JP2009117346A - 照明装置 - Google Patents

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幸司 池田
Nobutoshi Ryu
延年 劉
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清治 永田
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健太 土井
Satoshi Fujiwara
聡 藤原
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Hiroshi Ito
廣 伊藤
Yukitoshi Kawai
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Abstract

【課題】利用者の安全性にも配慮した従来のランプ類等にかわるハイパワーLEDを使用した照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置301は、固体発光素子32を保持する基板31が密着配置され、金属により構成される筐体部311と、筐体部311の外部表面342を覆い、筐体部311より熱伝導性の低い材料により構成されるカバー302とを備え、筐体部311は、上端部335、下端部336が夫々空気の入口又は出口となる貫通孔321を、カバー302は、上端部335からつながる上開口部337と、下端部336からつながる下開口部338とを具備し、内壁面341より放熱する。
【選択図】図25

Description

本発明は照明装置に関し、特に、固体発光素子を光源とした照明装置に関する。
近年、環境への意識の向上が高まり、白熱電球、蛍光ランプ及び水銀ランプ等のランプ類にかわる新しい光源として、固体発光素子、特に発光ダイオードが注目を集めている。なぜなら、発光ダイオードは、上述したランプ類の光源と比較して長寿命な光源であり、また水銀及び鉛といった有害物質を含まない、すなわち、環境に優しい光源であるからである。
発光ダイオード(以下、LEDと記載。)の中でも、1W以上の入力容量を有するいわゆるハイパワーLEDは、発光強度が強く照明用途に最適である。また、LEDの光変換効率は年々向上しており、ハイパワーLEDを光源とした照明は、省エネルギー光源としても期待されている。
その中で従来のランプ類を使用して構成されてきた照明器具(例えば、ダウンライト、スポットライト)にかわるハイパワーLEDを使用した照明装置への期待が高まってきている。
このような状況を鑑みてか、特許文献1に開示されるLED照明器具は、LEDを光源としたダウンライトであり、図30に示すように下面に開口部が設けられた筐体1310と、周部に比べて中央部が凹んだドーム状であって、中央部を上側にして筐体1310内に収納された凹面鏡1314と、凹面鏡1314の周部に沿って、発光面を凹面鏡1314の中央部側にしてLED1302が複数配置される。その上でLED1302からの光を、凹面鏡1314で反射することによって、筐体1310の開口部を通して照明を行うとされている。
また、特許文献2に開示される電球形照明用LEDランプは、白熱電球用の照明器具(例えば、白熱電球用のダウンライト)に取り付け、点灯可能であると共に、ヒートシンクを具備することによりLEDでロスとして発生した熱を適切に放熱することができ、4万時間の寿命を実現できるとされている。
特開2007−80533号公報 特開2008−186758号公報
しかしながら、特許文献1に開示されるLED照明器具は、以下の点で問題点があると考えられる。
特許文献1には明示されていないが、LED1302は基板上に実装し、その上でLED照明器具に配置することが一般的である。この際、平面状の基板に複数のLED1302を実装し、その上でLED照明器具に配置することが望ましい。このようにすることにより、製造に係るコストの削減を図ること等のメリットがある。しかしながら、特許文献1に開示されるLED照明装置においては、図30に記載されている通り、LED1302はキャップ部1312に取り付けられているものの、円周に沿って、発光面を凹面鏡1314の中央部側にして配置されている。したがって、LED1302を立体的に配置することが必要になる。
ここで、ハイパワーLEDは、放熱性を高めることを目的として、電極の面積が大きい、表面実装型のLEDとして構成されることが一般的である。当該電極の実装に供される面は通常平面であり、当該電極が実装される基板に設けられるパッドも平面とすることが必要となる。したがって、基板を平面として構成することが望ましいといえる。
しかしながら、上記のように特許文献1に開示されるLED照明器具は、LEDを立体的に配置する、すなわちそれが実装される基板も平面ではない。
したがって、特許文献1に開示されるLED照明器具において、ハイパワーLEDを適用するのであれば、立体形状を有し、かつハイパワーLEDを実装可能な特殊形状の基板が必要であると思料される。このことは、製造に係るコストの増大に直接的につながる。
以上のことより、特許文献1に開示されるLED照明器具の実用性については疑問がある。
また、特許文献2に開示される電球形LEDランプについても、以下の点で問題があるものと考えられる。
特許文献2に開示される電球形LEDランプは、白熱電球用の照明器具にそのまま取り付け、点灯できるとされている。したがって、特許文献1のような天井面等施設に埋め込むタイプでない白熱電球用の照明器具で使用されることも想定され、利用者が簡単に手で触れてしまう可能性がある。
ここで、特許文献2に開示される電球形LEDランプにおいては、ヒートシンクが表面に露出する形で実現する旨開示されている。また、この電球形LEDランプは、白熱電球と同等の大きさであるがため、大型のヒートシンクを搭載することは困難であると考えられる。そのため、ヒートシンクの熱容量は小さいものと考えられる。
このことは、LEDでロスとして発生した熱により、ヒートシンクそのものの温度が、高くなることにつながる。したがって、利用者が該電球形LEDランプに触れた場合、利用者が火傷をしてしまう可能性を否定できず、問題である。
本発明は、上述の事情を鑑みてなされたものであって、製造に係るコストの削減、及び利用者の安全性にも配慮したハイパワーLEDを使用した照明装置、特に従来のランプ類、それを利用したダウンライト、スポットライト等の照明器具にかわるハイパワーLEDを使用した照明装置を提供することを目的とする。
上記課題は、固体発光素子から発せられる光を利用した照明装置であって、前記固体発光素子を保持する保持手段と、前記保持手段が密着配置され、金属により構成される筐体手段と、前記筐体手段の外部表面を覆い、該筐体手段より熱伝導性の低い材料により構成されるカバー手段とを備え、前記筐体手段は、貫通孔であり、該貫通孔の一方の端部である第1端部と、他方の端部である第2端部とが、夫々空気の入口又は出口となる放熱部を、前記カバー手段は、前記第1端部からつながる第1開口部と、前記第2端部からつながる第2開口部とを、具備し、前記放熱部は、内部を通過する空気に対し、該放熱部の内壁面より放熱することにより解決することができる。
この構成により、簡便な構造にて、利用者が、放熱に供される筐体手段に直接触れることを回避することができる。これにより、その製造に係るコストを削減しつつ、利用者の安全性にも配慮した照明装置を実現することができるという効果がある。
ここで、前記第1開口部は、前記第1端部と同一軸上に配置されず、前記第2開口部は、前記第2端部と同一軸上に配置されないとしてもよい。また、前記第1開口部と、前記第2開口部とには、網目状、又はスリット状に開口したプレートが配置されてもよい。
この構成により、カバー手段の開口部を介して、筐体手段に直接触れるリスクを最小限にすることができるという効果がある。
ここで、前記筐体手段は、さらに、前記保持手段が密着配置される保持面を備え、前記保持面は、平面として構成されてもよい。
この構成により、固体発光素子が保持される保持手段と、保持面との密着性をさらに高めることができるという効果がある。
ここで、前記筐体手段は、さらに、一方向に開口した第3開口部を具備する、中空構造からなる中空部を備え、前記中空部の側面の少なくとも一部は、前記保持面であってもよい。また、前記筐体手段は、さらに、前記固体発光素子が発する光を反射する反射部を備え、前記保持面、及び前記固体発光素子は、複数具備され、全ての前記保持面は、前記筐体手段の中心を通る軸である中心軸へと法線が直角に向かい、かつ、前記中心軸の周方向に正多角形柱空間を形成するよう互いに配置され、前記固体発光素子は、所定個数ずつ、各前記保持面に前記保持手段を介し保持され、前記反射部は、前記第3開口部に向け光を反射してもよい。
この構成により、固体発光素子を、筐体手段を大きくすることなく、多数配置できるという効果がある。
ここで、前記放熱部は、前記保持面の裏面に配置されてもよい。
この構成により、放熱部と固体発光素子とを近接して配置できるという効果がある。このことは、固体発光素子にて発生した熱をより効率よく放熱することにつながる。
ここで、前記照明装置は、さらに、前記固体発光素子に供給する電力を生成する電源装置を内部に具備する白熱電球用のソケットに挿入可能である口金手段を備え、前記筐体手段と、前記口金手段とは、接続されており、前記筐体手段から、前記電源装置への熱の流入は、所定の方法により制限されてよい。また、前記所定の方法とは、前記筐体手段と、前記口金手段との接続において、該筐体手段より熱伝導性の低い材料を介在させることであってもよく、前記電源装置は、さらに、該電源装置の環境温度に関する情報を感知する感知部を備え、前記所定の方法とは、前記感知部が、所定温度以上の温度を感知した際に、生成する電力量を低下させることであってもよい。
この構成により、電源装置が高温となることを防ぐことができるという効果がある。このことは、電源装置の寿命特性を完全に発揮させることへとつながる。
ここで、複数具備される前記固体発光素子は、発光色に基づき2以上のグループに分けられ、前記グループ毎に発光制御されてもよい。
この構成により、照明装置から発せられる光の色を所望の色に制御することができるという効果がある。
本発明によれば、製造に係るコストの削減、及び利用者の安全性にも配慮したハイパワーLEDを使用した照明装置、特に従来のランプ類、それを利用したダウンライト、スポットライト等の照明器具にかわるハイパワーLEDを使用した照明装置を提供することができる。
以下、本発明に係る照明装置の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る照明装置1は、従来ランプ類を用いて構成されていたダウンライト、スポットライト(以下、従来品と記載。)にかわる固体発光素子32が発する光を利用し照明を行うものであって、固体発光素子32が配置される中空部56を有し、中空部56の一方向に開口部57を有する筐体部2と、中空部56内に配置され、固体発光素子32が発する光を反射する反射ユニット54とを備え、中空部56の一部の内壁面は、法線が直角方向から筐体部2の中心を通る軸である中心軸に向かう平面からなる固体発光素子32の保持面41を複数構成し、反射ユニット54は、固体発光素子32が発した光を開口部57に向け反射する。この様な構成をとることにより、固体発光素子32を平面的に配置することが可能となり、従来品と比較して部品点数の削減・コストダウンを図ることが可能となる。
まず、本発明の実施の形態1に係る照明装置1の構成を説明する。図1は、照明装置1の外観を示す斜視図である。図2は、照明装置1の側面(図1に示すA方向)から見た平面図である。図3は、照明装置1の発光方向(図1に示すB方向)から見た平面図である(なお、説明のため保護用透光板51は取り外した状態としている)。図4は、図2におけるC1−C2面(筐体部2の中心軸に沿った面)における照明装置1の構造を示す断面図である。図5は、図2におけるD1−D2面における照明装置1の構造を示す断面図である。
図1〜図5に示すように、照明装置1は、筐体部2と、保護用透光板51とを備える。また、その内部には、基板31、固体発光素子32、電源ユニット52、配線ケーブル53、反射ユニット54が具備されている。
筐体部2は、通常放熱性を鑑み、熱伝導率が高い金属(好ましくは、熱伝導率が200[W/(m・K)]以上の金属)により構成される。例えば、筐体部2は、アルミニウムで構成される。筐体部2にアルミニウムを用いる理由としては、安価であること、成形が行いやすいこと、リサイクル性が良いこと、熱伝導率が200[W/(m・K)]以上であること、及び、放熱特性が高いことなどが挙げられる。さらに、アルミニウムで構成した筐体部2をアルマイト処理することも効果的である。筐体部2の表面積を拡大することができ、放熱性を高める効果がある。
なお、本実施の形態においては、筐体部2を円柱として構成しているが、これに限定されるものではない。三角柱や、四角柱などであって良く、必要に応じて任意に設定してよい。
筐体部2は、中空部56を備える。また、中空部56は一方向に開口部57を有する。図6は、筐体部2を開口部57方向から見た平面図である。図7は、筐体部2の中心軸に沿った面の構造を示す断面図である。
図6及び図7に示すように、中空部56の内壁面は、法線が直角に筐体部2の中心軸(筐体部2の中心軸とは、筐体部2の中心を通る軸であり、本実施の形態では筐体部2を円柱として構成しているが、筐体部2の中心を通り前記円柱の高さ方向に沿った軸である。)へと向かう保持面41が複数備えられる。この保持面41は、固体発光素子32を保持する。具体的には、固体発光素子32が実装される基板31が密着配置される(すなわち、基板31を介し、固体発光素子32を保持する。)。
保持面41は、筐体部2の中心軸の周方向に正多角形柱空間を形成するように(正多角形柱空間の側面となるように)配置される(なお、本実施の形態においては正12角形柱として表しているが、これに限定されない。正3角形柱、正4角柱等であってもよい)。
このように保持面41を配置する理由であるが、部品点数を減らしコストを削減するためである。照明装置1に使用する基板31は柔軟性を有するものであって、正多角形柱空間の側面を形成する全ての保持面41に対し、容易に密着配置することができる。すなわち、正多角形柱空間の側面(複数の保持面41)に沿って、基板31は配置され、故に1個体のみの基板31により照明装置1を構成することも可能となる。このことは、コスト削減へとつながる。
また、照明装置1は、従来品にかわる照明装置である。そのため、照明装置1には、明るさが従来品と同等以上であり、また大きさについては従来品と同等であることが求められる。
まず、明るさについてであるが、固体発光素子32としてハイパワーLEDを採用する。この際多数個のハイパワーLEDを使用する必要がある。照明装置1は、多数個のハイパワーLEDを具備しており、故に明るさの要求を満たすことが可能である。
ただし、上記のように多数個のハイパワーLEDを採用することで、照明装置の大きさが大きくなっては、大きさに対する要求を満たすことができない。そこで、照明装置1では、中空部56の側面である保持面41が固体発光素子32(ハイパワーLED)を保持する。
ここで、保持面41の総和の面積は、筐体部2の底面43の面積より広くすることが容易にできる。よって、照明装置1は、筐体部2を大きくすることなく、コンパクトに多数個の固体発光素子32(ハイパワーLED)を配置することができる。そのため、上記大きさの要求にもこたえることができる。
これも、保持面41を、筐体部2の中心軸の周方向に正多角形柱空間を形成するように配置するメリットである。
基板31は、筐体部2の有する中空部56の内側に配置される。図8は、基板31の構成を示す図である。基板31は、略長方形状である。図8は、その一例であって、ベース部61、絶縁層62及び配線層63により構成され、平面状の基板である。なお、配線層63の絶縁層62と逆側の表面には、素子取り付け用パッド66、配線用パッド67を除く部分にレジスト膜が構成されている。
ここで、ベース部61は、柔軟性を有する金属板である。具体的には、ステンレス等の金属である。厚みは、柔軟性を確保できる範囲で任意であってよいが、発明者らの試験によれば、厚さ0.2[mm]が最適であった。
絶縁層62も、柔軟性を有し、十分な絶縁耐圧(電気的絶縁性)を備える絶縁層である。ここで、柔軟性を有する絶縁層としては、従来ポリイミド等が用いられてきた。しかしながら、このポリイミドの熱伝導率は、0.2[W/(m・K)]程度である。この値は非常に小さい値であり、固体発光素子32としてハイパワーLEDを使用する場合、その実装基板として用いることは適切ではない。ハイパワーLEDから発生した熱の放熱を行うことが困難となり、ハイパワーLEDの故障へとつながる可能性が危惧される。
発明者らが採用した絶縁層62は、このポリイミドより高い熱伝導率を有するものであり、少なくとも1[W/(m・K)]以上の熱伝導率を有するものを採用した。この絶縁層62には、熱伝導率を高めるためフィラーが添加されている。さらには、柔軟性、絶縁耐圧共に実用に耐えうる性能を有することを確認している。
配線層63は、銅などの金属からなり、配線及び素子取り付け用パッド66及び配線用パッド67が形成される層である。配線層63の厚みは任意であってよいが、数十〜数百[μm]であることが望ましい。このことにより、基板31の柔軟性を阻害することは発生しない。以上より、柔軟性を有し、かつ熱伝導率の高い基板31を構成することができる。
ここで、基板31には貫通孔であり、軸Eに沿った切りかき部65が設けられている。なお、軸Eとは、基板31の短辺方向に平行な任意の軸である。ただし、軸E上には固体発光素子32は存在しない。
この切りかき部65は、基板31の曲げ部となる部分である。基板31は、放熱性を高めるためベース部61に金属を用いており、発明者らは、柔軟性に富んだ金属であるステンレス(厚さ0.2[mm])を採用している。
ただし、ステンレスは、ばね性が強く、所望の位置で曲げることが難しい。そのため、発明者らは、切りかき部65を設けることで、基板31においても所望の位置で曲げが行えるように工夫した。すなわち、切りかき部65が存在することにより、基板31を所望の位置、かつ基板31の短辺方向に平行に曲げることができる。
所望の位置で、かつ基板31の短辺方向に平行に、基板31の曲げを行うことは、後述する基板31と、筐体部2とを密着させることと密接に関連するため重要である。
なお、切りかき部65は、図5で示すように隣り合う保持面41の境界位置42上に配置できることを条件に、任意に形状、及び個数を設定してよい。
ただし、全ての保持面41に同一個数の固体発光素子32が保持できるように設定することが肝要である(本実施の形態においては、全ての保持面41に固体発光素子32が1個保持されるとしているが、本発明は、1個に限定されるものではない。2個以上であっても良い。)。もし、各保持面41に保持される固体発光素子32の個数が同一でないならば(すなわち、バラバラの個数であれば)、照明装置1の配光が筐体部2の中心軸に対する周方向に不均一となるためである。
なお、基板31をこのような柔軟性に富んだ材料以外で(アルミニウム基板、アルミナセラミック基板等により)構成する場合は、保持面41毎に、個別に基板31を用意することが必要となる。
ただし、このような場合であっても、保持面41が平面として構成されていることにより、基板31も平面として構成することが出来る。すなわち、立体構造の基板31を用意する必要はなく、一般的な基板(アルミニウム基板等)を使用できるため、コストの増加を抑えることができる。
また、ここで使用した固体発光素子32は、アノード電極とカソード電極とを有しセラミック又は樹脂等の筐体にベアチップ半導体がパッケージされたパッケージ品である。基板31の短辺方向と平行な所定の軸である軸F上(ただし、軸Fは軸E上には設けられない。)に、素子取り付け用パッド66としてアノードパッド部66a及びカソードパッド部66bを設けて、それらに半田付け等によりアノード電極及びカソード電極を夫々実装することが望ましい。
ここで、基板31の短辺方向と平行な軸F上に、アノードパッド部66a及びカソードパッド部66bを設ける理由であるが、基板31は切りかき部65で曲げを行う。この曲げを行う軸Eは、前述のように基板31の短辺方向と平行な軸である。
この際、アノードパッド部66a及びカソードパッド部66bも基板31の短辺方向と平行な軸F上に設けられているため、基板31を曲げる際に、アノードパッド部66a及びカソードパッド部66bへの固体発光素子32のアノード電極、カソード電極の実装に伴い形成される半田付け部(不図示)に、負荷がかかることを防ぐことが可能となる。
仮に、半田付け部(不図示)に負荷がかかった場合、半田クラック等の発生が危惧される。そのため、発明者らはアノードパッド部66a及びカソードパッド部66bを、基板31の短辺方向と平行な軸F上に設けることで、アノードパッド部66a及びカソードパッド部66bにおける半田付け部(不図示)に負荷がかかることを防いだ。
配線用パッド67は、固体発光素子32に給電する電源ユニット52からの電気配線である配線ケーブル53が、電気的に接続される。この際の接続は、以下の通りの構造を有する。
配線用パッド67には、中継部品71が実装される。この中継部品71とは、図9に示す構成を有する。図9は中継部品71の外観を示す斜視図である。
中継部品71は、図9に示すとおり側面から見た形状が略コの字形状である。すなわち、中継部品71は、配線用パッド67に接続される平面状の第1部材74と、第1部材74の配線用パッド67に接続される面と反対の面の、第1部材74の長手方向の両端に、第1部材74と垂直に接続される2つの尖塔部72とを備える。
ここで、中継部品71の形状は、コの字形状に限定されるものではなくL字形状であってもよい。すなわち、中継部品71は、配線用パッド67に接続される平面状の第1部材74と、第1部材74の配線用パッド67に接続される面と反対の面の、第1部材74の長手方向の一端に、第1部材74と垂直に接続される1つの尖塔部72とを備えてもよい。しかしながら、基板31への実装の利便性を考えればコの字形状であることが望ましい。
その理由は、次に示すとおりである。基板31への中継部品71の実装を行う際には、自動実装装置を用いて行うことが照明装置1を量産する上で効率的である。このとき、中継部品71をエンボステーピング化し、基板31に自動的に配置する。
その際、中継部品71がもし、L字形状であれば、基板31の自動配置時に中継部品71のバランスが崩れ、所望の位置に配置することが難しくなる。一方、コの字形状であれば、中継部品71のバランスの崩れが発生せず、基板31の自動配置を所望の位置に行うことができる。
また、中継部品71は導電性を有する材質で構成される。また、図10に示すように中継部品71は、半田付けにより基板31の配線用パッド67に実装される。さらには、尖塔部72は半田付けにより配線ケーブル53のラグ端子68と接続される。そのため、中継部品71には、半田付けに耐えうる耐熱性を有する材質を選択する必要がある。通常、中継部品71は、アルミニウム又は銅等の金属により構成される。
また、中継部品71は、リフロー半田法により配線用パッド67に実装されることが望ましい。これにより、簡便かつ確実に、中継部品71を配線用パッド67に実装できる。
また、中継部品71の尖塔部72には、所定の段73が設けられることが望ましい。このようにすることにより、配線ケーブル53の絶縁層が取り除かれた端部に半田付け、又はカシメ止めにより装着されたラグ端子68を、中継部品71の尖塔部72に挿入した状態において両者を半田付けにより接合する際の半田形状が、ラグ端子68上下から挟み込むようになり、より確実に接合することが可能となる。なお、中継部品71の尖塔部72に挿入した状態において両者接合する際の半田付けは、半田ごてを利用した手半田であってもよい。
ここで、従来、基板31に配線ケーブル53を電気的に接続する際には、配線ケーブル53の端部を、配線用パッド67にスポット半田法(半田ごてを利用した手半田など)により接続していた。
しかしながら、この方法では、半田付けのみにより配線用パッド67と配線ケーブル53とが接続されているため、接続の強度が十分ではない。よって、万が一の大地震の発生などに伴う振動により、配線用パッド67から配線ケーブル53が外れる可能性がある。特に、基板31は金属基板であり、金属基板の熱伝導性が高いので、配線用パッド67の温度を所望の温度に上昇させることが難しい。そのため、半田付け不良により、配線用パッド67から配線ケーブル53が外れるリスクが高まってしまう。
この対策としては、基板31に配線用スルーホール部(不図示)を設けることも考えられる。このようにすれば、確かに配線ケーブル53が、配線用スルーホール部(不図示)から外れるリスクを低減することができる。
しかしながら、基板31は金属基板(又は、アルミナセラミック基板等)であるため、余分な部分まで電気的に接続されてしまい、電気的な短絡を発生してしまうなどの問題がある。従って、配線用スルーホール部(不図示)を設けることは容易ではない。
また、仮に基板31を、ガラスエポキシ基板等比較的配線用スルーホール部(不図示)を設けやすい材料に構成したとしても、照明装置1に適用することは困難である。
この理由は、基板31と保持面41とは密着させる必要があるが、配線用スルーホール部(不図示)を設け、それを利用して配線ケーブル53を接続した場合においては、配線ケーブル53の先端が、基板31の保持面41と密着させようとする面に突き出てしまう。このことにより、基板31と保持面41とを密着させることが、困難になってしまうからである。
また、リフロー法を用いて基板31に取り付けることができるコネクタ端子が開発されているが、このようなコネクタ端子は、概してその体積が大きい。そのため、基板31に実装される固体発光素子32からの発光をコネクタ端子が遮ってしまうという問題がある。
それに対し、照明装置1に採用した中継部品71は非常にコンパクトであり、そのような問題が発生しない。故にそのメリットは大きい。
ここで、基板31は、筐体部2(保持面41)とは密着させることが必要である。これは、固体発光素子32で発生した熱を、基板31を介して、筐体部2に伝熱し、その表面より、大気中へ放熱するためである。
もし、基板31と、筐体部2(保持面41)の密着性が低いのであれば、その間に空気が入り込んでしまう。空気の熱伝導率は低いため、基板31から筐体部2への伝熱性が低下する。このことを避けるため、基板31と筐体部2(保持面41)との間に、両面テープ(不図示)などを挟みこみ、密着性を高めることが望ましい。
なお、両面テープを使用する場合には、基材を含まないものを選択することが肝要である。それは、基材は熱伝導率が低いので、基板31から筐体部2への熱伝導が阻害されるためである。
また、保持面41は、平面であることが必要である。もし保持面41が曲面として構成されたのであれば、基板31と筐体部2(保持面41)とを密着することが不可能となる。これは、基板31上には、前述のごとく固体発光素子32が、アノードパッド部66a及びカソードパッド部66bに半田付けされることにより実装されている。この半田付け部(不図示)には、柔軟性がないため曲げることが不可能であり、よって、その部分を曲面に密着させることは不可能である。以上より、保持面41は平面であることが必要である。
また、隣り合う保持面41の境界位置42に切りかき部65が位置するよう、基板31を配置することが必要である。切りかき部65は、上記のように基板31の曲げを行う位置である。したがって、隣り合う保持面41の境界位置42と、基板31の曲げ位置とが一致することとなる。このようにすることは、基板31と、保持面41との密着性を高めることにつながる。
もし、隣り合う保持面41の境界位置42と、基板31の曲げ位置とにずれがあると、基板31の曲げ位置が保持面41上に干渉してしまう。このことは、基板31と保持面41との密着性を阻害する要因となる。よって、隣り合う保持面41の境界位置42上に切りかき部65が位置するように基板31を配置することは肝要なことである。
以上のように、基板31は、筐体部2の中空部56の内壁面であり、筐体部2の中心軸の周方向に正多角形柱空間(ここでは、正12角形柱)を形成する保持面41上に密着配置される。このような構成をとるため、照明装置1は、多数個の固体発光素子32を実装した平面状である基板31を用いて構成することができる。
固体発光素子32は、基板31に配置される。固体発光素子32は、例えば、LEDである。固体発光素子32は、1個当たりの消費電力が1W以上のいわゆるハイパワーLEDであり、表面実装型のLEDである。ハイパワーLEDは、光度が高く照明装置用途に好適である。照明装置1を一般的な照明として使用する場合、使用する固体発光素子32の発光色は、昼光色、昼白色、白色、温白色又は電球色に相当する色などが好適である。具体的には、例えば、複数の固体発光素子32は、JISZ9112「蛍光ランプの光源色及び演色性による区分」の4.2「色度範囲」に規定された昼光色、昼白色、白色、温白色又は電球色に相当する光を発光する。
また、複数の固体発光素子32は、ピーク波長が380〜500nmの光である青色を発光してもよい。青色は、精神的興奮を抑える効果があるといわれている。そのため、青色を発光する照明装置1は、防犯灯として好適である。
ところで、固体発光素子32に使用されるハイパワーLEDは、消費電力が大きく、その分、熱として放出されるエネルギーも大きい。そのため、この熱が、ハイパワーLEDの近傍に蓄積すると、光度低下や、寿命特性の劣化等を招く。したがって、この熱を適切に処理することが肝要である。
そこで、固体発光素子32に使用されるハイパワーLEDは、表面実装型のLEDである。表面実装型のLEDを使用する理由としては、LED自身の電極面積が大きく、故に基板31に接触する面積が大きくなる。すなわち、表面実装型のLEDでは、発生した熱を効率的に基板31に熱伝導することができる。
また、基板31は、上記のように熱伝導性の高い金属基板であり、筐体部2(保持面41)に密着して構成されている。また、筐体部2も熱伝導が高く、放熱性も高い金属(発明者らはアルミニウムを採用している)により構成されている。故に、照明装置1においては、固体発光素子32において発生した熱を適切に放熱することが可能である。
保護用透光板51は、固体発光素子32などを保護するものであって、筐体部2の中空部56が有する開口部57に取り付けられている。透光性を有し、照明装置1の発光方向に配置される。保護用透光板51は、例えば平板状に形成される。保護用透光板51は、透明なガラス、アクリル樹脂又はポリカーボネイト等により形成される。
また、保護用透光板51の表面又は/及び裏面には、表面処理により、微細な凹凸を不均一に形成してもよい。この表面処理は、例えば、サンドブラスト法を適用することにより容易に行うことができる。このことにより、固体発光素子32から発せられた光を拡散する。固体発光素子32から発せられた光は、指向性が強いので、局所的に照射される傾向にある。固体発光素子32から発せられた光を表面処理された保護用透光板51により拡散することによって、光の指向性を弱め、広い面積に均一に光を照射することができる。これは、特に照明装置1をダウンライトとして使用する場合に有効である。
なお、保護用透光板51は、その構成材料に拡散剤を添加することにより、固体発光素子32から発せられた光を拡散しても良い。さらに、この拡散剤を添加し構成した後、その表面又は/及び裏面に表面処理を行い、微細な凹凸を不均一に形成することで、拡散効果を高めても良い。
電源ユニット52は、商用電源(不図示)から供給を受けた交流を直流化し、固体発光素子32に電源供給を行う。この電源ユニット52は、長寿命なものであることが望ましい。これは、固体発光素子32をハイパワーLEDとした場合において、ハイパワーLEDは非常に長寿命である。したがって、それと同程度の寿命を有する電源ユニット52を採用することが好ましい。
またこの場合において、ハイパワーLED(固体発光素子32)に供給する電力を任意に制御可能なものであることも好ましい。ハイパワーLEDは、供給する電力を制御することにより自在に調光することが可能であるためである。ハイパワーLEDを調光することにより、必要な明るさを自在に設定することができ照明装置1の利用者の利便性を向上することが可能となる。
配線ケーブル53は、電源ユニット52と基板31とを電気的に接続する電気ケーブルである。電源ユニット52において生成した直流を、基板31に設けられた配線用パッド67へと配電する。これにより、固体発光素子32へ直流が供給される。なお、配線ケーブル53と、配線用パッド67との接続は、中継部品71を介して接続される。
反射ユニット54は、筐体部2が有する中空部56の内部に配置される。
反射ユニット54には、反射面55が複数備えられている。図中に示すように、反射面55が保持面41に1対1に対向して配置されるように構成することが好ましい。ここで1つの反射面55に対し、複数の保持面41が対向するように設定されても良いが、固体発光素子32から発せられた光を開口部57に効率よく導くためには、反射面55が保持面41に1対1に対向して配置されるように構成することが好ましい。
反射面55は対向する保持面41上に配置されている固体発光素子32から発せられる光を反射して、筐体部2の開口部57に備えられる保護用透光板51を介し、照明装置1の外部へと光を導く役割を担う。図11は、図4と同様、筐体部2の中心軸に沿った面における照明装置1の構造を示す断面図であり、照明装置1において固体発光素子32から発せられた光の軌跡を示すものである。
このように、照明装置1においては、固体発光素子32から発せられた光を反射面55にて開口部57方向へ向け反射する。この光は、保護用透光板51を介し照明装置1の外部へと導かれ、照明に供される。
ここで、反射面55の表面の傾斜に沿った軸である表面軸が筐体部2の中心軸に対してなす角度αは、任意であってよいが、適切に固体発光素子32から発せられる光を反射して、筐体部2の開口部57に備えられる保護用透光板51を介し、照明装置1の外部へと光を導くことができる角度であることが肝要である。
角度αは、筐体部2の大きさなどに応じて決定してよいが、発明者らの試作によれば、概ね40度から50度の範囲であれば良好な結果が得られている。
ここで、特許文献1に開示されるLED照明器具は、LEDを光源としたダウンライトであり図30に示すように下面に開口部が設けられた筐体1310と、周部に比べて中央部が凹んだドーム状であって、中央部を上側にして筐体1310内に収納された凹面鏡1314と、凹面鏡1314の周部に沿って、発光面を凹面鏡1314の中央部側にしてLED1302が複数配置される。その上でLED1302からの光を、凹面鏡1314で反射することによって、筐体1310の開口部を通して照明を行うとされている。
しかしながら、特許文献1に開示されるLED照明器具は、以下の点で問題点があると考えられる。
それは、特許文献1には明示されていないが、LED1302は基板上に実装し、その上でLED照明器具に配置することが一般的である。この際、平面状の基板に複数のLED1302を実装し、その上でLED照明器具に配置することが望ましい。このようにすることにより、製造に係るコストの削減を図ること等のメリットがある。しかしながら、特許文献1に開示されるLED照明装置においては、図30に記載されている通り、LED1302はキャップ部1312に取り付けられているものの、円周に沿って、発光面を凹面鏡1314の中央部側にして配置されている。したがって、LED1302を立体的に配置することが必要になる。
ここで、ハイパワーLEDは、放熱性を高めることを目的として、電極の面積が大きい、表面実装型のLEDとして構成されることが一般的である。当該電極の実装に供される面は通常平面であり、当該電極が実装される基板に設けられるパッドも平面とすることが必要となる。したがって、基板を平面として構成することが望ましいといえる。
しかしながら、上記のように特許文献1に開示されるLED照明器具は、LEDを立体的に配置する、すなわちそれが実装される基板も平面ではない。
したがって、特許文献1に開示されるLED照明器具において、ハイパワーLEDを適用するのであれば、立体形状を有し、かつハイパワーLEDを実装可能な特殊形状の基板が必要であると思料される。このことは、製造に係るコストの増大に直接的につながり問題である。
一方、照明装置1は、保持面41が筐体部2の中心軸の周方向に正多角形柱空間を形成するように(正多角形柱空間の側面となるように)配置される。また、照明装置1に使用する基板31は柔軟性を有するものであって、正多角形柱空間の側面を形成する全ての保持面41に対し、容易に密着配置することができる。すなわち、正多角形柱空間の側面(複数の保持面41)に沿って、基板31は配置され、故に1個体のみの基板31により照明装置1を構成することも可能となる。このことは、コスト削減へとつながる。
なお、基板31をこのような柔軟性に富んだ材料以外で(アルミニウム基板、アルミナセラミック基板等により)構成する場合は、保持面41毎に、個別に基板31を用意することが必要となる。
ただし、このような場合であっても、保持面41が平面として構成されていることにより、基板31も平面として構成することが出来る。すなわち、立体構造の基板31を用意する必要はなく、一般的な基板(アルミニウム基板等)を使用できるため、コストの増加を抑えることができる。
また、照明装置1は、従来品(従来ランプ類を用いて構成されていたダウンライト、スポットライト)にかわる照明装置である。そのため、照明装置1には、明るさが従来品と同等以上であり、また大きさについては従来品と同等であることが求められる。
まず、明るさについてであるが、固体発光素子32としてハイパワーLEDを採用する。この際多数個のハイパワーLEDを使用する必要がある。照明装置1は、多数個のハイパワーLEDを具備しており、故に明るさの要求を満たすことが可能である。
ただし、上記のように多数個のハイパワーLEDを採用することで、照明装置の大きさが大きくなっては、大きさに対する要求を満たすことができない。そこで、照明装置1では、中空部56の側面である保持面41が固体発光素子32(ハイパワーLED)を保持する。
ここで、保持面41の総和の面積は、筐体部2の底面43の面積より広くすることが容易にできる。よって、照明装置1は、筐体部2を大きくすることなく、コンパクトに多数個の固体発光素子32(ハイパワーLED)を配置することができる。そのため、上記大きさの要求にもこたえることができる。
(変形例1)
本発明の実施の形態1の変形例1に係る照明装置121が、照明装置1と異なる点は、反射ユニット54が反射ユニット122に変更されるのみである。よって、そのほかの構成要素については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図12は、照明装置121の筐体部2の中心軸に沿った面の構造を示す断面図である。反射ユニット122には、反射ユニット54と同様に保持面41に対向するよう反射面123を備える。この反射面123には微細なディンプル形状(球面状のへこみ)が備えられる。
反射面123にこのような形状を設ける理由であるが、固体発光素子32から発せられる光を拡散するためである。光の指向性を緩和する目的で設けられる。
(変形例2)
本発明の実施の形態1の変形例2に係る照明装置131が照明装置1と異なる点は、反射ユニット54が反射ユニット132に変更されるのみである。よって、そのほかの構成要素については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図13は、照明装置131の筐体部2の中心軸に沿った面の構造を示す断面図である。反射ユニット132には、反射ユニット54と同様に保持面41に対向するよう反射面133を備える。この反射面133には微細な凹凸形状が備えられる。
反射面133にこのような形状を設ける理由であるが、実施の形態1の変形例1に示す照明装置121の反射面123と同様、固体発光素子32から発せられる光を拡散するためである。光の指向性を緩和する目的で設けられる。
(変形例3)
本発明の実施の形態1の変形例3に係る照明装置141が照明装置1と異なる点は、反射ユニット54が反射ユニット142に変更されるのみである。よって、そのほかの構成要素については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図14は、照明装置141の発光方向から見た平面図である。ここでは説明のため、保護用透光板51を取り外した状態で示している。
反射ユニット142は、反射ユニット54と同様に保持面41に対向するよう反射面143を備える。この反射面143には、筐体部2の中心軸の周方向に凹面が設けられる。凹面が設けられることにより、固体発光素子32から発せられた光は凹面の焦点に集光されるが、焦点通過後は筐体部2の中心軸の周方向に発散される(焦点通過後の光が照明に供される)。
このことにより、照明装置141は、筐体部2の中心軸の周方向の光の均一性を向上することができる。
なお、上記においては筐体部2の中心軸の周方向に凹面を設けるとしたが、凸面であっても良い。この場合においてもほぼ同様の効果が得られる。
また、反射面143の表面に、ディンプル形状、又は凹凸形状を備えてもよい。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る照明装置151は、反射面153が楕円弧形状となっている。楕円弧形状の楕円率を任意に設定することにより所望の配光特性が得られるという特徴を有している。
本発明の実施の形態2にかかる照明装置151が、照明装置1と異なる点は、反射ユニット152のみである。そのほかの構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図15は、照明装置151の外観を示す斜視図であり、図16は、照明装置151を図15のG方向(発光方向側)から見た平面図である(説明のため、保護用透光板51は取り外された状態を示している)。図17A及び図17Bは、筐体部2の中心軸に沿った面における構造を示す断面図である。
反射ユニット152は、反射ユニット54と同様、保持面41に対向するよう反射面153を備える。反射面153は、固体発光素子32を一方の焦点とし、その長辺軸と筐体部2の中心軸とのなす角βが、所定の範囲内である楕円弧形状となっている(図17A参照)。
長辺軸と筐体部2の中心軸とのなす角βは、筐体部2の形状等に基づき任意に設定してよいが、発明者らの試作においては、概ね40度〜50度の範囲であれば良好な結果が得られている。
ここで、照明装置151においては、反射面153の楕円率を設定することにより照明範囲(配光特性)を任意に設定することが可能であるという特徴を有している。なお、楕円率とは、楕円(楕円弧形状)の短半径と長半径との比である。このことを、反射ユニット152に替わり、反射面153―1を有する反射ユニット152―1を使用した照明装置151―1と比較することにより説明する。図18A及び図18Bは、照明装置151―1における筐体部2の中心に沿った面における構造を示す断面図である。
反射面153と、反射面153―1との相違点であるが、楕円率が異なる点である。反射面153の楕円率は、反射面153―1の楕円率と比較して大きな値となっている。
この場合において、図17B、及び図18Bに示す光の軌跡の通り、固体発光素子32から発せられ、反射面153により反射された光は、反射面153―1に反射された光と比べより広い範囲に向け届けられる。すなわち、照明範囲が広くなる。
したがって、照明装置151においては、反射面153の楕円率を所望の照明範囲(配光特性)に応じて設定する。このことにより、容易に所望の照明範囲(配光特性)を得ることができる。
ただし、この際、楕円(楕円弧形状)の一方の焦点を固体発光素子32としているが、他方の焦点154(154―1)の位置を、開口部57付近、又は開口部57の外側(照明装置1の外部かつ発光方向側)に設定することが必要である。すなわち、焦点154(154―1)の位置が、開口部57付近、又は開口部57の外側となるよう楕円率を設定する必要がある。
この理由であるが、固体発光素子32より発せられ、焦点154(154―1)に集光された光は、図17B、及び図18Bに示す光の軌跡の通り、焦点154(154―1)通過後において再び広がる(発散する)。そのため、もし焦点154(154―1)を、中空部56内部に設定した場合、焦点154(154―1)に集光された光が中空部56内部で再び広がってしまい、反射面153(153―1)以外の部分(保持面41等)に当該光が接触することになる。このことは、所望の照明範囲(配光特性)を得られない原因となり、また固体発光素子32により発せられた光のロスへとつながってしまうためである。
なお、反射面153に、ディンプル形状又は凹凸形状を設けることで固体発光素子32から発せられる光を拡散しても良い。また、反射面153の筐体部2の中心軸の周方向に凹面、又は凸面を設けることにより、筐体部2の中心軸の周方向の光の均一性を向上しても良い。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る照明装置211は、ベアチップ半導体213から発せられる光を利用した照明装置である。ベアチップ半導体213は、稠密に配置することができるという特徴を有している。そのため各保持面41に発光色の異なるベアチップ半導体213を複数稠密に備え、これらを発光色毎に独立に発光制御することにより、所望の色調を得られるという特徴を有している。
本発明の実施の形態3にかかる照明装置211が、照明装置1と異なる点は、基板31が基板212に変更される点と、固体発光素子32がベアチップ半導体213に変更される点のみである。そのほかの構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図19は、照明装置211の外観を示す斜視図であり、図20は、照明装置211を図19のH方向(発光方向側)から見た平面図である(説明のため、保護用透光板51は取り外した状態を示している)。図21は、基板212の構成を示す図である。
基板212の基板31との相違点は、配線層63が配線層231に変更される点のみである。その他の構成は基板31と同一であり、よって同一符号を付し説明を省略する。
配線層231は、ベアチップ半導体213が配置できるよう実装パッド(不図示)が設けられ、実装パッド(不図示)上にベアチップ半導体213が実装されている。
ベアチップ半導体213は、各保持面41に対し同一個数(ここでは9個のベアチップ半導体213が備えられるとしたが、これに限定されない。)が配置できるよう基板212に配置される。
また、ベアチップ半導体213は、ハイパワーLEDにも使用されるLEDベアチップを採用している。このようなLEDベアチップは、光度の高い発光ができ、照明用途に適している。
また、ベアチップ半導体213は、その組成により任意に発光色を設定できる。そのため、各保持面41に対し、同一の割合で発光色の異なる複数種類のベアチップ半導体213を配置し、種類毎に独立して発光制御(すなわち、種類毎に独立して供給する電力を設定)することも好ましい。
例えば、3種類のベアチップ半導体213a、213b及び213cを3個ずつ各保持面41に配置できるように実装パッド(不図示)上に実装する。213aを青色発光、213bを赤色発光、213cを緑色発光とすることにより、照明装置211においては、任意の発光色を実現することが可能となる。
このことは、照明装置211をシーン(時刻、季節等)に応じた発光色とすることができるということであり、その利用者に対し利便性を提供することへとつながる。
なお、照明装置211において、反射ユニット54は、反射ユニット122、132、142及び152等に変更できることはいうまでもない。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係る照明装置301は、白熱電球と置き換えて使用できる照明装置である。白熱電球用の照明器具(不図示)に挿入、取り付け可能な口金部304を備え、電源ユニット331において口金部304を介し供給された交流電力を直流電力に変換したのち、固体発光素子32へ基板31を介し供給する。これにより、固体発光素子32を発光させる。
以下、照明装置301について、図面を参照し具体的に説明する。なお、照明装置1と同一の構成については、同一の符号を付し説明を省略する。
図22は、照明装置301の外観を示す平面図である。図23は、図22と同方向から見た照明装置301の外観を示す平面図であって、カバー302を取り外した状態での照明装置301の外観を示す図である。図24は、図22におけるI方向から見た照明装置301の平面図であり、カバー302、保護用透光板303は取り外した状態を示している。図25は、図22でのJ1−J2面における照明装置301の構造を示す断面図である。
図22〜図25に示すように、照明装置301は、カバー302と、保護用透光板303と、口金部304とにより構成される。また、カバー302内には、筐体部311、プレート312が具備される。
さらに、筐体部311の内部には、基板31と、固体発光素子32と、配線ケーブル53とが備えられ、口金部304の内部には、電源ユニット331が備えられる。
カバー302は、保護用透光板303と、プレート312と共に、筐体部311の外部表面342を覆うカバーであり、筐体部311を構成する材質(金属等)より、熱を通しにくい(熱伝導性の低い)材質(例えば、ポリカーボネイト等)により構成される。カバー302は、照明装置301の利用者の安全性に配慮するためであるために設けられる。
具体的には、照明装置301は、白熱電球用の照明器具(不図示)にそのまま取り付け、点灯できるものである。そのため、使用される白熱電球用の照明器具(不図示)によっては、白熱電球同様、利用者が簡単に手で触れてしまう可能性がある。
ここで、固体発光素子32でロスとして発生した熱は、後述するように筐体部311を利用して放熱する。この筐体部311の大きさであるが、照明装置301は、上記のように白熱電球用の照明器具(不図示)に取り付け可能であるため、白熱電球と同等の大きさにする必要があり、筐体部311の大きさも、これに応じた大きさとする必要がある。
すなわち、筐体部311を大きくすることは出来ず、その熱容量も大きくすることはできない。よって、固体発光素子32でロスとして発生した熱に基づき、筐体部311が高温になることも考えられる。
しかしながら、もし筐体部311が高温になったとしても、照明装置301は、上記のようにカバー302などにより筐体部311の外部表面342を覆っており、利用者は、直接筐体部311に触れることは無い。さらに、カバー302は、熱を通しにくい材質により構成されているため、筐体部311のような温度上昇はなく、仮にこのカバー302に利用者が触れたとしても問題は発生しない。
なお、このようなことの対策としては、筐体部311自体を、熱を通しにくい材質(ポリカーボネイト等)により構成することも考えられる。しかしながらこのような構成とした場合には、固体発光素子32で発生した熱を処理することが困難となるため、固体発光素子32の寿命特性そのものに悪影響を与えることとなり、問題である。
したがって、上記構成を適用することが適切である。
保護用透光板303は、保護用透光板51と同様に、固体発光素子32等を保護するものである。筐体部311の中空部332が有する開口部333に取り付けられている。透光性を有し、照明装置301の光源方向に配置される。保護用透光板303は、ガラス、アクリル樹脂又はポリカーボネイト等により形成される。
また、保護用透光板303は、固体発光素子32が発する光を拡散すること等を目的として、表面又は/及び裏面を、表面処理により微細な凹凸を不均一に形成してもよい。拡散剤を、保護用透光板303の構成材料に添加するなどしてもよい。
なお、保護用透光板303は、筐体部311の外部表面342を覆う役割も担う。保護用透光板303も、カバー302と同様、筐体部311を構成する材質(金属等)より、熱を通しにくい材質により構成される。これにより、利用者が保護用透光板303に触れたとしても問題は生じない。
口金部304は、白熱電球用の照明器具(不図示)に挿入、取り付け可能なものである。外部(例えば、商用電源(不図示))から供給される交流電力を受け、電源ユニット331へ供給する。
筐体部311は、基板31と、固体発光素子32と、配線ケーブル53とを中空部332内に備えると共に、固体発光素子32にてロスとして発生した熱の放熱にも利用される。
筐体部311は、通常放熱性を鑑み、熱伝導性の高い材料(好ましくは、熱伝導率が200[W/(m・k)]以上の金属)により構成される。例えば、筐体部311は、アルミニウムにより構成される。筐体部311にアルミニウムを用いる理由は、実施の形態1において、筐体部2にアルミニウムを用いる理由として説明したことと同様である。
なお、本実施の形態においては、筐体部311を円柱状に構成しているが、これには限定されない。たとえば、三角柱や、四角柱などであってよく、また照明装置301が白熱電球と置き換えて使用できる照明であることを鑑み、白熱電球と同様の外観となるよう構成してもよい。その他、必要に応じて任意に設定してよい。
筐体部311は、上記の通り、中空部332を備える。また、中空部332は、一方向に開口部333を備える。
中空部332の内壁面の少なくとも一部は、筐体部2と同様に、法線が直角に筐体部311の中心軸(筐体部311の中心軸とは、筐体部311の中心を通る軸であり、本実施の形態では筐体部311を円柱状に構成しているが、筐体部311の中心を通りその高さ方向に沿った軸である。)へと向かう保持面334が複数備えられる。この保持面334は、固体発光素子32を保持する。具体的には、固体発光素子32が実装される基板31が密着配置される(すなわち、基板31を介し、固体発光素子32を保持する。)。
保持面334は、中空部332の中心軸の周方向に正多角形柱空間を形成するように(正多角形柱空間の側面となるように)配置される(なお、本実施の形態においては正12角形柱として表しているが、これに限定されない。正3角形柱、正4角形柱等であってもよい。)。
このように保持面334を配置する理由については、実施の形態1において保持面41について説明したことと同様である。
また、保持面334は、平面である。この理由についても、実施の形態1において、保持面41を平面として構成する理由として説明したことと同様である。
また、固体発光素子32は、そのロスとして熱が発生し、その熱を適切に処理することがその長寿命性等の特徴を発揮させるために肝要である。照明装置301においては、固体発光素子32において発生した熱を、筐体部311を利用して放熱(熱処理)する。
具体的には、固体発光素子32が実装される基板31を、筐体部311に密着させ、確実に固体発光素子32で発生した熱を筐体部311に伝熱し、その上で筐体部311より放熱できるように構成した。
ここで、筐体部311は、貫通孔321を利用し、空気を対流させることで放熱を行う。なお、貫通孔321の個数は特に限定されない。必要に応じて任意に設定してよい。
図26は、図25と同様に、図22でのJ1−J2面における照明装置301の構造を示す断面図であって、照明装置301の点灯状態における空気の流れを示すものである。
なお、ここでは、図面上側を天井面とし、図面下側を床面としている。すなわち、床面に対し発光が行われるように照明装置301を白熱電球用の照明器具(不図示)に取り付け、点灯している状態を示している。
照明装置301(固体発光素子32)を点灯させた状態においては、固体発光素子32において発生した熱が、基板31を介し筐体部311に拡散される。拡散された熱に基づき、筐体部311周辺(特に貫通孔321内)の空気は、図示するように上昇気流となる。
この際、上昇気流は、内壁面341から、熱を奪い去りながら上昇を続ける。このことを利用し、照明装置301(筐体部311)は、放熱を行う。
ここで、図示するように、保持面334の基板31が取り付けられる面の裏面に貫通孔321を設けることで、より効率よく、固体発光素子32のロスとして発生した熱を放熱することができる。
これは、筐体部311は上記のように、通常放熱性を鑑み、熱伝導性の高い材料(例えば、金属等)により構成される。しかしながら、このような材料により構成したとしても、温度勾配は発生する。すなわち、固体発光素子32に近い部分のほうがより高温となる。
したがって、固体発光素子32に近い位置である、保持面334の基板31が取り付けられる面の裏面に貫通孔321を設けることで、高温となっている部分から放熱を行うことができ、より効率的な放熱を行うことができる。
また、筐体部311の外部表面342を、カバー302、保護用透光板303により、また後に述べるプレート312により覆うが、この際、貫通孔321の上端部335、及び下端部336を塞がないように構成することが必要である。
もし、上端部335や、下端部336を塞いだならば、貫通孔321に空気が流入、或いは貫通孔321から空気が流出することが困難となり、内壁面341を利用した放熱を行うことが、困難となる。
このことに対応するため、照明装置301においては、上端部335とつながる上開口部337と、下端部336とつながる下開口部338とを設けた。
このことにより、図26のような配置をした際には、照明装置301の外部の空気が、下開口部338から流入し、さらに、下端部336を入口として貫通孔321に流入する。
貫通孔321に流入した空気は、内壁面341から熱を受け取りながら上昇し、上端部335を出口として、貫通孔321より流出し、さらに、上開口部337より照明装置301の外部へ流出する。
以上のことにより、照明装置301においては、貫通孔321の内壁面341を利用した放熱、すなわち空気の対流を利用した放熱を適切に行うことができる。
なお、上記貫通孔321(内壁面341)を利用し、固体発光素子32から発生した熱を放熱することは、照明装置301の大きさに対し、照明装置301に要求される明るさ(全光束)が大きいときに特に有用である。
この理由は、照明装置301の大きさは、白熱電球と同様にするのであれば、かなり小さいものとなる(例えば、100Wの白熱電球であれば、全長140mm、球径70mm程度である)。このため、筐体部311にも、大きさの制限がかけられる。
一方で、照明装置301に、白熱電球と同様の明るさ(全光束)を要求するのであれば、10W以上の電力を投入する必要がある。
すなわち、筐体部311を大きく出来ない条件下、大きな電力を投入する。そのため、ロスとして発生する熱を放熱することは困難となる(もし、筐体部311の大きさを無制限に大きくすることが出来るのであれば、筐体部311の熱容量も大きくなり、かつ表面積も大きくなる。そのため、放熱は容易となる)。
この対策としては、特許文献2に示されるように、ヒートシンクを取り付けることが考えられるが、利用者が、ヒートシンクに直接触れてしまう可能性があり問題である(ヒートシンクが高温となる可能性があるため)。
これに対し、上記貫通孔321(内壁面341)を利用して放熱することは、カバー302等により筐体部311の外部表面342を覆うこととあいまって、利用者が直接触れてしまう可能性を排除することができる。すなわち、利用者の安全性に配慮することができるというメリットがある。
ここで、上端部335と、上開口部337とが同一の軸状に配置されないよう、また下端部336と下開口部338とが同一の軸状に配置されないようにした。
具体的には、図25に示すように、上端部335及び下端部336は軸L上に、上開口部337は軸M上に、下開口部338は軸K上に夫々配置される。
このような構成とすることにより、利用者の指などが、上開口部337、又は下開口部338に万が一挿入されたとしても、容易に筐体部311に触れてしまうリスクを大幅に低減できる。すなわち、利用者の安全性への配慮もさらに高めることができる。
なお、筐体部311においては、筐体部311の外部表面342を、カバー302、及びプレート312等により覆っている。したがって、外部表面342からの放熱は期待できない。しかしながら、筐体部311は、貫通孔321(内壁面341)を利用して放熱を行うため、外部表面342からの放熱ができなくとも、所望の放熱を行うことが可能である。
ここで、図26においては、上記のごとく床面に対し発光が行われるように照明装置301を白熱電球用の照明器具(不図示)に取り付け、点灯している状態を例示したが、これ以外の方向に対し発光が行われるように照明装置301を使用(点灯)したとしても、貫通孔321の内壁面341を利用した放熱が可能である。
例えば、天井面に対し発光が行われるように使用した場合においても、貫通孔321の内壁面341を利用した放熱が可能である。
この場合においては、照明装置301の外部の空気が、上開口部337から流入し、さらに、上端部335を入口として貫通孔321に流入する。
貫通孔321に流入した空気は、内壁面341から熱を受け取りながら上昇し、下端部336を出口として、貫通孔321より流出し、さらに、下開口部338より照明装置301の外部へ流出する。
また、床面、又は天井面に対し、斜め方向から発光が行われるように使用した場合でも、それに応じた放熱効果を発揮する。
プレート312は、口金部304と筐体部311との間に挿入されるプレートであり、樹脂製品など熱を通しにくい材質(例えば、ポリカーボネイト等)により構成される。
この、プレート312を設ける理由は、主に以下に示す2つである。
まず、1つ目としては、カバー302と、保護用透光板303と共に筐体部311の外部表面342を覆うためである。これは、上記説明したカバー302を設ける理由として説明したことと同様であり、利用者が直接筐体部311に触れることを避けるために設けている。
つぎに、2つ目の理由であるが、電源ユニット331が高温となることを避けるためである。
上記のように、筐体部311は高温になる可能性がある。このように、筐体部311が高温になった場合においては、その熱が、電源ユニット331に伝わってしまうことが危惧される。
もし、電源ユニット331に熱が伝わり、電源ユニット331自体が高温になると、その寿命特性の劣化が危惧される。例えば、電源ユニット331を構成する回路素子として、電解コンデンサが使用されていた場合には、その温度が高温となることで、容量の変動等が発生する可能性がある。
このことへの対応として、プレート312を設けた。すなわち、筐体部311を介して固体発光素子32にて発生した熱が、電源ユニット331に伝わることを抑えた。このことにより、電源ユニット331の寿命特性の劣化を防いだ。
電源ユニット331は、口金部304を介し供給された交流電力を、直流電力に変換し、固体発光素子32に電源供給を行うものである。
ここで、電源ユニット331は、電源ユニット52と同様に長寿命なものを採用すべきである。このことは、固体発光素子32(ハイパワーLED)の長寿命性を活かす意味で重要である。
さらに、プレート312を利用するなどにより、筐体部311から熱が伝わることを防ぐことにより、電源ユニット331の長寿命性を発揮させることができる。このことは、メインテナンスフリーの照明装置の実現につながる。
また、電源ユニット331は、固体発光素子32(ハイパワーLED)に供給する電力を制御可能なものとし、固体発光素子32を調光することも望ましい。固体発光素子32(ハイパワーLED)の特徴の一つとして、供給する電力に基づき、自在に調光できることが挙げられる。すなわち、電源ユニット331をこのように構成することにより、自在に調光可能な照明装置を実現することができる。
また、電源ユニット331内に、該電源ユニット331の環境温度を感知するセンサ(熱電対等、不図示)を設けてもよい。このセンサ(不図示)により感知した環境温度が所定温度を超えた場合に、電源ユニット331にて生成し、固体発光素子32に供給する電力を制御する(低下させる)。
このことにより、固体発光素子32から発生する熱量が低下する。したがって、筐体部311を介して電源ユニット331に伝わる熱量も低下させることができる。このことは、電源ユニット331の長寿命性を発揮させることにつながる。
なお、発明者らの照明装置301の試作品を用いた実験によれば、上記所定温度としては、80度程度が適切であり、この80度を越えないよう、電源ユニット331にて生成し、固体発光素子32に供給する電力を制御する(低下させる)ことにより、電源ユニット331の寿命特性の劣化を防ぐこと(長寿命性を発揮させること)ができた。
ここで、特許文献2に開示される電球形照明用LEDランプは、照明装置301と同様に、白熱電球用の照明器具(例えば、白熱電球用のダウンライト)に取り付け、点灯可能であるとされている。さらに、ヒートシンクを具備することによりLEDでロスとして発生した熱を適切に放熱することができ、4万時間の寿命を実現できるとされている。
しかしながら、特許文献2に開示される電球形LEDランプについては、以下の点で問題があるものと考えられる。
特許文献2に開示される電球形LEDランプは、白熱電球用の照明器具にそのまま取り付け、点灯できるとされている。したがって、照明装置1のような天井面等施設に埋め込むタイプでない白熱電球用の照明器具で使用されることも想定され、利用者が簡単に手で触れてしまう可能性がある。
ここで、特許文献2に開示される電球形LEDランプにおいては、ヒートシンクが表面に露出する形で実現する旨開示されている。また、この電球形LEDランプは、白熱電球と同等の大きさであるがため、大型のヒートシンクを搭載することは困難であると考えられる。そのため、ヒートシンクの熱容量は小さいものと考えられる。
このことは、LEDでロスとして発生した熱により、ヒートシンクそのものの温度が、高くなることにつながる。したがって、利用者が該電球形LEDランプに触れた場合、利用者が怪我をしてしまう可能性を否定できず、問題である。
一方、照明装置301は、固体発光素子32を保持する基板31が密着配置され、金属により構成される筐体部311と、筐体部311の外部表面342を覆い、筐体部311より熱伝導性の低い材料により構成されるカバー302とを備え、筐体部311は、上端部335、下端部336が夫々空気の入口/出口となる貫通孔321を、カバー302は、上端部335からつながる上開口部337と、下端部336からつながる下開口部338とを具備し、内壁面341より放熱する。
このような構成を有する照明装置301は、簡便な構造にて、利用者が、放熱に供される筐体部311に直接触れることを回避することができる。これにより、その製造に係るコストを削減しつつ、利用者の安全性にも配慮した白熱電球用の照明器具に取り付け、点灯可能である固体発光素子32を使用した照明装置を実現することができる。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5に係る照明装置351は、照明装置301と同様に白熱電球と置き換えて使用できる照明装置である。
以下、照明装置351について、図面を参照し具体的に説明する。
図27は、照明装置351の外観を示す平面図である。図28は、図27のN方向から見た照明装置351の外観を示す平面図である。図29は、図27のO方向から見た照明装置351の外観を示す平面図である。
なお、照明装置351が、照明装置301と異なる点は、カバー302が、カバー352に変更されるのみである。したがって、照明装置301と同一の構成には、同一の符号を付し説明を省略する。
上開口部361は、上端部335とつながっていると共に、網目状プレート362が取り付けられている。網目状プレート362は、網目状に開口したプレートであり、上端部335を塞ぐことはない。
さらに、網目状プレート362が網目状に開口していることにより、利用者が上開口部361に指等を挿入してしまうリスクを大幅に低減することができる。
下開口部371は、下端部336とつながっていると共に、網目状プレート372が取り付けられている。網目状プレート372は、網目状プレート362同様に網目状に開口したプレートであり、下端部336を塞ぐことはない。
さらに、網目状プレート372が網目状に開口していることにより、利用者が下開口部371に指等を挿入してしまうリスクを大幅に低減することができる。
すなわち、照明装置351は、網目状プレート362、372により、上開口部361や、下開口部371に利用者が、指等を挿入してしまうことを避けることができ、よって筐体部311に利用者が直接触れることを回避することができる。すなわち、照明装置301と同様に、利用者の安全性にも配慮した白熱電球用の照明器具(ダウンライト等)に取り付け、点灯可能である固体発光素子32を使用した照明装置を実現することができる。
さらに、網目状プレート362、372は、網目状に開口したプレートであるため、空気の流出入に殆ど影響を与えない。すなわち、例えば、照明装置351を発光方向を床面方向として使用した場合には、照明装置351の外部の空気が、下開口部371に流入し、さらに貫通孔321の下端部336に流入する。下端部336から貫通孔321に流入した空気は、内壁面341より熱を受け取りながら上昇し、上端部335より流出する。上端部335より流出した空気は、上開口部361より照明装置351の外部に流出する。
したがって、固体発光素子32にてロスとして発生した熱を適切に放熱することも可能である。
なお、上記においては、網目状プレート362、372を網目状に開口するものとして説明したが、同様の機能を発揮するものであれば良く、例えばスリット状に開口するものであってもよい。
なお、本発明の照明装置1、121、131、141、151、211、301及び351は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で自由に変形して実施することができる。
例えば、固体発光素子32として、LEDを使用することを例示したが、ELを使用してもよい。ELもLED同様注目を集める新しい光源である。
また、反射ユニット152に替わり、楕円弧形状の楕円率の異なる複数の反射領域を有する反射ユニット(不図示)を用いてもよい。又は、楕円率を変更可能な反射ユニット(不図示)を用いてもよい。
このようにすることで、配光特性を必要に応じて選択することができる照明装置151を実現することができる。
また、照明装置301、351に適用する反射ユニットとしては、反射ユニット152を例示したが、これに限定されない。例えば、反射ユニット54、122、132、142であってもよい。
また、照明装置301、351においては、筐体部311から電源ユニット331へ熱が伝わることを抑えるため、プレート312を利用すること等を例示したが、これに限定されない。例えば、口金部304の筐体部311の中心軸に沿った高さを高くすることで、筐体部311と遠ざけることにより、筐体部311から電源ユニット331に熱が伝わることを避けてもよい。
また、照明装置301、351において、固体発光素子32を多数配置する必要が無い場合(たとえば、照明装置301を電気容量の小さい白熱電球の置き換えとして使用する場合等)は、反射ユニット152を使用せず、中空部332の筐体部311の中心軸に垂直な面に固体発光素子32、又は基板31を配置してもよい。
また、照明装置1、121、131、141、151、211において、その筐体部(筐体部2に相当)に貫通孔(貫通孔321に相当)を設けてもよい。このように構成することにより、内壁面(内壁面341)に相当する部分を利用して放熱を行うことが可能となる。
本発明は、照明装置に適用でき、特に、光源にLEDなどの固体発光素子を用いた照明装置に適用できる。
本発明の実施の形態1に係る照明装置1の外観を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る照明装置1のA方向から見た平面図である。 本発明の実施の形態1に係る照明装置1のB方向から見た平面図(保護用透光板51を取り除いた状態)である。 本発明の実施の形態1に係る照明装置1のC1−C2面(筐体部2の中心軸に沿った面)における構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態1に係る照明装置1のD1−D2面における構造を示す断面図である。 筐体部2を開口部57方向から見た平面図である。 筐体部2の中心軸に沿った面における構造を示す断面図である。 基板31の構成を示す平面図である。 中継部品71の外観を示す斜視図である。 基板31と配線ケーブル53との接続の様子を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る照明装置1のC1−C2面(筐体部2の中心軸に沿った面)における断面図であって、光の軌跡を示す図である。 本発明の実施の形態1の変形例1に係る照明装置121であり、筐体部2の中心軸に沿った面における構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態1の変形例2に係る照明装置131であり、筐体部2の中心軸に沿った面における構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態1の変形例3に係る照明装置141であり、照明装置141の発光方向からみた構造を示す平面図である。 本発明の実施の形態2に係る照明装置151の外観を示す斜視図である。 本発明の実施の形態2に係る照明装置151のG方向から見た平面図である。 本発明の実施の形態2に係る照明装置151の筐体部2の中心軸に沿った面における構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態2に係る照明装置151の筐体部2の中心軸に沿った面における断面図であって、光の軌跡を示す図である。 本発明の実施の形態2の変形例に係る照明装置151―1の筐体部2の中心軸に沿った面における構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態2の変形例に係る照明装置151―1の筐体部2の中心軸に沿った面における断面図であって、光の軌跡を示す図である。 本発明の実施の形態3に係る照明装置211の外観を示す斜視図である。 本発明の実施の形態3に係る照明装置211のH方向から見た平面図である。 基板212の構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態4に係る照明装置301の外観を示す平面図である。 本発明の実施の形態4に係る照明装置301において、カバー302を取り外した状態での外観を示す平面図である。 本発明の実施の形態4に係る照明装置301のI方向から見た平面図である。 本発明の実施の形態4に係る照明装置301のJ1−J2面(筐体部311の中心軸に沿った面)における断面図である。 本発明の実施の形態4に係る照明装置301のJ1−J2面(筐体部311の中心軸に沿った面)における断面図であって、空気の流れを示す図である。 本発明の実施の形態5に係る照明装置351の外観を示す平面図である。 本発明の実施の形態5に係る照明装置351のN方向から見た外観を示す平面図である。 本発明の実施の形態5に係る照明装置351のO方向から見た外観を示す平面図である。 従来のLED照明装置の構造を示す図である。
符号の説明
1、121、131、141、151、211、301、351 照明装置
2、311 筐体部
31、212 基板
32 固体発光素子
41、334 保持面
42 境界位置
43 底面
51、303 保護用透光板
52、331 電源ユニット
53 配線ケーブル
54、122、132、142、152 反射ユニット
55、123、133、143、153 反射面
56、332 中空部
57、333 開口部
61 ベース部
62 絶縁層
63、231 配線層
65 切りかき部
66 素子取り付け用パッド
66a アノードパッド部
66b カソードパッド部
67 配線用パッド
68 ラグ端子
71 中継部品
72 尖塔部
73 段
154 焦点
213、213a、213b、213c ベアチップ半導体
302、352 カバー
304 口金部
312 プレート
321 貫通孔
335 上端部
336 下端部
337、361 上開口部
338、371 下開口部
341 内壁面
342 外部表面
362 網目状プレート
372 網目状プレート
1302 LED
1310 筐体
1312 キャップ部
1314 凹面鏡

Claims (11)

  1. 固体発光素子から発せられる光を利用した照明装置であって、
    前記固体発光素子を保持する保持手段と、
    前記保持手段が密着配置され、金属により構成される筐体手段と、
    前記筐体手段の外部表面を覆い、該筐体手段より熱伝導性の低い材料により構成されるカバー手段と
    を備え、
    前記筐体手段は、貫通孔であり、該貫通孔の一方の端部である第1端部と、他方の端部である第2端部とが、夫々空気の入口又は出口となる放熱部を、
    前記カバー手段は、前記第1端部からつながる第1開口部と、前記第2端部からつながる第2開口部とを、
    具備し、
    前記放熱部は、内部を通過する空気に対し、該放熱部の内壁面より放熱する
    ことを特徴とする照明装置。
  2. 前記第1開口部は、前記第1端部と同一軸上に配置されず、
    前記第2開口部は、前記第2端部と同一軸上に配置されない
    ことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
  3. 前記第1開口部と、前記第2開口部とには、網目状、又はスリット状に開口したプレートが配置される
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の照明装置。
  4. 前記筐体手段は、さらに、
    前記保持手段が密着配置される保持面
    を備え、
    前記保持面は、平面として構成される
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の照明装置。
  5. 前記筐体手段は、さらに、
    一方向に開口した第3開口部を具備する、中空構造からなる中空部
    を備え、
    前記中空部の側面の少なくとも一部は、前記保持面である
    ことを特徴とする請求項4に記載の照明装置。
  6. 前記筐体手段は、さらに、
    前記固体発光素子が発する光を反射する反射部
    を備え、
    前記保持面、及び前記固体発光素子は、複数具備され、
    全ての前記保持面は、前記筐体手段の中心を通る軸である中心軸へと法線が直角に向かい、かつ、前記中心軸の周方向に正多角形柱空間を形成するよう互いに配置され、
    前記固体発光素子は、所定個数ずつ、各前記保持面に前記保持手段を介し保持され、
    前記反射部は、前記第3開口部に向けて光を反射する
    ことを特徴とする請求項5に記載の照明装置。
  7. 前記放熱部は、前記保持面の裏面に配置される
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載の照明装置。
  8. 前記照明装置は、さらに、
    前記固体発光素子に供給する電力を生成する電源装置を内部に具備する白熱電球用のソケットに挿入可能である口金手段
    を備え、
    前記筐体手段と、前記口金手段とは、接続されており、
    前記筐体手段から、前記電源装置への熱の流入は、所定の方法により制限される
    ことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の照明装置。
  9. 前記所定の方法とは、前記筐体手段と、前記口金手段との接続において、該筐体手段より熱伝導性の低い材料を介在させることである
    ことを特徴とする請求項8に記載の照明装置。
  10. 前記電源装置は、さらに、
    該電源装置の環境温度に関する情報を感知する感知部
    を備え、
    前記所定の方法とは、前記感知部が、所定温度以上の温度を感知した際に、生成する電力量を低下させることである
    ことを特徴とする請求項8又は9に記載の照明装置。
  11. 複数具備される前記固体発光素子は、発光色に基づき2以上のグループに分けられ、
    前記グループ毎に発光制御される
    ことを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の照明装置。
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