 |
Country Status (1)
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013026074A (ja) * | 2011-07-22 | 2013-02-04 | Tyntek Corp | 照明装置 |
CN103162200A (zh) * | 2011-12-19 | 2013-06-19 | 松下电器产业株式会社 | 照明器具 |
US8736153B2 (en) | 2012-02-22 | 2014-05-27 | Toshiba Lighting & Technology Corporation | Lamp apparatus and luminaire |
JP5583288B2 (ja) * | 2012-04-12 | 2014-09-03 | パナソニック株式会社 | 電球形ランプ及び照明装置 |
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- 2009-11-27 JP JP2009270148A patent/JP2011113861A/ja active Pending
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