JP2013093281A - 口金付ランプおよび照明器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】均一なランプ配光を得ることが可能な口金付ランプおよび照明器具を提供する。
【解決手段】口金付ランプ10は、本体11、基板12、複数個の固体発光素子13、透光性を有するカバー部材14、口金部材16を具備する。本体11は、筒状をなす。基板12は、本体の一端部側に配設される。複数個の固体発光素子13は、基板上に配設され、直径がランプ外径の1/3以下である円の円周上あるいは円内に位置する。カバー部材14は、固体発光素子を覆うように本体に設けられる。口金部材16は、本体の他端部側に設けられる。
【選択図】 図1
【解決手段】口金付ランプ10は、本体11、基板12、複数個の固体発光素子13、透光性を有するカバー部材14、口金部材16を具備する。本体11は、筒状をなす。基板12は、本体の一端部側に配設される。複数個の固体発光素子13は、基板上に配設され、直径がランプ外径の1/3以下である円の円周上あるいは円内に位置する。カバー部材14は、固体発光素子を覆うように本体に設けられる。口金部材16は、本体の他端部側に設けられる。
【選択図】 図1
Description
本発明の実施形態は、発光ダイオード等の固体発光素子を光源とした口金付ランプおよび照明器具に関する。
近年、固体発光素子、例えば発光ダイオード(以下「LED」と称する)は、その発光効率の向上により、一般照明用の光源として採用され、各種LEDランプや照明器具等が商品化されている。
この種、LEDランプは省エネ等の観点から一般白熱電球に代替されて使用されるため、外観形状および点灯時の発光状態が白熱電球に近くなることが要求されている。しかしながら、LEDは光の指向性が比較的強いため、LEDがグローブに近接して配設された場合、乳白色のグローブに縦縞模様(西瓜模様)が投影されたり、素子のつぶつぶ感が投影されてランプ配光が不均一になる問題が生じる。
このため、固体発光素子を光源とする口金付ランプにおいては、グローブへの縦縞模様(西瓜模様)や素子のつぶつぶ感の投影を抑制し、ランプ配光の均一な口金付ランプを如何にして構成するかが重要な課題となっている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、均一なランプ配光を得ることが可能な口金付ランプおよび照明器具を提供しようとするものである。
実施形態の口金付ランプは、本体、基板、複数個の固体発光素子、透光性を有するカバー部材、口金部材を具備する。本体は、筒状をなす。基板は、本体の一端部側に配設される。複数個の固体発光素子は、基板上に配設され、直径がランプ外径の1/3以下である円の円周上あるいは円内に位置する。カバー部材は、固体発光素子を覆うように本体に設けられる。口金部材は、本体の他端部側に設けられる。
本発明によれば、均一なランプ配光を得ることが可能な口金付ランプおよび照明器具を提供することができる。
以下、口金付ランプおよび照明器具の実施形態につき、図に従い説明する。
本実施形態の口金付ランプは、既存の一般白熱電球に代替が可能なLEDを光源とした口金付ランプ10を構成するもので、図1〜図5に示すように、筒状をなす本体11、本体の一端部側に配設される基板12、基板上に配設される複数個の固体発光素子13、固体発光素子を覆うように本体11に設けられた透光性を有するカバー部材14、固体発光素子13を点灯制御する点灯装置15、本体11の他端部側に設けられる口金部材16等で構成する。
本体11は、複数個の固体発光素子13を有する発光部、点灯装置15および口金部材16を支持するために、一定の剛性を有し、さらに固体発光素子13や点灯装置15からの熱を放熱させるために熱伝導性を有する部材で構成される。これら条件を満たすため、本実施形態では、熱伝導性の良好なアルミニウムで構成した。
本体11は筒状をなし、本実施形態では、横断面形状が略円形の円筒状をなし、一端部側に径の大きな開口部11aを他端部側に径の小さな開口部11bを有する収納部11cを一体に形成する。また、外周面は、一端部側から他端部側に向かい順次直径が小さくなる略円錐状のテーパ面をなすように形成し、外観が一般白熱電球におけるネック部のシルエットに近似させた形状に構成する。本体11の外周面は、アクリル焼付け塗装がなされ、メタリックシルバー色、または、白色等の外観を有するように構成される。これら構成のアルミニウムからなる本体11は、例えば、鋳造、鍛造または切削加工等で加工され、内部に空洞を有する両端が開放された円筒体として構成される。
本体11の一端部側の開口部11aには、環状の凹段部が形成され、凹段部の表面を平坦な面に形成して基板支持部11eを一体に形成し、基板支持部11eの周囲にリング状をなす凸条部11fを一体に形成する。また、本体11に一体に形成された収納部11cは、その内部に、後述する点灯装置15を構成する回路基板が配設される。収納部11cは、横断面が本体11の中心軸x−xを中心とした略円形をなし、一端部側から他端部側に向かって内径が小さくなる略円錐台形状をなしている。収納部11c内には、点灯装置15とアルミニウムからなる本体11との電気絶縁を図るために絶縁ケース20が嵌め込まれる。
絶縁ケース20は、PBT(ポリブチレンテレフタレート)などの耐熱性で電気絶縁性の良好な合成樹脂で構成され、一端部側に開口部20aが形成され他端部側が閉塞されて本体11の他端部側の開口部11bから突出される。そして、収納部11cの内面形状に略合致する有底の略円錐台形状をなす形状に構成し、基板12により開口部20aが押圧されて収納部11c内に固定される。絶縁ケース20は、その他端部側に外周を段状になした口金取付部20cを一体に形成する。
基板12は、発光部を構成するもので、熱伝導性の良好な金属、本実施形態では平坦な薄い長方形の板状をなすアルミニウムで構成し、その表面(図1(b))における上方の面にシリコーン樹脂等の電気絶縁層を介して銅箔からなる配線パターンが形成され、この配線パターン上に複数個の固体発光素子13が配設され実装される。また、基板12の表面には、固体発光素子から放射される光を反射させるための白色レジストからなる反射層12aが形成されている。本実施形態における基板の縦寸法l1は約30mm、横寸法l2は約35mmに構成した(図2)。
固体発光素子13は、本実施形態では発光ダイオード(以下「LED」と称す)で構成し、本実施形態では8個のSMD(Surface Mount Device)タイプの白色を発光するLEDからなる。LEDは、COB(Chip on Board)タイプでもよい。
上記構成の複数個のLED13は、図1、図2に示すように、基板上に配設され、直径がランプ外径の1/3以下である円の円周上あるいは円内に位置して配設される。すなわち、LED13は4個のグループに分割され、4個の各LEDが、直径がランプ外径の1/3以下である大きな円S1の円周上あるいは円内に位置して等間隔に配設される。また残り4個の各LEDが、直径がランプ外径の1/3未満である小さな円S2の円周上あるいは円内に位置して等間隔に配設される。
また、各LED13は、LEDパッケージの中心Pが各円S1、S2の円周上あるいは円周内に位置させる。大きな円S1と小さな円S2は、例えば、中心oが基板12の中央部に位置した同心円をなし、小さな円S2に配設された各LEDは、大きな円S1に配設された各LED13の間に等間隔に位置して配設される。
そして、各円S1、S2の直径寸法a1、a2は、ランプ外径寸法L1の1/3以下になるように構成する。ランプ外径L1とは、ランプのボール状をなす部分の最大径部であり、一般白熱電球との代替を可能とするために、白熱電球のランプ外径と略同様に約55〜60mmの範囲に設定する。なお、ランプ外径はランプの最大径部であり、通常はカバー部材14(グローブ)の最大径部がランプ外径となるが、本体11がランプの最大径部となる構成においては、本体11の最大径部がランプ外径となる。
本実施形態では、図1(a)に示すように、カバー部材14の最大径部をランプ外径L1とし、その寸法を約60mmに設定した。また大きな円S1の直径a1は約16mm、小さな円S2の直径寸法a2は、約9mmに設定し、各円S1、S2の直径寸法a1、a2は、ランプ外径寸法L1約60mmの1/3である約20mm以下となるように構成した。
また、4個の各LED13は、等間隔に位置させることが好ましいが、例えば、図3に示すように、異なる間隔(θ1<θ2)を有して位置させてもよい。また、本実施形態では、4個のLEDがそれぞれ配設される大きな円S1と小さな円S2は、同心円をなすように構成したが、必ずしも同心円である必要はなく、円の中心位置が異なるようにしてもよい。また、小さな円S2に配置された4個の各LEDは、円S2の円周上あるいは円内に位置することなく、ランダムに大きな円S1内に位置して配置されたものであってもよい。さらに、個数も4個に限らず、1個、2個または3個等のLEDを、ランダムに大きな円S1内に位置させて配置したものであってもよい。さらに大きな円S1内にはLEDを配設せずに、大きな円S1に配設された4個のLEDだけで構成してもよい。
また、図4(a)に示すように、LED13の個数は6個でもよく、6個の各LED13は、互いに平行となるように配置してもよい。この場合も、各LEDは、直径a1がランプ外径の1/3以下である円S1の円周上あるいは円内に位置して配設される。また、図4(b)に示すように、LED13の個数は4個でもよく、4個の各LED13を等間隔、若しくは、異なる間隔に配置してもよい。この場合も、各LEDは直径a1がランプ外径の1/3以下である円S1の円周上あるいは円内に位置して配設される。また、図4(c)に示すように、LED13の個数は2個でもよい。この場合も、各LEDは直径a1がランプ外径の1/3以下である円S1の円周上あるいは円内に位置して配設される。
以上のように、複数個のLED13は、直径がランプ外径の1/3以下、本実施形態では約20mm以下である円の円周上あるいは円内に位置して基板12上に配設され、LEDモジュール基板からなる発光部が構成される。なお、本実施形態の変形例を示す、図3、図4には、図1、図2と同一部分に同一符号を付し、詳細な説明は省略した。
上記発光部を構成する基板12は、図1(b)に示すように、本体11の一端部側に形成された基板支持部11eに電気絶縁を図り、かつ密着されるように配設され、また、必要に応じてシリコーン樹脂等で構成された電気絶縁シート等(図示せず)を介して、平坦な面をなす基板支持部11eの表面にネジ等の固定手段12bを用い密着して固定される。本実施形態において、基板12はアルミニウムからなる放熱板12cを介して、本体11の基板支持部11eに支持したが、放熱板12cを介さずに基板12を直接基板支持部11eに支持するようにしてもよい。
これにより、本体11の一端部側に発光部を構成する基板12が配設されると共に、基板12の裏面が本体11の基板支持部11eに確実に密着され、基板12が熱伝導性の良好なアルミニウムで構成されていることと相まって、基板表面側に実装された各LED13の主として裏面側から発生する熱を効果的にアルミニウムからなる本体11に伝達し放熱させることができる。
上記構成により、8個のLED13を実装した基板12からなる発光部の光軸y−yが、本体11の中心軸x−xに略合致し、全体として上面視で略円形の発光面を有する光源部が構成される。なお、発光部の光軸y−yと本体11の中心軸x−xが合致していることが好ましいが、必ずしも完全に合致している必要はなく、多少ずれた状態で構成されたものであってもよい。
カバー部材14は、ランプのグローブを構成するもので、透光性を有するとともに、発光部を保護するためのカバー機能が必要なために一定の剛性を有する部材で構成される。それら条件を満たす部材として、例えば、厚さが薄いガラスや合成樹脂などの材質で構成され、透明または光拡散性を有する乳白色などの半透明、本実施形態では乳白色のポリカーボネート製で、一端部に開口14aを有する一般白熱電球のボール部分のシルエットに近似させた滑らかな略半球体をなす面に形成する。そして、発光部を構成するLED13を覆うようにして本体11における基板支持部11eの凸条部11f内に開口14aが嵌め込まれ、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂等からなる接着剤で固定される。これにより、本体11のテーパ面をなす外周部が、カバー部材14の曲面状の外周面に一体的に略連続した外観形状に構成される。
そして、本実施形態では、図1(b)に示すように、半球状をなすカバー部材14の頂点Tにおける内面と、本体11に配設された基板12表面間の寸法l3が25mm以上60mm以下の範囲内、本実施形態では、約30mmとなるように構成した。
点灯装置15はLED13を点灯制御するもので、図1(b)に示すように、各LED13の点灯回路を構成する回路部品を実装した平板状の回路基板15aからなる。点灯回路は、交流電圧100Vを直流電圧24V程度に変換して各LED13に定電流の直流電流を供給するように構成される。回路基板15aは短冊状の縦に長い形状に構成して片面または両面に回路パターンが形成され、その実装面に小形の電解コンデンサ等のリード部品やトランジスタ等のチップ部品等、点灯回路を構成するための複数の小形の電子部品15bが実装される。
そして、本体11の収納部11cに設けられた絶縁ケース20内に、回路基板15aを縦方向にして収容し、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂等の熱伝導性が良好でかつ電気絶縁性の良好な接着剤15cを充填し、これら回路基板15aおよび電子部品15bを埋め込んで固定する。回路基板15aの出力端子には給電用のリード線が接続され、基板12に設けられたコネクタ(図示せず)を介して各LED13に接続される。また入力端子には入力線が接続される。
口金部材16は、点灯装置15に接続され、本体11の他端部側に設けられるもので、図1(b)に示すように、エジソンタイプのE26形を構成する口金で構成され、ねじ山を備えた銅板製の筒状のシェル部16aと、このシェル部の下端の頂部に電気絶縁部16bを介して設けられた導電性のアイレット部16cを備えている。シェル部16aの開口部が、絶縁ケース20の口金取付部20cに外側から嵌め込まれ、カシメやシリコーン樹脂やエポキシ樹脂等の接着剤による接着などの手段により、本体11との電気絶縁をなして本体11の他端部側に固定される。シェル部16aおよびアイレット部16cには、点灯装置15における回路基板15aの入力端子から導出された入力線が接続される。
これにより、本体11の一端部側に乳白色の透光性を有するカバー部材14で構成されたグローブを有し、LEDを光源とした発光部を有し、他端部側にE26形の口金部材16が設けられ、全体の外観形状が一般白熱電球のシルエットに近似した電球形の口金付ランプ10が構成される。この口金付ランプの全長は約119mm、ランプ外径は約60mmである。
上記に構成された口金付ランプ10を点灯すると、複数個のLED13は、直径a1がランプ外径約60mmの1/3以下である約16mmの直径をなす大きな円S1と、約9mmの直径a2をなす小さな円S2の円周上あるいは円内にそれぞれ位置して配設されている。
これにより、図5(a)に示すように、LED13とカバー部材14内面との間隔寸法、換言すれば、LED13から図において左右に向かって放射されるそれぞれの光が、カバー部材14の内面にそれぞれ到達するまでの距離b1、b2の差が少なくなる(図5(b)の従来との比較で(b2−b1)<(b5−b4))。
これにより、カバー部材内面における輝度が略等しくなり、陰影に伴う縦縞模様(西瓜模様)の発生を抑制することができる。同時に、LED13とカバー部材14内面との間隔寸法b3も比較的大きくとれることから(図5(b)の従来との比較で(b3>b7))、LEDのつぶつぶ感の発生も抑制することができ、これら抑制作用によって、均一なランプ配光を得ることが可能となり、一般白熱電球の発光状態に近似させることが可能になる。
図5(b)に示す従来のように、基板12の外周部に各LED13が配設された場合、すなわち、ランプ外径L1の1/3以上の直径、本実施形態では20mm以上の直径の円の円周上に各LED13が配設された場合には、LEDから図において左右に向かって放射されるそれぞれの光が、カバー部材14内面にそれぞれ到達するまでの距離b4、b5の差が大きくなる(b5−b4)>(b2−b1)。これにより、カバー部材内面における輝度に大きな差が生じ、この陰影に伴う縦縞模様(西瓜模様)が発生しやすくなる。また、LED13とカバー部材14内面との間隔寸法b7も小さくなることから(b7<b3)、LEDのつぶつぶ感が発生しやすくなる。
また、本実施形態によれば、カバー部材14の頂点Tにおける内面と、本体11に配設された基板12表面間の寸法l3を約30mmとなるように設定したので、各LEDとカバー部材14内面との距離をとることができ縞模様およびつぶつぶ感の発生を、一層抑制することが可能になる。この寸法l3は、25mm以上60mm以下の範囲内であれば、縞模様およびつぶつぶ感の発生をさらに抑制することが可能であり、また寸法l3は、本体11の縦寸法をより小さくし、カバー部材14の縦寸法をより大きくして、基板12表面とカバー部材14頂点Tにおける内面との寸法を、より60mmに近付けることによって、縞模様およびつぶつぶ感の発生を、より一層抑制することが可能になる。
なお、本実施形態において、LED13を配設した基板12を、カバー部材頂点Tにおける内面と基板表面間の寸法l3が、25mm以上60mm以下となるように本体11に配設することは、必ずしも必要な構成ではなく、複数個のLED13を直径がランプ外径の1/3以下である円の円周上あるいは円内に位置して基板12上に配設する構成のみでもよい。この構成のみによっても縦縞模様およびLEDのつぶつぶ感の発生を十分に抑制することができる。
また、本実施形態によれば、直径がランプ外径の約1/3以下となる円、本実施形態では約20mm以下の円の円周上あるいは円内に各LED13が配設されているので、基板12の表面に形成された白色レジストからなる反射層12aは、その外周部分にわたって広い面積を外周方向に向けて露出させることができ(図2)、各LED13から放射される光を効果的にカバー部材14の内面に向かって反射させることができ、光束損失の発生を抑制することが可能になる。
さらに、本実施形態によれば、基板12が板状をなし、その表面側にLED13が実装され、基板全体が本体11の一端部側の凹段部からなる基板支持部11e内に略内包されているので、基板12がグローブの内面に影となって現れることがなく、基板12が配光特性を阻害することもない。
次に、上記のように構成された口金付ランプ10を光源とした照明器具の構成を説明する。図6に示すように、30は店舗等の天井Xに埋め込み設置され、E26形の口金を有する一般白熱電球を光源としたダウンライト式の既存の照明器具で、下面に開口部31aを有する金属製の箱状をなした器具本体31と、開口部31aに嵌合される金属製の反射体32と、一般白熱電球のE26形の口金をねじ込むことが可能なソケット33で構成されている。反射体32は、例えばステンレス等の金属板で構成し、反射体32の上面板の中央部にソケット33が設置されている。
上記に構成された一般白熱電球用の既存の照明器具30において、省エネや長寿命化などのために一般白熱電球に替えて、上述したLEDを光源とする電球形の口金付ランプ10を使用する。すなわち、口金付ランプ10は口金部材16をE26形に構成してあるので、上記照明器具30の一般白熱電球用のソケット33にそのまま差し込むことができる。この際、口金付ランプ10の外周面が略円錐状のテーパ面をなすようにして、外観が一般白熱電球におけるネック部のシルエットに近似させた形状に構成されているので、ネック部がソケット周辺の反射体32などに当たることなくスムーズに差し込むことができ、電球形の口金付ランプ10における既存照明器具への適用率が向上する。これにより、LEDを光源とした省エネ形のダウンライトが構成される。勿論、上記と同様にして新規なダウンライトを構成するようにしてもよい。
この状態で電源を投入すると、ソケット33から口金付ランプ10の口金部材16を介して電源が供給され、点灯装置15が動作し24Vの直流電圧が出力される。この直流電圧は点灯装置15から各LED13に印加され、定電流の直流電流が供給されて全てのLED13が同時に点灯する。
各LED13から放射された白色の光は、カバー部材14の内面全体に向かって略均等に放射され、さらに乳白色のグローブで光が拡散されるので、一般白熱電球に近似した配光特性をもった照明を行うことができる。また、上述したように、カバー部材14における縦縞模様(西瓜模様)の発生を抑制することができ、同時に、LEDのつぶつぶ感の発生も抑制することができるので、より均一なランプ配光を得ることができ、一般白熱電球の発光状態により近似させた発光状態で、違和感のない照明を行うことが可能になる。また、光源となる口金付ランプ10の配光が一般白熱電球の配光に近づくことで、照明器具30内に配置されたソケット33近傍の反射体32への光の照射量が増大し、一般白熱電球用として構成された反射体32の光学設計通りの器具特性を略得ることが可能となる。
同時に、電球形の口金付ランプ10が点灯されると、LED13の温度が上昇し熱が発生する。その熱、すなわち、LED13の主として裏面側、すなわち、基板12の裏面側に発生する熱は、熱伝導性の良好なアルミニウムからなる基板12から、基板が密着して固定された基板支持部11eに伝達され、アルミニウムからなる本体11の外周面から外部に放熱される。これら効果的な放熱作用によりLED13の温度上昇が抑制され、口金付ランプにおける発光効率の低下が抑制され、ダウンライトとして常に明るい照明を行うことができる。また、ランプおよび照明器具の長寿命化を図ることも可能になる。
本実施形態は、実施形態1と同様に、既存の一般白熱電球に代替が可能なLEDを光源とした口金付ランプ10および照明器具30を構成するもので、本実施形態では、LED13を基板12上に位置させる円の直径寸法a1を、基板12の大きさとの関係で規定するように構成したものである。
すなわち、図7(a)に示すように、複数個のLED13は、基板12上に配設され、直径が基板12の縦寸法をl1、横寸法をl2としたとき、(l1+l2)/2の1/2以下である円の円周上あるいは円内に位置して配設する。
本実施形態では、縦横寸法l1が約30mmの略正方形をなし、縦横寸法の平均値は約30mm、この平均値の1/2である約15mmの直径a3を有する円S3の円周上あるいは円内に5個のLED13を略等間隔に位置させて配設した。これによれば、約20mm以下の直径の円の円周上あるいは円内に複数個のLED13を配設することができ、実施形態1と同様に、縦縞模様およびLEDのつぶつぶ感の発生を抑制することが可能になる。
また、実施形態1と同様に、カバー部材14頂点Tにおける内面と基板表面間の寸法l3が、25mm以上60mm以下となるように、LED13を配設した基板12の構成を組み合わせることによって、縦縞模様およびLEDのつぶつぶ感の発生を一層抑制することが可能になる。
本実施形態において、LED13の個数は、5個に限らず、例えば、図7(b)に示すように、3個でもよく、この場合も直径a3が基板の縦寸法をl1、横寸法をl2としたとき、(l1+l2)/2の1/2以下である円S3の円周上あるいは円内に位置して3個のLED13を略等間隔に位置させて配設する。また、図7(c)に示すように、円形の基板12の場合には、この円の直径寸法の1/2以下の寸法を直径a3とする円S3の円周上あるいは円内に、複数個のLED13を位置させて配設してもよい。本実施形態においては、直径約30mmの基板を用い、基板直径の1/2、すなわち、約15mmの直径a3をなす円S3の円周上あるいは円内に5個のLED13を等間隔に位置させて配設した。
また、本実施形態のLED13を基板12上に位置させる円の直径寸法を、基板12の大きさとの関係で規定する構成は、上記に説明した構成に限定されることなく、例えば、実施形態1における長方形の基板構成に対しても適用することができる。
すなわち、図2に示すように、長方形をなす基板12は、縦寸法l1が約30mm、横寸法が約35mmであり、縦横寸法の平均値は約32.5mm、この平均値の1/2である約16.3mmの直径a1を有する円S1の円周上あるいは円内に4個のLEDを等間隔に位置させて配設するように構成する。この構成によっても、約20mm以下の直径の円の円周上あるいは円内に複数個のLEDを配設することができ、縦縞模様およびLEDのつぶつぶ感の発生を抑制することが可能になる。なお、本実施形態を示す、図7には、実施形態1と同一部分に同一符号を付し、詳細な説明は省略した。
以上、上述した各実施形態において、実施形態1と実施形態2を組み合わせて構成してもよい。すなわち、実施形態1の「複数個の固体発光素子を、直径がランプ外径の1/3以下である円の円周上あるいは円内に位置して基板上に配設する」構成(条件)と、実施形態2の「複数個の固体発光素子を、直径が基板の縦寸法をl1、横寸法をl2としたとき、(l1+l2)/2の1/2以下である円の円周上あるいは円内に位置して基板上に配設する」構成(条件)とを組み合わせることにより、グローブへの縦縞模様(西瓜模様)や素子のつぶつぶ感の投影をより一層確実に防止し、ランプ配光の均一な口金付ランプを提供することが可能になる。なお、本実施形態1は、上述したように、両方の条件を満たした口金付ランプとして構成されている。
また、上述した各実施形態において、口金付ランプは、一般白熱電球の形状に近似させた電球形の口金付ランプ(A形またはPS形)、ボール形の口金付ランプ(G形)、円筒形の口金付ランプ(T形)、レフ形の口金付ランプ(R形)さらには、GX53口金を用いたフラットな薄型構造のランプなどに構成してもよい。また一般白熱電球の形状に近似させた口金付ランプに限らず、その他各種の外観形状、用途をなす口金付ランプに適用することができる。またE26形口金の一般白熱電球に代替が可能な口金付ランプに適用したが、これに限らずE17形口金等の白熱電球や電球形蛍光ランプ等に代替が可能な口金付ランプに適用されてよい。
本体は、固体発光素子の放熱性を高めるために熱伝導性の良好な金属、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)の少なくとも一種を含む金属で形成することが好ましいが、この他に、窒化アルミニウム(AlN)、シリコンカーバイト(SiC)などの工業材料で構成してもよい。外観形状は、一端部側から他端部側に向けて直径が順次小さくなるような、一般白熱電球におけるネック部分のシルエットに近似させて形成することが、既存照明器具への適用率が向上して好ましいが、ここでは、一般白熱電球に近似させることは条件でなく、限られた特定の外観形状には限定されない。また、本体の外周面には放熱性能をより高めるために一端部側から他端部側に向かい放射状に突出する多数の放熱フィンや放熱ピン等を一体に形成してもよい。
固体発光素子は、例えば、青色を発光する窒化ガリウム(GaN)系半導体からなるLEDチップで構成されることが好適であるが、半導体レーザ、有機ELなどを発光源とした固体発光素子が許容される。また、白色で発光するようにしたが、照明器具の用途に応じ、赤色、青色、緑色等でも、さらには各種の色を組み合わせて構成してもよい。さらに、調光や調色機能をもたせてもよい。
基板は、面モジュールを構成するために板状の円形や四角形、六角形などの多角形状、さらには楕円形状等をなすものであってもよく、目的とする配光特性を得るための全ての形状が許容される。また、基板の材質も金属に限らずガラスエポキシ等の合成樹脂であってもよい。
カバー部材は、白熱電球など一般照明用電球のバルブと同じ外観形状を有するA形、PS形などの通常涙滴形と呼ばれている形状やG形の球形をなすバルブと、さらにはT形、R形をなすバルブと同形、ないしは略同形をなす類似形状のグローブで構成されることが好適であるが、フラットな薄型構造のランプを構成する皿形をなす形状であっても、さらに、LED等の固体発光素子の充電部等を外部から保護するための透明または半透明の皿状をなす保護カバーで構成してもよい。また、カバー部材は、発光部を実質的に密閉する外囲器を構成することが好ましいが、完全に密閉することが条件ではなく光学的に密閉していればよく、例えば、一部に小さな通気用の孔等を形成したものであってもよい。
口金部材は、一般白熱電球や電球形蛍光ランプ等が取付けられるソケットに装着可能な全ての口金が許容されるが、一般的に最も普及しているエジソンタイプのE26形やE17形等の口金が好適である。また、材質は口金全体が金属で構成されたものでも、電気的接続部分を銅板等の金属で構成し、それ以外の部分を合成樹脂で構成した樹脂製の口金であっても、さらには、フラットな薄型構造のランプに用いられるGX53口金でも、蛍光ランプに使用されるピン形の端子を有する口金でも、引掛シーリングに使用されるL字形の端子を有する口金でもよく、特定の口金には限定されない。
点灯装置は、本体内に設けることが一般白熱電球等の光源をそのまま置き換えられる点で有利であるが、別置きとすることもできる。また、点灯装置は、固体発光素子を調光するための調光回路や調色回路等を有するものであってもよい。
照明器具は、天井埋込形、直付形、吊下形、さらには壁面取付形等が許容され、器具本体に制光体としてグローブ、セード、反射体などが取付けられるものであっても光源となる口金付ランプが露出するものであってもよい。また、器具本体に1個の口金付ランプを取付けたものに限らず、複数個が配設されるものであってもよい。さらに、オフィス等、施設・業務用の大型の屋内外の照明器具などを構成してもよい。以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は上述の各実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の設計変更を行うことができる。
10 口金付ランプ
11 本体
12 基板
13 固体発光素子
14 カバー部材
16 口金部材
30 照明器具
31 器具本体
11 本体
12 基板
13 固体発光素子
14 カバー部材
16 口金部材
30 照明器具
31 器具本体
Claims (4)
- 筒状をなす本体と;
本体の一端部側に配設される基板と;
基板上に配設され、直径がランプ外径の1/3以下である円の円周上あるいは円内に位置する複数個の固体発光素子と;
固体発光素子を覆うように本体に設けられた透光性を有するカバー部材と;
本体の他端部側に設けられる口金部材と;
を具備していることを特徴とする口金付ランプ。 - 筒状をなす本体と;
本体の一端部側に配設される矩形状の基板と;
基板上に配設され、直径が基板の縦寸法をl1、横寸法をl2としたとき、(l1+l2)/2の1/2以下である円の円周上あるいは円内に位置する複数個の固体発光素子と;
固体発光素子を覆うように本体に設けられた透光性を有するカバー部材と;
本体の他端部側に設けられる口金部材と;
を具備していることを特徴とする口金付ランプ。 - カバー部材頂点における内面と基板表面間の寸法が、25mm以上60mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の口金付ランプ。
- 器具本体と;
器具本体に装着される請求項1ないし3いずれか一に記載の口金付ランプと;
を具備していることを特徴とする照明器具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011235988A JP2013093281A (ja) | 2011-10-27 | 2011-10-27 | 口金付ランプおよび照明器具 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2011235988A JP2013093281A (ja) | 2011-10-27 | 2011-10-27 | 口金付ランプおよび照明器具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013093281A true JP2013093281A (ja) | 2013-05-16 |
Family
ID=48616249
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011235988A Pending JP2013093281A (ja) | 2011-10-27 | 2011-10-27 | 口金付ランプおよび照明器具 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2013093281A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106322150A (zh) * | 2016-08-23 | 2017-01-11 | 厦门市朗星节能照明股份有限公司 | 一种能显示字符的球形灯泡 |
JP2019129103A (ja) * | 2018-01-26 | 2019-08-01 | Necライティング株式会社 | 照明器具及びそれに用いる光拡散カバー |
-
2011
- 2011-10-27 JP JP2011235988A patent/JP2013093281A/ja active Pending
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JP7079959B2 (ja) | 2018-01-26 | 2022-06-03 | 株式会社ホタルクス | 照明器具及びそれに用いる光拡散カバー |
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