JP2011113667A - 非水電解質2次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】正極集電体5,11および正極集電体5,11に塗布された正極活物質6を含む正極7,12と、負極集電体2,9および負極集電体2,9に塗布された負極活物質3を含む負極4,10とを備えている。また、イオン透過性および電気絶縁性を有するセパレータ8と、正極7,12、負極4,10およびセパレータ8が浸漬される非水電解液16とを備えている。正極および負極の少なくとも一方は、正極および負極が並ぶ方向に直交する方向における端部から吸収して内部を透過させた非水電解液16を、正極および負極が並ぶ方向に透過させる第1空隙が形成された第1透過電極を含む。正極および負極の少なくとも一方は、正極および負極が並ぶ方向において、一方の側面から他方の側面に非水電解液16を透過させる第2空隙が形成された第2透過電極を含む。
【選択図】図1
Description
図1は、本発明の実施形態1に係る非水電解質2次電池の構成を模式的に示す断面図である。図1に示すように、本発明の実施形態1に係る非水電解質2次電池1には、互いに対向する正極7,12と負極4,10とが交互に配置されている。正極7,12と負極4,10との間のそれぞれにセパレータ8が配置されている。正極7,12、負極4,10およびセパレータ8は、筐体15の内部において、非水電解液16に浸漬されている。
(正極集電体および負極集電体)
第2透過電極を構成する正極集電体5および負極集電体2としては、アルミニウム、ステンレス、チタン、銅およびニッケルなどの金属からなる箔を用いることができる。電気化学的安定性、延伸性および経済性などを考慮すると、正極集電体5としてアルミニウム箔、負極集電体2として銅箔を用いることが好ましい。
(正極活物質)
正極7,12は、正極活物質6、導電剤、増粘材および結着剤を含有するペーストが、正極集電体5,11に塗布された後、乾燥されることにより作製される。正極活物質6としては、Liを含有した酸化物を用いることができる。具体的には、LiCoO2、LiNiO2、LiFeO2、LiMnO2、LiMn2O4、および、これらの酸化物中の遷移金属を一部他の金属元素で置換した化合物などを、正極活物質6として用いることができる。
(負極活物質)
負極4,10は、負極活物質3、増粘材、結着剤を含有するペーストが、負極集電体2,9に塗布された後、乾燥されることにより作製される。負極活物質3としては、天然黒鉛、鱗片状、塊状、繊維状、ウィスカー状、球状、破砕状などの粒子状の人造黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ、メソフェーズピッチ粉末、等方性ピッチ粉末の黒鉛化品などの高結晶性黒鉛、樹脂焼成炭などの難黒鉛化炭素を負極活物質3として用いることができる。
(結着剤)
結着剤として、活物質粒子同士および活物質粒子と集電体とを結着させることができ、かつ、電池充放電時の電位が安定なものであれば特に限定はされない。たとえば、スチレンブタジエンゴムまたはポリフッ化ビニリデンなどを用いることができる。これらの結着剤の添加量が少ない場合、結着力が不足し、添加量が多い場合、電池抵抗を上昇させる原因となる。よって、たとえば、スチレンブタジエンゴムを結着剤に用いた場合、活物質に対する結着剤重量部範囲が、0.5〜8.0であることが好ましい。
(増粘剤)
結着剤としてスチレンブタジエンゴムなどの水系分散型のものを用いた場合、活物質粒子の分散を保ち、かつ、ペーストの集電体への塗布を容易にするため、増粘剤を加える必要がある。増粘材としては、これらの要件を満たし、かつ、電池充放電時の電位において安定なものであれば特に限定はされない。たとえば、カルボキシメチルセルロースなどを用いることができる。増粘材の添加量は、増粘材の種類および添加条件によって異なるが、活物質の分散性およびペースト塗布時の粘度を考慮して、活物質に対する増粘材重量部が0.5〜2.0の範囲であることが好ましい。
(セパレータ)
セパレータ8としては、イオン透過度が大きく、所定の機械的強度を持ち、電気的絶縁性を有し、非水電解液16によって侵されない薄膜を用いることができる。セパレータ8として、たとえば、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド系、ポリアミド、アラミド系、セルロース系樹脂、ガラス繊維からなる、不織布、織布または微多孔性フィルムを用いることができる。
(非水電解液)
非水電解液16とは、電解質塩を有機溶剤に溶解して作製される溶液である。電解質塩としては、たとえば、Liをカチオン成分とするものが好ましく、ホウフッ化リチウム、六フッ化リン酸リチウム、過塩素酸リチウム、フッ素置換有機スルホン酸などの有機酸をアニオン成分とするリチウム塩を用いることができる。
実施形態2
図7は、空隙率の異なる電極を空隙率の小さい方から順に配置した際の非水電解液の流れる方向を示す模式図である。図7に示すように、第2透過電極である負極4A,4B,4C、および、第2透過電極である正極7A,7Bを順に配置した。負極4Aには、第2空隙18Aが設けられている。負極4Bには、第2空隙18Cが設けられている。負極4Cには、第2空隙18Eが設けられている。正極7Aには、第2空隙18Bが設けられている。正極7Bには、第2空隙18Dが設けられている。
実施形態3
図11は、本発明の実施形態3に係る非水電解質2次電池の構造を模式的に示す断面図である。図11に示すように、本発明の実施形態3の非水電解質2次電池30においては、最も外側に配置された負極23が、非水電解液16を透過させない非透過電極で形成されている。その他の構成については、実施形態1または2と同様であるため、説明を繰り返さない。なお、本実施形態においては、非透過電極が負極23であるが、最も外側に配置される電極が正極7である場合には、非透過電極が正極であってもよい。
実施形態1係る非水電解質2次電池1を以下のように作製した。正極活物質6としてリン酸鉄リチウムを、正極導電剤として人口黒鉛を、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを用い、これらの組成を100:4:8としてペースト状の正極材料を作製した。正極集電体5として、厚みが20μmのアルミニウム箔を用いた。正極集電体5の両側面に、ペースト状の正極材料を塗布した後、乾燥させて正極7を作製した。
実験例1における実施形態1に係る非水電解質2次電池および比較例の非水電解質2次電池と同様の構造を有する電池をそれぞれ作製して、充放電サイクル測定を行なった。表2は、その測定結果を示したものである。なお、表2に示した測定結果は、それぞれ3サンプルを作製して測定した結果の平均値である。
Claims (5)
- 正極集電体および該正極集電体に塗布された正極活物質を含む正極と、
負極集電体および該負極集電体に塗布された負極活物質を含む負極と、
イオン透過性および電気絶縁性を有するセパレータと、
前記正極、前記負極および前記セパレータが浸漬される非水電解液と
を備え、
互いに対向する前記正極と前記負極とが交互に配置され、
前記セパレータは、前記正極と前記負極との間にそれぞれ配置され、
前記正極および前記負極の少なくとも一方は、前記正極および前記負極が並ぶ方向に直交する方向における端部から吸収して内部を透過させた前記非水電解液を、前記正極および前記負極が並ぶ方向に透過させる第1空隙が形成された第1透過電極を含み、
前記正極および前記負極の少なくとも一方は、前記正極および前記負極が並ぶ方向において、一方の側面から他方の側面に前記非水電解液を透過させる第2空隙が形成された第2透過電極を含む、非水電解質2次電池。 - 前記第2透過電極においては、前記第2透過電極の配置が、最も外側に配置された、前記正極または前記負極から離れるにしたがって、および、前記第1透過電極から離れるにしたがって、前記第2空隙の空隙率が大きくなる、請求項1に記載の非水電解質2次電池。
- 前記正極および前記負極の少なくとも一方は、前記非水電解液を透過させない非透過電極を含み、
前記非透過電極が、前記正極および前記負極において、最も外側の両端に配置された、請求項1または2に記載の非水電解質2次電池。 - 前記第1透過電極が、空隙を有する金属材料からなる前記正極集電体および前記負極集電体の少なくとも一方を含む、請求項1から3のいずれかに記載された非水電解質2次電池。
- 前記第1透過電極が、空隙を有する樹脂材料からなる前記正極集電体および前記負極集電体の少なくとも一方を含む、請求項1から3のいずれかに記載された非水電解質2次電池。
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